JP3000404U - 中通し釣竿 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 釣糸案内を円滑に行えると共に、手入れが容
易であり、ガイド部の保護を図ることのできる中通し釣
竿を提供する。 【構成】 竿管１０の一側に釣糸１６を竿管の外部から
内部に導入する前後に長い長孔部１０Ａを形成し、硬質
で耐摩耗性のある材料で長孔１２Ａを形成した釣糸ガイ
ド１２を前記長孔部に固定し、該釣糸ガイドの上方部を
開放形成し、両側に前記釣糸ガイドの上面１２Ｕよりも
高くなるよう形成した側壁１４Ａを有する保護体１４を
該側壁が前記釣糸ガイド１２の両側に位置するよう固定
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は中通し釣竿に関する。

【０００２】

【従来の技術】

釣糸を外部から内部に導入する釣糸導入部の構造の一例として、特開平４−２ ４８９４５号公報に開示の構造、即ち枠体に管状の釣糸通路（管状ガイド）を設 け、この管状ガイドが竿管に傾斜状になるように枠体を竿管に固定した構造が開 示されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記構造では、釣糸をスムーズに案内できるものの、管状ガイドを使用してい るため、釣糸導入部のメインテナンス時に水洗い等の手入れが非常に困難である という問題がある。更には、こうした釣糸導入部は一般に竿管から外部に突出し ており、このため釣り場において、また釣り道具を運搬中において岩や構造物に 当て、釣糸を導入するガイド部を損傷させる虞がある。

【０００４】 依って本考案は、釣糸案内を円滑に行えると共に、手入れが容易であり、ガイ ド部の保護を図ることのできる中通し釣竿の提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的に鑑みて本考案は、竿管の一側に釣糸を竿管の外部から内部に導入す る前後に長い長孔部を形成し、硬質で耐摩耗性のある材料で長孔を形成した釣糸 ガイドを前記長孔部に固定し、該釣糸ガイドの上方部を開放形成し、両側に前記 釣糸ガイドの上面よりも高くなるよう形成した側壁を有する保護体を該側壁が前 記釣糸ガイドの両側に位置するよう固定したことを特徴とする中通し釣竿を提供 する。

【０００６】 また、前記釣糸ガイドがフランジ部を有し、前記保護体が該フランジ部を上か ら押さえた中通し釣竿を提供する。 更には前記釣糸ガイドの形状を前記竿管の内部の見えるように幅広であって、 該幅よりも長さの長い長孔に形成した中通し釣竿を提供する。 また、前記保護体の上であって、前記釣糸ガイドの後方位置にその位置におけ る竿管内径程度の高さ位置に孔芯を有し、竿管の長手方向か又は前方に向って下 がるように傾斜し、硬質で耐摩耗性のある材料で形成した第２の釣糸ガイドを具 備した中通し釣竿を提供する。 また、前記保護体が着脱自在になるよう前記竿管に対して固定した中通し釣竿 を提供する。

【０００７】

【作用】

上記第１の考案では、ガイド部は長孔であり、しかも硬質で耐摩耗性のある材 料で長孔を形成した釣糸ガイドをその長孔に固定しているため、釣糸の案内が円 滑であり、釣糸ガイドの上方部が開放されているため手入れが容易であり、しか も釣糸ガイドの上面よりも高い側壁を両側に有した保護体を固定しているため、 釣糸ガイドが岩場等に直接当ることが防止でき、保護される。 第２の考案では釣糸ガイドは竿管の長孔部に固定されており、更に保護体が釣 糸ガイドのフランジ部を上から押さえているため、釣糸が繰出し方向に強く引か れても、また巻取られても、何れの方向に作用する強い力に対しても耐久性を有 しており、釣糸ガイドが竿管から外れるような不具合が防止できる。 第３の考案では、釣糸ガイドは内部が見えるような幅広形状であって前後に長 い長孔であるため、手入れが更に容易になると共に、糸通しも容易になる。 第４の考案では、釣糸ガイドの後方の高い位置に第２釣糸ガイドが設けられて いるため、釣糸が釣糸ガイドに導入される手前の摩擦の大きな竿管表面に接触す ることを防止できるため、釣糸抵抗を低減できて円滑な釣糸案内ができる。 第５の考案では、必要に応じて保護体を取り外しできるため、更に手入れが容 易となる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案を添付図面に示す実施例に基づき、更に詳細に説明する。 図１は本考案に係る第１実施例の平面視を示し、図２は矢視線Ｂ−Ｂによる横 断面図、図３は縦断面図である。繊維で強化され、合成樹脂をマトリックスとす るプリプレグ等によって成形された竿管１０には、長手方向に長い長孔１０Ａを 形成し、この長孔１０Ａには硬質で耐摩耗性のあるセラミックスによって形成さ れた釣糸ガイド１２が接着固定されている。

【０００９】 この釣糸ガイド１２は、上記長孔１０Ａに対応した長孔１２Ａを有し、周囲に はフランジ部１２Ｆを形成しており、このフランジ部の下面を竿管１０に接着固 定していると共に、合成樹脂製等の保護体１４によってこのフランジ部１２Ｆを 上から押さえつけている。押さえつけは、前後端部１４Ｆ，１４Ｒを糸１８によ って竿管１０に巻回固定することによって行っている。内部に挿通した釣糸１６ が魚によって強い力で牽引される場合も、逆にリールに強く巻取られる場合も釣 糸ガイド１２には竿管１０から外される力が作用するが、その内側は竿管１０に 接着固定されており、外側は上記のように保護体１４によって竿管１０に押し付 けられているため釣糸ガイド１２は竿管１０から外れることが防止される。

【００１０】 この保護体１４は竿管１０の長手方向に沿って釣糸ガイド１２を挟んだ両側に 側壁１４Ａを立設形成しており、その高さは釣糸ガイド上面１２Ｕよりも高く形 成している。このため釣竿を釣り場の岩等に落としても、硬質のセラミックス製 釣糸ガイド１２が損傷することを防止できる。また、側壁１４Ａの外周形状は三 角形の角を丸めた形状に形成しており、釣りにおいて釣糸１６がこの側壁に絡む ことを防止している。

【００１１】 釣糸ガイド１２の上方部は開放されているため、釣糸ガイドの手入れが容易で あり、しかも釣糸ガイド１２の孔１２Ａは竿管１０の内部が見える程度の幅広で あって、かつ長孔形状であるため、釣竿の撓みや釣糸１６の振れ（振動）等があ っても竿管１０との接触を少なくして円滑に竿管内に釣糸を案内できる。また、 釣糸ガイド１２の下部面１２Ｓは竿管１０の内周面と略面一に形成されており、 中竿３０を収納することが容易なように構成されている。更には、竿管１０の内 部が見易いため、中竿３０の後端部が見易く、糸通しが容易になる。

【００１２】 図４と図５は本考案の第２実施例を示しており、竿管１０の外周には補強用の 筒部材１１を固定している。この竿管１０と筒部材１１には長孔１０Ａと１１Ａ とを整列して形成している。この両部材１０，１１の長孔１０Ａ，１１Ａに対し て、対応する長孔１２Ａを有したセラミックス製の釣糸ガイド１２を接着固定し ている。この釣糸ガイド１２は上部にフランジ部１２Ｆを有しており、このフラ ンジ部１２Ｆの下面を筒部材１１に接着固定していると共に、フランジ部の上面 から保護体１４によって押さえつけて強固に固定している。

【００１３】 固定は、保護体１４の前後の端部１４Ｆ，１４Ｒをねじ部材２２によって竿管 １０と筒部材１１に固定している。従って、第１実施例の場合と同様に釣糸ガイ ド１２は竿管等に対して強固に固定できると共に、ねじ部材２２を取り外すこと によって保護体１４を取り外し、釣糸導入部の手入れが容易になる。保護体１４ の後部には竿管１０の表面からの高さＨがこの位置の竿管内径よりもやや大きな 寸法である位置に孔芯２０Ｃを有し、セラミックスで形成された第２の釣糸ガイ ド２０が設けられている。この場合、孔芯２０Ｃは前方に向って下がるように傾 斜しており、後方のリール（図示せず）からの釣糸が竿管１０表面等に接触し難 く、釣糸抵抗を低減できる他、長孔１２Ａに釣糸を導入し易い。

【００１４】 また、保護体１４の両側には釣糸ガイド１２を挟むように側壁１４Ａが立設さ れており、その高さは釣糸ガイド１２の上面１２Ｕよりも高く形成されているた め、釣糸ガイド１２が釣り場の岩等に当って損傷することを防止できる。しかも 第２の釣糸ガイド２０から前方に行くに従って漸減し、第２釣糸ガイド２０の後 部は後方に行くに従って漸減するように形成されている。従って、釣り操作中に 釣糸がこの側壁部に引っ掛ることが防止できる。なお、釣糸ガイド１２の上方部 は開放されており、釣糸ガイドの手入れが容易であり、釣竿の撓みや釣糸の振れ （振動）等があっても竿管１０等との接触を少なくして円滑に竿管内に釣糸を案 内できる。

【００１５】 更には、釣糸ガイド１４はその下部面１２Ｓが竿管１０の内面とほぼ面一に形 成されており、中竿を収納することが容易なように構成されている。

【００１６】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように本考案によれば、釣糸案内を円滑に行えると共 に、手入れが容易であり、ガイド部の保護を図ることのできる中通し釣竿の提供 が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案に係る釣竿の平面図である。

【図２】図２は図１の矢視線Ｂ−Ｂによる横断面図であ
る。

【図３】図３は図１の釣竿の縦断面図である。

【図４】図４は本考案に係る２実施例釣竿の平面図であ
る。

【図５】図５は図４の釣竿の縦断面図である。

【符号の説明】

１０ 竿管 １２ 釣糸ガイド １２Ａ 長孔 １２Ｆ フランジ部 １４ 保護体 １４Ａ 側壁

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成６年３月１４日

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 竿管の一側に釣糸を竿管の外部から内部
   に導入する前後に長い長孔部を形成し、硬質で耐摩耗性
   のある材料で長孔を形成した釣糸ガイドを前記長孔部に
   固定し、該釣糸ガイドの上方部を開放形成し、両側に前
   記釣糸ガイドの上面よりも高くなるよう形成した側壁を
   有する保護体を該側壁が前記釣糸ガイドの両側に位置す
   るよう固定したことを特徴とする中通し釣竿。
2. 【請求項２】 前記釣糸ガイドがフランジ部を有し、前
   記保護体が該フランジ部を上から押さえてなる請求項１
   記載の中通し釣竿。
3. 【請求項３】 前記釣糸ガイドの形状を前記竿管の内部
   の見えるように幅広であって、該幅よりも長さの長い長
   孔に形成してなる請求項１又は２記載の中通し釣竿。
4. 【請求項４】 前記保護体の上であって、前記釣糸ガイ
   ドの後方位置にその位置における竿管内径程度の高さ位
   置に孔芯を有し、竿管の長手方向か又は前方に向って下
   がるように傾斜し、硬質で耐摩耗性のある材料で形成し
   た第２の釣糸ガイドを具備してなる請求項１から３まで
   のいずれか１項記載の中通し釣竿。
5. 【請求項５】 前記保護体が着脱自在になるよう前記竿
   管に対して固定してなる請求項１から４までのいずれか
   １項記載の中通し釣竿。