JP2000185117A - ゴルフボール射出成形用金型およびゴルフボールの製造方法 - Google Patents

ゴルフボール射出成形用金型およびゴルフボールの製造方法

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JP2000185117A
JP2000185117A JP36781198A JP36781198A JP2000185117A JP 2000185117 A JP2000185117 A JP 2000185117A JP 36781198 A JP36781198 A JP 36781198A JP 36781198 A JP36781198 A JP 36781198A JP 2000185117 A JP2000185117 A JP 2000185117A
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gate
golf ball
ring
cross
gates
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Takeshi Asakura
健 朝倉
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形不良を低減する。 【解決手段】 ゴルフボールの外表面を成形しうる球状
のキャビティC、このキャビティCを囲む同心円状をな
しかつ溶融材料が供給される一つの供給孔4を有するリ
ング状ランナー部3、一端SがキャビティCで開口しか
つ他端Eがリング状ランナー部3に連通する周方向に略
均等に隔設された複数本のゲート5とを有するゴルフボ
ール射出成形用金型1である。ゲート5は、リング状ラ
ンナー部3の供給孔4に近い複数本の近接ゲート5a1
〜5a4と、供給孔4に遠い複数本の遠方ゲート5b1
〜5b2とを含む。各遠方ゲート5b1〜5b2の平均
横断面Sbを、各近接ゲート5a1〜5a2の平均横断
面積Saよりも大としている。これによって各ゲートの
射出バランスを向上し成形不良を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャビティ内への
溶融材料の注入バランスを向上して生産性を向上しうる
ゴルフボール射出成形用金型およびゴルフボールの製造
方法に関し、特にゴルフボールのコアを被覆する樹脂カ
バーを射出成形するのに好適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばコアの外側に樹脂からなる
カバー層を形成してゴルフボールを製造する場合、図
6、およびそれを分割面bから見た図7に示す如く、上
下に接離可能な一対の割型a1、a2からなる金型aが
用いられる。前記各割型a1、a2は、分割面bが当接
することにより、ゴルフボールの外表面を成形しうる球
状のキャビティcと、このキャビティcの外側に同心円
状で配されるリング状ランナー部dと、このリング状ラ
ンナー部dに一端が接続されて該リング状ランナー部d
に溶融材料を供給する主ランナー部eと、一端が前記キ
ャビティcで開口しかつ他端が前記リング状ランナー部
dに連通する横断面積を絞った複数個のゲートgとが形
成される。なお前記リング状ランナー部eは、その内周
部に、円周方向の材料の流れを半径方向へと導くノズル
部fを含んでいる。また、前記複数本のゲートgは、そ
の射出方向と直角な横断面積が、いずれも等しく形成さ
れている。
【0003】前記キャビティcの中には、該キャビティ
cと中心を揃えてゴルフボールのコアhが配置される。
そして、そのカバーとなる例えばアイオノマー樹脂等の
溶融材料は、前記主ランナー部eから一つの供給孔kを
介してリング状ランナー部dへと導入されるとともに、
各ノズル部fより順次ゲートgを通り前記キャビティc
内へと射出供給され、コアhの回りを覆って固化する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、キャビティ
cとコアhとの間に存在していた空気は、前記溶融材料
をキャビティ内へ注入された溶融材料によって集められ
ながら、例えばキャビティcのポール位置に形成された
エアベントjから排気される。ここで、ポール位置と
は、キャビティcの中心を通りかつ前記分割面bと直交
する軸線と、キャビティcとが交わるいわゆる両極であ
る。
【0005】しかしながら、発明者らの種々の実験の結
果、上述のような金型aでは、前記複数本のゲートg
は、いずれも等しい横断面積とされているため、溶融材
料をキャビティc内へと射出供給する際、溶融材料は、
前記リング状ランナー部dの供給孔kに近いゲートgか
ら順番にキャビティ内へと供給されてしまうことが分か
った。このため、例えば供給孔kに近い側のゲートg1
と、遠い側のゲートgnとでは、キャビティcへの溶融
材料の注入に時間的なずれが生じ、注入バランスが崩れ
る結果、樹脂流れが悪くウエルドラインが表面に残存し
たり、ゴルフボールの成形不良などを生じることがあ
る。
【0006】さらに、上述のような注入バランスの崩れ
は、例えば前記エアベントjからの効率的に排気を阻害
して空気の残存や樹脂焼けなどの不良を招くほか、コア
hの偏芯などを生じさせる虞があるなど、生産不良率を
増加させる原因となる。
【0007】本発明は、このような問題点に鑑み案出な
されたもので、供給孔から遠い各ゲートの平均横断面積
を、供給孔から近い各ゲートの平均横断面積よりも大と
することを基本として、キャビティ内への溶融材料の注
入バランスを向上することにより成形不良を防止でき前
記問題点を解決しうるゴルフボール射出成形用金型およ
びゴルフボールの製造方法を提供することを目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記
載の発明は、分割面が当接することにより、ゴルフボー
ルの外表面を成形しうる球状のキャビティを形成する一
対の割型を互いに接離移動可能に具えるゴルフボール射
出成形用金型であって、前記キャビティを囲む同心円状
をなしかつ溶融材料が供給される一つの供給孔を有する
リング状ランナー部と、一端が前記キャビティで開口し
かつ他端が前記リング状ランナー部に連通することによ
り前記溶融材料をキャビティ内へと射出供給でき、しか
も前記リング状ランナー部の周方向に略均等に隔設され
た複数本のゲートとを有し、かつ前記ゲートは、前記リ
ング状ランナー部の前記供給孔の孔中心から周方向の両
側にリング状ランナー部の1/4円弧長さLを隔てた基
準位置Pよりも前記供給孔側で前記他端が連通する複数
本の近接ゲートと、前記基準位置Pよりも前記供給孔と
は反対側で前記他端が連通する複数本の遠方ゲートとを
含み、しかも前記各遠方ゲートの射出方向と直角な横断
面積を平均した遠方ゲート平均横断面Sbを、前記各近
接ゲートの射出方向と直角な横断面積を平均した近接ゲ
ート平均横断面積Saよりも大としたことを特徴として
いる。
【0009】なおゲートの射出方向と直角な横断面積
が、そのゲートの長さ方向で一様でない場合、ゲートの
横断面積は、該ゲートの最も断面積が小さくなる部分で
特定する。
【0010】また前記ゲートは、前記供給孔に最も近い
ゲートから順番にその横断面積をSg1 、Sg2 、…、
Sgn (nは4以上の自然数で、Sgn は供給孔から最
も遠いゲートの横断面積である。)とするとき、下記式
(1)及び式(2)を満たすことが望ましい。 (1) Sg1 <Sgn (2) Sg1 ≦Sg2 ≦…≦Sgn-1 ≦Sgn
【0011】また前記遠方ゲート平均横断面Sbは、前
記近接ゲート平均横断面積Saの1.0倍よりも大かつ
2.1倍よりも小とすることが望ましい。
【0012】またこれらのゴルフボール射出成形用金型
を用いた成形工程を含んでゴルフボールを製造すること
が望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の一形態を図面
に基づき説明する。図1には、本実施形態のゴルフボー
ル射出成形用金型(以下、単に「金型」ということがあ
る。)1の断面図を、図2には、その上部の割型1aを
分割面Xから見た平面図を示している。
【0014】本実施形態の金型1は、接離可能な一対の
割型1a、1bを有し、かつその分割面Xを互いに当接
させる閉止により、ゴルフボールB(図4に略示)の外
表面を成形しうる球状のキャビティCが形成される。ま
た、前記割型1a、1bの閉止により、本例ではキャビ
ティCを囲んで同心円状となるリング状ランナー部3
と、このリング状ランナー部3の供給孔4に一端が接続
されることにより該リング状ランナー部3に該供給孔4
から溶融材料を供給しうる略直線状の1本の主ランナー
部2と、一端Sが前記キャビティCで開口しかつ他端E
が前記リング状ランナー部3に連通する複数のゲート5
が形成されるものを例示している。
【0015】前記キャビティCは、配列設計されたボー
ル表面のディンプルを成形するための複数の突起(図示
せず)が形成される。なお前記金型1の分割面Xは、例
えば前記キャビティCの球中心を通る平面をなす。この
ため本例の各割型1a、1bには、前記キャビティCを
2分割した半球状のくぼみがそれぞれ形成されるものが
示される。なお各割型1a、1bには、ポール位置に排
気用のエアベント10が設けられ成形中の空気を排気し
うる如く構成されたものを例示する。
【0016】前記リング状ランナー部3は、本例では周
方向に連続したものを例示しているが、リング「状」で
あるから例えば主ランナー部2と接続された供給孔4の
反対側に途切れ部などを有するものであっても良い。ま
た、リング状ランナー部3は、本例では周方向にのびる
リング部3aと、このリング部3aの内周部3iに周方
向に隔設されかつ半径方向内側に小長さでのびるノズル
部3bを含むものを例示している。
【0017】このようなノズル部3bは、供給孔4から
送給されかつリング部3内を周方向に流れる溶融材料
を、周方向の複数位置から放射方向内側へ、つまりキャ
ビティC側へと円滑に導きうるのに役立つ。このノズル
部3bは、例えばリング状ランナー部3の横断面積と同
じか又は若干小さな横断面積で形成される一方、前記ゲ
ート5に比べると大きな横断面積で形成され、また該ゲ
ート5へと材料を送給できる。なお本明細書において、
ランナー又はゲートの横断面積と言うときは、特に断り
がない限り、溶融材料の射出方向と直角な方向の横断面
積を言うものとする。
【0018】そして、前記主ランナー部2、リング状ラ
ンナー部3により、溶融材料の主たる流路としてのラン
ナーRが形成される。またこれらのランナーRの横断面
には、種々の形状が採用できる。
【0019】前記ゲート5は、本例では一端Sが前記キ
ャビティCで開口しかつ他端Eが前記リング状ランナー
部3のノズル部3bに連通している。これによりリング
状ランナー部3に供給された溶融材料は、前記キャビテ
ィC内へと射出供給しうる。またゲート5は、前記リン
グ状ランナー部3の円周方向に隔設された複数本を例示
している。
【0020】前記ゲート5の配設本数としては、例えば
4〜15本、好ましくは6〜10本程度が望ましく、本
例では8本を例示している。このゲート本数が過小のと
き、射出成形時の溶融材料の充填効率が低下して成形不
良が生じる傾向があり、逆に多すぎるとディンプルとの
干渉が生じる虞がある。またこれらのゲート5、ノズル
部3bは、周方向に略均等に隔設されるとともに、その
射出方向がキャビティCの中心を向く放射状とするのが
望ましい。なおゲート5は、その他端Eの連通位置をリ
ング状ランナー部3の供給孔4から、周方向に位置ずれ
させるのが好ましい。供給孔4と一つのゲート5の他端
Eの連通位置とが一致すると、そのゲート5による溶融
材料の充填量が過大になり、注入バランスが著しいく悪
化するおそれがある。好ましくは、周方向に隣接するゲ
ート5、5の中間に前記供給孔4が位置するのが望まし
い。
【0021】また前記ゲート5は、その横断面積が前記
ランナーRに比して絞りこまれるため溶融材料の流速を
高めることができる。また本例のゲート5は、その横断
面積が軸方向に一様であるものが例示される。その横断
面形状は、図3(b)の如く横長矩形としたものを例示
し、例えば上部の割型1aに凹設された窪みと、割型1
bの分割面Xとによって形成されているものを示す。
【0022】また前記ゲート5は、図2に示す如く、前
記リング状ランナー部3の供給孔4の孔中心4Aから周
方向に沿ってその両側にリング状ランナー部3の1/4
円弧長さLを隔てた基準位置Pよりも前記供給孔4側で
前記他端Eが連通する複数本の近接ゲート5a1〜5a
4と、前記基準位置Pよりも前記供給孔4とは反対側で
前記他端Eが連通する複数本の遠方ゲート5b1〜5b
4とを含んでいる。
【0023】なお前記「リング状ランナー部3の1/4
円弧長さL」は、リング部3aの巾中心線を基準とし、
リング状ランナー部3に途切れ部などがあってもそれを
仮想円に見立てて特定する。またゲートの他端Eとリン
グ状ランナー部3との連通位置は、リング状ランナー部
3がノズル部3bを有する場合、ゲート5の巾中心線と
ノズル部3bとの交わり位置Z1とし、ノズル部を有し
ない場合にはゲート5の巾中心線とリング部3aの巾中
心線との交わり位置Z2とする。
【0024】そして本実施形態では、前記各遠方ゲート
5b1〜5b4の射出方向と直角な横断面積を平均した
遠方ゲート平均横断面Sbを、前記各近接ゲート5a1
〜5a4の射出方向と直角な横断面積を平均した近接ゲ
ート平均横断面積Saよりも大としたことを特徴の一つ
としている。
【0025】このため、ゲート5の配設位置に基づいた
溶融材料注入の時間的ずれに伴う注入バランスの崩れ
を、前記各遠方ゲート5b1〜5b4からキャビティC
へと供給される溶融材料の注入量を近接ゲート5a1〜
5a4に比して増すことによって是正することが可能と
なる。従って、溶融材料の注入バランスの悪化による成
形不良を低減しうる。また、キャビティC内への溶融材
料の注入バランスが向上することにより、例えばキャビ
ティC内の空気を効率よくポール位置のエアベント10
から排気でき、空気の残存に基づく凹部、樹脂焼けなど
の不良発生を防止しうる。
【0026】ここで、前記ゲート5は、前記供給孔4に
最も近いゲートから順番にその横断面積をSg1 、Sg
2 、…、Sgn (nは4以上の自然数で、Sgn は供給
孔から最も遠いゲートの横断面積である。)とすると
き、下記式(1)及び式(2)が望ましい。 (1) Sg1 <Sgn (2) Sg1 ≦Sg2 ≦…≦Sgn-1 ≦Sgn
【0027】これによれば、前記注入バランスがさらに
向上し、また各ゲート5について、供給孔4からの距離
に応じて注入量の微妙な調節なども可能となり、より細
かな注入バランスの調整をなしうる点で好ましい。な
お、前記式(1)に関連して、前記供給孔に最も近いゲ
ートの横断面積Sg1 と、最も遠いゲートの横断面積S
n との比(Sgn /Sg1 )は、例えば1.3〜2.
0程度とするのが好ましい。また前記式(1)及び式
(2)に加えて、式(3)をも充足させることも可能で
ある。 (3)Sg1 <Sg2 <…<Sgn-1 <Sgn
【0028】また前記遠方ゲート平均横断面Sbは、少
なくとも近接ゲート平均横断面積Saの1.0倍よりも
大であることが必要であるが、上述の効果は、遠方ゲー
ト平均横断面Sbを近接ゲート平均横断面積Saの好ま
しくは1.07〜2.1倍、より好ましくは1.07〜
2.0倍、さらに好ましくは1.3〜2.0倍とするこ
とにより、さらに向上することができる。
【0029】前記遠方ゲート平均横断面Sbが、近接ゲ
ート平均横断面積Saの1.07倍未満になると、注入
バランスの向上効果が相対的に低下する傾向があり、逆
に2.1倍を超えると、ゲートの横断面積が大きくなる
ことがあり、ゲートがディンプルと干渉したり、あるい
はディンプルの設計自由度を阻害する傾向がある。
【0030】また、一般に、成形後のゴルフボールB
は、図4に略示するように、リング状ランナー部3内で
残存しかつ固化したリング状固化物11やゲート5内で
残存しかつ固化したゲート固化物12などが一体的に形
成される。これらの固化物11、12は、金型による成
形後、割型1a、1bを離間させたのち、ゴルフボール
Bとともに一体で脱型することが望まれる。
【0031】ところが、前記各ゲート5の横断面積が過
度に小であると、前記脱型時にゲート固化物12が切断
され、成型品の一部が金型内へと残り、後に繰り返され
る成形サイクルが中断されてしまうことがある。逆にゲ
ート5の横断面積が過大であると、ディンプルとの干渉
や固化物の研磨等の不具合が考えられる。このような観
点より、前記ゲート5の横断面積は、0.125〜0.
975mm2 、より好ましくは0.200〜0.800mm
2 とするのが望ましい。ただし、これらの数値範囲に限
定されるものではない。
【0032】また、前記ゲート5の横断面形状は、上記
実施形態では図3(b)に示した矩形のものを例示した
が、これに限定されることなく種々の形状がを採用する
ことが可能である。例えば、同図(a)の如く半円状、
同図(c)の如く三角形状、同図(d)の如く四角形
状、さらには図示しない平行四辺形状、菱形状、楕円状
などを種々用いうる。
【0033】またゲート5は、その横断面形状におい
て、好ましくはその一部が前記分割面Xをなすか、又
は、図3(e)に示す如く、下方の割型1bにもゲート
5の一部を形成する窪みを凹設して分割面Xを含んだ、
分割面包含位置に設けるのが望ましい。これによって、
ゲート5はキャビティC内に溶融材料をバランス良く射
出供給しうる点で好ましい。なおゲートの横断面積は、
金型1内で個々に違えても良く、また1本のゲートにお
いてその長さ方向に横断面積を違えることもできる。特
にキャビティC側の前記一端Sの横断面積を他端Eに比
して大とすることにより、ゲート固化物12が、ボール
表面を欠損させて破断するいわゆるゲートチップを防止
できる点で好ましい。
【0034】また周方向に隣り合うゲートを割型1a、
1bに交互に、あるいはランダムに配しても良いなど種
々の変更が可能である。
【0035】本実施形態の金型1は、従来とほぼ同様の
手順で射出成形による成形工程を行うことにより、2な
いし4ピースといったゴルフボールのカバーを特に好適
に成形しうる。そして、図5に示す如く、前記ゲート固
化物12を断面Yにて切断するゲートカット処理や、表
面を研磨等するバフ研磨処理を行うことによりゴルフボ
ールを製造しうる。また本実施形態の金型1ないしそれ
を用いた製造方法は、糸巻きコアの回りに射出成形によ
りカバーを成形することは勿論のこと、ワンピースのソ
リッドゴルフボールを射出成形する場合にも適用しう
る。
【0036】さらに、上記実施形態で説明したランナー
R、金型の分割面Xの位置、ゲート5の本数、その断面
形状などについてはあくまで例示であって、種々の構成
によって置換、変更を行うことができるのは言うまでも
なく、また公知の冷却構造などを付加しうることは勿論
である。
【0037】
【実施例】本発明の効果を確認するために、ポリブタジ
エンを基材ゴムとした加硫ゴムからなる直径39mmのコ
アを前記金型のキャビティ内にセットし、その回りにア
イオノマー樹脂からなる溶融材料を射出供給してカバー
を成形するとともに、これを脱型後、ゲートカット処
理、バフ研磨処理して直径42.7mmのゴルフボール各
例について100個ずつを製造した。そして、これらの
ゴルフボールの外観を観察して表面に空気の残存によっ
て形成される凹部(成形不良)の有無とその発生指数を
調べた。なお発生指数は、従来例の成形不良の発生個数
を100として指数化したものであり、この発生指数が
小さいほど成形不良品の個数が少なく良好であることを
示す。ゲートの仕様並びにテストの結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】テストの結果、実施例のものは、成形不良
が全く発生していないことが確認できた。このように本
発明を実施した場合には、従来に比べて不良率を大幅に
低減しうる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
では、供給孔からのゲートの位置に基づいた材料注入の
時間的なずれに伴う注入バランスの崩れを、遠方ゲート
からキャビティへと供給される溶融材料の注入量を近接
ゲートに比して増すことにより是正でき、溶融材料の注
入バランスを向上して成形不良を低減しうる。このた
め、例えばキャビティ内の空気を効率よくポール位置の
エアベントから排気でき、空気の残存や樹脂焼けなども
防止でき、さらにまたコアの偏芯などをも防止しうる。
【0041】加えて請求項2記載の発明によれば、各ゲ
ートの供給孔からの距離に応じて注入量の調節なども可
能となり、より細かな注入バランスの調整をなしうるた
め、より一層溶融材料の注入バランスを向上しうる。
【0042】また請求項4記載の発明では、このような
金型を用いた成形工程を含んでゴルフボールを製造する
ことにより、不良率などを低減でき、生産性を大幅に向
上しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す金型(閉止状態)の
断面図である。
【図2】その分割面から上部の割型を見た平面図であ
る。
【図3】(a)〜(e)は、ゲートの横断面形状を例示
する断面図である。
【図4】その金型により成形されたゴルフボールの斜視
図である。
【図5】その部分断面図である。
【図6】従来の金型(閉止状態)の断面図である。
【図7】その分割面から上部の割型を見た平面図であ
る。
【符号の説明】
1 ゴルフボール射出成形用金型 1a、1b 割型 2 主ランナー部 3 リング状ランナー部 3a リング部 3b ノズル部 4 供給孔 5 ゲート 5a1〜5a4 近接ゲート 5b1〜5b4 遠方ゲート 7 コア B ゴルフボール C キャビティ E ゲートの他端 S ゲートの一端 R ランナー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分割面が当接することにより、ゴルフボー
    ルの外表面を成形しうる球状のキャビティを形成する一
    対の割型を互いに接離移動可能に具えるゴルフボール射
    出成形用金型であって、 前記キャビティを囲む同心円状をなしかつ溶融材料が供
    給される一つの供給孔を有するリング状ランナー部と、 一端が前記キャビティで開口しかつ他端が前記リング状
    ランナー部に連通することにより前記溶融材料をキャビ
    ティ内へと射出供給でき、しかも前記リング状ランナー
    部の周方向に略均等に隔設された複数本のゲートとを有
    し、 かつ前記ゲートは、前記リング状ランナー部の前記供給
    孔の孔中心から周方向の両側にリング状ランナー部の1
    /4円弧長さ(L)を隔てた基準位置(P)よりも前記
    供給孔側で前記他端が連通する複数本の近接ゲートと、 前記基準位置Pよりも前記供給孔とは反対側で前記他端
    が連通する複数本の遠方ゲートとを含み、 しかも前記各遠方ゲートの射出方向と直角な横断面積を
    平均した遠方ゲート平均横断面(Sb)を、前記各近接
    ゲートの射出方向と直角な横断面積を平均した近接ゲー
    ト平均横断面積(Sa)よりも大としたことを特徴とす
    るゴルフボール射出成形用金型。
  2. 【請求項2】前記ゲートは、前記供給孔に最も近いゲー
    トから順番にその横断面積をSg1、Sg2 、…、Sg
    n (nは4以上の自然数で、Sgn は供給孔から最も遠
    いゲートの横断面積である。)とするとき、下記式
    (1)及び式(2)を満たすことを特徴とする請求項1
    記載のゴルフボール射出成形用金型。 (1) Sg1 <Sgn (2) Sg1 ≦Sg2 ≦…≦Sgn-1 ≦Sgn
  3. 【請求項3】前記遠方ゲート平均横断面(Sb)は、前
    記近接ゲート平均横断面積(Sa)の1.0倍よりも大
    かつ2.1倍よりも小であることを特徴とする請求項1
    又は2記載のゴルフボール射出成形用金型。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか1記載のゴルフ
    ボール射出成形用金型を用いた成形工程を含むゴルフボ
    ールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009213712A (ja) * 2008-03-11 2009-09-24 Bridgestone Sports Co Ltd 球技用ボールの製造方法及び球技用ボール
CN103934970A (zh) * 2014-05-08 2014-07-23 昆山腾宇鑫金属制品有限公司 导向盖模具
CN110508780A (zh) * 2019-08-29 2019-11-29 宜兴高泰克精密机械有限公司 一种用于空调压缩机的气缸壳体生产用模具

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