以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1実施形態)
図1(a)、図1(b)、及び、図2(a)〜図2(d)は、第1実施形態に係る熱電変換装置を例示する模式図である。
図1(a)及び図1(b)は、斜視図である。図1(a)において、一部の要素が省略されている。図2(a)は、図2(b)のD1−D2線断面図である。図2(b)は、図1(a)、図1(b)及び図2(a)のA1−A2線断面図である。図2(c)は、図1(a)、図1(b)及び図2(a)のB1−B2線断面図である。図2(d)は、図1(a)、図1(b)及び図2(a)のC1−C2線断面図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係る熱電変換装置110は、第1積層体S01、第2積層体S02及び第1接続部31を含む。
第1積層体S01は、複数の第1半導体層11を含む。複数の第1半導体層11は、第1方向に並ぶ。
第1方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。
複数の第1半導体層11は、第1方向(Z軸方向)において、互いに離れる。複数の第1半導体層11は、第1導電形である。
第1積層体S01は、複数の第1孔HZ1を有する。複数の第1孔HZ1は、複数の第1半導体層11の中を第1方向に延びる。複数の第1孔HZ1は、第1積層体S01の中を第1方向に延びる。
第1積層体S01から第2積層体S02に向かう方向は、第1方向と交差する。この例では、第1積層体S01から第2積層体S02に向かう方向は、X軸方向に沿う。例えば、第1積層体S01から第2積層体S02に向かう方向は、X軸方向に対して実質的に平行である。第2積層体S02は、複数の第2半導体層12を含む。複数の第2半導体層12は、第1方向において互いに離れる。複数の第2半導体層12は、第2導電形である。
第2積層体S02は、複数の第2孔HZ2を有する。複数の第2孔HZ2は、複数の第2半導体層12の中を第1方向に延びる。複数の第2孔HZ2は、第2積層体S02の中を第1方向に延びる。
第1接続部31は、複数の第1半導体層11の少なくとも1つと、複数の第2半導体層12の少なくとも1つと、を電気的に接続する。この例では、第1接続部31は、複数の第1半導体層11を互いに接続し、複数の第2半導体層12を互いに接続する。
例えば、第1導電形はn形であり、第2導電形はp形である。実施形態において、第1導電形がp形であり、第2導電形がn形でも良い。以下の説明では、第1導電形がn形であり、第2導電形がp形である。
複数の半導体層(複数の第1半導体層11及び複数の第2半導体層12)は、例えば、シリコンを含む。複数の半導体層は、例えば、ポリシリコンを含む。複数の半導体層は、例えば、ゲルマニウムを含んでも良い。複数の半導体層は、Bi及びTeを含んでも良い。
この例では、基体50sが設けられている。複数の積層体(第1積層体S01及び第2積層体S02)は、基体50sの面50aの上に設けられている。上記の第1方向(Z軸方向)は、面50aと交差する。例えば、第1方向は、面50aに対して実質的に垂直である。基体50sは、例えば、ガラス、金属及びセラミックスの少なくともいずれかを含んでも良い。
この例では、絶縁層51及び絶縁部LP0が設けられている。基体50sと複数の積層体との間に絶縁層51が設けられる。絶縁層51は、例えば、基体50sと複数の積層体とを電気的に絶縁する。絶縁部LP0は、複数の積層体の少なくとも一部を囲む。
基体50sは、例えば、基板(例えばシリコン基板など)である。基体50sは、例えば、半導体基板の少なくとも一部を含んでも良い。絶縁層51及び絶縁部LP0は、酸化シリコンなどを含む。
図1(b)に示すように、第1積層体S01は、例えば、第1部分S01a及び第2部分S01bを有する。第1部分S01aは、第1接続部31の側の部分である。第2部分S01bは、第1部分S01aとは反対の側の部分である。第2積層体S02は、例えば、第3部分S02c及び第4部分S02dを有する。第3部分S02cは、第1接続部31の側の部分である。第4部分S02dは、第3部分S02cとは反対の側の部分である。以下に説明するように、これらの部分の間に温度差が設けられる。
例えば、熱電変換装置110を、熱源に、接触または近接させる。これにより、例えば、第1部分S01aと第2部分S01bとの間に、温度差が生じる。同様に、第3部分S02cと第4部分S02dとの間にも、温度差が生じる。例えば、第1部分S01a及び第3部分S02cのそれぞれの温度は、第2部分S01b及び第4部分S02dのそれぞれの温度よりも高い。
このような構成において、高温部分と低温部分との間に電流が流れる。これは、例えば、ゼーベック効果に基づく。例えば、熱電変換装置110に負荷を接続すると、この電流が取り出される。このように、熱電変換装置110において、熱が電力に変換できる。熱電変換装置110において、例えば温度差が電力に変換される。
実施形態においては、第1積層体S01において、複数の第1半導体層11が積層され、第2積層体S02において、複数の第2半導体層12が積層される。これにより、単位面積当たりで取り出される電流(電力)が大きい。
さらに、第1積層体S01において、複数の第1孔HZ1が設けられ、第2積層体S02において、複数の第2孔HZ2が設けられる。
図2(b)及び図2(c)に示すように、複数の第1孔HZ1のそれぞれは、第1積層体S01の中を第1方向(Z軸方向)に沿って延びる。例えば、複数の第1孔HZ1の1つに着目すると、複数の第1半導体層11の1つにおけるその孔の位置(X−Y平面内の位置)は、複数の第1半導体層11の別の1つにおけるその孔の位置と、実質的に同じである。このように複数の第1孔HZ1の1つは、複数の第1半導体層11において繋がっている。
図2(b)及び図2(d)に示すように、複数の第2孔HZ2のそれぞれは、第2積層体S02の中を第1方向(Z軸方向)に沿って延びる。複数の第2孔HZ2の1つは、複数の第2半導体層12において繋がっている。
このように、実施形態においては、第1方向に延びる複数の孔が設けられている。これにより、例えば、複数の半導体層のそれぞれにおいて、高温部分と低温部分とを結ぶ方向における実効的な熱抵抗を高くできる。例えば、熱伝導に起因した温度差の縮小が抑制できる。大きな温度差を維持し易い。熱(例えば温度差)から電力への変換において、高い効率が得られる。
既に説明したように、実施形態においては、複数の孔のそれぞれは、積層体中においてZ軸方向(積層方向)に繋がっている。例えば、孔の個数または孔のピッチは、複数の半導体層において同じになる。このため、例えば、複数の半導体層の間において、熱電特性のばらつきが抑制される。複数の孔のそれぞれが積層方向に繋がっていることにより、例えば、基体50sに凹部または空洞が設けられた構造(後述)を製造可能になり、出力を向上し易くなる。
熱電素子を積層させた構造を取ることで集積化することが可能となり、単位面積当たりで得られる電力(電流及び電圧の少なくともいずれか)を増大できる。大きな温度差を維持し易く、高い熱電変換効率が得られる。実施形態によれば、単位面積当たりの出力を向上できる熱電変換装置が提供できる。
この例では、熱電変換装置110には、第3積層体S03、第4積層体S04、第2接続部32及び第3接続部33が設けられている。
この例では、第2積層体S02から第3積層体S03に向かう方向は、X軸方向に沿う。第3積層体S03は、複数の第3半導体層13を含む。複数の第3半導体層13は、第1導電形である。第3積層体S03は、複数の第3孔HZ3を有する。複数の第3孔HZ3は、複数の第3半導体層13の中を第1方向に延びる。複数の第3孔HZ3は、第3積層体S03の中を第1方向に延びる。
第3積層体S03から第4積層体S04に向かう方向は、第1方向(Z軸方向)と交差する。この例では、第3積層体S03から第4積層体S04に向かう方向は、X軸方向に沿う。第4積層体S04は、複数の第4半導体層14を含む。複数の第4半導体層14は、第2導電形である。第4積層体S04は、複数の第4孔HZ4を有する。複数の第4孔HZ4は、複数の第4半導体層14の中を第1方向に延びる。複数の第4孔HZ4は、第4積層体S04の中を第1方向に延びる。
第2接続部32は、複数の第2半導体層12の上記の少なくとも1つと、複数の第3半導体層13の少なくとも1つと、を電気的に接続する。この例では、第2接続部32は、複数の第2半導体層12と、複数の第3半導体層13と、を電気的に接続する。
第3接続部33は、複数の第3半導体層13の上記の少なくとも1つと、複数の第4半導体層14の少なくとも1つと、を電気的に接続する。この例では、第3接続部33は、複数の第3半導体層13と、複数の第4半導体層14と、を電気的に接続する。
この例では、熱電変換装置110は、第1端子38a及び第2端子38bをさらに含む。第1端子38aは、複数の第1半導体層11と電気的に接続される。第4端子38aは、複数の第4半導体層14と電気的に接続される。これらの端子から、電流(電力)が取り出される。
このように、熱電変換装置110において、複数の積層体が設けられる。複数の積層体のそれぞれは、複数の半導体層を含み、複数の孔を有する。複数の積層体の数は、任意である。複数の半導体層の数は、任意である。複数の孔の数は、任意である。
複数の半導体層のそれぞれの厚さは、例えば10nm以上1000nm以下である。複数の半導体層のそれぞれの厚さは、例えば、約100nmである。複数の孔のサイズ(例えばX軸方向に沿う長さ)は、10nm以上100nm以下である。複数の孔のサイズは、例えば、約20nmである。複数の孔のサイズが10nm以上100nm以下であることにより、例えば、実効的な電気抵抗を過度に上昇させずに、実効的な熱抵抗を高くできる。
この例では、複数の半導体層の間に層間絶縁層が設けられている。図2(b)に示すように、第1〜第4積層体S01〜S04のそれぞれは、複数の第1〜第4層間絶縁層IL1〜IL4を含む。第1層間絶縁層IL1は、複数の第1半導体層11の間に設けられる。第2層間絶縁層IL2は、複数の第2半導体層12の間に設けられる。第3層間絶縁層IL3は、複数の第3半導体層13の間に設けられる。第4層間絶縁層IL4は、複数の第4半導体層14の間に設けられる。これらの層間絶縁層は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン及び酸化アルミニウムからなる群から選択された少なくとも1つを含む。
これらの層間絶縁層は、省略されても良い。この場合、複数の半導体層は、接続部などに支持されても良い。
図2(a)、図2(c)及び図2(d)に示すように、例えば、第1接続部31は、第1接続領域31a、第2接続領域31b及び第3接続領域31cを含む。第1接続領域31aは、複数の第1半導体層11を互いに電気的に接続する。第2接続領域31bは、複数の第2半導体層12を互いに電気的に接続する。第3接続領域31cは、第1接続領域31aと第2接続領域31bとを互いに電気的に接続する。
例えば、複数の第1半導体層11は、第1接続領域31aに支持されても良い。複数の第2半導体層12は、第2接続領域31bに支持されても良い。このような場合、上記の層間絶縁層は、省略されても良い。
図2(a)に示すように、複数の第1半導体層11のそれぞれ(上記の少なくとも1つ)は、第1端部11p及び第2端部11qを含む。第1端部11p及び第2端部11qを結ぶ第2方向は、第1方向(Z軸方向)と交差する。この例では、第2方向は、Y軸方向である。
複数の第2半導体層12のそれぞれ(上記の少なくとも1つ)は、第3端部12r及び第4端部12sを含む。第3端部12r及び第4端部12sを結ぶ方向は、上記の第2方向(例えばY軸方向)に沿う。
第1端部11p及び第3端部12rを結ぶ方向は、第3方向に沿う。第3方向は、第1方向及び第2方向と交差する。この例では、第3方向は、X軸方向である。第2端部11q及び第4端部12sを結ぶ方向は、第3方向(X軸方向)に沿う。第1接続部31は、第1端部11pと第3端部12rとを電気的に接続する。別の接続部により、第3端部12rと、第3積層体S03の一端と、が電気的に接続されても良い。
接続部(例えば、第1〜第3接続部31〜33)、第1端子38a及び第2端子38bは、導電性である。接続部、第1端子38a及び第2端子38bは、例えば、金属を含む。この金属は、例えば、タングステン、モリブデン、チタン、銅及びアルミニウムからなる群から選択された少なくとも1つを含む。接続部、第1端子38a及び第2端子38bは、例えば、TiNなどの窒化物を含んでも良い。接続部、第1端子38a及び第2端子38bは、例えば、金属シリサイドを含んでも良い。
以下、熱電変換装置110の製造方法の例について説明する。
図3(a)〜図7(b)は、第1実施形態に係る熱電変換装置の製造方法を例示する模式図である。
図3(a)、図4(a)、図5(a)図6(a)及び図7(a)は、それぞれ、図3(b)、図4(b)、図5(b)、図6(b)及び図7(b)に示す矢印ARから見た平面図である。図3(b)、図4(b)、図5(b)、図6(b)及び図7(b)は、それぞれ、図3(a)、図4(a)、図5(a)図6(a)及び図7(a)に示すG1−G2線断面図である。
図3(a)及び図3(b)に示すように、基体50s(例えばシリコン基板)の上面(面50a)の上に、絶縁層51(例えば、シリコン酸化膜)が形成される。絶縁層51の上に積層膜S0fが形成される。積層膜S0fの形成においては、半導体膜10f及び絶縁膜ILfが交互に繰り返し形成される。半導体膜10fは、例えば、シリコンである。半導体膜10fの1つの厚さは、約100nmである。半導体膜10fは、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)により形成される。絶縁膜ILfは、例えば、シリコン酸化膜である。絶縁膜ILfの1つの厚さは、約10nmである。絶縁膜ILfは、例えば、CVDにより形成される。複数の半導体膜10fの数は、例えば、25である。複数の絶縁膜ILfの数は、例えば、25である。これらの数は、任意である。
積層膜S0fの上に、シリコン酸化膜51aがCVDにより形成される。シリコン酸化膜51aの厚さは、約500nmである。シリコン酸化膜51aと、積層膜S0fに含まれる絶縁膜ILfの1つと、の境界が明確でなくても良い。シリコン酸化膜51aの上に、有機物含有膜51bを例えば、スピン塗布により形成する。有機物含有膜51bの厚さは、約300nmである。有機物含有膜51bは、例えば、炭素を含む。有機物含有膜51bの上に、絶縁膜51cを形成する。絶縁膜51cは、例えば、SOG(Spin On Glass)である。絶縁膜51cの厚さは、約50nmである。
次に、ブロック共重合体を用いて微細パターンを形成する。絶縁膜51cの上に、ブロック共重合体の双方のブロックに対して親和性を持つ中性化膜52を形成する。中性化膜52の上に、スピン塗布によりブロック共重合体53を成膜する。この例では、ブロック共重合膜には、シリンダタイプが用いられる。ブロック共重合体53を塗布した後に、例えば、250℃で1分のアニールが行われる。これにより、相分離が起こり自己組織化により微細パターンが形成される。
ブロック共重合膜は、複数の第1膜部分53a、及び、第2膜部分53bを含む。複数の第1膜部分53aは、X−Y平面内において、第2膜部分53bに囲まれる。複数の第1膜部分53aのピッチは、約40nmである。複数の第1膜部分53aの1つのサイズ(X−Y平面に沿う1つの方向の長さ)は、約20nmである。中性化膜52の表面エネルギーは、例えば、ブロック共重合膜に含まれる複数の種類の基の表面エネルギーの間である。これにより、複数の第1膜部分53aは、Z軸方向に延びる。シリンダ状の構造が形成される。複数の第1膜部分53aは、例えば、実質的に六方状に並ぶ。
この後、複数の第1膜部分53aを除去する。除去は、例えば、ウエットエッチング及びドライエッチングの少なくともいずれかにより行われる。これにより、複数の孔パターンが形成される。孔パターンの孔のサイズは、例えば、約20nmである。孔パターンをマスクとして用いて、中性化膜52を加工し、さらに、絶縁膜51c、有機物含有膜51b及びシリコン酸化膜51aを加工する。この加工の少なくとも一部には、例えば、RIE(XReactive Ion Etching)が用いられる。さらに、積層膜S0fを加工する。
これにより、図4(a)及び図4(b)に示すように、積層膜S0fに、複数の孔HZ0が形成される。複数の孔HZ0は、積層膜S0f中を、第1方向(Z軸方向)に延びる。複数の孔HZ0の1つのサイズは、約20nmである。
この後、レジスト膜を形成し、リソグラフィを行う。リソグラフィにおいては、半導体層に対応する部分が残される。レジスト膜をマスクとして用いて、積層膜S0fの一部を除去する。
これにより、図5(a)及び図5(b)に示すように、第1〜第4積層体S01〜S04となる部分が形成される。
この後、第1〜第4積層体S01〜S04となる部分に不純物を導入する。例えば、第1積層体S01及び第3積層体S03となる部分に、第1導電形(例えばn形)の不純物が導入される。例えば、第2積層体S02及び第4積層体S04となる部分に、第2導電形(例えばp形)の不純物が導入される。不純物の導入は、例えば、イオンインプランテーションを含む。
これにより、図6(a)及び図6(b)に示すように、第1〜第4半導体層11〜14が形成される。複数の第1半導体層11の間の絶縁膜ILfが、第1層間絶縁層IL1となる。複数の第2半導体層12の間の絶縁膜ILfが、第2層間絶縁層IL2となる。複数の第3半導体層13の間の絶縁膜ILfが、第3層間絶縁層IL3となる。複数の第4半導体層14の間の絶縁膜ILfが、第4層間絶縁層IL1となる。これにより、第1〜第4積層体S01〜S04が形成される。
この後、第1〜第4積層体S01〜S04の間に絶縁材料を埋め込み、CMP(Chemical Mechanical Polishing)などにより平坦化する。さらに、絶縁材料の一部を除去される。除去される部分は、接続部などになる領域に対応する。除去においては、例えば、リソグラフィとRIEが用いられる。
これにより、図7(a)に示すように、溝38Rが形成される。
溝38Rに、導電材料(例えばタングステンなど)を埋め込む。これにより、接続部(第1〜第3接続部31〜33)、第1端子38a及び第2端子38bが形成される。
以上により、熱電変換装置110が形成される。上記の製造方法において、ブロック共重合体53による自己組織化膜の代わりに、例えば、EUV露光またはナノインプリントによるパターニングを行っても良い。自己組織化膜を用いるとコストが低減し易い。
上記の製造方法においては、積層膜S0fに一括して複数の孔HZ0が形成できる。これにより、複数の孔は、複数の半導体層中(積層体中)を第1方向に延びる。
例えば、複数の構造体を基板の上に並べて置く第2参考例がある。第2参考例においては、複数の構造体のそれぞれが、p形半導体層及びn形半導体層を含む。このような複数の構造体が、独立して作製された後に、基板の上に並べられる。このような第2参考例においては、複数の構造体を電気的に接続する配線が独立して形成される。この場合、接続不良が発生し易い。例えば、機械的な衝撃や、応力などにより、接続部分の剥がれが生じやすい。信頼性が不十分な場合がある。
これに対して、上記の製造方法においては、接続部は、一括して形成できる。このため、確実な電気的な接続が得られる。例えば、高い信頼性が得られる。
上記の製造方法においては、複数の積層体及び複数の孔が、一括して形成される。このため、コストを低減し易い。
上記の製造方法において、自己組織化膜を用いる方法に代えて、光を用いたリソグラフィ、EUVリソグラフィ、ナノインプリント及びEB描画の少なくともいずれかが適用されても良い。
図8は、第1実施形態に係る別の熱電変換装置を例示する模式的平面図である。
図8に示すように、本実施形態に係る別の熱電変換装置111も、複数の積層体(例えば、第1〜第4積層体S01〜S04)及び接続部(第1〜第3接続部31〜33)を含む。第1〜第4積層体S01〜S04は、第1〜第4孔HZ1〜HZ4をそれぞれ有する。
熱電変換装置111においては、第1〜第4孔HZ1〜HZ4のそれぞれは、Y軸方向に延びる。例えば、複数の第1孔HZ1の1つの第2方向(Y軸方向)に沿う長さは、複数の第1孔HZ1のその1つの第3方向(X軸方向)に沿う長さよりも長い。複数の第1孔HZ1の隣り合う2つの間の第3方向(X軸方向)に沿うの距離は、例えば、10nm以上300nm以下である。
熱電変換装置111においても、単位面積当たりで得られる電力を増大できる。複数の微細ラインにより、大きな温度差を維持し易い。高い熱電変換効率出力が得られる。
(第2実施形態)
図9(a)、図9(b)、及び、図10(a)〜図10(c)は、第2実施形態に係る熱電変換装置を例示する模式図である。
図9(a)は、斜視図である。図9(a)において、一部の要素が省略されている。図9(b)は、図9(a)のD1−D2線断面図である。図10(a)は、図9(a)及び図9(b)のA1−A2線断面図である。図10(b)は、図9(a)及び図9(b)のB1−B2線断面図である。図10(c)は、図9(a)及び図9(b)のC1−C2線断面図である。
図9(a)に示すように、本実施形態に係る熱電変換装置120は、第1積層体SA1と、第1接続部41と、を含む。
第1積層体SA1は、複数の積層部Spを含む。複数の積層部Spは、第1方向(例えばZ軸方向)に並ぶ。
図10(a)及び図10(b)に示すように、複数の積層部Spのそれぞれは、第1半導体層11及び第2半導体層12を含む。第1半導体層11は、第1導電形(例えばn形)である。第2半導体層12は、第2導電形(例えばp形)である。第2半導体層12は、第1方向(Z軸方向)において、第1半導体層11と離れる。
この例では、第1半導体層11と第2半導体層12との間に、層間絶縁層ILpが設けられている。さらに、複数の積層部Spの間にも、層間絶縁層ILpが設けられている。これらの層間絶縁層ILpは、省略されても良い。
第1積層体SA1は、複数の第1孔HZ1を有する。複数の第1孔HZ1は、複数の積層部Spの中を、第1方向(Z軸方向)に延びる。複数の第1孔HZ1は、第1積層体SA1の中を、第1方向(Z軸方向)に延びる。
図10(b)に示すように、第1接続部41は、複数の積層部Spの1つの第1半導体層11と、複数の積層部Spのその1つの第2半導体層12と、を電気的に接続する。
この例では、第2接続部42がさらに設けられる。第2接続部42は、複数の積層部Spの上記の1つの第2半導体層12と、複数の積層部Spの別の1つの第1半導体層11と、を電気的に接続する。
例えば、第1積層体SA1において、複数の積層部Spのそれぞれに含まれる第1半導体層11及び第2半導体層12が交互に接続される。複数の積層部Spが直列に接続される。
例えば、1つの積層部Spが1つの熱電変換部となる。複数の熱電変換部が積層され、直列に接続される。これにより、単位面積当たりで得られる電力を増大できる。そして、第1積層体SA1において、複数の第1孔HZ1が設けられる。これにより、大きな温度差を維持し易い。熱電変換装置120においても、単位面積当たりの出力を向上できる熱電変換装置が提供できる。
図10(b)に示すように、例えば、複数の積層部Spの上記の1つに含まれる第1半導体層11は、第1端部11p及び第2端部11qを含む。第1端部11p及び第2端部11qを結ぶ第2方向は、第1方向(Z軸方向)と交差する。この例では、第2方向は、Y軸方向である。
複数の積層部Spの上記の1つに含まれる第2半導体層12は、第3端部12r及び第4端部12sを含む。第3端部12r及び第4端部12sを結ぶ方向は、第2方向(Y軸方向)に沿う。第1端部11p及び第3端部12rを結ぶ方向は、第1方向(Z軸方向)に沿う。第2端部11q及び第4端部12sを結ぶ方向は、第1方向(Z軸方向)に沿う。第1接続部41は、第2端部11qと第4端部12sとを電気的に接続する。
例えば、第1接続部41、第2接続部42、接続部40a、接続部40b及び接続部40cなどの接続部が、第1半導体層11及び第2半導体層12を交互に直列に接続する。
この例では、第1端子48a及び第2端子48bが設けられる。第1端子48aは、第1積層体SA1に含まれる一方の端の半導体層(この例では第1半導体層11)と電気的に接続される。第2端子48bは、第1積層体SA1に含まれる他方の端の半導体層(この例では第2半導体層12)と電気的に接続される。第1端子48aと第2端子48bとの間に、電流が流れる。
図9(a)、図10(a)及び図10(c)に示すように、この例では、熱電変換装置120において、第2積層体SA2がさらに設けられる。第1積層体SA1及び第2積層体SA2は、基体50sの面50aの上に設けられる。この例では、基体50sと積層体との間に、絶縁層51が設けられている。第2積層体SA2の構成は、第1積層体SA1の構成と同様なので説明を省略する。
図10(c)に示すように、第2積層体SA2において、第3接続部43及び第4接続部44が設けられている。第3接続部43は、第2積層体SA2において、複数の積層部Spの1つの第1半導体層11と、複数の積層部Spのその1つの第2半導体層12と、を電気的に接続する。第4接続部42は、第2積層体SA2において、複数の積層部Spの上記の1つの第2半導体層12と、複数の積層部Spの別の1つの第1半導体層11と、を電気的に接続する。第2積層体SA2においても、第3接続部43、第4接続部44、接続部40d、接続部40e及び接続部40fなどの接続部が、第1半導体層11及び第2半導体層12を交互に直列に接続する。
第2積層体SA2において、第3端子48c及び第4端子48dが設けられる。第3端子48cは、第2積層体SA2に含まれる一方の端の半導体層(この例では第1半導体層11)と電気的に接続される。第4端子48dは、第2積層体SA2に含まれる他方の端の半導体層(この例では第2半導体層12)と電気的に接続される。第3端子48cと第4端子48dとの間に、電流が流れる。
この例では、第1積層体SA1と第2積層体SA2は、電気的に並列に接続される。図9(b)に示すように、第1積層体間接続部CPS1及び第2積層体間接続部CPS2が設けられる。これらの積層体間接続部は、例えば、第1積層体SA1に含まれる接続部の1つと、第2積層体SA2に含まれる接続部の1つと、を電気的に接続する。第1積層体SA1に含まれる接続部は、第1接続部41、第2接続部42、接続部40a、接続部40b、接続部40c、第1端子48a及び第2端子48bなどの1つである。第2積層体SA2に含まれる接続部は、第3接続部43、第4接続部44、接続部40d、接続部40e、接続部40f、第3端子48c及び第4端子48dなどの1つである。この例では、第1積層体間接続部CPS1は、第1端子48aと第3端子48cとを電気的に接続する。第2積層体間接続部CPS2は、第2端子48bと第4端子48dとを電気的に接続する。
本実施形態に係る第1積層体SA1において、複数の積層部Spは、任意に設定しても良い。例えば、上記の説明では、図10(b)に示すように、1つの第1半導体層11と、その第1半導体層11の上の第2半導体層12と、が、1つの積層部Spと見なされている。実施形態において、1つの第2半導体層12と、その第2半導体層12の上の第1半導体層11と、が、1つの積層部Spと見なされても良い。この場合、例えば、図10(b)に例示した第2接続部42が、「第1接続部」と見なされても良い。
本実施形態において、第1半導体層11、第2半導体層12、層間絶縁層、基体50s、絶縁層51、絶縁部LP0及び孔には、第1実施形態に関して説明した構成及び材料が適用できる。
図11(a)、図11(b)、及び、図12(a)〜図12(c)は、第2実施形態に係る別の熱電変換装置を例示する模式図である。
図11(a)は、斜視図である。図11(a)において、一部の要素が省略されている。図11(b)は、図11(a)及び図12(a)のD1−D2線断面図である。図12(a)は、図11(a)及び図11(b)のA1−A2線断面図である。図12(b)は、図11(a)及び図11(b)のB1−B2線断面図である。図12(c)は、図11(a)及び図11(b)のC1−C2線断面図である。
図11(a)に示すように、本実施形態に係る別の熱電変換装置121においては、接続部の少なくとも一部が、Z軸方向において、2つの半導体層の間に設けられる。これ以外は、例えば、熱電変換装置120と同様である。以下、熱電変換装置121における接続部の例について説明する。
図11(a)及び図12(a)に示すように、第1接続部41は、複数の積層部Spの1つに含まれる第1半導体層11と、複数の積層部Spのその1つに含まれる第2半導体層12と、を電気的に接続する。第1接続部41の少なくとも一部は、複数の積層部Spのその1つに含まれる第1半導体層11と、複数の積層部Spのその1つに含まれる第2半導体層12と、の間に設けられる。
第2接続部42は、複数の積層部Spのその1つに含まれる第2半導体層12と、複数の積層部Spの別の1つに含まれる第1半導体層11と、を電気的に接続する。第2接続部42の少なくとも一部は、複数の積層部Spのその1つに含まれる第2半導体層12と、複数の積層部Spの別のその1つに含まれる第1半導体層11と、の間に設けられる。
この例では、1つの接続部の実質的に全てが、複数の半導体層の間に設けられる。熱電変換装置121においては、例えば、接続部が半導体層の周りに突出していない。これにより、1つの積層体が占める面積が小さくできる。例えば、複数の積層体が設けられる場合において、複数の積層体の間の距離を縮小できる。単位面積当たりで得られる電力をさらに増大できる。
熱電変換装置121によっても、単位面積当たりの出力を向上できる熱電変換装置を提供することができる。
以下、熱電変換装置121の製造方法の例について説明する。
図13(a)〜図17(f)は、第1実施形態に係る熱電変換装置の製造方法を例示する模式図である。
図13(a)、図13(c)、図13(e)、図14(a)、図14(c)、図14(e)、図15(a)、図15(c)、図15(e)、図16(a)、図16(c)、図16(e)、図17(a)、図17(c)及び図17(e)は、それぞれ、図13(b)、図13(d)、図13(f)、図14(b)、図14(d)、図14(f)、図15(b)、図15(d)、図15(f)、図16(b)、図16(d)、図16(f)、図17(b)、図17(d)及び図17(f)のG1−G2線断面図である。
図13(a)及び図13(b)に示すように、基体50s(例えばシリコン基板)の面50aの上に、絶縁層51が設けられる。この上に、積層膜SAfが形成される。この例では、積層膜SAfは、絶縁層51の上に設けられた第1膜ILf1と、その上に設けられた第1半導体膜Sf1と、その上に設けられた第2膜ILf2と、その上に設けられた第2半導体膜Sf2と、を含む。この4つの膜が1つのセットとなる。複数のセットが積層される。
第2膜ILf2の材料は、第1膜ILf1の材料とは異なる。例えば、これらの膜において、少なくとも1つのエッチャントに対して、エッチングレートが異なる。さらに、これらの膜は、半導体膜のエッチングレートとも異なる。例えば、第1膜ILf1は、酸化シリコンを含む。第2膜ILf2は、窒化シリコンを含む。
第1半導体膜Sf1は、例えば、第1導電形の半導体(例えばシリコン)を含む。第2半導体膜Sf2は、第2導電形の半導体(例えばシリコン)を含む。
図13(c)及び図13(d)に示すように、第1マスク55ra(レジスト膜)を形成する。第1マスク55raは、第1開口部55raoを有する。第1開口部55raoの形成には、例えば、フォトリソグラフィが用いられる。
図13(e)及び図13(f)に示すように、第1マスク55raをマスクとして用いて、積層膜SAfの一部を除去する。除去には、例えば、RIEが行われる。これにより、第1溝55taが形成される。
図14(a)及び図14(b)に示すように、選択性エッチングを行い、第2膜ILf2を後退させる。選択性エッチングは、例えば、リン酸による処理を含む。
図14(c)及び図14(d)に示すように、第1マスク55raを除去した後、第1導電膜55caを形成する。第1導電膜55caは、例えば金属膜(例えばタングステン膜)である。この形成は、例えば、CVDにより行われる。
図14(e)及び図14(f)に示すように、エッチバックを行う。例えば、積層膜SAfの上に設けられていた第1導電膜55caが除去される。第1溝55taの側面に設けられた第1導電膜55caは残る。
図15(a)及び図15(b)に示すように、第1溝55taのなかに中間部材55cxを埋め込み、平坦化する。中間部材55cxは、例えば絶縁材料である。平坦化は、例えば、CMPを含む。
図15(c)及び図15(d)に示すように、第2マスク55rbを形成する。第2マスク55rbは、第2開口部55rboを有する。既に説明した第1開口部55raoと第2開口部55rboとの間の領域が、積層体の領域に対応する。
図15(e)及び図15(f)に示すように、第2マスク55rbをマスクとして用い、積層膜SAfの一部を除去する。除去には例えば、RIEが行われる。これにより、第2溝55tbが形成される。
図16(a)及び図16(b)に示すように、選択性エッチングを行い、第1膜ILf1を後退させる。選択性エッチングは、例えば、フッ酸による処理を含む。
図16(c)及び図16(d)に示すように、第2マスク55rbを除去した後、第2導電膜55cbを形成する。第2導電膜55cbは、例えば金属膜(例えばタングステン膜)である。この形成は、例えば、CVDにより行われる。
図16(e)及び図16(f)に示すように、例えば、RIEにより、エッチバックを行う。例えば、積層膜SAfの上に設けられていた第2導電膜55cbが除去される。第2溝55tbの側面に設けられた第2導電膜55cbは残る。
図17(a)及び図17(b)に示すように、中間部材55cxを除去する。除去は、例えば、ウエットエッチング処理を含む。
図17(c)及び図17(d)に示すように、第1導電膜55caの一部及び第2導電膜55cbの一部を除去する。除去は、例えば、ウエットエッチング処理を含む。これにより、第1導電膜55caの残った部分は、2つの半導体層の間に位置する。第2導電膜55cbの残った部分は、2つの半導体層の間に位置する。
図17(e)及び図17(f)に示すように、シリコン酸化膜51aで全体を覆い、この後、孔の形成を行う。この例では、図3(a)及び図3(b)に関して説明した処理が行われる。シリコン酸化膜51aの上に、有機物含有膜51bを形成し、その上に、絶縁膜51cを形成する。その上に、中性化膜52を形成し、その上に、ブロック共重合体53を成膜する。相分離による自己組織化により微細パターンが得られる。自己組織化膜(ブロック共重合膜)は、複数の第1膜部分53a、及び、第2膜部分53bを含む。自己組織化膜を用いて、複数の孔(第1孔HZ1及び第2孔HZ2など)が形成される。
以上により、熱電変換装置121が作製される。上記の孔の形成において、光を用いたリソグラフィ、EUVリソグラフィ、ナノインプリント及びEB描画の少なくともいずれかが適用されても良い。実施形態において、孔の形状は、任意である。
図18は、第2実施形態に係る別の熱電変換装置を例示する模式的平面図である。
図18に示すように、本実施形態に係る別の熱電変換装置122も、複数の積層体(例えば、第1及び第2積層体S01及びS02)及び接続部(第1〜第4接続部41〜44)を含む。第1及び第2積層体S01及びS02は、第1及び第2孔HZ1及びHZ2をそれぞれ有する。
熱電変換装置122においては、第1及び第2孔HZ1及びHZ2のそれぞれは、Y軸方向に延びる。例えば、複数の第1孔HZ1の1つのX軸方向に沿う長さは、複数の第1孔HZ1のその1つのY軸方向に沿う長さよりも短い。複数の第1孔HZ1の隣り合う2つの間のX軸方向に沿う距離は、例えば、10nm以上300nm以下である。
熱電変換装置122においても、単位面積当たりで得られる電力を増大できる。複数の孔により、大きな温度差を維持し易い。高い熱電変換出力が得られる。
(第3実施形態)
図19(a)、図19(b)、図20(a)、図20(b)、図21(a)〜図21(d)は、第3実施形態に係る熱電変換装置を例示する模式図である。
図19(a)及び図19(b)は、斜視図である。図19(a)において、一部の要素が省略されている。図20(a)は、図20(b)のF1−F2線断面図である。図20(b)は、図19(a)、図19(b)及び図20(a)のA1−A2線断面図である。図21(a)は、図19(a)、図19(b)及び図20(a)のB1−B2線断面図である。図21(b)は、図19(a)、図19(b)及び図20(a)のC1−C2線断面図である。図21(c)は、図19(a)、図19(b)及び図20(a)のD1−D2線断面図である。図21(d)は、図19(a)、図19(b)及び図20(a)のE1−E2線断面図である。
図19(a)及び図19(b)に示すように、本実施形態に係る熱電変換装置130は、第1構造体B01、第2構造体B02及び接続部CPを含む。接続部CPは、後述する第1接続部31に対応しても良い。接続部CPは、後述する第1〜第3接続部31〜33の少なくともいずれかを含んでも良い。
図20(a)及び図20(b)に示すように、第1構造体B01は、複数の第1積層体SB1を含む。第2構造体B02は、複数の第2積層体SB2を含む。
複数の第1積層体SB1のそれぞれは、複数の第1半導体層11を含む。複数の第1半導体層11は、第1方向(この例ではZ軸方向)に並ぶ。
複数の第1半導体層11の1つ(複数の第1半導体層11のそれぞれ)は、第2方向に沿って延びる。第2方向は、第1方向と交差する。この例では、第2方向は、Y軸方向である。第1半導体層11は、第1導電形である。
複数の第1積層体SB1は、第3方向に沿って並ぶ。第3方向は、第1方向及び第2方向と交差する。この例では、第3方向は、X軸方向である。
複数の第2積層体SB2のそれぞれは、複数の第2半導体層12を含む。複数の第2半導体層12は、第1方向(Z軸方向)に並ぶ。複数の第2半導体層12の1つ(複数の第2半導体層12のそれぞれ)は、第2方向に沿って延びる。複数の第2半導体層12は、第2導電形である。以下では、第1半導体層11がn形で、第2半導体層12がp形とする。
複数の第2積層体SB2は、第3方向(X軸方向)に沿って並ぶ。
この例では、第1構造体B01から第2構造体B02に向かう方向は、第3方向(X軸方向)である。
接続部CP(例えば第1接続部31)は、複数の第1半導体層11の少なくとも1つと、複数の第2半導体層12の少なくとも1つと、を電気的に接続する。
この例では、第3構造体B03及び第4構造体B02が設けられている。第3構造体B03は、複数の第3積層体SB3を含む。複数の第3積層体SB3のそれぞれは、複数の第3半導体層13を含む。複数の第3半導体層13は、Z軸方向に並ぶ。
第4構造体B04は、複数の第4積層体SB4を含む。複数の第4積層体SB4のそれぞれは、複数の第4半導体層14を含む。複数の第4半導体層14は、Z軸方向に並ぶ。
複数の第3半導体層13、及び、複数の第4半導体層14は、第2方向(Y軸方向)に沿って延びる。複数の第3半導体層13は第1導電形であり、複数の第4半導体層14は第2導電形である。
複数の第3積層体SB3及び複数の第4積層体SB4は、第3方向(X軸方向)に沿って並ぶ。
第2接続部32は、複数の第2半導体層12の少なくとも1つと、複数の第3半導体層13の少なくとも1つと、を電気的に接続する。第3接続部33は、複数の第3半導体層13の少なくとも1つと、複数の第4半導体層14の少なくとも1つと、を電気的に接続する。
このように、熱電変換装置130においては、複数の半導体層は、例えばY軸方向に延びる線状(またはストライプ状)である。線状の半導体層が、Z軸方向に沿って並び、1つの積層体が形成される。このような複数の積層体が、X軸方向に沿って並ぶ。
例えば、構造体のY軸方向の1つの端と、反対側の端と、の間に温度差が設けられる。これにより、半導体層に電流が流れる。熱電変換が行われる。
熱電変換装置130においては、半導体層が積層されるため、単位面積当たりで得られる電力(電流及び電圧の少なくともいずれか)が大きい。さらに、線状の複数の半導体層は、X軸方向において互いに離れている。これにより、実質的な熱抵抗が大きくなる。熱伝導に起因した温度差の縮小が抑制でき、高い熱電変換効率単位面積当たりの出力が得られる。本実施形態によれば、単位面積当たりの出力を向上できる熱電変換装置が提供できる。
複数の半導体層(第1〜第4半導体層11〜14など)の1つのY軸方向の長さは、複数の半導体層のその1つのX軸方向の長さよりも長い。複数の半導体層の1つのY軸方向の長さは、複数の半導体層のその1つのZ軸方向の長さよりも長い。複数の半導体層の1つのY軸方向の長さは、例えば、100nm以上10cm以下である。複数の半導体層の1つのX軸方向の長さは、例えば、10nm以上1cmnm以下である。複数の半導体層の1つのZ軸方向の長さは、例えば、10nm以上1000nm以下である。
複数の半導体層(第1〜第4半導体層11〜14など)の1つと、複数の半導体層の別の1つと、の間のX軸方向に沿った距離は、例えば、複数の半導体層の1つのX軸方向の長さの0.2倍以上3倍以下である。複数の半導体層の1つと、複数の半導体層の別の1つと、の間のZ軸方向に沿った距離は、例えば、複数の半導体層の1つのZ軸方向の長さの0.2倍以上3倍以下である。
熱電変換装置130は、例えば、図3(a)及び図3(b)に関して説明した処理において、ストライプ状の自己組織化膜を用いることで形成できる。または、適切なマスクを用いた露光により形成することができる。
図20(b)、図21(a)及び図21(b)に示すように、この例では、複数の半導体層(第1〜第4半導体層11〜14のそれぞれ)の間に層間絶縁層(第1〜第4層間絶縁層IL1〜IL4のそれぞれ)が設けられている。層間絶縁層の少なくとも1つは省略されても良い。
熱電変換装置130においても、面50aを有する基体50sが設けられても良い。積層体(例えば、第1積層体SB1)は、面50aの上に設けられる。上記の第1方向は、面50aと交差する。
(第4実施形態)
図22(a)、図22(b)、図23(a)〜図23(c)は、第4実施形態に係る熱電変換装置を例示する模式図である。
図22(a)は、斜視図である。図22(a)において、一部の要素が省略されている。図22(b)は、図22(a)のD1−D2線断面図である。図23(a)は、図22(a)及び図22(b)のA1−A2線断面図である。図23(b)は、図22(a)及び図22(b)のB1−B2線断面図である。図23(c)は、図22(a)及び図22(b)のC1−C2線断面図である。
図22(a)及び図22(b)に示すように、本実施形態に係る熱電変換装置140は、複数の積層体(例えば、複数の第1積層体SC1など)と、第1接続部41と、第2接続部42と、を含む。複数の第1積層体SC1は、複数の積層体の例である。第1積層体SC1に加えて、第2積層体SC2が設けられても良い。
複数の第1積層体SC1(複数の積層体)は、複数の積層部Spを含む。複数の積層部Spは、第1方向(この例では、Z軸方向)に並ぶ。
図23(a)に示すように、複数の積層部Spの1つは、第1導電形の第1半導体層11と、第2導電形の第2半導体層12と、を含む。第2半導体層12は、第1方向(Z軸方向)において、第1半導体層11と離れている。第1半導体層11及び第2半導体層12は、第2方向に延びる。第2方向は、第1方向と交差する。この例では、第2方向は、Y軸方向である。
このような複数の積層体(例えば、複数の第1積層体SC1)が、第3方向に並ぶ。第3方向は、第1方向及び第2方向と交差する。この例では、第3方向は、X軸方向である。
図23(a)及び図23(c)に示すように、第1接続部41は、複数の積層部Spの1つに含まれる第1半導体層11と、複数の積層部Spのその1つに含まれる第2半導体層12と、を電気的に接続する。
第2接続部42は、複数の積層部Spのその1つに含まれる第2半導体層12と、複数の積層部Spの別の1つに含まれる第1半導体層11と、を電気的に接続する。
例えば、1つの第1積層体SC1において、第1接続部41、第2接続部42、接続部40a、接続部40b及び接続部40cなどの接続部が、第1半導体層11及び第2半導体層12を交互に直列に接続する。
この例では、第1端子48a及び第2端子48bが設けられる。第1端子48aは、第1積層体SC1に含まれる一方の端の半導体層(この例では第1半導体層11)と電気的に接続される。第2端子48bは、第1積層体SC1に含まれる他方の端の半導体層(この例では第2半導体層12)と電気的に接続される。第1端子48aと第2端子48bとの間に、電流が流れる。
熱電変換装置140においては、半導体層が積層されるため、単位面積当たりで得られる電力(電流及び電圧の少なくともいずれか)が大きい。さらに、線状の複数の半導体層は、X軸方向において互いに離れている。これにより、実質的な熱抵抗が大きくなる。熱伝導に起因した温度差の縮小が抑制でき、高い熱電変換出力が得られる。本実施形態によれば、単位面積当たりの出力を向上できる熱電変換装置が提供できる。
図24(a)〜図24(d)、図25(a)及び図25(b)は、第4実施形態に係る別の熱電変換装置を例示する模式図である。
図24(a)は、斜視図である。図24(a)において、一部の要素が省略されている。図24(b)は、図24(a)のE1−E2線断面図である。図24(c)は、図24(a)及び図24(b)のB1−B2線断面図である。図24(d)は、図24(a)及び図24(b)のC1−C2線断面図である。図25(a)は、図24(a)及び図24(b)のA1−A2線断面図である。図25(b)は、図24(a)及び図24(b)のD1−D2線断面図である。
図24(a)及び図24(b)に示すように、本実施形態に係る熱電変換装置141も、複数の積層体(例えば、複数の第1積層体SC1など)と、第1接続部41と、第2接続部42と、を含む。複数の第1積層体SC1は、複数の積層体の例である。第1積層体SC1に加えて、第2積層体SC2が設けられても良い。
複数の第1積層体SC1(複数の積層体)は、複数の積層部Spを含む。複数の積層部Spの構成は、熱電変換装置140と同様である。
熱電変換装置141においては、接続部が、2つの半導体層の間に設けられる。例えば、第1接続部41は、複数の積層部Spの1つの第1半導体層11と、複数の積層部Spのその1つの第2半導体層12と、を電気的に接続する。第1接続部41は、複数の積層部Spのその1つの第1半導体層11と、複数の積層部Spのその1つの第2半導体層12と、の間に設けられる。
例えば、第2接続部42は、複数の積層部Spのその1つの第2半導体層12と、複数の積層部Spの別の1つの第1半導体層11と、を電気的に接続する。第2接続部42の少なくとも一部は、複数の積層部Spのその1つの第2半導体層12と、複数の積層部Spのその別の1つの第1半導体層11と、の間に設けられる。
この例では、接続部の実質的に全てが、2つの半導体層の間に設けられる。
熱電変換装置141においては、1つの積層体が占める面積が小さくできる。例えば、複数の積層体が設けられる場合において、複数の積層体の間の距離を縮小できる。これにより、単位面積当たりで得られる電力をさらに増大できる。熱電変換装置141によっても、単位面積当たりの出力を向上できる熱電変換装置を提供することができる。
熱電変換装置140及び141においても、面50aを有する基体50sが設けられても良い。積層体(例えば、第1積層体SC1)は、面50aの上に設けられる。上記の第1方向は、面50aと交差する。
(第5実施形態)
図26(a)及び図26(b)は、第5実施形態に係る熱電変換装置を例示する模式図的断面である。
図26(a)は、図26(b)のB1−B2線断面図である。図26(b)は、図26(a)のA1−A2線断面図である。
図26(a)及び図26(b)に示すように、本実施形態に係る熱電変換装置150は、第1積層体S01、第2積層体S02、第1接続部31及び基体50sを含む。第1積層体S01、第2積層体S02及び第1接続部31については、例えば、熱電変換装置110と同様なので説明を省略する。
積層体は、基体50sの面50aの上に設けられる。基体50sは、第1領域50p及び第2領域50qを含む。例えば、第2領域50qの材料は、第1領域50pの材料とは異なる。例えば、第2領域50qの密度は、第1領域50pの密度よりも低い。例えば、第2領域50qは、空洞50hを含み、第1領域50pは、空洞50hを含まない。または、第1領域50p及び第2領域50qの両方が空洞50hを含む場合において、第2領域50qにおける空洞50hの密度は、第1領域50pにおける空洞50hの密度よりも低い。例えば、第2領域50qの厚さは、第1領域50pの厚さより薄い。厚さは、面50aに対して実質的に垂直な方向の長さである。例えば、第2領域50qの材料の熱伝導率は、第1領域50pの材料の熱伝導率よりも低い。第2領域50qが、基体50sに設けられた凹部(または穴)でも良い。
第1領域50pと第2領域50qとを結ぶ方向は、第1方向(Z軸方向)と交差する。この例では、第1領域50pと第2領域50qとを結ぶ方向は、Y軸方向に沿う。
例えば、既に説明した第1接続部31及び第1端子38aが設けられる場合、第1領域50pと第2領域50qとを結ぶ方向は、第1接続部31と第1端子38aとを結ぶ方向に沿う。例えば、第1接続部31及び第2接続部32が設けられる場合、第1領域50pと第2領域50qとを結ぶ方向は、第1接続部31と第2接続部32とを結ぶ方向に沿う。
第1領域50pは、Z軸方向において、積層体(例えば第1積層体S01及び第2積層体S02など)と重なる。例えば、第2領域50qの少なくとも一部は、Z軸方向において、第1端子38a及び第2接続部32の少なくともいずれかと重なっても良い。
熱電変換装置150においては、例えば、基体50sにおいて、他の部分よりも熱伝導率が低い領域(第2領域50q)が設けられる。これにより、基体50sにおける熱の伝導が抑制される。例えば、高温部分と低温部分との間における温度差を大きく維持できる。熱電変換装置150によれば、単位面積当たりの出力を向上できる熱電変換装置が提供できる。
例えば、熱電変換装置150において、基板側から半導体層への熱の伝導が抑制される。例えば、熱電変換装置150において、低温側の温度上昇を抑えることができる。単位面積当たりの出力を向上できる。
以下、熱電変換装置150の製造方法の例について説明する。
図27(a)〜図27(h)、図28(a)〜図28(j)、及び、図29(a)〜図29(j)は、第5実施形態に係る熱電変換装置の製造方法を例示する模式図である。
図27(a)、図27(c)、図27(e)、図28(a)、図28(c)、図28(e)、図28(g)、図28(i)、図29(a)、図29(c)、図29(e)、図29(g)及び図29(i)は、それぞれ、図27(b)、図27(d)、図27(f)、図28(b)、図28(d)、図28(f)、図28(h)、図28(j)、図29(b)、図29(d)、図29(f)、図29(h)及び図29(j)に示すM1−M2線断面図である。図27(g)及び図27(h)は、図27(f)のM1−M2線に対応する断面図である。図27(b)、図27(d)、図27(f)、図28(b)、図28(d)、図28(f)、図28(h)、図28(j)、図29(b)、図29(d)、図29(f)、図29(h)及び図29(j)は、それぞれ、図27(a)、図27(c)、図27(e)、図28(a)、図28(c)、図28(e)、図28(g)、図28(i)、図29(a)、図29(c)、図29(e)、図29(g)及び図29(i)に示す矢印ARから見た平面図である。
図27(a)及び図27(b)に示すように、基板50fの上にレジストパターン61aを形成する。レジストパターン61aは、リソグラフィにより形成される。基板50fは、例えば、シリコン基板である。
図27(c)及び図27(d)に示すように、レジストパターン61aをマスクとして、基板50fを例えばRIEにより加工する。これにより、溝50tが形成される。溝50tの深さは、例えば、10μmである。
図27(e)及び図27(f)に示すように、溝50tの中に、中間部材61bを埋め込む。中間部材61bは、例えば、有機材料である。中間部材61bは、例えば、回転塗布により溝50t中に埋め込まれる。回転塗布の条件の調整により、中間部材61bの上面の高さが、基板50fの上面の高さと実質的に同じになる。
図27(g)に示すように、中間部材61bは、基板50fの上面の全体に設けられても良い。この後、例えば、エッチバックまたはCMPの処理により、中間部材61bの上面の高さが、基板50fの上面の高さと実質的に同じになっても良い中間部材61bの形成は、例えば、CVDにより行われても良い。
図27(h)に示すように、中間部材61bと溝50tとの間に空隙が生じても良い。
図28(a)及び図28(b)に示すように、シリコン酸化膜61cを形成し、その上に、ポリシリコン膜61dを形成する。シリコン酸化膜61cの厚さは、例えば、約100nmである。ポリシリコン膜61dの厚さは、約100nmである。これらの膜は、例えば、CVDにより形成される。これらの図では、1つのシリコン酸化膜61c、及び、1つのポリシリコン膜61dが描かれている。シリコン酸化膜61c及びポリシリコン膜61dが交互に複数回形成されても良い。
図28(c)及び図28(d)に示すように、開口部を有するレジスト62aを形成する。
図28(e)及び図28(f)に示すように、イオンインプランテーションにより、例えば、第2導電形の不純物を注入する。これにより、第2導電形の第2半導体膜12fが形成される。この後、レジスト62aを除去する。
図28(g)及び図28(h)に示すように、開口部を有するレジスト62bを形成する。レジスト62bの開口部の位置は、レジスト62aの開口部の位置とは異なる。
図28(i)及び図28(j)に示すように、イオンインプランテーションにより、例えば、第1導電形の不純物を注入する。これにより、第1導電形の第1半導体膜11fが形成される。
図29(a)及び図29(b)に示すように、レジスト62bを除去する。
図29(c)及び図29(d)に示すように、ブロック共重合体53を成膜。ブロック共重合体53は、スチレン含有部(例えばPS)と、アクリル含有部(例えばPMMA)と、を含む。PS/PMMAの比率は、例えば、7/3である。ブロック共重合体53の分子量は、例えば、100kである。これにより、PS−b−PMMAのブロック共重合体53が得られる。ブロック共重合体53の膜は、例えば、回転塗布により形成される。形成された膜の厚さは、約50nmである。例えば、240℃で180秒のアニールが行われる。これにより、相分離が起こり自己組織化により微細パターンが得られる。自己組織化膜は、例えば、複数の第1膜部分53a、及び、第2膜部分53bを含む。複数の第1膜部分53aのそれぞれは、Z軸方向に沿って延びる。複数の第1膜部分53aの1つのサイズ(X−Y平面に沿う1つの方向の長さ)は、約20nmである。シリンダ状の構造が形成される。複数の第1膜部分53aは、例えば、実質的に六方状に並ぶ。
自己組織化膜(ブロック共重合体53の膜)に、例えば、UV光を照射する。これにより、PMMAシリンダの側鎖が切断される。この後、例えば、アルコール(イソプロピルアルコールなど)によるウエットエッチングを行う。これにより、PMMAシリンダが除去される。これにより、自己組織化膜(ブロック共重合体53の膜)に開口部(ホールパターン)が形成される。開口部のサイズは、約20nmである。
図29(e)及び図29(f)に示すように、開口部が形成された自己組織化膜(ブロック共重合体53の膜)をマスクとして用い、半導体膜(第1半導体膜11f及び第2半導体膜12f)及びシリコン酸化膜61cの一部を除去する。これにより、半導体膜(第1半導体膜11f及び第2半導体膜12f)及びシリコン酸化膜61cに開口部が形成される。この開口部において、中間部材61bが露出する。
図29(g)及び図29(h)に示すように、中間部材61bを除去する。例えば、酸素プラズマによるアッシング処理を行う。これにより、開口部を介して、中間部材61bが除去される。これにより、空洞50hが形成される。これにより、第1領域50p及び第2領域50qを含む基体50sが得られる。第1半導体膜11fから第1半導体層11が得られる。第2半導体膜12fから第2半導体層12が得られる。
図29(i)及び図29(j)に示すように、配線部63を形成する。配線部63は、第1半導体層11と第2半導体層12とを電気的に接続する。配線部63は、例えば、接続部に対応する。配線部63は、例えば、タングステンなどの金属を含む。
上記の処理において、配線部63の形成のための溝を形成した後に、この溝の少なくとも一部と、開口部と、を介して、中間部材61bを除去しても良い。除去が容易になる。
第1領域50p及び第2領域50qを含む基体50sは、第1〜第4実施形態に係る熱電変換装置、及び、その変形の熱電変換装置に適用できる。
上記の製造方法において、微細パターンの形成は、自己組織化膜を利用する方法の他に、光を用いたリソグラフィ、EUVリソグラフィ、ナノインプリント及びEB描画の少なくともいずれかが適用できる。
本実施形態においては、例えば、基体50sにおいて、低温側の電極(例えば、接続部)の下の位置に、他の領域(第1領域50p)とは異なる熱伝導率を有する領域(第2領域50q)が設けられる。熱伝導率の異なる2つの領域の境界の少なくとも一部は、Z軸方向において、第1半導体層11及び第2半導体層12と重なる。
第1積層体S01及び第2積層体S02(図1(b)参照)が設けられる場合、第2領域50qは、例えば、Z軸方向において、第1積層体S01及び第2積層体S02と重なる。第2領域50qのX−Y平面に沿う面積は、これらの積層体の面積よりも大きくても良い。第2領域50qは、複数の層を含み、複数の層の少なくとも2つの材料が互いに異なっても良い。
上記の製造方法は、例えば、基板に溝を形成する工程と、この溝に、埋め込み材を埋め込む工程と、絶縁膜を形成する工程と、ポリシリコンを形成する工程と、このポリシリコン上に微細パターンを形成する工程と、この微細パターンを上記のポリシリコン及び上記の絶縁膜にパターン転写する工程と、パターン転写後に埋め込み材を選択的に除去する工程と、を含む。例えば、上記の埋め込み材は、有機物を含んでも良い。上記の埋め込み材の埋め込みは、例えば、回転塗布で行われても良い。上記の埋め込み材の埋め込みは、CVDで行われても良い。上記の微細パターンの形成は、例えば、光リソグラフィ、EUVリソグラフィ、DSA、ナノプリント及び電子描画からなる群から選択された少なくとも1つの実施を含んでも良い。上記の微細パターンのサイズは、例えば、100nm以下である。上記の製造方法は、例えば、上記の埋め込み材の除去の後に、配線を形成する工程をさらに含んでも良い。
例えば、微細パターンを有するシリコン熱電変換部は、支持基板の上に形成される。例えば、支持基板を厚くすると、支持基板の厚さに対する相対的な熱電変換部の厚さが薄くなり、支持基板における熱伝導の影響が大きくなる。支持基板の熱伝導率が高いと熱電変換部における温度差が小さくなり、得られる電力が小さくなる。上記の実施形態によれば、例えば、支持基板からの熱伝導が抑制される。例えば、高い熱電変換出力が得られる。
(第6実施形態)
図30(a)〜図30(c)、図31(a)、図31(b)、図32(a)及び図32(b)は、第6実施形態に係る熱電変換装置を例示する模式図である。
図30(a)は、図32(b)のL1−L2線断面図である。図30(b)は、図30(a)のK1−K2線断面図である。図30(c)は、図30(a)のJ1−J2線断面図である。図31(a)、図31(b)及び図32(a)は、側面図である。図32(b)は、図30(a)の矢印ARから見た平面図である。
図30(a)に示すように、本実施形態に係る熱電変換装置160は、複数の積層部Spを含む。複数の積層部Spは、第1方向(この例ではZ軸方向)に並ぶ。
複数の積層部Spの1つは、複数の第1半導体部11Pと、複数の第2半導体部12Pと、第1導電層18Aと、を含む。複数の第1半導体部11Pは第1導電形(例えばn形)であり、複数の第2半導体部12Pは第2導電形(例えばp形)である。
複数の第1半導体部11Pは、1つの平面(例えばX−Y平面)に沿って並ぶ。この平面は、第1方向と交差する。複数の第2半導体部12Pは、この1つの平面(例えばX−Y平面)に沿って並ぶ。複数の第2半導体部12Pは、Z軸方向に沿って、複数の第1半導体部11Pと離れる。
複数の第1半導体部11Pの1つ(例えば、複数の第1半導体部11Pのそれぞれ)は、第1方向に沿って延びる。複数の第2半導体部12Pの1つ(例えば、複数の第2半導体部12Pのそれぞれ)は、第1方向に沿って延びる。これらの半導体部は、第1方向に延びる柱状である。
複数の第1半導体部11Pと、複数の第2半導体部12Pと、の間に、第1導電層18Aが設けられる。第1導電層18Aは、複数の第1半導体部11Pの少なくとも一部と、複数の第2半導体部12Pの少なくとも一部と、を電気的に接続する。第1導電層18Aは、複数の第1半導体部11Pを互いに電気的に接続する。第1導電層18Aは、複数の第2半導体部12Pを互いに電気的に接続する。
例えば、Y軸方向の一方の端と、Y軸方向の他方の端と、の間に、温度差が設けられる。これにより、複数の第1半導体部11PのY軸方向の一方の端(高温部分)において、キャリアが増える。複数の第1半導体部11Pに生じたキャリアの少なくとも一部は、第1導電層18Aを介してX−Y平面内に沿って流れる。一方、複数の第2半導体部12PのY軸方向の一方の端(高温部分)においても、キャリアが増える。複数の第2半導体部12Pに生じたキャリアの少なくとも一部は、第1導電層18Aを介してX−Y平面内に沿って流れる。これらのキャリアの流れが電流となる。この電流が取り出される。このようにして、熱電変換が行われる。
実施形態においては、例えば柱状の複数の半導体部のグループが、第1導電層18Aを介して積層される。複数の第1半導体部11Pは互いに離れている。複数の第2半導体部12Pも互いに離れている。これにより、X−Y平面方向における熱抵抗が大きくできる。熱伝導に起因した温度差の縮小が抑制できる。実施形態によれば、単位面積当たりの出力を向上できる熱電変換装置が提供できる。
熱電変換装置160においては、複数の上記の積層部Spが設けられる。これにより、単位面積当たりで得られる電流(電力)が大きくできる。単位面積当たりの出力を向上できる熱電変換装置が提供できる。
この例においては、熱電変換装置160は、第2導電層18B、第3導電層18C及び第4導電層18Dを含む。
第2導電層18Bは、複数の積層部Spの間に設けられる。第2導電層18Bは、複数の積層部Spの1つに含まれる第1半導体部11Pの少なくとも1つと、複数の積層部Spの別の1つに含まれる第2半導体部12Pの少なくとも1つと、を電気的に接続する。または、第2導電層18Bは、複数の積層部Spの1つに含まれる第2半導体部12Pの少なくとも1つと、複数の積層部Spの別の1つに含まれる第1半導体部11Pの少なくとも1つと、を電気的に接続する。
第4導電層18Dは、第1方向(Z軸方向)において、第3導電層18Cと離れる。第3導電層18Cと第4導電層18Dとの間に、上記の複数の積層部Sp及び第2導電層18Bが設けられる。第3導電層18C及び第4導電層18Dが、電流の出力端子となる。
例えば、複数の導電層がZ軸方向に並び、複数の導電層の間に半導体部が設けられる。そして、この半導体部の導電形が、交互に変化する。
実施形態において、複数の半導体部(第1半導体部11P及び第2半導体部12P)の1つの第1方向に沿う長さは、この1つの半導体部の幅よりも長い。この幅は、第1方向に対して垂直な1つの方向(例えばY軸方向)の長さである。
複数の半導体部(第1半導体部11P及び第2半導体部12P)の1つの幅(例えばY軸方向の長さ)は、10nm以上300nm以下である。複数の半導体部(第1半導体部11P及び第2半導体部12P)の2つの間の距離(最近接の距離)は、例えば、上記の幅の0.1倍以上1.5倍以下である。例えば、この距離は、3nm以上15nm以下である。
複数の半導体部(第1半導体部11P及び第2半導体部12P)の1つの長さ(第1方向に沿った長さ)は、例えば、0.5μm以上10μm以下である。長さは、例えば、2μm5μm以下でも良い。長さは、例えば、約4μm以下である。
複数の半導体層部は、例えば、ポリシリコンを含む。複数の半導体部は、例えば、ゲルマニウムを含んでも良い。複数の半導体部は、Bi及びTeを含んでも良い。
上記の導電層(第1導電層18A、第2導電層18B、第3導電層18C及び第4導電層18Dなど)の1つの厚さ(第1方向に沿う長さ)は、例えば、50μm以上200μm以下である。上記の導電層は、例えば、金属(タングステンなど)を含む。上記の導電層は、例えば、電極として機能しても良い。
熱電変換装置160は、基体50sを含んでも良い。上記の半導体部及び導電層は、基体50sの面50aの上に設けられる。基体50sは、例えば、シリコン基板などを含む。基体50sは、基体50sと第3導電層18Aとの間に絶縁層51が設けられている。絶縁層51は、例えば、窒化シリコンを含む。絶縁層51の厚さは、例えば、約1μmである。基体50sのY軸方向の長さは、例えば、約20mmである。
この例では、複数の半導体部の周りに絶縁部LP0が設けられる。絶縁部LP0は、導電層の一部を覆っても良い。後述するように、絶縁部LP0の少なくとも一部は、省略しても良い。図30(a)に示すように、絶縁部LP0が、Y軸方向において第1導電層18Aと重なる部分を有しても良い。この重なる部分のY軸方向の長さは、例えば、5mmである。
以下、熱電変換装置160の製造方法の例について説明する。
図33(a)〜図33(d)、図34(a)〜図34(d)、及び、図35(a)〜図35(c)は、第6実施形態に係る熱電変換装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
図33(a)に示すように、基体50s(例えばシリコン基板)の面50aの上に、絶縁層51(例えばシリコン窒化膜)が形成される。その上に、第3導電層18Cとなる導電膜18Cf(例えば、タングステン膜)を形成する。
図33(b)に示すように、導電膜18Cfの一部を除去して第3導電層18Cが形成される。第3導電層18Cの上に、絶縁膜18f(例えばシリコン酸化膜)を形成する。
図33(c)に示すように、平坦化処理を行う。
図33(d)に示すように、レジスト膜18Rを形成する。レジスト膜18Rは、複数の開口部を有する。開口部の形成は、光リソグラフィ、EUVリソグラフィ、DSA、ナノプリントまたは電子描画などの方法が用いられる。レジスト膜18Rをマスクとして用い、絶縁膜18fの一部を除去する。絶縁膜18fに孔が形成される。
図34(a)に示すように、絶縁膜18fの孔の中に第2導電形の半導体を埋め込み、平坦化する。この半導体は、例えば、ポリシリコンを含む。この半導体により、第2半導体部12Pが形成される。
図34(b)に示すように、第1導電層18Aとなる導電膜18Af(例えば、タングステン膜)を形成する。
図34(c)に示すように、導電膜18Afの一部を除去して、第1導電層18Aを形成する。第1導電層18Aの上に、絶縁膜18g(例えばシリコン酸化膜)を形成する。
図34(d)に示すように、平坦化処理を行う。
図35(a)に示すように、レジスト膜18Sを形成する。レジスト膜18Sの形成には、例えば、レジスト膜18Rの形成方法と同様の方法が用いられる。レジスト膜18Rをマスクとして用い、絶縁膜18gの一部を除去する。絶縁膜18gに孔が形成される。
図35(b)に示すように、絶縁膜18gの孔の中に第1導電形の半導体を埋め込み、平坦化する。この半導体は、例えば、ポリシリコンを含む。この半導体により、第1半導体部11Pが形成される。
図35(c)に示すように、上記の工程を繰り返す。これにより、熱電変換装置160が作製される。
図36(a)〜図36(c)は、第6実施形態に係る別の熱電変換装置を例示する模式図的断面である。
図36(b)は、図36(a)のK1−K2線断面図である。図36(c)は、図36(a)のJ1−J2線断面図である。
これらの図に示すように、熱電変換装置161においては、絶縁部LP0が設けられていない。これ以外は、熱電変換装置160と同様である。
上記の熱電変換装置160の製造方法において、半導体部の形成の後に絶縁膜18f及び18gなどが除去される。これにより、熱電変換装置161が製造できる。
熱電変換装置161においては、複数の第1半導体部11Pの間の領域は、空洞となる。複数の第2半導体部12Pの間の領域は、空洞となる。これにより、例えば、導電膜18Aと導電膜18Bとの間における熱伝導を抑えることができる。温度差を大きく保つことができる。熱電変換装置161においても、単位面積当たりの出力を向上できる熱電変換装置が提供できる。空洞には、例えば、気体(空気)などが存在する。
図37(a)〜図37(c)、図38(a)、図38(b)、図39(a)及び図39(b)は、第6実施形態に係る別の熱電変換装置を例示する模式図である。
図37(a)は、図39(b)のL1−L2線断面図である。図37(b)は、図37(a)のK1−K2線断面図である。図37(c)は、図37(a)のJ1−J2線断面図である。図38(a)、図38(b)及び図39(a)は、側面図である。図39(b)は、図37(a)の矢印ARから見た平面図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係る別の熱電変換装置162も、複数の積層部Spと複数の導電層(例えば、第1〜第4導電層18A〜18D)を含む。熱電変換装置162においては、側壁絶縁部LP1が設けられ、絶縁部LP0が設けられない。これ以外は、熱電変換装置160と同様なので、説明を省略する。
側壁絶縁部LP1は、上記の導電層及び基体50sとともに、複数の半導体部が設けられる空間を密閉する。気密の空間が形成される。この空間は、減圧されても良い。この空間は、真空と呼ばれる状態でも良い。
熱電変換装置160においては、複数の第1半導体部11Pの間の領域は、空洞となる。複数の第2半導体部12Pの間の領域は、空洞となる。これらの空洞は、減圧可能である。これにより、例えば、導電膜18Aと導電膜18Bとの間における熱伝導を抑えることができる。温度差を大きく保つことができる。熱電変換装置161においても、単位面積当たりの出力を向上できる熱電変換装置が提供できる。
側壁絶縁部LP1は、例えば窒化シリコンを含む。実施形態において、側壁絶縁部LP1の材料は、任意である。
この例では、封止部18Xが設けられている。この例では、第4導電層18Dに開口部が設けられている。封止部18Xは、この開口部を封止する。封止部18Xは、例えば樹脂を含む。
以下、熱電変換装置162の製造方法の例について説明する。
図40(a)〜図40(d)、図41(a)〜図41(d)、図42(a)〜図42(d)、図43(a)〜図43(d)、図44(a)、図44(b)及び図45は、第6実施形態に係る別の熱電変換装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
図40(a)に示すように、基体50s(例えばシリコン基板)の面50aの上に設けられた絶縁層51(例えばシリコン窒化膜)の上に、第3導電層18Cとなる導電膜18Cf(例えば、タングステン膜)を形成する。
図40(b)に示すように、導電膜18Cfの一部を除去して第3導電層18Cが形成される。第3導電層18Cの上に、絶縁膜19f(例えばシリコン酸化膜)を形成する。
図40(c)に示すように、平坦化処理を行う。
図40(d)に示すように、レジスト膜18Rを形成する。レジスト膜18Rは、複数の開口部を有する。開口部の形成は、光リソグラフィ、EUVリソグラフィ、DSA、ナノプリントまたは電子描画などの方法が用いられる。レジスト膜18Rをマスクとして用い、絶縁膜19fの一部を除去する。絶縁膜19fに孔が形成される。
図41(a)に示すように、絶縁膜19fの孔の中に第2導電形の半導体(例えば、ポリシリコン)を埋め込み、平坦化する。この半導体により、第2半導体部12Pが形成される。
図41(b)に示すように、絶縁膜19fの外縁部分の一部を除去する。
図41(c)に示すように、側壁絶縁部LP1の一部となる絶縁膜LPf1を形成する。絶縁膜LPf1は、例えば、シリコン窒化膜である。
図41(d)に示すように、平坦化する。例えば、第2半導体部12Pが露出する。
側壁絶縁部LP1の一部となる絶縁膜LPf1を形成する。絶縁膜LPf1は、例えば、シリコン窒化膜である。
図42(a)に示すように、第1導電層18Aとなる導電膜18Af(例えば、タングステン膜)を形成する。
図42(b)に示すように、導電膜18Afの一部を除去して、第1導電層18Aを形成する。第1導電層18Aの上に、絶縁膜19g(例えばシリコン酸化膜)を形成する。
図42(c)に示すように、平坦化処理を行う。
図42(d)に示すように、レジスト膜18Sを形成する。レジスト膜18Sの形成には、例えば、レジスト膜18Rの形成方法と同様の方法が用いられる。レジスト膜18Rをマスクとして用い、絶縁膜19gの一部を除去する。絶縁膜19gに孔が形成される。
図43(a)に示すように、絶縁膜19gの孔の中に第1導電形の半導体(例えば、ポリシリコン)を埋め込み、平坦化する。この半導体により、第1半導体部11Pが形成される。
図43(b)に示すように、絶縁膜19gの外縁部分の一部を除去する。
図43(c)に示すように、側壁絶縁部LP1の別の一部となる絶縁膜LPg1を形成する。絶縁膜LPg1は、例えば、シリコン窒化膜である。
図43(d)に示すように、平坦化する。例えば、第2半導体部12Pが露出する。
図44(a)に示すように、上記の工程を繰り返す。これにより、複数の積層部Sp、及び、複数の導電層(第1〜第4導電層18A〜18D)が形成される。
図44(b)に示すように、第4導電層18Dに開口部18Doを形成する。
図45に示すように、開口部18Doを介して、絶縁膜(絶縁膜19f及び絶縁膜19gなど)を除去する。除去は、例えばウエットエッチングなどにより行われる。この後、形成された空間を減圧状態として、封止部18X(例えば、樹脂)を形成する。
以上により、熱電変換装置161が作製される。
図46(a)〜図46(d)は、実施形態に係る熱電変換装置を例示する模式的斜視図である。
これらの図は、実施形態に係る熱電変換装置の構成をモデル的に示している。これらの図においては、孔(例えば第1〜第4孔HZ1〜HZ4など)、及び、複数の積層部Spなどは省略されている。これらの図は、熱電変換装置における、半導体層(または半導体領域)の配置の組み合わせを例示している。
図46(a)に示すように、熱電変換装置171において、第1半導体領域11L及び第2半導体領域12Lが設けられる。第1半導体領域11Lは、第1半導体層11が設けられる領域である。第2半導体領域12Lは、第1半導体層12が設けられる領域である。熱電変換装置171においては、第1半導体領域11L及び第2半導体領域12Lは、Z軸方向(第1方向)に積層される。
図46(b)に示すように、熱電変換装置172においては、第1半導体領域11Lと第2半導体領域12Lとを結ぶ方向は、Z軸方向(第1方向)に対して交差する。これらの領域は、面内で並ぶ。
上記の熱電変換装置171及び172のそれぞれを基本の単位として、複数のこれらの領域が設けられても良い。基本の単位において、単位電圧Veが得られる場合、N個の基本単位を直列に接続すると、得られる電圧は、N×Veとなる。基本の単位において、単位電流Ieが得られる場合、N個の基本単位を並列に接続すると、得られる電流は、N×Ieとなる。
図46(c)に示すように、熱電変換装置173においては、例えば、4つの熱電変換装置171が積層されて1つの積層ユニットとなる。4つのこの積層ユニットが、さらに、並列に接続される。
図46(d)に示すように、熱電変換装置174においては、例えば、4つの熱電変換装置172が積層されて1つの積層ユニットとなる。4つのこの積層ユニットが、さらに、並列に接続される。
実施形態において、複数のユニットは、直列及び並列に接続されても良い。例えば、複数のユニットの一部が直列に接続され、複数のユニットの別の一部が並列に接続されても良い。直列に接続される数が多いと、得られる電圧が高くなる。並列に接続される数が多いと、得られる電流が大きくなる。
複数のユニットの接続が切り替えられても良い。例えば、複数のユニットを電気的に接続する導電部の接続状態を変更することで、直列と並列とが互いに入れ替えられても良い。用途に応じた出力が得られる。
上記の実施形態においては、微細パターンを持つ熱電変換素子の集積が容易である。低コストの熱電変換モジュールを提供することができる。
図47は、実施形態に係る熱電変換モジュールを例示する模式的斜視図である。
実施形態に係る熱電変換モジュール210は、実施形態に係る複数の熱電変換装置を含む。この例では、実施形態に係る複数の熱電変換装置として、熱電変換装置110が用いられている。熱電変換モジュール210に含まれる熱電変換装置は、上記の実施形態に係る任意の熱電変換装置及びその変形を含む。例えば、熱電変換モジュール210は、第1〜第6実施形態の1つに係る熱電変換装置と、第1〜第6実施形態の別の1つに係る熱電変換装置と、を含んでも良い。
複数の熱電変換モジュール210により、熱電変換モジュールシステム310が形成される。
例えば、ベース基板260の上に複数の熱電変換モジュール210が設けられる。複数の熱電変換モジュール210の1つにおいて、例えば、n形半導体層とp形半導体層とを含む組みが、複数設けられる。複数の組みの数は、例えば、10以上500以下である。この数は、例であり、任意である。複数の熱電変換装置110の1つの、1つの方向における長さは、例えば、60mmであり、別の1つの方向における長さは、例えば、25mmであり、厚さは、2mmである。これらの長さ及び厚さは、例であり、任意である。
このような複数の熱電変換モジュール210が、ベース基板260の上において、例えば、2つの方向に沿ってマトリクス状に配置される。複数の熱電変換モジュール210の1つと、複数の熱電変換モジュール210の別の1つが、例えば、直列または並列に電気的に接続される。この接続は、例えば、配線250により行われる。実施形態において、複数の熱電変換モジュール210の配置の状態は、任意である。例えば、複数の熱電変換装置110の1つと、複数の熱電変換装置110の別の1つと、が、直列または並列に電気的に接続されても良い。
例えば、ベース基板260が、高温部となる。ベース基板260とは反対側が、低温部となる。例えば、ベース基板260が、高温の、壁または配管などに取り付けられる。これにより、温度差が生じ、電力が得られる。
実施形態において、実施形態に係る複数の熱電変換装置を直列または並列に接続することで、所望の電圧または電流が得られる。本実施形態により、単位面積当たりの出力を向上できる熱電変換モジュールを提供できる。
実施形態によれば、単位面積当たりの出力を向上できる熱電変換装置を提供できる。
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれは良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、熱電変換装置に含まれる半導体層、半導体部、接続部、導電層及び基体などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した熱電変換装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての熱電変換装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。