JP2008016592A - 熱電変換素子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便な工程でp型、n型エレメントの微細成形が可能な熱電変換素子の製造方法を提供し、該製造方法により製造された熱電変換素子を提供する。
【解決手段】シリコン基材21a上に形成された感光性樹脂層に対してパターニング露光及び現像を行って、前記感光性樹脂層に所定パターンで配列された細孔24bを形成する工程と、無酸素雰囲気での加熱により前記感光性樹脂層を焼成してグラッシーカーボン層22cとする工程と、グラッシーカーボン層22cの細孔24bにp型またはn型の熱電材料11a,12aを充填した後に焼成して前記p型エレメントとなる焼成体11bまたはn型エレメントとなる焼成体12bを形成する工程と、グラッシーカーボン層22cを酸化処理により除去して前記焼成体11b、12bを露出させる工程と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】シリコン基材21a上に形成された感光性樹脂層に対してパターニング露光及び現像を行って、前記感光性樹脂層に所定パターンで配列された細孔24bを形成する工程と、無酸素雰囲気での加熱により前記感光性樹脂層を焼成してグラッシーカーボン層22cとする工程と、グラッシーカーボン層22cの細孔24bにp型またはn型の熱電材料11a,12aを充填した後に焼成して前記p型エレメントとなる焼成体11bまたはn型エレメントとなる焼成体12bを形成する工程と、グラッシーカーボン層22cを酸化処理により除去して前記焼成体11b、12bを露出させる工程と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、ペルチェ冷却素子あるいはゼーベック発電素子として用いられる熱電変換素子及びその製造方法に関するものである。
従来、ペルチェ効果を利用したペルチェ冷却素子は、熱電(変換)半導体を利用したヒートポンプの一種として知られており、直流電圧を印加することにより、素子の一方の面においては発熱し、他方の面においては吸熱するという特徴を持っており、この原理を活用して、半導体プロセス用恒温プレート、保温庫及びCPU(Central Processing Unit)クーラー等への応用が拡大している。このペルチェ冷却素子は、発熱側と吸熱側との温度差が小さいほど、冷却効果が高くなる。
これとは別に、ゼーベック効果を利用したゼーベック発電素子も知られており、素子の片面に熱を加え、素子の上部と下部とで温度差をつけることにより、効率は低いが発電することができ、この原理は発電式の腕時計等に活用されている。このゼーベック発電素子は、素子の上部と下部との温度差が大きくなるほど、発生する起電力(熱起電力)が大きくなる。
上記のペルチェ冷却素子とゼーベック発電素子とは、動作方法が異なるが、全く同じ構造を有している。ここで、上記のペルチェ効果及びゼーベック効果等を総称して熱電変換効果と称し、これらの効果を利用したペルチェ冷却素子及びゼーベック発電素子を熱電変換素子と称する。
従来の熱電変換素子は、機械加工で熱電材料に溝加工を行い、基板上にp型エレメントが形成されたものと、別の基板上にn型エレメントが形成されたものとを貼り合わせ、ついで不要な箇所を研削・研磨により除去した後、電極を形成してサーモパイルを形成するものであった。例えば、熱電材料Bi2Te3からなるp型およびSb2Te3からなるn型の1mm角の柱状のエレメントが0.5mm間隔で交互に並んで直列に電気的に接続したものであり、この熱電変換素子平面上に放熱面および冷却面を設けてペルチェ冷却素子、ゼーベック熱発電素子として用いていた。
この熱電変換素子の製造方法としては、Bi2Te3セラミックブロックおよびSb2Te3セラミックブロックそれぞれをワイヤカットすることで微細化を行い、両基盤を張り合わせ、ついで放熱板を更に接合して高性能化を目指すものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この場合、p、n型エレメントの形成を機械加工で行うため加工可能な素子断面の大きさとして数十μm程度までという限界があった。また、感光性樹脂とめっきからなるUV-LIGA法を用いた形成方法が存在するが、これについても実現できるエレメントの長さには制限があった。また、これらの手法で実現されたものは複雑な形状を形成するには不向きであった。
また、熱電性能を向上させるために1次元ではワイヤ、2次元では薄膜構造を量子井戸構造にすることにより熱伝導率を下げることが行われている(例えば、特許文献2〜4参照。)。また、ドイツのマイクロペルチェ社においては、材料の薄膜化やプラズマエッチングを利用した微細加工により数十nmの熱電素子加工が行われている。
また、プラズマエッチングによりシリコンの型を形成して、この型に熱電材料を充填し加圧焼成して微細構造を作り上げ、シリコンはXeF2ガスにより除去する微細加工方式が提案されている(例えば、特許文献5参照。)。これにより微細加工が可能であるが、特殊なガスを使用した半導体工程によるものであり、コストアップにつながっていた。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、簡便な工程でp型、n型エレメントの微細成形が可能な熱電変換素子の製造方法を提供し、該製造方法により製造された熱電変換素子を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、複数のp型エレメント及びn型エレメントが基板主面上に配置され、隣接するp型エレメント及びn型エレメントの端部がお互いに接続されて直列回路を形成する熱電変換素子の製造方法において、基材上に形成された感光性樹脂層に対してパターニング露光及び現像を行って、前記感光性樹脂層に所定パターンで配列された細孔を形成する工程と、無酸素雰囲気での加熱により前記感光性樹脂層を焼成してグラッシーカーボン層とする工程と、前記グラッシーカーボン層の細孔にp型またはn型の熱電材料を充填した後に焼成して前記p型エレメントとなる焼成体またはn型エレメントとなる焼成体を形成する工程と、前記グラッシーカーボン層を酸化処理により除去して前記焼成体を露出させる工程と、を備えることを特徴とする熱電変換素子の製造方法である。
また前記課題を解決するために提供する本発明は、複数のp型エレメント及びn型エレメントが基板主面上に配置され、隣接するp型エレメント及びn型エレメントの端部がお互いに接続されて直列回路を形成する熱電変換素子において、前記p型エレメントまたはn型エレメントは、基材上に形成された感光性樹脂層に対してパターニング露光及び現像を行って、前記感光性樹脂層に所定パターンで配列された細孔を形成する工程と、無酸素雰囲気での加熱により前記感光性樹脂層を焼成してグラッシーカーボン層とする工程と、前記グラッシーカーボン層の細孔にp型またはn型の熱電材料を充填した後に焼成して前記p型エレメントとなる焼成体またはn型エレメントとなる焼成体を形成する工程と、前記グラッシーカーボン層を酸化処理により除去して前記焼成体を露出させる工程と、を備える熱電変換素子の製造方法により製造されてなることを特徴とする熱電変換素子である。
本発明の熱電変換素子の製造方法によれば、樹脂層に対していわゆるフォトリソグラフィ処理を行うので高アスペクト比の微細な加工ができ、ついでグラッシーカーボン層を耐熱性があり強度のある型とするので寸法精度良くp型、n型エレメントを形成することができる。また、グラッシーカーボン層であることから容易にその層を除去することができる。このように簡便な工程でp型、n型エレメントの微細成形が可能となる。また、従来の方法に比べて、エレメントに関して曲線形状など複雑な形状を実現することが可能である。
本発明の熱電変換素子によれば、p型、n型エレメントの基板上の集積密度が増加するので、冷却素子としては冷却性能を向上させ、温度センサや発電素子としてはその出力を向上させることができる。
本発明の熱電変換素子によれば、p型、n型エレメントの基板上の集積密度が増加するので、冷却素子としては冷却性能を向上させ、温度センサや発電素子としてはその出力を向上させることができる。
本発明の熱電変換素子の製造方法は、複数のp型エレメント及びn型エレメントが基板主面上に配置され、隣接するp型エレメント及びn型エレメントの端部がお互いに接続されて直列回路を形成する熱電変換素子の製造方法において、前記基板上に形成された感光性樹脂層に対してパターニング露光及び現像を行って、前記感光性樹脂層に所定パターンで配列された細孔を形成する工程と、無酸素雰囲気での加熱により前記感光性樹脂層を焼成してグラッシーカーボン層とする工程と、前記グラッシーカーボン層の細孔にp型またはn型の熱電材料を充填した後に焼成して前記p型エレメントとなる焼成体またはn型エレメントとなる焼成体を形成する工程と、前記グラッシーカーボン層を酸化処理により除去して前記焼成体を露出させる工程と、を備えることを特徴とするものである。以下、本発明に係る熱電変換素子の製造方法の具体例について説明する。
図1,図2は、本発明に係る熱電変換素子の製造方法の第1の実施の形態を示す製造工程図である。これらの図に従い、本実施の形態における熱電変換素子を製造する手順を説明する。なおここでは、p型エレメント(p型熱電半導体エレメント)を形成する場合を例に説明する。
(S11)p型エレメントを成形する型の基板としてシリコン基材21aを用意し、該シリコン基材21aを熱酸化することによりその表面に厚さ1μm程度のシリコン酸化膜(SiO2膜)21bを形成する(図1(a))。
(S12)シリコン酸化膜21b上に、第1の感光性樹脂層22aを形成する(図1(b))。第1の感光性樹脂層22aの形成は、半導体製造用のフォトレジストを用い、とくにMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)用のフォトレジストを用いて塗布により形成するとよい。このとき、フォトレジスト材料を適切に選択すれば、高アスペクト比(エレメントの縦横比(長さと幅の比))のp型エレメントを得ることができる。例えば、エポキシ系樹脂のフォトレジスト(化薬マイクロケム社製、商品名SU−8シリーズ)を用いれば、アスペクト比で最大20:1のp型エレメントを得ることができる。あるいは、ポリイミド系樹脂のフォトレジスト(化薬マイクロケム社製、商品名SF−11)を用いれば、アスペクト比で最大4:1のp型エレメントを得ることができる。これらのフォトレジストを用いる場合には、シリコン酸化膜21b上に該フォトレジストをスピンコートし、プリベイクの後徐冷を行う。
(S12)シリコン酸化膜21b上に、第1の感光性樹脂層22aを形成する(図1(b))。第1の感光性樹脂層22aの形成は、半導体製造用のフォトレジストを用い、とくにMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)用のフォトレジストを用いて塗布により形成するとよい。このとき、フォトレジスト材料を適切に選択すれば、高アスペクト比(エレメントの縦横比(長さと幅の比))のp型エレメントを得ることができる。例えば、エポキシ系樹脂のフォトレジスト(化薬マイクロケム社製、商品名SU−8シリーズ)を用いれば、アスペクト比で最大20:1のp型エレメントを得ることができる。あるいは、ポリイミド系樹脂のフォトレジスト(化薬マイクロケム社製、商品名SF−11)を用いれば、アスペクト比で最大4:1のp型エレメントを得ることができる。これらのフォトレジストを用いる場合には、シリコン酸化膜21b上に該フォトレジストをスピンコートし、プリベイクの後徐冷を行う。
(S13)つぎに、第1の感光性樹脂層22a上に第2の感光性樹脂層23aを塗布する(図1(c))。これは、前記フォトレジスト(SU−8、SF−11)は波長400nm以上では照射光の吸収がなくg、h線では露光されないためである。第2の感光性樹脂層23aを形成するための材料としては、例えばノボラック系樹脂のフォトレジスト(AZエレクトロニックマテリアル社製、商品名AZ4400)を用いる。
(S14)ついで、第2の感光性樹脂層23aについて光学フィルターを入れて所定のパターニングでフォトリソグラフィ処理(露光、エッチング)を行い、所定のパターンの開口部24aを有する第2の感光性樹脂層23bとする(図1(d))。ここで、開口部を円形あるいは矩形など任意の形状とすることができ、その径あるいは幅は例えば10〜40μmとする。また開口部の配置パターンは相手方となるn型エレメントとの配置関係及び集積程度を勘案して決定するとよい。
(S15)つぎに、光学フィルターを外して紫外線照射により、第1の感光性樹脂層21aのフォトリソグラフィ処理(露光、アルカリ現像)を行い、前記開口部24aに対応した細孔24bを有する第2の感光性樹脂層22bとする(図1(e))。
(S14)ついで、第2の感光性樹脂層23aについて光学フィルターを入れて所定のパターニングでフォトリソグラフィ処理(露光、エッチング)を行い、所定のパターンの開口部24aを有する第2の感光性樹脂層23bとする(図1(d))。ここで、開口部を円形あるいは矩形など任意の形状とすることができ、その径あるいは幅は例えば10〜40μmとする。また開口部の配置パターンは相手方となるn型エレメントとの配置関係及び集積程度を勘案して決定するとよい。
(S15)つぎに、光学フィルターを外して紫外線照射により、第1の感光性樹脂層21aのフォトリソグラフィ処理(露光、アルカリ現像)を行い、前記開口部24aに対応した細孔24bを有する第2の感光性樹脂層22bとする(図1(e))。
(S16)ステップS15終了後の対象物を電気炉内にて無酸素雰囲気で加熱し、第1の感光性樹脂層22bを焼成してグラッシーカーボン層22cとする(図2(f))。本ステップにおける加熱は、第1の感光性樹脂層22bを熱分解させる熱処理であり、例えば電気炉内を真空排気した後、1000℃、3時間の加熱を行うものである。これにより、ステップS15で形成された細孔24bに基づいた細孔24b´を有し、高硬度で緻密なカーボンからなるグラッシーカーボン層22cとなる。
(S17)p型の熱電材料11a、例えばBi2Te3の粉末金属を細孔24b´に充填する(図2(g))。ついで、その周りを不活性なBN粉末で囲い、さらにその周辺をパイレックス(登録商標)ガラス容器で覆い真空封止する。
(S18)つぎに、ステップS17終了後の対象物について、真空排気された電気炉内で加圧して700〜800℃、1時間の加熱を行い、細孔24bに充填された熱電材料の焼成を行い、p型熱電材料焼成体11bとする。これにより、細孔24b´の部分では任意の形状(円柱、角柱、帯状等)のp型熱電材料焼成体11bを形成することができる。その後、冷却し大気中に戻してパイレックス(登録商標)ガラス容器より焼成後の対象物を取り出す。
(S18)つぎに、ステップS17終了後の対象物について、真空排気された電気炉内で加圧して700〜800℃、1時間の加熱を行い、細孔24bに充填された熱電材料の焼成を行い、p型熱電材料焼成体11bとする。これにより、細孔24b´の部分では任意の形状(円柱、角柱、帯状等)のp型熱電材料焼成体11bを形成することができる。その後、冷却し大気中に戻してパイレックス(登録商標)ガラス容器より焼成後の対象物を取り出す。
(S19)つぎに、ステップS18の対象物について両面研磨した後、酸化処理によりグラッシーカーボン層22cを除去して、p型熱電材料焼成体11bを露出させる(図2(h))。ここで、酸化処理とは、例えば酸素プラズマによる酸化である。
(S1a)ついで、HFによりシリコン酸化膜21bを除去し、p型熱電材料焼成体11b単体とする(図2(i))。p型熱電材料焼成体11bは、細孔24b´の形状に対応したエレメント部11cがつなぎ部11dで連なったものとなっている。なお、ステップS17において、Sb2Te3などの粉末金属をn型の熱電材料12aとして細孔24bに充填すれば、それ以降同様な処理にて最終的にn型熱電材料焼成体12b単体が得られる。このn型熱電材料焼成体12bも、細孔24b´の形状に対応したエレメント部12cがつなぎ部12dで連なったものとなっている。
(S1b)ステップS1aで得られたp型熱電材料焼成体11b及びn型熱電材料焼成体12bを組み合わせて、熱電変換素子を形成する。詳しくは、つぎのように処理を行う。
(i)p型熱電材料焼成体11bのエレメント部11c、n型熱電材料焼成体12bのエレメント部12cそれぞれを相手方のエレメント部間の空隙に差し込むように組合せる(p型熱電材料焼成体11bのエレメント部11cを、n型熱電材料焼成体12bのエレメント部12c間の空隙に差込み、n型熱電材料焼成体12bのエレメント部12cを、p型熱電材料焼成体11bのエレメント部11c間の空隙に差込む)。
(ii)エレメント部11c、12c間の空隙に耐熱樹脂を充填する。
(iii)両面研磨によりつなぎ部11d、12dを除去してエレメント部11c、12c端面を露出させる。
(iv)隣接するエレメント部11c及びエレメント12cの端部がお互いに接続されて直列回路を形成するように電極13を設ける。
(v)電極13を設けた両面にAlNからなる基板14を貼り付ける。
(vi)最後に前記耐熱樹脂をアッシングにより除去して、熱電変換素子100を得る。あるいは前記(ii)の段階で耐熱樹脂としてSi系高分子材料を発泡させた状態で充填したものとし、それを除去することなく熱電変換素子としてもよい。
(i)p型熱電材料焼成体11bのエレメント部11c、n型熱電材料焼成体12bのエレメント部12cそれぞれを相手方のエレメント部間の空隙に差し込むように組合せる(p型熱電材料焼成体11bのエレメント部11cを、n型熱電材料焼成体12bのエレメント部12c間の空隙に差込み、n型熱電材料焼成体12bのエレメント部12cを、p型熱電材料焼成体11bのエレメント部11c間の空隙に差込む)。
(ii)エレメント部11c、12c間の空隙に耐熱樹脂を充填する。
(iii)両面研磨によりつなぎ部11d、12dを除去してエレメント部11c、12c端面を露出させる。
(iv)隣接するエレメント部11c及びエレメント12cの端部がお互いに接続されて直列回路を形成するように電極13を設ける。
(v)電極13を設けた両面にAlNからなる基板14を貼り付ける。
(vi)最後に前記耐熱樹脂をアッシングにより除去して、熱電変換素子100を得る。あるいは前記(ii)の段階で耐熱樹脂としてSi系高分子材料を発泡させた状態で充填したものとし、それを除去することなく熱電変換素子としてもよい。
あるいは、前記ステップS19以降の処理について、つぎのように行ってもよい。
(S19´)HFによりシリコン酸化膜21bを除去することで、シリコン酸化膜21b及びシリコン基材21aを取り去ってp型熱電材料焼成体11b及びグラッシーカーボン層22cからなるものとする。
(S1a´)p型熱電材料焼成体11b及びグラッシーカーボン層22cからなるものについて研磨を行い、つなぎ部11d及びエレメント部11cの一部を除去してp型エレメント11とする。
(S1b´)p型エレメント11の所定の場所に電極13を設ける。所定の場所とは後でn型エレメント12と組み合わせたときに隣接するp型エレメント11及びn型エレメント12の端部がお互いに接続されて直列回路が形成される場所である。ついで、電極13を設けた片面にAlNからなる基板14を貼り付ける。
(S1c´)つぎに、ステップS1b´の対象物について、前記酸化処理によりグラッシーカーボン層22cを除去して、p型エレメント11を露出させる。
(S1d´)前記ステップS11〜S18及びS19´〜S1c´と同様の処理を行い、n型熱電半導体エレメント(n型エレメント)12及び電極13を形成した基板14を得る。なお、ステップS17においてはSb2Te3などの粉末金属をn型の熱電材料12aとして用いる。
(S1e´)前記までの工程で作製したp型エレメント11を形成した基板14と、n型エレメント12を形成した基板14とをお互いのエレメント11,12が向き合うように対向させ、それぞれのエレメント11,12を相手方のエレメント間の空隙に差し込み(p型エレメント11を、n型エレメント12間の空隙に差込み、n型エレメント12を、p型エレメント11間の空隙に差込み)、相手方の電極13と接合する。これにより、隣接するp型エレメント11及びn型エレメント12の端部が電極13を介してお互いに接続されて直列回路を形成するようになり、熱電変換素子が完成する。
(S19´)HFによりシリコン酸化膜21bを除去することで、シリコン酸化膜21b及びシリコン基材21aを取り去ってp型熱電材料焼成体11b及びグラッシーカーボン層22cからなるものとする。
(S1a´)p型熱電材料焼成体11b及びグラッシーカーボン層22cからなるものについて研磨を行い、つなぎ部11d及びエレメント部11cの一部を除去してp型エレメント11とする。
(S1b´)p型エレメント11の所定の場所に電極13を設ける。所定の場所とは後でn型エレメント12と組み合わせたときに隣接するp型エレメント11及びn型エレメント12の端部がお互いに接続されて直列回路が形成される場所である。ついで、電極13を設けた片面にAlNからなる基板14を貼り付ける。
(S1c´)つぎに、ステップS1b´の対象物について、前記酸化処理によりグラッシーカーボン層22cを除去して、p型エレメント11を露出させる。
(S1d´)前記ステップS11〜S18及びS19´〜S1c´と同様の処理を行い、n型熱電半導体エレメント(n型エレメント)12及び電極13を形成した基板14を得る。なお、ステップS17においてはSb2Te3などの粉末金属をn型の熱電材料12aとして用いる。
(S1e´)前記までの工程で作製したp型エレメント11を形成した基板14と、n型エレメント12を形成した基板14とをお互いのエレメント11,12が向き合うように対向させ、それぞれのエレメント11,12を相手方のエレメント間の空隙に差し込み(p型エレメント11を、n型エレメント12間の空隙に差込み、n型エレメント12を、p型エレメント11間の空隙に差込み)、相手方の電極13と接合する。これにより、隣接するp型エレメント11及びn型エレメント12の端部が電極13を介してお互いに接続されて直列回路を形成するようになり、熱電変換素子が完成する。
以上の工程を経て得られる熱電変換素子の構成を図3に示す。ここでは、前記エレメント部11c、12cをそれぞれp型熱電半導体エレメントであるp型エレメント11、n型熱電半導体エレメントであるn型エレメント12として示している。熱電変換素子100は、複数のp型エレメント11及びn型エレメント12が2枚の基板14で挟まれ該基板14の主面上に所定のパターンで配置され、隣接するP型エレメント11及びn型エレメント12の端部がお互いに電極13により接続されて直列回路を形成した構成となっている。ここで、p型エレメント11及びn型エレメント12は、前述した製造方法により製造されるので高アスペクト比で寸法精度のよいエレメントとなっており、基板14上の集積密度が従来よりも増加したものとなっている。
つぎに、本発明に係る熱電変換素子の製造方法の第2の実施の形態について説明する。
図4,図5は、本発明に係る熱電変換素子の製造方法の第2の実施の形態を示す製造工程図である。これらの図に従い、本実施の形態における熱電変換素子を製造する手順を説明する。
図4,図5は、本発明に係る熱電変換素子の製造方法の第2の実施の形態を示す製造工程図である。これらの図に従い、本実施の形態における熱電変換素子を製造する手順を説明する。
(S21)p型エレメントを成形する型の基板としてシリコン基材41aを用意し、該シリコン基材41aを熱酸化することによりその表面に厚さ1μm程度のシリコン酸化膜(SiO2膜)41bを形成する(図4(a))。
(S22)シリコン酸化膜41b上に、スパッタリング法により下層をTi薄膜(膜厚10nm)、上層をPt薄膜(300nm)とした積層膜を形成する。なお、この積層膜については従来公知の方法によりパターニングを行い、これを電極33とする(図4(b))。
(S23)電極33及びシリコン酸化膜41b上に、感光性樹脂層42aを形成する(図4(c))。感光性樹脂層42aの形成は、第1の実施の形態における第1の感光性樹脂層22aと同じである。例えば、エポキシ系樹脂のフォトレジスト(化薬マイクロケム社製、商品名SU−8シリーズ)、ポリイミド系樹脂のフォトレジスト(化薬マイクロケム社製、商品名SF−11)を用いて形成する。
(S22)シリコン酸化膜41b上に、スパッタリング法により下層をTi薄膜(膜厚10nm)、上層をPt薄膜(300nm)とした積層膜を形成する。なお、この積層膜については従来公知の方法によりパターニングを行い、これを電極33とする(図4(b))。
(S23)電極33及びシリコン酸化膜41b上に、感光性樹脂層42aを形成する(図4(c))。感光性樹脂層42aの形成は、第1の実施の形態における第1の感光性樹脂層22aと同じである。例えば、エポキシ系樹脂のフォトレジスト(化薬マイクロケム社製、商品名SU−8シリーズ)、ポリイミド系樹脂のフォトレジスト(化薬マイクロケム社製、商品名SF−11)を用いて形成する。
(S24)ついで、感光性樹脂層42aについて、所定のパターニングでフォトリソグラフィ処理(紫外線照射による露光、アルカリ現像)を行い、所定のパターンを有する細孔44を有する感光性樹脂層42bとする(図4(d))。ここで、細孔44の底面には電極33が露出している。また、細孔44の開口形状は円形あるいは矩形など任意の形状とすることができ、その径あるいは幅は例えば10〜40μmとする。また細孔44の孔深さは前記感光性樹脂層42aの使用した感光性樹脂の性能(アスペクト比)に応じた深さとすることができる。例えば細孔44の径10μmに対して深さ200μmとする。また、細孔44の配置パターンは相手方となるn型エレメントとの配置関係及び集積程度を勘案して決定するとよい。
(S25)ステップS24終了後の対象物を電気炉内にて無酸素雰囲気で加熱し、感光性樹脂層42bを焼成してグラッシーカーボン層42cとする(図4(e))。本ステップにおける加熱は、感光性樹脂層42bを熱分解させる熱処理であり、例えば電気炉内を真空排気した後、1000℃、3時間の加熱を行うものである。これにより、ステップS24で形成された細孔44をそのまま有し、高硬度で緻密なカーボンからなるグラッシーカーボン層42cとなる。
(S26)p型の熱電材料31a、例えばBi2Te3の粉末金属を細孔44に充填する(図5(f))。ついで、その周りを不活性なBN粉末で囲い、さらにその周辺をパイレックス(登録商標)ガラス容器で覆い真空封止する。
(S27)つぎに、ステップS26終了後の対象物について、真空排気された電気炉内で加圧して700〜800℃、1時間の加熱を行い、細孔44に充填された熱電材料の焼成を行い、p型熱電材料焼成体であるp型熱電半導体エレメント(p型エレメント)31とする。これにより、任意の形状(円柱、角柱、帯状等)のp型エレメント31を形成することができる。また、p型エレメント31は、電極33に接続され、該電極33から直立したものとなっている。その後、冷却し大気中に戻してパイレックス(登録商標)ガラス容器より焼成後の対象物を取り出す。
(S27)つぎに、ステップS26終了後の対象物について、真空排気された電気炉内で加圧して700〜800℃、1時間の加熱を行い、細孔44に充填された熱電材料の焼成を行い、p型熱電材料焼成体であるp型熱電半導体エレメント(p型エレメント)31とする。これにより、任意の形状(円柱、角柱、帯状等)のp型エレメント31を形成することができる。また、p型エレメント31は、電極33に接続され、該電極33から直立したものとなっている。その後、冷却し大気中に戻してパイレックス(登録商標)ガラス容器より焼成後の対象物を取り出す。
(S28)つぎに、ステップS27の対象物について、酸化処理によりグラッシーカーボン層42cを除去して、p型エレメント31を露出させる(図5(g))。ここで、酸化処理とは、例えば酸素プラズマによる酸化である。
(S29)前記ステップS21〜S28と同様の処理を行い、n型熱電半導体エレメント(n型エレメント)32を形成したシリコン基材41aを得る。なお、ステップS26においてはSb2Te3などの粉末金属をn型の熱電材料12aとして用いる。
(S2a)前記までの工程で作製したp型エレメント31を形成したシリコン基材41aと、n型エレメント32を形成したシリコン基材41aとをお互いのエレメント31,32が向き合うように対向させ(図5(h))、それぞれのエレメント31,32を相手方のエレメント間の空隙に差し込むように貼り合せる(p型エレメント31を、n型エレメント32間の空隙に差込み、n型エレメント32を、p型エレメント31間の空隙に差込む)。なお、このとき差し込まれたエレメントの先端は相手方のシリコン基材41a(シリコン酸化膜41b)上に設けられた電極33と当接しはんだ付け等により接合される(図5(i))。これにより、隣接するp型エレメント31及びn型エレメント32の端部が電極33を介してお互いに接続されて直列回路を形成するようになる。
(S2b)p型エレメント部31、n型エレメント32間の空隙に耐熱樹脂を充填する。
(S2c)ついで、HFによりシリコン酸化膜41bを除去することにより、電極33、p型エレメント31、n型エレメント32を組み合わせたものからシリコン基材41aを取り外す。
(S2d)電極33面にAlNからなる基板34を貼り付ける。
(S2e)最後に前記耐熱樹脂をアッシングにより除去して、図3に示した熱電変換素子300を得る。あるいはステップS2bの段階で耐熱樹脂としてSi系高分子材料を発泡させた状態で充填したものとし、それを除去することなく熱電変換素子としてもよい。
(S2b)p型エレメント部31、n型エレメント32間の空隙に耐熱樹脂を充填する。
(S2c)ついで、HFによりシリコン酸化膜41bを除去することにより、電極33、p型エレメント31、n型エレメント32を組み合わせたものからシリコン基材41aを取り外す。
(S2d)電極33面にAlNからなる基板34を貼り付ける。
(S2e)最後に前記耐熱樹脂をアッシングにより除去して、図3に示した熱電変換素子300を得る。あるいはステップS2bの段階で耐熱樹脂としてSi系高分子材料を発泡させた状態で充填したものとし、それを除去することなく熱電変換素子としてもよい。
以上のように得られた熱電変換素子100,300は、様々な熱電変換装置に用いることが可能である。
図6に、本発明の熱電変換素子100(300)を用いた熱電変換装置の例を示す。
本熱電変換装置は、本発明の熱電変換素子100(300)の片方の基板14(34)上に半導体発熱部品等の発熱体18(38)が接触して固定されており、対向する他方の基板14(34)の電極13(33)には、熱電変換素子100(300)に直流電圧を印加するためのリード線15(35)が接続されたペルチェ冷却素子の構成となっている。この構成により、発熱体18(38)の熱が接触している基板14(34)、p型エレメント11(31)、n型エレメント12(32)を経由して反対側の基板14(34)へ伝達され、該基板14(34)から効率よく放熱されるようになる。
図6に、本発明の熱電変換素子100(300)を用いた熱電変換装置の例を示す。
本熱電変換装置は、本発明の熱電変換素子100(300)の片方の基板14(34)上に半導体発熱部品等の発熱体18(38)が接触して固定されており、対向する他方の基板14(34)の電極13(33)には、熱電変換素子100(300)に直流電圧を印加するためのリード線15(35)が接続されたペルチェ冷却素子の構成となっている。この構成により、発熱体18(38)の熱が接触している基板14(34)、p型エレメント11(31)、n型エレメント12(32)を経由して反対側の基板14(34)へ伝達され、該基板14(34)から効率よく放熱されるようになる。
(実施例1)
本発明の熱電変換素子の製造方法により熱電変換素子を実際に作製した例について説明する。以下の手順で作製した。
(S31)シリコン基材21aを熱酸化することによりその表面に厚さ1μm程度のシリコン酸化膜(SiO2膜)21bを形成する。
(S32)シリコン酸化膜21b上に、エポキシ系樹脂のフォトレジスト(化薬マイクロケム社製、商品名SU−8シリーズ)をスピンコートし、プリベイクの後徐冷を行い、第1の感光性樹脂層22aを形成する。
(S33)つぎに、第1の感光性樹脂層22a上に、ノボラック系樹脂のフォトレジスト(AZエレクトロニックマテリアル社製、商品名AZ4400)を用いて第2の感光性樹脂層23aを塗布する。
(S34)ついで、第2の感光性樹脂層23aについて光学フィルターを入れて所定のパターニングでフォトリソグラフィ処理(露光、エッチング)を行い、所定パターンの開口部24aを有する第2の感光性樹脂層23bとする。
(S35)つぎに、光学フィルターを外して紫外線照射により、第1の感光性樹脂層21aのフォトリソグラフィ処理(露光、アルカリ現像)を行い、前記開口部24aに対応した細孔24bを有する第2の感光性樹脂層22bとする。ここでは、細孔24bのサイズは縦100μm×横100μm×深さ200μmで細孔24bの間隔(すなわち第1の感光性樹脂層22bの幅)は400μmとなっている(図7(a))。
本発明の熱電変換素子の製造方法により熱電変換素子を実際に作製した例について説明する。以下の手順で作製した。
(S31)シリコン基材21aを熱酸化することによりその表面に厚さ1μm程度のシリコン酸化膜(SiO2膜)21bを形成する。
(S32)シリコン酸化膜21b上に、エポキシ系樹脂のフォトレジスト(化薬マイクロケム社製、商品名SU−8シリーズ)をスピンコートし、プリベイクの後徐冷を行い、第1の感光性樹脂層22aを形成する。
(S33)つぎに、第1の感光性樹脂層22a上に、ノボラック系樹脂のフォトレジスト(AZエレクトロニックマテリアル社製、商品名AZ4400)を用いて第2の感光性樹脂層23aを塗布する。
(S34)ついで、第2の感光性樹脂層23aについて光学フィルターを入れて所定のパターニングでフォトリソグラフィ処理(露光、エッチング)を行い、所定パターンの開口部24aを有する第2の感光性樹脂層23bとする。
(S35)つぎに、光学フィルターを外して紫外線照射により、第1の感光性樹脂層21aのフォトリソグラフィ処理(露光、アルカリ現像)を行い、前記開口部24aに対応した細孔24bを有する第2の感光性樹脂層22bとする。ここでは、細孔24bのサイズは縦100μm×横100μm×深さ200μmで細孔24bの間隔(すなわち第1の感光性樹脂層22bの幅)は400μmとなっている(図7(a))。
(S36)ステップS35終了後の対象物を電気炉内にて無酸素雰囲気で加熱し、第1の感光性樹脂層22bを焼成してグラッシーカーボン層22cとする(図7(b))。このとき、第1の感光性樹脂層22bは収縮してグラッシーカーボン層22cとなっている。詳しくは、シリコン基材21a側のグラッシーカーボン層22c(グラッシーカーボン層22cの底部)は表面張力により収縮が極めて少なく、その幅は400μmのままであるが、その反対側(頂上部)ではその幅が80μmとなり、グラッシーカーボン層22cの厚さも40μmとなっている。またグラッシーカーボン層22cの中の細孔24b´としては、底部(シリコン基材21a側)が縦100μm×横100μmの矩形、上部が縦420μm×横420μmの矩形で深さが40μmとなっている。
(S37)ついでp型の熱電材料11aとしてBi2Te3の粉末金属を細孔24b´に充填し、その周りを不活性なBN粉末で囲い、さらにその周辺をパイレックス(登録商標)ガラス容器で覆い真空封止する。
(S38)つぎに、ステップS37終了後の対象物について、真空排気後に圧力0.98MPaで加圧された電気炉内で700〜800℃、1時間の加熱を行い、細孔24bに充填された熱電材料の焼成を行い、細孔24b´の形状に対応したp型熱電材料焼成体11bとする(図7(c))。その後、冷却し大気中に戻してパイレックス(登録商標)ガラス容器より焼成後の対象物を取り出す。
(S38)つぎに、ステップS37終了後の対象物について、真空排気後に圧力0.98MPaで加圧された電気炉内で700〜800℃、1時間の加熱を行い、細孔24bに充填された熱電材料の焼成を行い、細孔24b´の形状に対応したp型熱電材料焼成体11bとする(図7(c))。その後、冷却し大気中に戻してパイレックス(登録商標)ガラス容器より焼成後の対象物を取り出す。
(S39)ついでHFによりシリコン酸化膜21bを除去することで、シリコン酸化膜21b及びシリコン基材21aを取り去ってp型熱電材料焼成体11b及びグラッシーカーボン層22cからなるものとする(図8(d))。
(S3a)p型熱電材料焼成体11b及びグラッシーカーボン層22cからなるものについて厚み20μmとなるまで片面研磨を行い、つなぎ部11d及びエレメント部11cの一部を除去して頂上部寸法100×100μm、底部寸法260×260μm、高さ20μmのp型エレメント11とする。
(S3b)p型エレメント11の所定の場所に電極13を設ける。所定の場所とは後でn型エレメント12と組み合わせたときに隣接するp型エレメント11及びn型エレメント12の端部がお互いに接続されて直列回路が形成される場所である。ついで、電極13を設けた片面にAlNからなる基板14を貼り付ける(図8(e))。
(S3c)つぎに、ステップS3bの対象物について、酸化処理によりグラッシーカーボン層22cを除去して、p型エレメント11を露出させる(図8(f))。ここで、酸化処理をヤマト科学製PR500装置にて真空排気後、圧力が40Paとなるように酸素ガス導入量100 SCCMにて13.58MHzのRFパワーを500Wとして一時間処理した。この時、熱電材料BiTeSb系の酸化はSIMS(2次イオン質量スペクトル分析)の断面分析測定でも1μm以下と浅く熱電特性にはダメージは影響なく、カーボンだけが除去される。
(S3a)p型熱電材料焼成体11b及びグラッシーカーボン層22cからなるものについて厚み20μmとなるまで片面研磨を行い、つなぎ部11d及びエレメント部11cの一部を除去して頂上部寸法100×100μm、底部寸法260×260μm、高さ20μmのp型エレメント11とする。
(S3b)p型エレメント11の所定の場所に電極13を設ける。所定の場所とは後でn型エレメント12と組み合わせたときに隣接するp型エレメント11及びn型エレメント12の端部がお互いに接続されて直列回路が形成される場所である。ついで、電極13を設けた片面にAlNからなる基板14を貼り付ける(図8(e))。
(S3c)つぎに、ステップS3bの対象物について、酸化処理によりグラッシーカーボン層22cを除去して、p型エレメント11を露出させる(図8(f))。ここで、酸化処理をヤマト科学製PR500装置にて真空排気後、圧力が40Paとなるように酸素ガス導入量100 SCCMにて13.58MHzのRFパワーを500Wとして一時間処理した。この時、熱電材料BiTeSb系の酸化はSIMS(2次イオン質量スペクトル分析)の断面分析測定でも1μm以下と浅く熱電特性にはダメージは影響なく、カーボンだけが除去される。
(S3d)前記ステップS31〜S38及びS39〜S3cと同様の処理を行い、n型熱電半導体エレメント(n型エレメント)12及び電極13を形成した基板14を得る。なお、ステップS37においてはSb2Te3の粉末金属をn型の熱電材料12aとして用いる。
(S3e)前記までの工程で作製したp型エレメント11を形成した基板14と、n型エレメント12を形成した基板14とをお互いのエレメント11,12が向き合うように対向させ、それぞれのエレメント11,12を相手方のエレメント間の空隙に差し込み(p型エレメント11を、n型エレメント12間の空隙に差込み、n型エレメント12を、p型エレメント11間の空隙に差込み)、相手方の電極13と接合する。これにより、隣接するp型エレメント11及びn型エレメント12の端部が電極13を介してお互いに接続されて直列回路を形成する。これにより、熱電変換素子100´が完成する(図8(g))。
得られた熱電変換素子をペルチェ素子として評価したところ、4個のエレメント(p型エレメント11が2個、n型エレメント12が2個)相当で0.2Wの熱量の冷却が実現できた。
11,31…p型エレメント、12,32…n型エレメント、13,33…電極、14,34…基板、11a,12a,31a,32a…熱電材料、11b…p型熱電材料焼成体、12b…n型熱電材料焼成体、11c,12c…エレメント部、11d,12d…つなぎ部、15,35…リード線、18,38…発熱体、21a,41a…シリコン基材、21b,41b…シリコン酸化膜、22a,22b…第1の感光性樹脂層、22c,42c…グラッシーカーボン層、23a,23b…第2の感光性樹脂層、24a…開口部、24b,24b´,44…細孔、42a,42b…感光性樹脂層、100,100´,300…熱電変換素子
Claims (2)
- 複数のp型エレメント及びn型エレメントが基板主面上に配置され、隣接するp型エレメント及びn型エレメントの端部がお互いに接続されて直列回路を形成する熱電変換素子の製造方法において、
基材上に形成された感光性樹脂層に対してパターニング露光及び現像を行って、前記感光性樹脂層に所定パターンで配列された細孔を形成する工程と、
無酸素雰囲気での加熱により前記感光性樹脂層を焼成してグラッシーカーボン層とする工程と、
前記グラッシーカーボン層の細孔にp型またはn型の熱電材料を充填した後に焼成して前記p型エレメントとなる焼成体またはn型エレメントとなる焼成体を形成する工程と、
前記グラッシーカーボン層を酸化処理により除去して前記焼成体を露出させる工程と、
を備えることを特徴とする熱電変換素子の製造方法。 - 複数のp型エレメント及びn型エレメントが基板主面上に配置され、隣接するp型エレメント及びn型エレメントの端部がお互いに接続されて直列回路を形成する熱電変換素子において、
前記p型エレメントまたはn型エレメントは、基材上に形成された感光性樹脂層に対してパターニング露光及び現像を行って、前記感光性樹脂層に所定パターンで配列された細孔を形成する工程と、無酸素雰囲気での加熱により前記感光性樹脂層を焼成してグラッシーカーボン層とする工程と、前記グラッシーカーボン層の細孔にp型またはn型の熱電材料を充填した後に焼成して前記p型エレメントとなる焼成体またはn型エレメントとなる焼成体を形成する工程と、前記グラッシーカーボン層を酸化処理により除去して前記焼成体を露出させる工程と、を備える熱電変換素子の製造方法により製造されてなることを特徴とする熱電変換素子。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009041330A1 (ja) | 2007-09-26 | 2009-04-02 | Sharp Kabushiki Kaisha | 太陽電池、集光型太陽光発電モジュール、集光型太陽光発電ユニット、および太陽電池製造方法 |
WO2012056541A1 (ja) * | 2010-10-28 | 2012-05-03 | 富士通株式会社 | 熱電変換モジュール及びその製造方法 |
WO2017017757A1 (ja) * | 2015-07-27 | 2017-02-02 | 株式会社日立製作所 | 熱電変換モジュールおよびその製造方法 |
JP2017050400A (ja) * | 2015-09-02 | 2017-03-09 | 学校法人神奈川大学 | フレキシブル熱電変換部材の作製方法 |
-
2006
- 2006-07-05 JP JP2006185364A patent/JP2008016592A/ja active Pending
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