JP3002555B2 - 信号処理装置 - Google Patents

信号処理装置

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JP3002555B2
JP3002555B2 JP3052623A JP5262391A JP3002555B2 JP 3002555 B2 JP3002555 B2 JP 3002555B2 JP 3052623 A JP3052623 A JP 3052623A JP 5262391 A JP5262391 A JP 5262391A JP 3002555 B2 JP3002555 B2 JP 3002555B2
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    • H03G3/00Gain control in amplifiers or frequency changers
    • H03G3/001Digital control of analog signals

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はBiCMOS構造の半
導体装置において信号処理を行う全ての分野に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図11は従来の電子ボリューム回路の一
例を示す回路図である。
【0003】ラダー抵抗4は抵抗R1 ,R2 ,…,Rn
から成り、アナログスイッチ群3はアナログスイッチS
1 ,S2 ,…,Sn から成る。アナログスイッチ群3は
ラダー抵抗4と共に電子ボリューム100を形成してい
る。演算増幅器(以下「オペアンプ」)1,2には+V
CCと−VCCから電源電圧を供給され、入力信号の直流成
分の電位を設定するための抵抗5,6がそれぞれに設け
られている。オペアンプ1,2は電子ボリューム100
のバッファアンプとして働く。
【0004】コンデンサ7,8,9は交流的結合を行う
ために設けられている。
【0005】この様な電子ボリューム100をオーディ
オ回路に用いる際には、その取扱う信号は通常−7V〜
+7Vの間で振幅するものであり、そのためにここでは
正の電源電圧+VCCとして+7Vを、負の電源電圧−V
CCとして−7Vと設定し、アナログスイッチ群3にも電
源電圧+VCC、−VCCを印加している。
【0006】図12においてこれを概念的に示すと、オ
ーディオ回路の信号は電源電圧+VCC、−VCCに対して
その中間値である0V即ち接地(GND)レベルを中心
として振幅する。波形W1 は比較的小振幅の、波形W2
はほぼ最大振幅の信号をそれぞれ示す。最大振幅(−7
V〜+7V)を有する信号であっても、バッファアンプ
1,2で消耗する電圧があるため、消耗する電圧が1V
程度であれば波形W2 の様に12VP-P の振幅が最大限
度となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ここでオペアンプ1,
2はバイポーラ半導体構造で形成するのが最も一般的で
あり、また優れた性能を出し易いことは良く知られてい
る。バイポーラ半導体構造では一般に16〜20Vの耐
圧が得られるので、オーディオ回路のように電源電圧の
差即ち14V程度の耐圧が要求されても容易に対処する
ことができる。
【0008】一方、アナログスイッチS1 ,S2 ,…,
n は後述するようにCMOS半導体構造で形成するこ
とがその性能上望ましい。しかし一般にはCMOS半導
体構造の耐圧は8V程度であり、上記のように14V程
度の耐圧が必要な場合には素子寸法を大きくするなど、
特に高耐圧のプロセスが必要となる。
【0009】そのため、オペアンプ1,2と電子ボリュ
ーム100とを集積化していわゆるBiCMOS半導体
構造を作成する際、そのプロセスが複雑になってしまう
という問題点があった。
【0010】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、耐圧が小さな信号処理部を有し
ていてもその耐圧よりも大きな信号処理を可能とする信
号処理装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の信号処理装置
は、アナログ交流信号である入力信号の交流成分を減衰
させ、前記入力信号の直流成分を第1の方向へシフトさ
せて第1の処理信号を作成するバイポーラ半導体構造の
第1の演算増幅器と、前記第1の処理信号に信号処理を
施して第2の処理信号を作成するCMOS構造の電子ボ
リューム回路と、前記第2の処理信号の直流成分を前記
第1の方向とは逆の第2の方向へシフトさせ、前記第2
の処理信号の交流成分を増幅して第3の処理信号を作成
するバイポーラ半導体構造の第2の演算増幅器とを備え
るBiCMOS構造の半導体装置である。
【0012】
【0013】
【作用】第1の演算増幅器は、CMOS構造の電子ボリ
ューム回路の有する耐圧(ドレイン・バックゲート間耐
圧を含む)以下となるように入力信号を減衰、レベルシ
フトさせて電子ボリューム回路における信号処理を可能
とする。
【0014】
【0015】
【0016】
【実施例】図1はこの発明を二電源方式の電子ボリュー
ムに適用した第1の実施例の回路図である。オペアンプ
1は抵抗11,12によって負帰還回路を構成している
ので、その増幅度は
【0017】
【数1】
【0018】となり、入力端子INに入力される信号V
1 は−6dBに減衰される。更にオペアンプ1の正入力
端子は−3Vに固定されているために、振幅の中心は−
3Vにまでシフトダウンされることになる。
【0019】例えば振幅が12VP-P の信号が、結合コ
ンデンサ20を介して入力端子INに入力された場合、
直流成分がカットされているためにその振幅の中心が0
である信号V1 が得られる。そして信号V1はオペアン
プ1,抵抗11,12によって−6dBだけ減衰されて
6VP-P の振幅を有し、−3Vだけシフトダウンされて
振幅中心が−3Vである信号V2 となる。この様子を図
2に示す。図2において斜線を施した部分は互いに対応
していることを示し、例えば信号V1 の正半分の波形は
オペアンプ1によって反転されて信号V2 の−3V以下
の波形となったことを示している。
【0020】このように減衰、シフトダウンされた信号
2 は、常に0V以下で振幅することになり、−V
CC(=−7V)からみても7Vの範囲に収まっている。
従って通常のCMOS半導体構造の耐圧以下となり、こ
れによって信号処理することが可能となる。
【0021】信号V2 はコンデンサ7を介して電子ボリ
ューム100に入力される。ここではラダー抵抗4によ
る分圧をアナログスイッチ群3が制御することにより、
信号V2 の減衰が行われる。
【0022】アナログスイッチの働きを簡単に説明す
る。図8は抵抗R1 〜R4 による分圧をスイッチS1
4 がどのように制御するかを説明する回路図である。
図8ではスイッチS1 〜S3 が開き、スイッチS4 のみ
が閉じているので入力電圧v iは、数2に従って分圧さ
れ、出力電圧v oとなる。
【0023】
【数2】
【0024】スイッチS1 〜S4 の開閉状態によりその
分圧状態は変化する。
【0025】このようなスイッチの開閉を電気的に行う
にはアナログスイッチが通常用いられ、トランスミッシ
ョンゲートと呼ばれるCMOS素子で構成される。図3
はトランスミッションゲートの回路記号を通常のスイッ
チSWの回路記号と並べて示したものである。端子IN
/OUTと端子OUT/INはそれぞれスイッチSWの
両端T1 ,T2 に対応する。ゲート入力φがHレベル
(ゲート入力φの反転信号φ*がLレベル)のときに端
子IN/OUTと端子OUT/INは互いに相方向に導
通し、ゲート入力φがLレベル(反転信号φ*がHレベ
ル)のときには非導通となる。具体的には図4に示すよ
うに制御端子CONTROLの信号をそのままゲート入
力φとして、またインバータで反転してゲート入力φ*
とすることにより、トランスミッションゲートの制御を
行う。
【0026】このようなトランスミッションゲートを用
いたアナログスイッチはCMOS構造を有する4016
Pなどが一般的であり、広くアナログスイッチの原形と
して用いられている。図5にCMOS素子を以てアナロ
グスイッチを構成する例を示す。図に示されるように、
PチャネルMOSFETのバックゲートには電位V
DD が、NチャネルMOSFETのバックゲートには電位
SS が、それぞれ与えられる。図5に示された構成を第
1の実施例に適用するのであれば、図1に示されるよう
にV DD =GND,V SS =−V CC =−7Vに設定されるこ
とになる。
【0027】図6にドレイン電流の平方根IDS 1/2 とゲ
ート・ソース電圧VGSの関係をグラフで示した。エンハ
ンスメントタイプのNチャネルMOSFETにおいてゲ
ート・ソース電圧を閾値電圧Vth(N) 以下にすればドレ
イン電流IDSは流れない(ノーマルオフ領域)。エンハ
ンスメントタイプのPチャネルMOSFETにおいても
同様に、閾値電圧Vth(P) を境にしてゲート・ソース電
圧VGSによってON状態となったりならなかったりす
る。NチャネルMOSFETや、PチャネルMOSFE
Tのみでは、ON状態のソース・ドレイン間の抵抗(O
N抵抗RON)はソース・ドレイン間の印加電圧VDSに依
存するが、図5のような構成をとることにより合成され
るON抵抗は、図7のグラフ(a)のように端子IN/
OUTと端子OUT/INの間の印加電圧VINにあまり
依存せず、平坦な特性が得られて、スイッチの特性上望
ましい。これは、図6に示したようにNチャネルMOS
FETとPチャネルMOSFETが相補対称的に動作
し、図7に併記したような特性(グラフ(b),グラフ
(c))をそれぞれのMOSFETが呈するためであ
る。
【0028】図1にもどって、電子ボリューム100は
通常のCMOS構造によって構成することができ、信号
2 の減衰、例えば音量調整等を行なう。図2の信号V
3 はその様子を示したものであり、例えば、例えば信号
2 を1/6に減衰することにより、1VP-P の振幅を
有する信号V3 が得られる。但し、信号V2 はコンデン
サ7で一旦その直流成分がカットされているので、通常
のCMOS構造を有する電子ボリューム100の耐圧
(8V程度)の範囲内で常に電子ボリューム100を動
作させるためには最下段の抵抗Rn を−3Vの電位に固
定する。
【0029】なお、電子ボリューム100において、抵
抗Rn をオペアンプ1の正入力端子と同電位に固定する
ことは必ずしも要求されない。例えばコンデンサ7を用
いず、信号V2 を直接(直流成分をカットせず)電子ボ
リューム100に入力させてもよい。但しその場合には
電子ボリューム100の電位が決定されるように、最下
段の抵抗Rn をコンデンサを介して接地すればよい。
【0030】電子ボリューム100で減衰された信号V
3 は、オペアンプ1による減衰、シフトダウンを補償す
るために、オペアンプ2で増幅、シフトアップの処理を
受ける。信号V3 はコンデンサ8を介して抵抗13に入
力するので、その直流成分はカットされ、更にオペアン
プ2の正入力端子は接地(GND)されているので全体
的に(直流成分が)シフトアップされることとなる。ま
た、抵抗13,14は負帰還回路を構成しているので、
その増幅度は
【0031】
【数3】
【0032】となる。即ちオペアンプ1と抵抗11,1
2が形成する回路と、オペアンプ2と抵抗13,14が
形成する回路は互いに相補的に働き、電子ボリューム1
00における信号処理の電圧範囲のみその耐圧に対して
小さくなるようにするのである。そのため、入力端子I
Nと出力端子OUTからみると、あたかも耐圧の高い電
子ボリュームであるかのように取扱うことができる。こ
れを図2で説明すると、電子ボリューム100によって
信号V2 を減衰させない場合には6VP-P の振幅を有す
る信号V2 が6dB増幅され、かつ直流成分が0Vへと
シフトアップして、12VP-P の振幅を有する信号V4
が出力端子OUTから得られる。つまり入力信号V1
同じ信号が得られ、入力端子INと出力端子OUT間の
減衰量は電子ボリューム100の減衰量(ゼロ)と同じ
になる。
【0033】また、電子ボリューム100によって信号
2 を1/6に減衰させた場合には1VP-P の振幅を有
する信号V3 を6dB増幅して振幅を2VP-P とし、そ
の直流成分を0Vへとシフトアップさせた信号V5 が出
力端子OUTから得られる。これは入力端子INに入力
した信号V1 を基準とすると、1/6だけ減衰した信号
と見ることができ、その減衰量は電子ボリューム100
によるものと同一となる。
【0034】以上からわかるように、この発明の特徴は
入力信号の直流成分をある方向へシフトさせ、かつ交流
成分を減衰させる処理部と、これを補償する処理部とで
耐圧の低い信号処理部をはさむように構成するところに
あり、耐圧の低い信号処理部は電子ボリュームに限定さ
れない。すなわちこの発明は、グラフィックイコライザ
やトーンコントロールなどのあらゆるレベルコントロー
ルに適用できるし、さらにレベルコントロール以外のあ
らゆる信号処理にも適用可能である。
【0035】図9はこの発明の第2の実施例の回路図で
ある。グラフィックイコライザGEはブーストカット切
換スイッチBCS、ラダー部LD、共振回路RSとから
構成されている。その前段にはオペアンプ1により構成
された、図1と同様に信号の交流成分を半分に減衰さ
せ、信号の直流成分を−3Vへとシフトダウンする回路
1 が設けられている。グラフィックイコライザ部GE
の後段には、図1と同様に信号の交流成分を増幅し、信
号の直流成分をシフトアップさせて回路K1 を補償する
回路K2 が設けられている。回路K1 ,K2 によりグラ
フィックイコライザ部GEは、見かけ上その耐圧の2倍
までの大きさの信号を処理できるグラフィックイコライ
ザとして取扱うことができる。
【0036】また、この発明は、二電源方式のみなら
ず、単一電源方式にも適用可能である。図10は、この
発明の第3の実施例として、単一電源方式に適用した場
合の回路図である。図1と異なり、VCCを14Vとし、
−VCC電源を用いず、代わりに電子ボリューム100の
一端の電位VSSを接地(GND)している。しかし電子
ボリューム100のもう一端の電位VDDにはVCC/2即
ち7Vを印加しており、電位VDDとVSSとの電位差は7
Vであって図1の場合と等しい。
【0037】コンデンサ20を介して入力された信号V
1 は、通常、電源VCCと接地GNDの中間値である電位
CC/2を直流成分のレベルとして振幅する。しかしオ
ペアンプ1の正入力端子の電位が4Vに固定されている
ので、その直流成分は4Vへとシフトダウンする。また
その交流成分は−6dBの減衰をうけて信号V2 とな
る。信号V2 はコンデンサ7によって交流成分のみ電子
ボリューム100に伝えられる。電子ボリューム100
において抵抗Rn の一端が4Vに固定されているので、
信号V2 は4Vを中心に振幅することになる。
【0038】電子ボリューム100で減衰を受けた信号
3 は更にコンデンサ8を介してオペアンプ2から構成
される回路に入力する。オペアンプ2の正入力端子の電
位は7Vに固定されているのでその直流成分は7Vへと
シフトアップし、信号V3 は7Vを中心に振幅すること
になる。またその交流成分は6dBの増幅をも受ける。
結局電子ボリューム100は見け上その耐圧が2倍にな
ったことになる。
【0039】なお、単一電源方式において7Vや4Vの
固定電位を得るには、図示のように抵抗分割によるレベ
ルシフト回路LSを設けておけばよい。
【0040】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明の信号
処理装置はアナログ交流信号である入力信号の交流成分
を減衰させ、前記入力信号の直流成分を第1の方向へシ
フトさせて第1の処理信号を作成するバイポーラ半導体
構造の第1の演算増幅器と、前記第1の処理信号に信号
処理を施して第2の処理信号を作成するCMOS構造の
電子ボリューム回路と、前記第2の処理信号の直流成分
を前記第1の方向とは逆の第2の方向へシフトさせ、前
記第2の処理信号の交流成分を増幅して第3の処理信号
を作成するバイポーラ半導体構造の第2の演算増幅器
を備えるので、BiCMOS構造を採用しても電子ボリ
ューム回路の耐圧よりも大きな信号処理を行なうことが
できる。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例の回路図である。
【図2】第1図の回路の動作を説明する、信号の波形図
である。
【図3】アナログスイッチの説明図である。
【図4】アナログスイッチの説明図である。
【図5】アナログスイッチの説明図である。
【図6】アナログスイッチの説明図である。
【図7】アナログスイッチの説明図である。
【図8】電子ボリュームの説明図である。
【図9】この発明の第2の実施例の回路図である。
【図10】この発明の第3の実施例の回路図である。
【図11】従来の技術を説明する回路図である。
【図12】電子ボリュームの耐圧を説明する回路図であ
る。
【符号の説明】
1,2 演算増幅器(オペアンプ) 7,8,20 コンデンサ 11,12,13,14 抵抗 100 電子ボリューム V1 ,V2 ,V3 ,V5 信号 K1 ,K2 回路 GE グラフィックイコライザ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−214655(JP,A) 特開 平2−7466(JP,A) 特開 平1−101710(JP,A) 特開 平1−238309(JP,A) 実開 昭58−59220(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 11/24 H03G 3/02 H03G 5/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アナログ交流信号である入力信号の交流
    成分を減衰させ、前記入力信号の直流成分を第1の方向
    へシフトさせて第1の処理信号を作成するバイポーラ半
    導体構造の第1の演算増幅器と、 前記第1の処理信号に信号処理を施して第2の処理信号
    を作成するCMOS構造の電子ボリューム回路と、 前記第2の処理信号の直流成分を前記第1の方向とは逆
    の第2の方向へシフトさせ、前記第2の処理信号の交流
    成分を増幅して第3の処理信号を作成するバイポーラ半
    導体構造の第2の演算増幅器と、 を備えるBiCMOS構造の信号処理装置。
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