JP3005198B2 - インモールドラベルブロー成形方法 - Google Patents
インモールドラベルブロー成形方法Info
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Description
ルブロー成形方法に関し、特にラベルのしわや浮きを起
こさないインモールドラベルブロー成形方法に関する。
した円筒状の樹脂を割型の金型で挟んだ後、ブローピン
を打ち込み、ブローピン先端から圧縮エアーを吹き込む
ことにより、パリソンを金型のキャビテイ面に押し付
け、冷却してボトル等の如き中空成形品を得るものであ
る。
面とパリソンとの間にラベルを挿入することにより、成
形と同時にラベルリングを行うインモールドラベルブロ
ー成形が知られている。インモールドラベルブロー成形
の利点としては、ボトルとラベルとの境界に段差がなく
て一体感のあるボトルが得られるという点である。
は、ラベルにしわや浮きが発生するという問題があっ
た。すなわち、ボトル取り出し直後は、ラベル面は金型
により冷却されているが、ボトル内部は断熱状態にあ
り、該ボトル内側の樹脂は高い温度となっている。この
ため、ボトル取り出し後、ボトル内側の樹脂の熱がラベ
ルに伝わるため、該ラベルの温度が高くなることによ
り、該ラベルの糊が再溶融する。また、ラベルと樹脂と
では熱収縮率が異なることから樹脂とラベルとの間で剥
離が生じ、上記ラベルの糊の再溶融と併せて、ラベル面
にしわや浮きが発生しやすい。
度を低くして、糊の再溶融およびボトル、ラベルの熱収
縮を抑えることにより、ラベルの浮き、しわ等の如きボ
トルの変形を抑えていた。したがって、これまでは、イ
ンモールドラベルを行うと、長い冷却時間が必要とな
り、成形サイクルが長いものとなっていた。
温度や熱収縮率が原因となる他、金型内のエア抜け不良
が原因となって発生する。一般に、金型内のエアは、金
型パーティング面上に設けられているエアベントと呼ば
れる排気溝から金型外部に排気される。しかし、インモ
ールドラベル成形において、金型からのエア抜けが良く
ないと、エアがラベルと樹脂の間に取り込まれてラベル
のしわ、浮きという不良現象として顕著に現われるので
ある。
収縮率を特定してボトル成形後のしわや浮き等のラベル
変形を防止する方法(特開平3−153334号公報)
や、金型にエア抜きのための溝等を設けたエア抜き装置
(特開平1−99937号公報)が提案されている。
縮率を特定した場合には、使用できるラベルの材質が限
られるといった問題もある。一方、エア抜きのための溝
等を付けた場合には、金型構造が複雑となり、コストア
ップとなる。また、金型に設けられる冷却水管と排気エ
ア回路との干渉を考慮しなければならないことから、冷
却水管の配置に制限が出て、冷却効率が低下するという
不具合も発生する。
ベル材質に制限を加えることなく、さらに短い冷却時間
にて、ラベルにしわや浮きを起こさないインモールドラ
ベルブロー形成方法を提供することにある。
ドラベルを行った場合に発生するしわや浮きの原因とな
るエアの巻き込みを防止する方法について、鋭意検討し
た結果、次の方法が極めて有効であることを知見した。
にラベルを配置した状態でパリソンにガスを吹き込んで
ボトルを成形する、インモールドラベルブロー成形方法
において、 0.1<t≦1 60・V/t≦F<600・V〔 但し、t:プリブロー時間(秒)、F:エア流量(N
l/min)、V:ボトル容量(l)、60は60(秒
/min)を意味し、600は600(1/min)を
意味する〕を満たす低流量のプリブローを行った後、ボ
トル内圧を8kgf/cm2 (G)以上に0.5秒以上
保持することを特徴とするインモールドラベルブロー成
形方法を提供することにより、上記の目的を達成するも
のである。
gf/cm2 (G)以上に0.5秒以上保持しながらエ
アの吹き込み排気を行うことを特徴とする請求項1記載
のインモールドラベルブロー成形方法を提供することに
より、上記の目的を達成するものである。
gf/cm2 (G)以上に0.5秒以上保持した後、ボ
トル内圧を5kgf/cm2 (G)以上に保持しながら
エアの吹き込み排気を行うことを特徴とする請求項2記
載のインモールドラベルブロー形成方法を提供すること
により、上記の目的を達成するものである。
t≦1、60・V/t≦F<600・Vを満たす低流量
のプリブローを行うことにより、金型からのエア逃げが
良くなり、ラベルと樹脂との間のエアの巻き込みが防止
される。その後、ボトル内圧を8kgf/cm2 (G)
以上に0.5秒以上保持すれば、巻き込まれたエアが押
し潰されてラベルの浮きが防止される。
圧を8kgf/cm2 (G)以上に0.5秒以上保持し
ながらエアを吹き込み排気することにより、ボトルを内
側から冷却して取り出すことが可能となり、その後、樹
脂の内部からの熱によりラベルの糊が再溶融することが
防止される。
圧を5kgf/cm2 (G)以上に保持することによ
り、金型からの冷却を低下させることなく、小さなエア
供給装置あるいは小さな型締力の成形機にてラベルにう
きのない外観的に優れたボトルを得ることができる。
実施形態について説明する。始めに、本実施形態のイン
モールドラベルブロー成形方法に用いたエア回路図につ
いて図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態の
ブロー成形方法に用いたエア回路図である。
リソンに吹き込むプリブローの経路、高流量のエアをパ
リソンに吹き込むメインブローの経路、およびパリソン
に吹き込まれたエアを排気する経路からなっている。
ブローピン6間に設けられる第1の吹込側経路22a、
第2の吹込側経路22b、および第3の吹込側経路22
cからなる。メインブローの経路には、開閉バルブ2、
電磁弁3、およびエアの排気時間を短縮するクイックイ
グゾースト4が設けられている。
2の吹込側経路22bにつながる吹込経路23からな
る。プリブローの経路には、開閉バルブ8、エアの圧力
を調整するレギュレター9、電磁弁10、流量調節器1
1、および逆止弁12が設けられている。
サー20とによって設けられる排気経路24からなる。
排気経路24には、電磁弁17、ボトル内の圧力を一定
に保つためのリリーフ弁18、エア流量計19、および
サイレンサー20が設けられている。吹き込み経路22
cと排気経路24には、それぞれ圧力センサー21が設
けられている。
てボトル等の如き中空成形品を成形するには、次のよう
にする。先ず、金型13内にラベルを配置した後、図1
に示すように、押出機から出たパリソン(図示せず)と
よばれる筒状の溶融樹脂を半割にした金型13で挟み、
カッター(図示せず)にて切断する。その後、ブローピ
ン6が金型13のノズル部15に打ち込まれる。
は、型締完了を起点としてタイマーにより設定される。
また、型締が完了した後、プリブローの経路に設けられ
る電磁弁10が開となりプリブローが開始される。尚、
プリブロー時間は、型締完了時点を起点としてタイマー
により設定される。
ローの経路に設けられる電磁弁3が開となり、メインブ
ローが開始となる。プリブローおよびメインブローによ
り、パリソンが金型13のキャビティ面に押し付けられ
て、ボトルである中空成形品14が形成される。メイン
ブロー開始後、タイマーにより排気経路の電磁弁17が
開となり、中空成形品14に吹き込まれたエアは、リリ
ーフ弁18に流れ込み、該リリーフ弁18の設定値まで
達するとサイレンサー20から排気される。
容器の成形を行った。成形条件は次の通りである。 ボトル容量: 0.6l ボトル重量: 40g 樹 脂: HDPE(高密度ポリエチレン)
定)、プリブロー圧力、ブローピン打ち込み待ち時間、
排気待ち時間とラベルの浮きとの関係を示すものであ
る。尚、本発明におけるプリブロー時間とは、プリブロ
ー時間(設定)−ブローピン打ち込み待ち時間である。
また、実験No.3および6における、ブローピン6の
吹き込み回路の下流に設置した圧力センサー21の挙動
を図3及び図4に示す。
内圧を10kgf/cm2 (G)に保持した後、ボトル
内圧を6kgf/cm2 (G)にて、エアの吹き込み排
気を行ったものである。この場合には、いずれもラベル
の浮きは皆無であった。
い場合には、エアの巻き込みによるラベルの浮きが発生
した。これはパリソンを急激に膨らませると、金型内の
エアの排気が不十分となり、ラベルとパリソンの間にエ
アが残り易くなるためであると考えられる。
く、プリブロー流量が少ない場合には、プリブロー段階
で金型内のエアの排気が不十分となり、エアがラベルと
パリソンとの間に残り易くなるため、エアの巻き込みに
よるラベルの浮きが発生した。
て、高圧エアの吹き込み開始と同時にエアの排気を行
い、ボトル内圧を高圧で保持しなかった場合にもラベル
の浮きが発生した。これは、高圧でパリソンを押し付け
たほうが、ラベルと樹脂との間に巻き込まれたエアが潰
れて細かい気泡となることにより、浮きが発生し難くな
るものと考えられる。
吹き込み排気を行わない場合には、糊の再溶融によるラ
ベルの浮きが発生した。
きとラベルの糊の再溶融によるラベルの浮きの違いは、
必ずしも明確には区別できないが、概略、次のようにし
て判別できる。すなわち、エアの巻き込みによるラベル
の浮きは、ボトルを金型から取り出した時点で既に発生
しているものであるが、ラベルの糊の再溶融によるラベ
ルの浮きは、ボトルを取り出した時点では発生していな
いが、その後、時間の経過とともに発生してくるもので
ある。
ラベルブロー成形方法によれば、低流量のプリブロー、
ボトル内圧の高圧保持、その後のエアの吹き込み排気を
行うことにより、ラベルの浮き、しわを防止することが
できる。
圧について説明する。低流量のプリブロー段階におい
て、プリブロー時間t(秒)は、0.1<t≦1であ
る。0.1秒以下でパリソンを金型に密着させた場合に
は、パリソンが急激に膨らむため、金型内のエア逃げが
不完全となり、その結果、ラベルと樹脂との間にエアが
巻き込まれることになる。一方、プリブロー時間が1秒
を越える場合には、パリソンが金型に接触するまでの時
間が長くなることにより、パリソン表面が固化して、表
面性が悪くなる。
のに必要なエアの最小吹き込み量は、およそボトル容量
V(l)となる。よって、プリブロー時間t(秒)に
て、パリソンを膨らませて金型にパリソンを密着させる
とすれば、エア流量F(Nl/min)は、60・V/
t≦Fとなる。但し、前記「60」は60(秒/mi
n)を意味し、また、本発明において、前記「Nl」
は、標準状態(ノルマル状態)、即ち大気圧、0℃にお
ける気体の体積(リットル)を示すものである。
限は、プリブロー時間t(秒)が0.1(秒)の場合
で、F<600・Vとなる。但し、前記「600」は6
00(1/min)を意味する。
パリソンは0.1秒以内に膨らむため、エア逃げ不良が
発生することになる。また、エア流量が60・V/tに
満たない場合には、プリブロー段階でパリソンが十分膨
らまず、金型内のエア逃げが不十分なうちに、メインブ
ローが始まり、パリソンが急激に膨らむため、エア逃げ
不良が発生するのである。以上より、エア流量F(Nl
/min)およびプリブロー時間t(秒)は、 0.1<t≦1において、 60・V/t≦F<600・V〔 但し、t:プリブロー時間(秒)、F:エア流量(N
l/min)、V:ボトル容量(l)、60は60(秒
/min)を意味し、600は600(1/min)を
意味する〕となる。プリブロー時間とプリブロー流量の
範囲を図2に示す。
が増加するとともに厳密には低下して行くが、パリソン
が金型に接するまでのごく初期の挙動は、初期のエア流
量に対応すると考えてよい。よって、本発明の示すプリ
ブロー流量とは、プリブローの初期エア流量であり、ブ
ローピンを金型に打ち込まない状態で、プリブローを行
なった場合に計測されるエアの一定流量に相当するもの
である。本発明では、プリブロー時間、打ち込み待ち時
間を長く設定して、プリブローを行い、各々のプリブロ
ー圧および流量調節器の状態でのエア流量を測定した。
に、ボトル内圧を6kgf/cm2(G)に保持した場
合には、エアの巻き込みによるラベルの浮きが見られ
た。しかし、実験No.3の場合には、ボトル内圧を1
0kgf/cm2 (G)に保持した場合、詳しくは図4
より、ボトル内圧8kgf/cm2 (G)を0.5秒以
上保持した場合には、エアの巻き込みによるラベルの浮
きは見られなかった。
たない場合には、樹脂を金型に押さえ付ける力が不十分
となり、樹脂が冷却されて収縮し、ボトルが金型から離
れて冷却効率が低下する。一方、ボトル内圧力が8kg
f/cm2 (G)を越えたとしても、樹脂の冷却効率は
変化しない。そこで、本実施例においては、8kgf/
cm2 (G)以上のボトル内圧を0.6秒保持した後、
ボトル内圧を6kgf/cm2 (G)に設定してエアの
吹き込み排気を行った。
ベルブロー成形方法においては、低流量のプリブローを
行うことにより、ラベルと樹脂との間のエアの巻き込み
を防止することができ、その後、ボトル内圧を高めるこ
とにより、巻き込まれたエアを押し潰すことにより、エ
アの巻き込みが原因となるラベルのしわや浮きを防止す
ることができ、外観的に優れたボトルを得ることができ
る。
成形方法においては、プリブローの後、ボトル内を高圧
に保持しながら、エアの吹き込み排気を行うことによ
り、ラベルと樹脂との間の糊の再溶融を防止することが
できるので、短い冷却時間でラベルにしわや浮きのない
外観的に優れたボトルを得ることができる。
ー成形方法においては、プリブロー、ボトル内の高圧保
持後、ボトル内を所定の内圧に保持することにより、金
型からの冷却効率を低下させることなく成形が可能とな
り、小さなエア供給装置、かつ、小さな型締力の成形機
にて、短い冷却時間でラベルにしわや浮きのない外観的
に優れたボトルを得ることができる。
用いたエア回路図である。
特性図である。
係を示す特性図である。
係を示す特性図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 金型内にラベルを配置した状態でパリソ
ンにガスを吹き込んでボトルを成形する、インモールド
ラベルブロー成形方法において、 0.1<t≦1 60・V/t≦F<600・V〔 但し、t:プリブロー時間(秒)、F:エア流量(N
l/min)、V:ボトル容量(l)、60は60(秒
/min)を意味し、600は600(1/min)を
意味する〕を満たす低流量のプリブローを行った後、ボ
トル内圧を8kgf/cm2 (G)以上に0.5秒以上
保持することを特徴とするインモールドラベルブロー成
形方法。 - 【請求項2】 ボトル内圧を8kgf/cm2 (G)以
上に0.5秒以上保持しながらエアの吹き込み排気を行
うことを特徴とする請求項1記載のインモールドラベル
ブロー成形方法。 - 【請求項3】 ボトル内圧を8kgf/cm2 (G)以
上に0.5秒以上保持した後、ボトル内圧を5kgf/
cm2 (G)以上に保持しながらエアの吹き込み排気を
行うことを特徴とする請求項2記載のインモールドラベ
ルブロー形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28982096A JP3005198B2 (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | インモールドラベルブロー成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28982096A JP3005198B2 (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | インモールドラベルブロー成形方法 |
Publications (2)
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JPH10128837A JPH10128837A (ja) | 1998-05-19 |
JP3005198B2 true JP3005198B2 (ja) | 2000-01-31 |
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ID=17748199
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28982096A Expired - Fee Related JP3005198B2 (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | インモールドラベルブロー成形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011071025A1 (ja) * | 2009-12-07 | 2011-06-16 | 富士フイルム株式会社 | 容器、及び容器の製造方法 |
-
1996
- 1996-10-31 JP JP28982096A patent/JP3005198B2/ja not_active Expired - Fee Related
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