JP2008205181A - 熱電モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】 薄膜の熱電材料を用いて容易にモジュール化することができる熱電モジュールを提供すること。
【解決手段】 熱電モジュール1は、N型熱電薄膜層3、絶縁薄膜層5、P型熱電薄膜層7が順次積層されるとともに、N型熱電薄膜層3とP型熱電薄膜7とが、電極薄膜層9により直列に接続されたものである。詳しくは、N型熱電薄膜層3、絶縁薄膜層5、P型熱電薄膜層7、電極薄膜層9は、気相成長プロセスによって作製された導電薄膜であり、N型熱電薄膜層3とP型熱電薄膜層7とは、その側端部にて電極薄膜層9により電気的に接続されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、熱電材料のゼーベック効果を利用したものとして、例えば外気と体温など小さな温度差による発電、自動車の排熱を利用した発電、その他、焼却炉や暖房器具、家庭排熱を利用した発電に利用できる熱電モジュールに関するものである。また、熱電材料のペルチェ効果を利用したものとして、例えばCPUの冷却。レーザ媒質の冷却等、局所的な冷却・温度制御に利用できる熱電モジュールに関するものである。更に、その他、微小な温度変化を検知する温度センサとして、高感度な温度センサ、光センサ、ガスセンサに利用できる熱電モジュールに関するものである。
従来より、熱電材料の性能は、一般に性能指数ZTを用いて表されている。この熱電材料が広く実用化されるためには、ZT>2が必要であるといわれているが、代表的な熱電材料であるBiTe系熱電材料でもZTは1程度であり、更なる性能の向上を求め、様々な材料で研究がなされてきた。
その中で、ある量子井戸熱電材料(超格子熱電材料)においては、バルクの熱電材料に比べ著しく大きなZT=2.4が報告されている(非特許文献1参照)。この量子井戸熱電材料とは、エネルギーギャップの異なる2種の材料を、薄膜的手法により基板上に数〜数10nmの厚みで交互に積層させることにより形成されるものである。
しかしながら、この量子井戸熱電材料は熱電素子が薄膜となるため、モジュール化するのが困難であり、それに伴う各種の問題がある。具体的には、量子井戸熱電材料は基板上に形成される薄膜であるため、モジュール内における熱電材料の体積分率は小さく、モジュールとしての熱電変換効率は低くなる。また、熱電材料の体積分率を大きくするには、薄膜の量子井戸熱電材料を多数積層させて大きな体積にするか、又は極力厚みの小さい基板を用いるようにして、基板に対する量子井戸熱電材料の体積分率を大きくする必要があるが、工業的にそれを実現することは容易なことではない。更に、量子井戸熱電材料の高効率な発電特性を引き出すためには、層状に積層された薄膜の面内方向に電流が流れるようにし、断面において電気的接触を持つ電極を形成し、出力を取り出す必要があるので、出力の取り出し方法にも工夫がいる。
この薄膜を如何にしてモジュール化するかという課題に対して、量子井戸熱電材料を用い、熱電発電モジュールを作製する方法が提案されている(特許文献1、2参照)。なお、その他、一部に薄膜を用いた熱電モジュールの作製方法も提案されている(特許文献3、4、5参照)。
VENKATASUBRAMANIAN R (Research Triangle Institute) "Thin-film thermoelectric devices with high room-temperature figures of merit." Nature,Vol.413,Oct.11.2001 WO 00/30185 WO 2005/098970 特開平9−107130 特開平11−121815 特開2004−281298
上述した特許文献1の技術では、長い帯状の基板(カプトンフィルム)の第1、第2の表面に、それぞれP型とN型の量子井戸熱電材料を不連続に形成し、基板側面を介してP型とN型を直列に接続し、これをロール状に巻くことにより熱電モジュールとしている。
しかしながら、この方法は、基板に対する量子井戸熱電材料の体積率は小さいという問題がある。またP型とN型の熱電材料の接続を行う際、直列に接続するために、基板側面に導電材料を形成する必要があり、作業性が悪く作製が困難である。更にロール状に巻く際、量子井戸熱電材料及び電極に歪みの力が加わるため、断線などの不良の原因となる。
また、特許文献2の技術では、何層もの量子井戸熱電材料をバルクの熱電材料と同等の大きさまで積層させ、これを一つの素子として用いている。
この方法は、バルク素子と同等に扱うことができ、作業性も良好である。しかしながら、バルク素子と同様に、素子を並べ電気的に接続するという工程を含むため、(個々の素子を精度よく同じ大きさに切り出す必要があり、切りしろの分だけ素子のコストが高くなり)、この素子を用いて構成されたモジュールも非常に高価なものとなるという問題がある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、薄膜の熱電材料を用いて容易にモジュール化することができる熱電モジュールを提供することである。
(1)請求項1の発明は、P型及びN型の熱電素子を直列に接続することにより形成される熱電モジュールにおいて、気相成長プロセスによって作製された少なくとも一対のP型の熱電材料からなる熱電薄膜層(P型熱電薄膜層)及びN型の熱電材料からなる熱電薄膜層(N型熱電薄膜層)と、前記P型及びN型の熱電薄膜層を、電気的に絶縁する絶縁薄膜層と、前記絶縁薄膜層を介して隣接する1対のP型及びN型の熱電薄膜層の側端部に接触し、前記1対のP型及びN型の熱電薄膜層を、電気的に接続する電極薄膜層と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、P型熱電薄膜層と、N型熱電薄膜層と、(両熱電薄膜層を絶縁する)絶縁薄膜層と、(両熱電薄膜層を直列に接続する)電極薄膜層を、例えば同一薄膜製膜装置内で真空チャンバーから取り出すことなく、連続的に成膜することができ、それにより、製造プロセスの簡略化と時間の短縮が実現できる。
つまり、本発明によれば、従来の様な、P型熱電素子とN型熱電素子をモジュール内に配置して相互を電気的に接続するという工程が不要なため、P型熱電素子とN型熱電素子を直列に接続した構造を簡便かつ確実に作製することができる。また、工程を全て薄膜成膜装置内で行うことができるため、表面酸化膜や汚れを除去する工程を省略することができる。
また、従来の熱電モジュールは、薄膜を形成する基板を絶縁層とし、この基板を含めて熱電モジュールが形成されていたが、本発明では、基板を製造後に除去することができるので、熱電モジュール内の熱電材料の体積分率を高めることができる。
更に、本発明では、P型とN型の熱電材料を、薄膜のまま電気的に直列に接続できるため、小さい体積であってもターン数を多くとることができる。そのため、より小さい体積、小さい温度差で、より大きな電圧を発生する熱電モジュールが得られる。これらを直列や並列に接続することにより、出力や形状に対して設計の自由度が向上する。しかも、この熱電モジュールの作製には、全て薄膜手法を使用できるため、従来では成し得なかった微小なモジュールの作製が可能となる。
なお、本発明において、薄膜とは気相成長プロセスによって作製される膜である。ここでは、気相成長プロセスであれば特に制限はなく、材料に応じて適宜任意に選ぶことができる。
(2)請求項2の発明では、前記絶縁薄膜層は、気相成長プロセスによって作製された薄膜層であることを特徴とする。
本発明では、絶縁薄膜層は、気相成長プロセスによって作製されるので、熱電モジュールの製造プロセスを簡易化できる。
(3)請求項3の発明では、前記電極薄膜層は、気相成長プロセスによって作製された薄膜層であることを特徴とする。
本発明では、電極薄膜層は、気相成長プロセスによって作製されるので、熱電モジュールの製造プロセスを簡易化できる。
(4)請求項4の発明では、前記P型及びN型の熱電薄膜層が、量子井戸熱電材料薄膜からなることを特徴とする。
本発明は、P型及びN型の熱電薄膜層の構成を例示したものである。例えばバンドギャップが異なる量子井戸熱電材料薄膜であるP(リン)ドープSi薄膜とノンドープSiGe薄膜とを交互に積層することにより、N型熱電薄膜層を形成できる。また、バンドギャップが異なる量子井戸熱電材料薄膜であるノンドープSi薄膜とB(ボロン)ドープSiGe薄膜とを交互に積層することによりP型熱電薄膜層を形成できる。
(5)請求項5の発明では、前記P型の熱電薄膜層と、前記N型の熱電薄膜層と、前記両熱電薄膜層を絶縁する絶縁薄膜層と、前記両熱電薄膜層を電気的に接続する電極薄膜層とからなる単位薄膜層を、他の絶縁薄膜層を介して、その厚み方向に複数積層するとともに、隣り合う単位薄膜層のP型の熱電薄膜層とN型の熱電薄膜層とを、他の電極薄膜層により電気的に接続したことを特徴とする。
本発明では、単位薄膜層を積層して直列接続することにより、小さな熱電モジュールであっても高い電圧を得ることができる。
(6)請求項6の発明では、前記積層方向の外側に、外側絶縁層を備えたことを特徴とする。
これにより、熱電モジュールの積層方向における絶縁性を高め、外部とのショートを防止できる。この外側絶縁層は積層方向の両側に形成することが望ましい。なお、外側絶縁層は、上述した絶縁薄膜層と同様にして形成できる。
(7)請求項7の発明では、前記外側絶縁層に外部との電気的接続を可能とする開口部又は切欠を形成したことを特徴とする。
本発明では、外側絶縁層に開口部や切欠が設けてあるので、この開口部分を介してP型熱電薄膜層又はN型熱電薄膜層と外部との電気的接続が可能である。
なお、上述した熱電モジュールを製造する場合には、真空チャンバー内で、熱電薄膜層、絶縁薄膜層、電極薄膜層を、連続的に形成する方法が好ましい。
この場合には、真空チャンバー内に、薄膜材料と、成膜順序に応じた形の複数のメタルマスクを予め用意し、成膜毎に適切な形状のメタルマスクを使用することにより、基板を部分的に被覆することによって、それぞれの層が所望の2次元的形状に成膜することができる。
また、本発明の熱電モジュールは、例えば基板上に形成することが望ましいが、モジュール全体の熱電性能が基板の影響を受けることを避けるため、熱電薄膜層、絶縁薄膜層、電極薄膜層を形成するプロセスの後に、基板を除去することが望ましい。具体的なプロセスとしては、一連の成膜プロセスが終了した後に、基板もしくは基板上に予め設けられた(例えば金等からなる)犠牲層をエッチングして、熱電モジュールを分離することが考えられる。
次に、本発明の最良の形態の例(実施例)について説明する。
a)まず、本実施例の熱電モジュールについて説明する。
図1及びそのA−A断面図である図2に示す様に、本実施例の熱電モジュール1は、N型熱電薄膜層3、絶縁薄膜層5、P型熱電薄膜層7が順次積層されるとともに、N型熱電薄膜層3とP型熱電薄膜7とが、電極薄膜層9により直列に接続されたものである。
詳しくは、N型熱電薄膜層3、絶縁薄膜層5、P型熱電薄膜層7、電極薄膜層9は、気相成長プロセス(詳しくはスパッタ)によって作製された薄膜であり、N型熱電薄膜層3とP型熱電薄膜層7とは絶縁薄膜層5により絶縁されるとともに、N型熱電薄膜層3とP型熱電薄膜層7とは、その側端部にて電極薄膜層9により電気的に接続されている。
また、前記N型熱電薄膜層3、絶縁薄膜層5、P型熱電薄膜層7、電極薄膜層9により単位薄膜層11が構成されている。そして、この単位薄膜層11が、他の絶縁薄膜層5を介して、その厚み方向に複数積層されるとともに、隣り合う単位薄膜層11のN型熱電薄膜層3とP型熱電薄膜層7とが、他の電極薄膜層9によって電気的に接続されている。更に、前記積層方向の両側には、(絶縁薄膜層5と同様な)外側絶縁層15、17が形成されている。
これらは、気相成長プロセスによって連続的に形成されて積層構造(熱電積層体13)となっており、その熱電積層体13の側方向(即ち積層方向と垂直方向)に、SiO2からなる絶縁性の保護層19が形成されて、熱電モジュール1が構成されている。
このうち、前記N型熱電薄膜層3とP型熱電薄膜層7は、量子井戸薄膜を積層したものである。詳しくは、N型熱電薄膜層3は、バンドギャップが異なるP(リン)ドープSi層4AとノンドープSiGe層4B(図3(e)参照)とが積層されたものであり、P型熱電薄膜層7は、バンドギャップが異なるノンドープSi層8AとB(ボロン)ドープSiGe層8B(図4(d)参照)とが積層されたものである。
また、前記絶縁薄膜層5の一端は、電極薄膜層9の積層方向の表面を覆って、隣り合う電極薄膜層9間を絶縁している。つまり、一つの絶縁薄膜層5は、図2の左右方向の一方の電極薄膜層9において、その上下方向の一方の表面を覆うように形成されている。これにより、積層配置された多数の電極薄膜層9同士が短絡することがないように絶縁されている。
更に、熱電モジュール1は、電極薄膜層9のうち、積層方向の両端に露出する電極取出部10A、10Bを介して外部に電気的に接続されるように構成されている。つまり、外側絶縁層15、17には、熱電モジュール1の側端部に沿って短冊形の切欠15A、17A(即ち電極取出部10A、10Bが露出する部分)が設けられており、この切欠15A、17Aを介して、N型熱電薄膜層3又はP型熱電薄膜層7と外部との電気的接続が可能となっている。
b)次に、本実施例の熱電モジュール1の製造方法を、順次説明する。
本実施例では、以下に詳述する様に、スパッタによる成膜により熱電モジュール1を製造した。成膜の際には、材料や積層構造における順序に応じた形状のメタルマスクを基板上に置くことにより、各種薄膜層を所定の形状に形成する。メタルマスクの交換は全て真空チャンバー内で行われ、成膜が終了するまで外気に触れることなく熱電モジュール1が形成される。
なお、本実施例ではメタルマスクの材質として、SUS304を用いたが、これに限るものではなく、目的の成膜条件や形状に合わせ、耐熱性、加工性を考慮し、選定すればよい。また、メタルマスクのサイズ及び形状は任意であり、熱電モジュール1を構成する熱電材料や絶縁材料、電極材料の抵抗率、熱伝導率、及び熱電モジュール1の用途等を考慮し最適化される。
以下の説明では、基板上に1つの熱電モジュール1を作製する例について説明したが、実際には貫通穴を複数有するメタルマスクを用いることで、1度のプロセスで複数個の熱電モジュール1を形成することができる。以下、詳細に説明する。
(1)まず、図3(a)に示す様に、Siからなる基板21上に、スパッタにより犠牲層23を形成する。この犠牲層23は、後に説明する工程で基板21を剥離する際に除去されるものである。本実施例では、犠牲層23は、厚さ0.1μmのAuからなる薄膜である。
なお、本実施例では、基板21にはSi基板を用いたが、基板21はこれに限られるものではなく、表面が平滑であり、後の成膜プロセスにおいて変形や破壊などの不具合を起こすもので無ければよい。
(2)次に、図3(b)に示す様に、基板21上にメタルマスク25(図10(a)参照)を設置し、スパッタにより、図3(c)に示す様に、所定の形状に絶縁薄膜層5(詳しくは第1の絶縁薄膜層5A)を形成する。
この絶縁薄膜層5は、熱伝導率が低く、各熱電薄膜層3、7と熱膨張係数の差異が小さいものが望ましい。また、絶縁薄膜層5の厚みは、積層される各熱電薄膜層3、7や電極薄膜層9に対して電気的に絶縁性を保つことが出来る厚みであれば任意であるが、熱電モジュール1中の熱電材料の体積率を大きくする為には、極力薄いことが望ましい。本実施例では、絶縁薄膜層5として、厚さ1μmのSiO2層を設けた。
(3)次に、図3(d)に示す様に、基板21上にメタルマスク27(図9参照)を設置し、第1の絶縁薄膜層5A上に、スパッタにより、図3(e)に示す様に、所定の形状にP型もしくはN型の第1の熱電薄膜層を形成する。
本実施例では第1の熱電薄膜層として、N型熱電薄膜層3(詳しくは第1のN型熱電薄膜層3A)を形成する。このN型熱電薄膜層3は、スパッタにより、P(リン)ドープSi層4A及びノンドープSiGe層4Bを、10nmの厚みで交互に多数積層させることにより作製したN型Si/SiGe量子井戸熱電材料からなる薄膜層である。なお、この積層数は各50層とし、N型熱電薄膜層3全体の厚みを1μmとした。
ここで、N型熱電薄膜層3の熱電材料としては、特に限定は無く、薄膜で形成できるものであればよく、その厚みも特性に応じて任意に変えることができる。
(4)次に、図4(a)に示す様に、基板21上にメタルマスク29(図11(a)参照)を設置し、スパッタにより、図4(b)に示す様に、第1のN型熱電薄膜層3Aの横方向の端面に接触するように電極薄膜層9(詳しくは第1の電極薄膜層9A)を形成する。この第1の電極薄膜層9Aは、熱電材料に対してオーミック接触を得られるものが望ましい。本実施例では、第1の電極薄膜層9Aは、Ptからなる厚さ2μmの薄膜層である。
(5)次に、図示しないが、基板21上にメタルマスク31(図10(b)参照)を設置し、スパッタにより、図4(c)に示す様に、第1のN型熱電薄膜層3A及び第1の電極薄膜層9Aの上に、即ち、両層3A、9Aの上方の表面を覆うように、第2の絶縁薄膜層5Bを形成する。
(6)次に、図示しないが、基板21上にメタルマスク27(図9参照)を設置し、スパッタにより、図4(d)に示す様に、N型もしくはP型の第2の熱電薄膜層を形成する。
本実施例では第2の熱電薄膜層として、P型熱電薄膜層7(詳しくは第1のP型熱電薄膜層7A)を形成する。すなわち、スパッタにより、ノンドープSi層8A及びBドープSiGe層8Bを、10nmの厚みで交互に多数積層させることにより作製したP型Si/SiGe量子井戸熱電材料からなる薄膜層を形成する。なお、積層数は各50層とし、第1のP型熱電薄膜層7A全体の厚みを1μmとした。
ここで、絶縁薄膜層5を介して同図の上側に積層する熱電薄膜層としては、下側の熱電薄膜層がN型であればP型、P型であればN型の熱電材料を用い、薄膜で形成できるものであればよく、その厚みも特性に応じて任意に変えることができる。
(7)次に、図示しないが、基板21上にメタルマスク33(図11(b)参照)を設置し、スパッタにより、図5(a)に示す様に、第2の電極薄膜層9Bを第1のN型熱電薄膜層3A及び第1のP型熱電薄膜層7Aの端面に接触するように形成する。
ここまでの工程を、図5(b)及び図5(c)に示す様に繰り返し行うことにより、図6(a)に示すような熱電積層体13が形成される。
ここでは、最後に設けられる絶縁薄膜層5の上には、N型又はP型熱電薄膜層3、7を備えておらず、熱電モジュール1の積層方向両側には、絶縁薄膜層5(即ち外側絶縁層15、17)が設けられ、その外側絶縁層15、17の一部が切欠かれて電極薄膜層9の上下面側(従って電極取出部10A、10B)が露出した形状となっている。
ここで、マスクの位置合わせ精度が不十分な場合、熱電薄膜層3、7の端面と電極薄膜層9の間で確実に電気的接触を得るためには、熱電薄膜層3、7と電極薄膜層9の端部を部分的に重ねて成膜する必要がある。この時、重なり部の膜厚が積層していくことにより厚くなって段差となり、この段差のために、積層膜の破断などの不具合が懸念されるが、実際には薄膜の端部は中央部に比べ薄くなるため、さほど問題にはならない。
また、スパッタの場合、電極薄膜層9として絶縁薄膜層5や熱電薄膜層3、7に比べエッチングされ易いものを用いれば、メタルマスク27を用いて熱電薄膜層3、7の領域のみに対して低エネルギーのエッチング行うことにより、電極の重なり部を準選択的にエッチングし段差を平滑化することができる。
(8)次に、図6(b)に示す様に、電極取出部10A、10B以外の露出した電極薄膜層9による短絡を防止するため、熱電積層体13の積層方向と垂直の側面に、絶縁性の保護層19を形成する。
具体的には、フォトリソグラフィーにより熱電積層体13側面以外の部分を被覆した後、基板21をTEOS(テトラエチルオルトシリケート)にディップし、厚さ100nmのSiO2からなる保護層19を形成した。
ここで、マスクの位置合わせ精度が悪く、既に短絡している場合は、保護層19の形成の前に、熱電積層体13の端面をエッチングしたり削ったりして短絡を解消してから保護層19を形成する。
この保護層19の形成は、次の基板21の除去後に行っても良い。若しくは、各絶縁薄膜層5が熱電積層体13の外側に突き出すように形成しても良い。このように絶縁薄膜層5を形成すれば、短絡の懸念はなく、同時に保護層19ともなりうる。但しこの場合、図7のように、熱電モジュール1側面が傾斜した形となる。
(9)次に、図6(c)に示す様に、基板21を除去する。この除去方法としては、基板21として、酸・アルカリなどの溶媒に溶解しやすいものを用いたり、基板21と第1の絶縁薄膜層5Aの間に犠牲層23を設け、犠牲層23を熱や溶媒で除去することにより行うことができる。
本実施例では、先に述べたように厚さ0.1μmのAuを犠牲層23として設けたが、これに限るものではない。AuはPtよりも酸に対する溶解性が高いため、前記保護層19を形成した後に、王水に浸漬することで、Au犠牲層23が先に溶解し、これを引き上げ純水で洗浄することにより基板21の除去が行われる。
以上の方法により、前記図1及び図2に示されるようなP型とN型の熱電材料が電気的に直列に接続された熱電モジュール1を、薄膜の積層のみにより得ることができる。
なお、電極取出部10A、10Bは、最下層と最上層の絶縁薄膜層5の形成に用いるメタルマスクの形状により任意に変更することができるが、本実施例では他の絶縁薄膜層5と同じ形状にした。
また、基板21は必ずしも除去する必要は無く、例えばSi基板上に形成された集積回路の発熱部近傍に、この熱電モジュール1を形成し、冷却を行うこともできる。この様に、基板21を除去しないで用いる場合、図8に示す様に、(最下層の電極薄膜層9である)第1の電極薄膜層9Aは外にはみ出す形で形成し、電極取出部10Bとすることができる。
更に、本実施例では、熱電モジュール1の電極取出部10A、10Bは、熱電モジュール1の同じ側(図8の左側)に形成されているが、熱電薄膜層3、7の積層数を奇数とすることにより、電極取出部を反対側に形成(例えば図8の左右に分けて形成)することも可能である。
c)次に、本実施例の熱電モジュール1の使用方法を説明する。
図12に示す様に、ここでは、熱電モジュール1を4個使用し、それぞれの熱電モジュール1を、吸熱板41、放熱板43で挟み、外部負荷45に対して直列に接続している。
なお、使用温度や外部負荷など目的に応じて、熱電モジュール1の数や直列/並列の接続方法を任意に変えることができる。
d)この様に、本実施例によれば、N型熱電薄膜層3、P型熱電薄膜層7、(両熱電薄膜層3、7を絶縁する)絶縁薄膜層5、(両熱電薄膜層3、5を直列に接続する)電極薄膜層9を、同一薄膜製膜装置内で真空チャンバーから取り出すことなく、連続的に成膜することができ、それにより、製造プロセスの簡略化と時間の短縮が実現できる。また、工程を全て薄膜成膜装置内で行うことができるため、表面酸化膜や汚れを除去する工程を必要としない。
更に、本実施例では、基板21を製造後に除去することができるので、熱電モジュール1内の熱電材料の体積分率を高めることができる。
その上、本実施例では、P型とN型の熱電材料を、薄膜のまま電気的に直列に接続できるため、小さい体積であってもターン数を多くとることができる。そのため、より小さい体積、小さい温度差で、より大きな電圧を発生する熱電モジュールが得られる。これらを直列、並列に接続することにより、出力や形状に対して設計の自由度が向上する。しかも、この熱電モジュールの作製には、全て薄膜手法が用いられるため、従来では成し得なかった微小なモジュールの作製が可能となる。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
熱電モジュールの斜視図である。 熱電モジュールの図1におけるA−A断面図である。 熱電モジュールの製造工程の一部を示す説明図である。 熱電モジュールの製造工程の一部を示す説明図である。 熱電モジュールの製造工程の一部を示す説明図である。 熱電モジュールの製造工程の一部を示す説明図である。 熱電モジュールの他の構成を示す説明図である。 熱電モジュールの更に他の構成を示す説明図である。 熱電モジュールの製造に用いるメタルマスクの平面及び開口部を含む横断面を示す説明図である。 熱電モジュールの製造に用いる他のメタルマスクの平面及び開口部を含む横断面を示す説明図である。 熱電モジュールの製造に用いる更に他のメタルマスクの平面及び開口部を含む横断面を示す説明図である。 熱電モジュールの使用状態を示す説明図である。
符号の説明
1…熱電モジュール
3、3A…N型熱電薄膜層
5、5A…絶縁薄膜層
7、7A…P型熱電薄膜層
9、9A、9B…電極薄膜層
10A、10B…電極取出部
11…単位薄膜層
13…熱電積層体
15、17…外側絶縁層
19…保護層

Claims (7)

  1. P型及びN型の熱電素子を直列に接続することにより形成される熱電モジュールにおいて、
    気相成長プロセスによって作製された少なくとも一対のP型の熱電材料からなる熱電薄膜層及びN型の熱電材料からなる熱電薄膜層と、
    前記P型及びN型の熱電薄膜層を、電気的に絶縁する絶縁薄膜層と、
    前記絶縁薄膜層を介して隣接する1対のP型及びN型の熱電薄膜層の側端部に接触し、前記1対のP型及びN型の熱電薄膜層を、電気的に接続する電極薄膜層と、
    を備えたことを特徴とする熱電モジュール。
  2. 前記絶縁薄膜層は、気相成長プロセスによって作製された薄膜層であることを特徴とする請求項1に記載の熱電モジュール。
  3. 前記電極薄膜層は、気相成長プロセスによって作製された薄膜層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱電モジュール。
  4. 前記P型及びN型の熱電薄膜層が、量子井戸熱電材料薄膜からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱電モジュール。
  5. 前記P型の熱電薄膜層と、前記N型の熱電薄膜層と、前記両熱電薄膜層を絶縁する絶縁薄膜層と、前記両熱電薄膜層を電気的に接続する電極薄膜層とからなる単位薄膜層を、他の絶縁薄膜層を介して、その厚み方向に複数積層するとともに、隣り合う単位薄膜層のP型の熱電薄膜層とN型の熱電薄膜層とを、他の電極薄膜層により電気的に接続したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱電モジュール。
  6. 前記積層方向の外側に、外側絶縁層を備えたことを特徴とする請求項5に記載の熱電モジュール。
  7. 前記外側絶縁層に外部との電気的接続を可能とする開口部又は切欠を形成したことを特徴とする請求項6記載の熱電モジュール。
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