JP3000931B2 - ゴルフボールの射出成形用金型及び該金型を用いたゴルフボールの製造方法 - Google Patents

ゴルフボールの射出成形用金型及び該金型を用いたゴルフボールの製造方法

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JP3000931B2 JP8156092A JP15609296A JP3000931B2 JP 3000931 B2 JP3000931 B2 JP 3000931B2 JP 8156092 A JP8156092 A JP 8156092A JP 15609296 A JP15609296 A JP 15609296A JP 3000931 B2 JP3000931 B2 JP 3000931B2
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    • B29C45/14Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
    • B29C45/14819Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles the inserts being completely encapsulated

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフボールの射
出成形用金型、及び該金型を用いたゴルフボールの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ソリッドコアや糸巻きコアの周囲
にカバー層を射出成形してゴルフボールを製造する場
合、図3に示したような一対の割型e,eを分離可能に
接合した金型を用い、この金型のキャビティーf内の中
心部にコアgを配置し、熱可塑性樹脂からなるカバー成
形材料を主ランナーaを通してリング状のコールドラン
ナーbに導入し、このリング状ランナーbの内周縁部に
周方向に沿って均等に配した複数のノズル部cよりゲー
ト部dを通して上記キャビティーfに射出供給する方法
が採用されている。
【0003】この場合、上記リング状ランナーb及びそ
のノズル部cに残った成形材料もカバーと共に固化する
ため、図4に示したように、成形品を金型から取り出す
と、ゴルフボールhに上記リング状ランナーb及びノズ
ル部cにそれぞれ対応するリング状固形物i及びゲート
状固形物jが一体的に連結した状態で脱型される。従っ
て、ゲート状固形物jを切り離し(ゲートカット)、次
いで、ゲート対応部分の固形物(バリ)をトリミング処
理で除去することが行われる。
【0004】上記射出成形に用いる金型において、ラン
ナーとキャビティーとの間に設けられたゲート部dは、
通常両割型e,eにそれぞれ設けられた断面半円状の溝
を接合した断面円形状中空管であり、その出口端(キャ
ビティーfに開放する部分)は、ディンプル部分では上
記トリミング処理でバリを除去することができないの
で、ゴルフボールの陸部(ボール表面のディンプルのな
い部分)に対応して設けられている。またこの場合、出
口端の縁がディンプルにあまりにも近接していると、ト
リミング時にバリの削りかすがディンプルエッジに溶着
して不良部分となる場合があり、ゲート部dの出口端は
ディンプルエッジとある程度離れた状態で陸部に設ける
必要がある。従って、従来は、ゴルフボール表面の陸部
の比較的広い所にゲート部dの出口端を設けており、例
えば図5に破線で示したディンプルが交差しない疑似ト
リミングライン(パーティングラインPL以外の大円
線)TLをボール表面に設け、このトリミングラインT
L上にゲート部dの出口端を設けることが行われてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年デ
ィンプルが細密化していることもあり、従来の金型では
良好かつ効率的にゴルフボールの成形を行うことが困難
な場合がある。
【0006】即ち、近年の研究によりゴルフボール表面
のディンプル占有率が高い方が飛距離の増大の点で好ま
しいことが分かってきており(例えば、特開昭63−3
09282号公報)、近年ボール表面に形成するディン
プルを細密化してディンプルの占有率を高くすることが
行われている。このため、近年のゴルフボールは陸部の
面積が小さくなる傾向があり、上記従来の金型では必然
的にゲートの位置や大きさが制限され、ゲート本数を少
なくせざるを得なかったり、ゲートの断面積を小さくせ
ざるを得なくなる場合がある。
【0007】ここで、このようにディンプルを細密化し
たゴルフボールを製造する場合、所定の断面積を有する
ゲートを所定本数設けるためにゲート部dの位置がパー
ティングラインPLに対応した大円の円周に対して不均
等になると、樹脂の射出バランスがくずれて上記コアg
の偏心を生じて良好な成形品が得られなくなる場合があ
り、またゲートの本数が少なかったり、ゲート断面積が
小さい場合には、樹脂の充填効率が悪くなって成形不良
の原因となる場合がある。更に、図6に示したように、
スペースがあるからといってゲート部dの中心をパーテ
ィングラインPLからずらして割型e,eでゲート断面
積が異なるゲートとすると、やはり樹脂の射出バランス
がくずれて上記コアgの偏心が生じ、成形不良の原因と
なる場合がある。
【0008】従って、従来の金型により良好な成形性を
もってゴルフボールを成形するためには、ゲートの配設
位置や断面積を考慮しなければならないためにゴルフボ
ールのディンプル配列が制限され、近年のディンプル細
密化に十分に対応し得ない場合があり、逆にディンプル
が細密設計されたゴルフボールを成形する場合には、従
来の金型では効率よくこれを成形することが困難な場合
がある。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、ディンプルを細密に配列してディンプル占有率を大
きく設計したゴルフボールであっても、成形不良を生じ
ることなく効率よく射出成形することができるゴルフボ
ールの射出成形用金型、及び該金型を用いたゴルフボー
ルの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため鋭意検討を行なった結果、一対の割型からな
り、該割型を分離可能に接合して、内面にディンプル形
成用凸部を多数突設した球状のキャビティーと、両割型
の接合面部分に存して上記キャビティーに連通する複数
の中空管状ゲート部とを形成する射出成形用金型を用
い、該金型の上記キャビティー内に上記ゲート部を通し
て成形材料を射出供給して、ゴルフボールを成形する場
合に、ディンプル形成用凸部から所定間隔距離をおいた
所望の位置にゴルフボールの陸部の形状に応じて円形以
外の適宜な形状の出口端断面を有するゲート部を形成す
ることにより、ディンプルを細密配列したゴルフボール
を成形する場合であっても、十分な断面積を有するゲー
ト部を必要本数だけバランスよく設けることができ、し
かもこの場合ゲート出口端断面の上記両割型の接合線を
挟んだ両側部分の面積が互いに同一となるようにするこ
とにより、ゲート出口端の断面形状が円形でなくてもコ
アの偏心を生じることなくバランスよく成形材料を射出
供給して高品質のゴルフボールを効率よく確実に成形し
得ることを見い出し、本発明を完成したものである。
【0011】従って、本発明は、一対の割型を分離可能
に接合して、内面にディンプル形成用凸部を多数突設し
た球状のキャビティーと、両割型の接合面部分に存して
上記キャビティーに連通する複数の中空管状ゲート部と
を形成し、上記ゲート部を通して上記キャビティー内に
成形材料を射出供給することにより、ゴルフボールを成
形するゴルフボールの射出成形用金型において、上記ゲ
ート部の少なくともキャビティーに開放する部分の断面
が、非円形状であり、該断面の上記両割型の接合線を挟
んだ両側部分の面積が互いに同一であり、かつこのゲー
ト部とディンプル形成用凸部との間に0.05〜3.0
mmの距離を有することを特徴とするゴルフボールの射
出成形用金型、及び、一対の割型からなり、該割型を分
離可能に接合して、球状のキャビティーと、両割型の接
合面部分に存して上記キャビティーに連通する複数の中
空管状ゲート部とを形成する射出成形用金型を用い、該
金型の上記キャビティー内に上記ゲート部を通して成形
材料を射出供給して、ゴルフボールを成形するゴルフボ
ールの製造方法において、金型として上記本発明の金型
を用いることを特徴とするゴルフボールの製造方法を提
供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態及び実施例】以下、実施例を示し、
本発明につき更に詳しく説明する。図1の(A)〜
(C)は、それぞれ本発明の一実施例にかかるゴルフボ
ールの射出成形用金型におけるゲート部dの出口端部分
(キャビティーに開放する部分)を示すものであり、い
ずれもゲート部dの出口端部分の形状を円形以外の形状
としたものである。なお、図中kは金型のキャビティー
内面に突設されたディンプル形成用の凸部である。
【0013】この図1に示した金型は、上下一対の割型
e,eを分離可能に接合したものであり、特に図示して
いないが、図3に示した金型と同様に、割型e,eはい
ずれも半球状のキャビティー形成用凹部と、接合面に複
数のゲート溝を有し、両割型e,eを分離可能に接合す
ることにより、内部に球状のキャビティーfと、該キャ
ビティーfに連通する複数のゲート部dとを形成するも
のである。
【0014】本発明の金型は、上述のように、ゲート部
dの出口端部分の断面形状を非円形状としたものであ
り、例えば図1(A)のように、2つの半円形をずらし
て合わせた形状、同図(B),(C)のように、平行四
辺形を斜めに傾けた形状、また図2に示したように、2
つの三角形をずらして合わせた形状(A図)、2つの台
形をずらして合わせた形状(B図)、2つの三角形を向
かい合わせた形状(C図)など、円形以外の形状であれ
ばどのような形状としてもよく、図1に示されているよ
うに、ディンプルの配列に応じて、ゴルフボールの陸部
形成位置に所望の断面積をもって成形することができ
る。
【0015】ここで、このゲート部dは、図1,2に示
されているように、上下両割型e,eの接合線(パーテ
ィングライン)PL上に形成されるが、この接合線PL
を挟んだ両側部分d1,d2の断面積が互いに同一となる
ようにする必要があり、これら両側部分d1,d2の断面
積が異なっていると、金型の上下割型e,e間で樹脂の
射出バランスが悪くなり、キャビティー内に配置したコ
アの偏心が生じるなどの不都合が発生し、良好な成形を
行うことができなくなる場合がある。また、この両側部
分d1,d2は同一断面積であればその形状は互いに異な
っていてもよいが、特に図1,2の各ゲート部dのよう
に、両側部分d1,d2を互いに合同な形状とすることが
射出バランスの点から好ましい。
【0016】また、このゲート部dは、あまりにディン
プルエッジに近接していると、成形後のトリミング処理
によりバリを除去する際、その削りかすがディンプルエ
ッジに溶着して不良部分となる場合があるため、ゲート
部dとディンプル形成用凸部kとの間にある程度の間隔
を設けることが好ましく、具体的には0.05〜3.0
mm、特に0.1〜1.0mm程度の間隔を設けること
が好ましい。
【0017】更に、このゲート部dの断面積は、ディン
プル配列やゲートの本数に応じて適宜設定され、特に制
限されるものではないが、良好に成形樹脂を射出供給す
るためには0.20〜3.14mm2、特に0.35〜
1.50mm2とすることが好ましい。ここで、上述の
ように、ゲート部dは1つの金型に複数本設けられ、こ
の場合各ゲート部の形状は異なっていてもよいが、射出
バランスの点から各ゲート部の断面積は同一とすること
が好ましい。
【0018】1つの金型に設けられる上記ゲート部dの
本数は、ディンプル配列や各ゲート部の断面積などに応
じて適宜設定され、特に制限されるものではないが、良
好に成形樹脂を射出供給するためには4〜20本、特に
6〜12本とすることが好ましい。また、この場合ゲー
ト部dは両割型e,eの接合線PLに沿って等間隔毎に
均等に設けることが好ましい。
【0019】なお、本発明の金型の上記ゲート部d以外
の構成については、特に制限はなく、従来の金型と同様
の構成とすることができる。
【0020】このように、本発明の金型は、ゲート部d
の形状を非円形状としたことにより、ディンプルを細密
に配列したディンプル占有率の高いゴルフボールを成形
する場合であっても、ディンプル部分を避けて比較的大
きな断面積を有するゲート部dを設けることができ、か
つゲート部形成位置の制約も少なく必要本数のゲート部
dを均等にバランスよく設けることができる。しかも、
ゲート部dが非円形形状であっても、割型e,eの接合
線PLを挟んだ両側部分d1,d2の断面積を互いに同一
としたことにより、キャビティーにバランスよく成形材
料を射出供給することができるものである。従って、本
発明の金型によれば、ディンプルを細密に配列してディ
ンプル占有率を大きく設計したゴルフボールであって
も、成形不良を生じることなく効率よく射出成形するこ
とができるものである。
【0021】本発明の金型を用いて、ゴルフボールを射
出成形する場合、その方法及び条件等は、従来の金型を
用いた場合と同様に行うことができ、例えばソリッドコ
アの周囲にカバーを射出成形してツーピースソリッドゴ
ルフボールを得る場合には、図3に示されているよう
に、キャビティーfの中心部にソリッドコアgを配置保
持した状態で、両割型e,eを分離可能に接合し、各ゲ
ート部dを通してキャビティーf内にアイオノマー樹脂
等の成形材料を溶融状態で射出供給し、冷却固化した後
両割型e,eを分離して図4に示された成形品を取り出
し、ゲートカットした後、トリミング処理してバリを除
去することにより、ゴルフボールを得るものである。ま
た、本発明の金型は、このようなツーピースソリッドゴ
ルフボールのカバー層を成形する場合に特に好適に使用
されるものであるが、これ以外にも糸巻きコアの周囲に
射出成形によってカバー層を被覆形成して糸巻きゴルフ
ボールを得る場合や、ワンピースソリッドゴルフボール
を射出成形により得る場合などにも好適に使用されるも
のである。
【0022】なお、本発明の金型は、図1〜3に示され
たものに限定されるものではなく、ゲート部dの形状や
主ランナーa、コールドランナーb、ノズル部c等の配
設態様などは本発明の要旨を逸脱しない限り適宜変更す
ることができ、また冷却水を循環させるための冷却管な
どの公知の構成を付加することはなんら差し支えない。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のゴルフボ
ールの射出成形用金型によれば、成形するゴルフボール
のディンプル配列に応じて、十分な断面積を有するゲー
トを必要本数だけ均等に設けることができ、キャビティ
ー内に成形材料を良好かつバランスよく射出供給して、
成形不良を生じることなくゴルフボールを射出成形する
ことができ、ディンプルを細密に配列したディンプル占
有率の高いゴルフボールであっても成形不良の発生を可
及的に防止して効率よく成形することができるものであ
る。従って、この金型を用いて成形を行う本発明のゴル
フボールの製造方法によれば、ディンプルを細密に配列
したディンプル占有率の高いゴルフボールであっても効
率よく製造し得、金型の制約を受けることなく自由にゴ
ルフボールのディンプル設計を行うことができ、高性能
のゴルフボールを確実に得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかるゴルフボールの射出成
形用金型のゲート部の出口端部分を示す部分拡大平面図
である。
【図2】本発明の他の実施例にかかるゴルフボールの射
出成形用金型のゲート部の出口端部分を示す概略図であ
る。
【図3】ゴルフボールの射出成形用金型の一例を示すも
ので、(A)は概略側面断面図、(B)はその割型を示
す平面図である。
【図4】同金型により成形されたゴルフボールの斜視図
である。
【図5】従来のゴルフボールの射出成形用金型の一例を
示す部分概略平面図である。
【図6】従来のゴルフボールの射出成形用金型の他の例
を示す部分概略平面図である。
【符号の説明】
a 主ランナー b コールドランナー c ノズル部 d ゲート部 d1,d2 ゲート部の接合線PLを挟んだ両側部分 e 割型 f キャビティー g コア h ゴルフボール i リング状固形物 j ゲート状固形物 k ディンプル形成用凸部 PL 接合線(パーティングライン) TL 疑似トリミングライン

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の割型を分離可能に接合して、内面
    にディンプル形成用凸部を多数突設した球状のキャビテ
    ィーと、両割型の接合面部分に存して上記キャビティー
    に連通する複数の中空管状ゲート部とを形成し、上記ゲ
    ート部を通して上記キャビティー内に成形材料を射出供
    給することにより、ゴルフボールを成形するゴルフボー
    ルの射出成形用金型において、 上記ゲート部の少なくともキャビティーに開放する部分
    の断面が、非円形状であり、該断面の上記両割型の接合
    線を挟んだ両側部分の面積が互いに同一であり、かつこ
    のゲート部とディンプル形成用凸部との間に0.05〜
    3.0mmの距離を有することを特徴とするゴルフボー
    ルの射出成形用金型。
  2. 【請求項2】 上記ゲート部の少なくともキャビティー
    に開放する部分の断面の上記接合線を挟んだ両側部分
    が、互いに合同な形状である請求項1記載のゴルフボー
    ルの射出成形用金型。
  3. 【請求項3】 一対の割型からなり、該割型を分離可能
    に接合して、球状のキャビティーと、両割型の接合面部
    分に存して上記キャビティーに連通する複数の中空管状
    ゲート部とを形成する射出成形用金型を用い、該金型の
    上記キャビティー内に上記ゲート部を通して成形材料を
    射出供給して、ゴルフボールを成形するゴルフボールの
    製造方法において、 上記金型として請求項1又は2記載の金型を用いること
    を特徴とするゴルフボールの製造方法。
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