JP2665116B2 - 半導体薄膜サーミスタ - Google Patents

半導体薄膜サーミスタ

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JP2665116B2
JP2665116B2 JP4255088A JP25508892A JP2665116B2 JP 2665116 B2 JP2665116 B2 JP 2665116B2 JP 4255088 A JP4255088 A JP 4255088A JP 25508892 A JP25508892 A JP 25508892A JP 2665116 B2 JP2665116 B2 JP 2665116B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体薄膜を用いた
サーミスタに関する。
【0002】
【従来の技術】温度や温度変化を測るためにサーミスタ
が従来から良く使われている。従来のサーミスタとして
は、金属(例えばPt)製や半導体薄膜製など温度変化
に伴い抵抗値の変わるものが用いられている。これらの
サーミスタでは、熱応答性を向上させるために小型化・
薄膜化が進められている。Ptや半導体は小型化・薄膜
化適性がある材料である。この半導体としては、アモル
ファスシリコン(以下、適宜「a−Si」と言う)、ア
モルファスシリコン合金(以下、適宜「a−Si合金」
と言う)がある。a−Si合金には、例えば、アモルフ
ァスシリコンカーバイド(a−SiC)、アモルファス
シリコンスズ(a−SiSn)、アモルファス窒化シリ
コン(a−SiN)などが挙げられる。
【0003】そして、a−Si薄膜を用いた半導体薄膜
サーミスタが特開昭58−170001号公報で提案さ
れている。この公報に開示されている半導体薄膜サーミ
スタは、 低温で形成できるから、半導体薄膜中に歪みやクラ
ックが発生しにくい、 温度による抵抗変化率、導電率が共に大きい高感度
な感温装置を構成できる 等の利点を有する。
【0004】しかしながら、昨今、温度による抵抗変化
率が非常に大きなサーミスタが求められており、このよ
うな要求を満たすためには5%/°C(サーミスタ定
数、いわゆる、B定数が5000)以上の抵抗変化率を
もつサーミスタの実現が必要であると考えられる。な
お、絶対温度Tと比抵抗の関係は、下記の式(1)であ
らわされる。
【0005】 R(T)=R0 exp(B/T)・・・(1) (但し:T0 は基準温度、R0 は基準温度T0 での比抵
抗) 上の式(1)からB定数が大きいほど温度変化に対する
比抵抗変化(抵抗変化率)が大きく、サーミスタとして
適切であることが分かる。ところが、上記公報記載のa
−Si薄膜を用いたサーミスタでは、このような高い抵
抗変化率を実現することは容易ではない。また、抵抗変
化率を容易にかつ広範囲に制御することも困難である。
【0006】この点を解決するものとして、特開昭61
−30730号(特願昭59−153586号)公報の
光センサには、a−SiCからなる半導体薄膜を用いた
サーミスタが開示されている。上記a−Si半導体薄膜
がSiなる単一元素に必要に応じドーピングしてなるも
のであるのに対し、このa−SiC半導体薄膜は、Si
Cなる合金に必要に応じドーピングしてなるものであ
り、高い抵抗変化率を実現できる。
【0007】しかし、このアモルファス合金半導体薄膜
は、前記アモルファス単一元素半導体薄膜の場合に比べ
て、金属電極との間に良好なオーミック特性を得るのが
難しく、また、金属電極との機械的な密着も十分ではな
い。すなわち、抵抗体としてアモルファス合金半導体薄
膜を用いたサーミスタは、半導体薄膜と金属電極との間
のコンタクト性に問題があった。
【0008】そこで、発明者らは、検討の結果、アモル
ファス合金半導体薄膜が高い抵抗変化率を維持できると
もに、金属電極との間に良好なコンタクト性を持つ半導
体薄膜サーミスタとして、半導体薄膜が、前記一対の金
属電極と非接触に配置されたアモルファス合金半導体薄
膜と、このアモルファス合金半導体薄膜と前記一対の金
属電極の間に配置された単一元素半導体薄膜とからなる
ものを案出した。
【0009】図11〜16は、発明者らが案出した半導
体薄膜サーミスタの構成例をあらわすものである。図1
1および図12の半導体薄膜サーミスタは、絶縁基板7
4の表面に設けられたa−Si合金薄膜(アモルファス
合金半導体薄膜)71およびドープドa−Si薄膜(単
一元素半導体薄膜)76,79で半導体薄膜が構成され
ており、一対の電極72,73が共に半導体薄膜の表面
側で接触するように設けられている。75は絶縁保護膜
であり、77,78はボンディングパッドである。
【0010】図13および図14の半導体薄膜サーミス
タは、一対の電極72,73が共に半導体薄膜の裏面側
で接触するように設けられている他は、上のものと同じ
構成である。図15および図16の半導体薄膜サーミス
タは、一対の電極72,73が半導体薄膜の表面と裏面
に別れて接触するサンドイッチ電極タイプである他は、
上のものと同じ構成である。
【0011】そして、最後の図15,16に示す一対の
電極72,73が半導体薄膜の表面と裏面に別れて接触
するサンドイッチ電極タイプの半導体薄膜サーミスタ
は、使い易い範囲の低抵抗値のものが得やすくてS/N
比もよいという特徴がある。ただ、そのかわり、電極7
2,73間でリークが起こるという問題がある。図17
にみるように、電極72,73のうち半導体薄膜の表面
に設けられた電極73が半導体薄膜の側面に沿い絶縁基
板74の表面に向かって伸びているのであるが、絶縁基
板74の表面の所で電極72,73が半導体を間にして
近接するからである。特にドープドa−Si薄膜76が
ある場合、リークの程度が大きい。
【0012】ドープドa−Siはa−Si合金に比べて
B定数が小さく、導電率が大きい。例えば、a−Siと
a−SiCの場合、不純物濃度が同じでもカーボン量に
よってはa−SiCの方がa−Siに比べ1/10-5
1/10-2程度の導電率(2桁〜5桁程度低い導電率)
である。そのため、電極72,73間は、図18にみる
ように、a−Si合金抵抗(本来の電極間抵抗)R1に
ドープドa−Siでのリーク抵抗R2が並列に接続され
た形となる。その結果、電極72,73でB定数を測定
すると、リーク抵抗R2のB定数は無視できず、本来達
成されるはずのB定数よりもずっと小さい値を示す。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、前記の事
情に鑑み、半導体薄膜の表面と裏面に電極が別れて接触
するサンドイッチ電極タイプの利点を維持しつつ、電極
間のリークに起因するB定数の低下を回避することの出
来る半導体薄膜サーミスタを提供することを課題とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる半導体
薄膜サーミスタは、上記事情に鑑み、温度の変化によっ
て抵抗値が変化し表裏面にそれぞれ電極を備えてなる半
導体薄膜が基板上に設けられてなり、前記半導体薄膜の
表面に設けられた電極が半導体薄膜の側面に沿い基板の
表面に向かって伸びている構成において、前記半導体薄
膜の側面と電極の間には絶縁膜が設けられていることを
特徴とする。
【0015】この発明の半導体薄膜サーミスタ(以下、
「サーミスタ」と略す)の半導体薄膜が、非晶質(アモ
ルファス)合金半導体層の上下面に単一元素半導体層が
積層されてなり、電極が単一元素半導体層で接している
構成が適当である。非晶質合金半導体層としては、例え
ば、アモルファスシリコンカーバイド(a−SiC)が
適当であり、この他、アモルファスシリコンスズ(a−
SiSn)、アモルファス窒化シリコン(a−SiN)
などが挙げられる。非晶質合金半導体層は不純物がドー
プされているのがよいが、不純物がドープされてるもの
に限らない。一方、単一元素半導体層とては、a−S
i、特にドープドa−Siが適当である。単一半導体層
はアモルファスに限らず、結晶層、あるいはと、多結晶
層であってもよい。
【0016】一方、半導体薄膜の側面と電極の間に設け
られる絶縁膜としては、プラズマCVDやマグネトロン
スパッタリング法により成膜したシリコン酸化膜やシリ
コン窒化膜などが挙げられる。プラズマCVDやマグネ
トロンスパッタリング法により成膜したものでも、特に
低温で成膜したものが適当である。以下、この発明を図
面を参照しながら具体的に説明する。
【0017】図1は、この発明のサーミスタの構成例を
あらわす。図1のサーミスタ1は、絶縁基板2の上に下
電極3、半導体薄膜4、上電極5が順に積層形成されて
おり、半導体薄膜2の表面と裏面にそれぞれ電極が設け
られているサンドイッチ電極タイプのものである。半導
体薄膜4の側面は両方とも絶縁膜6で覆われており、上
電極5は半導体薄膜4の右側面を覆う絶縁膜6の上を絶
縁基板2の表面に向かって降りている。
【0018】半導体薄膜4は、a−Si合金半導体層1
1の上下面にドープドa−Si層が積層されてなり、上
下電極3,5がa−Si層12,13で接している。図
2は、この発明のサーミスタの他の構成例をあらわす。
サーミスタ1は、半導体薄膜4の側面を覆う絶縁膜6が
保護膜を兼ねている。下電極3が絶縁膜6で覆われ保護
されているのである。下電極3の取り出しは絶縁膜5を
介してコンタクトするパッド8でなされる。
【0019】このように、絶縁膜6で電極の保護を行う
場合、上下電極3,5を同じ材料で形成できる。上電極
5のエッチング時に下電極3が損傷しないからである。
上下電極3,5が同じ材料で出来ている場合、I−V特
性が正負側に対して点対称となるという利点がある。な
お、上記のサーミスタ1の場合、a−Si合金半導体層
11やa−Si層12,13は単一層構成でなく複数層
構成であってもよい。
【0020】絶縁基板2には、基板全体が絶縁材料から
なる基板以外に、基板表面が絶縁層で基板内部が半導体
ないし導電体からな基板がある。この発明の半導体薄膜
サーミスタは、通常のサーミスタとして利用される他
に、例えば、赤外線検出素子に用いることが出来る。図
9にみるように、赤外線検出部Dが絶縁基板2の上に設
けられている赤外線検出素子の赤外線検出部Dに使うの
である。赤外線検出部Dには、半導体薄膜4の表面と裏
面にそれぞれ下電極3、上電極5がそれぞれ設けられて
おり、半導体薄膜4の側面と上電極5の間には絶縁膜6
が介在する半導体薄膜サーミスタが使われているのであ
る。
【0021】また、半導体薄膜4は、a−Si合金半導
体層11の上下面にドープドa−Si層が積層されてな
り、上下電極3,5がa−Si層12,13で接してい
る。上電極5の上には赤外線吸収膜Mが設けられてい
て、入射する赤外線を吸収する赤外線吸収膜Mにおける
前記吸収に伴って生じた熱を受けてサーミスタの抵抗値
が変化することを利用して赤外線を検出するようになっ
ている。
【0022】絶縁基板2は半導体基板であってシリコン
層2aの表面に酸化シリコンや窒化シリコンなどの絶縁
層2bが積層されてなる構成である。また、赤外線検出
部Dには、赤外線のみを透過する赤外線フィルターFが
被せられている。一方、絶縁基板2における赤外線検出
部Dの裏側にはこの赤外線検出部Dを絶縁基板2から熱
的に分離する熱分離空間Sが設けられている。絶縁基板
2である半導体基板をエッチング等により堀り込み、熱
分離空間Sを形成するのである。この熱分離空間Sがあ
ると赤外線検出感度が良好なものとなる。
【0023】
【作用】この発明のサーミスタでは、半導体薄膜の側面
では電極との間に絶縁膜が介在しているため、電極間の
リークが抑えられるようになる。そのため、半導体薄膜
自体が本来もつB定数の備わったものとなる。そして、
半導体薄膜の表裏面の電極構成に基本的に変更がないた
め、サンドイッチ電極タイプとしての利点が損なわれず
維持される。
【0024】半導体薄膜が、非晶質合金半導体層の場合
は十分なB定数の確保が容易であり、非晶質合金半導体
層の上下面に単一元素半導体層が積層されてなり、電極
が単一元素半導体層で接している場合、電極と半導体薄
膜の接触がオーミック性となる。単一元素半導体層の不
純物濃度(ドープ量)を高めれば、トンネル効果によ
り、電極と半導体薄膜の接触のオーミック性がさらに良
くなる。電極と半導体薄膜の機械的な密着もよくなる。
単一元素半導体層の不純物濃度(ドープ量)を高まれば
単一元素半導体層の導電率は高くなるが、絶縁膜がある
ため電極間のリークが増大する事態となる心配は勿論な
い。
【0025】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。勿論、
この発明は、以下の実施例に限らない。 −実施例1− 図3は実施例1のサーミスタ1の要部構成を上方よりみ
た状態をあらわし、図4は実施例1のサーミスタ1を断
面してあらわす。なお、図3では、後述の保護膜7は省
略してある。
【0026】実施例1のサーミスタ1では、半導体薄膜
4の表面と裏面に分かれて電極3,5が接触する構成を
とっている。半導体薄膜4自体はp型a−SiC層11
の上下にp型a−Si層12,13があるものである。
絶縁基板2はSiウエハの表面に熱酸化により絶縁酸化
膜を設けたものである。また、半導体薄膜4の側面は酸
化シリコンからなる絶縁膜6で覆われていて、その上を
上電極5が通っている。上電極5の上および絶縁膜6の
上には保護膜7が設けられている。また、上下電極3,
5では基板側部分の上に、図4にみるように、パッド
8,9が設けられている。
【0027】続いて、実施例1のサーミスタの製造につ
いて説明する。まず、絶縁基板2として、Siウエハの
表面を熱酸化して絶縁酸化膜を設けたものを準備する。
そして、この絶縁基板2の表面に電子ビーム蒸着法によ
りクロム薄膜を形成し、微細加工でパターン化し下電極
3を形成した。ついで、グロー放電分解法により、厚み
300Åのp型a−Si層12、厚み10000Åのp
型a−SiC層11、厚み300Åのp型a−Si層1
3を連続積層形成し、微細加工によりパターン化した。
p型a−Si層の形成の際の条件は、0.25モル%の
ジボランを加えた水素希釈モノシランを用い、基板温度
240℃、圧力0.9Torr、放電電力20W、周波数1
3.56MHzとした。p型a−SiC層の形成の際の条
件は、900モル%のメタン、0.25モル%のジボラ
ンを加えた水素希釈のモノシランを用い、基板温度24
0℃、圧力0.9Torr、放電電力20W、周波数13.
56MHzとした。
【0028】続いて、酸化シリコンからなる絶縁膜6を
形成した。絶縁膜6の形成の際の条件は、700モル%
の亜酸化窒素(N2 O)を加えたモノシランを用い、基
板温度250℃、圧力1Torr、放電電力30W、周波数
13.56MHzとした。その後、電子ビーム蒸着法によ
りクロム薄膜を形成し、微細加工でパターン化し上電極
5を形成してから、酸化シリコンからなる保護膜7を積
層形成するとともに電子ビーム蒸着によるアルミニウム
薄膜をパターン化したパッド8,9を形成しサーミスタ
1を得た。
【0029】なお、パッド8,9用の穴は絶縁膜6と保
護膜8に対し同時に開けるようにした。得られたサーミ
スタ1は面積1mm×1mmでB定数6400,抵抗値
6.25MΩであった。 −実施例2− 図5は実施例2のサーミスタ1の要部構成を上方よりみ
た状態をあらわし、図6は実施例2のサーミスタ1を断
面してあらわす。なお、図5では、後述の保護膜6は省
略してある。
【0030】実施例2のサーミスタ1でも、半導体薄膜
4の表面と裏面に分かれて電極3,5が接触する構成を
とっている。半導体薄膜4自体はp型a−SiC層11
の上下にp型a−Si層12,13があるものである。
絶縁基板2はSiウエハの表面に熱酸化により絶縁酸化
膜を設けたものである。また、半導体薄膜4の側面は酸
化シリコンからなる絶縁膜6で覆われている。この絶縁
膜6は下電極3など他の部分への保護膜を兼ねている。
また、下電極3では基板側部分の上に、図6にみるよう
に、パッド8が設けられている。上電極5では基板側部
分がパッドを兼ねている。
【0031】続いて、実施例2のサーミスタの製造につ
いて説明する。まず、絶縁基板2として、Siウエハの
表面を熱酸化して絶縁酸化膜を設けたものを準備する。
そして、この絶縁基板2の表面に電子ビーム蒸着法によ
りクロム薄膜を形成し、微細加工でパターン化し下電極
3を形成した。ついで、グロー放電分解法により、厚み
300Åのp型a−Si層12、厚み5000Åのp型
a−SiC層11、厚み300Åのp型a−Si層13
を連続積層形成し、微細加工によりパターン化した。p
型a−Si層の形成の際の条件は、0.25モル%のジ
ボランを加えた水素希釈モノシランを用い、基板温度1
80℃、圧力0.9Torr、放電電力20W、周波数1
3.56MHzとした。p型a−SiC層の形成の際の条
件は、900モル%のメタン、0.25モル%のジボラ
ンを加えた水素希釈のモノシランを用い、基板温度18
0℃、圧力0.9Torr、放電電力20W、周波数13.
56MHzとした。
【0032】続いて、酸化シリコンからなる絶縁膜6を
形成しパターン化した。絶縁膜6の形成の際の条件は、
700モル%の亜酸化窒素(N2 O)を加えたモノシラ
ンを用い、基板温度250℃、圧力1Torr、放電電力3
0W、周波数13.56MHzとした。その後、電子ビー
ム蒸着法によりアルミニウム薄膜を形成し、微細加工で
パターン化し上電極5を形成してから、パッド9を形成
しサーミスタ1を得た。
【0033】得られたサーミスタ1は、B定数680
0,抵抗値25MΩであった。 −比較例1− 図7は比較例1のサーミスタ40の要部構成を上方より
みた状態をあらわし、図8は比較例1のサーミスタ40
を断面してあらわす。なお、図7では、後述の保護膜7
は省略してある。
【0034】比較例1のサーミスタ40では、半導体薄
膜4の表面と裏面に分かれて電極3,5が接触する構成
をとっている。半導体薄膜4自体はp型a−SiC層1
1の上下にp型a−Si層12,13があるものであ
る。絶縁基板2はSiウエハの表面に熱酸化により絶縁
酸化膜を設けたものである。上電極5の上には保護膜7
が設けられている。また、上下電極3,5では基板側部
分の上に、図8にみるように、パッド8,9が設けられ
ている。
【0035】続いて、比較例1のサーミスタ40の製造
について説明する。まず、絶縁基板2として、Siウエ
ハの表面を熱酸化して絶縁酸化膜を設けたものを準備す
る。そして、この絶縁基板2の表面に電子ビーム蒸着法
によりクロム薄膜を形成し、微細加工でパターン化し下
電極3を形成した。ついで、グロー放電分解法により、
厚み300Åのp型a−Si層12、厚み10000Å
のp型a−SiC層11、厚み300Åのp型a−Si
層13を連続積層形成し、微細加工によりパターン化し
た。p型a−Si層の形成の際の条件は、0.25モル
%のジボランを加えた水素希釈モノシランを用い、基板
温度240℃、圧力0.9Torr、放電電力20W、周波
数13.56MHzとした。p型a−SiC層の形成の際
の条件は、400モル%のメタン、0.25モル%のジ
ボランを加えた水素希釈のモノシランを用い、基板温度
240℃、圧力0.9Torr、放電電力20W、周波数1
3.56MHzとした。
【0036】続いて、電子ビーム蒸着法によりアルミニ
ウム薄膜を形成し、微細加工でパターン化し上電極5を
形成してから、酸化シリコンからなる保護膜7を積層形
成するとともに電子ビーム蒸着によるアルミニウム薄膜
をパターン化したパッド8,9を形成し比較例1のサー
ミスタ40を得た。なお、得られたサーミスタ40は面
積1mm×1mmでB定数2800,抵抗値1.25M
Ωであった。
【0037】実施例1と比較例1のサーミスタ1の温度
特性を図10に示す。実施例1の場合、比較例1より抵
抗率変化が大きく、半導体薄膜4の側面を絶縁膜6で覆
えば、B定数の低下が回避できることがよく分かる。
【0038】
【発明の効果】以上に述べたように、この発明のサーミ
スタでは、半導体薄膜の表面と裏面の電極間のリークが
抑えられるため、半導体薄膜自体が本来もつB定数が備
わり、しかも、サンドイッチ電極構成に変更が出るわけ
でもないため、サンドイッチ電極タイプの利点が維持さ
れる。
【0039】半導体薄膜の非晶質合金半導体層はB定数
が高いため、B定数の高いサーミスタとなり、電極が単
一元素半導体層で接している場合、電極と半導体薄膜の
接触が良好なオーミック性を示すようになり、適切な電
流−電圧特性のサーミスタとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のサーミスタの要部構成例をあらわす
断面図である。
【図2】この発明のサーミスタの他の要部構成例をあら
わす断面図である。
【図3】実施例1のサーミスタの要部構成をあらわす平
面図である。
【図4】実施例1のサーミスタの要部構成をあらわす断
面図である。
【図5】実施例2のサーミスタの要部構成をあらわす平
面図である。
【図6】実施例2のサーミスタの要部構成をあらわす断
面図である。
【図7】比較例1のサーミスタの要部構成をあらわす平
面図である。
【図8】比較例1のサーミスタの要部構成をあらわす断
面図である。
【図9】この発明のサーミスタを用いた赤外線検出素子
の要部構成をあらわす断面図である。
【図10】実施例1と比較例1のサーミスタの温度と導電
率の関係をあらわすグラフである。
【図11】従来のサーミスタの要部構成例をあらわす平面
図である。
【図12】従来のサーミスタの要部構成例をあらわす断面
図である。
【図13】従来のサーミスタの他の要部構成例をあらわす
平面図である。
【図14】従来のサーミスタの他の要部構成例をあらわす
断面図である。
【図15】従来のサーミスタの他の要部構成例をあらわす
平面図である。
【図16】従来のサーミスタの他の要部構成例をあらわす
断面図である。
【図17】従来のサーミスタの要部構成例をあらわす概略
断面図である。
【図18】図17のサーミスタの等価回路図である。
【符号の説明】
1 サーミスタ 2 絶縁基板 3 電極 4 半導体薄膜 5 電極 6 絶縁膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相澤 浩一 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−30730(JP,A) 特開 昭62−245602(JP,A) 特開 平4−206604(JP,A) 特開 昭57−12505(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度の変化によって抵抗値が変化し表裏
    面にそれぞれ電極を備えてなる半導体薄膜が基板上に設
    けられてなり、前記半導体薄膜の表面に設けられた電極
    が半導体薄膜の側面に沿い基板の表面に向かって伸びて
    いる半導体薄膜サーミスにおいて、前記半導体薄膜の側
    面と電極の間には絶縁膜が設けられていることを特徴と
    する半導体薄膜サーミスタ。
  2. 【請求項2】 半導体薄膜が、非晶質合金半導体層の上
    下面に単一元素半導体層が積層されてなり、電極が単一
    元素半導体層で接している請求項1記載の半導体薄膜サ
    ーミスタ。
  3. 【請求項3】 非晶質合金半導体層がシリコンカーバイ
    ド層であり、単一元素半導体層がドープド非晶質シリコ
    ン層である請求項2記載の半導体薄膜サーミスタ。
  4. 【請求項4】 絶縁膜がシリコン酸化膜である請求項1
    から3までのいずれかに記載の半導体薄膜サーミスタ。
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