JP3000117B2 - 脂環式エポキシ樹脂及びそれらの製造方法並びにそれらを含有する紫外線、電子線硬化樹脂組成物 - Google Patents

脂環式エポキシ樹脂及びそれらの製造方法並びにそれらを含有する紫外線、電子線硬化樹脂組成物

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JP3000117B2
JP3000117B2 JP4141083A JP14108392A JP3000117B2 JP 3000117 B2 JP3000117 B2 JP 3000117B2 JP 4141083 A JP4141083 A JP 4141083A JP 14108392 A JP14108392 A JP 14108392A JP 3000117 B2 JP3000117 B2 JP 3000117B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷インキ、塗料、感
光性樹脂、接着剤などの分野で利用される紫外線及び電
子線照射によって硬化する樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、紫外線及び電子線硬化樹脂はラジ
カル重合系のアクリル酸エステルを主体としている。ラ
ジカル重合を利用した樹脂系は、硬化速度が速く、種類
が多く、硬化物物性も種々調製が可能である。しかし、
ラジカル重合系は被塗布物への接着不良、ラジカル重合
では必然的な酸素による重合禁止作用、毒性、臭気等、
問題点も少なくない。このようなラジカル重合の不利な
点を克服するカチオン重合系の樹脂がいくつか提供され
ているが、それらの数は限られ、ラジカル重合系のアク
リル酸エステルのようには樹脂粘度、硬化物物性などを
調節できないでいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、カチオン重合系
の樹脂である脂環式エポキシ樹脂で最も商業的に実績の
ある化10は、化11の反応式のように1,3-ブタジエンとア
クロレインをディールスアルダー反応させ、テトラヒド
ロベンズアルデヒドを製造し、これをティッシェンコ反
応によってジエンとし、過酢酸でエポキシ化することに
よって製造されている。
【化10】
【化11】 Rはメチル基。
【0004】アクリル酸とポリオールの縮合、グリシジ
ルエーテル類へのアクリル酸の付加、2−ヒドロキシエ
チルアクリレートとイソシアネートの反応などの多様な
反応から種々のアクリル酸エステルが製造されているの
に比べ、応用範囲の広い脂環式エポキシ樹脂の合成方法
が検討されておらず、所望の硬化物物性を得るための樹
脂組成物を検討する上で限界があった。本発明は、数多
くの樹脂粘度、硬化物物性を有する脂環式エポキシ樹脂
の、アクリル酸エステルと同様に容易な製造方法を得る
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】脂環式エポキシ樹脂は、
シクロヘキセン構造を有する化合物を有機過酸でエポキ
シ化することにより得ることができる。シクロヘキセン
構造を有する化合物は、本発明では次の四つの方法から
製造した。
【0006】(1)アクリル酸エステルと1,3-ブタジエ
ンのディールスアルダー反応(化12)又はアクリル酸エ
ステルとシクロペンタジエンのディールスアルダー反応
化13)よって得る。
【化12】
【化13】
【0007】これらの反応はよく知られている。得られ
るシクロオレフィンが低沸点の場合減圧蒸留によって精
製できるが、高沸点の場合は精製できず、原料のアクリ
ル酸エステル、1,3-ブタジエンやシクロペンタジエンの
多量体が含まれてしまうため、(2)以下の合成方法を
用いる。
【0008】(2)3-シクロヘキセン-1-カルボン酸と
ポリオールの 160〜210℃での縮合(化14)、又はエン
ドメチレンテトラヒドロ安息香酸とポリオールの160〜2
10℃での縮合(化15)によって、エステルを得る。ポリ
オールとしては、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,6-ヘキサンジオール、ポリエチレングリコー
ル、ポリカプロラクトンポリオール、グリセリン、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、末端に
水酸基を有するオリゴエステルなどを用いることができ
る。
【化14】
【化15】
【0009】このエステル合成に際しては、カルボン酸
成分をやや過剰にして、水との共沸溶媒を加えて反応を
行い、反応後炭酸ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液
で洗浄することによって未反応のカルボン酸を除く。ア
クリル酸エステル合成においては酸触媒で80℃程度で加
熱する方法がとられているが、シクロオレフィンが酸触
媒によってカチオン重合しやすいので、窒素等の不活性
気体雰囲気下で、縮合に伴って生じる水をキシレンなど
の共沸溶媒と共に留出させる方法が適切である。3-シク
ロヘキセン-1-カルボン酸が、 1,3-ブタジエンとアクリ
ル酸のディールスアルダー反応(化16)から、エンドメ
チレンテトラヒドロ安息香酸が、シクロペンタジエンと
アクリル酸のディールスアルダー反応(化17)から
(1)の方法と同じ条件でそれぞれ収率良く製造できる
ことは知られている。
【化16】
【化17】
【0010】(3)オキシラン化合物への、 3-シクロ
ヘキセン-1-カルボン酸の付加(化18)、又はエンドメ
チレンテトラヒドロ安息香酸の付加(化19)によって得
る。オキシラン化合物としては、一般的なエポキシ樹脂
であるビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エ
ポキシ樹脂、脂肪族グリシジルエーテル類などのグリシ
ジルエーテル類や、エチレンオキシド、プロピレンオキ
シドなどのアルキレンオキシド類を用いることができ
る。合成方法は、 3-シクロヘキセン-1-カルボン酸又は
エンドメチレンテトラヒドロ安息香酸とグリシジルエー
テル類やアルキレンオキシド類を無溶媒で又は溶媒、例
えばトルエンに溶解させ、エステル化触媒として三級ア
ミン、四級アンモニウム塩、例えばトリエチルベンジル
アンモニウムクロリドを加え、100〜120℃に加熱するこ
とによってエステルとする。
【化18】
【化19】
【0011】この場合も、カルボン酸成分をやや過剰に
して、反応後アルカリ水溶液で洗浄することにより未反
応のカルボン酸を除く。オキシラン環が1個の化合物で
低沸点の場合は、オキシラン化合物を過剰に用いてもよ
い。 3-シクロヘキセン-1-カルボン酸及びエンドメチレ
ンテトラヒドロ安息香酸は、(2)で述べたように合成
できる。
【0012】(4)二価以上のアルコールと、無水(メ
チル)テトラヒドロフタル酸又は無水(メチル)エンド
メチレンテトラヒドロフタル酸を、160-210 ℃に加熱し
て重縮合を行い、オリゴエステルとする。ジオールを用
いた場合の反応式をそれぞれ化20化21に示す。二価以
上のアルコールとしては、エチレングリコール、1,6-ヘ
キサンジオール、グリセリン、トリメチールプロパ
ン、ペンタエリスリトールなどがあげられる。この方法
は、アルコール成分の種類、アルコール成分と酸成分の
モル比、反応時間を変えることによって、様々な重合度
と粘度のものが得られる。
【化20】
【化21】
【0013】これらは前述のポリオールとカルボン酸の
反応と同様の方法で重縮合を行うが、得られたオリゴエ
ステルはそのまま次工程のエポキシ化反応を行う。
【0014】シクロオレフィンのエポキシ化は、シクロ
オレフィンと生成物の脂環式エポキシ樹脂を溶解し得
る、有機過酸による酸化に不活性な溶媒に、シクロオレ
フィンを溶解させ、有機過酸、好ましくは経済的な面か
ら過酢酸を、等モル〜2倍モル、50℃以下の温度で滴下
することにより行う。この際、pHが5を下回るとエポ
キシ環が開環するため、アルカリ水溶液を滴下すること
によりpHが下がりすぎないようにするか、またはあら
かじめpHを調整した過酢酸を用いることが必要であ
る。3〜7時間46〜50℃に保温後、未反応の過酢酸を亜
硫酸水素ナトリウムなどの還元剤で分解後、有機層を炭
酸ナトリウム水溶液等の弱アルカリ水溶液で洗浄し、さ
らに水で洗浄する。得られる脂環式エポキシ樹脂がこれ
らの処理条件でゲル化する等不安定な場合は、水のみで
洗浄することによっても未反応の過酢酸を除くことがで
きる。脱水後、溶媒を減圧留去することにより、本発明
の脂環式エポキシ樹脂を得る。この反応条件で、シクロ
オレフィンのエポキシ化は65〜90%進行する。低沸点の
脂環式エポキシ樹脂は蒸留により精製できるが、高沸点
の場合は精製できない。しかし、紫外線・電子線硬化組
成物の樹脂成分としては、反応混合物でも十分有用であ
る。
【0015】本発明の紫外線及び電子線硬化組成物とし
ては、前述の脂環式エポキシ樹脂単独又は混合物に、光
カチオン重合開始剤として、UVI-6970(ユニオンカーバ
イド社製)、イルガキュア 261(チバガイギー社製)な
どを2〜10 %添加する。さらにグリシジルエーテル型の
エポキシ樹脂、ポリオール、ビニルエーテル、界面活性
剤、着色剤を加えて、所望の物性を有する硬化皮膜を得
る。
【0016】
【作用】本発明の製造方法により種々の構造の脂環式エ
ポキシ樹脂が得られ、特にアルコール成分やオキシラン
化合物の種類を変化させることによって種々の粘度の樹
脂が得られる。本発明の脂環式エポキシ樹脂は、紫外線
及び電子線照射により空気中常温で硬化する。従来提供
されていた脂環式エポキシ樹脂すなわち化10化22
23に加えて、樹脂粘度、硬化皮膜の可とう性、強度、接
着性などは種々調節が可能となった。
【化22】
【化23】
【0017】
【実施例1】3-シクロヘキセン-1-カルボン酸25.0gとト
リメチロールプロパン 8.44gにキシレン約25mlを加え、
窒素雰囲気下で200〜210℃に加熱し、縮合水をキシレン
とともに留出させた。留出してきたキシレンは、水を除
去後反応混合物に戻すようにした(以下の合成例でも同
じ)。5時間後残ったキシレンを留出後常温に冷却し、
ベンゼン50mlを加え、炭酸ナトリウム水溶液で2回洗浄
した。ベンゼン溶液を46〜50℃に加熱し、水酸化ナトリ
ウム20%水溶液を滴下してpHを5以上に保持しなが
ら、過酢酸34%水溶液63gを滴下した。滴下時間を含め
7時間46〜50 ℃に保温した後、亜硫酸水素ナトリウム
10gの水溶液を徐々に加え未反応の過酢酸を分解した。
炭酸ナトリウム水溶液、水の順で洗浄した。無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、ベンゼンを減圧留去した。JISに
定める方法で求めたエポキシ当量223g/eq(エポキシ化
率74%)、粘度25P(30℃)の脂環式エポキシ樹脂26gが得
られた。
【0018】
【実施例2】TONE0301(ユニオンカーバイド社製ポリカ
プロラクトントリオール、水酸基当量100.2g/eq)18.9g
と3-シクロヘキセン-1-カルボン酸25.0gに、キシレン約
30mlを加え窒素雰囲気下で200〜210℃に加熱し、縮合水
をキシレンとともに留出させた。7時間後残ったキシレ
ンを留出させ、常温に冷却後ベンゼン約50mlを加え、炭
酸ナトリウム水溶液で2回洗浄した。ベンゼン溶液を46
〜50℃に加熱し、水酸化ナトリウム20%水溶液を滴下し
てpHを5以上に保持しながら、過酢酸43%水溶液 38g
を滴下した。滴下時間を含め7時間46〜50℃に保温した
後、亜硫酸水素ナトリウム 10gの水溶液を徐々に加え未
反応の過酢酸を分解した。炭酸ナトリウム水溶液、硫酸
ナトリウム水溶液の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥後、ベンゼンを減圧留去した。JISに定める方法
で求めたエポキシ当量 263g/eq(エポキシ化率84%)、
粘度17P(30℃)の脂環式エポキシ樹脂 34gが得られ
た。
【0019】
【実施例3】エピコート828(油化シェルエポキシ社
製)36.5gに3-シクロヘキセン-1-カルボン酸 25.0g、ト
ルエン50ml 、トリエチルベンジルアンモニウムクロリ
ド1gを加え、窒素雰囲気下、110〜120 ℃で7時間加熱
還流した。反応混合物を常温に冷却し、炭酸ナトリウム
水溶液で2回、水で1回洗浄した。無水硫酸ナトリウム
で乾燥後トルエンを減圧留去した。生成物を1,2-ジクロ
ロエタン60mlに溶解させ、46〜50℃に加熱し、水酸化ナ
トリウム20%水溶液を滴下してpHを5以上に保持しな
がら、過酢酸34%水溶液 70gを滴下した。滴下時間を含
め7時間46〜50℃に保温した後、亜硫酸水素ナトリウム
11gの水溶液を徐々に加え未反応の過酢酸を分解した。
炭酸ナトリウム水溶液、水の順で洗浄した。無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、1,2-ジクロロエタンを減圧留去し
た。JISに定める方法で求めたエポキシ当量 401g/eq
(エポキシ化率77%)、粘度2300P(30℃)の脂環式エポ
キシ樹脂53gが得られた。
【0020】
【実施例4】エピコート154(油化シェルエポキシ社
製)33.2gに3-シクロヘキセン-1-カルボン酸25.0g、ト
ルエン60ml、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド
1gを加え、窒素雰囲気下、110〜120 ℃で7時間加熱還
流した。反応混合物を常温に冷却し、炭酸ナトリウム水
溶液で2回、水で1回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで
乾燥後トルエンを減圧留去した。生成物を1,2-ジクロロ
エタン60mlに溶解させ、46〜50℃に加熱し、過酢酸38%
水溶液50gを水酸化ナトリウム20%水溶液で pH5に調
整した過酢酸水溶液を、約1時間で滴下した。さらに4
時間46〜50℃に保温した後、亜硫酸水素ナトリウム 10g
の水溶液を徐々に加え未反応の過酢酸を分解した。ジク
ロロメタン 130mlを加え、炭酸ナトリウム水溶液、水の
順で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、1,2-ジク
ロロエタン、ジクロロメタンを減圧留去した。JISに
定める方法で求めたエポキシ当量 410g/eq(エポキシ化
率77%)、粘度2200P(30℃)の脂環式エポキシ樹脂55g
が得られた。
【0021】
【実施例5】ジシクロペンタジエン110gを160〜200℃で
分解させ、留出してきたシクロペンタジエンを、0〜10
℃に冷却した2-ヒドロキシエチルアクリレート135gに滴
下した。反応混合物から 4mmHgの減圧下で、142〜145℃
で蒸留してくるエンドメチレンテトラヒドロ安息香酸2-
ヒドロキシエチル180gを集めた。このエステル122gをベ
ンゼン 100mlに溶解させ、46〜50 ℃に加熱し、水酸化
ナトリウム20%水溶液を滴下してpHを5以上に保持し
ながら、過酢酸43%水溶液177gを滴下した。滴下時間を
含め7時間46〜50℃に保温した後、常温に冷却し、排水
がヨウ化カリウム水溶液で着色しなくなるまで水で洗浄
した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ベンゼンを減圧留
去した。NMRスペクトルから求めたエポキシ化率85
%、粘度0.98P(30℃)の脂環式エポキシ樹脂45gが得ら
れた。
【0022】
【実施例6】ジシクロペンタジエン500gを160〜200℃で
分解させ、留出してきたシクロペンタジエンを、0〜10
℃に冷却したアクリル酸358gに滴下した。反応混合物69
0gから 20mmHgの減圧下で、120℃で蒸留してくるエンド
メチレンテトラヒドロ安息香酸550gを集めた。このカル
ボン酸38.7gと1,6-ヘキサンジオール16.6gにキシレン約
25mlを加え、窒素雰囲気下で 200〜210 ℃に加熱し、縮
合水をキシレンとともに留出させた。7時間後残ったキ
シレンを留出させ、常温に冷却後ベンゼン50mlを加え、
炭酸ナトリウム水溶液で2回洗浄した。ベンゼン溶液を
46〜50℃に加熱し、水酸化ナトリウム20%水溶液を滴下
してpHを5以上に保持しながら、過酢酸34%水溶液 9
4gを滴下した。滴下時間を含め7時間46〜50℃に保温し
た後、常温に冷却し、排水がヨウ化カリウム水溶液で着
色しなくなるまで水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで
乾燥後、ベンゼンを減圧留去した。NMRスペクトルか
ら求めたエポキシ化率89%、粘度3.3P(30 ℃)の脂環式
エポキシ樹脂45gが得られた。
【0023】
【実施例7】実施例5に示したエンドメチレンテトラヒ
ドロ安息香酸 25.0g、エピコート828(油化シェルエポ
キシ社製)35.1g、テトラエチルベンジルアンモニウム
クロリド1gをトルエン 50mlに溶解させ窒素雰囲気下11
0〜120℃で加熱還流した。7時間後常温に冷却し、炭酸
ナトリウム水溶液で2回、水で1回洗浄した。無水硫酸
ナトリウムで乾燥後、トルエンを減圧留去した。生成物
を1,2-ジクロロエタン50mlに溶解させ、46〜50℃に加熱
し、水酸化ナトリウム20%水溶液を滴下してpHを5以
上に保持しながら、過酢酸 34%水溶液64gを滴下した。
滴下時間を含め7時間46〜50℃に保温した後、常温に冷
却し、排水がヨウ化カリウム水溶液で着色しなくなるま
で水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、1,2-ジ
クロロエタンを減圧留去した。NMRスペクトルから求
めたエポキシ化率86%、粘度2900P(30 ℃)の脂環式エ
ポキシ樹脂51gが得られた。
【0024】
【実施例8】実施例5に示したエンドメチレンテトラヒ
ドロ安息香酸 48gにプロピレンオキシド60gとトリエチ
ルベンジルアンモニウムクロリド2gを加え、5℃以下
の水を流した冷却器を装備し、110〜120℃で7時間還流
した。生成物からプロピレンオキシドを減圧留去し、炭
酸ナトリウム水溶液、水の順に洗浄した。生成物をベン
ゼン50mlに溶解し、46〜50℃に加熱し、水酸化ナトリウ
ム20%水溶液を滴下してpHを5以上に保持しながら、
過酢酸 43%水溶液90gを滴下した。滴下時間を含め7時
間46〜50℃に保温した後、常温に冷却し、排水がヨウ化
カリウム水溶液で着色しなくなるまで水で洗浄した。無
水硫酸ナトリウムで乾燥後、ベンゼンを減圧留去した。
NMRスペクトルから求めたエポキシ化率80%、粘度1.
6P(30℃)の脂環式エポキシ樹脂50gが得られた。
【0025】
【実施例9】無水テトラヒドロフタル酸21.8gと1,6-ヘ
キサンジオール18.8gにキシレン約25mlを加え、窒素雰
囲気下で200〜210℃に加熱し、生成する水をキシレンと
ともに留去した。7時間後残ったキシレンを留出させ、
常温に冷却後、ベンゼン40mlを加え、46〜50℃に加熱
し、水酸化ナトリウム20%水溶液を滴下してpHを5以
上に保持しながら、過酢酸43%水溶液38gを滴下した。
滴下時間を含め7時間46〜50 ℃に保温した後、亜硫酸
水素ナトリウム8gの水溶液を徐々に加え未反応の過酢酸
を分解した。炭酸ナトリウム水溶液、硫酸ナトリウム水
溶液の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ベン
ゼンを減圧留去した。JISに定める方法で求めたエポ
キシ当量395g/eq(エポキシ化率70%)、粘度400P(30
℃)の脂環式エポキシ樹脂36gが得られた。
【0026】
【実施例10】実施例1、実施例7、実施例9で得られ
た脂環式エポキシ樹脂 100部に対して紫外線カチオン重
合開始剤UVI-6970(ユニオンカーバイド社)4部(溶剤
を50%含む)の割合で混合し、50μmの厚さでガラス板
に塗布した。それぞれ130、65、200mJ/cm以下の紫外
線照射量で表面はべとつかない状態(いわゆるタックフ
リー)となった。一方、化1の脂環式エポキシ樹脂 100
部にUVI-69704部(溶剤を50%含む)を加え、50μmの
厚さでガラス板に塗布した。 130mJ/cmの紫外線照射
量で表面はタックフリーとなった。すなわち、本発明の
脂環式エポキシ樹脂は、既に実績のある脂環式エポキシ
樹脂と同程度の硬化性を有する。
【0027】
【発明の効果】本発明は次の特徴を有する。アルコール
成分及びオキシラン化合物を選択することにより脂環式
エポキシ樹脂の粘度、硬化物物性を種々調節できる。ま
た、得られた脂環式エポキシ樹脂は、光カチオン重合開
始剤を含有すると、紫外線照射により、常温、空気中で
速い速度で硬化する。したがって、本発明の脂環式エポ
キシ樹脂は、ラジカル重合系樹脂のアクリル酸エステル
に替わり得る紫外線及び電子線カチオン重合系樹脂とし
て工業的価値の高いものである。

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式化1で表される2個以上、6個以
    下の脂環式エポキシ環を有する脂環式エポキシ樹脂。 【化1】 Rは二価以上、六価以下の多価アルコールの骨格部分、
    mは〜6の整数、nは0〜の整数。
  2. 【請求項2】 1,3-ブタジエンとアクリル酸エステルを
    ディールスアルダー反応させ、有機過酸によりエポキシ
    化して得ることを特徴とする請求項1記載の脂環式エポ
    キシ樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 1,3-ブタジエンとアクリル酸からディー
    ルスアルダー反応によって得られる 3-シクロヘキセン-
    1-カルボン酸とポリオールを160〜210℃に加熱して縮合
    させ、有機過酸によりエポキシ化して得ることを特徴と
    する請求項1記載の脂環式エポキシ樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式化2で表される脂環式エポキシ樹
    脂。 【化2】 Rはn個のオキシラン環を有する有機化合物残基、nは
    1〜6の整数。
  5. 【請求項5】 1,3-ブタジエンとアクリル酸からディー
    ルスアルダー反応によって得られる 3-シクロヘキセン-
    1-カルボン酸をオキシラン化合物に付加させ、有機過酸
    によりエポキシ化して得ることを特徴とする請求項4記
    載の脂環式エポキシ樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式化3で表される2個以上、6個以
    下の脂環式エポキシ環を有する脂環式エポキシ樹脂。 【化3】 Rは二価以上、六価以下の多価アルコールの骨格部分、
    mは〜6の整数、nは0〜の整数。
  7. 【請求項7】 シクロペンタジエンとアクリル酸エステ
    ルをディールスアルダー反応させ、有機過酸によりエポ
    キシ化して得ることを特徴とする請求項6記載の脂環式
    エポキシ樹脂の製造方法。
  8. 【請求項8】 シクロペンタジエンとアクリル酸からデ
    ィールスアルダー反応によって得られる化4で示される
    エンドメチレンテトラヒドロ安息香酸とポリオールを16
    0〜210℃に加熱して縮合させ、有機過酸によりエポキシ
    化して得ることを特徴とする請求項6記載の脂環式エポ
    キシ樹脂の製造方法。 【化4】
  9. 【請求項9】 一般式化5で表される脂環式エポキシ樹
    脂。 【化5】 Rはn個のオキシラン環を有する有機化合物残基、nは
    1〜6の整数。
  10. 【請求項10】 シクロペンタジエンとアクリル酸から
    ディールスアルダー反応によって得られる化4で示され
    るエンドメチレンテトラヒドロ安息香酸をオキシラン化
    合物に付加させ、有機過酸によりエポキシ化して得るこ
    とを特徴とする請求項9記載の脂環式エポキシ樹脂の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 一般式化6で表される脂環式エポキシ
    樹脂。 【化6】 R’は水素原子又はメチル基、Rは多価アルコールの水
    酸基を除く部分、nは1以上の整数
  12. 【請求項12】 化7で示される無水テトラヒドロフタ
    ル酸(式中R’が水素原子)又は無水メチルテトラヒド
    ロフタル酸(式中R’がメチル基)と二価以上のアルコ
    ールを160〜210℃に加熱縮合して、有機過酸によりエポ
    キシ化して得ることを特徴とする請求項11記載の脂環
    式エポキシ樹脂の製造方法。 【化7】
  13. 【請求項13】 一般式化8で表される脂環式エポキシ
    樹脂。 【化8】 R’は水素原子又はメチル基、Rは多価アルコールの水
    酸基を除く部分、nは1以上の整数
  14. 【請求項14】 化9で示される無水エンドメチレンテ
    トラヒドロフタル酸(式中R’が水素原子)又は無水メ
    チルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸(式中R’が
    メチル基)と二価以上のアルコールを160〜210℃に加熱
    して縮合させ、有機過酸によりエポキシ化して得ること
    を特徴とする請求項13記載の脂環式エポキシ樹脂の製
    造方法。 【化9】
  15. 【請求項15】 請求項1、請求項4、請求項6、請求
    項9、請求項11、請求項13のいずれかに記載の脂環
    式エポキシ樹脂に光カチオン重合開始剤を加え、所望に
    より、グリシジルエーテル型のエポキシ樹脂、ポリオー
    ル、ビニルエーテル化合物、界面活性剤、着色剤を加え
    た紫外線及び電子線照射により硬化しうる樹脂組成物。
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