JP3006683B2 - Mrヘッド用の再生信号波形制御装置 - Google Patents

Mrヘッド用の再生信号波形制御装置

Info

Publication number
JP3006683B2
JP3006683B2 JP9299078A JP29907897A JP3006683B2 JP 3006683 B2 JP3006683 B2 JP 3006683B2 JP 9299078 A JP9299078 A JP 9299078A JP 29907897 A JP29907897 A JP 29907897A JP 3006683 B2 JP3006683 B2 JP 3006683B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
envelope
reproduction signal
waveform
signal
head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP9299078A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11134603A (ja
Inventor
健一 平松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP9299078A priority Critical patent/JP3006683B2/ja
Publication of JPH11134603A publication Critical patent/JPH11134603A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3006683B2 publication Critical patent/JP3006683B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Digital Magnetic Recording (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)
  • Recording Or Reproducing By Magnetic Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MRヘッド(磁気
抵抗効果ヘッド)用の再生信号波形制御装置に係り、特
に高記録密度・高信頼性の磁気記録装置を実現するため
の再生信号波形制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンピュータネットワークの小型ホスト
や独立型のコンピュータ等に接続される磁気記録装置
は、近年、益々高記録密度化が要求されている。これに
対応して、ハードウェアの面では、MR素子(磁気抵抗
効果素子)を再生素子に用いたヘッド(以下「MRヘッ
ド」という。)が開発されている。また、ソフトウェア
の面では、PRML(parcial response maximum likeli
hood) 信号処理技術等、新たな技術を導入し高密度化を
実現する試みがなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記M
Rヘッドを用いた磁気記録装置には、信号再生上以下の
ような不都合があった。即ち、MRヘッドの再生信号波
形は、正パルス(Positive Pulse)の出力振幅及び半値幅
と、負のパルス(Negative Pulse)の出力振幅及び半値幅
が大きく異なってしまうという問題点(以下「非対称
性」という)がある。この非対称性は、磁気記録装置の
高密度化を困難にしていた。
【0004】特に、MRヘッドとPRML信号処理を同
時に利用する場合には、この非対称性の影響が顕著に現
れ、信号再生の品質を向上させることができず、結果と
して磁気記録媒体の高密度化の妨げになっていた。
【0005】信号再生品質を向上させるために、再生信
号の非対称性を軽減する方法としては、以下のようにい
くつかの提案がなされている。例えば、特願平2−33
0193号で提案されている技術は、1つの孤立波の正
のパルスのピーク値と負のパルスのピーク値とを検出
し、これらの差を算出し、再生信号の対称性を最適にす
る手法である。
【0006】しかしながら、1つの孤立波又は個々の孤
立波のピーク値しか検討していない。このため、条件や
状態が変化したときや、その孤立波の特性が装置の平均
的な特性でないときや、装置内の条件の異なる各部位の
特性には、十分対応することができないという問題があ
った。ここでいう条件とは、磁気記録媒体(磁気ディス
クの半径方向の位置によって変化する条件等を言う。ま
た、状態とは、磁気記録装置内の温度や湿度等の環境状
態や、磁気記録装置自体の径年変化等をいう。更に、異
なる部位とは、複数の磁気記録媒体が設けられている場
合に、これに対応した複数のMRヘッド等を指す。
【0007】また、孤立波の出力振幅(peak to peak)し
か検討していないため、半値幅等が正のパルスと負のパ
ルスで異なるときにも十分対応することができない。更
に、近年の高密度化の進展を背景とした狭トラック化傾
向に伴い、MR素子自体の小型化の要求がある、このた
め、磁気記録装置が稼働中の非対称性の変動(以下「不
安定性」という。)の問題も出てきている。上記の従来
技術では、この装置稼働中の非対称性の不安定性には全
く適応できないという問題があった。
【0008】
【発明の目的】本発明は、MRヘッドの再生信号波形の
出力振幅及び半値幅の非対称性を最適にし、さらに不安
定性にも対応させ、高記録密度・高信頼性の磁気記録装
置を実現するMRヘッド用の再生信号波形制御装置を提
供することを、その目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、MRヘッドの再生信号波形を微分して微分波形を生
成する微分波形抽出部と、この微分波形の正のピーク若
しくは負のピークをそれぞれ結ぶ包絡線を検出する包絡
線検出部と、この包絡線の直線性を検出する直線性検出
部と、この検出された直線性の結果に基づいてMRヘッ
ドのセンス電流値を制御するシステムコントローラとを
備える、という構成を採っている。
【0010】以上のように構成されたことにより、再生
信号がMRヘッドから微分波形抽出部へ出力されると、
そこで微分された信号波形が包絡線検出部へ出力され
る。包絡線検出部では正のピークを結ぶ正の包絡線また
は負のピークを結ぶ負の包絡線のどちらか任意の方だけ
を検出し直線性検出部へ出力する。直線性検出部では、
包絡線検出部で検出した正の包絡線または負の包絡線の
直線性を演算することにより、再生信号波形の非対称性
値または変動値等が求められる。
【0011】これらの値が所望または許容の範囲内でな
ければ、再生信号波形に大きな非対称性があるという事
になるので、センス電流制御部はセンス電流値を変え
る。そして、新たなセンス電流による再生信号波形にお
いて、包絡線が所望または許容の範囲内になるまで同様
の動作を行う。
【0012】また、正の包絡線と負の包絡線の両方を検
出し、各々の直線性を検出するようにしても良い。さら
に、PRML信号処理部または包絡線検出部のどちらか
一方へ再生信号を出力する切り換え回路を備えたものと
しても良い。
【0013】請求項2記載の発明では、システムコント
ローラは、正の包絡線及び負の包絡線の両方の直線性を
検出し、この検出結果に基づいてMRヘッドのセンス電
流を制御するという構成を採り、その他の構成は請求項
1記載の発明と同様である。
【0014】請求項3記載の発明では、システムコント
ローラは、包絡線の直線性の変動が所定値以下となるよ
うに、MRヘッドのセンス電流を制御するという構成を
採り、その他の構成は請求項1又は2記載の発明と同様
である。
【0015】請求項4記載の発明では、システムコント
ローラは、正の包絡線及び負の包絡線の相対的な関係に
基づいてMRヘッドのセンス電流を制御するという構成
を採り、その他の構成は請求項3又は4記載の発明と同
様である。
【0016】請求項5記載の発明では、再生信号波形制
御装置に再生信号を処理するPRML信号処理部を併設
すると共に、再生信号波形制御装置に再生信号を包絡線
抽出部若しくはPRML信号処理部のいずれかに送信す
る切り換え回路を備え、この切り換え回路は、微分波形
の直線性の変動が所定値以下の場合に、前記再生信号を
PRML信号処理部に送信するという構成を採り、その
他の構成は請求項1,2,3又は4記載の発明と同様で
ある。
【0017】請求項6記載の発明では、システムコント
ローラは、再生信号の正のピークの絶対値が負のピーク
の絶対値より大きい場合にセンス電流を減少させるとい
う手段を採り、その他の構成は請求項1,2,3,4又
は5記載の発明と同様である。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る再生信号波
形制御装置の第一の実施形態を示す機能ブロック図であ
る。以下、この図面に基づき説明する。
【0019】本実施形態の再生信号波形制御装置10
は、MRヘッド12のセンス電流から得られた再生信号
に対して微分を行なう微分波形抽出部14と、この微分
波形抽出部14で得られた微分波形の正のピークを結ぶ
正の包絡線または負のピークを結ぶ負の包絡線を抽出し
数値化する包絡線検出部15を備えている。また、再生
信号波形制御装置10は、包絡線検出部15で数値化さ
れた正の包絡線または負の包絡線の直線性を検出する直
線性検出部(システムコントローラ)16と、この直線
性検出部16で検出された直線性が一定範囲内に収まる
ようにMRヘッド12のセンス電流を制御するセンス電
流制御部(システムコントローラ16及びセンス電流制
御回路17)を有している。更に、再生信号波形制御装
置10は、再生信号をPRML信号処理部18または微
分波形抽出部14のいずれか一方へ出力する切り換え回
路20とを備えている。
【0020】システムコントローラ16は、MPU及び
そのプログラムから構成され、直線性検出部及びセンス
電流制御部としての機能の他に、切り換え回路20、記
録系信号処理部22、PRML信号処理部18、再生系
信号処理部24等を制御する機能を有している。
【0021】センス電流制御部は、システムコントロー
ラ16の一部の機能と、MRヘッド12へ供給するセン
ス電流値をシステムコントローラ16の指示によって変
化させるセンス電流制御回路17とから構成されてい
る。
【0022】微分波形抽出部14は、再生信号から高周
波ノイズを取り除いて成形するローパスフィル夕141
と、このローパスフィルタ141で成形された再生信号
波形を微分する微分回路142とから構成されている。
包絡線検出部15は、微分波形抽出部14で微分された
再生信号波形から包絡線を抽出する包絡線抽出回路15
1と、A/Dコンバータ152とから構成されている。
【0023】記録系信号処理部22には、記録信号増幅
用の増幅回路30と、増幅回路30で増幅された記録信
号で磁気記録媒体32に情報を書き込む記録用薄膜ヘッ
ド34とが接続されている。
【0024】MRヘッド12には、再生信号を増幅する
増幅回路36が接続されている。
【0025】PRML信号処理部18は、一般的なもの
であり、波形等価回路181、n値等価回路182、A
/Dコンバータ183、ビタビ検出回路184等によっ
て構成されている。ここで、PRMLとは、一般的に磁
気ディスクや光ディスクの高密度化を図る再生信号処理
方式の一つで、パーシャルレスポンスとビタビ信号値を
組み合わせたものをいう。
【0026】図2は、図1の再生信号波形制御装置10
によって得られる波形を示す図である。
【0027】以下、図1及び図2に基づき本実施形態に
係る再生信号波形制御装置10の動作について説明す
る。先ず、本実施形態の動作原理を説明する。磁気記録
媒体(磁気ディスク)32に記録されている情報が、図
2(a)に示すように、矩形波状に磁化されている場合
を仮に想定する。これをMRヘッド12で再生する場合
には、図2(b)に示すように、矩形波の立ち上がり部
分で正のパルスが発生し、逆に矩形波の立ち下がり部分
において負のパルスが発生する。
【0028】一般に、磁気記録装置のMRヘッド12の
再生波形において、正のパルスの出力振幅及び半値幅と
負のパルスの出力振幅及び半値幅が、それぞれ正負両側
で対称となっている場合には、図2(b)に示すような
波形となる。ここで、図2(b)に示す波形は、増幅器
36から出力されたものを表している。この再生波形を
時間tで微分したときの微分波形は、図2(c)に示す
ように、上下対称のきれいな波形となるはずである。
【0029】しかしながら、MRヘッドの再生信号波形
は、出力振幅が大きくなると相対的に半値幅が狭くな
り、その微分波形の振幅も大きくなる。逆にMRヘッド
の再生波形の出力振幅が小さくなると半値幅が広くなる
(図2(d)参照)。このように、正負両側で対称でな
い再生信号を微分すると、その微分波形の振幅は図2
(e)に示すように、変動が大きな波形となる。
【0030】適切に再生信号を得るためには、できる限
り図2(c)に示すように、微分波形が正負両方向につ
いて対称に近い形状となるように制御し、非対称性を改
良することが重要である。これを実現するために、予め
磁気記録媒体32に基準となる周期3Tの記録信号を記
録する。
【0031】具体的には、装置全体を制御するシステム
コントローラ16は、再生波形の制御をする非対称性改
良モードに移行するために、切り換え回路20及び記録
系信号処理部22へ制御信号を送る。記録系信号処理部
22では、周期3Tの記録信号を発生させ、切り換え回
路20は微分波形抽出部14へ再生信号を出力するよう
になる。ここで得られた周期3Tの記録信号は、増幅回
路30で増幅され、記録用薄膜ヘッド34によって磁気
記録媒体32に書き込まれる。
【0032】次に、実際に磁気記録媒体32に記録され
た記録信号を再生し、再生信号波形制御をする手法につ
いて説明する。磁気記録媒体32に書き込まれた周期3
Tの記録信号は、MRヘッド12で再生信号に変換され
る。そして、この再生信号は増幅回路36及び切り換え
回路20を経て、微分波形抽出部14へ出力される。微
分波形抽出部14に入力される前の再生信号は、図2
(b)に示すように、記録信号の立ち上がりと立ち下が
りに同期して、正のパルス及び負のパルスとして検出さ
れる。
【0033】微分波形抽出部14では、再生信号はロー
パスフィルタ141でノイズが除去され、得られた再生
信号が微分回路142によって時間で微分される。図2
(c)は、微分された後の再生信号の波形を示す。
【0034】微分回路142で微分された再生信号は、
包絡線抽出回路151に送られる。包絡線抽出回路15
1では、微分された再生信号の内、正のパルスのピーク
値が抽出されると共に、負のパルスのピーク値も抽出さ
れる。図2(c)は、正負両方の包絡線が略直線状とな
っている場合を示している。即ち、良好条件で信号が再
生されていることを示す。尚、正負いずれかの包絡線の
み検出するようにしてもよい。
【0035】そして、包絡線抽出回路151で抽出され
た包絡線の波形は、A/Dコンバータ152で適当な時
間間隔でサンプリングされて数値化され、システムコン
トローラ16へ出力される。システムコントローラ16
は、正の包絡線Aあるいは負の包絡線Bのいずれか一方
の包絡線を任意に抽出する。そして、システムコントロ
ーラ16では、サンプリングされた値のバラツキ等の検
出が行われる。
【0036】ここで検出されたバラツキ等が所望の値よ
り悪い(包絡線A若しくはBの直線性が悪い)場合は、
図2(e)に示すような波形が得られたと考えられる。
このため、システムコントローラ16は、MRヘッド1
2の再生信号波形に非対称性があると判断し、センス電
流値を変化させるように、センス電流制御回路17へ制
御信号を送る。
【0037】すると、MRヘッド12は、新たなセンス
電流値で、磁気記録媒体32に書き込まれた記録信号を
再生信号に変換する。以後、図2(c)に示す微分波
形、あるいは所望の直線性の微分波形が得られるまで、
前述の動作が繰り返される。そして、図2(c)に示す
ような良好な波形が得られると、システムコントローラ
16は、通常のPRML信号処理モードに移行するため
に、切り換え回路20へ制御信号を送る。これにより、
切り換え回路20は、PRML信号処理部18へ再生信
号を出力するようになる。この結果、最適な再生信号波
形で、PRML信号処理が行える。
【0038】図3は、図1の再生信号波形制御装置にお
いて、不安定性改善時のシステムコントローラ16の動
作の一例を示すフローチャート図である。以下、この図
面に基づき説明する。
【0039】先ず、図3に示すように、システムコント
ローラ16は、磁気記録装置が通常の再生動作なのか否
かを判断する(図3のステップS1)。通常の再生動作
の場合には、そのまま磁気記録媒体32からの記録信号
の再生を行う。一方、通常の再生状態で無いと判断され
た場合には、現在の再生信号の非対称性を監視するモー
ドに移行するか否かが判断される(図3のステップS
2)。
【0040】非対称性監視モードに移行したい任意のと
きには、図3に示すように、非対称性改良モードに移行
する(図3のステップS3)。非対称性改良モードに移
行した場合には、切り換え回路20が動作して、微分波
形抽出部に再生信号が送られ、微分波形が形成された
後、その包絡線の直線性が演算される(図3のステップ
S4)。
【0041】そして、包絡線の直線性(バラツキ)が一
定のレベル以下であれか判断される(図3のステップS
5)。ここで、直線性が悪い場合には、センス電流の制
御がなされる(図3のステップS6)。一方、直線性が
良ければ、通常の信号処理モードに復帰する(図3のス
テップS7)。
【0042】センス電流の制御方法としては、以下の通
りである。再生信号の正のピークと負のピークの絶対値
を比較する。このとき、正のピークの絶対値の方が大き
い場合には、センス電流の値を減少させる。逆に、負の
ピークの絶対値の方が大きい場合には、センス電流を増
大させる。尚、微分波形の正のピークの絶対値及び負の
ピークの絶対値を比較して制御するようにしてもよい。
【0043】尚、通常の再生状態時でも、何らかの原因
で再生信号のリードエラーが発生した時に、非対称性改
良モードに移行して上記の動作を行い、非対称性の不安
定性の確認及び軽減を行ない、不安定性が大きい時や突
発性の非対称によるリードエラーを救済することができ
る(図4参照)。
【0044】これにより、システムコントローラ16
は、非対称性を監視するため任意のタイミングで非対称
性改良モードに移行して、非対称性の不安定性の確認及
び軽減を行う。このように、再生信号波形制御がなされ
た後に、磁気記録媒体32に既に記録されている信号を
MRヘッド12で再生することにより、正確な信号再生
を行うことができる。
【0045】当該第一の実施形態は、MRヘッド12の
再生波形の非対称性を検出するために、微分波形の包絡
線を抽出し演算している。このとき、抽出するのは、正
のパルス若しくは負のパルスから求まる包絡線A,Bの
いずれかの値だけで済むので、構成を極めて簡単にする
ことができる。
【0046】なお、本実施形態では、周期3Tの記録信
号を実際に磁気記録媒体32に予め書き込んだが、既に
磁気記録媒体32に書かれている信号でも、各セクター
の始まりにある位相同期用の信号のような単一周波数或
いは低周波数帯の波形であるならば、どのような記録信
号を用いても、本発明の目的を達成することができる。
【0047】図4は、本発明に係る再生信号波形制御装
置の第二の実施形態を示す機能ブロック図である。
【0048】以下、この図面に基づき説明する。ただ
し、図1と同一部分は同一符号を付すことにより重複説
明を省略する。
【0049】本実施形態の再生信号波形制御装置40
は、MRヘッド12のセンス電流から得られた再生信号
に対して微分を行なう微分波形抽出部14と、微分波形
抽出部14で得られた微分波形の正のピークを結ぶ正の
包絡線と負のピークを結ぶ負の包絡線とを抽出し数値化
する包絡線検出部45とを備えている。また、再生信号
波形制御装置40は、包絡線検出部55で数値化された
正の包絡線と負の包絡線との両方の直線性を検出する直
線性検出部(システムコントローラ46)と、この直線
性検出部で検出された直線性が一定範囲内に収まるよう
にMRヘッド12のセンス電流を制御するセンス電流制
御部(システムコントローラ46及びセンス電流制御回
路17)と、再生信号をPRML信号処理部18または
微分波形抽出部14のどちらか一方へ出力する切り換え
回路20とを備えている。
【0050】即ち、本実施形態では、正負両方の包絡線
の結果を用いる点が第1の実施形態と相違している。
【0051】システムコントローラ46は、図1のシス
テムコントローラ16に対して、包絡線検出部としての
機能に関するプログラムの一部が異なり、他は同じ構成
である。具体的には、包絡線検出部45は、微分波形抽
出部14で微分された再生信号波形から正の包絡線と負
の包絡線の両方とも抽出する包絡線抽出回路451と、
A/Dコンバータ452とから構成されている。
【0052】図6は、図5の再生信号波形制御装置の動
作の一例を示す波形図である。以下、図5及び図6に基
づきシステムコントローラ46の動作を中心に説明す
る。
【0053】まず、全体を統括して制御するシステムコ
ントローラ46は、非対称性改良モードに移行するため
に、切り換え回路20及び記録系信号処理部22へ制御
信号を送る。記録系信号処理部22は周波数3Tの記録
信号を発生させ(図5(a)参照)、切り換え回路20
は微分波形抽出部14へ再生信号を出力するようにな
る。
【0054】周期3Tの記録信号は、増幅回路30で増
幅され、記録用薄膜ヘッド34によって磁気記録媒体3
2に書き込まれる。磁気記録媒体32に書き込まれた周
期3Tの記録信号は、MRヘッド12で再生信号に変換
され(図5(b)参照)、増幅回路36、切り換え回路
20を経て、微分波形抽出部14へ出力される。
【0055】微分波形抽出部14での再生信号は、ロー
パスフィルタ141でノイズが除去され、微分回路14
2で微分される(図5(c)参照)。微分回路142で
の再生信号は、包絡線抽出回路451に送られ、システ
ムコントローラ46は、正の包絡線A及び負の包絡線B
の両方の波形とも抽出されるようにする(図5(c),
(e)参照)。
【0056】ここで、MRヘッド12により再生された
再生信号が、図5(d)に示すような波形であった場合
を考える。この再生信号の波形は、立ち上がり側の傾き
が立ち下がりの傾きよりも急な場合、即ちパルスのピー
クを基準としたとき時間方向に非対称な再生信号の場合
である。包絡線抽出回路451で抽出された二つの包絡
線波形は、A/Dコンバータ452で適当な時間でサン
プリングされた値に各々数値化され、システムコントロ
ーラ46へ出力される。システムコントローラ46で
は、A/Dコンバータ452でサンプリングされた包絡
線のバラツキや包絡線Aと包絡線Bの差分等の演算を各
々行う。
【0057】ここで演算された結果、バラツキが所望の
値より悪かった場合、更に包絡線A及びBの差分があま
りない場合、図5(e)に示すようなパルスの傾きが前
後非対称の波形が得られたと判断できるので、システム
コントローラ46は、MRヘッド12の再生信号波形に
非対称性があると判断し、センス電流値を変えるように
センス電流制御回路17へ制御信号を送る。
【0058】すると、MRヘッド12は、新たなセンス
電流値で、磁気記録媒体32に書き込まれた記録信号を
再生信号に変換する。このように、再生信号の波形に非
対称性が発生するのは、MRヘッド自体の欠陥や個体差
或いは径年変化等の原因が考えられる。
【0059】以後、図5(c)に示す波形、あるいは所
望の直線性の再生波形が得られるまで、前述の動作が繰
り返される。尚、図5(c)は、各包絡線A,Bが略直
線となる場合を示している。しかしながら、ある程度包
絡線に変動が生じていても(直線で無くても)センス電
流を大きくして出力を大きくした方が、結果として再生
品質を向上させることができる場合がある。
【0060】そして、センス電流を制御して、図5
(c)に示すような適正な波形が得られると、システム
コントローラ46は、通常のPRML信号処理モードに
移行するために、切り換え回路20へ制御信号を送る。
【0061】制御信号を受けた切り換え回路20は、得
られた再生信号をPRML信号処理部18へ出力するよ
うになる。これにより、最適な再生信号波形で、PRM
L信号処理が行える。
【0062】また、本実施例も第一の実施例と同様、図
3に示すような不安定性改善を行うことができる。これ
により、システムコントローラ46は、非対称性を監視
するため任意時に非対称性改良モードに移行して、非対
称性の不安定性の確認及び軽減を行うことができる。
【0063】さらに、リードエラー時にも非対称性改良
モードに移行して、上記した一連の動作を行い、非対称
性の不安定性の確認及び軽減を行ない、不安定性が大き
い時や突発性な非対称によるリードエラーを救済でき
る。この時は、磁気記録媒体32に既に記録されている
信号をMRヘッド12で再生することにより、同様の動
作を行う。
【0064】本実施形態によれば、第一の実施形態で説
明したような、正負両側の非対称性及び不安定性を改善
することができると同時に、以下のような特徴を有して
いる。即ち、正負両側の包絡線を考慮するため、両包絡
線の形状及び両者の位置関係を把握することにより、M
Rヘッドの再生信号波形において、ピークを中心とした
前側の傾斜と後ろ側の傾斜の非対称性も確実に検出でき
る。このため、かかる、前後にわたる非対称性を軽減す
ることができる。
【0065】また、本実施形態では、再生信号をA/D
コンバータによりディジタル値に変換し、これに基づい
て包絡線の直線性を検出している。このため装置の全体
の構成を極めて簡単にすることができる。
【0066】なお、本実施形態では、周期3Tの記録信
号を実際に磁気記録媒体32に書き込んだが、既に磁気
記録媒体32に書かれている信号でも、各セクターの始
まりにある位相同期用の信号のような単一周波数或いは
低周波数帯の波形であるなら、何を用いても同様の効果
を奏することができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る再生
信号波形制御装置によれば、MRヘッドで検出された再
生信号について微分波形を生成し、この微分波形の変動
を抑制するようにMRヘッドのセンス電流を制御するこ
ととした。このため、再生信号波形の非対称性をなくす
ことができ、また再生信号波形一つだけではなく全体的
に非対称性をなくすことができ、また増幅回路などの過
渡応答などがあった場合による変動にも対応することが
でき、その再生信号の再生品質を向上させることがで
き、極めて簡単な構成により磁気ディスクの高密度記録
・高信頼性を実現することができる、という優れた効果
を生じる。
【0068】更に、磁気記録装置の通常稼働時におい
て、非対称変動(不安定性)が起った場合でも、これを
修正するようにMRヘッドのセンス電流が制御されるの
で、MRヘッド自体の径年変化や、周囲の環境変化等が
生じても、信号再生品質を高く維持することができる、
という優れた効果を生じる。
【0069】また、本発明の再生信号波形制御装置で
は、得られた再生信号の内正負両側(最大値、最小値)
のピーク値を用いて波形制御を行うので、正負方向の変
動の他、時間軸方向の変動も抑制することができる、と
いう優れた効果を生じる。
【0070】更に、本発明では再生信号の正のピークの
絶対値が負のピークの絶対値より大きい場合に、センス
電流を減少させるように制御する。このため、再生信号
の正負方向の対称性が改善され、情報の再生精度を向上
させることができる、という優れた効果を生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る再生信号波形制御装置の第一の実
施形態を示す機能ブロック図である。
【図2】図1の再生信号波形制御装置で処理される波形
を示す図であり、図2(a)は記録系信号処理部から出
力される記録信号を示し、図2(b)はMRヘッドから
出力される良好な再生信号を示し、図2(c)は包絡線
抽出回路から出力される良好な包絡線を示し、図2
(d)はMRヘッドから出力される非対称な再生信号を
示し、図2(e)は包絡線抽出回路から出力される非対
称な微分波形の包絡線を示す。
【図3】図1の再生信号波形制御装置の動作の一例を示
すフローチャート図である。
【図4】図1の再生信号波形制御装置の再生動作の一例
を示すフローチャート図である。
【図5】本発明に係る再生信号波形制御装置の第二の実
施形態を示す機能ブロック図である。
【図6】図5の再生信号波形制御装置の動作の一例を示
す波形図であり、図6(a)は記録系信号処理部から出
力される記録信号を示し、図6(b)はMRヘッドから
出力される良好な再生信号を示し、図6(c)は包絡線
抽出回路から出力される良好な包絡線を示し、図6
(d)はMRヘッドから出力される波形の傾きが前後非
対称な再生信号を示し、図6(e)は包絡線抽出回路か
ら出力される非対称な微分波形の包絡線を示す。
【符号の説明】
10,40 再生信号波形制御装置 12 MRヘッド 14 微分波形抽出部 15 包絡線検出部 16,46 システムコントローラ 17 センス電流制御回路部 18 PRML信号処理部 20 切り換え回路 22 記録系信号処理部 24 再生系信号処理部 32 磁気記録媒体 34 記録用ヘッド

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MRヘッドの再生信号波形を微分して微
    分波形を生成する微分波形抽出部と、この微分波形の正
    のピーク若しくは負のピークをそれぞれ結ぶ包絡線を検
    出する包絡線検出部と、この包絡線の直線性を検出する
    直線性検出部と、この検出された直線性の結果に基づい
    てMRヘッドのセンス電流値を制御するシステムコント
    ローラとを備えたことを特徴とする再生信号波形制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記システムコントローラは、前記正の
    包絡線及び負の包絡線の両方の直線性を検出し、この検
    出結果に基づいてMRヘッドのセンス電流を制御するこ
    とを特徴とした請求項1記載の再生信号波形制御装置。
  3. 【請求項3】 前記システムコントローラは、前記包絡
    線の直線性の変動量が所定値以下となるように、前記M
    Rヘッドのセンス電流を制御することを特徴とした請求
    項1又は2記載の再生信号波形制御装置。
  4. 【請求項4】 前記システムコントローラは、前記正の
    包絡線及び負の包絡線の相対的な関係に基づいて前記M
    Rヘッドのセンス電流を制御することを特徴とした請求
    項3又は4記載の再生信号波形制御装置。
  5. 【請求項5】 前記再生信号波形制御装置に、再生信号
    を処理するPRML信号処理部を併設すると共に、前記
    再生信号を前記包絡線抽出部若しくはPRML信号処理
    部のいずれかに送信する切り換え回路を備え、 前記切り換え回路は、前記包絡線の変動が所定値以下の
    場合には、前記再生信号を前記PRML回路信号処理部
    に送信することを特徴とした請求項1,2,3又は4記
    載の再生信号波形制御装置。
  6. 【請求項6】 前記システムコントローラは、前記再生
    信号の正のピークの絶対値が負のピークの絶対値より大
    きい場合にセンス電流を減少させることを特徴とした請
    求項1,2,3,4又は5記載の再生信号波形制御装
    置。
JP9299078A 1997-10-30 1997-10-30 Mrヘッド用の再生信号波形制御装置 Expired - Lifetime JP3006683B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9299078A JP3006683B2 (ja) 1997-10-30 1997-10-30 Mrヘッド用の再生信号波形制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9299078A JP3006683B2 (ja) 1997-10-30 1997-10-30 Mrヘッド用の再生信号波形制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11134603A JPH11134603A (ja) 1999-05-21
JP3006683B2 true JP3006683B2 (ja) 2000-02-07

Family

ID=17867911

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9299078A Expired - Lifetime JP3006683B2 (ja) 1997-10-30 1997-10-30 Mrヘッド用の再生信号波形制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3006683B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7719901B2 (en) * 2007-06-05 2010-05-18 Micron Technology, Inc. Solid state memory utilizing analog communication of data values

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11134603A (ja) 1999-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2868707B2 (ja) ディスク状記録担体を利用したデータ記録装置の読出チャンネル最適化方法
US5623474A (en) Disk apparatus having automatic adjustment of adaptive filter equalization parameter using training pattern
JPH0991886A (ja) ディスク記録再生装置のデータ再生処理装置
US7215631B2 (en) Signal processing device and signal processing method
KR100357641B1 (ko) 오프셋 제어 회로 및 오프셋 제어 방법
JP3042612B2 (ja) 磁気抵抗ヘッドの孤立再生波形規定方法、及びこれを用いた磁気ディスク装置
JP3006683B2 (ja) Mrヘッド用の再生信号波形制御装置
JP2828052B2 (ja) Mrヘッド用の再生信号波形制御装置
US6903890B2 (en) Method and apparatus for write compensation of perpendicular magnetic recording in disk drive
KR20000062966A (ko) 가변 임계값을 갖는 매체 잡음 포스트-프로세서
JP2763454B2 (ja) データ検出装置
KR100223161B1 (ko) 재생신호 보정장치
JP2000311302A (ja) ディスク記憶装置及び同装置に適用するデータ再生装置
JPH04153901A (ja) 垂直磁気記録用波形等化回路
JPH11238205A (ja) Mrヘッド用の信号波形制御装置
JPH1116279A (ja) 光ディスク装置
JPH10320723A (ja) Mrヘッドにおける上下振幅非対称の補償回路および上下振幅非対称の調整方法
JPH11328609A (ja) 再生信号増幅装置
JPS618779A (ja) 変復調方式
JP2007157184A (ja) 情報記録再生装置
JPH0991875A (ja) 磁気ディスク装置の信号読み出し回路
JPH06124405A (ja) 等化装置
JPH09102102A (ja) 磁気ディスク装置
JPH04121822A (ja) 光ディスク記録再生装置
JPH087536A (ja) インサート編集装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19991027