JP3006364B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP3006364B2
JP3006364B2 JP5234834A JP23483493A JP3006364B2 JP 3006364 B2 JP3006364 B2 JP 3006364B2 JP 5234834 A JP5234834 A JP 5234834A JP 23483493 A JP23483493 A JP 23483493A JP 3006364 B2 JP3006364 B2 JP 3006364B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば赤外線検出用素
子に用いられる半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図11及び図12に示すような赤
外線検出素子がある。この検出素子では、サーミスタ
(半導体素子)を備えた半導体装置が利用されている。
即ち、温度変化に伴い抵抗値が変化する抵抗体(感温抵
抗体)が半導体薄膜であるサーミスタを備えた半導体装
置が利用されている。
【0003】この赤外線検出素子は、図11に示すよう
に、中空部(熱分離空間)1を覆うように周辺が基板2
に支持された熱絶縁膜3の上に赤外線検出部8が設けら
れている。すなわち、導電性薄膜よりなる下部電極6、
感温抵抗体である半導体薄膜5、導電性薄膜よりなる上
部電極7及び赤外線吸収膜11よりなる積層体が熱絶縁
膜3上であって、前記中空部1の上方位置に形成されて
いる。
【0004】このように構成された赤外線検出素子は、
フィルター12を介して入射する赤外線が赤外線吸収膜
11で吸収されることにより生じる熱で、半導体薄膜5
の抵抗値を変化させ、この抵抗値変化を下部電極6、上
部電極7を介して取り出すことにより、赤外線検出が可
能となる。
【0005】ここで、上記半導体薄膜5は、多結晶シリ
コン系やアモルファスシリコン系の厚み0.1〜5μm
程度の薄膜が使われる。中空部1により赤外線検出部8
が基板2から熱的に分離されるため、赤外線の吸収に伴
って生じる熱は、半導体薄膜5の温度上昇に有効に使わ
れ、その結果、赤外線検出感度が良い。また、基板2に
はシリコン基板などが使われており、中空部1は異方性
エッチングなどで形成することができる。
【0006】下部電極6及び上部電極7は、図12に示
すように、基板2に一体的に併設された信号処理回路1
3に接続されている。この信号処理回路13は、例え
ば、検出信号の増幅、ノイズの除去といった信号処理を
行うためのものである。
【0007】また、赤外線検出部8に被せられているフ
ィルター12は、いわばノイズである検出赤外線以外の
光を遮断し、検出すべき必要な赤外線のみを赤外線検出
部8に入射させるためのものである。赤外線検出素子の
場合、一般に微弱な赤外線の輻射エネルギ−のみを選択
的に検出することが多いが、検出する赤外線は他の波長
域のノイズとなる光と混在していることが多く、そのた
め、フィルター12でノイズとなる光を除去するのであ
る。
【0008】熱絶縁膜3としては、酸化シリコン、窒化
シリコン、酸化窒化シリコンなどが用いられることが多
い。熱絶縁膜3は単一層構造の場合もあるが、酸化シリ
コン薄膜を窒化シリコン薄膜でサンドイッチしてなる3
層構造として、応力が緩和されるようにして、熱絶縁膜
3の機械的強度を高めるという構成が採られることもあ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
赤外線検出素子の場合、熱絶縁膜3の破壊という問題が
ある。これは、半導体薄膜5のパターン化のためのエッ
チングで熱絶縁膜3が損傷し易いからである。特に、熱
絶縁膜3は裏側に支持のない中空部1の位置で破壊が起
こり易い。その結果、製造上の歩留りが悪く、製造後の
信頼性も低い。
【0010】半導体薄膜5のパターン化は、多結晶シリ
コン系やアモルファスシリコン系の薄膜に対し、プラズ
マエッチングやRIE(リアクティブ・イオンエッチン
グ)などの化学的エッチング、あるいはイオンビームエ
ッチングなどの物理的エッチングにより、選択エッチン
グを施すことで行われる。多結晶シリコン系やアモルフ
ァスシリコン系の薄膜の不要部分を完全に除去するため
に、このエッチングはオーバーエッチング気味となる。
【0011】化学的エッチングの場合、反応性ガスとし
て、ハロゲン化炭素(CF4 ,CHF3 ,C3 8 )や
NF3 などのフッ素系のガスが用いられることが多く、
この際、N2 ,O2 ,H2 などを混合することもある。
これらのガスを用いた場合、酸化シリコン、窒化シリコ
ン、酸化窒化シリコンなどの熱絶縁膜3もエッチングさ
れるのであるが、下部電極6形成のためのパターン化を
終えた後、多結晶シリコン系やアモルファスシリコン系
の薄膜を形成し、半導体薄膜5形成のためのパターン化
を行っており、下部電極6以外の所では、多結晶シリコ
ン系やアモルファスシリコン系の薄膜が直接接してお
り、オーバーエッチングにより熱絶縁膜3がエッチング
され損傷してしまうのである。
【0012】また、Arガスなどを用いてエッチングす
るイオンビームエッチング法の場合は、物理的エッチン
グであるため、同様にオーバーエッチングにより熱絶縁
膜3が損傷することになる。物理的エッチングの場合
は、熱絶縁膜3だけでなく下部電極6もエッチングされ
るため、場合によっては電極配線の断線が生じる。この
場合、断線により歩留りが悪くなる。また、断線を防止
するため、下部電極6の膜厚を厚くすると、熱伝導が大
きくなるため、半導体薄膜(サーミスタ)5の温度上昇
が小さくなり、赤外線検出素子の感度が低下する。
【0013】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、半導体薄膜をエッチング
する際、オーバーエッチングしても、熱絶縁膜がエッチ
ングされることのない半導体装置を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る半導体装置は、図1に示すように、中
空部1を有する基板2と、この中空部1を覆って周辺が
基板2に支持された熱絶縁膜3とを備え、この熱絶縁膜
3の上に所定パターンの、熱絶縁膜3がオーバーエッチ
ングによりエッチングされるのを防ぐ、プラズマCVD
で形成された低応力の下地保護膜4を形成するととも
に、半導体素子用の所定パターンの半導体薄膜5を下地
保護膜4の表面領域内に形成したものである。なお、図
2に示すように、熱絶縁膜3の上に所定パターンの導電
性薄膜6を形成するとともに、この導電性薄膜6を覆っ
て前記下地保護膜4を形成してもよい。
【0015】
【作用】上記のように、熱絶縁膜3が下地保護膜4によ
り覆われているため、半導体薄膜5をエッチングする
際、オーバーエッチングしても熱絶縁膜3がエッチング
されることがない。熱絶縁膜3がエッチングされていな
いので、熱的に分離する中空部(熱分離空間)1を形成
したとき、熱絶縁膜3の機械的強度が低下することがな
い。従って、従来のように熱絶縁膜3が破壊するという
ようなこともなくなり、製造上の歩留りが向上する。
【0016】
【実施例】以下、本発明を図面を参照して詳細に説明す
る。なお、一例として半導体素子としてサーミスタを備
えた半導体装置で説明する。
【0017】まず、図3に示すように、基板2上に熱絶
縁膜3を形成し、続いて下地保護膜4を形成する。次
に、前記導電性薄膜である下部電極6を形成し、微細加
工技術によりエッチングする。その後、半導体薄膜5を
形成し、微細加工技術によりエッチングする。このと
き、下地保護膜4が全面に残っており、この下地保護膜
4が熱絶縁膜3のエッチングを防止する効果がある。続
いて、上部電極7を形成する。
【0018】また、異なる例としては、図4に示すよう
に基板2上に熱絶縁膜3を形成し、続いて、下部電極6
を形成し微細加工技術によりエッチングする。次に、下
地保護膜4を形成し微細加工技術によりエッチングす
る。その後、半導体薄膜5を形成し、微細加工技術によ
りエッチングする。このとき、下地保護膜4が全面に残
っており、この下地保護膜4が熱絶縁膜3及び下部電極
6のエッチングを防止する効果がある。続いて、上部電
極7を形成する。
【0019】このように本発明によれば、半導体薄膜5
をエッチングする際、下地保護膜4が全面にあるため、
オーバーエッチングしても熱絶縁膜3がエッチングされ
ることがない。
【0020】この点を更に詳述する。半導体薄膜5とし
ては、シリコン(Si)系の材料がよく用いられ、特
に、アモルファスシリコン(a−Si)、アモルファス
シリコンカーバイド(a−SiC)が多い。例えば、プ
ラズマエッチング、RIEのような化学的エッチングの
場合、反応性ガスとしてCF4 のようなハロゲン化炭素
が用いられることが多い。
【0021】一例として、CF4 とO2 の混合ガスを用
いたときのエッチングレートとエッチング比は下記の通
りである。
【0022】a−Si(ノンドープ)…エッチングレ
ート:12000Å/分 a−Si(Bドープ) …エッチングレート:200
0〜6000Å/分a−Siの1/2〜1/6のレー
ト a−SiC(Bドープ)…エッチングレート:200
0〜6000Å/分a−Siの1/2〜1/6のレー
ト a−SiO2 …エッチングレート: 80
0〜2400Å/分a−Siの1/5〜1/15のレ
ート a−Si3 4 …エッチングレート:150
0〜4000Å/分a−Siの1/3〜1/8のレー
ト Cr,Al …エッチングレート:殆どエ
ッチングされず 〔エッチング条件:O2 /CF4 =5%,200W,プ
ラズマエッチング〕 半導体薄膜としてはp型またはn型が用いられることが
多く、例えば、半導体薄膜5として、p型でドーピング
ガスとしてジボランを用いたa−Si,a−SiCの場
合などでは、ノンドープのものと比較してエッチングレ
ートが、上記のように1/2〜1/6程度になり、a−
Si,a−SiCなどのエッチングレートが熱絶縁膜3
に対して大きくとれないので、オーバーエッチングの際
に、熱絶縁膜3もエッチングされてしまう。しかし、上
記のように、酸化シリコン、窒化シリコンなどは、エッ
チング比を小さくとることができるので、半導体薄膜5
をエッチングする際、オーバーエッチングしても、全面
を下地保護膜4が覆っているため、熱絶縁膜3がエッチ
ングされない。
【0023】また、本発明はイオンビームエッチング法
などの物理的エッチングに関しても有用で、熱絶縁膜3
がオーバーエッチングによりエッチングされるのを防ぐ
ことができる。また、本発明によれば、イオンビームエ
ッチング法でも、下部電極6も下地保護膜4が覆ってい
るため、下部電極6がエッチングされることがない。な
お、イオンビームエッチング法でエッチングした場合、
選択性がなく、本発明で用いられている材料でのエッチ
ング比は、大きくは変わらない。
【0024】次に、上述のことを図5乃至図7を参照し
て更に説明する。まず、図1に示す例の場合、半導体薄
膜5をエッチングして行くと、半導体薄膜5のパターン
以外の所がオーバーエッチングされて行くが、熱絶縁膜
3はエッチングされず、下地保護膜4がエッチングされ
る(図5参照)。
【0025】また、図2に示す例の場合、半導体薄膜5
をエッチングして行くと、半導体薄膜5のパターン以外
の所がオーバーエッチングされて行くが、熱絶縁膜3は
エッチングされず、下地保護膜4がエッチングされる
(図6参照)。また、この例では、下部電極6も下地保
護膜4が覆っているため、オーバーエッチングによって
下部電極6がエッチングされることがない。この例は、
イオンビームエッチング法などの物理的エッチングに関
して特に効果的である。
【0026】残った下地保護膜4は、エッチングなどで
簡単に取り除くことができる。例えば、酸化シリコン、
酸化窒化シリコンなどは、BHF(バッファ弗酸)など
で簡単にエッチングできる。図7に示すように、下地保
護膜4は半導体薄膜5の下に若干残る程度である。
【0027】このように、本発明によれば熱絶縁膜3が
エッチングされないので、図1及び図2に示すように、
熱的に分離する中空部(熱分離空間)1を形成したと
き、熱絶縁膜3の機械的強度が低下することがない。従
って、従来の熱絶縁膜3が破壊するという問題点を改善
できる。
【0028】また、熱絶縁膜3が多層構造で出来ている
場合、熱絶縁膜3の上部がエッチングされると、応力の
バランスが崩れたりするため、熱的に分離する中空部
(熱分離空間)1を形成したとき、熱絶縁膜3の機械的
強度が低下し、熱絶縁膜3が破壊し易くなる。例えば、
熱絶縁膜3として3層構造を用いた場合、従来例では上
部の窒化シリコンが薄くなるため、エッチングされた部
分の窒化シリコンの引張応力のバランスが崩れ、熱絶縁
膜3の機械的強度が低下し、熱絶縁膜3が破壊し易くな
る。しかし、本発明によれば、熱絶縁膜3がエッチング
されることがないため、応力のバランスが崩れることは
なく、熱的に分離する中空部1を形成しても熱絶縁膜3
の機械的強度が低下せず、熱絶縁膜3が破壊しにくくな
る。
【0029】なお、下地保護膜4はプラズマCVD法な
どで形成された低応力の膜であるため、熱絶縁膜3の強
度に殆ど影響を与えない。
【0030】以下、本発明に係る具体的実施例を説明す
る。 (実施例1)図8は実施例1に係る赤外線検出素子の要
部構成を示す断面図である。赤外線検出素子は、赤外線
検出部8がシリコン基板2表面の熱絶縁膜3の上に形成
されており、熱絶縁膜3は電気的絶縁性も有する。そし
て、シリコン基板2における赤外線検出部8の裏側に
は、この赤外線検出部8を基板2から熱的に分離する中
空部(熱分離空間)1が形成されている。また、熱絶縁
膜3の上に下地保護膜4が形成されている。
【0031】赤外線検出部8では、熱を受けて抵抗が変
化する半導体薄膜である薄膜抵抗体5の下に下部電極6
が配されるとともに、薄膜抵抗体5の上に上部電極7が
配され、上部電極7の上に赤外線吸収膜も兼ねる保護膜
9が形成されている。
【0032】その製法は、まず、シリコン基板2の表面
にLPCVD(低圧CVD)法により、厚み1000Å
の窒化シリコン、厚み8000Åの酸化シリコン、厚み
1000Åの窒化シリコンの3層からなる熱絶縁膜3を
形成した。そして、この熱絶縁膜3の上にグロー放電分
解法により、厚み1000Åの酸化シリコンからなる下
地保護膜4を形成した。下地保護膜4の形成の成膜条件
は、700%モルの亜酸化窒素(N2 O)を加えたモノ
シランを用い、基板温度250℃、圧力1Torr、放電電
力30W、周波数13.56MHzとした。
【0033】次に、電子ビーム蒸着法で厚み1000Å
のクロム膜を基板温度150℃で成膜し、フォトリソグ
ラフィ法でパターン化し、下部電極6を形成した。続い
てグロー放電分解法により、厚み1000Åのp型アモ
ルファスシリコンカーバイド(a−SiC)薄膜を成膜
し、フォトリソグラフィ法でパターン化(1mm×1mmの
正方形)し、薄膜抵抗体5を形成した。成膜条件は、4
00%モルのメタン、0.25%のジボランを加えたモ
ノシランを用い、基板温度180℃、圧力0.9Torr、
放電電力20W、周波数13.56MHzとした。なお、
a−SiCのエッチングの際には、プラズマエッチング
により行った。エッチング条件としては、O2 /CF4
=5%、圧力0.7Torr、放電電力200W、周波数1
3.56MHzとした。
【0034】次いで、薄膜抵抗体5の上に電子ビーム蒸
着法で厚み1000Åのクロム膜を基板温度150℃で
成膜し、フォトリソグラフィ法でパターン化し、上部電
極7を形成した。上部電極7を形成した後、グロー放電
分解法により、厚み10000Åの酸化シリコン薄膜を
成膜し、フォトリソグラフィ法でパターン化し、保護膜
9を形成した。
【0035】この後、電子ビーム蒸着法で厚み1000
Åのアルミニウム膜を基板温度150℃で成膜し、フォ
トリソグラフィ法でパターン化し、パッド10を形成
し、最後に、赤外線検出部8搭載側とは反対側からリコ
ン基板2を、水酸化カリウム溶液を使う異方性エッチン
グにより彫り込みダイヤフラム構造とし、中空部(熱分
離空間)1を形成した。なお、エッチングされずに残っ
た熱絶縁膜3のサイズは1.4mm×1.4mm角である。
【0036】(実施例2)図9は実施例2に係る赤外線
検出素子の要部構成を示す断面図である。この赤外線検
出素子は、赤外線検出部8がシリコン基板2表面の熱絶
縁膜3の上に形成されており、熱絶縁膜3は電気的絶縁
性も有する。そして、シリコン基板2における赤外線検
出部8の裏側には、この赤外線検出部8を基板2から熱
的に分離する中空部(熱分離空間)1が形成されてい
る。また、熱絶縁膜3の上に下地保護膜4が形成されて
いる。また、後述する下部電極6は、熱絶縁膜3と下地
保護膜4間に形成され、薄膜抵抗体5から抵抗を取り出
すための部分は、下地保護膜4をエッチングにより除去
してある。
【0037】赤外線検出部8では、熱を受けて抵抗が変
化する薄膜抵抗体5の下に下部電極6が配されるととも
に、薄膜抵抗体5の上に上部電極7が配され、上部電極
7の上に赤外線吸収膜も兼ねる保護膜9が形成されてい
る。
【0038】その製法は、まず、シリコン基板2の表面
にLPCVD(低圧CVD)法により、厚み1000Å
の窒化シリコン、厚み8000Åの酸化シリコン、厚み
1000Åの窒化シリコンの3層からなる熱絶縁膜3を
形成した。そして、この熱絶縁膜3の上に、電子ビーム
蒸着法で厚み1000Åのクロム膜を基板温度150℃
で成膜し、フォトリソグラフィ法でパターン化し、下部
電極6を形成した。
【0039】次に、グロー放電分解法により、厚み10
00Åの酸化シリコンからなる下地保護膜4を形成し、
フォトリソグラフィ法でパターン化した。下地保護膜4
の形成の成膜条件は、700%モルの亜酸化窒素(N2
O)を加えたモノシランを用い、基板温度250℃、圧
力1Torr、放電電力30W、周波数13.56MHzとし
た。
【0040】続いて、グロー放電分解法により、厚み3
00Åのp型アモルファスシリコン(a−Si)、厚み
1000Åのp型アモルファスシリコンカーバイド(a
−SiC)、厚み300Åのp型アモルファスシリコン
(a−Si)の3層からなる薄膜を成膜し、フォトリソ
グラフィ法でパターン化(1mm×1mmの正方形)し、薄
膜抵抗体5を形成した。a−Siの成膜条件は、0.2
5%のジボランを加えたモノシランを用い、基板温度1
80℃、圧力0.9Torr、放電電力20W、周波数1
3.56MHzとした。また、a−SiCの成膜条件は、
400%モルのメタン、0.25%のジボランを加えた
モノシランを用い、基板温度180℃、圧力0.9Tor
r、放電電力20W、周波数13.56MHzとした。な
お、a−Si、a−SiCのエッチングの際には、イオ
ンビームスパッタエッチング法により行った。エッチン
グ条件としては、導入ガス:Arガス、圧力:4×10
-4Torrとした。
【0041】a−Si及びa−SiCをエッチングした
後、下地保護膜4をエッチングにより取り除いた。
【0042】次いで、薄膜抵抗体5の上に電子ビーム蒸
着法で厚み1000Åのクロム膜を基板温度150℃で
成膜し、フォトリソグラフィ法でパターン化し、上部電
極7を形成した。上部電極7を形成した後、グロー放電
分解法により、厚み10000Åの酸化シリコン薄膜を
成膜し、フォトリソグラフィ法でパターン化し、保護膜
9を形成した。
【0043】この後、電子ビーム蒸着法で厚み1000
Åのアルミニウム膜を基板温度150℃で成膜し、フォ
トリソグラフィ法でパターン化し、パッド10を形成
し、最後に、赤外線検出部8搭載側とは反対側から
コン基板2を、水酸化カリウム溶液を使う異方性エッチ
ングにより彫り込みダイヤフラム構造とし、中空部(熱
分離空間)1を形成した。なお、エッチングされずに残
った熱絶縁膜3のサイズは1.4mm×1.4mm角であ
る。
【0044】(比較例)図10は比較例に係る赤外線検
出素子の要部構成を示す断面図である。この赤外線検出
素子は、赤外線検出部8がシリコン基板2表面の熱絶縁
膜3の上に形成されており、熱絶縁膜3は電気的絶縁性
も有する。そして、シリコン基板2における赤外線検出
部8の裏側には、この赤外線検出部8を基板2から熱的
に分離する中空部(熱分離空間)1が形成されている。
【0045】赤外線検出部8では、熱を受けて抵抗が変
化する薄膜抵抗体5の下に下部電極6が配されるととも
に、薄膜抵抗体5の上に上部電極7が配され、上部電極
7の上に赤外線吸収膜も兼ねる保護膜9が形成されてい
る。
【0046】その製法は、まず、シリコン基板2の表面
にLPCVD(低圧CVD)法により、厚み1000Å
の窒化シリコン、厚み8000Åの酸化シリコン、厚み
1000Åの窒化シリコンの3層からなる熱絶縁膜3を
形成した。そして、この熱絶縁膜3の上に、電子ビーム
蒸着法で厚み1000Åのクロム膜を基板温度150℃
で成膜し、フォトリソグラフィ法でパターン化し、下部
電極6を形成した。
【0047】続いて、グロー放電分解法により、厚み3
00Åのp型アモルファスシリコン(a−Si)、厚み
1000Åのp型アモルファスシリコンカーバイド(a
−SiC)、厚み300Åのp型アモルファスシリコン
(a−Si)の3層からなる薄膜を成膜し、フォトリソ
グラフィ法でパターン化(1mm×1mmの正方形)し、薄
膜抵抗体5を形成した。a−Siの成膜条件は、0.2
5%のジボランを加えたモノシランを用い、基板温度1
80℃、圧力0.9Torr、放電電力20W、周波数1
3.56MHzとした。また、a−SiCの成膜条件は、
400%モルのメタン、0.25%のジボランを加えた
モノシランを用い、基板温度180℃、圧力0.9Tor
r、放電電力20W、周波数13.56MHzとした。な
お、a−Si、a−SiCのエッチングの際には、イオ
ンビームスパッタエッチング法により行った。エッチン
グ条件としては、導入ガス:Arガス、圧力:4×10
-4Torrとした。
【0048】次いで、薄膜抵抗体5の上に電子ビーム蒸
着法で厚み1000Åのクロム膜を基板温度150℃で
成膜し、フォトリソグラフィ法でパターン化し、上部電
極7を形成した。上部電極7を形成した後、グロー放電
分解法により、厚み1000Åの酸化シリコン薄膜を成
膜し、フォトリソグラフィ法でパターン化し、保護膜9
を形成した。
【0049】この後、電子ビーム蒸着法で厚み1000
Åのアルミニウム膜を基板温度150℃で成膜し、フォ
トリソグラフィ法でパターン化し、パッド10を形成
し、最後に、赤外線検出部8搭載側とは反対側からリコ
ン基板2を、水酸化カリウム溶液を使う異方性エッチン
グにより彫り込みダイヤフラム構造とし、中空部(熱分
離空間)1を形成した。なお、エッチングされずに残っ
た熱絶縁膜3のサイズは1.4mm×1.4mm角である。
【0050】
【発明の効果】本発明は上記のように、熱絶縁膜が下地
保護膜により覆われているため、半導体薄膜をエッチン
グする際、オーバーエッチングしても熱絶縁膜がエッチ
ングされることがない。熱絶縁膜がエッチングされてい
ないので、熱的に分離する中空部を形成したとき、熱絶
縁膜の機械的強度が低下することがない。従って、従来
のように熱絶縁膜が破壊するというようなこともなくな
り、製造上の歩留りの良く、製造後の信頼性の高い半導
体装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体装置の要部構成例を示す断
面図である。
【図2】本発明に係る半導体装置の異なる要部構成例を
示す断面図である。
【図3】図1に示す半導体装置の一例を示す断面図であ
る。
【図4】図2に示す半導体装置の一例を示す断面図であ
る。
【図5】図1に示す半導体装置の効果を説明するための
断面図である。
【図6】図2に示す半導体装置の効果を説明するための
断面図である。
【図7】図2に示す半導体装置の効果を説明するための
断面図である。
【図8】実施例1に係る赤外線検出素子の要部構成を示
す断面図である。
【図9】実施例2に係る赤外線検出素子の要部構成を示
す断面図である。
【図10】比較例に係る赤外線検出素子の要部構成を示
す断面図である。
【図11】従来例に係る赤外線検出素子の要部構成を示
す断面図である。
【図12】従来例に係る赤外線検出素子の要部構成を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1 中空部(熱分離空間) 2 基板 3 熱絶縁膜 4 下地保護膜 5 半導体薄膜 6 導電性薄膜(下部電極) 7 導電性薄膜(上部電極) 8 赤外線検出部 9 保護膜 10 パッド
フロントページの続き (72)発明者 相澤 浩一 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−356979(JP,A) 特開 平5−90646(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 37/00 G01J 1/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空部を有する基板と、この中空部を覆
    って周辺が基板に支持された熱絶縁膜とを備え、この熱
    絶縁膜の上に所定パターンの、前記熱絶縁膜がオーバー
    エッチングによりエッチングされるのを防ぐ、プラズマ
    CVDで形成された低応力の下地保護膜が形成されてい
    るとともに、半導体素子用の所定パターンの半導体薄膜
    が前記下地保護膜の表面領域内に形成されている半導体
    装置。
  2. 【請求項2】 前記熱絶縁膜の上に所定パターンの導電
    性薄膜が形成されるとともに、この導電性薄膜を覆って
    前記下地保護膜が形成されている請求項1記載の半導体
    装置。
  3. 【請求項3】 前記導電性薄膜が前記半導体素子の下部
    電極である請求項2記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記半導体薄膜が温度変化に伴い抵抗値
    が変化する感温抵抗体であって前記半導体素子がサーミ
    スタであるとともに、半導体薄膜が前記中空部の上方位
    置に形成されている請求項1〜3のいずれかに記載の半
    導体装置。
  5. 【請求項5】 前記半導体薄膜上には赤外線吸収膜も形
    成されていて、この赤外線吸収膜の赤外線吸収に伴って
    発生する熱を受けて前記感温抵抗体が温度変化するよう
    に構成された請求項4記載の半導体装置。
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