JP2999893B2 - 吸収式冷凍機の連動運転制御方法 - Google Patents

吸収式冷凍機の連動運転制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱吸収剤を蒸発可能
な冷媒に混合した吸収液を用いて、所要の熱交換動作を
行う吸収冷凍機・吸収冷温水機などの吸収式冷凍機を複
数台連動して運転する場合の制御方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種の装置として、例えば、吸収剤を
臭化リチウム、冷媒を水として混合した臭化リチウム水
溶液などの吸収液を用いたる吸収式冷凍機が周知であ
り、例えば、図4の吸収冷温水機100のように構成し
たものがある。
【0003】図4において、太い実線部分は冷媒液・吸
収液・冷却用水などの液体管路、二重線部分は冷媒蒸気
の蒸気管路であり、まず、吸収液の循環系を、吸収器1
の底部に溜っている低濃度の吸収液、つまり、稀液2a
を起点として説明する。
【0004】稀液2aは、ポンプP1により、管路3を
経て、高温再生器5に入る。高温再生器5は、下方から
バーナーなどの加熱器6で加熱しているので、稀液2a
の中に含まれている冷媒が蒸発して、高温になった中濃
度の吸収液、つまり、中間液2bと、冷媒蒸気7aとに
分離する。
【0005】高温の中間液2bは、管路8を経て、高温
側の熱交換器9に入る。熱交換器9で、高温の中間液2
bは、管路3を通る稀液2aに熱を与えて放熱し、温度
が低下した後、管路10を経て、低温再生器11に入
る。
【0006】低温再生器11では、管路21を経て、中
間液2bを加熱する低温再生器11内の放熱管11Aに
冷媒蒸気7aを送り込んで加熱しているので、中間液2
bの中に含まれている冷媒が蒸発して、高温になった高
濃度の吸収液、つまり、濃液2cと、冷媒蒸気7bとに
分離する。
【0007】高温の濃液2cは、管路12を経て、低温
側の熱交換器13に入る。熱交換器13で、高温の濃液
2cは、管路3を通る稀液2aに熱を与えて放熱し、中
温になった後、管路14を経て、吸収器1内の散布器1
Aに入り、散布器1Aの多数の穴から散布する。
【0008】散布した濃液2cは、吸収器1内の冷却管
1Bを流通する冷却用水32aによって冷却する。濃液
2cは、冷却管1Bの外側を流下する際に、隣接する蒸
発器26から入ってくる冷媒蒸気7cを吸収して稀薄化
し、低温の稀液2aに戻り、吸収液の一巡が終えるとい
う吸収液循環を繰り返すものである。
【0009】次に、冷媒の循環系を、吸収器1に入った
冷媒蒸気7Cを起点にして説明する。冷媒蒸気7cは、
上記の吸収液循環系で説明したように、吸収器1内の散
布器1Aから分散した濃液2cに吸収されて、稀液2a
の中に入り、高温再生器5で冷媒蒸気7aになる。
【0010】冷媒蒸気7aは、管路21を経て、低温再
生器11の放熱管11Aに入り、中間液2bに熱を与え
て放熱し、凝縮して冷媒液24aになった後、管路22
を経て、凝縮器25の底部に入る。
【0011】凝縮器23は、隣接する低温再生器11と
の間の多数の通路11Bを経て入ってくる冷媒蒸気7b
を、凝縮器23内の冷却管23Aを通る冷却用水32a
で冷却し、冷媒蒸気7bを凝縮して低温の冷媒液24a
にする。冷媒液24aは、管路25を経て、蒸発器26
に入り、蒸発器26の低部に溜まって冷媒液24bにな
る。
【0012】ポンプP2は、冷媒液24bを、管路28
を経て、散布器26Aに送り、散布器26Aの多数の穴
から散布することを繰り返す。散布した冷媒液24b
は、蒸発器26内の熱交管26Bを通る被熱操作流体、
つまり、冷/温戻水35aを冷却する。この冷却の際
に、冷媒液24bは、冷/温戻水35aから熱を吸収し
て蒸発し、冷媒蒸気7cになった後、隣接する吸収器1
との間の多数の通路26Cを経て、吸収器1に戻り、冷
媒の一巡が終えるという冷媒循環を繰り返すものであ
る。
【0013】以上のように、高温再生器5と低温再生器
11との二重の再生動作によって、吸収液と冷媒、つま
り、熱操作流体を循環しながら蒸発器26内の熱交管2
6B、つまり、熱交換用配管によって、管路36から与
えられる被熱操作流体、つまり、冷/温戻水35aを冷
却し、管路37から冷水35bを室内冷房機器などの冷
却対象機器(図示せず)に冷却用被熱操作流体として与
える運転を、二重効用の冷却運転と言い、主として、冷
房用に用いているため、冷房運転とも言っている。
【0014】これに対して、高温再生器5で蒸発した冷
媒蒸気7aと高温熱交換器9に入れるべき高温の中間液
2bを、側路して蒸発器26に与える管路41・42に
設けた開閉弁V1・V2を開いて、直接、蒸発器26と
吸収器1に戻すとともに、散布器26Aより散布すべき
冷媒液24bを、管路28と管路4との間を側路する管
路43に設けた開閉弁V2を開いて冷媒液24bを吸収
液2aに混入するようにし、低温再生器11を用いず
に、高温再生器5のみの運転によって、吸収液循環と冷
媒循環とを行いながら蒸発器26内の熱交管26B、つ
まり、熱交換用配管によって、管路36から与えられる
被熱操作流体、つまり、冷/温戻水35aを加温し、管
路37から温水35bを室内暖房機器などの加温対象機
器(図示せず)に加温用被熱操作流体として与える運転
を、加温運転(ボイラー運転)と言い、主として、暖房
用に用いているため、暖房運転とも言っている。また、
この暖房運転時には、吸収器1と凝縮器23との冷却は
不要なので、管路31からの冷却用水32aの送水を停
止している。
【0015】制御部50は、吸収冷温水機100におけ
る以上の動作を制御処理する制御部分であり、上記のよ
うに、開閉弁V1・V2・V3・V4を開閉とポンプP
1・P2の運転・停止とを制御することにより、冷却運
転と加温運転とに切換運転するとともに、各運転中にお
いて、冷却対象機器または加温対象機器に与える冷/温
水35bを所定の温度に維持するために、設定操作器
(図示せず)などから与える所要の各操作信号と、冷/
温戻水35aと冷/温水35bとの温度を検出する温度
検出器S1・S2、冷却用水32aと冷却戻水32bと
の温度を検出する温度検出器S3・S4などから与える
各検出信号とにもとづいて、加熱器6の加熱量を調節す
る加熱調整器6Aなどを制御することにより、定常の温
度制御運転を行うように構成してある。このため、各制
御対象となる機器部分は電動型のもので構成してある。
【0016】こうした吸収液2a・2b・2cを循環す
る構成の吸収冷温水機100では、上記の二重効用運転
を停止する際には、吸収液のうち濃液2dになっている
部分、つまり、管路12・熱交換器13・管路14の間
にある吸収液を高濃度の状態のままに放置すると吸収剤
の成分が結晶して析出してしまい、管路を閉塞して故障
を招くなどの支障を生ずるため、完全に停止する前に、
開閉弁V3を開いて冷媒液24bを稀液2aに混入しな
がら吸収液全体の濃度、特に、濃度2aの部分の濃度を
稀釈する稀釈運転を行った後に運転停止するようにして
おり、この種の稀釈運転を設けた吸収冷温水機100の
構成が、1990年7月本願出願人三洋電機株式会社発
行「吸収冷温水機・吸収式冷凍機Cシリーズカタログ’
90−7」・1989年2月オーム社発行「空気調和設
備の実務の知識」、または、特開昭57−202465
などにより開示されている。
【0017】また、冷/温水35bの出口からの被熱操
作流体を与える冷却対象または加温対象となる負荷が大
きい場合には、複数台の図4のような吸収冷温水機10
0A・100B・100C〜100nを、図5のよう
に、熱源機N0.1・N0.2・N0.3〜N0.nと
して設け、各熱源機の各冷/温戻水35aと各冷/温水
35bとの各管路を並列に接続して、冷却対象または加
温対象となる負荷装置200、または、負荷装置群に供
給するように接続するとともに、負荷状態に対応して、
各熱源機N0.1・N0.2・N0.3〜N0.nのう
ちの所要の台数のものを選択運転するように構成したも
のが周知である。
【0018】この選択運転は、図5のように、負荷装置
200における熱操作流体の状態を、例えば、冷/温水
出口側と冷/温水入口側とに設けた温度検出器S11・
S12などによる検出信号を負荷状態検出信号Xとし、
各熱源機N0.1・N0.2・N0.3〜N0.nにお
ける図4で説明した各検出信号を動作状態検出信号Yと
して制御部70に与えるとともに、所要の動作条件など
を設定操作部80から制御部70に与え、所要の制御処
理を行って得られる運転制御信号Zを各熱源機N0.1
・N0.2・N0.3〜N0.nの所定制御部分に与え
ることにより、負荷装置200の負荷状態に対応して、
例えば、図6のように、各熱源機N0.1・N0.2・
N0.3〜N0.nを選択的に運転する連動運転構成の
ものが周知である。
【0019】図6は、熱源機をN0.1・N0.2・N
0.3・N04の4台にした場合の制御状態例を示すも
のであり、図6において、運転指令台数は、負荷状態検
出信号Xにもとづいて、制御部70から運転制御信号Z
により動作状態にしている台数であって、各熱源機N
0.1・N0.2・N0.3・N04は太線部分の期間
だけ運転するとともに、各運転の終了時点において、ハ
ッチングを施した期間だけ上記の稀釈運転を付加的に行
っている。
【0020】図6において、連動運転による運転台数
は、負荷に対応して、運転指令台数の欄のように、0台
→2台→4台→3台→4台→3台→4台→3台→2台→
0台という台数の選択制御を行っており、運転停止台数
の選択は、熱源機の番号順に行っている。
【0021】そして、一般に、稀釈運転中の熱源機は、
一旦、稀釈運転を完了して停止した後でなければ、運転
開始しないようにして、連動運転を制御しており、ま
た、熱源機の運転停止を行う場合には、各熱源機は稀釈
運転のための稀釈時間T2を付加して稀釈運転を行った
後、当該熱源機の運転動作全体を停止している。
【0022】したがって、運転開始時には、この稀釈運
転により吸収液の濃度、例えば、図4の吸収器1内に与
える濃液2dの濃度が所定の濃度に達して定常のヒート
ポンプ作用を行うまでの準備運転のための時間、つま
り、運転立上時間T3を必要としている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】上記のような吸収冷温
水機100において、加熱エネルギーの節減は最大の関
心事であり、何らかの面で少しでも加熱エネルギーの浪
費を節減し得る装置の提供が期待されている。
【0024】また、図5のように、複数の吸収式冷凍機
を熱源機として連動運転する構成のものでは、連動運転
に伴う加熱エネルギーの浪費部分を、簡便な構成により
節減し得る装置の提供が期待されているというという課
題がある。
【0025】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記のよう
な運転停止に際して吸収液の結晶析出などによる支障を
防止するために吸収液を稀釈する稀釈運転を行う必要が
ある吸収式冷凍機を熱源機として、複数台の熱源機を連
動動作するとともに、冷却または加温する負荷に対応し
て、この複数台のうちの所要のものを選択停止して運転
するようにした連動運転の制御において、上記の稀釈を
行わずに停止しても上記の支障が生じない程度の時間長
を仮停止時間として設定しておき、上記の選択して運転
停止する熱源機を稀釈運転を行わずに、一旦、仮停止
し、仮停止した後、上記の仮停止時間が経過したときの
み、上記の仮停止した熱源機に稀釈運転を行わせて停止
するようにした第1の方法と、この第1の方法に加え
て、上記の選択して運転停止する熱源機が上記の複数台
の全台数であるときのみ、上記の仮停止を行わずに、全
台数の熱源機に稀釈運転を行わせて停止するようにした
第2の方法とを設けた構成を提供することにより、上記
の課題を解決し得るようにしたものである。
【0026】
【作用】稀釈運転を行って停止した場合は、次の運転を
開始する際には、運転立上時間T3の間は定常の冷水ま
たは温水の供給を行っていないので、この間に消費する
熱エネルギーは有効に作用していない。また、停止する
熱源機は必ず稀釈運転時間T2を設けて稀釈運転を行っ
ている。
【0027】このため、負荷装置200に供給している
冷水温度を各運転時点に対応して見ると、図6の冷水温
度のように変化しており、負荷装置200側からみた場
合、各熱源機で消費している運転立上時間T3と稀釈運
転時間T2の間の熱エネルギーは無効のものになってい
る。
【0028】一方、各熱源機は、仮に、稀釈運転を行わ
ずに当該熱源機の全体動作を停止したとしても、吸収液
の内の濃液2dが通る部分が放熱して、濃液2dが結晶
を析出するような温度に下がって故障原因になるような
支障が生ずる間でには、相当の放熱時間がかかるわけで
ある。
【0029】この発明では、この放熱時間に着目して、
この放熱時間よりも短い時間を、支障が生じない程度の
時間長、つまり、「仮停止時間」として設定することに
より、連動運転時に、選択して運転停止する熱源機を、
稀釈運転を行わずに、一旦、全体の運転動作を停止する
ように仮停止しておき、この仮停止している時間が上記
の「仮停止時間」を経過したときのみ、稀釈運転を行う
ようにしている。
【0030】このため、第1の方法では、前回の運転停
止と次回の運転開始との間の時間が短い運転部分では、
稀釈運転時間T2と運転立上時間T3とを行わずに運転
し得るので、これらの時間T2・T3に消費する熱エネ
ルギーを節約して省エネルギー運転を行い得るように作
用する。
【0031】また、第2の方法では、選択して運転停止
する熱源機が全台数停止であるときには、直ちに、全台
数の熱源機が稀釈運転を行って運転停止するため、仮停
止の間の放熱による熱損失を無くして稀釈運転を迅速に
行うことにより、この熱損失を無くした分までも、第1
の方法による熱エネルギーの節約に加えて節減した省エ
ネルギー運転を行い得るように作用する。
【0032】
【実施例】以下、実施例を図1〜図3により説明する。
これらの図において、図4〜図6の符号と同一符号で示
した部分は、図4〜図6によって説明したものと同一の
機能をもつ部分である。
【0033】図1の運転制御方法は、図4のような運転
停止に際して吸収液2dの結晶析出などによる支障を防
止するために吸収液2dを稀釈する稀釈運転、例えば、
時間T2の稀釈運転を行う必要がある吸収冷温水機10
0を熱源機として、複数台の熱源機、例えば、熱源機N
O.1〜NO.4を連動動作するとともに、冷却または
加温する負荷、例えば、負荷装置200の負荷に対応し
て、この複数台のうちの所要のものを選択停止して運転
するようにした連動運転の制御において、上記の稀釈を
行わずに停止しても上記の支障が生じない程度の時間長
を仮停止時間T1として設定しておき、上記の選択して
運転停止する熱源機、例えば、熱源機NO.1・NO.
2などを稀釈運転を行わずに、一旦、仮停止し、仮停止
した後、上記の仮停止時間T1が経過したときのみ、上
記の仮停止した熱源機に稀釈運転、つまり、時間T2の
稀釈運転を行わせて停止するようにした第1の方法と、
【0034】この第1の方法に加えて、上記の選択して
運転停止する熱源機が上記の複数台の全台数、つまり、
熱源機NO.1〜NO.4であるときのみ、上記の仮停
止を行わずに、全台数の熱源機、つまり、熱源機NO.
1〜NO.4に稀釈運転を行わせて停止するようにした
第2の方法とを混記したものであり、具体的には、図2
のような制御部70の構成によって、図3のような制御
処理フローによる制御を行うものである。
【0035】図2の制御部70は、図5の制御部70に
相当するもので、所要の制御処理をマイクロコンピュー
タによる処理制御器(この発明において、CPUとい
う)を主体にして行うように構成したものであり、各設
定信号Wと各検出信号X・Yとを、CPU70の入出力
ポート71から取り込んで、CPU70の作業メモリ7
3に一時的に記憶するとともに、処理メモリ72に記憶
した制御処理フローのプログラムと所定温度などの基準
値データと計時回路74で計時した仮停止時間T2・稀
釈運転時間T3などの時間値データによる演算処理にも
とづいて、所要の制御処理を行って得られる各制御信号
Zを入出力ポート71から出力するとともに、作業メモ
リ73に記憶している記憶データの内容から所要のもの
を表示部75に与えて表示するように構成してある。
【0036】そして、第2の方法の場合には、図3のよ
うな制御処理フローによる制御処理を行い、第1の方法
の場合には、図3の制御処理フローにおけるステップS
P2とステップSP31の部分を除いた制御処理フロー
よる処理を行うようになっている。
【0037】また、CPU70は、各熱源機NO.1〜
NO.4の個別の運転制御を行うCPUと共通のCP
U、または、別体のCPUのいずれを用いてもよいもの
であり、図3の制御処理フローは、各熱源機NO.1〜
NO.4の連動運転以外の定常の運転制御や各熱源機の
個別の定常の運転制御を行うための〔制御メインルーチ
ン〕に付属する〔運転増減サブルーチン〕として構成し
てある。
【0038】〔運転増減の制御処理フロー〕以下、図3
の制御処理フローを、図1の連動制御と関連付けて、具
体的に説明する。
【0039】まず、図3の制御処理フローについて説明
すると、 ◆ステップSP1では、〔制御メインルーチン〕におけ
る運転台数の制御処理、つまり、負荷装置200の負荷
状態検出信号Xに対応して算定した運転台数のデータ
を、台数データとして取り込んで、次のステップSP2
に移行する。
【0040】◆ステップSP2では、運転台数データが
0台、つまり、現在運転している運転台数に対して全台
数を停止する全台数停止になっているか否かを判別し、
全台数停止のときは、ステップSP31に移行し、全台
数停止でないときは、次のステップSP3に移行する。
【0041】◆ステップSP3では、ステップSP1で
取り込んだ運転台数データが、現在運転している台数に
対して、運転台数の台数低減を必要とする台数データに
なっている否かを判別し、台数低減を必要とするとき
は、次のステップSP4に移行し、台数低減の必要がな
いときは、ステップSP11に移行する。
【0042】◆ステップSP4では、現在運転中の熱源
機の中から、運転を仮停止、つまり、稀釈運転を行わず
に停止する熱源機を番号を選択指定して、〔制御メイン
ルーチン〕における当該熱源機の仮停止制御を行うステ
ップ部分に移行するとともに、計時回路74に、当該熱
源機に対する仮停止時間T1を計時するための計時回路
開始信号を与える。
【0043】◆ステップSP11では、ステップSP1
で取り込んだ運転台数データが、現在運転している台数
に対して運転台数の台数増加を必要とする台数データに
なっている否かを判別し、台数増加を必要とするとき
は、次のステップSP12に移行し、台数増加の必要が
ないときは、ステップSP21に移行する。
【0044】◆ステップSP12では、ステップSP4
によって仮停止状態になっている熱源機の台数などのデ
ータを仮停止データとして取り込んで、次のステップS
P13に移行する。
【0045】◆ステップSP13では、仮停止状態の熱
源機の中から、ステップSP11によって判別した台数
増加分に相当する台数の熱源機を、再度、運転状態にす
る指定を行って、次のステップSP14に移行する。
【0046】◆ステップSP14では、ステップSP1
3で、再度、運転状態にするように指定した運転台数
が、ステップSP11によって判別した台数増加分に対
して不足しているか否かを判別し、不足しているとき
は、次のステップSP15に移行し、不足台数がないと
きは、〔制御メインルーチン〕におけるステップ13で
指定した各熱源機を、再度、運転制御するステップ部分
に移行する。
【0047】◆ステップSP15では、後記のステップ
24によって稀釈運転している稀釈状態の熱源機の台数
などのデータを稀釈運転台数として取り込んで、次のス
テップSP16に移行する。
【0048】◆ステップSP16では、ステップSP1
4で不足していると判別した台数分を、稀釈運転状態の
熱源機の中から、再度、運転状態にする指定を行って、
次のステップSP14に移行する。
【0049】◆ステップSP17では、ステップSP1
3とステップSP15とで、再度、運転状態にするよう
に指定した運転台数が、ステップSP11によって判別
した台数増加分に対して不足しているか否かを判別し、
不足しているときは、次のステップSP18に移行し、
不足台数がないときは、〔制御メインルーチン〕におけ
るステップ13とステップ16とで指定した各熱源機
を、再度、運転制御するステップ部分に移行する。
【0050】◆ステップSP18では、ステップSP1
7によって不足していると判別した台数分を、現在運転
中の熱源機の中から指定し、〔制御メインルーチン〕に
おけるステップ13とステップ16と、このステップと
で指定した熱源機を、再度、運転制御するステップ部分
に移行する。
【0051】◆ステップSP21では、仮停止中の熱源
機、つまり、ステップSP4によって仮停止時間T1を
開始し、計時中になっている各熱源機の計時データを取
り込んで、次のステップSP22に移行する。
【0052】◆ステップSP22では、ステップSP2
1で取り込んだ各熱源機の計時データが仮停止時間T1
の計時を満了しているか否かを判別し、時間T1の計時
を満了している熱源機があるときは、次のステップSP
23に移行し、時間T1の計時を満了しているものがな
いときは、〔制御メインルーチン〕における定常の運転
動作を運転制御するステップ部分に移行する。
【0053】◆ステップSP23では、時間T1の計時
が満了している各熱源機のみに対して、〔制御メインル
ーチン〕における当該熱源機に稀釈運転を行わせるステ
ップ部分に移行する。
【0054】◆ステップSP31では、全台数の熱源機
を稀釈運転する熱源機として指定し、〔制御メインルー
チン〕における全台数の熱源機を稀釈運転する運転制御
を行うステップ部分に移行する。
【0055】次に、図1の連動運転状態を基準にして、
図3の制御処理フローとを関連付けて説明する。
【0056】図1の左側部分における運転開始側では、
ステップSP18によって、熱源機NO.1・NO.2
の2台を指定して運転状態にし、次いで、同様に、ステ
ップSP18で熱源機NO.3・NO.4を指定して運
転状態にしている。
【0057】図1の中頃部分での台数変化制御部分で
は、1台を低減するときは、熱源機NO.1がステップ
SP4によって、仮停止状態になり、仮停止時間T1を
開始するが、時間T1未満の時点に、ステップSP13
・SP14によって、稀釈運転を行わずに、再度、運転
状態にすることを2回に亙って行っている。
【0058】次いで、熱源機NO.1をステップSP4
によって仮停止状態した後、熱源機NO.2もステップ
SP4によって仮停止状態にするが、熱源機NO.1は
ステップSP23によって、稀釈運転状態になり、稀釈
運転時間T2を満了して完全な停止状態になる。
【0059】一方、熱源機NO.2は、稀釈運転中に、
ステップSP16・SP17によって、再度、運転時間
になり、その後、ステップSP18によって、熱源機N
O.1が運転時間になっている。
【0060】図1の右側部分における運転完了側では、
熱源機NO.1〜NO.4がステップSP2・SP31
によって、全台数とも、直ちに稀釈運転を行って完全な
停止状態になっている。
【0061】〔変形実施〕この発明は次のように変形し
て実施することができる。
【0062】(1)各熱源機N0.1・N0.2・N
0.3〜N0nの稼働状態を平均化するように、運転停
止する熱源機、運転時間長などをデータにして、その都
度、選択停止する熱源機を変更するように制御する。
【0063】(2)ステップSP13における熱源機の
指定を、仮停止時間T1の計時が満了時点に近いものを
優先して選択することにより、稀釈運転を行う台数を低
減して熱エネルギーの節約効果を向上するように制御す
る。
【0064】(3)ステップSP16における熱源機の
指定を、稀釈運転時間T2の計時が満了時点に近いもの
を優先して選択することにより、吸収液の稀釈に対する
熱エネルギーと、再度、運転開始する場合の運転立上時
間T3に要する熱エネルギーとの節約効果を向上するよ
うに制御する。
【0065】(4)吸収液の温度が管路から外気中に放
熱して結晶を析出するまでの時間と外気温度との関係を
利用して仮停止時間T1を可変するように制御する。例
えば、外気温度を検出して得られる外気温度信号を制御
部50に与え、外気温度が高いときは仮停止時間T1を
長くし、外気温度が低いときは仮停止時間T1を短くす
るように構成する。
【0066】
【発明の効果】この発明によれば、以上のように、第1
の方法では、前回の運転停止から次回の運転開始までの
時間が短い運転部分では、稀釈運転のための時間T2と
運転立上のための時間T3とを行わないで、引き続き運
転するように制御しているので、これらの時間T2・T
3に消費する熱エネルギーを節約して省エネルギー運転
を行うことができるという特長がある。
【0067】また、第2の方法では、運転停止が、熱源
機を全台数停止する停止制御である場合、つまり、装置
全体の運転完了時などの場合には、全台数の熱源機を、
直ちに、稀釈運転を行って運転停止するため、仮停止状
態での放熱による熱損失を無くして運転停止できるの
で、第1の方法による熱エネルギーの節約に加えて、こ
の運転停止時の熱エネルギーをも節約した省エネルギー
運転を行うことができるという特長がある。
【0068】さらに、こうした省エネルギーを行う装置
を、制御部に設けられている処理メモリの記憶内容を変
更するだけで提供することができるので、既存の装置の
場合にも適用して、簡便安価に提供し得るなどの特長が
ある。
【図面の簡単な説明】
図1〜図3はこの発明の実施例を、また、図4〜図6は
従来技術を示し、各図の内容は次のとおりである。
【図1】制御処理の時系列線図
【図2】要部ブロック構成図
【図3】制御処理フローチャート
【図4】要部装置のブロック構成図
【図5】全体ブロック構成略図
【図6】制御処理の時系列線図
【符号の説明】
1 吸収器 1A 散布器 1B 冷却管 2a 稀液 2b 中間液 2c 濃液 3 管路 5 高温再生器 6 加熱器 6A 加熱調整器 7a 冷媒蒸気 7b 冷媒蒸気 7c 冷媒蒸気 8 管路 9 熱交換器 10 管路 11 低温再生器 11A 放熱管 11B 通路 12 管路 13 熱交換器 14 管路 21 管路 22 管路 23 凝縮器 23A 冷却管 24a 冷媒液 24b 冷媒液 25 管路 26 蒸発器 26A 散布器 26B 冷却管 28 管路 31 管路 32a 冷却用水 32b 冷却戻水 33 管路 34 管路 35a 冷/温戻水 35b 冷/温水 36 管路 37 管路 41 管路 42 管路 43 管路 50 制御部 70 制御部(CPU) 71 入出力ポート 72 処理メモリ 73 作業メモリ 74 計時回路 75 表示部 100 吸収冷温水機 100A 熱源機NO.1 100B 熱源機NO.2 100C 熱源機NO.3 100n 熱源機NO.n P1 ポンプ P2 ポンプ S1 温度検出器 S2 温度検出器 S3 温度検出器 S4 温度検出器 S11 温度検出器 S12 温度検出器 T1 仮停止時間 T2 稀釈運転時間 T3 運転立上時間 V1 開閉弁 V2 開閉弁 V3 開閉弁 W 設定信号 X 負荷状態検出信号 Y 動作状態検出信号 Z 運転制御信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 15/00 306

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転停止に際して吸収液の結晶析出など
    による支障を防止するために前記吸収液を稀釈する稀釈
    運転を行う必要がある吸収式冷凍機を熱源機として、複
    数台の前記熱源機を連動動作するとともに、冷却または
    加温する負荷に対応して前記複数台のうちの所要のもの
    を選択して運転停止するようにした連動運転の制御にお
    いて、 前記稀釈を行わずに停止しても前記支障が生じない程度
    の時間長を仮停止時間として設定しておき、 前記選択して運転停止する前記熱源機を前記稀釈運転を
    行わずに、一旦、仮停止し、 前記仮停止した後、前記仮停止時間が経過したときの
    み、前記仮停止した前記熱源機に前記稀釈運転を行わせ
    て停止するように制御することを特徴とする連動運転制
    御方法。
  2. 【請求項2】 運転停止に際して吸収液の結晶析出など
    による支障を防止するために前記吸収液を稀釈する稀釈
    運転を行う必要がある吸収式冷凍機を熱源機として、複
    数台の前記熱源機を連動動作するとともに、冷却または
    加温する負荷に対応して前記複数台のうちの所要のもの
    を選択して運転停止するようにした連動運転の制御にお
    いて、 前記稀釈を行わずに停止しても前記支障が生じない程度
    の時間長を仮停止時間として設定しておき、 前記選択して運転停止する前記熱源機を前記稀釈運転を
    行わずに、一旦、仮停止し、 前記仮停止した後、前記仮停止時間が経過したときの
    み、前記仮停止した前記熱源機に前記稀釈運転を行わせ
    て停止するが、 前記選択停止する前記熱源機が前記複数台の全台数であ
    るときのみ、前記仮停止を行わずに、前記全台数の前記
    熱源機に前記稀釈運転を行わせて停止するように制御す
    ることを特徴とする連動運転制御方法。
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