JP3002873B2 - シールド機 - Google Patents

シールド機

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JP3002873B2
JP3002873B2 JP31554497A JP31554497A JP3002873B2 JP 3002873 B2 JP3002873 B2 JP 3002873B2 JP 31554497 A JP31554497 A JP 31554497A JP 31554497 A JP31554497 A JP 31554497A JP 3002873 B2 JP3002873 B2 JP 3002873B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネルを形成す
るシールド工法に用いるシールド機に係り、特に、地下
鉄のトンネル等、部分的に径が拡大するトンネルを連続
的に形成するに用いて好適なシールド機に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】地下鉄のトンネルは、通常、複数の駅部
と、これら駅部間の電車が走行する線路部とにより構成
されているが、駅部のトンネルは、プラットホームが構
築されたり、複数の線路が引き込まれるため、線路部の
トンネルよりもその周壁の径が拡大されている。
【0003】このような径の異なるトンネルを連続して
形成するにあたって、従来は、図12に示すように、駅
部Pにあたる地表面下を掘削してここを発進立坑1と
し、線路部Rに見合った径を有するシールド機2Aによ
り線路部Rを掘進し、かつその周壁をセグメント等によ
り覆工処理をした後、発進立坑1内に駅部Pの構造物を
築造してから発進立坑1を埋め戻すといった開削工法を
応用した方法が取られている。
【0004】また、図13に示すように、掘削径の変化
する地点、すなわち駅部Pと線路部Rとの境目に発進立
坑3を掘削して、ここから駅部Pを掘削する大径側のシ
ールド機2Bと、線路部Rを掘削する小径側のシールド
機2Aとを、別々の方向に前進させることにより、線路
部Rおよび駅部Pを掘進していくといった方法もある。
【0005】上記シールド機2A・2Bは、一般に、円
筒状のスキンプレートの前部に取り付けられたカッタに
よって切羽を掘削しつつ前進し、掘削した削土は、カッ
タ後方に設けられたチャンバ内に取り入れた後、後方に
排出するよう構成されているものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記方法の
うちの前者の場合、近年では、路面交通量の激増、建造
物の過密化により、長大な発進立坑を掘削するための用
地確保が困難であり、しかも、既存の地下鉄の下をくぐ
るような大深度の地下鉄を形成するには適用できない。
【0007】また、後者の場合は、シールド機を少なく
とも2台以上用意せねばならず、また、掘削径の変化点
ごとに発進立坑を掘削しなければならないので、工事費
がかかり、また工程も多いので工事期間が延びるといっ
た問題を抱えている。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あって、地下鉄等、部分的に径が拡大するトンネルを形
成する際、工事期間の短縮および工事費の削減を図るこ
とのできるシールド機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたシールド機であって、円筒状のスキ
ンプレートの前部に親カッタが設けられ、この親カッタ
の後方に、同カッタによって掘削された削土を取り入れ
る親チャンバが設けられてなる親シールドと、この親シ
ールドのスキンプレートよりも小径の円筒状のスキンプ
レートの前部に子カッタが設けられ、この子カッタの後
方に、同カッタによって掘削された削土を取り入れる子
チャンバが設けられてなる子シールドとからなり、前記
子シールドを、この子シールドと前記親シールドの各ス
キンプレートの軸線が互いに偏心しかつ略平行であり、
しかも該子シールドの軸心は親シールドに付けられた親
カッタの掘削範囲外となる状態で前記親シールドの内部
に着脱可能に連結し、かつ、それらの連結を解いた際に
は前記子シールドが前記親シールドから独立して前記軸
線方向前方へ掘進可能に装置するとともに、前記親カッ
タと子カッタの隙間部分を掘削するためのオーバーカッ
タを備えたことを特徴としている。前記親シールドに対
し、前記子シールドを複数装置しても良い。
【0010】本発明のシールド機によれば、親子両シー
ルドを一体化してシールド機全体により大径トンネルを
掘進した後、親シールドをその場に止どめておき、子シ
ールドを親シールドから独立して前進させることによ
り、大径トンネルから連続して小径トンネルが形成され
る。
【0011】したがって、地下鉄用のトンネルを形成す
る際、従来のように、駅部を構築するための長大な発進
立坑を掘削する必要がなく、本発明のシールド機を地盤
中にセットするための発進立坑を掘削するに必要な用地
を確保すればよいので、路面交通量の多い場所や建造物
の過密地域であっても、そこに駅部を構築することがで
き、また、発進立坑を既存のトンネルよりも深く掘削す
ることにより、大深度のトンネルを形成することができ
る。また、駅部と線路部との境目である掘削径の変化地
点にいちいち発進立坑を掘削する必要がないことから、
トンネル形成の工程が減少するとともに、工事期間の短
縮化が図れる。
【0012】また、親シールドの親カッタの取り付け位
がトンネル径の拡大予定区域側になるよう子シールド
を配すれば、親シールドが不要な断面、すなわち無駄な
スペースを掘削することがほとんどなく、掘削断面のほ
とんどを有効に利用でき、この結果、二次的な工事の省
略も可能となって工事費の削減につながるといった効果
を奏する。
【0013】また、前記親シールドに対し、前記子シー
ルドを複数装置すれば、親シールドによって形成された
大径のトンネルから、複数の小径トンネルを連続して形
成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の第
1〜第2実施形態を説明する。
【0015】第1実施形態(図1〜図8) 図中符号11は本実施形態に係るシールド機であり、親
シールド12と、この親シールド12内部に配された子
シールド13とから構成されている。
【0016】親子両シールド12,13は、いずれも円
筒状スキンプレート14,15の前部に、地盤Gの切羽
G1を掘削するカッタ16,17が設けられているもの
であるが、子シールド13のスキンプレート15の径
は、親シールド12のそれよりも径が小さく設定されて
いる。そして、図2に示すように、親シールド12のス
キンプレート14内部に、子シールド13が、その軸心
L1が親シールド12に取り付けられている親カッタ1
6の掘削範囲外に位置するように配されている。
【0017】シールド13の前部に設けられたカッ
タ17は、面板型もしくはスポーク型であって、軸回り
に回転することにより切羽G1を掘削するが、その外周
部には、径方向に突出するオーバーカッタ18が伸縮自
在に取り付けられ、このオーバーカッタ18を突出させ
ることにより、カッタ17よりも大径のトンネルTを
掘削できるようになっている。
【0018】カッタ17の後方には、このカッタ1
7の掘削によって生じる土砂や岩石のくずである削土が
取り入れられるチャンバ、および、同チャンバ内の削
土を排出するためのスクリューコンベヤ等の搬送手段
(いずれも図示せぬ)が設けられている。また、スキン
プレート15内部であってその後端部には、スキンプレ
ート15の周部に沿って、子シールド13自身を掘進方
向である前方に推進させるためのシールドジャッキ19
が複数設けられ、さらには、掘削後のトンネルTの周壁
にセグメントSを組み付けるための図示せぬエレクタ装
置が装備されている。
【0019】上記構成による子シールド13は、前述し
たように、親シールド12のスキンプレート14内部に
配されるとともに、図示せぬ連結手段によりそのスキン
プレート14に着脱可能に一体に連結され、かつ、その
連結が解除されることにより、軸線方向に沿って親シー
ルド12から独立して前進・後退できるようになってい
る。
【0020】一方、前記親シールド12のカッタ16
は、図1および図2に示すように、両シールド12,1
3の各スキンプレート14,15間を埋めるべく径の異
なる複数の分割カッタ群16a〜16hによって構成さ
れている。
【0021】すなわち、両スキンプレート14,15間
の間隔に略一致する径を有して、その間を埋めるようそ
れぞれ径の異なる面板型もしくはスポーク型のカッタ1
6a〜16gが円弧状に配され、さらに、これらカッタ
16a〜16gと、親シールド12のスキンプレート1
4との隙間を埋めるよう小径のスポーク型カッタ16h
が配されている。これら分割カッタ群16a〜16h
は、軸回りに回転することにより、切羽G1を掘削す
る。
【0022】親シールド12においては、分割カッタ群
カッタ16a〜16hの後方であって、両シールド1
2,13の各スキンプレート14,15間に、これら
ッタ16a〜16hの掘削によって生じる削土が取り入
れられるチャンバ、および同チャンバ内の削土を排出す
るためのスクリューコンベヤ等の搬送手段(いずれも図
示せぬ)が設置されている。また、スキンプレート14
内部の後端部には、このスキンプレート14の周部に沿
って、親シールド12自身を掘進方向である前方に推進
させるためのシールドジャッキ20が複数設けられ、さ
らには、掘削後のトンネルTの周壁にセグメントSを組
み付けるための図示せぬエレクタ装置が装備されてい
る。
【0023】上記構成からなるシールド機1によって地
下鉄のトンネルTを形成する場合を、図3および図4を
参照して説明する。
【0024】まず、図3に示すように、駅部Pを形成す
る地盤Gに発進立坑21を所定深さ掘削する。
【0025】次いで、親シールド12の内部に子シール
ド13を挿入し、かつ両シールド12,13を相互に連
結して一体とした状態のシールド機11を、トンネルT
を掘進する方向に各カッタ16(16a〜16h),1
7を向けて、発進立坑21の底部にセットする。
【0026】次いで、両シールド12,13のカッタ1
6,17を回転させ、切羽G1を掘削していく。この
際、子シールド13におけるカッタ17の外周に取り
付けられたオーバーカッタ18を突出させておき、この
オーバーカッタ18により、図2の斜線に示すカッタ
17の外周部、およびカッタ17と親シールド12側
カッタ16a〜16gとの隙間部分の切羽G1を掘
削していく。また、親シールド12のスキンプレート1
4により、このスキンプレート14と各カッタ16a〜
16h間の切羽G1を掘削していく。
【0027】この際、親子両シールド12,13の各カ
ッタ16,17の掘削によって生じた削土は、それぞれ
のチャンバ内に取り入れられてから前記搬送手段によっ
て後方に排出し、さらに、トロッコ等によって発進立坑
21まで運んだ後、昇降エレベータあるいはスキップ等
の搬送手段により地上に運ぶ。
【0028】所定距離掘進が進んだら、親子両シールド
12,13によって掘進されたトンネルTの周壁に、親
シールド12側のエレクタ装置によってセグメントSを
組み付けて一次覆工を施す。次いで、親シールド12の
シールドジャッキ20を、組み付けられたセグメントS
の前端部に反力を取って伸長し、シールド機11全体を
前方に推進させる。
【0029】上記のように、親子両シールド12,13
の各カッタ16,17による掘進、セグメントSの組み
付け、シールド機11の前進、という工程を繰り返し、
駅部PのトンネルTを形成していく。
【0030】所定の駅部Pの長さを両シールド12,1
3によって掘削した後、親子両シールド12,13の連
結を解除する。そして、親シールド12をその場に止ど
めておき、子シールド13により、線路部Rを掘進して
いく。すなわち、図4に示すように、子シールド13の
カッタ17を回転させて切羽G1を掘削していき、そ
れによって形成される後方のトンネルTの周壁に、エレ
クタ装置によってセグメントSを組み付けて一次覆工を
施し、次いで、シールドジャッキ20をセグメントSの
前端部に反力を取って伸長し、子シールド13を前進さ
せる。
【0031】このように、カッタ17による掘進、セ
グメントSの組み付け、シールドジャッキ20による前
進といった工程を繰り返し、線路部Rを形成していく。
【0032】以上により、大径の駅部Pと小径の線路部
Rが連続して形成され、その断面外形は、図2に示すよ
うに、断面略馬蹄形を呈する。子シールド13は、次の
駅部立坑に接合させる。
【0033】なお、駅部Pおよび線路部Rにセグメント
Sを組み付けて一次覆工を施した後は、必要によりその
表面をコンクリート打設等により二次覆工を施し、最終
的な覆工構造とする。
【0034】また、駅部PのトンネルTにおいては、図
5に示すように、その底部にスラブ22を敷設し、同ス
ラブ22上であって、子シールド13によって形成され
たスペースに電車23の線路24を敷設し、親シールド
12によって形成されたスペースには、プラットホーム
25を構築する。なお、図5中S1は、二次覆工であ
る。
【0035】図6ないし図8は、上記シールド機11に
よって形成するトンネルTの各種形態を示している。
【0036】図6においては、発進立坑21から2台の
シールド機11を、それぞれ別々の方向に同レベルで前
進させ、上述のごとく駅部P、線路部Rの順でトンネル
Tを掘削し、また、その延長方向に掘削した図示せぬ発
進立坑から、図示の発進立坑21に向けて同様にトンネ
ルTを掘削している状態を示している。
【0037】図7は、発進立坑21から、2台のシール
ド機11を、子シールド13を外側に配した状態で一方
向に同レベルで前進させて、駅部P、線路部Rの順でト
ンネルTを掘削し、また、他方向の図示せぬ発進立坑か
ら、図示の発進立坑21に向けて同様にトンネルTを掘
削している状態を示している。
【0038】図8は、発進立坑21から、上下に配した
2台のシールド機11を、一方向に向けて前進させ、他
方向の図示せぬ発進立坑から、図示の発進立坑21に向
けて、同レベルで前進させたシールド機11を、上下に
分岐させ、各トンネルTを連結させる状態を示してい
る。
【0039】以上のように、本実施形態のシールド機1
1によれば、発進立坑21から親子両シールド12,1
3を一体とした状態でそのカッタ16,17により地盤
を掘削しながら前進させることにより、径の大きい駅部
Pが形成され、続いて、親子両シールド12,13の連
結を解除して子シールド13のみを前進させることによ
り、小径の線路部Rが連続して形成される。
【0040】すなわち、従来のように、駅部Pを構築す
るための長大な発進立坑を掘削する必要がなく、シール
ド機11を地盤G中にセットするための発進立坑21を
掘削するに必要な用地を確保すればよいので、路面交通
量の多い場所や建造物の過密地域であっても、そこに駅
部Pを構築することができ、また、発進立坑21を既存
のトンネルTよりも深く掘削することにより、大深度の
トンネルTを形成することができる。
【0041】また、駅部Pと線路部Rとの境目である掘
削径の変化地点にいちいち発進立坑を掘削する必要がな
いことから、トンネルT形成の工程が減少するととも
に、工事期間の短縮化が図れる。
【0042】また、親シールド12に対し、線路部Rを
掘進する子シールド13が前記親シールドから独立して
前記軸線方向前方へ掘進可能に装置されており、さら
に、該子シールドの軸心は親シールドに付けられた親カ
ッタ35の掘削範囲外に位置するように設けられてい
る。これにより親シールド12が不要な断面、すなわち
無駄なスペースを掘削することがなく、掘削断面のほと
んどを有効に利用できる。
【0043】第2実施形態(図9〜図11) 図9ないし図11における符号30は、本発明の第2実
施形態のシールド機を示し、このシールド機30は、図
9に示すように、親シールド31の内部に、2つの子シ
ールド32が配されている。
【0044】親シールド31は、断面略楕円状の円筒状
のスキンプレート33と、このスキンプレート33と略
軸心が一致してその前部に突出した回転軸34に装着さ
れた面板型もしくはスポーク型のカッタ35とを備え
てなる。
【0045】親シールド31のスキンプレート33内部
であって径方向の両側には、親シールド31のカッタ
35よりも小径の前記子シールド32のスキンプレート
36が、親シールド31前記親シールドから独立して前
記軸線方向前方へ掘進可能に装置されており、さらに、
該子シールド32の軸心は親シールド31に付けられた
親カッタ35の掘削範囲外の位置で、かつ着脱可能に一
体に連結されている。
【0046】この子シールド32のスキンプレート36
前部には、親シールド31のカッタ35よりも前方に
突出する回転軸37を介してカッタ38が装着されて
いる。すなわち、この子シールド32のカッタ38
は、親シールド31のカッタ35よりも前方に配さ
れ、かつ、前方から見ると、両カッタ35,38は一部
が互いに重なり合っている。
【0047】なお、親子両シールド31,32の各カッ
タ35,38の外周部には、前記第1実施形態の子シー
ルド13に設けられたものと同様のオーバーカッタが設
けられ、また、親子両シールド31,32には、削土取
り入れ用のチャンバ、削土排出用の搬送手段、自身を前
進させるためのシールドジャッキ(いずれも図示せず)
が設けられている。
【0048】上記構成によるシールド機30によれば、
図10に示すように、親子両シールド31,32を連結
した状態で、それぞれのカッタ35,38を回転させ、
切羽G1を掘削していく。この際、親子両シールド3
1,32の各カッタ35,38におけるオーバーカッタ
18を突出させておき、このオーバーカッタ18によ
り、図9の(イ)部に示す各カッタ35,38の外周部
を掘削していく。また、親シールド31のスキンプレー
ト33により、このスキンプレート33と各オーバーカ
ッタ間の残余部(図9の斜線で示す部分)をそぎ落とし
ていく。
【0049】所定距離掘進が進んだら、親子両シールド
31,32によって掘進されたトンネルTの周壁に、両
シールド31,32に装置されたエレクタ装置によって
セグメントSを組み付けて一次覆工を施す。次いで、親
シールド31側のシールドジャッキにより、シールド機
30全体を前方に推進させる。
【0050】上記のように、親子両シールド31,32
の各カッタ35,38による掘進、セグメントSの組み
付け、シールド機30の前進、という工程を繰り返し、
駅部PのトンネルTを形成していく。
【0051】所定の駅部Pの長さを両シールド31,3
2によって掘削した後、各カッタ35,38を一旦停止
するとともに、図9の(ロ)部に示す親シールド31の
カッタ35における両子シールド32のカッタ38の
重なっている部分を切断し、両子シールド32を前進可
能とする。なお、このカッタ35のラップ部分を、あ
らかじめ分割可能にしておいてもよい。
【0052】次いで、図11に示すように、組み付けた
セグメントS…内の前端部に、子シールド32のシール
ドジャッキの反力を受ける台39を設置した後、親子両
シールド31,32の連結を解除する。
【0053】親シールド31をその場に止どめておき、
両子シールド32により線路部Rを掘進していく。すな
わち、図11に示すように、両子シールド32の各カッ
タ38を回転させて切羽G1を掘削していき、それによ
って形成される後方のトンネルTの周壁にエレクタ装置
によってセグメントSを組み付けて一次覆工を施し、次
いで、子シールド32のシールドジャッキを、前記台3
9に反力を取って伸長し、子シールド32を前進させ
る。
【0054】このように、両子シールド32の各カッタ
38による掘削、セグメントSの組み付け、シールドジ
ャッキによる両子シールド32の前進といった工程を繰
り返し、線路部Rを形成していく。
【0055】なお、セグメントS…により一次覆工を施
した後は、セグメントS…表面を、コンクリート打設等
により二次覆工を施すこともある。
【0056】本実施形態のシールド機30によれば、大
径の駅部Pと、2本の小径の線路部Rが連続して形成さ
れ、特に駅部Pの断面外形は、図9に示すように、土圧
に対する抗力が有効に働く楕円形のトンネルTが形成さ
れる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシールド
機によれば、円筒状のスキンプレートの前部に親カッタ
が設けられ、このカッタの後方に、同カッタによって掘
削された削土を取り入れる親チャンバが設けられてなる
親シールドと、この親シールドのスキンプレートよりも
小径の円筒状のスキンプレートの前部に子カッタが設け
られ、このカッタの後方に、同カッタによって掘削され
た削土を取り入れる子チャンバが設けられてなる子シー
ルドとからなり、軸線が互いに偏心しかつ略平行であ
り、しかも該子シールドの軸心は親シールドに付けられ
た親カッタの掘削範囲外となる状態で前記親シールドの
内部に着脱可能に連結し、かつ、それらの連結を解いた
際には前記子シールドが前記親シールドから独立して前
記軸線方向前方へ掘進可能に装置するとともに、前記親
カッタと子カッタの隙間部分を掘削するためのオーバー
カッタを備えたことを特徴とすることから、親子両シー
ルドによって大径トンネルを掘削した後、親シールドを
その場に止どめておき、子シールドを親シールドから独
立して前進させることにより、大径トンネルから連続し
て小径トンネルが形成される。したがって、地下鉄用の
トンネルを形成する際、従来のように、駅部を構築する
ための長大な発進立坑を掘削する必要がなく、本発明の
シールド機を地盤中にセットするための発進立坑を掘削
するに必要な用地を確保すればよいので、路面交通量の
多い場所や建造物の過密地域であっても、そこに駅部を
構築することができ、また、発進立坑を既存のトンネル
よりも深く掘削することにより、大深度のトンネルを形
成することができる。
【0058】また、駅部と線路部との境目である掘削径
の変化地点にいちいち発進立坑を掘削する必要がないこ
とから、トンネル形成の工程が減少するとともに、工事
期間の短縮化が図れる。
【0059】また、親シールドの親カッタの取り付け位
置がトンネル径の拡大予定区域側になるよう子シールド
を配すれば、親シールドが不要な断面、すなわち無駄な
スペースを掘削することがほとんどなく、掘削断面のほ
とんどを有効に利用でき、この結果、二次的な工事の省
略も可能となって工事費の削減につながるといった効果
を奏する。しかも子シールドを、親シールドに対して偏
心させ、親カッタの掘削範囲外となるよう装置すること
により、掘削するトンネルの断面形状を、例えば駅部に
おいて側方にのみトンネルを拡大するような形状とする
ことができ、トンネル径の拡大部分を無駄なく経済的に
構築することが可能となる。 また、オーバーカッタを備
えたことにより、互いに偏心した親カッタと子カッタの
隙間部分を掘削することができる。
【0060】また、前記親シールドに対し、前記子シー
ルドを複数装置すれば、親シールドによって形成された
大径のトンネルから、複数の小径トンネルを連続して形
成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態のシールド機を示す側
面図である。
【図2】 同、図1におけるII−II線略矢視図である。
【図3】 同シールド機全体で地下鉄の駅部を掘進して
いる状態の側面図である。
【図4】 同シールド機における子シールドによって線
路部を掘進している状態の側面図である。
【図5】 同シールド機によって形成した駅部トンネル
に駅を構築した例を示す断面図である。
【図6】 同シールド機によって形成するトンネルの形
態例を示す平面図である。
【図7】 同シールド機によって形成するトンネルの他
の形態例を示す平面図である。
【図8】 同シールド機によって形成するトンネルのさ
らに他の形態例を示す側面図である。
【図9】 本発明の第2実施形態のシールド機を示す概
略正面図である。
【図10】 同シールド機全体で地下鉄の駅部を掘進し
ている状態の側面図である。
【図11】 同シールド機における子シールドによって
線路部を掘進している状態の側面図である。
【図12】 従来の地下鉄のトンネルを形成する方法を
示す側面図である。
【図13】 従来の地下鉄のトンネルを形成する他の方
法を示す側面図である。
【符号の説明】
11,30……シールド機 12,31……親シールド 13,32……子シールド 14,33……スキンプレート(親シールド側) 15,36……スキンプレート(子シールド側) 16,35……カッタ 17,38……カッタ 18……オーバーカッタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 明 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 後藤 茂 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 東 洋二 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−152329(JP,A) 特開 昭59−48595(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/06 301 E21D 9/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状のスキンプレートの前部に親カッ
    タが設けられ、この親カッタの後方に、同カッタによっ
    て掘削された削土を取り入れる親チャンバが設けられて
    なる親シールドと、この親シールドのスキンプレートよ
    りも小径の円筒状のスキンプレートの前部に子カッタが
    設けられ、この子カッタの後方に、同カッタによって掘
    削された削土を取り入れる子チャンバが設けられてなる
    子シールドとからなり、 前記子シールドを、この子シールドと前記親シールドの
    各スキンプレートの軸線が互いに偏心しかつ略平行であ
    り、しかも該子シールドの軸心は親シールドに付けられ
    た親カッタの掘削範囲外となる状態で前記親シールドの
    内部に着脱可能に連結し、かつ、それらの連結を解いた
    際には前記子シールドが前記親シールドから独立して前
    記軸線方向前方へ掘進可能に装置するとともに、 前記親カッタと子カッタの隙間部分を掘削するためのオ
    ーバーカッタを備える ことを特徴とするシールド機。
  2. 【請求項2】 前記親シールドに対し、前記子シールド
    を複数装置したことを特徴とする請求項1記載のシール
    ド機。
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