JP2010032992A - 眼用レンズ - Google Patents
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Abstract
【課題】 抗菌性を有し、かつ透明な眼用レンズを提供すること。
【解決手段】 水酸基を有するシリコーンモノマーを含むモノマー組成物を重合して得られる眼用レンズであって、酸化亜鉛を含有させることにより上記課題を解決する。
【選択図】なし
【解決手段】 水酸基を有するシリコーンモノマーを含むモノマー組成物を重合して得られる眼用レンズであって、酸化亜鉛を含有させることにより上記課題を解決する。
【選択図】なし
Description
本発明は抗菌性を有する眼用レンズに関するもので、該眼用レンズはコンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜などに特に好適に用いられる。
コンタクトレンズを長時間使用することによって、細菌または他の微生物がレンズ表面で増殖することは、細菌感染による眼疾患を誘発する可能性を増大させることから問題となっている。そこで現在、レンズ表面への細菌の付着や成長を抑制したレンズである抗菌性コンタクトレンズが求められている。
例えば、特許文献1には活性化銀を含む抗菌性コンタクトレンズが開示されている。しかし、これらの抗菌性レンズは十分な視的透明度を有し抗菌性を示すものの、高価な銀を抗菌剤として使用することから現在の主流である使い捨てタイプのレンズには好ましくないものであるといえる。
一方、酸化亜鉛は安価でかつ抗菌性を有することが知られている。特許文献2には紫外線吸収剤として酸化亜鉛を含むハイドロゲルが開示されている。しかし特許文献2にはアクリル系の親水性モノマーと架橋性モノマーを重合して得られる親水ゲルしか記載されておらず、筆者らが特許文献2に記載されているような酸化亜鉛を含有した眼用レンズを作製したところ、透明性が低いものしか得られないという問題が生じることを確認した。
また、特許文献3には、水酸基を有するシリコーンモノマーから得られるシリコーンハイドロゲルが開示されている。しかし、これらのシリコーンハイドロゲルは酸化亜鉛を含有するものではなく抗菌性などの機能を有するものではない。
特表2004−526187号公報
特開2000−327925号公報
特開2003−212940号公報
本発明は高い抗菌性を有し、かつ透明な眼用レンズを提供することを目的とする。該眼用レンズはコンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜などに特に好適に用いられる。
上記の目的を達成するために、本発明は下記の構成を有する。すなわち、
(1)水酸基を有するシリコーンモノマーを含むモノマー組成物を重合して得られる眼用レンズであって、酸化亜鉛を含有することを特徴とする眼用レンズ。
(2)乾燥重量に対してケイ素を10〜30重量%含有する上記(1)に記載の眼用レンズ。
(3)前記シリコーンモノマー中の水酸基の含量が0.0005〜0.01当量/gである上記(1)または(2)に記載の眼用レンズ。
(4)水酸基を有するシリコーンモノマーを2種類以上含むモノマー組成物を重合して得られる上記(1)〜(3)のいずれかに記載の眼用レンズ。
(5)含水率が10〜60重量%である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の眼用レンズ。
(6)引張弾性率が300〜900kPaである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の眼用レンズ。
(7)前記酸化亜鉛の平均粒径が50nm〜10μmである上記(1)〜(6)のいずれかに記載の眼用レンズ。
(8)前記酸化亜鉛の含有量が0.1〜5重量%である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の眼用レンズ。
(9)前記眼用レンズがコンタクトレンズである上記(1)〜(8)のいずれかに記載の眼用レンズ。
(1)水酸基を有するシリコーンモノマーを含むモノマー組成物を重合して得られる眼用レンズであって、酸化亜鉛を含有することを特徴とする眼用レンズ。
(2)乾燥重量に対してケイ素を10〜30重量%含有する上記(1)に記載の眼用レンズ。
(3)前記シリコーンモノマー中の水酸基の含量が0.0005〜0.01当量/gである上記(1)または(2)に記載の眼用レンズ。
(4)水酸基を有するシリコーンモノマーを2種類以上含むモノマー組成物を重合して得られる上記(1)〜(3)のいずれかに記載の眼用レンズ。
(5)含水率が10〜60重量%である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の眼用レンズ。
(6)引張弾性率が300〜900kPaである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の眼用レンズ。
(7)前記酸化亜鉛の平均粒径が50nm〜10μmである上記(1)〜(6)のいずれかに記載の眼用レンズ。
(8)前記酸化亜鉛の含有量が0.1〜5重量%である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の眼用レンズ。
(9)前記眼用レンズがコンタクトレンズである上記(1)〜(8)のいずれかに記載の眼用レンズ。
本発明によれば、シリコーンハイドロゲル成分と酸化亜鉛を組み合わせることによって、良好な形状を有し、酸化亜鉛の広い粒径範囲、特に1μm程度の大粒径の酸化亜鉛を含有する場合においても実質的に透明で抗菌性を有する眼用レンズを得ることができる。該眼用レンズはコンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜などに特に好適に用いられる。
本発明の眼用レンズは、酸化亜鉛を含有する眼用レンズであって、該眼用レンズは水酸基を有するシリコーンモノマーを含むモノマー組成物を重合して得られる。ただし、本発明においてシリコーンモノマーとは、シロキサニル基および重合性不飽和二重結合を有する化合物を表す。また、シロキサニル基とは少なくとも1つのSi−O−Si結合を有する基を表す。
本発明の眼用レンズは乾燥重量に対してケイ素原子を10〜30重量%含有することが好ましい。ここで、眼用レンズの乾燥重量に対するケイ素原子の含有量は、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析装置(好適にはシーケンシャル型ICP発光分光分析装置 SPS4000、セイコーインスツルメンツ製)によって測定できる。測定法は以下の通りである。
まず、眼用レンズを乾燥状態とする。本発明において眼用レンズの乾燥状態とは、眼用レンズに40℃で16時間真空乾燥を施した状態を意味する。該真空乾燥における真空度は2hPa以下とする。乾燥状態の眼用レンズ(4〜5mg)を白金るつぼに秤取し、硫酸を加えてホットプレートおよびバーナーで加熱灰化する。石灰物を炭酸ナトリウムで融解し、水を加えて加熱溶解した後、硝酸を加え水で定容する。この溶液について、ICP発光分光分析法によりケイ素原子を測定し、眼用レンズ中の含有量を求めた。
本発明の眼用レンズは水酸基を有するシリコーンモノマーを重合して得られるが、シリコーンモノマー中の水酸基の含量が少なすぎても多すぎても透明なレンズが得られないことからシリコーンモノマーのうちの少なくとも一種類が水酸基を0.0005〜0.01当量/g有することが好ましく、0.0008〜0.008当量/gがより好ましく0.001〜0.005当量/gが最も好ましい。本発明における水酸基の含量は、ガス・クロマトグラフ質量分析(GC−MS)、高速液体クロマトグラフ質量分析(HPLC−MS)、核磁気共鳴(NMR)、赤外分光法(IR)等の各種分析により、水酸基を有するシリコーンモノマーの構造を同定することによって特定できる。
本発明の眼用レンズは、2種類以上の水酸基を有するシリコーンモノマーを重合して得ることが好ましい。水酸基を有するシリコーンモノマーが一種類であると、均一な重合原液が得られにくく、重合も不安定で良好な形状のレンズが得られない場合があり、さらには良好な形状のレンズが得られても透明性が十分でない場合があるのに対して、2種類以上の水酸基を有するシリコーンモノマーを用いた場合には、均一な重合原液から良好な形状でしかも透明なレンズが得られる。
本発明の眼用レンズの含水率は、少なすぎると固くなり、多すぎるとレンズ表面から水分が蒸発し装用時に乾燥感が生じることから、10〜60重量%が好ましく、20〜50重量%がより好ましく、25〜45重量%が最も好ましい。含水率の求め方は以下の通りである。
まず、本発明の眼用レンズを含水状態とする。本発明において眼用レンズの含水状態とは、眼用レンズを25℃の純水に6時間以上浸漬した状態を意味する。次に表面の水分をガーゼで軽く拭き取った眼用レンズの重量(W1)を測定する。その後、該眼用レンズを乾燥状態として重量(W2)を測定し、次式により含水率を算出する。
含水率(%)=(W1−W2)/W1×100
本発明において眼用レンズの引張弾性率とは、眼用レンズの含水状態での引張弾性率を意味する。本発明の眼用レンズの含水状態での引張弾性率は、低すぎるとレンズ形状の安定性を欠き、高すぎるとレンズが固くなり装用感が悪くなることから、300〜900kPaが好ましく、350〜700kPaがより好ましく、450〜700kPaが最も好ましい。引張弾性率はテンシロンRTM―100(オリエンテック社製)引張試験機を用いて測定を行った。サンプルとしては、室温の純水に浸漬して平衡含水状態に達したコンタクトレンズ形状のサンプルの中心部を中心幅5mm、長さ15mmのダンベル型に切り取り、軽く水分を拭き取ったものを用いた。
本発明において眼用レンズの引張弾性率とは、眼用レンズの含水状態での引張弾性率を意味する。本発明の眼用レンズの含水状態での引張弾性率は、低すぎるとレンズ形状の安定性を欠き、高すぎるとレンズが固くなり装用感が悪くなることから、300〜900kPaが好ましく、350〜700kPaがより好ましく、450〜700kPaが最も好ましい。引張弾性率はテンシロンRTM―100(オリエンテック社製)引張試験機を用いて測定を行った。サンプルとしては、室温の純水に浸漬して平衡含水状態に達したコンタクトレンズ形状のサンプルの中心部を中心幅5mm、長さ15mmのダンベル型に切り取り、軽く水分を拭き取ったものを用いた。
本発明の眼用レンズに用いる酸化亜鉛の含有量は、少なすぎると十分な抗菌性が得られず、多すぎるとモノマー混合液に溶解しにくく、透明な眼用レンズが得られにくくなることから、眼用レンズの乾燥状態での全重量に対して0.01〜5重量%が好ましく、0.05〜3重量%がより好ましく、0.1〜1重量%が最も好ましい。
本発明の眼用レンズに用いる酸化亜鉛の平均粒径は、小さ過ぎても大き過ぎても眼用レンズの透明性が低くなることから、50nm〜10μmが好ましく、70nm〜5μmがより好ましく、90nm〜3μmが最も好ましい。本発明における平均粒径とは数平均粒径である。酸化亜鉛の平均粒径は、走査型電子顕微鏡によって測定できる。
本発明の眼用レンズのケイ素原子の含有量は、上述の通り少なすぎると十分な酸素透過性が得られず、多すぎると透明な眼用レンズが得られなくなることから、10〜30重量%であることが好ましく、10〜25重量%がより好ましく、10〜20重量%が最も好ましい。
本発明においてシリコーンモノマーとは、シロキサニル基および重合性不飽和二重結合を有する化合物を表すが、眼用レンズとして好ましい弾性率が得られやすいことから、1分子中に重合性不飽和二重結合を1つ有する化合物が好ましい。
本発明の眼用レンズに用いられるシリコーンモノマーの好適な例として、下記式(a)〜(f)のシリコーンモノマーが挙げられる。
[式(a)〜(f)中、k、l、m、nは0〜100の整数を表す。aは1〜3の整数を表す。bは1〜3の整数を表す。]
k、l、m、nは小さすぎると得られる眼用レンズの酸素透過性が低下し、大きすぎると透明な眼用レンズが得られにくくなる傾向があることから、それぞれ1〜30がより好ましく、1〜20がさらに好ましく、最も好ましくは2〜10である。aおよびbは、小さすぎると得られる眼用レンズの酸素透過性が低下し、大きすぎると弾性率が高くなりすぎる傾向があることから、それぞれ2または3が好ましい。
k、l、m、nは小さすぎると得られる眼用レンズの酸素透過性が低下し、大きすぎると透明な眼用レンズが得られにくくなる傾向があることから、それぞれ1〜30がより好ましく、1〜20がさらに好ましく、最も好ましくは2〜10である。aおよびbは、小さすぎると得られる眼用レンズの酸素透過性が低下し、大きすぎると弾性率が高くなりすぎる傾向があることから、それぞれ2または3が好ましい。
これらのうち、酸化亜鉛を加えても透明な眼用レンズが得られやすく、親水性モノマーを加えた場合の親水性モノマーとの相溶性が良好であることから、分子内に水酸基を有する上記(d)、(e)および(f)のシリコーンモノマーがより好ましい。
本発明の眼用レンズの製造に用いるモノマー組成物中のシリコーンモノマーの含有量は少なすぎると十分な酸素透過性が得られず、多すぎると透明な眼用レンズが得られなくなる傾向があることから、好ましくは重合後の眼用レンズの乾燥重量に対するケイ素原子の含有量が10〜30重量%の範囲になるように適宜選択される。
本発明の眼用レンズは、シリコーンモノマー以外に親水性モノマー、架橋剤、紫外線吸収剤、染料など一般に眼用レンズに用いられるモノマーを共重合してもよい。共重合する場合の他のモノマーとしては、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、アリル基およびビニル基を好適に使用することができる。
以下、その例をいくつか挙げる。(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、ビニル安息香酸などのカルボン酸類、メチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリレート類、N,N−ジメチルアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類、スチレンなどの芳香族ビニルモノマー類などである。これらの中でも、透明な成型体が得られやすいという点で(メタ)アクリロイル基を有するモノマーが好ましい。
本発明の眼用レンズにおいては、良好な機械物性が得られ、消毒液や洗浄液に対する良好な耐性が得られるため、1分子中に2個以上の共重合可能な炭素炭素不飽和結合を有するモノマーを共重合成分として用いることが好ましい。1分子中に2個以上の共重合可能な炭素炭素不飽和結合を有するモノマーの共重合比率は0.1重量%〜10重量%が好ましく、0.3重量%〜5重量%がより好ましく、0.5重量%〜3重量%がさらに好ましい。
本発明の眼用レンズは、紫外線吸収剤や色素、着色剤、各種安定剤などの添加剤を含むものでもよい。また重合性基を有する紫外線吸収剤や色素、着色剤を共重合した形で含有してもよい。
本発明の眼用レンズは、水酸基を有するシリコーンモノマー、および必要に応じて他のモノマー、添加剤、溶媒、重合開始剤などの混合物を重合して得られるものであるが、本発明においては該混合物をモノマー組成物と呼ぶ。
本発明の眼用レンズを重合により得る際は、重合をしやすくするために過酸化物やアゾ化合物に代表される熱重合開始剤や、光重合開始剤を添加することが好ましい。熱重合を行う場合は、所望の反応温度に対して最適な分解特性を有するものを選択して使用する。一般的には10時間半減期温度が40℃〜120℃のアゾ系開始剤および過酸化物系開始剤が好適である。光重合開始剤としてはカルボニル化合物、過酸化物、アゾ化合物、硫黄化合物、ハロゲン化合物、および金属塩などを挙げることができる。これらの重合開始剤は単独または混合して用いられ、およそ1重量%くらいまでの量で使用される。
本発明の眼用レンズを重合により得る際は、重合溶媒を使用することができる。溶媒としては有機系、無機系の各種溶媒が適用可能である。例を挙げれば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、tert−アミルアルコールなどの各種アルコール系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの各種芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石油エーテル、ケロシン、リグロイン、パラフィンなどの各種脂肪族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの各種ケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、フタル酸ジオクチル、二酢酸エチレングリコールなどの各種エステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロック共重合体、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールランダム共重合体などの各種グリコールエーテル系溶剤であり、これらは単独あるいは混合して使用することができる。これらの中でアルコール系溶剤およびグリコールエーテル系溶剤は得られた眼用レンズ中から溶剤を水による洗浄で容易に除去できる点で好ましい。
本発明の眼用レンズの重合方法、成形方法としては通常の方法を使用することができる。たとえば一旦、丸棒や板状に成形し、これを切削加工等によって所望の形状に加工する方法、モールド重合法、およびスピンキャスト法などである。
一例として本発明の眼用レンズをモールド重合法により得る場合について、次に説明する。
モノマー組成物をレンズ形状を有する2枚のモールドの空隙に充填する。そして光重合あるいは熱重合を行ってレンズ形状に賦型する。モールドは樹脂、ガラス、セラミックス、金属等で製作されているが、光重合の場合は光学的に透明な素材が用いられ、通常は樹脂またはガラスが使用される。眼用レンズを製造する場合には、多くの場合、2枚の対向するモールドにより空隙が形成されており、その空隙にモノマー組成物が充填される。続いて、空隙にモノマー組成物を充填したモールドは、紫外線のような活性光線を照射されるか、オーブンや液槽に入れて加熱されて、モノマーを重合する。光重合の後に加熱重合したり、逆に加熱重合後に光重合するなど、両者を併用する方法もあり得る。光重合の場合は、例えば水銀ランプや捕虫灯を光源とする紫外線を多く含む光を短時間(通常は1時間以下)照射するのが一般的である。熱重合を行う場合には、室温付近から徐々に昇温し、数時間ないし数十時間かけて60℃〜200℃の温度まで高めていく条件が、ポリマーの光学的な均一性、品位を保持し、かつ再現性を高めるために好まれる。
本発明の眼用レンズは、種々の方法で改質処理を行うことができる。表面の水濡れ性を向上させる改質処理を行うことが好ましい。
具体的な改質方法としては、電磁波(光を含む)照射、プラズマ照射、蒸着およびスパッタリングなどのケミカルベーパーデポジション処理、加熱、塩基処理、酸処理、その他適当な表面処理剤の使用、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。これらの改質手段の中で、簡便であり好ましいのは塩基処理および酸処理である。
塩基処理または酸処理の一例としては、成型品を塩基性溶液または酸性溶液に接触させる方法、成型品を塩基性ガスまたは酸性ガスに接触させる方法等が挙げられる。そのより具体的な方法としては、例えば塩基性または酸性溶液に成型品を浸漬する方法、成型品に塩基性溶液もしくは酸性溶液または塩基性ガスもしくは酸性ガスを噴霧する方法、成型品に塩基性溶液または酸性溶液をヘラ、刷毛等で塗布する方法、成型品に塩基性溶液または酸性溶液をスピンコート法やディップコート法などを挙げることができる。最も簡便に大きな改質効果が得られる方法は、成型品を塩基性溶液または酸性溶液に浸漬する方法である。
眼用レンズを塩基性溶液または酸性溶液に浸漬する際の温度は特に限定されないが、通常−50℃〜300℃程度の温度範囲内で行われる。作業性を考えれば−10℃〜150℃の温度範囲がより好ましく、−5℃〜60℃が最も好ましい。
眼用レンズを塩基性溶液または酸性溶液に浸漬する時間については、温度によっても最適時間は変化するが、一般には100時間以内が好ましく、24時間以内がより好ましく、12時間以内が最も好ましい。接触時間が長すぎると、作業性および生産性が悪くなるばかりでなく、酸素透過性の低下や機械物性の低下などの悪影響が出る場合がある。
塩基としてはアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、各種炭酸塩、各種ホウ酸塩、各種リン酸塩、アンモニア、各種アンモニウム塩、各種アミン類およびポリエチレンイミン、ポリビニルアミン等の高分子量塩基などが使用可能である。これらの中では、低価格であることおよび処理効果が大きいことからアルカリ金属水酸化物が最も好ましい。
酸としては硫酸、リン酸、塩酸、硝酸等の各種無機酸、酢酸、ギ酸、安息香酸、フェノール等の各種有機酸、およびポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸などの各種高分子量酸が使用可能である。これらの中では、処理効果が大きく他の物性への悪影響が少ないことから高分子量酸が最も好ましい。高分子量塩基、高分子量酸とは、重量平均分子量が3000〜200万の分子量範囲の高分子であり、より好ましくは重量平均分子量が1万〜100万である。
塩基性溶液および酸性溶液の溶媒としては、無機、有機の各種溶媒が使用できる。例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの各種アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの各種芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石油エーテル、ケロシン、リグロイン、パラフィンなどの各種脂肪族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの各種ケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、フタル酸ジオクチルなどの各種エステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテルなどの各種エーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、ジメチルスルホキシドなどの各種非プロトン性極性溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレンなどのハロゲン系溶媒、およびフロン系溶媒などである。中でも経済性、取り扱いの簡便さ、および化学的安定性などの点で水が最も好ましい。溶媒としては、2種類以上の物質の混合物も使用可能である。
本発明において使用される塩基性溶液または酸性溶液は、塩基性物質または酸性物質および溶媒以外の成分を含んでいてもよい。
眼用レンズは、塩基処理または酸処理の後、洗浄により塩基性物質または酸性物質を除くことができる。
洗浄溶媒としては、無機または有機の各種溶媒が使用できる。例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの各種アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの各種芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石油エーテル、ケロシン、リグロイン、パラフィンなどの各種脂肪族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの各種ケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、フタル酸ジオクチルなどの各種エステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテルなどの各種エーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、ジメチルスルホキシドなどの各種非プロトン性極性溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレンなどのハロゲン系溶媒、およびフロン系溶媒などである。これらの中では、処理効果が大きく他の物性への悪影響が少ないことから水が最も好ましい。
洗浄溶媒としては、2種類以上の溶媒の混合物を使用することもできる。洗浄溶媒は、溶媒以外の成分、例えば無機塩類、界面活性剤、および洗浄剤を含有してもよい。上述の改質処理は、眼用レンズ全体に対して行ってもよく、例えば表面のみに行うなど眼用レンズの一部のみに行ってもよい。表面のみに改質処理を行った場合には眼用レンズ全体の性質を大きく変えることなく表面の水濡れ性のみを向上させることができる。
本発明の眼用レンズの酸素透過性は、酸素透過係数70×10−11(cm2/sec)mLO2/(mL・hPa)以上が好ましい。
本発明の眼用レンズの透明性は、眼用レンズの品位の点で、含水状態での全光線透過率は70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、82%以上が最も好ましい。全光線透過率の測定は以下のように行う。
眼用レンズの全光線透過率は、SMカラーコンピューター(型式SM−7−CH、スガ試験機株式会社製)を用いて測定する。サンプルには、コンタクトレンズ形状のサンプル表面の水分を軽く拭き取ったものを用いる。ABSデジマチックインジケータ(ID―C112、シリーズNo.293、測定力5−10N、株式会社ミツトヨ製)を用いてレンズ厚みを測定し、レンズ厚みが0.14〜0.15mmであるものを測定に用いる。本発明の眼用レンズは酸化亜鉛を有することから抗菌性を発現することができる。本発明の眼用レンズの抗菌性は、JIS Z 2801:2000「抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果」の「5.2 プラスチック製品などの試験方法」によって評価することができる。抗菌性は緑膿菌で3サンプルの菌数を測定した場合、3回の対数菌濃度の平均値と酸化亜鉛を含まないコントロールの3回の対数菌濃度の平均値との差が±0.4以内であれば増減なしとみなし、−0.4以下であれば抗菌効果があると判断する。より好ましくは−1以下であり、最も好ましくは−2以下である。
本発明の眼用レンズはコンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜などに特に好適である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
実施例1
下記式(g)
実施例1
下記式(g)
で表されるシリコーンモノマー(22.3重量部、水酸基含有量0.0023当量/g)、N,N−ジメチルアクリルアミド(24.2重量部)、下記式(h)
で表されるシリコーンモノマー(33.6重量部、水酸基含有量0.0016当量/g)、ポリビニルピロリドン(分子量約360000、7.2重量部)、光開始剤イルガキュア1850(1.2重量部)、メタクリル酸―2−ヒドロキシエチル(9.1重量部)、トリエチレングリコールジメタクリレート(0.6重量部)、下記式(i)
で表される架橋剤(信越化学工業株式会社製X―22−164A、pの平均値 約16, 0.6重量部)、酸化亜鉛(平均粒径1μm、0.5重量部)、t−アミルアルコール(13.4重量部)を混合し撹拌した。均一で透明なモノマー組成物が得られた。このモノマー組成物をアルゴン雰囲気下で脱気した。窒素雰囲気下のグローブボックス中で、レンズ形状を有するモールドの空隙にモノマー組成物を充填し、光照射(東芝FL6D、8.4キロルクス、20分間)によりレンズを得た。得られたレンズを、60%IPA水溶液に60℃で30分間浸漬しモールドから剥離後、さらに80%IPA水溶液に60℃、2時間浸漬して残存モノマーなどの不純物を抽出し、50%IPA水溶液、25%水溶液、水と段階的にIPA濃度を下げた液におよそ30分ずつ浸漬して水和した。5mLバイヤル瓶中のホウ酸緩衝液(pH7.1〜7.3)に浸漬し、該バイヤル瓶をオートクレーブに入れ、120℃で30分間煮沸処理を行った。得られたレンズのケイ素原子の含有量は12.3%、含水率は41.7%、引張弾性率は665kPa、全光線透過率は84.2%であり透明で濁りがなく、コンタクトレンズとして好適であった。
比較例1
上記シリコーンモノマー(g)、(h)の代わりに、メタクリル酸―2−ヒドロキシエチルを用いて実施例1と同様のレンズを作製したが、全光線透過率は79.8%であり実施例1と比較すると劣った。
上記シリコーンモノマー(g)、(h)の代わりに、メタクリル酸―2−ヒドロキシエチルを用いて実施例1と同様のレンズを作製したが、全光線透過率は79.8%であり実施例1と比較すると劣った。
比較例2
上記シリコーンモノマー(g)、(h)の代わりに、水酸基を有しないシリコーンモノマー(l)〔チッソ株式会社製FM−0771、qの平均値約10〕を用いて実施例1と同様の実験を行ったが均一な重合原液が得られずレンズを作製することはできなかった。
上記シリコーンモノマー(g)、(h)の代わりに、水酸基を有しないシリコーンモノマー(l)〔チッソ株式会社製FM−0771、qの平均値約10〕を用いて実施例1と同様の実験を行ったが均一な重合原液が得られずレンズを作製することはできなかった。
比較例3
上記シリコーンモノマー(g)、(h)の代わりに、水酸基を有しないシリコーンモノマー(m)を用いて実施例1と同様の実験を行ったが均一な重合原液が得られずレンズを作製することはできなかった。
上記シリコーンモノマー(g)、(h)の代わりに、水酸基を有しないシリコーンモノマー(m)を用いて実施例1と同様の実験を行ったが均一な重合原液が得られずレンズを作製することはできなかった。
実施例2
上記酸化亜鉛(平均粒径1μm)の代わりに、平均粒径20nmの酸化亜鉛を用いて実施例1と同様のレンズを作製したが、含水率は42.7%、引張弾性率は604kPa、全光線透過率は77.2%であり実施例1と比較すると透明度でやや劣った。
上記酸化亜鉛(平均粒径1μm)の代わりに、平均粒径20nmの酸化亜鉛を用いて実施例1と同様のレンズを作製したが、含水率は42.7%、引張弾性率は604kPa、全光線透過率は77.2%であり実施例1と比較すると透明度でやや劣った。
実施例3
上記酸化亜鉛(平均粒径1μm)の代わりに、平均粒径40nmの酸化亜鉛を用いて実施例1と同様のレンズを作製したが、含水率は42.6%、引張弾性率は587kPa、全光線透過率は77.7%であり実施例1と比較すると透明度でやや劣った。
上記酸化亜鉛(平均粒径1μm)の代わりに、平均粒径40nmの酸化亜鉛を用いて実施例1と同様のレンズを作製したが、含水率は42.6%、引張弾性率は587kPa、全光線透過率は77.7%であり実施例1と比較すると透明度でやや劣った。
比較例4
上記酸化亜鉛(平均粒径1μm)の代わりに、平均粒径7〜8nmのチタンの酸化物を用いて実施例1と同様のレンズを作製したが、含水率は43.6%、引張弾性率は648kPa、全光線透過率は72.6%であり実施例1と比較すると透明度で劣った。
上記酸化亜鉛(平均粒径1μm)の代わりに、平均粒径7〜8nmのチタンの酸化物を用いて実施例1と同様のレンズを作製したが、含水率は43.6%、引張弾性率は648kPa、全光線透過率は72.6%であり実施例1と比較すると透明度で劣った。
比較例5
上記酸化亜鉛(平均粒径1μm)の代わりに、平均粒径15〜20nmのチタンの酸化物を用いて実施例1と同様のレンズを作製したが、含水率は44.6%、引張弾性率は718kPa、全光線透過率は55.9%であり実施例1と比較すると引張弾性率、透明度で劣った。
上記酸化亜鉛(平均粒径1μm)の代わりに、平均粒径15〜20nmのチタンの酸化物を用いて実施例1と同様のレンズを作製したが、含水率は44.6%、引張弾性率は718kPa、全光線透過率は55.9%であり実施例1と比較すると引張弾性率、透明度で劣った。
比較例6
上記酸化亜鉛(平均粒径1μm)の代わりに、平均粒径200nmのチタンの酸化物を用いて実施例1と同様のレンズを作製したが、含水率は46.5%、引張弾性率は715kPa、全光線透過率は12.4%であり実施例1と比較すると引張弾性率、透明度で劣った。
上記酸化亜鉛(平均粒径1μm)の代わりに、平均粒径200nmのチタンの酸化物を用いて実施例1と同様のレンズを作製したが、含水率は46.5%、引張弾性率は715kPa、全光線透過率は12.4%であり実施例1と比較すると引張弾性率、透明度で劣った。
実施例4
下記式(g)
下記式(g)
で表されるシリコーンモノマー(49.0重量部、水酸基含有量0.0023当量/g)、光開始剤イルガキュア1850(1.0重量部)、メタクリル酸―2−ヒドロキシエチル(49.0重量部)、トリエチレングリコールジメタクリレート(1.0重量部)、酸化亜鉛(平均粒径1μm、0.5重量部)を混合し撹拌した。均一で透明なモノマー組成物が得られた。このモノマー組成物をアルゴン雰囲気下で脱気した。窒素雰囲気下のグローブボックス中で、レンズ形状を有するモールドの空隙にモノマー組成物を充填し、光照射(東芝FL6D、8.4キロルクス、20分間)によりレンズを得た。得られたレンズを、60%IPA水溶液に60℃で30分間浸漬しモールドから剥離後、さらに80%IPA水溶液に60℃、2時間浸漬して残存モノマーなどの不純物を抽出し、50%IPA水溶液、25%水溶液、水と段階的にIPA濃度を下げた液におよそ30分ずつ浸漬して水和した。5mLバイヤル瓶中のホウ酸緩衝液(pH7.1〜7.3)に浸漬し、該バイヤル瓶をオートクレーブに入れ、120℃で30分間煮沸処理を行った。得られたレンズのケイ素原子の含有量は9.8%、全光線透過率は70.2%であった。
実施例5
上記シリコーンモノマー(g)の代わりに、下記シリコーンモノマー(h)を用いて実施例4と同様のレンズを作製した。
実施例5
上記シリコーンモノマー(g)の代わりに、下記シリコーンモノマー(h)を用いて実施例4と同様のレンズを作製した。
得られたレンズのケイ素原子の含有量は11.2%、全光線透過率は76.4%であった。
比較例7
上記シリコーンモノマー(g)の代わりに、下記シリコーンモノマー(l)を用いて実施例4と同様のレンズを作製した。
比較例7
上記シリコーンモノマー(g)の代わりに、下記シリコーンモノマー(l)を用いて実施例4と同様のレンズを作製した。
得られたレンズのケイ素原子の含有量は15.1%、全光線透過率は66.3%であり、実施例2および3と比較すると劣った。
比較例8
上記シリコーンモノマー(g)の代わりに、下記シリコーンモノマー(m)を用いて実施例4と同様のレンズを作製した。
比較例8
上記シリコーンモノマー(g)の代わりに、下記シリコーンモノマー(m)を用いて実施例4と同様のレンズを作製した。
得られたレンズは形状が不定形であり、全光線透過率を測定することはできなかった。
実施例6 抗菌評価
実施例1のモールドの代わりに、10cm角、厚さ3mmのガラス板2枚(うち1枚には剥離しやすいようにアルミシールを貼付)の間に、厚さ100μmのパラフィルムの中央部を切り抜いたものを2枚スペーサーとして挟み込んだものを使用し実施例1と同様の組成でフィルムを作製した。得られたフィルムを3cm角に切り出したものを3枚用意し、JIS Z 2801:2000「抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果」5.2 プラスチック製品などの試験方法に基づき、コンタクトレンズ使用時にみられる代表的な細菌の一つである緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa NBRC 13275)に対する抗菌評価を行った。その結果、コントロールに対する対数菌濃度の平均の差が−0.4以下であり、抗菌性が確認できた。
実施例1のモールドの代わりに、10cm角、厚さ3mmのガラス板2枚(うち1枚には剥離しやすいようにアルミシールを貼付)の間に、厚さ100μmのパラフィルムの中央部を切り抜いたものを2枚スペーサーとして挟み込んだものを使用し実施例1と同様の組成でフィルムを作製した。得られたフィルムを3cm角に切り出したものを3枚用意し、JIS Z 2801:2000「抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果」5.2 プラスチック製品などの試験方法に基づき、コンタクトレンズ使用時にみられる代表的な細菌の一つである緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa NBRC 13275)に対する抗菌評価を行った。その結果、コントロールに対する対数菌濃度の平均の差が−0.4以下であり、抗菌性が確認できた。
比較例9
比較例1と同じ組成でフィルムを作製したところ、比較例1と同様に白濁したフィルムが得られた。このフィルムを用いて実施例4と同様の抗菌評価を行った結果、抗菌性が確認された。
比較例1と同じ組成でフィルムを作製したところ、比較例1と同様に白濁したフィルムが得られた。このフィルムを用いて実施例4と同様の抗菌評価を行った結果、抗菌性が確認された。
比較例10
比較例2と同じ組成でフィルムを作製しようとしたところ、均一な重合原液が得られずフィルムを作製することはできなかった。
比較例2と同じ組成でフィルムを作製しようとしたところ、均一な重合原液が得られずフィルムを作製することはできなかった。
比較例11
比較例3と同じ組成でフィルムを作製しようとしたところ、均一な重合原液が得られずフィルムを作製することはできなかった。
比較例3と同じ組成でフィルムを作製しようとしたところ、均一な重合原液が得られずフィルムを作製することはできなかった。
実施例7
実施例2と同じ組成でフィルムを作製したところ、実施例2と同様にやや白濁したフィルムが得られた。このフィルムを用いて実施例6と同様の抗菌評価を行った結果、抗菌性が確認された。
実施例2と同じ組成でフィルムを作製したところ、実施例2と同様にやや白濁したフィルムが得られた。このフィルムを用いて実施例6と同様の抗菌評価を行った結果、抗菌性が確認された。
実施例8
実施例3と同じ組成でフィルムを作製したところ、実施例3と同様にやや白濁したフィルムが得られた。このフィルムを用いて実施例6と同様の抗菌評価を行った結果、抗菌性が確認された。
実施例3と同じ組成でフィルムを作製したところ、実施例3と同様にやや白濁したフィルムが得られた。このフィルムを用いて実施例6と同様の抗菌評価を行った結果、抗菌性が確認された。
比較例12
比較例4と同じ組成でフィルムを作製したところ、比較例4と同様に白濁したフィルムが得られた。このフィルムを用いて実施例6と同様の抗菌評価を行った結果、抗菌性が確認されなかった。
比較例4と同じ組成でフィルムを作製したところ、比較例4と同様に白濁したフィルムが得られた。このフィルムを用いて実施例6と同様の抗菌評価を行った結果、抗菌性が確認されなかった。
比較例13
比較例5と同じ組成でフィルムを作製したところ、比較例5と同様に白濁したフィルムが得られた。このフィルムを用いて実施例6と同様の抗菌評価を行った結果、抗菌性が確認されなかった。
比較例5と同じ組成でフィルムを作製したところ、比較例5と同様に白濁したフィルムが得られた。このフィルムを用いて実施例6と同様の抗菌評価を行った結果、抗菌性が確認されなかった。
比較例14
比較例6と同じ組成でフィルムを作製したところ、比較例6と同様に白濁したフィルムが得られた。このフィルムを用いて実施例6と同様の抗菌評価を行った結果、抗菌性が確認されなかった。
比較例6と同じ組成でフィルムを作製したところ、比較例6と同様に白濁したフィルムが得られた。このフィルムを用いて実施例6と同様の抗菌評価を行った結果、抗菌性が確認されなかった。
実施例9
実施例4と同じ組成でフィルムを作製したところ、実施例4と同様にやや白濁したフィルムが得られた。このフィルムを用いて実施例6と同様の抗菌評価を行った結果、抗菌性が確認された。
実施例4と同じ組成でフィルムを作製したところ、実施例4と同様にやや白濁したフィルムが得られた。このフィルムを用いて実施例6と同様の抗菌評価を行った結果、抗菌性が確認された。
実施例10
実施例5と同じ組成でフィルムを作製したところ、実施例5と同様に白濁したフィルムが得られた。このフィルムを用いて実施例6と同様の抗菌評価を行った結果、抗菌性が確認された。
実施例5と同じ組成でフィルムを作製したところ、実施例5と同様に白濁したフィルムが得られた。このフィルムを用いて実施例6と同様の抗菌評価を行った結果、抗菌性が確認された。
比較例15
比較例7と同じ組成でフィルムを作製したところ、比較例7と同様に白濁したフィルムが得られた。このフィルムを用いて実施例6と同様の抗菌評価を行った結果、抗菌性が確認された。
比較例7と同じ組成でフィルムを作製したところ、比較例7と同様に白濁したフィルムが得られた。このフィルムを用いて実施例6と同様の抗菌評価を行った結果、抗菌性が確認された。
比較例16
比較例8と同じ組成でフィルムを作製したところ、形状が不定形であり実施例6と同様の抗菌評価を行うことはできなかった。
比較例8と同じ組成でフィルムを作製したところ、形状が不定形であり実施例6と同様の抗菌評価を行うことはできなかった。
本発明は眼用レンズに関するもので、該眼用レンズはコンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜などに特に好適に用いられる。
Claims (9)
- 水酸基を有するシリコーンモノマーを含むモノマー組成物を重合して得られる眼用レンズであって、酸化亜鉛を含有することを特徴とする眼用レンズ。
- 乾燥重量に対してケイ素を10〜30重量%含有する請求項1に記載の眼用レンズ。
- 前記シリコーンモノマー中の水酸基の含量が0.0005〜0.01当量/gである請求項1または2に記載の眼用レンズ。
- 水酸基を有するシリコーンモノマーを2種類以上含むモノマー組成物を重合して得られる請求項1〜3のいずれかに記載の眼用レンズ。
- 含水率が10〜60重量%である請求項1〜4のいずれかに記載の眼用レンズ。
- 引張弾性率が300〜900kPaである請求項1〜5のいずれかに記載の眼用レンズ。
- 前記酸化亜鉛の平均粒径が50nm〜10μmである請求項1〜6のいずれかに記載の眼用レンズ。
- 前記酸化亜鉛の含有量が乾燥重量に対して0.1〜5重量%である請求項1〜7のいずれかに記載の眼用レンズ。
- 前記眼用レンズがコンタクトレンズである請求項1〜8のいずれかに記載の眼用レンズ。
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Cited By (3)
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JP2016102160A (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | 信越化学工業株式会社 | 共重合体および眼科デバイス |
-
2008
- 2008-12-08 JP JP2008311823A patent/JP2010032992A/ja active Pending
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