JP3004950U

JP3004950U - 履物

Info

Publication number: JP3004950U
Application number: JP1994007627U
Authority: JP
Inventors: 弘志諏訪
Original assignee: 有限会社スワアンドカンパニ
Priority date: 1994-06-03
Filing date: 1994-06-03
Publication date: 1994-12-06
Anticipated expiration: 2000-06-03

Abstract

(57)【要約】【目的】上面の周縁が隆起していることにより、歩行
時に踵などの周縁が隆起部に当接して妄りに脱げるのを
防止した履物である。【構成】ボール紙や皮革等の上板心１における周縁
に、布、樹脂、皮革等のシート３の周縁部と共にカバー
２の両端部を同時に縫着し、かつ、このシートの縫着部
周縁に布紐や樹脂紐等の紐体４を配置すると共に前記シ
ートを折り返して該紐体を包み込んで上板心の下面にお
いて接着固定した上側部材Ａと、該上側部材の裏面踵側
に接着固定された、上面にテーパ面を有する発泡樹脂板
やゴム板等の踵心５と、前記上側部材および前記踵心の
裏面にわたって接着固定された、発泡樹脂板やゴム板等
の底板心７とから構成した履物である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は室内あるいは屋外において使用する履物、特に、室内で使用するスリッパとして好適な履物の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来におけるスリッパの一例を図８、図９に示し、以下、このスリッパの構造について説明する。ａはゴムや合成樹脂等の比較的軟質材料により構成した表面に多数の突起が形成された上板にして、側面は布や合成樹脂のシートａ₁によって囲まれている。ｂはゴムや合成樹脂等により構成した踵心にして、側面は同じくシートｂ₁によって囲まれている。ｃはゴムや合成樹脂等により構成した底板心にして、底面と側面とが同じくシートｃ₁によって囲まれている。なお、ｄはカバーである。

【０００３】そして、上板ａの裏面における踵部分の裏面に踵心ｂを接着剤によって接着固定すると共に、上板ａの裏面と踵心ｂの裏面に底板心ｃを接着剤によって接着固定することによってスリッパを構成する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、前記した従来におけるスリッパにあっては、このスリッパを履いて歩行する際に、スリッパに対する足の前方向の動きに対しては、足の甲がカバーより小さい場合にはスリッパから足先がすべり出してしまうことがあり、又前記とは逆の方向に対する動きに対しては、スリッパの上面が平坦であるため脱げやすく、従って、歩行中にスリッパが脱げて歩行し難いといった問題があった。

【０００５】本考案は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、上面の周縁が隆起していることにより、歩行時に踵などの周縁が隆起部に当接して妄りに脱げるのを防止した履物を提供せんとするにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の履物は前記した問題点を解決せんとするもので、その手段は、ボール紙や皮革等の上板心における周縁に、樹脂や皮革等のシートの周縁部と共にカバーの両端部を同時に縫着し、かつ、このシートの縫着部周縁に布紐や樹脂紐等の紐体を配置すると共に前記シートを折り返して該紐体を包み込んで上板心の下面において接着固定した上側部材と、該上側部材の裏面踵側に接着固定された、上面にテーパ面を有する発泡樹脂板やゴム板等の踵心と、前記上側部材および前記踵心の裏面にわたって接着固定された、発泡樹脂板やゴム板等の底板心とから構成したものである。

【０００７】また、ボール紙や皮革等の上板心における周縁に、布、樹脂、皮革等のシートの周縁部と共にカバーの両端部を同時に縫着し、かつ、このシートの縫着部周縁に布紐や樹脂紐等の紐体を配置すると共に前記シートを折り返して該紐体を包み込んで上板心の下面において接着固定した上側部材と、該上側部材の裏面踵側に接着固定された、上面にテーパ面を有する発泡樹脂板やゴム板等の側面を樹脂や皮革等のシートによって覆った踵心と、前記上側部材および前記踵心の裏面にわたって接着固定された、発泡樹脂板やゴム板等の裏面を布、樹脂、皮革等のシートによって覆った底板心とから構成してもよい。

【０００８】さらに、ボール紙や皮革等の上板心における周縁に、布、樹脂、皮革等のシートの周縁部と共にカバーの両端部を同時に縫着し、かつ、このシートの縫着部周縁に布紐や樹脂紐等の紐体を配置すると共に前記シートを折り返して該紐体を包み込んで上板心の下面において接着固定した上側部材と、該上側部材の裏面に接着固定された、踵側が順次厚みを厚く形成した発泡樹脂板やゴム板等の側面を布、樹脂、皮革等のシートによって覆った底板心とから構成してもよい。

【０００９】また、前記紐体によって膨らんだ部分を除く前記上側部材の上面に竹や篠を編んだ板、畳表、ヘチマ、多数の突起を有する樹脂板等の上敷きを接着固定することが望ましいものである。

【００１０】

【作用】

前記した如く構成した本考案の履物にあっては、カバーによって覆われる以外の足裏の周囲に、隆起環状物が位置するので、履物に対する前方向への運動に対して足に対する引っ掛かりが生じて妄りに履物が脱げたりするのを防止できるものである。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案に係る履物の第１実施例を図１〜図６と共に説明する。図においてＡは上側部材を示し、１は厚紙や皮革による上板心、２は履いた状態で足の甲の部分に位置するカバー、３は布、樹脂、皮革等のシートをリング状に形成したシートおよび中空状の網紐や樹脂チューブあるいは通常の紐や樹脂線等の紐体４とから構成されている。

【００１２】先ず、前記上板心１の周縁部に対してカバー２の両端とシート３の周縁部を縫着する。次いで、前記紐体４を、前記カバー２が縫着されている部分を除いて前記シート３の縫着部分の周縁に沿って配置し、この状態においてシート３を紐体４を包むようにして裏返し、上板心１の裏面においてシート３の先端周縁３ａを接着固定する。

【００１３】５は発泡樹脂板やゴム板等の弾性体により構成した踵心にして、上面の一部がテーパー５ａとなっている。また、この踵心５の側面が布や皮革等のシート６によって覆われている。そして、この踵心５の上面（テーパー面５ａ）と前記上側部材Ａの裏面とを接着剤で接着固定する。

【００１４】７は比較的薄手の発泡樹脂板やゴム板等の弾性体により構成した底板心にして、裏面と側面とが側面が布や皮革等のシート８によって覆われている。そして、この底板心の上面と前記踵心５の裏面および前記上側部材Ａの裏面とを接着剤によって接着固定する。

【００１５】９は前記した上側部材Ａにおける上板心１の上面に接着固定される竹や篠を編んだ物や畳、ヘチマ、スポンジ等の上敷き（本実施例のもは竹を編んだ物）にして、この上敷き９の厚みは、上側部材Ａの周縁に形成した隆起状突条より突出しない程度の厚みとなっている。

【００１６】図７は第２実施例を示し、前記した第１実施例において、底板心７と踵心５とを別個の部材で構成したのに対して、本実施例のものは、底板部１０ａと踵心１０ｂとを一体とした底板心１０を構成し、この底板心１０の底面と側面とをシート１１によって覆ったものである以外は、前記した実施例と全く同一構造であるので、詳細の説明は省略する。

【００１７】前記した如く構成したスリッパにあっては、上側部材Ａにおける上敷き９の周面より紐体４を包んだシート３が突出しているので、歩行中において後ろ方向への離脱が少なくなり、歩行中にスリッパが脱げたりすることが少なく、特に、老人が使用した時に脱げ難いので、つまずいて怪我をしたりすることが無くなるものである。

【００１８】また、前記隆起環状物は、踵部分のみならず爪先部分にも形成されているので、足の甲がカバー２に当たらないような足がスリッパに比べ小さい場合にも、爪先が隆起環状物に当接して履物に対して足がずれるようなことがないので、走行中に足とスリッパがフィットして走行し易いものである。

【００１９】

【考案の効果】

本考案は前記したように、上側部材の周囲に隆起環状物を形成したので、履物に対する後方向への運動に対して足に対する引っ掛かりが生じて妄りに履物が脱げたりするのを防止でき、従って、歩行中にスリッパが脱げて転ぶようなことがなく、また、前記隆起環状物は、踵部分のみならず爪先部分にも形成されているので、足の甲がカバーに当たらないような足がスリッパに比べ小さい場合にも、爪先が隆起環状物に当接して履物に対して足がずれるようなことがない等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る履物の第１実施例を示す斜視図で
ある。

【図２】同上のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線断面図である。

【図４】図１の分解斜視図である。

【図５】上側部材の製造途中を示す斜視図である。

【図６】（Ａ）は上側部材の一部の断面図、（Ｂ）は踵
心の一部の断面図、（Ｃ）は底板心の一部の断面図であ
る。

【図７】第２実施例の分解斜視図である。

【図８】従来の履物の一例を示す斜視図である。

【図９】同上のＤ−Ｄ線断面図である。

【符号の説明】

１上板心２カバー３シート４紐体５踵心６シート７底板心８シート

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ボール紙や皮革等の上板心における周縁
に、布、樹脂、皮革等のシートの周縁部と共にカバーの
両端部を同時に縫着し、かつ、このシートの縫着部周縁
に布紐や樹脂紐等の紐体を配置すると共に前記シートを
折り返して該紐体を包み込んで上板心の下面において接
着固定した上側部材と、該上側部材の裏面踵側に接着固定された、上面にテーパ
面を有する発泡樹脂板やゴム板等の踵心と、前記上側部材および前記踵心の裏面にわたって接着固定
された、発泡樹脂板やゴム板等の底板心と、から構成したことを特徴とするスリッパ。
【請求項２】ボール紙や皮革等の上板心における周縁
に、布、樹脂、皮革等のシートの周縁部と共にカバーの
両端部を同時に縫着し、かつ、このシートの縫着部周縁
に布紐や樹脂紐等の紐体を配置すると共に前記シートを
折り返して該紐体を包み込んで上板心の下面において接
着固定した上側部材と、該上側部材の裏面踵側に接着固定された、上面にテーパ
面を有する発泡樹脂板やゴム板等の側面を布、樹脂、皮
革等のシートによって覆った踵心と、前記上側部材および前記踵心の裏面にわたって接着固定
された、発泡樹脂板やゴム板等の裏面を布、樹脂、皮革
等のシートによって覆った底板心と、から構成したことを特徴とするスリッパ。
【請求項３】ボール紙や皮革等の上板心における周縁
に、布、樹脂、皮革等のシートの周縁部と共にカバーの
両端部を同時に縫着し、かつ、このシートの縫着部周縁
に布紐や樹脂紐等の紐体を配置すると共に前記シートを
折り返して該紐体を包み込んで上板心の下面において接
着固定した上側部材と、該上側部材の裏面に接着固定された、踵側が順次厚みを
厚く形成した発泡樹脂板やゴム板等の側面を布、樹脂、
皮革等のシートによって覆った底板心と、から構成したことを特徴とするスリッパ。
【請求項４】前記紐体によって膨らんだ部分を除く前
記上側部材の上面に竹や篠を編んだ板、畳表、ヘチマ、
多数の突起を有する樹脂板等の上敷きを接着固定したこ
とを特徴とする前記請求項１乃至３記載のスリッパ。
【請求項５】前記紐体によって膨らんだ部分を、前記
カバーの縫着部分を除く部分の上板心の周縁に形成した
ことを特徴とする前記請求項１乃至３記載のスリッパ。