JP3004536B2

JP3004536B2 - 電気掃除機

Info

Publication number: JP3004536B2
Application number: JP6117020A
Authority: JP
Inventors: 克美清水
Original assignee: Sharp Corp
Current assignee: Sharp Corp
Priority date: 1994-05-30
Filing date: 1994-05-30
Publication date: 2000-01-31
Anticipated expiration: 2015-01-31
Also published as: JPH07313412A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電動送風機の吸引力に
よって塵埃を吸引して集塵する電気掃除機に関し、特に
集塵した塵埃を圧縮して集塵容量の増大を図るようにし
た電気掃除機に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、電気掃除機は吸込口から吸い込
んだ塵埃を集塵室内に収納した集塵袋内に集塵するよう
に構成されている。この場合、集塵した塵埃の処理を容
易にするために、集塵袋内に塵埃が貯留して集塵袋が目
詰まりすると、電気掃除機を温風循環にセットして電動
送風機の温度上昇による熱風で集塵袋本体の周囲に設け
た熱収縮部材を収縮させ、集塵袋内の塵埃を圧縮して小
型化し、処分しやすくするようにした技術が提案されて
いる（特開平５−１４６３８４号参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の電気掃除機で
は、電動送風機の吸込風が集塵袋を通過して集塵袋を広
げるため、集めた塵埃の量にかかわらず集塵袋の容量は
ほぼ一定となる。このため集塵容量の増大を図るために
は集塵袋を大型化する必要がある。しかし、そのように
すると集塵袋の嵩が大きくなり集塵室からの取り出しが
容易でないという不都合がある。

【０００４】そこで、前述した従来技術（特開平５−１
４６３８４号）に示すように、集塵後の集塵袋を熱によ
って圧縮し、集塵袋の嵩を小さくする工夫がなされてい
る。しかし、この従来技術でも吸い込むべき塵埃量は集
塵袋の容量によって決定される量であり、集塵袋内の塵
埃を熱圧縮し、小型化して処分するのにとどまってい
る。

【０００５】そこで、本発明は、集塵袋に収納できる塵
埃量の増大を図るとともに、集塵袋の容積を小さくして
も従来と同程度の集塵量が得られ、かつ電気掃除機本体
の小型化が図れる電気掃除機を提供することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の電気掃除
機は、電動送風機からなる負圧発生部と内部に集塵袋が
収納されてなる集塵部とを備えた本体ケースの吸気口に
集塵ホースを接続し、前記吸気口を負圧状態として集塵
袋内に塵埃を集塵し、集塵袋を外部から押圧して集塵袋
内に集塵した塵埃を圧縮する集塵袋圧縮板と、集塵袋圧
縮板を移動させる駆動手段とを備えてなる電気掃除機に
おいて、その駆動手段は、集塵袋圧縮板を集塵袋を押圧
する方向に集塵動作にて集塵袋を膨張させる膨張力より
小さい付勢力にて常時付勢する付勢手段であり、集塵袋
圧縮板は電動送風機の動作時には付勢手段に抗して集塵
袋の押圧を解除する方向に移動することを特徴とする。

【０００７】請求項２記載の電気掃除機は、電動送風機
からなる負圧発生部と内部に集塵袋が収納されてなる集
塵部とを備えた本体ケースの吸気口に集塵ホースを接続
し、吸気口を負圧状態として集塵袋内に塵埃を集塵し、
集塵袋を外部から押圧して集塵袋内に集塵した塵埃を圧
縮する集塵袋圧縮板と、集塵袋圧縮板を移動させる駆動
手段とを備えてなる電気掃除機において、その駆動手段
が、本体ケースに取り付けられた車輪の回転を集塵袋圧
縮板に伝達し、集塵袋圧縮板を集塵袋を押圧する方向に
移動させる伝達手段であることを特徴とする。

【０００８】請求項３記載の電気掃除機は、請求項１記
載の伝達手段が、本体ケースの前進及び後進動作の両動
作にて車輪の回転を集塵袋圧縮板に伝達し、集塵袋圧縮
板を集塵袋を押圧する方向に移動させることを特徴とす
る。

【０００９】請求項４記載の電気掃除機は、電動送風機
からなる負圧発生部と内部に集塵袋が収納されてなる集
塵部とを備えた本体ケースの吸気口に集塵ホースを接続
し、吸気口を負圧状態として集塵袋内に塵埃を集塵し、
集塵袋を外部から押圧して集塵袋内に集塵した塵埃を圧
縮する集塵袋圧縮板と、集塵袋圧縮板を移動させる駆動
手段とを備えてなる電気掃除機において、その駆動手段
が本体ケースに取り付けられたコードリールの回転を集
塵袋圧縮板に伝達し、集塵袋圧縮板を、コードリール巻
き取り時には集塵袋を押圧する方向に移動させ、コード
引き出し時には集塵袋の押圧を解除する方向に移動させ
る伝達手段であることを特徴とする。

【００１０】請求項５記載の電気掃除機は、電動送風機
からなる負圧発生部と内部に集塵袋が収納されてなる集
塵部とを備えた本体ケースの吸気口に集塵ホースを接続
し、吸気口を負圧状態として集塵袋内に塵埃を集塵し、
集塵袋を外部から押圧して集塵袋内に集塵した塵埃を圧
縮する集塵袋圧縮板と、集塵袋圧縮板を移動させる駆動
手段とを備えてなる電気掃除機において、その駆動手段
が集塵袋を圧縮するための圧縮スイッチの動作で通電す
ることによって集塵袋圧縮板を集塵袋を押圧する方向に
移動させ、通電を解除することによって集塵袋圧縮板を
集塵袋の押圧を解除する方向に復帰させる形状記憶合金
製の付勢手段であることを特徴とする。

【００１１】請求項６記載の電気掃除機は、請求項５記
載の駆動手段が集塵量が増加して集塵袋の容積が大きく
なると駆動されるリミットスイッチを備え、リミットス
イッチの駆動によって形状記憶合金製の付勢手段を一定
時間通電するものである。

【００１２】

【作用】請求項１記載の電気掃除機は、駆動手段によっ
て集塵袋圧縮板を移動させて集塵袋を外部から押圧し、
集塵袋内に集塵した塵埃を圧縮する。こうすることによ
って集塵袋内に集塵できる塵埃量の増大を図り、ひいて
は電気掃除機の小型化を図る。

【００１３】請求項２記載の電気掃除機は、集塵袋圧縮
板が付勢手段によって集塵袋を押圧する方向に常時付勢
されており、電動送風機の停止時には集塵袋を押圧して
内部の塵埃を圧縮する。これに対し電動送風機の動作時
には負圧によって付勢手段に抗して集塵袋圧縮板が集塵
袋の押圧を解除する方向に移動するので、集塵袋内に塵
埃が集塵される。

【００１４】請求項３記載の電気掃除機は、車輪の回転
が伝達機構を介して集塵袋圧縮板に伝達されるので、車
輪が回転すると集塵袋圧縮板が集塵袋を押圧する方向に
移動して内部の塵埃を圧縮する。

【００１５】請求項４記載の電気掃除機は、コードリー
ルの回転が伝達機構を介して集塵袋圧縮板に伝達される
ので、使用開始時にコードを引き出すためにコードリー
ルが回転すると集塵袋圧縮板が集塵袋の押圧を解除する
方向に移動して集塵袋内に塵埃を集塵できるようにな
り、使用終了時にコードを巻き取るためにコードリール
が回転すると集塵袋圧縮板が集塵袋を押圧する方向に移
動して集塵袋内の塵埃を圧縮する。

【００１６】請求項５記載の電気掃除機は、使用者が形
状記憶合金製の付勢手段に通電することによって集塵袋
圧縮板を集塵袋を押圧する方向に移動させ、通電を解除
することによって集塵袋圧縮板を集塵袋の押圧を解除す
る方向に復帰させる。

【００１７】請求項６記載の電気掃除機は、集塵量が増
加して集塵袋の容積が大きくなると集塵室内に設置した
リミットスイッチが駆動され、形状記憶合金製の付勢手
段を一定時間通電することによって集塵袋圧縮板を集塵
袋を押圧する方向に一定時間移動させて集塵袋内の塵埃
を圧縮する。

【００１８】

【実施例】図１は、本発明による電気掃除機の第１の実
施例を示す全体構造の平面図である。本実施例による電
気掃除機は、電気掃除機本体ケース１内が隔壁２によっ
て前後に区画されており、前部（図の左方）には上方に
開口された集塵室１０が形成され、後部（図の右方）に
は電動送風機室２０が形成されている。なお、隔壁２に
は格子状の連通孔２ａが多数穿設されている。

【００１９】集塵室１０内には、この集塵室１０に枢着
されたホルダ１１により主集塵フィルタである集塵袋１
２が着脱自在に装着されている。また、集塵袋１２の隔
壁２側の面にはスリットが切られた集塵袋圧縮板１３が
隔壁２と略平行に設置されている。この圧縮板１３は一
対の圧縮バネ１４によって本体ケース１の前部方向に常
時付勢されている。この圧縮バネ１４が集塵袋圧縮板１
３を移動させる駆動手段となっている。

【００２０】また、集塵室１０の前方には、本体ケース
１外に連通する本体吸気口１５が開口しており、この本
体吸気口１５の開口部には開閉自在に閉塞するシャッタ
１６が摺動自在に支持され、このシャッタ１６の端部に
はつまみ１６ａが上方へ突出形成されている。

【００２１】電動送風機室２０内には、電動送風機２１
が設置されている。この電動送風機２１はファン（不図
示）、このファンを回転駆動する電動機２２、ファンを
覆うファンカバー２３等からなっている。ファンカバー
２３の中央部には吸気口２３ａが開口形成され、また電
動機２２のフレームには排気口（不図示）が開口形成さ
れている。

【００２２】電動送風機２１は、前後部が電動送風機室
２０内に形成された前方支持壁２４および後方支持枠２
５にゴム製支持体２６および２７によって挟持されてい
る。前方支持壁２４およびゴム製支持体２６は環状にな
っており、これによって電動送風機２１の吸気口が集塵
室１０に隔壁２の連通口２ａを介して気密に連通されて
いる。

【００２３】また、電動送風機室２０の後方には排気室
３０が区画形成されている。この排気室３０の背面には
排気フィルタ３１が装着されており、本体ケース１の外
側後面部には、排気フィルタ３１を介して電動送風機２
１の排気口に連通する格子状の排気口３２が開口形成さ
れている。また、電動送風機室２０に隣接する区画内に
はコードリール４０が設置され、電源コード４１を巻き
取るように構成されている。なお、電気掃除機本体ケー
ス１内の側面には、図示していないが電動送風機２１の
排気側を集塵室１０に連通させる温風循環通路が形成さ
れている。

【００２４】次に、本実施例による電気掃除機の動作に
ついて説明する。電気掃除機の使用開始前には、集塵袋
圧縮板１３が圧縮バネ１４によって集塵袋１２を前方に
押圧する方向に付勢されている。この状態で電動送風機
２１を始動すると、塵埃を含んだ空気が集塵ホース（不
図示）から本体吸気口１５を経て集塵室１０内の集塵袋
１２内に入る。集塵袋１２内で塵埃を分離して除塵され
た空気は、集塵袋圧縮板１３のスリットおよび隔壁２の
連通孔２ａを通過して電動送風機２１から排気口３２を
経て大気中に放出される。

【００２５】塵埃は集塵袋１２内に集積されるが、集塵
袋１２は通過する通気抵抗により全面に風圧が掛かり膨
張する。このとき集塵室１０の周囲のうち集塵袋圧縮板
１３側の面以外の面は固定されているため、集塵袋１２
は集塵袋圧縮板１３を電動送風機２１側に押す方向に膨
張する。その膨張力は徐々に圧縮バネ１４の付勢力より
も大となり、集塵袋圧縮板１３を電動送風機２１側に押
していく。

【００２６】掃除が終了して電動送風機２１が停止する
と、風圧による集塵袋１２の膨張力が解除されるので、
集塵袋１２は圧縮バネ１４によって付勢される集塵袋圧
縮板１３により本体吸気口１５側に引き寄せられて収縮
する。その後、掃除を繰り返すことによって塵埃の量が
増え集塵袋１２は塵埃により膨張していくが、圧縮バネ
１４および集塵袋圧縮板１３の動作により集塵袋１２内
の塵埃は圧縮される。こうして電動送風機２１を使用し
停止する度に蓄積された塵埃の圧縮が行われ、集塵袋１
２内の塵埃の容積は小さくなるので、圧縮動作を行わな
い電気掃除機に比べ、同一の集塵袋１２の容積であって
もよりたくさんの集塵を行うことができる。

【００２７】次に、本発明による電気掃除機の第２の実
施例について説明する。図２および図３は本実施例によ
る駆動手段の要部側面図および平面図であり、図４は図
３の一部拡大図である。本実施例による駆動手段は、集
塵袋圧縮板１３が電気掃除機の従動後輪５０の回転によ
って前方に移動し、それによって集塵袋１２を押圧する
ように構成されている。

【００２８】詳述すると、圧縮板１３の下部後方に設置
した平歯車５１がギアボックス５２内の歯車機構を介し
て従動後輪５０に噛合し、従動後輪５０が回転すると平
歯車５１が前方に移動し、それにより圧縮板１３が前方
に移動するように構成されている。その他の構成は前述
した電気掃除機（図１）と同一である。

【００２９】従動後輪５０と平歯車５１との係合は、従
動後輪５０の車軸部の一端に設けたカップリング５３と
主歯車５４の一端に設けたカップリング５５とが噛み合
い、さらに主歯車５４が従歯車５６，５７と噛み合い、
従歯車５７が従歯車５８と噛み合い、従歯車５６，５８
が平歯車５１と噛み合うことで行われている。

【００３０】カップリング５５は圧縮バネ５９によって
カップリング５３と噛合する方向に常時付勢されてお
り、主歯車５４、従歯車５６，５７，５８はギアボック
ス５２内に保持されている。このうち従歯車５６，５７
については車軸がギアボックス５２のスリット５６ａ，
５７ｂに貫通されており、しかも従歯車５６，５７の車
軸は引張バネ６０，６１によって上方へ付勢されてい
る。

【００３１】また、主歯車５４にはカップリング５５と
の間に溝５４ａが形成されており、さらに主歯車５４を
囲むようにロックピン６２が一端をギアボックス５２に
固定された膨張バネ６３によって下方に付勢されて取り
付けられている。また、ギアボックス５２の後方にはロ
ックピン６２を押し上げるためのロック解除リブ６４が
設けられ、さらに平歯車５１の後方には圧縮板１３を電
気掃除機本体ケース１の後方に付勢する引っ張りバネ６
５が設けられている。ロックピン６２は、図５に示すよ
うなコ字状部材からなり、上部の横棒６２ａの内側に棒
状部材６２ｂ，６２ｃが縦方向に取り付けられた構造と
なっている。

【００３２】次に、本実施例の動作について説明する。
なお、使用開始前の集塵袋１２は押圧されてないものと
して話を進める。本実施例は、使用者が室内を掃除をす
るときに清掃面が広いために電気掃除機本体ケース１を
動かすことに着目してなされたものである。

【００３３】まず、使用者が電気掃除機本体ケース１を
前進させた場合、従動後輪５０が図２の実線矢印の向き
に左回転する。これによって従動後輪５０に設けられて
いるカップリング５３も左回転し、この回転はカップリ
ング５５を介して主歯車５４に伝達される。主歯車５４
が左回転すると、従歯車５６に下方に押される力が働
き、従歯車５６は引張バネ６０の付勢力に打ち勝って右
回転し、平歯車５１と噛み合って平歯車５１および圧縮
板１３を集塵袋１２を押圧する方向に移動させる。この
とき、従歯車５７には主歯車５４によって上方に押され
る力が働くので、引張バネ６１によって上方へ引き寄せ
られて従歯車５８から離れるため、平歯車５１を駆動す
ることはない。

【００３４】逆に、従動後輪５０が図に示す点線矢印の
向き、つまり電気掃除機本体ケース１を後退させる方向
に右回転すると、カップリング５３，５５を介して主歯
車５４に右回転が伝達される。これにより従歯車５７は
主歯車５４により下方に押される力が働き、引張バネ６
１の力に打ち勝って左回転し、従歯車５８を介して平歯
車５１と噛み合って圧縮板１３を集塵袋１２を押圧する
方向に移動させる。このとき、従歯車５６は主歯車５４
により上方に押される力が働くので、引張バネ６０によ
り上方へ引き寄せられ、平歯車５１を駆動することはな
い。

【００３５】こうして従動後輪５０の回転によって圧縮
板１３が集塵袋１２を押圧するが、圧縮板１３に大きな
負荷がかかると、ロックピン６２が主歯車５４の溝５４
ａに落ち、従動後輪５０と主歯車５４とは切り離された
状態となる。このときロック解除リブ６４は圧縮枝１３
の移動に伴い図においてギアボックスを５２の左方に移
動している。これにより平歯車５１が引張バネ６５によ
って後方に引き戻されるため、集塵袋１２を押圧してい
てた圧縮板１３も後方に引き戻されることになる。

【００３６】このとき、集塵袋圧縮板１３が掃除機本体
ケース１後方に戻る際にギアボックス５２の左方にある
ロック解除リブ６４が図の右方に移動しながらロックピ
ン６２を押し上げるため、主歯車５４のロック状態が解
除されるので、再び集塵袋１２を圧縮する方向に集塵袋
圧縮板１３が動作することになる。以上のように従動後
輪５０の前後方向のどちらの動きにおいても集塵袋１２
の圧縮ができるだけでなく、自動的に圧縮の解除ができ
る。

【００３７】次に、本発明の第３の実施例について説明
する。本実施例の駆動手段は、前述した第２の実施例に
おける従動後輪５０の回転力に代え、コードリール４０
の回転力を利用したものである。すなわち、図６に示す
ように、コードリール４０の外周部に設けた歯車４０ａ
にカップリング歯車４２が噛合し、このカップリング歯
車４２の車軸部の一端に設けたカップリング５３が主歯
車５４の車軸部の一端に設けたカップリング５５と噛み
合い、この主歯車５４が集塵袋圧縮板１３を移動させる
平歯車５１と噛み合うように構成されている。カップリ
ング５５は圧縮バネ５９によってカップリング５３と噛
み合う方向に付勢されている。

【００３８】この構成において、使用者が掃除を開始す
る際にコードリール４０から電源コード４１を引き出す
と、コード４１が引き出されるに従ってコードリール４
０が図の実線矢印の向きに右回転する。するとカップリ
ング歯車４２はコードリール４０のリール外周部に設け
られた歯車４０ａと噛み合っているので左回転を始め
る。これにより、主歯車５４も左回転するので、平歯車
５１および圧縮板１３は電気掃除機本体ケース１の後方
に移動する。

【００３９】このとき、圧縮板１３が後方最大限にまで
きたならば、第２の実施例と同様に主歯車５４に対する
軸方向の力が大きくなり、主歯車５４は圧縮バネ５９に
抗して軸方向に逃げるため平歯車５１を圧縮することは
ない。また、コード４１をさらに引き出した場合でもカ
ップリング歯車４２から主歯車５４が逃げるため、集塵
袋圧縮板１３をさらに広げることはない。

【００４０】同様に、掃除機の使用後、コードリール解
除ボタン（図示せず）を押してコードリール４０の巻き
込み動作を行った場合、コード４１が巻き込まれるのに
従ってコードリール４０が点線矢印の向きに左回転す
る。するとカップリング歯車４２はコードリール４０の
リール外周部に設けられた歯車４０ａと噛み合っている
ので右回転を始める。カップリング歯車４２の動きにつ
れて主歯車５４も右方向に回転するので、平歯車５１お
よび圧縮板１３は集塵袋１２を押圧するように前方に移
動する。

【００４１】このとき、集塵袋１２の圧縮限界まできた
ならば、先の伸長時と同様にカップリング歯車４２の傾
斜した噛合突起により主歯車５４に対する軸方向の力が
大きくなり、主歯車５４は圧縮バネ５９に抗して軸方向
に逃げるため、平歯車５１をそれ以上圧縮方向に移動さ
せることはない。また、コード４１をさらに巻き取った
場合でもカップリング歯車４２から主歯車５４が逃げる
ため、集塵袋１２をさらに押圧することはない。

【００４２】次に、本発明の第４の実施例について説明
する。本実施例では、前述の第１の実施例において、圧
縮バネ１４に代えて形状記憶合金製のバネ７０を使用
し、吸い込みホース（不図示）上の手元スイッチ部に集
塵袋１２を押圧するためのスイッチを形成し、このスイ
ッチのオンによって形状記憶合金製のバネ７０に通電す
るようになっている。従って、本実施例では形状記憶合
金製のバネ７０およびこのバネ７０への通電手段が駆動
手段である。その他の構造は前述の図１に示す構造と同
一である。

【００４３】図７は、本実施例の電気回路図である。交
流電源７１に対して運転スイッチ７２および電動送風機
２１が直列接続されており、さらに電動送風機２１と並
列に集塵袋１２を圧縮するための圧縮スイッチ７３およ
び形状記憶合金製のバネ７０が直列接続されている。形
状記憶合金製のバネ７０の両端部は金属端子に接続さ
れ、一端は圧縮スイッチ７３に、他端は交流電源７１に
接続されている。

【００４４】この形状記憶合金製のバネ７０は６０℃以
上になると圧縮板１３を掃除機本体ケース１の前方に引
き寄せて集塵袋１２を押圧するように変形し、４０℃以
下では変形を解除して集塵袋圧縮板１３を掃除機本体ケ
ース１の後方に押し出して集塵袋１２を膨張させる方向
に作用する。

【００４５】次に、本実施例の動作について説明する。
使用者が塵埃の増加により集塵力の低下を感じたなら
ば、吸い込みホースの手元スイッチ部にある圧縮スイッ
チ７３を押す。すると、運転スイッチ７２はすでに閉じ
ているのでバネ７０に電流が流れ、自己の内部抵抗によ
り６０℃以上に発熱して圧縮板１３を引き寄せて集塵袋
１２を押圧する方向に収縮する。押圧が終わり使用者が
圧縮スイッチ７３を解除すると、バネ７０への通電が解
除され、形状記憶合金の温度が４０℃以下になれば圧縮
板１３を元の位置に復帰させる。

【００４６】次に、本発明の第５の実施例について説明
する。本実施例は第４の実施例の変形例であり、図８に
示すように集塵袋圧縮板１３の後方にリミットスイッチ
７５を設けている。従って、本実施例では形状記憶合金
製のバネ７０、このバネ７０への通電手段およびリミッ
トスイッチ７５が駆動手段である。その他の構造は前述
した図１に示す構造と同一である。

【００４７】図９は、本実施例の電気回路図である。こ
の回路は交流電源７１に対して運転スイッチ７２および
電動送風機２１が直列接続され、電動送風機２１と並列
にリミットスイッチ７５および形状記憶合金製のバネ７
０が直列接続され、さらにリミットスイッチ７５と並列
にリレー接点７６ｃが接続され、バネ７０と並列にリレ
ー７６ｒが接続されている。リレー７６ｒはリレー接点
７６ｃをオン／オフ駆動するものであり、通電されると
リレー接点７６ｃをオンするが、１０秒後に解放する構
成になっている。

【００４８】この構成において、電気掃除機を動作させ
集塵袋１２内の塵埃量が増加して集塵袋１２の容積が大
きくなると、集塵袋圧縮板１３が集塵室１０の後方に後
退してリミットスイッチ７５がオンする。すると、運転
スイッチ７２はすでにオンしているので形状記憶合金製
のバネ７０およびリレー７６ｒに通電する。すると、形
状記憶合金製のバネ７０は自己の内部抵抗により６０℃
以上に発熱して圧縮板１３を引き寄せて集塵袋１２を押
圧する方向に収縮する。

【００４９】圧縮板１３が集塵袋１２を圧縮する方向に
移動すると、リミットスイッチ７５の接点はオフとな
る。しかし、リレー７６ｒの通電によってリレー接点７
６ｃはオンしているので、形状記憶合金製のバネ７０は
通電されたままである。リレー７６ｒは通電後１０秒で
リレー接点７６ｃをオフするので、１０秒経過するとバ
ネ７０への通電が解除される。これにより形状記憶合金
の温度が４０℃以下になれば、バネ７０の形状が復帰し
て圧縮板１３を元の位置に復帰させる。

【００５０】

【発明の効果】使用者が電気掃除機を使用する度に、あ
るいは使用者が所定のスイッチを操作する度に、あるい
は集塵袋の容量が増大する度に、集塵袋圧縮板が集塵袋
を外部から押圧して内部に集塵した塵埃を圧縮するの
で、集塵できる塵埃量の増大を図ることが可能となる。
また、集塵袋の容量を半減させても従来と同様の集塵量
の確保が可能となるので、電気掃除機の小型化を図るこ
とが可能となる。

【００５１】とくに請求項１記載の電気掃除機によれ
ば、集塵袋圧縮板を前記集塵袋を押圧する方向に集塵動
作にて集塵袋を膨張させる膨張力より小さい付勢力にて
常時付勢する簡易な付勢手段によって電動送風機の停止
時に集塵袋ごと外部から押圧して内部の塵埃を圧縮し、
集塵量の増大を図ることができる。

【００５２】また、請求項３記載の電気掃除機によれ
ば、使用中に電気掃除機本体を移動させれば、集塵袋ご
と外部から押圧して内部の塵埃を圧縮し、集塵量の増大
を図ることができる。

【００５３】また、請求項４記載の電気掃除機によれ
ば、使用終了時に電源コードを巻き取ることによって集
塵袋ごと外部から押圧して内部の塵埃を圧縮し、集塵量
の増大を図ることができ、そしてコード引き出し時によ
って前記集塵袋圧縮板を前記集塵袋の押圧を確実に解除
することができる。

【００５４】また、請求項５記載の電気掃除機によれ
ば、使用者が形状記憶合金製の付勢手段への通電を圧縮
スイッチのみの操作にて任意に制御することによって集
塵袋を外部から押圧して内部の塵埃を圧縮し、集塵量の
増大を図ることができる。

【００５５】この場合、請求項６記載の電気掃除機のよ
うに、リミットスイッチがオンすることによって形状記
憶合金製の付勢手段に自動的に一定時間通電することに
より、集塵袋を一定時間外部から押圧して内部の塵埃を
圧縮し、集塵量の増大を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による電気掃除機の第１の実施例を示す
全体構造の平面図である。

【図２】本発明の第２の実施例を示す駆動手段の要部側
面図である。

【図３】図２の平面図である。

【図４】図３の一部拡大図である。

【図５】図２に示すロックピンの構成図である。

【図６】本発明の第３の実施例を示す駆動手段の要部平
面図である。

【図７】本発明の第４の実施例を示す電気回路図であ
る。

【図８】本発明の第５の実施例を示す駆動手段の要部平
面図である。

【図９】図８に示す実施例の電気回路である。

【符号の説明】

１電気掃除機本体ケース１０集塵室１２集塵袋１３集塵袋圧縮板１４圧縮バネ２０電動送風機室２１電動送風機４０コードリール４１電源コード５０従動後輪５１平歯車５２ギアボックス５３，５５カップリング５４主歯車５６，５７，５８従歯車６２ロックピン６４ロック解除リブ７０形状記憶合金整のバネ７１交流電源７２運転スイッチ７３圧縮スイッチ７５リミットスイッチ７６ｃリレーの接点７６ｒリレー

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A47L 9/10

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】電動送風機からなる負圧発生部と内部に
集塵袋が収納されてなる集塵部とを備えた本体ケースの
吸気口に集塵ホースを接続し、前記吸気口を負圧状態と
して前記集塵袋内に塵埃を集塵し、前記集塵袋を外部か
ら押圧して前記集塵袋内に集塵した塵埃を圧縮する集塵
袋圧縮板と、前記集塵袋圧縮板を移動させる駆動手段と
を備えてなる電気掃除機において、前記駆動手段は、前
記集塵袋圧縮板を前記集塵袋を押圧する方向に集塵動作
にて集塵袋を膨張させる膨張力より小さい付勢力にて常
時付勢する付勢手段であり、前記集塵袋圧縮板は前記電
動送風機の動作時には前記付勢手段に抗して前記集塵袋
の押圧を解除する方向に移動することを特徴とする電気
掃除機。
【請求項２】電動送風機からなる負圧発生部と内部に
集塵袋が収納されてなる集塵部とを備えた本体ケースの
吸気口に集塵ホースを接続し、前記吸気口を負圧状態と
して前記集塵袋内に塵埃を集塵し、前記集塵袋を外部か
ら押圧して前記集塵袋内に集塵した塵埃を圧縮する集塵
袋圧縮板と、前記集塵袋圧縮板を移動させる駆動手段と
を備えてなる電気掃除機において、前記駆動手段は、前
記本体ケースに取り付けられた車輪の回転を前記集塵袋
圧縮板に伝達し、前記集塵袋圧縮板を前記集塵袋を押圧
する方向に移動させる伝達手段であることを特徴とする
電気掃除機。
【請求項３】前記伝達手段は、前記本体ケースの前進
及び後進動作の両動作にて車輪の回転を前記集塵袋圧縮
板に伝達し、前記集塵袋圧縮板を前記集塵袋を押圧する
方向に移動させることを特徴とする請求項２記載の電気
掃除機。
【請求項４】電動送風機からなる負圧発生部と内部に
集塵袋が収納されてなる集塵部とを備えた本体ケースの
吸気口に集塵ホースを接続し、前記吸気口を負圧状態と
して前記集塵袋内に塵埃を集塵し、前記集塵袋を外部か
ら押圧して前記集塵袋内に集塵した塵埃を圧縮する集塵
袋圧縮板と、前記集塵袋圧縮板を移動させる駆動手段と
を備えてなる電気掃除機において、前記駆動手段は、前
記本体ケースに取り付けられたコードリールの回転を前
記集塵袋圧縮板に伝達し、コード巻き取り時には前記集
塵袋圧縮板を前記集塵袋を押圧する方向に移動させ、コ
ード引き出し時には前記集塵袋圧縮板を前記集塵袋の押
圧を解除する方向に移動させる伝達手段であることを特
徴とする電気掃除機。
【請求項５】電動送風機からなる負圧発生部と内部に
集塵袋が収納されてなる集塵部とを備えた本体ケースの
吸気口に集塵ホースを接続し、前記吸気口を負圧状態と
して前記集塵袋内に塵埃を集塵し、前記集塵袋を外部か
ら押圧して前記集塵袋内に集塵した塵埃を圧縮する集塵
袋圧縮板と、前記集塵袋圧縮板を移動させる駆動手段と
を備えてなる電気掃除機において、前記駆動手段は、集
塵袋を圧縮するための圧縮スイッチの動作で通電するこ
とによって前記集塵袋圧縮板を前記集塵袋を押圧する方
向に移動させ、通電を解除することによって前記集塵袋
圧縮板を前記集塵袋の押圧を解除する方向に復帰させる
形状記憶合金製の付勢手段であることを特徴とする電気
掃除機。
【請求項６】前記駆動手段は、集塵量が増加して前記
集塵袋の容積が大きくなると駆動されるリミットスイッ
チを備え、前記リミットスイッチの駆動によって前記形
状記憶合金製の付勢手段を一定時間通電することを特徴
とする請求項５記載の電気掃除機。