JP3006965B2 - 防曇性薄膜物品 - Google Patents

防曇性薄膜物品

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JP3006965B2
JP3006965B2 JP4271831A JP27183192A JP3006965B2 JP 3006965 B2 JP3006965 B2 JP 3006965B2 JP 4271831 A JP4271831 A JP 4271831A JP 27183192 A JP27183192 A JP 27183192A JP 3006965 B2 JP3006965 B2 JP 3006965B2
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洋一 村山
邦宏 柏木
泰彦 ▲よし▼田
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伊藤忠ファインケミカル株式会社
洋一 村山
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、防曇性薄膜物品に関
するものである。さらに詳しくは、この発明は、レン
ズ、メガネ、窓ガラス、ゴーグル等のガラスやプラスチ
ック物品の防曇性に優れ、しかも耐久性、耐候性、耐薬
品性等の良好な新しい防曇性薄膜物品に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術とその課題】透明性、透光性等の光透過性
物品、たとえばガラスやポリカーボネイト、メチルメタ
クリレート等のプラスチックからなる各種の物品は、窓
ガラス、車窓、鏡面、眼鏡レンズ、光学レンズあるいは
スキーゴーグル等に日常的に広く利用されているが、従
来よりその表面に水滴や汚れが付着して表面が乱反射
し、透明性が損なわれるという欠点があった。
【0003】このような欠点は、表面に水滴が付着する
場合、室内等で高温・多湿な蒸気等にさらされた時、あ
るいは物品が低温低湿度な場所より急激に高温多湿な場
所に移された時に結露が生じることに起因するものであ
った。しかもプラスチックやガラスの表面はそのままで
は外的応力により傷が付き易く、物理的損傷からも透明
性が損なわれるという欠点があった。
【0004】このため、従来より、レンズ等の透明物品
の表面に防曇性を付与するため、界面活性剤や、ヒドロ
キシエチルメタクリレート(HEMA)、ポリエーテ
ル、ポリビニルアルコール等の親水性官能基を有する有
機化合物を基板表面に塗布し、もしくはスプレーして防
曇性薄膜を形成する方法が一般的に採用されてきた。こ
のような方法によって得られる防曇性の効果は、塗布さ
れる物質の性能、すなわち、薄膜形成後の表面の濡れ特
性が重要な役割を果しているものと考えられている。し
かしながら、実際には、仮に高性能な防曇性を有する物
質が開発されても、基板表面に対する塗布やスプレー等
の方法では、防曇性薄膜と基板との密着性、薄膜強度が
弱く、防曇物質が紫外線に分解されたり雨滴により表面
から散逸されやすいため、防曇性能の著しい低下は避け
られなかった。
【0005】このような状況から、防曇表面の耐久性を
向上させるために、防曇物質と共に被膜を強化する目的
で、たとえば親水性ビニル化合物と有機シラン化合物と
を組み合わせて塗布する方法が開発されたが、やはり薄
膜と表面との接着性及び膜強度に優れたものは得られ
ず、長期間持続的な効果が得られるには到っていない。
それ以外にも、基板表面上に様々な親水性または疎水性
の官能基を有する防曇性薄膜を塗布形成する方法や、プ
ラスチック中に防曇性物質、たとえばグリセリン脂肪酸
エステルや高級アルコールオキシカルボン酸エステル等
の界面活性剤を混練し、成形後の表面をプラズマで照射
する技術(特許公告昭38−4171・特許公告昭45
−4617)、低圧環境中で蒸着(真空蒸着)法により
蒸発物質の化学的組成を変えずに基板表面にごく薄い薄
膜を形成したり、蒸発物質を基板表面にて励起させ重合
させる(プラズマ重合)方法(特許公開昭61−286
801)等が提案されている。しかしながら、いずれも
防曇性と薄膜強度、耐久性において実用物品への適用に
ついて満足できる状況になく、実際に市販され市場に流
通している製品は皆無である。
【0006】そこで、この発明は上記した通りの従来技
術の問題を解消せんとするものであり、基板表面に付着
しようとする水滴による表面の曇りを防ぎ、外的要因、
すなわち、外的圧力・摩擦等による力学的要因や酸、ア
ルカリ等の化学的要因、あるいは紫外線等の気候的要因
等に対する特性を改良し、防曇性能とともに、薄膜の基
板表面への付着力や膜質の硬さを改善し、従来の防曇面
にはない持続性、耐久性を有する防曇面を実現すること
のできる新しい防曇性薄膜物品を提供することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するための手段として、炭化水素基からなる疎水
性基を有し、カルボニル基またはカルバモイル基を有す
る化合物もしくはケテンダイマーまたはケテンオリゴマ
ーを構成する有機化合物を高周波励起プラズマ反応させ
基板物品表面に薄膜配設してなることを特徴とする防
曇性薄膜物品を提供する。
【0008】また、この発明は、さらに物品表面への上
記の薄膜配設に際して、それと同時に、もしくは後に含
Si化合物を高周波励起プラズマ反応させてなることを
特徴とする防曇性薄膜物品をも提供する。すなわち、こ
の発明においては、従来技術とは決定的に異なる手段と
して、高周波励起プラズマ反応による反応薄膜として、
防曇性とともに、優れた密着性の硬質薄膜を実現し、耐
久性、耐候性、耐薬品性等を大きく向上させる。
【0009】この優れた作用効果は、これまでの技術か
らは全く予見できないものである。薄膜形成のための有
機化合物は、前記の通りの疎水性基としての炭化水素基
を有している。この場合の炭化水素基は、一般的には単
一もしくは複数の炭素鎖からなるC1 〜C20程度の飽和
もしくは不飽和の炭化水素基とすることができる。ま
た、上記のとおりの炭化水素基を有し、カルボニル基ま
たはカルバモイル基を有する化合物もしくはケテンダイ
マーまたはケテンオリゴマーを構成するこの発明の有機
化合物は、その特有の官能基もしくは構成として親水性
基としての含酸素基を持っている。
【0010】これらの有機化合物は、いわゆる低分子量
のモノマー物質、あるいはその多量体やポリマーとして
も使用することができる。高周波励起プラズマ反応は、
この発明の発明者が開発した、コイル状電極による励起
手段を設けた真空槽内において好適に実施することがで
きる。そのための条件については、たとえば1×10-5
〜1×10-4Torr程度の真空状態において、アルゴ
ン等の不活性ガスによる励起プラズマによって反応させ
るようにする。
【0011】上記の有機化合物は、抵抗加熱、誘導加熱
等の適宜な手段によって蒸発させて励起することができ
る。また、この有機化合物とともに、上記の含Si化合
物を同時に励起反応させてもよい。この含Si化合物
は、SiO,SiO2 等の無機物、あるいはシラン、シ
ロキサン、シラザン等の有機物とすることができる。こ
れらは、上記有機化合物と同時に、あるいは順次に薄膜
形成に使用することができる。硬質、透明保護膜として
作用する。
【0012】そして、通常の真空蒸着、直流放電プラズ
マ等による薄膜形成においては、物品表面との密着性の
向上のために表面をあらかじめフロン洗浄剤等により洗
浄しておくことが欠かせないが、この発明においてはこ
のような洗浄を行なわなくとも充分な特性が得られる。
以下、実施例を示し、さらに詳しく、この発明の防曇性
薄膜物品について説明する。
【0013】
【実施例】コイル状電極を励起手段とする高周波励起プ
ラズマ反応装置において、ガラス基板、ポリカーボネー
ト基板の各々の透明板体に防曇性薄膜を配設した。実施例1〜8 防曇性物質として各種のものを用いた。成膜時間は10
〜30分とした。また、反応条件を表1の通りとした。
得られた表面の脱イオン水による接触角および基板密着
性は、表1に示した通り優れたものであり、表面への息
の吹きかけによる曇りの度合いも極めて良好であった。
【0014】この場合の測定は以下の通りとした。 〈接触角測定〉蒸留水を注射器にて一定の高さより防曇
サンプルに1滴落下させ、接触角測定器により接触測定
した。 〈息吹きつけ防曇性〉防曇面に対して室温において息を
かけ、曇の度合いを判断した。
【0015】〈基板密着性〉真空蒸着の場合の密着性に
比べての相対評価を行った。
【0016】
【表1】
【0017】実施例9〜12 同様にポリカーボネート基板についても薄膜配設した。
その結果を表2に示した。防曇性、基板密着性ともに極
めて良好であった。
【0018】
【表2】
【0019】実施例13〜15 ガラス基板(接触角21度)、O2 ガス圧下に、実施例
1〜8と同様に次の特性のポリウレタン樹脂を用いて、
しかもSiOとともに同時成膜を行った。〈ポリウレタ
ン樹脂〉 比 重 1.07 水溶液粘度(23℃)(pH7、固形分30%) 40cps また、特性の測定条件は、次の通りとした。 〈接触角測定〉蒸留水を注射器にて一定の高さより防曇
サンプルに1滴落下し、接触角測定器より直接測定し
た。 〈防曇効果〉 呼気テスト 防曇面に対し室温にて息をハーッと吹きかけ、曇の度合
いを判断した。
【0020】低温部 室 内:温度27℃ 湿度76% 冷蔵庫内:温度1.4℃ 上記条件下で冷蔵庫内にサンプルをプラスチック製容器
に密封して2時間静置し、静置後冷蔵庫からサンプルを
取り出し、室温下に30秒置いて曇度合いを判断する。
(その際基板の防曇面の存在しない側の曇をティッシュ
ペーパーで拭き取り、防曇面のみの曇度合いを確認す
る。) 高温部 前記試験実施後、サンプルの基板温度が室温まで上昇す
るのを待ち、沸騰したやかんに入れた水蒸気に2秒間さ
らし、曇度合いを判断する。
【0021】判断基準A:全く曇がみられない。(A
°:特に良い防曇性) B:透明基板の向こうの景色が認識できる。表面に多少
の水滴が確認できる。少し曇った程度。 C:全く曇って基板の向こう側が確認できないか、もし
くは白く薄膜表面一面に水滴がついている状態。
【0022】この結果を示したものが表3である。優れ
た特性が得られていることがわかる。
【0023】
【表3】
【0024】実施例16〜22 SiOを同時成膜することなく、かつ、O2 ガスに代え
てCH4 ガスを導入し、実施例13〜15と同様にして
成膜させた。特性は表4に示した通り優れたものであっ
た。
【0025】
【表4】
【0026】
【発明の効果】この発明において、以上詳しく説明した
通り、防曇性、密着性、耐久性等に優れた防曇性薄膜物
品が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲よし▼田 泰彦 埼玉県入間郡大井町大字苗間484−16 (56)参考文献 特開 平1−300959(JP,A) 特開 昭62−277436(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/00 - 7/18 C03C 17/32 C09K 3/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素基からなる疎水性基を有し、カ
    ルボニル基またはカルバモイル基を有する化合物もしく
    はケテンダイマーまたはケテンオリゴマーを構成する
    機化合物を高周波励起プラズマ反応させて基板物品表面
    に薄膜配設してなることを特徴とする防曇性薄膜物品。
  2. 【請求項2】 請求項1において、薄膜配設に際して
    時に、もしくは後に含Si化合物を高周波励起プラズマ
    反応させてなることを特徴とする防曇性薄膜物品。
  3. 【請求項3】 表面洗浄することなく薄膜配設してなる
    請求項1または2の防曇性薄膜物品。
  4. 【請求項4】 含Si化合物が、無機または有機化合物
    である請求項2の防曇性薄膜物品。
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