JP3409918B2 - 赤外線検知素子の製造方法 - Google Patents
赤外線検知素子の製造方法Info
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Landscapes
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Description
る熱型の赤外線検知素子の製造方法に関する。
線検知素子としては、例えば図4に示すようなものがあ
る(特開平3−94127号公報)。図において、11
は(100)面を主表面とするシリコン基板であり、そ
の主表面全域にSiNのメンブレン13が形成されてい
る。所要領域におけるメンブレン13裏面側のシリコン
基板11主表面部には、基板11への熱伝達を防止する
ため四角錐台を逆さまにした形状の熱絶縁室12が形成
されている。熱絶縁室12上方のメンブレン13の表面
には感温素子要素としてp型ポリシリコン14とn型ポ
リシリコン15のpn接合によりダイオード16が形成
されている。17は保護膜であり、ダイオード16を含
む受光領域における保護膜17上には赤外線吸収膜18
が形成されている。熱絶縁室12及びこの熱絶縁室12
上のメンブレン構造は、次のようにして形成されてい
る。即ち、基板エッチングを行う領域においてシリコン
基板11とメンブレン13の間に予めポリシリコン犠牲
層を堆積しておく。ポリシリコン犠牲層の所定領域上に
おける保護膜17及びメンブレン13を貫通しポリシリ
コン犠牲層に達するエッチング液注入用開口部19を形
成する。開口部19からヒドラジン、KOH、EDPな
どの異方性エッチング液を注入する。このとき、ポリシ
リコンの面方位はマクロ的にはランダムであるために等
方的なエッチング特性を示し、ポリシリコン犠牲層は端
までエッチングが進行して全部がエッチング除去され
る。一方、シリコン基板は、異方性エッチング液による
(111)面のエッチング速度は(100)面のそれに
比べると1/100以下と非常に小さい。従って、上記
の異方性エッチング液でエッチングを行うと、シリコン
基板11は、ポリシリコン犠牲層で限定された領域にお
いて上部の開口側を底面、(111)面を側面とする四
角錐あるいは四角錐台状の熱絶縁室12が形成され、こ
れと同時に熱絶縁室12上にメンブレン構造が形成され
る。このため、従来の赤外線検知素子では、メンブレン
13やダイオード16形成用のp,n型ポリシリコン1
4,15等がポリシリコン犠牲層の端の段差で屈曲する
ことになる。そして赤外線吸収膜18に赤外線が入射す
ると、熱絶縁室12でシリコン基板11から熱分離され
ている中央のpn接合部の温度が上昇し、ダイオード1
6の拡散電位が減少する。ダイオード16を定電流駆動
している場合には順方向電圧降下が減少するので、この
変化量から赤外線の入射量が計測される。感温素子要素
としては、ダイオードの他にサーモパイルあるいはボロ
メータ等も用いられている。
チング液でエッチングする場合、一般的に方形のエッチ
ング開口部を設けた場合には、アンダーエッチングは殆
んど進まずほぼ開口部の大きさの底面を持つ四角錐が形
成されるだけであり、ポリシリコン犠牲層の堆積無しで
は、メンブレン構造を形成することはできない。また、
円形の開口部の場合には開口部を内接円とした四角錐が
形成され、同様にメンブレン構造を形成することはでき
ない。このため、ポリシリコン犠牲層の堆積無しでメン
ブレン構造を形成するために、シリコン基板のオリエン
テーションフラット面又は開口部を(110)方向から
オフセットさせることも考えられている。しかし、この
場合には複数の開口部を設け、エッチングによってでき
る(111)面と表面の(100)面の交線によって形
成される長方形が互いにオーバーラップしている必要が
ありメンブレンの形状に制約が生じる。
うな従来の赤外線検知素子にあっては、ポリシリコン犠
牲層のほぼ全部をエッチング除去して熱絶縁室の形状を
決定するようにしていたため、熱絶縁室の端の部分の段
差でメンブレンが屈曲して強度が劣化し信頼性が低下す
るとともに薄くすることができず熱分離性の向上には限
界がある。また、熱絶縁室の端の段差でサーモパイル等
の感温素子要素に段切れが起こるためにサーモパイル等
を十分薄くすることができず検知特性の向上には限界が
あるという問題があった。
てなされたもので、メンブレンの機械的強度を増して破
壊に対する信頼性を向上させ、また熱分離性を良好にし
て検知特性を向上させることができる赤外線検知素子の
製造方法を提供することを目的とする。
に、本発明は、第1に、半導体基板の主表面上にポリシ
リコン犠牲層となるポリシリコン層を堆積し、所定形状
にパターニングする工程と、前記ポリシリコン層の中に
選択的にボロンをドープして前記ポリシリコン層の周辺
部に環状領域を形成する工程と、前記半導体基板の主表
面から前記ポリシリコン層上面にかけて耐エッチング材
料からなるメンブレンを形成する工程と、前記メンブレ
ン上に受熱部が前記ポリシリコン犠牲層の上方に位置す
るように感温素子要素を形成する工程と、前記感温素子
要素及びメンブレン上に耐エッチング材料からなる絶縁
膜を被覆形成する工程と、前記ポリシリコン犠牲層の所
要領域上における前記絶縁膜及びメンブレンを貫通する
エッチング液注入用の開口部を形成する工程と、前記感
温素子要素における受熱部に対応した前記絶縁膜上の位
置に赤外線吸収膜を形成する工程と、前記開口部を介し
てエッチング液を注入し前記ポリシリコン犠牲層及び前
記半導体基板の一部をエッチング除去して熱分離室を形
成する工程とを有することを要旨とする。
記受熱部とし、冷接点が前記環状領域上方部の前記メン
ブレン上に位置するサーモパイルであることを要旨とす
る。
層及び半導体基板の一部をエッチング除去して熱分離室
を形成する際、ボロンドープのポリシリコンはエッチン
グ速度が極めて遅くなることからポリシリコン犠牲層周
辺の環状領域が残る。したがってメンブレンの屈曲部が
その環状領域で補強され、機械的強度が増大する。ま
た、機械的強度が増大することからメンブレンを薄くす
ることができて熱分離性が良好となり、入射する被検出
赤外線で受熱部が効果的に温度上昇し、検知特性が向上
する。
面で形成される。したがってサーモパイルも薄く形成す
ることが可能となり、熱分離性が良好となって検知特性
が一層向上する。
いて説明する。図1、図2を用いて、まず赤外線検知素
子の構成を説明する。シリコン基板1の主表面上には、
B(ボロン)ドープのポリシリコン層3bが四角環状に
形成されている。その中央部のノンドープポリシリコン
からなるポリシリコン犠牲層3aは後述するエッチング
によって消失している。シリコン基板1の主表面からB
ドープしたポリシリコン層3bの上面部にかけてSiN
のメンブレン4が形成されている。Bドープのポリシリ
コン層3b上面側のメンブレン4上には、n型ポリシリ
コン5aとp型ポリシリコン5bが形成され、その両端
がAl−Siからなる温接点5c、冷接点5dで相互に
接続されて感温素子要素としてのサーモパイル5が構成
されている。6はBPSGなどの層間絶縁膜、7はPS
G又はSiNによる保護膜である。ポリシリコン犠牲層
3aの所定領域上におけるメンブレン4、層間絶縁膜
6、保護膜7の部分には、エッチング液をポリシリコン
犠牲層3a及びシリコン基板1に到達させるための開口
部8が形成されている。開口部8は図の例では4個形成
されている。開口部8から導入されたエッチング液によ
ってまずポリシリコン犠牲層3aがエッチングされ、次
いでこのポリシリコン犠牲層3a直下のシリコン基板1
の部分がエッチングされて四角錐又は四角錐台を逆さま
にした形状の熱分離室2が形成されている。熱分離室2
の底面の形状は、シリコン基板1の面方位、ポリシリコ
ン犠牲層3aの平面形状によって一義的に決定され、側
面は(111)面で形成されている。このように形成さ
れた熱分離室2上方の保護膜7上にはAu−Black
膜による赤外線吸収膜9が形成されている。
る。主表面が(100)面であるシリコン基板1の所定
の領域にポリシリコン層を減圧CVD法により堆積し所
要形状にパターニングする。熱分離室2を形成する領域
以外のポリシリコン層周辺部の環状領域にBをドーズ量
にして5×1015〜1×1016(cm-2)イオン注入
し、その熱分離室2を形成する領域はノンドープポリシ
リコンからなるポリシリコン犠牲層3aとする。Bのド
ーズ量とエッチング速度との関係を図3に示すが、1×
1016(cm-2)注入した場合には、ポリシリコン犠牲
層3aであるノンドープポリシリコンとの選択比は約2
0である。シリコン基板1の主表面及びポリシリコン層
上面を覆うように、メンブレン4となるSiNを減圧C
VD法を用いて基板温度780℃程度で堆積し、その上
にサーモパイル5となるポリシリコン層を減圧CVD法
を用いて基板温度620℃程度で堆積しパターニングす
る。ポリシリコンの電気伝導度を向上させるために、パ
ターニングしたポリシリコン層にB,Pなどのドーパン
トをイオン注入法によってドーズ量5×1015(c
m-2)程度ドープし、950℃で20分程度のアニール
を行い電気的に活性させてp型ポリシリコン5b、n型
ポリシリコン5aとする。その上に層間絶縁膜6を堆積
させ、両ポリシリコン5a,5bの接続部にコンタクト
ホールを形成する。Al−Siをスパッタ法によって堆
積を行いパターニングし、温接点5c及び冷接点5dを
形成してp型ポリシリコン5bとn型ポリシリコン5a
とを相互に接続し、サーモパイル5を形成する。その上
にPSGやプラズマCVD法によるSiNを保護膜7と
して堆積させる。受熱部となる温接点5c上方の保護膜
7上の部分に、Au−Blackを蒸着しパターニング
して赤外線吸収膜9を形成する。ポリシリコン犠牲層3
aの所定領域上におけるメンブレン4、層間絶縁膜6、
保護膜7の部分に熱分離室2を形成するための開口部8
をドライエッチング法によって形成し、この開口部8を
介してポリシリコン犠牲層3a及びドラジンでシリコン
基板1のエッチングを行い、熱分離室2を形成する。エ
ッチング時の液温は約78℃である。なお、メンブレン
4上に形成される感温素子要素はサーモパイルに限った
ものではなく、図4のダイオードやボロメータなども同
様の方法で形成できる。
る。赤外線吸収膜9によって吸収された入射赤外線は熱
に変換され赤外線吸収膜9の温度が上昇する。この熱
は、伝導によって温接点5cに伝えられ温接点5cの温
度を上昇させる。温接点5c近傍のシリコン基板1部分
にはエッチングによって除去され熱分離室2が形成され
ているために温接点5cと冷接点5dとは熱抵抗が高い
メンブレン4、ポリシリコン層5a,5b、絶縁膜6,
7などで接続されているだけなので温接点5cの熱は冷
接点5dには伝わりにくくなっている。その結果、両接
点5c,5d間に温度差が生じ、ゼーベック効果によっ
てサーモパイル5に起電力が生じる。図1の構成では、
サーモパイル5全体の熱起電力Sは、n型ポリシリコン
5aにおける両接点5c,5d間の熱起電力とp型ポリ
シリコン5bにおける両接点5c,5d間の熱起電力と
の和になり、次の(1)式で表わされる。
リシリコン5aとp型ポリシリコン5bの両方を足し合
わせたゼーベック係数、Rthは熱抵抗、Pは入射エネル
ギーである。上記(1)式から熱起電力Sを大きくする
にはゼーベック係数の大きい材料を用い、熱抵抗を大き
くする必要がある。また、熱型赤外線検知素子の性能指
数D* は次の(2)式のように書ける。
電気抵抗、Pd は実効的な入射エネルギーである。この
(2)式は、吸収膜の面積、対数、熱抵抗及びエネルギ
ーの伝達効率を大きく、電気抵抗を小さくする必要があ
ることを示している。
の発明によれば、それぞれ次のような効果を奏する。
の主表面上にポリシリコン犠牲層となるポリシリコン層
を堆積し、所定形状にパターニングする工程と、前記ポ
リシリコン層の中に選択的にボロンをドープして前記ポ
リシリコン層の周辺部に環状領域を形成する工程と、前
記半導体基板の主表面から前記ポリシリコン層上面にか
けて耐エッチング材料からなるメンブレンを形成する工
程と、前記メンブレン上に受熱部が前記ポリシリコン犠
牲層の上方に位置するように感温素子要素を形成する工
程と、前記感温素子要素及びメンブレン上に耐エッチン
グ材料からなる絶縁膜を被覆形成する工程と、前記ポリ
シリコン犠牲層の所要領域上における前記絶縁膜及びメ
ンブレンを貫通するエッチング液注入用の開口部を形成
する工程と、前記感温素子要素における受熱部に対応し
た前記絶縁膜上の位置に赤外線吸収膜を形成する工程
と、前記開口部を介してエッチング液を注入し前記ポリ
シリコン犠牲層及び前記半導体基板の一部をエッチング
除去して熱分離室を形成する工程とを具備させたため、
メンブレンの屈曲部が、エッチング工程の際に残ったボ
ロンドープポリシリコン層からなる環状領域で補強さ
れ、メンブレンの機械的強度が増して破壊に対する信頼
性が向上する。また、機械的強度が増すことからメンブ
レンを薄くすることができて熱分離性が良好となり、被
検出入射赤外線で受熱部が効果的に上昇し、検知特性向
上させることができる。
子要素は、温接点を前記受熱部とし、冷接点が前記環状
領域上方部の前記メンブレン上に位置するサーモパイル
で構成したため、サーモパイルがメンブレン上に平面で
形成されることからサーモパイルを薄くすることができ
て熱分離性が良好となり、検知特性を一層向上させるこ
とができる。
例で製造される赤外線検知素子の平面図である。
グ速度の関係を示す図である。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 半導体基板の主表面上にポリシリコン犠
牲層となるポリシリコン層を堆積し、所定形状にパター
ニングする工程と、前記ポリシリコン層の中に選択的に
ボロンをドープして前記ポリシリコン層の周辺部に環状
領域を形成する工程と、前記半導体基板の主表面から前
記ポリシリコン層上面にかけて耐エッチング材料からな
るメンブレンを形成する工程と、前記メンブレン上に受
熱部が前記ポリシリコン犠牲層の上方に位置するように
感温素子要素を形成する工程と、前記感温素子要素及び
メンブレン上に耐エッチング材料からなる絶縁膜を被覆
形成する工程と、前記ポリシリコン犠牲層の所要領域上
における前記絶縁膜及びメンブレンを貫通するエッチン
グ液注入用の開口部を形成する工程と、前記感温素子要
素における受熱部に対応した前記絶縁膜上の位置に赤外
線吸収膜を形成する工程と、前記開口部を介してエッチ
ング液を注入し前記ポリシリコン犠牲層及び前記半導体
基板の一部をエッチング除去して熱分離室を形成する工
程とを有することを特徴とする赤外線検知素子の製造方
法。 - 【請求項2】 前記感温素子要素は、温接点を前記受熱
部とし、冷接点が前記環状領域上方部の前記メンブレン
上に位置するサーモパイルであることを特徴とする請求
項1記載の赤外線検知素子の製造方法。
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JP11261494A JP3409918B2 (ja) | 1994-05-26 | 1994-05-26 | 赤外線検知素子の製造方法 |
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