JP3004934B2 - 消臭性布帛 - Google Patents

消臭性布帛

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、酸化亜鉛等の消
臭用光触媒の担体として織物、編物、不織布等の布帛を
用いた消臭用布帛に関するものであり、太陽や蛍光灯の
光を受けて周囲の空気中酸素を活性化し、この活性酸素
で室内の臭気を消し、環境を清浄化するために利用され
る。
【0002】
【従来の技術】太陽や蛍光灯の光を受けて周囲の空気中
酸素を活性化し、この活性酸素で室内の臭気を消し、環
境を清浄化することができる消臭性布帛として、ナイロ
ン繊維やポリエステル繊維からなる織物、編物、不織布
等の繊維布帛にチタン・銀合金等の耐食性金属からなる
アモルファス構造の耐食性被膜をスパッタリングによっ
て形成し、この耐食性被膜の上に酸化チタンや酸化亜鉛
等の金属酸化物からなるアモルファス構造の光触媒被膜
をスパッタリングによって形成したものが知られている
(特開平8−215295号公報参照)。
【0003】上記の消臭性布帛が空気中で光を受ける
と、この光の一部が光触媒被膜の表面や耐食製被膜の表
面から反射し、その際に空気中の酸素を活性化する。す
なわち、光が光触媒被膜を2度通過するため、空気中の
酸素を能率的に活性化し、この活性酸素が空気中の雑菌
を分解し、悪臭や汚れを除去して環境を清浄化する。そ
して、上記の耐食性被膜は、それ自体が活性酸素で侵さ
れることなく担体布帛を活性酸素から保護するため、担
体布帛が脆化することがない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
消臭性布帛は、担体布帛の表面に設けた耐食性被膜およ
び光触媒被膜の双方がスパッタリング加工によって形成
されるので、生産性が低く、生産コストが高くなり、し
かも外観が玉虫色となり、担体布帛の色彩や柄模様が表
面に現れないという問題があった。
【0005】この発明は、光触媒の担体として可撓性の
繊維布帛を使用したものにおいて、耐食性被膜を耐食性
の透明樹脂で形成することにより、耐食性被膜の形成に
スパッタリング加工を不要とし、生産コストを低下させ
ると共に、担体布帛の備える色彩や柄模様が光触媒被膜
上から見えるようにし、しかも光触媒の機能を備えて空
気を能率的に浄化でき、かつ担体布帛が発生時の活性酸
素によって侵されることがなく、カーテン、寝装品その
他のインテリヤに加工することができる消臭性布帛を提
供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る消臭性布
帛は、合成繊維からなる布帛の表面にフッ素樹脂からな
る透明な耐食性被膜が形成され、この耐食性被膜の上に
金属酸化物からなる透明な光触媒被膜がスパッタリング
加工で形成されていることを特徴とする。
【0007】上記の布帛は、ナイロン繊維、ポリエステ
ル繊維、ポリアクリロニトリル繊維、アラミド繊維等の
合成繊維からなる織物、編物、不織布等の可撓性を有す
る繊維布帛である。上記の合成繊維は、特にフィラメン
トが好ましく、織物や編物ではモノフィラメント糸また
はマルチフィラメント糸の形で使用される。そして、こ
の発明では、これらの繊維布帛が光触媒の担体として用
いられるが、光触媒被膜を形成した後の用途に応じて上
記の布帛にあらかじめ適当な浸染または捺染を施すこと
が好ましい。
【0008】上記布帛表面の耐食性被膜は、活性酸素に
対する耐食性に優れ、かつ光反射性を有する透明なフッ
素樹脂で形成される。このフッ素樹脂は、一フッ化エチ
レン、二フッ化エチレン、三フッ化エチレンもしくは四
フッ化エチレンの単独重合体または共重合体であり、ポ
リテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・
ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエ
チレン・パーフルオロアルコキシビニルエーテル共重合
体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレ
ン・パーフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体、
エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロ
ロトリフルオロエチレン、エチレン・クロロトリフルオ
ロエチレン共重合体、ポリビニリデンフロリド、ポリビ
ニルフロリド等が例示される。
【0009】上記のフッ素樹脂は、乳化エマルジョンの
形で上記の担体布帛に含浸または塗布し、しかるのち乾
燥、熱処理を施すか、または上記のフッ素樹脂からなる
フィルムを担体布帛に接着剤で接着することによって耐
食性被膜に形成されるが、乳化エマルジョンの形で用い
る場合は、特に四フッ化エチレン樹脂を用い、担体布帛
との接着性を高めるために熱硬化性樹脂、特にメラミン
樹脂の初期縮合物を添加するのが好ましく、一方、フィ
ルムを成形して接着する場合は、一フッ化エチレン、二
フッ化エチレンまたは三フッ化エチレン系のフッ素樹脂
を使用するのが好ましい。なお、フィルムを用いる場合
は、このフィルム上に光触媒被膜を形成した後に布帛に
接着することができる。
【0010】上記耐食性被膜の好ましい厚さは、1〜3
00μmであり、この厚さが1μm未満の場合は、担体
布帛の保護機能が不十分となり、担体布帛が活性酸素に
よって侵され易くなり、反対に上記厚みが300μmを
超えた場合は、透明性が消え、かつ加工コストが上昇し
て不経済である。
【0011】上記耐食性被膜上の光触媒被膜は、光触媒
機能に優れ、太陽または照明灯の光を受けて空気中の酸
素を能率的に活性化させる金属酸化物で形成され、上記
の金属酸化物としては酸化チタン(二酸化チタン)、酸
化亜鉛、酸化銅等、遷移金属の酸化物が例示される。特
に酸化チタンおよび酸化亜鉛は、上記の光触媒機能に優
れている点で好ましい。この光触媒被膜の厚みは20〜
2000Åが好ましく、この厚みが20Å未満では所期
の光触媒機能が不十分になり、反対に2000Åを超え
ると、酸素の活性化機能が向上することなくコストのみ
が嵩み、経済的でない。
【0012】上記の光触媒被膜は、真空蒸着、スパッタ
リング、アーク放電およびイオンビーム法等の物理蒸着
によって形成することができるが、この発明では、特に
スパッタリングが採用され、そのため、得られる被膜の
強度が高く、容易に剥離しないこれに対し、金属酸化
物の粉末を含む接着剤や樹脂の塗布によって光触媒被膜
を形成した場合は、上記の接着剤や樹脂が上記の活性酸
素によって分解されて耐久性が低下する
【0013】上記のスパッタリングは、金属酸化物をタ
ーゲットに使用し、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で
行うこともできるが、チタンや亜鉛等の単体金属をター
ゲットに使用し、スパッタリング室内をアルゴンと酸素
の混合ガス雰囲気に保ち、ターゲットから金属の単体が
飛散する際に酸化させてもよく、この場合は直流スパッ
タが可能になる。また、酸化亜鉛系のセラミックスをタ
ーゲットに使用した場合は、アルゴンガス雰囲気下で直
流スパッタが可能になる。
【0014】上記の耐食性被膜を有する布帛は、スパッ
タリングに際して密閉チャンバ内で拡げられる。その
際、布帛を裏面から水冷シリンダ等で冷却し、上記布帛
の温度をターゲット金属の融点(絶対温度)の1/2以
下、特に1/3以下に維持することが好ましく、これに
よってアモルファス構造の光触媒被膜が形成され、光触
媒機能が増大する。
【0015】得られた消臭性布帛の光触媒被膜に太陽や
蛍光灯の光が入ると、この光が光触媒被膜の表面および
耐食製被膜の表面から反射し、その際に空気中の酸素を
活性化して空気中の臭気を消し、環境を清浄化する。そ
して、上記の耐食性被膜は、フッ素樹脂であるため、耐
食性被膜自体が活性酸素で侵されることなく担体布帛を
活性酸素から保護する。しかも、光触媒被膜および耐食
製被膜が透明であるため、担体布帛が色彩や柄模様を有
する場合に、その色彩や柄模様が光触媒被膜側から見
え、美しい外観を呈する。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施形態1 光触媒の担体布帛としてポリエステルマルチフィラメン
ト糸からなる織物を用い、この織物を精錬、セットし、
次いで分散染料で染色し、乾燥、熱セットを施し、しか
るのち四フッ化エチレン樹脂の粉末およびメラミン樹脂
の初期縮合物を含む乳化エマルジョンに浸漬する。図1
において、10は上記の乳化エマルジョンWを満たした
浸漬槽であり、浸漬槽10は入口側にガイドローラ11
を、内側に浸漬ローラ12を、また出口側にマングル1
3を備えている。上記の織物(担体布帛)Fは、ガイド
ローラ11および浸漬ローラ12を経て浸漬槽10の乳
化エマルジョンWに浸漬され、マングル13で絞られた
後、乾燥、熱セットされ、表裏両面に厚さ1〜20μm
の耐食性被膜が形成される。
【0017】上記耐食性被膜の上にスパッタリング加工
によって光触媒被膜が形成される。図2は、スパッタリ
ング装置の一例を示す縦断面図であり、密閉可能なチャ
ンバ20の下部に平板状のターゲット21が表面を上に
して中空のターゲットソース22上に固定され、このタ
ーゲットソース22に通される冷水によってターゲット
21が下面から冷却される。このターゲット21の上方
左右にアノード23が水平に設置され、このアノード2
3およびターゲット21間に直流電源Eによって500
〜1000Vの直流電圧が印加される。
【0018】上記アノード23の上方に水冷シリンダー
24が水平に、かつ回転自在に設置され、その右上方に
加工前の織物Fの送り出し軸25が、また左上方に加工
後の織物Fの巻取り軸26がそれぞれ水平に、かつ回転
自在に設置され、送り出し軸25に巻かれた加工前の織
物Fが引出され、右上部のガイドローラ27を経て上記
水冷シリンダー24に巻回され、左上部のガイドローラ
28を経て巻取り軸26に巻取られる。また、チャンバ
20に真空ポンプ29、アルゴンガス供給用のガスボン
ベ30および酸素供給用の酸素ボンベ31がそれぞれ接
続される。
【0019】上記の装置において、送出し軸25、巻取
り軸26および水冷シリンダー24を回転し、織物Fを
時計方向に所定の速度で送りながら水冷シリンダー24
で冷却し、織物Fの表面温度をターゲット金属チタンの
融点(絶対温度)の約1/7〜1/6に維持する。一
方、真空ポンプ29を駆動してチャンバ20内圧力を1
×10-5Torr程度に減圧し、次いでガスボンベ30から
アルゴンガスを導入してチャンバ20内圧力を5×10
-4Torr程度に調整し、更に酸素ボンベ31から酸素を導
入してチャンバ20内圧力を9×10-4Torr程度に調整
し、しかるのち上記のアノード23およびターゲット2
1間に直流電圧を印加してターゲット21からチタンを
飛び出させ、このチタンをチャンバ20内の酸素と反応
させて酸化チタンとし、この酸化チタンを上記織物Fの
耐食性被膜上に付着させ、アモルファス構造の光触媒被
膜を形成する。このとき、織物Fの送り速度を調整して
光触媒被膜の厚さを20〜2000Åに形成する。
【0020】実施形態2 一フッ化エチレン、二フッ化エチレンまたは三フッ化エ
チレン系のフッ素樹脂からなる厚さ20〜300μmの
透明フィルムに実施形態1と同様のスパッタリング加工
を施して上記フィルム上に酸化チタンからなる厚さ20
〜2000Åの光触媒被膜を形成し、しかるのちこのフ
ィルムを実施形態1の染色された織物(ポリエステルタ
フタ)Fに接着剤で接着し、上記のフィルムを耐食性被
膜とし、その上に酸化チタンの光触媒被膜を有する消臭
性布帛を得る。
【0021】実施形態3 実施形態1において、スパッタリングの際に、ターゲッ
ト金属として酸化亜鉛系のセラミックスを用い、チャン
バへの酸素ガスの導入を省略し、アルゴンガス雰囲気で
スパッタリングを行う以外は、実施形態1と同様にして
織物(ポリエステルタフタ)F上に四フッ化エチレン樹
脂からなる厚さ1〜20μmの耐食性被膜および酸化亜
鉛からなる厚さ20〜300μmの透明な光触媒被膜が
積層された消臭性布帛を得る。
【0022】
【実施例】
実施例1 実施形態1の方法で消臭性布帛を製造した。担体織物F
としてポリエステルタフタを使用し、精錬、セットした
後、液流染色機(日阪製作所製「サーキュラー染色機R
Z型」)および下記処方(織物重量に対する重量%)の
混合染料を用い、浴比1:20で茶色に染色した。すな
わち、常温から130℃に昇温させ、この温度に30分
間維持した後に80℃まで温度を下げて染液を排出し、
ソーピングおよび湯洗を行い、次いで130℃で2分乾
燥し、180℃で1分間の熱セット処理を行った。 分散染料(住友化学社製、「スミカロンイエロー」) 0.67% 分散染料(住友化学社製、「スミカロンレッド」) 0.72% 分散染料(住友化学社製、「スミカロンブルー」) 0.25% PH調整剤(日華化学社製、「ベネラップHE」) 0.50% 酢酸 0.50%
【0023】上記の茶色に染色された織物Fに四フッ化
エチレン樹脂の乳化エマルジョンを浸漬により含浸させ
た。すなわち、四フッ化エチレン樹脂の水性懸濁液(固
形分含量60重量%、旭硝子社製「アサヒガード」)1
20部、メラミン樹脂の初期縮合物(三木理研工業社製
「リケンレジンMA−100」)12部およびアミン系
触媒(三木理研工業社製「リケンフィクサーRC」)
1.2部を混合し、水で薄めて合計1000部とし、得
られた乳化エマルジョンを図1の浸漬槽10に満たし、
この乳化エマルジョンWに上記の染色織物Fを浸漬し、
マングル13で絞り(絞り率60%)、130℃で2分
間の乾燥および180℃で1分間の熱セットを施し、上
記の織物F上に四フッ化エチレン樹脂からなる厚さ3μ
mの耐食性被膜を形成した。
【0024】続いて、上記の織物Fに図2の装置でスパ
ッタリング加工を行った。すなわち、チタン製のターゲ
ット21をチャンバ20内のターゲットソース22に取
付け、チャンバ20内圧力を1×10-5Torrに減圧し、
次いでアルゴンガスを導入して圧力を5×10-4Torrに
調整し、更に酸素を導入して圧力を9×10-4Torrに調
整し、しかるのち上記の織物Fを0.1m/分の速度で
走行させながら、上記のアノード23およびターゲット
21間に500V×100Aの直流電流を流して織物F
の耐食性被膜上に厚さ200Åの光触媒被膜を形成し
た。なお、上記のターゲットソース22および水冷シリ
ンダー24に冷水を流してターゲット21の温度を10
℃に、また水冷シリンダ24上の織物Fの温度を40℃
にそれぞれ維持した。
【0025】得られた消臭性布帛は、美しい茶色の外観
を有し、カーテン用および寝装品用として好適であっ
た。また、光触媒被膜の上に市販の包装用ガムテープを
貼付けて剥離テストを行ったところ、光触媒被膜および
耐食性被膜のいずれにも剥離が認められなかった。次
に、上記の消臭性布帛を所定の大きさに切り取って試料
とし、図3に示す試験用チャンバ35内に上記の試料F
a を吊下げ、この試料Faをチャンバ35内のブラック
ライト36で照射しながら、チャンバ35に封入した所
定量のアセトアルデヒドをポンプ37および循環パイプ
38で循環させ、ガス濃度計39でアセトアルデヒドの
濃度変化を測定し、図4のグラフを得た。このグラフか
ら明らかなとおり、実施例の消臭性布帛は、ブラックラ
イトの照射によってチャンバ35内の酸素を活性化し、
この活性酸素によってアセトアルデヒドを迅速に分解し
て消臭した。なお、耐食性被膜のみを有するタフタおよ
び何の被膜も有しないタフタを試料に使用した場合は、
ガス濃度の低下が全く認められなかった。
【0026】実施例2 実施例1のスパッタリング加工において、その織物Fの
代わりに一フッ化エチレン樹脂(Du Pont 社製「Ted
lar 」)からなる厚さ50μm、幅100cm、長さ10
0mのフィルム(旭硝子社製「ピクトリコ」)を用いる
以外は実施例1と同様にして上記フィルム上に酸化チタ
ンからなる厚さ200Åの光触媒被膜を形成した。一
方、実施例1の染色された織物(ポリエステルタフタ)
Fの表面にウレタン系接着剤(ウレタン樹脂のメチルエ
チルケトンによる20%希釈液にウレタン樹脂100部
当たり2部のイソシアネートを添加したもの)を塗布
し、この塗布面に上記のフッ素樹脂フィルムを、光触媒
被膜が上になるように重ね、120℃で5分間乾燥して
実施例2の消臭性布帛を製造した。得られた実施例2の
消臭性布帛は、実施例1と同様に茶色の美しい外観、耐
剥離性および光触媒機能を有しており、カーテン用およ
び寝装品用として好適であった。
【0027】
【発明の効果】請求項1〜に記載された発明は、布帛
と光触媒被膜との間にフッ素樹脂からなる耐食性被膜を
介在させたものであるから、耐食性被膜の形成にスパッ
タリング加工が不要になって生産コストが低下し、かつ
布帛の備える色彩や柄模様が光触媒被膜上から見えるた
め、上記の色彩や柄模様を変えることにより種々の外観
が得られ、しかも光触媒の機能を備えていて空気を能率
的に浄化でき、かつ布帛が発生時の活性酸素によって侵
されることがなく、耐久性に富み、更にカーテン、寝装
品その他のインテリヤ用に加工することができ、しかも
光触媒被膜がスパッタリング加工で形成されていて耐剥
離性が良好であるため、消臭性布帛として優れている。
【0028】特に請求項2に記載の発明によれば、種々
のフッ素樹脂を用い、耐食性被膜の厚さを薄くすること
ができる。また、請求項3に記載の発明によれば、市販
のフィルムを用い、このフィルムに光触媒被膜を蒸着し
た後に上記フィルムを布帛に接着することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】浸漬槽の断面図である。
【図2】スパッタ装置の一例を示す断面図である。
【図3】光触媒機能の試験装置の断面図である。
【図4】図3の装置で試験した結果を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
F:布帛(織物) Fa :試料 W:フッ素樹脂の乳化エマルジョン 10:浸漬槽 12:浸漬ローラ 13:マングル 20:スパッタ用
チャンバ 21:ターゲット 22:ターゲット
ソース 23:アノード 24:水冷シリン
ダー 25:送り出し軸 26:巻取り軸 29:真空ポンプ 30:ガスボンベ 31:酸素ボンベ 35:試験用チャ
ンバ 36:ブラックライト 37:ポンプ 38:循環パイプ 39:ガス濃度計
フロントページの続き (72)発明者 黒木 定雄 愛知県蒲郡市浜町36番地 株式会社鈴寅 内 (56)参考文献 特開 平8−215295(JP,A) 特開 平7−171408(JP,A) 特開 平10−217383(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 9/00 - 9/22 B32B 9/00 B32B 27/30 B05D 7/24 B01J 35/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成繊維からなる布帛の表面にフッ素樹
    脂からなる透明な耐食性被膜が形成され、この耐食性被
    膜の上に金属酸化物からなる透明な光触媒被膜がスパッ
    タリング加工で形成されていることを特徴とする消臭性
    布帛。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された消臭性布帛におい
    て、耐食性被膜が布帛にフッ素樹脂の乳化エマルジョン
    を含浸させて形成されたものである消臭性布帛。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された消臭性布帛におい
    て、耐食性被膜が布帛にフッ素樹脂のフィルムを接着し
    て形成されたものである消臭性布帛。
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