JP5007615B2 - 熱電装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ペルチェ冷却素子、あるいはゼーベック発電素子として用いられる熱電材を含む熱電装置の製造方法に関する。
熱電材を用いた熱電装置は、絶縁性の1対の基板と、その1対の基板に挟み込まれるように設けられた複数のp型の熱電素子及びn型の熱電素子とを備えている(例えば、特許文献1参照。)。これら複数の熱電素子(熱電エレメント)は、1対の基板の対向するそれぞれの内面に形成された電極により直列に接続されている。熱電材に電流が印加されることにより、その電流の向きに応じて一方の基板が吸熱側になり、他方の基板が放熱側になる。
特許文献1に記載された熱電装置は、熱電材を微細化して変換効率を向上させるために、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術により製造される。例えば、特許文献2の図2に示すようにMEMSによりシリコンの型が形成され、図3(a)に示すように、シリコンの型に熱電材が充填される。図3(b)〜(d)に示すように、熱電材が充填された後、処理対象物が焼結等されることにより熱電材が固まり、シリコンの型が研磨により除去され、電極が形成された基板が処理対象物の両側に接合される。図3(c)の状態から、例えばXeF2によりエッチングされることでシリコンの型が除去される。これにより、図3(d)のように熱電装置が完成する。この方法は、シリコンモールディング法と呼ばれる。
特開2003−174202号公報(段落[0027]、[0048]、図2、図3)
シリコンモールディング法では、プラズマエッチングによりシリコンの型が除去されるため、例えばその型を多量に除去しなければならない場合、対象物の形状によっては熱電材がエッチングに耐えられないという問題がある。また、熱電材に接続された電極もエッチングガスと反応するおそれもある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、熱電材または電極に損傷を受けない熱電装置の製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、p型の熱電材が搭載された基板とn型の熱電材が搭載された基板が接合されるときに高精度に位置合わせすることができる熱電装置の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る熱電装置の製造方法は、型材により成型された熱電材の前記型材から露出する第1の側に第1の電極を形成し、基板上に第2の電極を形成し、前記第2の電極の第1の領域に第1の保護膜を形成し、前記第2の電極の、前記第1の領域とは異なる第2の領域に前記第1の電極を接合することで、前記型材と前記基板とを対向させ、前記熱電材の前記第1の側とは反対側の、前記型材から露出する第2の側に第3の電極を形成し、前記第3の電極上に第2の保護膜を形成し、フォトリソグラフィ及びエッチングにより前記第1の保護膜上の前記型材を除去し、前記第1の保護膜及び前記第2の保護膜を除去する。
本発明による製造工程により、一方の側の基板、つまり一方の種類(p型及びn型のうちいずれか一方)の熱電材を搭載した基板が製造される。他方の熱電材を搭載した基板についても同様に本発明による製造方法で製造される。製造された2種の熱電材が交互に配置されるように2つの基板を対向させてこれらが貼り合わされることで熱電装置が製造される。
以下、一方の種類の熱電材を搭載した基板を含む部材を第1の対象物といい、他方の種類の熱電材を搭載した基板を含む部材を第2の対象物という。
本発明では、第1の保護膜上の型材がフォトリソグラフィ及び反応性イオンエッチングにより除去される場合に、エッチング時に第1の保護膜により第2の電極が保護される。エッチング時において、第1の電極はフォトリソグラフィ工程によるレジスト(あるいはそのレジストと第3の電極の間にある第2の保護膜)によって保護される。
第1、第2及び第3の電極のうち少なくとも2つは、同じ材料でなる電極であってもよいし、異なる材料でなる電極であってもよい。
例えば、本発明において、前記型材を除去するステップでは、前記エッチングとして反応性イオンエッチングが用いられる。
本発明において、前記第1の保護膜上の前記型材を除去する前記ステップでは、前記熱電材の前記第2の側の面積より大きい面積で、前記フォトリソグラフィによるフォトレジストが前記第3の電極を覆うように、前記フォトレジストのパターンを形成し、前記熱電装置の製造方法は、前記第1の保護膜上の前記型材を除去する前記ステップの後、前記フォトレジストのパターンにより前記熱電材の前記第1の側及び前記第2の側の両方とは異なる部位の周囲に残る前記型材の第1の残余部を除去するステップをさらに具備する。これにより、反応性イオンエッチングにより第1の保護膜上の型材が除去されるときに、熱電材の、第1の側及び第2の側の両方とは異なる部位に型材が残る。つまり、このように型材が残るように反応性イオンエッチングにより第1の保護膜上の型材が除去されることにより、その反応性イオンエッチングのイオンから熱電材を保護することができる。
型材の第1の残余部は、ドライエッチングにより除去されればよいが、他の方法で除去されてもよい。
本発明において、前記第1の保護膜及び前記第2の保護膜を除去した後、前記第1の残余部を除去する。本発明では、型材の第1の残余部は比較的少量であり、例えばドライエッチングにより比較的短時間で除去される。この場合、短時間のエッチングであるので、第1及び第2の保護膜がなくても、第1、第2または第3の電極に悪影響を及ぼさない。
本発明において、前記第1の保護膜及び前記第2の保護膜を除去する前に、前記第1の残余部を除去する。これにより、第1及び第2の保護膜により第1、第2または第3の電極を保護することができる。しかし、上述したように、比較的短時間のエッチングであれば問題ない。
本発明において、熱電装置の製造方法は、前記基板上に位置合わせのためのポストを形成するステップをさらに具備する。これにより、第1の対象物と第2の対象物との貼り合わせ時に位置合わせを高精度に行うことができる。例えば第1の対象物に突起状のポストが形成される場合、第2の対象物がその突起状のポストに嵌合する凹状のポストが形成されていればよい。その突起状のポストまたは凹状のポストは複数形成されてもよい。
本発明において、前記ポストを形成する前記ステップでは、前記フォトレジストのパターンの形成によって、前記第1の残余部の厚さより厚く形成された前記型材の第2の残余部を用いて前記ポストを形成する。第1の残余部より第2の残余部が厚く形成されるのは、第2の残余部を用いたポストの形成のために、第1の残余部が除去されるときに第2の残余部が全て除去されないようにするためである。
本発明において、前記第1の保護膜及び前記第2の保護膜のうち少なくとも一方はアルミニウムである。
以上のように、本発明によれば、熱電材または電極が損傷を受けることを防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る熱電装置10を示す斜視図である。図2は、その断面図である。
熱電装置10は、対向する1対の基板5a、5bと、これらの基板5a、5bの間で交互に並ぶように2次元的に配置された複数のp型熱電材(熱電エレメント)3p及び複数のn型熱電材3nでなる熱電材アレイと、これらp型熱電材3p及びn型熱電材3nを接続する複数の電極4とを備えている。以下、基板5a、5bのうち一方を基板5という場合もある。
電極4は基板5のそれぞれの内面5cに形成されており、複数のp型熱電材3p及びn型熱電材3nを交互に直列に接続している。複数のp型熱電材3p及びn型熱電材3nの配置は、複数のp型熱電材3p及びn型熱電材3nが直列に接続されていればどのような配置であってよい。p型、n型熱電材3p、3nの数も限定されない。基板5aが吸熱側になるとき、基板5bは放熱側となり、基板5aが放熱側になるとき、基板5bは吸熱側となる。このような熱の流れは電流が流れる方向に応じて変わる。以下、p型熱電材3p、n型の熱電材3nのうち一方を熱電材3という場合もある。
基板5としては、酸化膜が表面に形成された半導体、ガラス、セラミック等が用いられる。p型、n型の熱電材3p、3nとしては、典型的にはBiTe系が用いられるが、MnSi系、ZnSb系、TAGS系、PbTe系、または酸化物系等の材料が用いられてもよい。電極4としては、Ti、Au、Sn、Au-Sn合金、Al、またはCu等が用いられる。
図3、図4及び図5は、熱電装置10の製造方法を示す図である。図7は、その製造方法のフローチャートである。
図3(A)に示すように、型材となるシリコン基材51が用意される。型材はシリコン以外の材料が用いられてもよい。以下、これをシリコン型51と呼ぶ。シリコン型51の溝52は、MEMS技術により形成される。例えば、溝52はフォトリソグラフィ及び反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching)により形成される。反応性イオンエッチングは、DRIE(Deep RIE)であってもよい。あるいはドライエッチングに限られずウェットエッチングであってもよい。シリコン型51の表面には、例えば熱処理により酸化保護膜(図示せず)が形成されてもよい。
溝52の寸法は、幅a=数十〜200μm、奥行き方向の長さ=100〜300μm、深さb=50〜400μmとされる。しかし、これらの範囲に限られない。溝52の形状は、このように平面方向に長い形状に限られず、深さ方向に長い形状であってもよい。溝52のピッチc=100〜150μmとされるが、この範囲に限られない。
シリコン型51に溝52が形成されると、図3(B)に示すように、その溝52に例えばp型(またはn型)の熱電材3が形成される(ステップ101)。
図8は、熱電材3をシリコン型51に形成するための処理装置を示す模式図である。
処理装置20は、処理対象物15を収容するチャンバ21、チャンバ21内に設けられたヒータ26、チャンバ21内を減圧する真空ポンプ22、チャンバ21内の真空度を調整する真空バルブ23を有する。また、処理装置20は、処理対象物15を加圧するためにチャンバ21内にガスを導入して気圧を高めるためのガス供給源25、導入されるガス量を調整等するガスバルブ24を有する。つまり、処理装置20は、熱処理が可能な真空及び加圧装置である。
チャンバ21内の処理対象物15は、シリコン型51と、そのシリコン型51の溝52が形成された側に配置されたp型(またはn型)の熱電材3と、シリコン型51及び熱電材3を収容するカプセル材11と、カプセル材11の内部に充填されたセラミック9とで構成される。カプセル材11は例えばガラスが用いられ、セラミック9は例えばBNが用いられるが、これらはその他の材料であってもよい。熱電材3、セラミック9は粉末状である。
次に処理装置20を用いて行われる熱電材3の成型方法を説明する。
処理対象物15がチャンバ21に収容され、真空ポンプ22の作動によりチャンバ21内が減圧されることで、カプセル材11の内部が減圧される。これにより、シリコン型51、熱電材3及びセラミック9のカプセル材11内への真空封入が完成する(真空カプセリング)。
次に、ガス供給源25からチャンバ21内にガスが導入されることで処理対象物15が加圧され、またヒータ26により処理対象物15が加熱される。例えば、圧力9.8MPa及び温度700℃で1時間程度処理される。これらの処理条件は適宜設定可能ある。このような処理により、カプセル材11が溶融し、熱電材3がシリコン型51の溝52内に押し込まれる。カプセル材11として、例えばパイレックス(登録商標)ガラスが用いられる場合、パイレックス(登録商標)ガラスは500℃程度で軟化する。
成型された熱電材3及びシリコン型51がチャンバ21から取り出され、例えばシリコン型51が適当な大きさに切断され、シリコン型51から露出する熱電材3の表面及びシリコン型51の表面が研磨加工される。このようにして、図3(B)のような対象物が形成され、熱電材3が成型される。
以上説明した熱電材3の製造方法は一例にすぎない。他の方法であってもよい。
次に、図3(C)に示すように、フォトリソグラフィ等により、熱電材3のシリコン型51から露出する側(第1の側)にそれぞれ電極4a(第1の電極)が形成される(ステップ102)。電極4aは、例えば熱電材3に接する側(下層側)から、Ti、Au、Au-Sn合金、Au、Alの順に積層された構造でなる。それぞれの膜厚は、0.1、0.2、5、0.05、0.05 μmである。しかし、電極4aの構造、材料、膜厚等はこれらに限られない。電極4aは単一の材料で構成されていてもよい。
図6(A)に示すように、上記熱電材3及びシリコン型51でなる対象物とは別の基板5が用意される。基板5としては、例えばシリコン基板であるが、他の半導体基板でもよいし、ガラス、セラミック等の絶縁基板であってもよい。基板5が半導体基板の場合、基板5の表面に、熱処理あるいは絶縁材料の塗布等により図示しない絶縁膜が形成される。
図6(B)に示すように、フォトリソグラフィ等により電極4b(第2の電極)が形成され(ステップ103)、その電極4b上の所定の領域(第1の領域)に保護膜(第1の保護膜7)7aが形成される(ステップ104)。電極4bは、上記電極4aより平面方向で大きい面積により形成される。保護膜7aは例えばAlであるが、これに限られずCuあるいは他の材料であってもよい。保護膜7は、典型的には厚さが20〜200nmでなるが、この範囲に限られない。
電極4bの材料としては、上記電極4aと同じ構成でもよいし、異なる構成であってもよい。電極4bの最上の膜を構成するAlが保護膜7aとして兼用されてもよい。
図3(D)に示すように、シリコン基板5上の電極4b上の上記所定の領域とは異なる領域(第2の領域)に、シリコン型51上の電極4aが接合されることで、シリコン型51とシリコン基板5とが対向させられる(ステップ105)。例えば適当なメカニカルな加圧装置により、加熱処理されながらシリコン型51とシリコン基板5とが加圧されることにより、電極4aと電極4bとが接合される。つまり、ステップ104では、上記保護膜7は、電極4b上の電極4aが接合されない部分に形成される。この接合方法は、超音波接合等、他の方法であってもよい。
図3(E)に示すように、シリコン型51の、シリコン基板5が配置される側とは反対側の面51eが、熱電材3の上面(上記第1の側とは反対側である第2の側)3eが露出するように研磨される(ステップ106)。
図3(F)に示すように、フォトリソグラフィ等により、熱電材3の上面3eに電極4c(第3の電極)が形成される(ステップ107)。この電極4cも、上記電極4aまたは電極4bと同じ構成とすることができる。この電極4c上にフォトリソグラフィ等により保護膜(第2の保護膜)7bが形成される(ステップ108)。保護膜7bはAlが用いられるが他の材料であってもよい。電極4cの最上の膜を構成するAlが保護膜7bとして兼用されてもよい。
図4(A)に示すように、フォトリソグラフィによるフォトレジスト(以下、単にレジストという。)8aのパターンが、電極4c及び保護膜7bが覆われるように形成される(ステップ109)。このレジスト8aは、通常用いられるレジストの厚さ(例えば2〜3μm)より厚く形成される。その厚さは約8μmであるが、この厚さは、熱電装置10のスケール、熱電材3または電極4の大きさ等にもより、適宜設定可能である。
図4(B)に示すように、RIEまたはDRIEにより、図4(A)で形成されたレジスト8aをマスクとして、また電極4b上の保護膜7aをストップ層としてシリコン型51が垂直にエッチングされる(ステップ110)。エッチングガスとしてはレジスト8aを侵さないガスであれば何でもよい。シリコン型51の垂直方向の厚さが厚いので、エッチングの処理時間は10〜40分とされる。このように長時間エッチング処理されても、保護膜7aがストップ層として機能するので、保護膜7aの下層の電極4bが損傷を受けることはない。
ステップ110では、RIE(またはDRIE)によりシリコン型51が除去される場合に限られず、等方性のドライエッチングや、他のエッチングであってもよい。
また、レジスト8aは、熱電材3の上面3eの面積より大きい面積で形成されているので、ステップ110のエッチングによっても、熱電材3の側面(上面3a及びその反対側の下面とは異なる部位)3fの周囲にシリコン型51が残る。図9は、1つのレジスト8aを平面で見た模式図である。破線は熱電材3の上面3eを示している。斜線部分で示すレジスト8aの面積は、熱電材3の上面3eの面積+その数%〜10%、あるいは+10%を超えてもよい。このように、熱電材3の側面3fの周囲にシリコン型51a(第1の残余部)が残るように保護膜7a上のシリコン型51aが除去されることにより、RIEのイオンから熱電材3を保護することができる。
図4(B)の状態から、典型的には溶液によりレジスト8a、保護膜7a、7bが除去され(ステップ111)、図4(C)のようになる。保護膜7a、7bがAlの場合、例えば5%のアルカリ溶液(NaOH)で除去される。これらは、溶液で化学的に除去される場合に限られず物理的に除去されてもよい。
図4(D)に示すように、熱電材3の周囲にあるシリコン型51の残余部51aが、エッチングにより除去される(ステップ112)。この場合、典型的にはXeF2ガスにより等方性のエッチングが行われるが、他のガスが用いられてもよい。ステップ112では、シリコン型51の残余部51aが比較的少量であり、ドライエッチングにより比較的短時間で除去される。この場合、短時間のエッチングであるので、保護膜7a、7bがなくても、電極4a、4b、4cに悪影響を及ぼさない。
これまでは、熱電材3としてp型及びn型のうちいずれか一方のみ(例えばp型)を含む対象物について説明してきた。図5(A)に示すように、これまでの製造方法と同様に他方のタイプの熱電材3を含む対象物10bが作られる。以降、図4(D)に示す対象物を第1の対象物10aといい、図5(A)に示す対象物を第2の対象物10bという。
図5(B)に示すように、第1の対象物10aに形成された電極4cと、第2の対象物10bに形成された電極4bとが接合されるように、かつ、第2の対象物10bに形成された電極4cと、第1の対象物10aに形成された電極4bとが接合されるように、第1の対象物10aと第2の対象物10bとが貼り合わされる(ステップ113)。典型的には、シリコン基板5a及び5bが加圧され、両対象物10a及び10bが加熱されながら接合される。このときの加熱温度は290℃程度であるが、これに限られない。
以上のような工程により、熱電装置10が完成する。なお、以上の工程は、ウェハプロセスにより、1枚のシリコンウェハ上に複数の熱電装置10分のp型またはn型の熱電材3が形成され、当該複数の熱電装置10分がダイシングされてもよい。あるいは、複数のp型熱電材3pが形成された複数の熱電装置10分の第1のシリコンウェハと、複数のn型熱電材3nが形成された複数の熱電装置10分の第2のシリコンウェハとがステップ113の工程で貼り合わされた後、ダイシングされてもよい。
本実施の形態では、ステップ113における工程において、貼り合わせ時の両基板の位置合わせのためのポスト45a、45bが形成される。図3(C)、図6(B)に示すように熱電材3に対応しない箇所にも電極4j、4kが形成され(ステップ102、103)、また、図3(F)に示すように保護膜7jが形成される(ステップ108)。以降、熱電材3に対応しない箇所をポスト部という。
ステップ109では、熱電材3の周囲のレジスト8aの厚さt1より厚いt2で、ポスト部にレジスト8aが形成され(図4(A)参照)、ステップ110では、ポスト部にシリコン型51の残余部(第2の残余部)51bが形成される(図4(B)参照)。t1>t2であるので、ステップ111においてドライエッチング処理が行われ、熱電材3の周囲のシリコン型51の残余部51aが除去されるのに対し、ポスト部のシリコン型51の残余部51bは残る。これによりポスト45aが形成される。図5(A)に示すように、第2の対象物10bのシリコン基板5b上にも上記ポスト45aに対応する位置にポスト45bが形成される。
ポスト45a、45bは1対でもよく複数対あってもよい。ポスト45a、45bが形成される位置は、シリコン基板5上のどこでもよく、例えばシリコン基板5のコーナーに形成されてもよい。例えば図10に示すように、第1の対象物10aのポスト45aが突起状である場合、第2の対象物10bのポスト45bは、その突起状のポスト45aが嵌合するように凹状に形成されていてもよい。凹状のポスト45bは、典型的には中空の筒状に形成されるが、それ以外の形状であってもよい。
このようにポスト45a、45bが形成されることにより、第1の対象物10aと第2の対象物10bとの貼り合わせるときの位置合わせを高精度に行うことができる。また、ポスト45a、45bは、図3、図4に示す熱電材3、電極4の製造工程内に作られるので、処理時間を増やすこともない。なお、図1及び図2では、ポスト45a、45bの図示を省略している。
図11は、熱電装置10の製造方法の参考例を示す図である。
図11(A)、(B)に示すように、シリコン型151によりp型(またはn型)の熱電材103が成型され、熱電材103上に電極104aが形成される。ここでは、上記ステップ101、102と同様に処理される。
図11(C)に示すように、Ti、Au、Au-Sn等でなる電極104bが形成されたシリコン基板105が用意され、この電極104bと、図11(B)で作られた対象物の電極104aとが接合されるように、両基板151及び105が対向させられる。
図11(D)に示すように、上記ステップ106と同様に、シリコン型151の上面が研磨されることで熱電材103がシリコン型151から露出する。
図11(E)に示すように、熱電材3の上面にTi、Au、Au-Sn等でなる電極104cが形成される。
図11(F)に示すように、XeF2等のガスが用いられたドライエッチングによりシリコン型151が除去される。
図11(G)に示すように、図11(F)で作られたp型(またはn型)の熱電材103p(または103n)を搭載した対象物110aと同様な方法で作られたn型(またはp型)の熱電材103n(または103p)を搭載した対象物110bが用意される。そして2つの対象物110a、110bが貼り合わせられる。これにより熱電装置が完成する。
ここで、図11(F)では、シリコン型151が厚いためエッチング時間が長時間となり、熱電材103p上の電極104cや電極104bが損傷を受けるおそれがある。典型的には、エッチングガスがXeF2である場合、熱電材103pや電極104bと反応してしまい、BiF3、AuF3、SnF3等の化学反応が起こるおそれがある。しかしながら、上記したように、本発明の実施の形態ではそのような事態を防止することができる。
図12は、熱電装置10の、本発明の他の実施の形態に係る製造方法を示す図である。図12に示す実施の形態において、図3〜図5で説明した工程と異なる部分を中心に説明する。
本実施の形態では、図3(A)〜図4(B)まで同様の処理が行われる。図4(B)の状態から、図12(A)に示すようにXeF2等のガスが用いられた等方性のドライエッチングまたは他の方法により、熱電材3の周囲のシリコン型51の残余部が除去される。
その後、図12(B)に示すように、典型的には溶液によりレジスト8a、保護膜7a、7bが除去される。このような処理であっても、上記実施の形態と同様な熱電装置が製造可能である。
本発明に係る実施の形態は、以上説明した実施の形態に限定されず、他の種々の実施形態が考えられる。
p型、n型の熱電材3p、3nの形状として、図2のように断面で見て長方形とされたが、平行四辺形、台形、あるいはその他の形状であってもよい。熱電装置10のその他の部位の形状等も適宜変形可能である。
本発明の一実施の形態に係る熱電装置を示す斜視図である。 図1に示す熱電装置の断面図である。 熱電装置の製造方法を示す図である。 図3に続く熱電装置の製造方法を示す図である。 図4に続く熱電装置の製造方法を示す図である。 図3〜図5で用いられる、電極が形成されたシリコン基板を示す図である。 熱電装置の製造方法のフローチャートである。 熱電材をシリコン型に形成するための処理装置を示す模式図である。 図4(B)で示す工程において、1つのレジストを平面で見た模式図である。 突起状のポストと、そのポストが嵌合する凹状のポストを示す模式図である。 熱電装置の製造方法の参考例を示す図である。 熱電装置の、本発明の他の実施の形態に係る製造方法を示す図である。
符号の説明
3、103…熱電材
3p、103p…p型熱電材
3n、103n…n型熱電材
4、4a、4b、4c、104a、104b、104c…電極
5、5a、5b、105a、105b…基板
7、7a、7b…保護膜
8a…フォトレジスト
10…熱電装置
45a、45b…ポスト
51…型材
151、51a、51b…シリコン型の残余部

Claims (5)

  1. 型材により成型された複数の熱電材の前記型材から露出する第1の側に第1の電極を形成し、
    基板上に第2の電極を形成し、
    前記第2の電極の第1の領域に第1の保護膜を形成し、
    前記第2の電極の、前記第1の領域とは異なる第2の領域に前記第1の電極を接合することで、前記型材と前記基板とを対向させ、
    前記熱電材の前記第1の側とは反対側の、前記型材から露出する第2の側に第3の電極を形成し、
    前記第3の電極上に第2の保護膜を形成し、
    フォトリソグラフィ及びエッチングにより前記第1の保護膜上の前記型材を除去し、
    前記第1の保護膜及び前記第2の保護膜を除去し、
    前記第1の保護膜上の前記型材を除去する工程では、前記熱電材の前記第2の側の面積より大きい面積で、前記フォトリソグラフィによるフォトレジストが前記第3の電極を覆うように、前記フォトレジストのパターンを形成し、
    さらに、
    前記第1の保護膜上の前記型材を除去した後、前記熱電材の、前記第1の側及び前記第2の側の両方とは異なる部位である周囲に、前記フォトレジストのパターンにより残る前記型材の第1の残余部を除去し、
    前記フォトレジストのパターンの形成によって、前記第1の残余部の、前記熱電材の配列方向の厚さより、該配列方向で厚く形成された前記型材の第2の残余部を用いて、前記基板上に位置合わせのためのポストを形成する
    熱電装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の熱電装置の製造方法であって、
    前記型材を除去するステップでは、
    前記エッチングとして反応性イオンエッチングを用いる熱電装置の製造方法。
  3. 請求項に記載の熱電装置の製造方法であって、
    前記第1の保護膜及び前記第2の保護膜を除去した後、前記第1の残余部を除去する熱電装置の製造方法。
  4. 請求項に記載の熱電装置の製造方法であって、
    前記第1の保護膜及び前記第2の保護膜を除去する前に、前記第1の残余部を除去する熱電装置の製造方法。
  5. 請求項1に記載の熱電装置の製造方法であって、
    前記第1の保護膜及び前記第2の保護膜のうち少なくとも一方はアルミニウムである熱電装置の製造方法。
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