JP2998534B2 - 圧型加工用camモデルの形状変更方法 - Google Patents

圧型加工用camモデルの形状変更方法

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JP2998534B2 JP32866893A JP32866893A JP2998534B2 JP 2998534 B2 JP2998534 B2 JP 2998534B2 JP 32866893 A JP32866893 A JP 32866893A JP 32866893 A JP32866893 A JP 32866893A JP 2998534 B2 JP2998534 B2 JP 2998534B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車体パネル等をプレ
ス成形する圧型の加工用のCAMモデル(コンピュータ
支援加工用数値モデル)の形状変更方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】車体パネル等のワークのプレス成形用の
圧型を加工する際には通常、複合自由曲面からなるワー
ク形状を表す曲面データから、そのワーク形状を点群デ
ータで表すCAMモデルを作成して、そのCAMモデル
からNCデータを作成し、そのNCデータによりNC工
作機械で加工を行っているが、圧型形状のうちの、例え
ば図5(a)に示すCAMモデル1に対するセクダイ2
の上部の破線部の如き、CAMモデルでは表現されてい
ない特性形状(他の型部材との干渉防止等のための圧型
特有の形状)については、作業者がNC工作機械を手動
(マニュアル)操作して、同図(b)に示す工具3の如
く、工具を適宜移動させることにより加工しており、そ
れゆえ加工に多くの時間と工数とを要している。
【0003】これがため従来、CAMシステムで上記特
性形状を折り込んだCAMモデルを作り直し、そのCA
Mモデルから作成したNCデータによりNC工作機械で
特性形状を含めて加工する試みが行われており、かかる
場合には、先ず、例えば図6(a)に示す如く、ワーク
形状を表すワーク形状面4の曲面データに付加する上記
特性形状を表す特性形状面5の曲面データを作成し、次
いで同図(b)に示す如く、その特性形状面5のうちの
ワーク形状面4から離れている部分をワーク形状面4に
繋ぐ側面6の曲面データを作成し、次いで同図(c)に
示す如く、それら特性形状面5および側面6が繋がるワ
ーク形状面4側の周囲の面7を再トリムする等の操作を
行うことにより、特性形状面5および側面6の曲面デー
タの有効領域とワーク形状面4側の周囲の曲面データと
の整合をとってから、それら特性形状面5および側面6
の曲面データをワーク形状面4の曲面データに埋め込
み、その後その特性形状面5および側面6の曲面データ
を埋め込んだワーク形状面4の曲面データを点群からな
るCAMモデルに変更する、といった工程を経る。
【0004】また従来、特性形状のみについて作成した
曲面データから単独のCAMモデルを作成し、そのCA
Mモデルから作成した別個のNCデータによりNC工作
機械で特性形状のみを別途加工する試みも行われてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たCAMモデルへの特性形状の折り込みや、特性形状用
の単独のCAMモデルの作成を行うと、CAMモデルの
作成に多くの工数を要してしまい、また熟練者のみでな
ければその作成を行い得ず、そして作成ミスも発生し易
いといった問題があった。
【0006】その一方、本願発明者が研究した結果、圧
型加工用のNCデータの作成の元になるCAMデータ
は、プレス加工方向である高さ方向へ向く面が重ならず
に存在していれば足り、上記側面6の如き、高さ方向へ
向いていない面までは必ずしも必要でない、ということ
が明らかになった。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の事実
に鑑みて先に述べた従来技術の課題を有利に解決した形
状変更方法を提供するものであり、この発明の圧型加工
用CAMモデルの形状変更方法は、ワーク形状面の曲面
データから作成した圧型加工用CAMモデルを特性形状
を折り込むように形状変更するに際し、先ず前記ワーク
形状面の曲面データに付加する特性形状面の曲面データ
を点群データに変換して変更形状CAMモデルを作成
し、次いで前記変更形状CAMモデルと前記圧型加工用
CAMモデルとの間の高さ方向へ向く面の重なり合いを
調べて、その重なり合いがある場合に、前記変更形状C
AMモデルと前記圧型加工用CAMモデルとの各々の互
いに重なる部位の各部分の高さを比較し、高い方および
低い方の部分のうちのいずれか一方の部分のみを前記圧
型加工用CAMモデルに埋め込む合成処理を行うことを
特徴とするものである。
【0008】
【作用】かかる方法にあっては、ワーク形状面の曲面デ
ータから作成した圧型加工用CAMモデルを特性形状を
折り込むように形状変更するに際し、例えばCAMシス
テム等のデータ処理システムを用いて、先ずワーク形状
面の曲面データに付加する特性形状面の曲面データを点
群データに変換して、その特性形状面のみの変更形状C
AMモデルを作成し、次いでその変更形状CAMモデル
と元の圧型加工用CAMモデルとの間の高さ方向へ向く
面の重なり合いを調べて、その重なり合いがある場合に
は、変更形状CAMモデルと元の圧型加工用CAMモデ
ルとの各々の互いに重なる部位の各部分の高さを比較
し、高い方および低い方の部分のうちのいずれか一方の
部分のみを選択的に元の圧型加工用CAMモデルに埋め
込む合成処理を行う。
【0009】かかる選択により、上記合成処理された形
状変更後圧型加工用CAMモデルには、変更形状CAM
モデルと元の圧型加工用CAMモデルとの互いに重なり
合う部位の各部分のうちの必要な側の部分のみが埋め込
まれ、その埋め込まれた部位は、高さ方向へ向く面が重
ならずに存在している状態となるので、その形状変更後
CAMモデルは、NCテープ作成の元になることができ
る。
【0010】従ってこの方法によれば、データ処理シス
テムのユーザーは、高い方および低い方の部分のどちら
を元の圧型加工用CAMモデルに埋め込むかを選択して
その選択に基づく指示を該システムに与えるのみで良
く、あとは該システムが自動的に合成処理を行って形状
変更後CAMモデルを作成するので、特性形状を折り込
んだ圧型加工用CAMモデルを少ない工数で、しかも熟
練者でなくても容易に作成でき、そして作成ミスの発生
も有効に防止することができる。ここで、その選択は、
例えば変更形状CAMモデルが元の圧型加工用CAMモ
デルよりも高い方にあるか低い方にあるか等を基準にし
て行えば良い。
【0011】なお、元の圧型加工用CAMモデルと変更
形状CAMモデルとが互いに重なり合う部位を持たない
ような場合には、作成した変更形状CAMモデルと元の
圧型加工用CAMモデルとをそのまま合成して形状変更
後圧型加工用CAMモデルを得れば良い。
【0012】
【実施例】以下に、この発明の実施例を図面に基づき詳
細に説明する。図1は、この発明の圧型加工用CAMモ
デルの形状変更方法の一実施例に用いるCAMシステム
の概略構成を示す説明図である。このシステムは、シス
テム本体11と外部記録装置12とを具える通常のものであ
り、そのシステム本体11は、中央処理ユニットと、マウ
ス等の入力装置と、CRTやプロッタ等の出力装置とを
有していて、CADモデル等のワーク形状を表す曲面デ
ータからデータ処理を行ってCAMモデルを作成すると
ともにそのCAMモデルからNCデータを作成し、また
その外部記録装置12は、ハードディスク装置やフロッピ
ーディスク装置等を有していて、複数のデータファイル
に図形データやNCデータ等のデータを記録する。
【0013】この実施例の方法では、上記CAMシステ
ムを用いて圧型加工用CAMモデルの形状変更を行うに
際し、図1に示すように、外部記録装置12内のファイル
からシステム本体11内に読み込んだワーク形状面の曲面
データを用いて、システム本体11で特性形状面を作成
し、その特性形状面の曲面データを外部記録装置12内の
ファイルに一旦保存し、次いで外部記録装置12内のファ
イルから、元の圧型加工用CAMモデルとのデータと、
前記特性形状面の曲面データとをシステム本体11内に読
み込んで、そのシステム本体11で前記特性形状面から変
更形状CAMモデルを作成し、次いでその変更形状CA
Mモデルのデータを外部記録装置12内のファイルに一旦
保存し、その後、その変更形状CAMモデルのデータを
外部記録装置12内のファイルからシステム本体11内に読
み込んで、そのシステム本体11で所定の合成処理を行っ
て形状変更後圧型加工用CAMモデルを作成し、その形
状変更後CAMモデルのデータを外部記録装置12内のフ
ァイルに保存する。
【0014】図2は、上記実施例の方法をより具体的に
示すフローチャートであり、ここでは、その図2には記
載していないがあらかじめ、外部記録装置12内のファイ
ルから、例えば図6(a)に示すワーク形状面4の如
き、圧型で形成するワーク形状を表すワーク形状面の曲
面データをシステム本体11内に読み込み、そのシステム
本体11を用いて該システムのユーザーが、上記読み込ん
だワーク形状面に付加する同図(a)に示す特性形状面
5の如き特性形状面を全て作成する(特性形状面は一つ
のワーク形状面について複数必要となる場合がなる)。
そしてそれらの特性形状面の曲面データは、外部記録装
置12内のファイルに保存しておく。なお、かかる特性形
状面の曲面データは、圧型への適用部位等に応じて基本
的な形状のものを複数種類、あらかじめある程度まで作
成してデータベース化しておいても良く、このようにす
れば、実際に適用するワーク形状面に応じてその基本的
な形状を僅かに変更するだけで、そのワーク形状面に適
した特性形状面の曲面データを容易に作成できる。
【0015】しかる後ここでは、先ずステップ13で、外
部記録装置12内のファイルから、上記ワーク形状面4の
曲面データから作成した図3(a)に示す圧型加工用C
AMモデル8の如き、元の圧型加工用CAMモデルのデ
ータをシステム本体11内に読み込み、次いでステップ14
で、外部記録装置12内のファイルから、その元のCAM
モデル8に付加する、例えば最初は図6(a)に示す特
性形状面5の曲面データをシステム本体11内に読み込
み、次いでステップ15で、システム本体11に、その特性
形状面5の曲面データを点群データに変換して、図3
(a)に示すその特性形状面のみの変更形状CAMモデ
ル9を作成し、その変更形状CAMモデルのデータを外
部記録装置12内のファイルに一旦保存する。
【0016】そしてその後は、該システムのユーザー
が、その変更形状CAMモデル9と元の圧型加工用CA
Mモデル8との間の、プレス加工方向である高さ方向へ
向く面の重なり合いを調べ、その重なり合いが存在する
場合には、高い方および低い方の部分のうちのいずれを
埋め込むかを選択して該システムに指示する。ここで、
いずれの部分のみを用いるかの選択は、例えば図3に示
す変更形状CAMモデル9と元の圧型加工用CAMモデ
ル8との間の重なり合いの場合は、図3における上方ま
たは下方をプレス方向とすると、元の圧型加工用CAM
モデル8よりも図3では高い方に位置している変更形状
CAMモデル9を主として埋め込むために高い方の部分
を選択するが、元の圧型加工用CAMモデル8が図3の
状態に対し裏返っていて、その元の圧型加工用CAMモ
デル8の下方に変更形状CAMモデル9が位置している
ような場合には、変更形状CAMモデル9を主として埋
め込むために低い方の部分を選択する、というような基
準で行えば良い。
【0017】これによりシステム本体11は、例えば図4
(a)に示すように、変更形状CAMモデル9と元の圧
型加工用CAMモデル8との各々の、高さ方向に互いに
重なる部位の各部分の高さを比較し、上記ユーザーが高
い方の部分のみの埋め込みを指示した場合には、ステッ
プ16で、高い方の部分のみを選択的に元の圧型加工用C
AMモデル8に埋め込む合成処理を行って同図(b)の
上側に示す如き、あるいは図3(b)に示す如き変更後
CAMモデル10を作成し、また上記ユーザーが低い方の
部分のみの埋め込みを指示した場合には、ステップ17
で、低い方の部分のみを選択的に元の圧型加工用CAM
モデル8に埋め込む合成処理を行って同図(b)の下側
に示す如き変更後CAMモデル10を作成する。なお、変
更形状CAMモデルの全体でなく各部分の高さを比較す
ることとしたのは、図4に示す例のように変更形状CA
Mモデルと元の圧型加工用CAMモデルとの高さが部分
的に入れ代わっている場合があり、かかる場合に、元の
圧型加工用CAMモデルの形状を、特性形状の機能に支
障がない範囲で圧型の機能のために残しておいた方が良
い場合もあるからである。
【0018】なお、上記変更形状CAMモデル9と元の
圧型加工用CAMモデル8との間の高さ方向へ向く面の
重なり合いが存在しない場合は、ユーザーはそのまま埋
め込むことを指示すれば良く、この場合にはシステム本
体11は、ステップ18で、変更形状CAMモデル9と元の
圧型加工用CAMモデル8とをそのまま合成して、形状
変更後圧型加工用CAMモデル10を作成する。
【0019】次いでここでは、上記ステップ16〜18のい
ずれかで作成した形状変更後圧型加工用CAMモデル10
を、ステップ19で、システム本体11の画面上に出力し、
その後、残る特性形状面についても上記ステップ14〜19
を繰り返し実行することにより、上記元の圧型加工用C
AMモデル8に全ての変更形状CAMモデルを合成し
て、全ての特性形状面を折り込んだ変更形状CAMモデ
ルを作成し、その変更形状CAMモデルを外部記録装置
12内のファイルに保存する。
【0020】このようにして作成した変更形状CAMモ
デルは、図3(b)の元の圧型加工用CAMモデル8と
変更形状CAMモデル9との間の縦線で示す部分のよう
に、それらのモデル間を繋ぐ側面となるべき部分が存在
していない。しかしながらその変更形状CAMモデルか
らNCデータを作成する際には、その存在していない部
分はプレス加工方向である高さ方向へ延在する面となる
ことは明らかであるから、工具経路の設定上、その変更
形状CAMモデルで存在していない部分を加工する経路
は自然に設定され、あるいは容易に設定され得る。
【0021】従ってこの実施例の方法によれば、CAM
システムのユーザーは高い方および低い方の部分のどち
らを元の圧型加工用CAMモデルに埋め込むかを選択し
てその選択に基づく指示を該システムに与えるのみで良
く、あとは該システムが自動的に合成処理を行って形状
変更後CAMモデルを作成するので、特性形状を折り込
んだ圧型加工用CAMモデルを少ない工数で、しかも熟
練者でなくても容易に作成でき、そして作成ミスの発生
も有効に防止することができる。
【0022】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、上記実
施例ではCAMシステムを用いたが、上述した各ステッ
プの処理を行い得る機能を有するものであれば、CAD
システム等の他のシステムを用いても良い。
【0023】
【発明の効果】かくしてこの発明の圧型加工用CAMモ
デルの形状変更方法によれば、特性形状を折り込んだ圧
型加工用CAMモデルを少ない工数で、しかも熟練者で
なくても容易に作成でき、そして作成ミスの発生も有効
に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の圧型加工用CAMモデルの形状変更
方法の一実施例に用いるCAMシステムの概略構成を示
す説明図である。
【図2】上記実施例の方法を具体的に示すフローチャー
トである。
【図3】上記実施例の方法における変更形状CAMモデ
ルの作成および元の圧型加工用CAMモデルへの埋め込
みの状況を示す説明図である。
【図4】上記実施例の方法における変更形状CAMモデ
ルの元の圧型加工用CAMモデルへの埋め込みの態様を
示す説明図である。
【図5】従来の特性形状の加工方法を示す説明図であ
る。
【図6】従来の圧型加工用CAMモデルの形状変更方法
を示す説明図である。
【符号の説明】
8 元の圧型加工用CAMモデル 9 変更形状CAMモデル 10 形状変更後CAMモデル

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワーク形状面の曲面データから作成した
    圧型加工用CAMモデルを特性形状を折り込むように形
    状変更するに際し、 先ず前記ワーク形状面の曲面データに付加する特性形状
    面の曲面データを点群データに変換して変更形状CAM
    モデルを作成し、 次いで前記変更形状CAMモデルと前記圧型加工用CA
    Mモデルとの間の高さ方向へ向く面の重なり合いを調べ
    て、その重なり合いがある場合に、前記変更形状CAM
    モデルと前記圧型加工用CAMモデルとの各々の互いに
    重なる部位の各部分の高さを比較し、高い方および低い
    方の部分のうちのいずれか一方の部分のみを前記圧型加
    工用CAMモデルに埋め込む合成処理を行うことを特徴
    とする、圧型加工用CAMモデルの形状変更方法。
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