JP3005083U - 変圧器の装柱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 腕金に取付けられた接触片が、変圧器の最下
部を挾持するので、変圧器下部が腕金上面より浮き上が
らず、従って、変圧器と電柱の横揺れの振幅が同一のま
まとなり、腕金面に対する変圧器の傾斜、すなわち腕金
面上での変圧器の揺れが完全に阻止され落下を防止す
る。 【構成】 電柱Ｄに一対の腕金１，１を突設し、該腕金
１上に載置した変圧器Ｔの胴部にバンド体を巻回して前
記電柱に変圧器を取付けるようにした構造において、変
圧器Ｔを受止する前記一対の腕金１，１に、変圧器１の
周側下部に接して互いに対向して変圧器を挾持する接触
片３を、ボルトとナットにより着脱自在に組付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は架空配電線路に使用する変圧器の装柱装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

電柱に一対の腕金を互いに平行に突設し、該腕金上に載置した変圧器の胴部に バンド体を巻回して前記電柱に取付ける、いわゆる変台方式と称する変圧器装柱 装置がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来の装置は、腕金上に載置した変圧器の重量と該変圧器と電柱（互いに 断面円形状である。）の両者を巻回したバンド体の抱縛力とで、変圧器を電柱に 支持させる方式で、垂直方向の荷重（変圧器の重量）を腕金が、また、水平方向 の荷重（風圧力あるいは車両等の振動による横揺れ）には変圧器と電柱とを一括 巻回させたバンド体で対応するようにしたものである。

【０００４】 この装柱装置には専用の金具を特に用意する必要がなく、配電線路工事に通常 的に用いられている数種の装柱金具を組合わせて、簡単にしかも安価に提供でき る装置であることから、一般に多く用いられている。

【０００５】 しかしながら、上記のように通常起こりうる外力には十分対応し問題ないもの の、耐振性に問題があり、震度４以上の横揺れ（特に線路方向の）に対しては、 巻回したバンド体だけでは横揺れあるいは横ずれを防止できない恐れがあり（平 断面円形状の両者を単にバンド体で巻回したものであるから、強震下での電柱と 変圧器の揺れの周期のずれを防ぎ得ない）、その場合には、載置された腕金上で 変圧器が揺れ前後方向に傾斜を繰り返し始め、変圧器下部前後が交互に腕金面よ り浮き上がる。振動継続時間と共に変圧器の横揺れがかえって増幅され、ついに は腕金より変圧器が落下するなどして広範囲にわたる停電事故を起こす危険があ る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

電柱に一対の腕金を突設し、該腕金上に載置した変圧器の胴部にバンド体を巻 回して前記電柱に変圧器を取付けるようにした構造において、変圧器を受止する 前記一対の腕金に、変圧器の周側下部に接して互いに対向して変圧器を挾持する 接触片を、ボルトとナットにより着脱自在に組付けて構成する。

【０００７】

【実施例】

図面は本考案に係る変圧器の電柱取付け装置の実施例を示し、図１乃至図３は 第一実施例を、図４乃至図８は第二実施例をそれぞれ示している。

【０００８】 各実施例中、Ｄは電柱、１は電柱Ｄに適宜（公知）の手段を用いて突設した腕 金、２は腕金１，１間にわたした座板、Ｔは座板２を介して前記腕金１に受止さ せた変圧器をそれぞれ示し、変圧器Ｔは図示省略したバンド体をその胴部に巻回 するように前記電柱Ｄに取付をする。

【０００９】 また、３は第一接触片で、第一接触片３は耐候性の樹脂材で成り、締付ボルト ４の頭部４ａの係合凹部５を備えた主体駒６の前記係合凹部５の底壁部片５ａに 、前記締付ボルト４の貫通孔７を設けて構成したものである。

【００１０】 この第一接触片３は、前記締付ボルト４と挾持枠８によって前記腕金１に取付 ける。

【００１１】 挾持枠８は中央部片８ａと一対の側部片８ｂ，８ｂから成る断面コ形体で成り 、側部片８ｂの長手方向に沿う中央部に腕金１を係合する嵌合切欠９を設け、こ の嵌合切欠９の開口端縁を腕金１に圧接する角縁１０，１０と成し、かつ該嵌合 切欠両側奥隅部において前記側部片８ｂを切欠して切欠部１１を設けて構成した ものである。

【００１２】 ［第一実施例］ 図１乃至図３で示す第一実施例は、前記の第一接触片３を用いて変圧器Ｔの電 柱Ｄに体する取付状態の安定性を保つようにしたもので、即ち、電柱Ｄに突設し た一対の腕金１，１の適所に、該腕金１を嵌合切欠９に係合するようにして腕金 １を介して挾持杆８，８を相対向させ、一方の挾持枠側から締付ボルト４（上側 のものにおいては第一接触片３を介して）を貫通させて両挾持杆８，８間にわた し、他方の挾持枠側から突出するボルト先端にナット１２を螺合して締付け、前 記第一接触片３を、変圧器Ｔの下部周側に接触させ、変圧器４を四方から挾持す るようにしたもので、締付ボルト４とナット１２を締付けることにより挾持杆８ ，８の角縁１０，１０が腕金面に圧接されて該挾持杆８，８は腕金１を強力に挾 持するのである。

【００１３】 ［第二実施例］ 図４乃至図８で示す第二実施例は、腕金１の電柱Ｄ側に、第一実施例と同様に して第一接触片３を配する一方、腕金１の先側に第二接触片１３を仲介片１４を 介して前記挾持杆８及び締付ボルト４を用いて取付け、第一接触片３と第二接触 片１３とで変圧器Ｔを挾持するようにしたものである。

【００１４】 第二接触片１３は、垂直方向に配した接触部片１３ａと水平方向に配した組付 け部片１３ｂから成る全体として平面視への字体で構成し、組付け部片１３ｂに 設けた長孔１５に貫通させた接続ボルト１６とこれに螺合したナット１７によっ て前記仲介片１４と接続し、仲介片１４は第二接触片１３に接続した水平部片１ ４ａに連設した立ち上がり部片１４ｂとで成り、立ち上がり部片１４ｂを締付ボ ルト４によって挾持杆８を介して腕金１に取付けたものである。

【００１５】 なお、第二実施例は、腕金１と電柱Ｄ間に傾斜させて配した支杆１８などの障 害物がある場合に、挾持杆８の腕金取付け位置を前記障害物から避けて取付ける 。

【００１６】

【効果】

腕金に強固に支持された挾持枠によって取付けられた接触片が、変圧器の最下 部を挾持するので、変圧器下部が腕金上面より浮き上がらず、従って、変圧器と 電柱の横揺れの振幅が同一のままとなり、腕金面に対する変圧器の傾斜、すなわ ち腕金面上での変圧器の揺れが完全に阻止され落下を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第一実施例の横断面図。

【図２】第一実施例の一部の正面図。

【図３】挾持杆部の拡大断面図。

【図４】第二実施例の横断面図。

【図５】第二実施例の一部の正面図。

【図６】第二実施例の一部の側面図。

【図７】第二接続片部の平面図。

【図８】第二接続片部の側面図。

【符号の説明】

１ 腕金 ３ 第一接触片 ４ 締付ボルト １３ 第二接触片 Ｄ 電柱 Ｔ 変圧器

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電柱に一対の腕金を突設し、該腕金上に
   載置した変圧器の胴部にバンド体を巻回して前記電柱に
   変圧器を取付けるようにした構造において、変圧器を受
   止する前記一対の腕金に、変圧器の周側下部に接して互
   いに対向して変圧器を挾持する接触片を、ボルトとナッ
   トにより着脱自在に組付けた、変圧器の装柱装置。