JPH05214044A - 組成物 - Google Patents

組成物

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JPH05214044A
JPH05214044A JP5619492A JP5619492A JPH05214044A JP H05214044 A JPH05214044 A JP H05214044A JP 5619492 A JP5619492 A JP 5619492A JP 5619492 A JP5619492 A JP 5619492A JP H05214044 A JPH05214044 A JP H05214044A
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JP
Japan
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group
formula
composition
ethylene oxide
meth
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JP5619492A
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English (en)
Inventor
Atsuo Yoshikawa
淳夫 吉川
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (メタ)アクリロイル基を3個以上有する多
官能モノマー(A)と、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレートなどの単官能または二官能のモノ
マー(B)とを含むことを特徴とする組成物。 【効果】 制電性に優れたハードコートまたは硬化塗膜
を与える組成物が提供される。また、合成樹脂成形品の
表面に塗布し、ついで硬化させることにより、耐擦傷
性、耐摩耗性、制電性および防曇性に優れたハードコー
トまたは硬化塗膜を形成する組成物が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特定の組成物に関する。
本発明により提供される組成物はハードコート用または
硬化塗膜用として好ましく使用され、形成されるハード
コートまたは硬化塗膜は優れた制電性を有する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ポリ
メチルメタクリレート、ポリカーボネート等の合成樹脂
はガラスよりも成形加工が容易である点、安価で軽量で
ある点などの利点を備えていることから、光ディスク基
板、レンズ・ミラー等の光学部品、照明・デイスプレイ
等の装飾分野、自動車等の車両部品など広範な用途に用
いられている。
【0003】しかし、合成樹脂成形品は耐擦傷性および
耐摩耗性が十分でないため、成形加工中または成形加工
後に他の物体と接触することにより表面に傷がつくこと
がある。また、合成樹脂成形品は高い絶縁性を有するた
め、他の物体との摩擦により発生したエネルギーが静電
気として蓄積され易く、かつ放電され難い。したがっ
て、合成樹脂成形品の表面に微細なほこりが付着し易
く、かつ付着したほこりが取れ難い。合成樹脂成形品の
表面にほこりが付着した場合には性能が低下するばかり
でなく、人体に悪影響を及ぼすか、または電子部品の損
傷または火災の原因になることがある。さらに、上記の
合成樹脂成形品の表面は疎水性であるため、高湿度下に
おいて水分が結露し易くこれによって性能が低下するこ
とがある。
【0004】上記の問題点を解決するために、合成樹脂
成形品の表面に、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸
基等の親水性官能基またはエーテル結合を有する帯電防
止剤を塗布する方法〔従来法(1)〕、上記の親水性官
能基を有するモノマーを含む帯電防止剤を合成樹脂成形
品の表面に塗布し、ついで共重合させることにより薄膜
を形成する方法〔従来法(2)〕、4官能性珪素化合物
等の加水分解物または部分加水分解物を含む溶液を合成
樹脂成形品の表面に塗布し、ついで硬化することにより
無機高分子からなる薄膜を形成する方法〔従来法
(3)〕、合成樹脂成形品の表面に酸化錫、酸化インジ
ウム、酸化亜鉛、インジウム−錫酸化物などの導電性セ
ラミックからなる薄膜を真空蒸着法により形成するか、
または上記の導電性セラミックを含む帯電防止剤を塗布
する方法〔従来法(4)〕が知られている。
【0005】従来法(1)によって、高い制電性を有す
る合成樹脂成形品を得るためには、表面に形成される塗
膜中に帯電防止剤を高い濃度で含有させることが必要で
あることから、塗膜が有する耐擦傷性および耐摩耗性が
低下する場合がある。また、帯電防止剤が塗膜表面に析
出する場合があり、これによって制電性が低下すること
がある。
【0006】従来法(2)によって、高い制電性を有す
る合成樹脂成形品を得るためには、帯電防止剤に親水性
官能基を有するモノマーを高い濃度で含有させることが
必要であることから、塗膜が有する耐擦傷性および耐摩
耗性が低下する場合がある。また、帯電防止剤の調製お
よびその塗布を容易にするために、有機溶剤を使用する
場合には、共重合させる前に有機溶剤を充分に揮発させ
る必要があり、生産性が低くなる。
【0007】従来法(3)によって合成樹脂成形品の表
面に形成した塗膜は合成樹脂成形品との密着性が低く、
塗膜が剥離することによって、制電性が低下する場合が
ある。また、塗布する溶液に脂肪族アルコール、酢酸ア
ルキルなどの溶剤を混合して使用する場合には、高い硬
度を有する膜を形成することが困難である。
【0008】従来法(4)で用いられる導電性セラミッ
クは透明性の点で劣り、合成樹脂成形品が着色するとい
う問題を有する。また、真空蒸着法により膜を形成する
場合には生産性が低くなるという問題が生じ、帯電防止
剤を塗布する場合には、導電性セラミックを均一に分散
させることが困難であり、かつ導電性セラミックによっ
て光が散乱されることから合成樹脂成形品の表面に曇り
が発生するという問題が生じる。
【0009】本発明の1つの目的は、制電性に優れたハ
ードコートまたは硬化塗膜を与える組成物を提供するこ
とにある。本発明の他の1つの目的は、合成樹脂成形品
の表面に塗布し、ついで硬化することにより、耐擦傷
性、耐摩耗性、制電性および防曇性に優れたハードコー
トまたは硬化塗膜を形成する組成物を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、アクリロイル基およびメタクリロイル基(以
下、これらを(メタ)アクリロイル基と称する。)から
なる群より選ばれる基を3個以上有する多官能モノマー
(A)と、下記一般式(I)
【化2】 〔式中、R↑1は水素原子またはメチル基を表し、R↑2
は水酸基、炭素数が1〜30のアルコキシ基、フェノキ
シ基、アクリロイル基およびメタクリロイル基からなる
群より選ばれた基を表し、Aは平均分子量1000〜7
500のポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド
とプロピレンオキサイドとのランダム共重合体およびエ
チレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロック
共重合体の両末端から水酸基を除去した残基からなる群
より選ばれた基である。〕で示される単官能または二官
能のモノマー(B)とを含むことを特徴とする組成物を
提供することにより達成される。
【0011】本発明の組成物を構成する多官能モノマー
(A)としては、例えば、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)ア
クリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの
(メタ)アクリレート、1分子あたり3個以上の(メ
タ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレ
ートなどが挙げられる。ここで、(メタ)アクリレート
はアクリレートおよびメタクリレートの総称である。多
官能モノマー(A)としては、これらのモノマーを2種
以上混合して使用してもよい。また、多官能モノマー
(A)の組成物中の含有量としては、組成物100重量
部に対して5〜65重量部の範囲に設定することが、ハ
ードコートまたは硬化塗膜に優れた耐擦傷性および耐摩
耗性を付与できる点、塗布作業が容易になる点、合成樹
脂成形品との高い密着性が得られる点などから好まし
い。
【0012】本発明の組成物を構成する単官能または二
官能モノマー(B)の具体例としては、式
【化3】 で示されるポリエチレングリコールモノアクリレート、
【化4】 で示されるポリエチレングリコールモノメタクリレー
ト、式
【化5】 で示されるアルコキシポリエチレングリコールモノアク
リレート(式中、mは1〜30の整数である。)、式
【化6】 で示されるアルコキシポリエチレングリコールモノメタ
クリレート(式中、mは1〜30の整数である。)、式
【化7】 で示されるフェノキシポリエチレングリコールモノアク
リレート、式
【化8】 で示されるフェノキシポリエチレングリコールモノメタ
クリレート、式
【化9】 で示されるアルキルフェノキシポリプロピレングリコー
ルアクリレート(式中、mは1〜30の整数であ
る。)、式
【化10】 で示されるポリプロピレングリコールモノアクリレー
ト、式
【化11】 で示されるポリプロピレングリコールモノメタクリレー
ト、式
【化12】 で示されるアルコキシポリプロピレングリコールモノア
クリレート(式中、mは1〜30の整数である。)、式
【化13】 で示されるアルコキシポリプロピレングリコールモノメ
タクリレート(式中、mは1〜30の整数である。)、
【化14】 で示されるフェノキシポリプロピレングリコールモノア
クリレート、式
【化15】 で示されるフェノキシポリプロピレングリコールモノメ
タクリレート、式
【化16】 で示されるモノアクリレート(式中、Aはエチレンオキ
サイドとプロピレンオキサイドとのランダム共重合また
はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロ
ック共重合体の両末端から水酸基を除去した残基であ
る。)、式
【化17】 で示されるモノメタクリレート(式中、Aはエチレンオ
キサイドとプロピレンオキサイドとのランダム共重合体
またはエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの
ブロック共重合体の両末端から水酸基を除去した残基で
ある。)、式
【化18】 で示されるアルコキシモノアクリレート(式中、Aはエ
チレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのランダム
共重合体またはエチレンオキサイドとプロピレンオキサ
イドとのブロック共重合体の両末端から水酸基を除去し
た残基である。また、mは1〜30の整数である。)、
【化19】 で示されるアルコキシモノメタクリレート(式中、Aは
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのランダ
ム共重合体またはエチレンオキサイドとプロピレンオキ
サイドとのブロック共重合体の両末端から水酸基を除去
した残基である。また、mは1〜30の整数であ
る。)、式
【化20】 で示されるフェノキシモノアクリレート(式中、Aはエ
チレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのランダム
共重合体またはエチレンオキサイドとプロピレンオキサ
イドとのブロック共重合体の両末端から水酸基を除去し
た残基である。)、式
【化21】 で示されるフェノキシモノメタクリレート(式中、Aは
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのランダ
ム共重合体またはエチレンオキサイドとプロピレンオキ
サイドとのブロック共重合体の両末端から水酸基を除去
した残基である。)、式
【化22】 で示されるアルキルフェノキシアクリレート(式中、A
はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのラン
ダム共重合体またはエチレンオキサイドとプロピレンオ
キサイドとのブロック共重合体の両末端から水酸基を除
去した残基である。また、mは1〜30の整数であ
る。)、式
【化23】 で示されるポリエチレングリコールジアクリレート、式
【化24】 で示されるポリエチレングリコールジメタクリレート、
【化25】 で示されるポリプロピレングリコールジアクリレート、
【化26】 で示されるポリプロピレングリコールジメタクリレー
ト、式
【化27】 で示されるジアクリレート(式中、Aはエチレンオキサ
イドとプロピレンオキサイドとのランダム共重合体また
はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロ
ック共重合体の両末端から水酸基を除去した残基であ
る。)、式
【化28】 で示されるジメタクリレート(式中、Aはエチレンオキ
サイドとプロピレンオキサイドとのランダム共重合体ま
たはエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブ
ロック共重合体の両末端から水酸基を除去した残基であ
る。)が挙げられる。なお、上記nはいずれもAの平均
分子量が1000〜7500になるように設定される値
である。
【0013】ここで、下記一般式(I)
【化29】 〔式中、R↑1は水素原子またはメチル基を表し、R↑2
は水酸基、炭素数が1〜30のアルコキシ基、フェノキ
シ基、アクリロイル基およびメタクリロイル基からなる
群より選ばれた基を表し、Aは平均分子量1000〜7
500のポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド
とプロピレンオキサイドとのランダム共重合体およびエ
チレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロック
共重合体の両末端から水酸基を除去した残基からなる群
より選ばれた基である。〕で示される単官能または二官
能のモノマー(B)の残基(以下、残基Aという。)の
平均分子量が1000未満である組成物により得られた
ハードコートまたは硬化塗膜は制電性および防曇性にお
いて劣り、残基Aの平均分子量が7500よりも大きい
組成物により得られたハードコートまたは硬化塗膜は制
電性、防曇性、耐擦傷性および耐摩耗性において劣る。
残基Aの平均分子量は1500〜3000であることが
より好ましい。また、残基Aがポリエチレングリコール
の残基である場合、残基Aがポリプロピレングリコール
の残基である場合よりも、得られた組成物のハードコー
トまたは硬化塗膜が制電性、防曇性、耐擦傷性および耐
摩耗性に優れているので好ましい。また、残基Aがエチ
レンオキサイドとプロピレンオキサイドとのランダム共
重合体またはブロック共重合体の残基である場合には、
当該残基A中のエチレンオキサイドの含有量が20重量
パーセント未満である組成物により得られたハードコー
トまたは硬化塗膜が制電性、防曇性、耐擦傷性および耐
摩耗性に劣る。残基A中のエチレンオキサイドの含有量
は40重量パーセント以上であることが好ましい。ま
た、アクリロイル化合物により得られた組成物は、メタ
クリロイル化合物により得られた組成物よりも硬化速度
が速いので好ましい。なお、モノマー(B)としては、
上記のモノマーを2種以上混合して使用してもよい。モ
ノマー(B)の組成物中の含有量としては、組成物10
0重量部に対して5〜30重量部の範囲に設定すること
が、ハードコートまたは硬化塗膜に優れた制電性、防曇
性、耐擦傷性および耐摩耗性を付与できる点、合成樹脂
成形品との高い密着性が得られる点などから好ましい。
【0014】本発明の組成物をハードコート用または硬
化塗膜用組成物として使用する場合、N−ビニル−2−
ピロリドン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレー
ト、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノール
Aジアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノ
ールFジアクリレートなどの重合性モノマー、または、
ベンゼン、トルエン、イソプロピルアルコール、イソブ
チルアルコール、メチルエチルケトン、エチルセロソル
ブなどの非重合性溶剤を混合して使用することが、塗布
作業が容易になる点、均一な厚さを有し、かつ合成樹脂
成形品との高い密着性を有するハードコートまたは硬化
塗膜が得られる点などから好ましい。ここで、これらの
重合性モノマーの組成物中の含有量としては、組成物1
00重量部に対して50重量部以下、また、非重合性溶
剤の組成物中の含有量としては200重量部以下になる
ように調製することが、ハードコートまたは硬化塗膜が
有する耐擦傷性および耐摩耗性を低下させることがない
点から好ましい。なお、非重合性溶剤を使用する場合に
は、組成物を硬化させる前に室温乾燥、温風乾燥または
赤外線照射などの処理を行い、非重合性溶剤を除去して
おくことが、ハードコートまたは硬化塗膜の耐擦傷性お
よび耐摩耗性を低下させることがないので好ましい。
【0015】本発明の組成物を合成樹脂成形品の表面に
塗布する方法としては、回転塗布法、刷毛塗り法、浸漬
塗布法、スプレー塗布法、流し塗り法、バーコート法な
どの方法が採用される。塗布作業が容易である点、均一
な厚さを有し、かつ平滑な膜が得られる点などから回転
塗布法、浸漬塗布法またはバーコート法を採用すること
が好ましい。
【0016】また、ハードコート層の厚さまたは硬化塗
膜の厚さが1〜30μmの範囲になるように塗布するこ
とが、充分な耐擦傷性および耐摩耗性を有し、かつ内部
に亀裂が発生することが少ないハードコートまたは硬化
塗膜が得られる点で好ましい。さらに、ハードコートま
たは硬化塗膜の厚さが3〜15μmの範囲になるように
塗布することがより好ましい。厚さが1〜30μmの範
囲のハードコートまたは硬化塗膜を得るためには、組成
物の20℃における粘度が5〜1000センチポイズの
範囲になるように調製して使用することが好適である。
【0017】本発明の組成物を硬化する方法としては、
高い生産性が得られる点から、紫外線を照射する方法が
好ましい。紫外線の波長は100〜500nmの範囲に
あることが好適である。高圧水銀ランプまたはメタルハ
ライドランプから放射される紫外線を硬化に用いること
が、窒素ガス中、アルゴンガス等の不活性ガス中または
大気中において、上記の組成物を効率よく硬化させるこ
とができることから好ましい。
【0018】本発明の組成物を紫外線を照射することに
よって硬化させる場合には、該組成物中に光重合開始剤
を混合させておくことが好ましい。好適な光重合開始剤
としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−
ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフ
ェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチ
オ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1などのア
セトフェノン系光重合開始剤、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチ
ルケタールなどのベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフ
ェノン、ベンゾイル安息香酸、4−フェニルベンゾフェ
ノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−
4′−メチルジフェニルサルファイドなどのベンゾフェ
ノン系光重合開始剤、チオキサンソン、2−クロルチオ
キサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプ
ロピルチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソ
ンなどのチオキサンソン系光重合開始剤などが使用され
る。光重合開始剤の組成物中の含有量としては、組成物
100重量部に対して10重量部以下になるように調製
することが、ハードコートまたは硬化塗膜が有する耐擦
傷性および耐摩耗性を低下させることがない点から好ま
しい。
【0019】本発明の組成物からなるハードコートまた
は硬化塗膜が形成される合成樹脂成形品としては、ポリ
メチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂など
からなる射出成形品、シート状成形品またはフイルム状
成形品が挙げられる。特にポリメチルメタクリレート樹
脂またはポリカーボネート樹脂からなる成形品は、その
光学特性または機械的特性を利用した分野に用いられ、
耐擦傷性、耐摩耗性、制電性および防曇性において高い
性能が要求される場合が多いことから、本発明の組成物
を用いることによってその表面にハードコートまたは硬
化塗膜を形成することが好ましい。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。実施例における評価方法は以下の通りである。
【0021】1.耐擦傷性および耐摩耗性 (1)硬度試験…JIS K5400−1979に規定
される鉛筆引っかき試験。 (2)摩耗試験…JIS K7204−1977に規定
される試験機を用いた摩耗試験であり、摩耗輪CS−1
0に250gの荷重を付加した状態で100回転したの
ちの反射率の変化量をHe−Neレーザ光を用いて測定
し、下記の式により求めた値(%)を示す。 {(摩耗試験前の反射率)−(摩耗試験後の反射率)}
/(摩耗試験前の反射率)×100 (3)擦傷試験…#0000のスチールウールを30m
m角の金属棒に装着し、900gの荷重を付加した状態
で塗膜表面上を50往復させたのち、ヘーズメーター
(日本精密光学株式会社製、SEP−HS−30D型)
を用いて、擦傷試験前後におけるヘーズ値の増加量を測
定し、これをパーセント表示する。ここで、金属棒を往
復させる際の移動速度は10mm/秒、移動距離は70
mmである。 (4)密着性試験…合成樹脂成形品に到達する切傷をカ
ッターナイフを用いて、1mm間隔で縦横11本ずつ設
け、合計100個の碁盤目を作る。その上にセロハンテ
ープを貼り付けたのち、急激に剥し、塗膜が剥離した碁
盤目の数を数える。判定基準は以下の通りである。 ○…塗膜が剥離した碁盤目が0個の場合 △…塗膜が剥離した碁盤目が1〜50個の場合 ×…塗膜が剥離した碁盤目が51〜100個の場合 2.制電性 (1)半減期測定…シシド静電気株式会社製スタテイッ
クオネストメーターを用い、発生帯電位の半減期(秒)
を測定する。測定は温度20℃、湿度50%の恒温恒湿
下で、印加電圧8kV、印加時間30秒の条件下で行
う。 (2)表面抵抗率測定…株式会社アドバンテスト製超絶
縁抵抗/微少電流計TR−8601および測定試料箱T
R−42を用い、表面抵抗値(Ω)を測定する。測定は
温度20℃、湿度50%の恒温恒湿下で、印加電圧10
0V、印加時間1分の条件下で行う。 3.防曇性 防曇性試験…試験片を0℃で30分間放置したのち、温
度20℃、湿度60%の恒温恒湿下に移しかえて結露の
状態を観察する。判定基準は以下の通りである。 ○…結露しない状態。 △…少し結露する状態。 ×…激しく結露する状態。 4.耐久性 高温高湿試験…試験片を温度80℃、湿度85%の恒温
恒湿下に1000時間放置したのち、外観を観察する。
判定基準は以下の通りである。 ○…外観に変化なし。 △…僅かな曇りおよび凹凸の発生が認められる。 ×…激しい曇りおよび凹凸の発生が認められる。
【0022】なお、組成物を構成するモノマー、非重合
性溶剤および光重合開始剤を下記の略号で示した。 モノマー PE−4A :ペンタエリスリトールテトラアクリ
レート PE−3A :ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート 9EO−MA :下記式で示されるポリエチレングリ
コールモノアクリレート
【化30】 34EO−MA :下記式で示されるポリエチレングリ
コールモノアクリレート
【化31】 50EPO−MA:下記式で示されるポリオキシエチレ
ングリコールモノアクリレート ここで、Aは平均分子量3500のエチレンオキサイド
50重量部とプロピレンオキサイド50重量部のランダ
ム共重合体の両末端から水酸基を除去した残基である。
【化32】 45EO−DA :下記式で示されるポリエチレングリ
コールジアクリレート
【化33】 79EO−DMA:下記式で示されるポリエチレングリ
コールジメタクリレート
【化34】 192PO−DA:下記式で示されるポリプロピレング
リコールジアクリレート
【化35】 75EPO−DA:下記式で示されるポリオキシエチレ
ングリコールジアクリレート ここで、Aは平均分子量5000のエチレンオキサイド
75重量部とプロピレンオキサイド25重量部のブロッ
ク共重合体の両末端から水酸基を除去した残基である。
【化36】 227EO−MA:下記式で示されるポリエチレングリ
コールモノメタクリレート
【化37】 THF−A :テトラヒドロフルフリルアクリレー
ト NVP :N−ビニル−2−ピロリドン 非重合性溶剤 EC :エチルセロソルブ 光重合開始剤 HCHPK :1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン
【0023】実施例1〜5および比較例1〜5 表1に示す樹脂組成物を調製し、これらを2mmの厚さ
を有するメタクリル樹脂板(株式会社クラレ製、商品名
パラグラス)にバーコート法により塗布した。ついで、
塗布面に120W/cmの強度を有する高圧水銀ランプ
を用いて、大気中で照射距離15cmで紫外線を20秒
間照射し、硬化塗膜を形成させた。得られた硬化塗膜に
ついて種々の評価試験を行った結果を表1に併せて示
す。
【0024】表1から明らかなように、実施例1〜5に
おいて本発明の組成物により得られた硬化塗膜は耐擦傷
性、耐摩耗性、制電性および防曇性のすべてにおいて優
れており、かつ高温高湿下における暴露試験を行ったの
ちにおいてもこれらの性能を維持していることがわか
る。
【0025】これに対して、モノマー(B)における残
基Aの平均分子量が1000より小さい組成物より得ら
れた比較例1の硬化塗膜は制電性および防曇性において
劣り、モノマー(B)における残基Aの平均分子量が7
500より大きい組成物により得られた比較例2および
比較例3の硬化塗膜は耐擦傷性、耐摩耗性、防曇性およ
び高温高湿下での耐久性において劣っていた。また、モ
ノマー(B)を添加しない組成物より得られた比較例4
の硬化塗膜は制電性および防曇性において劣り、本発明
の組成物を塗布しない比較例5では耐擦傷性、耐摩耗
性、制電性および防曇性の全てにおいて劣っていた。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、制電性に優れたハード
コートまたは硬化塗膜を与える組成物が提供される。ま
た本発明によれば、合成樹脂成形品の表面に塗布し、つ
いで硬化させることにより、耐擦傷性、耐摩耗性、制電
性および防曇性に優れたハードコートまたは硬化塗膜を
形成する組成物が提供される。
【表1】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】実施例1〜5および比較例1〜5 表1に示す樹脂組成物を調製し、これらを2mmの厚さ
を有するメタクリル樹脂板(株式会社クラレ製、商品名
パラグラス)にバーコート法により塗布した。ついで、
塗布面に120W/cmの強度を有する高圧水銀ランプ
を用いて、大気中で照射距離15cmで紫外線を20秒
間照射し、硬化塗膜を形成させた。得られた硬化塗膜に
ついて種々の評価試験を行った結果を表1に併せて示
す。
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロイル基およびメタクリロイル基
    からなる群より選ばれる基を3個以上有する多官能モノ
    マー(A)と、下記一般式(I) 【化1】 〔式中、R↑1は水素原子またはメチル基を表し、R↑2
    は水酸基、炭素数が1〜30のアルコキシ基、フェノキ
    シ基、アクリロイル基およびメタクリロイル基からなる
    群より選ばれた基を表し、Aは平均分子量1000〜7
    500のポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド
    とプロピレンオキサイドとのランダム共重合体およびエ
    チレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロック
    共重合体の両末端から水酸基を除去した残基からなる群
    より選ばれた基である。〕で示される単官能または二官
    能のモノマー(B)とを含むことを特徴とする組成物。
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