JP2998493B2 - スロットル弁制御装置 - Google Patents

スロットル弁制御装置

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JP2998493B2 JP14285593A JP14285593A JP2998493B2 JP 2998493 B2 JP2998493 B2 JP 2998493B2 JP 14285593 A JP14285593 A JP 14285593A JP 14285593 A JP14285593 A JP 14285593A JP 2998493 B2 JP2998493 B2 JP 2998493B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スロットル弁制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スロットル弁は、リンク機構また
はワイヤを介して直接アクセルに接続されており、アク
セルの操作に応じて機械的に開閉動作をしていた。最近
では、リンク機構やワイヤなどの機械的接続をすること
なく、アクセルの操作量を電気信号として検出し、この
電気信号に基づいてスロットル弁をアクチュエータによ
り開閉駆動する装置が種々提案されている。
【0003】これらの装置は、スロットル弁開度を自由
に制御できるという特徴を備えるが、運転者の意思によ
らないアクセルの微小な操作量や、車両の振動,通信に
伴う電気的なノイズなどの外乱によるアクセルの操作量
の微小な変化などにも反応してしまう。そこで、従来、
これらの微小なスロットル弁の駆動を抑制する手段が講
じられている。例えば、アクセルの操作量に対してなま
し処理を行なうスロットル弁制御装置やアクセルの操作
量に対して出力される信号にヒステリシス特性を持たせ
るスロットル弁制御装置が提案されている(特開昭63
−134829)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、なまし
処理を行なう装置では、アクセルの微小な操作量が短時
間のうちに変化する場合には、微小な操作量のほとんど
を除去することが可能であるが、アクセルの操作量が時
間をかけて微小に変化するときには、その除去効果が小
さいという問題があった。また、時間をかけて変化する
アクセルの微小な操作量の除去効果を上げるためになま
し処理における前回値の重みを大きくすれば、ステップ
応答時の応答性が低下するという問題があった。
【0005】また、ヒステリシス特性を持たせる装置で
は、アクセル操作量の微小な変動は除去可能であるが、
ヒステリシスを有するため、入力される信号と出力され
る信号とが1対1に対応しないという問題があった。
【0006】本発明のスロットル弁制御装置は、こうし
た問題を解決し、応答性の優れたスロットル弁制御をす
ることを目的としてなされ、次の構成を採った。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のスロット
ル弁制御装置は、図1に例示するように、内燃機関の吸
入空気量を調整するスロットル弁の開度を制御する装置
であって、前記スロットル弁の開度を指示する開度指示
値に1対1に対応した位置に、スロットル弁を駆動する
駆動手段M1と、前記スロットル弁の駆動方向を記憶す
る駆動方向記憶手段M2と、前記開度指示値もしくは該
開度指示値を決定するパラメータの値を保持する値保持
手段M3と、該値保持手段M3に保持された値と、これ
に対応する前記開度指示値の最新値もしくは前記パラメ
ータの最新値とを比較し、該最新値に基づく前記スロッ
トル弁の駆動方向が前記駆動方向記憶手段M2に記憶さ
れた方向と異なる場合には、該両者の偏差が所定値を越
えるまでは、前記スロットル弁の駆動を禁止する駆動禁
止手段M4とを備えたことを要旨とする。
【0008】ここで、前記スロットル弁制御装置におい
て、前記駆動禁止手段M4は、前記偏差が前記スロット
ル弁の開度を増加する方向の偏差であるときは、前記所
定値を第1の値とし、前記偏差が前記スロットル弁の開
度を減少する方向の偏差であるときは、前記所定値を第
1の値と異なる第2の値とする手段を備える構成とする
こともできる。
【0009】請求項3記載のスロットル弁制御装置は、
内燃機関の吸入空気量を調整するスロットル弁の開度を
制御する装置であって、前記スロットル弁の開度を指示
する開度指示値に1対1に対応した位置に、スロットル
弁を駆動する駆動手段と、該スロットル弁の駆動方向を
記憶する駆動方向記憶手段と、前記開度指示値を保持す
る開度指示値保持手段と、該開度指示値を決定するパラ
メータの値を保持するパラメータ値保持手段と、該パラ
メータの増減方向を記憶する増減方向記憶手段と、該パ
ラメータの少なくともひとつについて、前記パラメータ
値保持手段に保持された値と、該パラメータの最新値と
を比較し、該最新値に基づく該パラメータの増減方向が
前記増減方向記憶手段に記憶された増減の方向と異なる
場合には、該両者の偏差が所定値を越えるまでは、該パ
ラメータの更新を禁止する更新禁止手段と、前記開度指
示値保持手段に保持された開度指示値とその最新値とを
比較し、該最新値に基づく前記スロットル弁の駆動方向
が前記駆動方向記憶手段に記憶された方向と異なる場合
には、該両者の偏差が所定値を越えるまでは、前記スロ
ットル弁の駆動を禁止する駆動禁止手段とを備えたこと
を要旨とする。
【0010】
【作用】以上のように構成された請求項1記載のスロッ
トル弁制御装置は、駆動手段M1が、スロットル弁の開
度を指示する開度指示値に1対1に対応した位置にスロ
ットル弁を駆動し、駆動方向記憶手段M2が、スロット
ル弁の駆動方向を記憶する。また、値保持手段M3が、
スロットル弁の開度を指示する開度指示値もしくは開度
指示値を決定するパラメータの値を保持する。
【0011】駆動禁止手段M4は、値保持手段M3に保
持された値と、これに対応する開度指示値もしくはパラ
メータの最新値とを比較し、この最新値に基づくスロッ
トル弁の駆動方向が駆動方向記憶手段M2に記憶された
方向と異なる場合には、両者の偏差が所定値を越えるま
では、スロットル弁の駆動を禁止する。よって、両者の
偏差が、所定値を越えたとき、または、スロットル弁の
駆動方向が反転したときには、スロットル弁を開度指示
値まで直ちに駆動する。
【0012】これら動作により、運転者の意思によらな
いアクセルの微小な操作量や車両の振動,通信に伴う電
気的なノイズなどの外乱等に起因するアクセルの微小な
非所望の操作を除去し、スロットル弁の所望の操作に対
する応答性を損なうことなく、スロットル弁の安定した
操作を可能とする。
【0013】請求項3記載のスロットル弁制御装置は、
駆動手段が、スロットル弁の開度を指示する開度指示値
に1対1に対応した位置に、スロットル弁を駆動し、駆
動方向記憶手段が、スロットル弁の駆動方向を記憶す
る。また、開度指示値保持手段が開度指示値を保持し、
パラメータ値保持手段が開度指示値を決定するパラメー
タの値を保持する。さらに、増減方向記憶手段がパラメ
ータの増減方向を記憶する。
【0014】更新禁止手段は、パラメータの少なくとも
ひとつについて、パラメータ値保持手段に保持された値
と、パラメータの最新値とを比較し、この最新値に基づ
くパラメータの増減方向が増減方向記憶手段に記憶され
た増減の方向と異なる場合には、両者の偏差が所定値を
越えるまでは、パラメータの更新を禁止する。
【0015】加えて、駆動禁止手段は、開度指示値保持
手段に保持された開度指示値とその最新値とを比較し、
この最新値に基づくスロットル弁の駆動方向が駆動方向
記憶手段に記憶された方向と異なる場合には、両者の偏
差が所定値を越えるまでは、スロットル弁の駆動を禁止
する。
【0016】すなわち、請求項3記載のスロットル弁制
御装置は、スロットル弁の開度指示値とこれを決定する
パラメータの少なくとも一つとの両者について、いわゆ
る不感帯が設けられたものとなる。
【0017】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の好適な実施例について説
明する。図2は本発明の一実施例に係るスロットル弁制
御装置をフロントエンジン・リアドライブ(FR方式)
の自動車に適用した車両用システムを示す概略構成図で
ある。
【0018】図2に示すように、この車両用システムで
は、エンジン11を備え、エンジン11の回転駆動力を
変速機13、プロペラシャフト14、リアディファレン
シャルギヤ16、リアドライブシャフト18を介して右
後輪22,左後輪24に伝達している。なお、右前輪2
6,左前輪28は遊動輪となっている。
【0019】エンジン11の吸気管31内には、アクセ
ルペダル33にメカニカルリンクにより連結されたメイ
ンスロットルバルブ35と、その上流に設けられたサブ
スロットルバルブ37とが設けられている。なお、サブ
スロットルバルブ37はスロットルアクチュエータ39
により駆動される。
【0020】こうした車両用システムには、その運転状
態を検出するためのセンサとして、変速機13の出力軸
の回転数を検出する車速センサ50と、右後輪22の回
転速度を検出する右後輪回転速度センサ52と、左後輪
24の回転速度を検出する左後輪回転速度センサ54
と、右前輪26の回転速度を検出する右前輪回転速度セ
ンサ56と、左前輪28の回転速度を検出する左前輪回
転速度センサ58等が備えられている。
【0021】さらに、エンジン11の周辺に、その回転
速度を検出するクランク角センサ60と、メインスロッ
トルバルブ35には、その開度を検出すると共にアイド
ル状態を検出するアイドルスイッチ63(図3)を備え
たメインスロットルポジションセンサ64が備えられて
おり、サブスロットルバルブ37には、その開度を検出
するサブスロットルポジションセンサ66等が備えられ
ている。
【0022】これらの各センサの検出信号やスイッチの
出力信号は、主としてエンジン11の制御に関する処理
を行なう電子制御ユニット(以下、ECUと呼ぶ)70
に入力される。ECU70は、図3に示すように、マイ
クロプロセッサ71を中心とする論理演算回路として構
成され、詳しくは、予め設定された制御プログラムに従
い、各種演算処理を実行するCPU72と、CPU72
で各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや
制御データ等が予め格納されたROM73と、同じくC
PU72で各種演算処理を実行するのに必要な各種デー
タが一時的に読み書きされるRAM74と、電源オフ時
においてもデータを保持可能なバックアップRAM77
と、上記各センサからの検出信号やスイッチからの信号
を入力処理する入力処理回路75と、スロットルECU
80と通信する通信処理回路76等を備えている。
【0023】また、スロットルECU80は、図4に示
すように、1チップマイクロプロセッサ81を中心とす
る論理演算回路として構成され、詳しくは、予め設定さ
れた制御プログラムに従って各種演算処理を実行するC
PU82と、CPU82で各種演算処理を実行するのに
必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納された
ROM83と、同じくCPU82で各種演算処理を実行
するのに必要な各種データが一時的に読み書きされるR
AM84と、通信回線90を介してECU70とデータ
通信を行なう通信処理回路85と、スロットルアクチュ
エータ39に駆動信号を出力する出力処理回路86等を
備えている。
【0024】こうして構成されたスロットルECU80
は、各センサからの検出信号やスイッチの出力信号をE
CU70および通信回線90を介して入力し、予めRO
M83に記述された制御プログラムに従って、スロット
ルアクチュエータ39を駆動制御する。以下、スロット
ルECU80にて実行されるメインスロットル開度出力
ルーチンについて、図5のフローチャートを用いて説明
する。このルーチンは、運転者によるアクセルペダル3
3の微小な操作量や車両の振動による微小な操作量,電
気的なノイズなどを除去するに実行されるものである。
なお、このルーチンは所定時間(例えば4[mse
c])毎に起動される割り込み処理として実行される。
【0025】処理が開始されると、CPU82は、ま
ず、メインスロットルポジションセンサ64によって検
出されるメインスロットルバルブ35の開度(現開度)
TAMB1を通信回線90を介して読み込む(ステップ
S100)。次に、前回メインスロットルバルブ35の
開度として本ルーチンから出力した出力値TAMの値
を、現開度TAMB1の比較の対象となる前開度TAM
B0に代入する(ステップS110)。続いて、前回メ
インスロットルバルブ35の開度として出力した際のメ
インスロットルバルブ35の開度の変化の方向(増減)
を示す増減フラグXDRCTMを調べる(ステップS1
20)。増減フラグXDRCTMは、メインスロットル
バルブ35の開度の変化が増加のときは値0が代入さ
れ、減少のときは値1が代入される。また、エンジン1
1の始動時には、図示しない初期化ルーチンにて初期値
として値0が代入される。
【0026】増減フラグXDRCTMが値0のときは、
前開度TAMB0と現開度TAMB1が比較され(ステ
ップS130)、現開度TAMB1の方が大きいとき
は、現開度TAMB1を出力値とするため、これを出力
値TAMに代入して(ステップS190)、本ルーチン
を終了する。前開度TAMB0が現開度TAMB1より
大きいときは、前開度TAMB0と現開度TAMB1と
の差を所定値βと比較する(ステップS140)。
【0027】ここで、所定値βは、メインスロットルバ
ルブ35の開度が増加していた状態から減少したときの
不感帯として設定される値であり、運転者がアクセルペ
ダル33の操作量を一定に保っているつもりでも生じる
非所望の微小な操作量の大きさや、車両の振動により生
じるアクセルペダル33の微小な操作量の大きさ、電気
的なノイズの大きさなどより少し大きい値として設定さ
れている。この所定値βは、一定値として設定してもよ
く、メインスロットルバルブ35の開度の大きさに基づ
いて定まる値として設定してもかまわない。
【0028】前開度TAMB0と現開度TAMB1との
差が所定値β以下のときは、メインスロットルバルブ3
5の開度の変化は、運転者の非所望のアクセルペダル3
3の操作や電気的なノイズによる可能性があると判定
し、出力値TAMの値を変更せずに本ルーチンを終了す
る。前開度TAMB0と現開度TAMB1との差が所定
値βより大きいときは、メインスロットルバルブ35の
開度が運転者の所望のアクセル操作に基づいて減少され
たと判定して増減フラグXDRCTMに減少を示す値1
を代入し(ステップS150)、出力値TAMに現開度
TAMB1を代入して(ステップS190)、本ルーチ
ンを終了する。
【0029】ステップS120で、増減フラグXDRC
TMが値1であるときも、前開度TAMB0と現開度T
AMB1とを比較する(ステップS160)。比較した
結果、前開度TAMB0の方が大きいときは、運転者に
よりアクセルペダル33の操作量が更に減少されたと判
定し、出力値TAMに現開度TAMB1を代入して(ス
テップS190)、本ルーチンを終了する。一方、前開
度TAMB0の方が小さいときは、現開度TAMB1と
前開度TAMB0との差と所定値αを比較する(ステッ
プS170)。
【0030】ここで、所定値αは、メインスロットルバ
ルブ35の開度が、減少していた状態から増加したとき
の不感帯として設定される値であり、所定値βと同様に
して設定される。この所定値αは、所定値βと同様に一
定値として設定してもよく、メインスロットルバルブ3
5の開度に基づいて定まる値として設定してもよい。ま
た、所定値αは、所定値βと同じ値でもよく、異なる値
であってもかまわない。
【0031】現開度TAMB1と前開度TAMB0との
差が所定値α以下のときは、メインスロットルバルブ3
5の開度の変化は、運転者の非所望のアクセルペダル3
3の操作や電気的なノイズによる可能性があると判定
し、出力値TAMの値を変更せずに本ルーチンを終了す
る。前操作量TAMB1と現操作量TAMB0との差が
所定値αより大きいときは、運転者によりアクセルペダ
ル33の操作量が増加されたと判定して増減フラグXD
RCTMに増加を示す値0を代入し(ステップS18
0)、出力値TAMに現開度TAMB1を代入して(ス
テップS190)、本ルーチンを終了する。
【0032】以上説明したスロットル開度出力ルーチン
により関係付けられる現開度TAMB1と出力値TAM
との関係の一例を図6に示す。図示するように現開度T
AMB1が増加している間は、現開度TAMB1の値を
出力値TAMとする。現開度TAMB1が増加から減少
に変化すると、変化前の値より現開度TAMB1が所定
値βより小さくなるまで、出力値TAMは、変化前の値
で保たれる。現開度TAMB1が所定値βより小さくな
ると、現開度TAMB1の値を出力値TAMとする。現
開度TAMB1が増加から減少に変化し、減少量が所定
値βを越えずに再び現開度TAMB1が増加したときに
は、現開度TAMB1が増加から減少に変化する前の値
となるまで、出力値TAMは、その値で保たれ、その
後、現開度TAMB1の値を出力値TAMとする。
【0033】また、現開度TAMB1が減少している間
は、現開度TAMB1の値を出力値TAMとする。現開
度TAMB1が減少から増加に変化すると、変化前の値
より現開度TAMB1が所定値αより大きくなるまで、
出力値TAMは、変化前の値で保たれる。現開度TAM
B1が所定値αより大きくなると、現開度TAMB1の
値を出力値TAMとする。現開度TAMB1が減少から
増加に変化し、増加量が所定値αを越えずに再び現開度
TAMB1が減少したときには、現開度TAMB1が減
少から増加に変化したときの値となるまで、出力値TA
Mは、変化前の値で保たれ、その後、現開度TAMB1
の値を出力値TAMとする。
【0034】これらの動作を時系列的に例示したものを
図7に示す。エンジン11が起動されたときには、増減
フラグXDRCTMは、初期値として値0がセットされ
る。時間T1でアクセルペダル33が操作されてメイン
スロットルバルブ35の現開度TAMB1が増加する
と、出力値TAMには現開度TAMB1が代入され同じ
値を示す。時間T2で現開度TAMB1が微小量減少し
ても、減少量が所定値βを越えないので、増減フラグX
DRCTMはそのままの値0を保持し、出力値TAMは
減少しない。時間T3で現開度TAMB1が所定値βを
越えて減少すると、増減フラグXDRCTMには値1が
セットされ、出力値TAMには減少した現開度TAMB
1が代入される。この結果、メインスロットルバルブ3
5の開度として、直ちに、現開度TAMB1が出力され
る。
【0035】時間T4で現開度TAMB1が微小量増加
しても、増加量が所定値αを越えないので、増減フラグ
XDRCTMはそのままの値1を保持し、出力値TAM
は増加しない。時間T5で現開度TAMB1が微小量減
少すると、増減フラグXDRCTMは値1なので、所定
値βと比較されることなく、出力値TAMには減少した
現開度TAMB1が代入され同じ値を示す。時間T6で
現開度TAMB1が所定値αを越えて増加すると、増減
フラグXDRCTMには値0がセットされ、出力値TA
Mには、増加した現開度TAMB1が代入される。時間
T7で現開度TAMB1が微小量減少すると、時間T2
のときと同様に出力値TAMは減少しない。時間T8で
現開度TAMB1が増加すると、増減フラグXDRCT
Mは値0なので、所定値αと比較されることなく、出力
値TAMには増加した現開度TAMB1が代入され同じ
値を示す。時間T9で、現開度TAMB1が所定値βを
越えて減少すると、出力値TAMには減少した現開度T
AMB1が代入される。この結果、メインスロットルバ
ルブ35の開度は、現開度TAMB1に対応した値とし
て直ちに出力される。
【0036】次に、スロットルECU80で実行される
スロットル開度信号出力ルーチンについて、図8のフロ
ーチャートを用いて説明する。本ルーチンは、所定時間
(例えば、4[msec])毎に起動され、割り込み処
理として実行される。なお、本ルーチンのフローチャー
トは、図5に示したスロットル開度出力ルーチンのフロ
ーチャートと同じ形をしているので(ステップS200
ないしS290は、ステップS100ないしS190に
対応する。)、フローチャートに用いられた記号につい
て説明し、処理の流れについての説明は省略する。
【0037】現演算値UAMB1は、各種センサに基づ
いて予めROM73に記述された制御プログラムに従っ
てCPU72により演算されたサブスロットルバルブ3
7の開度の値である。現演算値UAMB1の演算には、
メインスロットルポジションセンサ64により検出され
るメインスロットルバルブ35の開度に基づいて演算さ
れるサブスロットルバルブ37の開度値K1と、変速機
13の許容トルク以上のトルクをエンジン11が発生し
ないようエンジン11の出力を抑制制御するために演算
されるサブスロットルバルブ37の開度値K2と、駆動
輪22,24の過度のスリップを抑制するために車速セ
ンサ50,各車輪回転速度センサ52,54,56,5
8により検出される車速および車輪回転速度に基づいて
演算されるサブスロットルバルブ37の開度値K3と、
車速センサ50,各車輪回転速度センサ52,54,5
6,58により検出される車速および車輪回転速度を介
して判断される路面状態に応じたアクセルコントロール
のために演算されるサブスロットルバルブ37の開度値
K4および変速機13の状態変化時のショック(いわゆ
る変速ショック)の低減のために演算されるサブスロッ
トルバルブ37の開度値K5などが用いられる。サブス
ロットルバルブ37の開度値K1ないしK5などの演算
手法およびこれらの開度値に基づく現演算値UAMB1
の演算手法の詳細については本発明の要部でないため説
明を省略する。
【0038】出力値UAMは、本ルーチンによりサブス
ロットルバルブ37の開度として出力される開度指示値
である。スロットルECU80は、この出力値UAMの
値に基づいてスロットルアクチュエータ39を駆動す
る。また、前演算値UAMB0は、現演算値UAMB1
の比較の対象として用いられる変数で、前回の出力値U
AMの値が代入される。実施例では、ステップS210
で前演算値UAMB0に出力値UAMを代入したが、サ
ブスロットルポジションセンサ66により検出されたサ
ブスロットルバルブ37の開度値を代入する構成であっ
てもよい。
【0039】増減フラグYDRCTMは、前回サブスロ
ットルバルブ37の開度値として出力した際のサブスロ
ットルバルブ37の開閉方向を示すフラグであり、サブ
スロットルバルブ37の開度値が開方向のときは値0が
代入され、閉方向のときは値1が代入される。また、エ
ンジン11の始動時には、図示しない初期化ルーチンに
て初期値として値0が代入される。
【0040】所定値γ(δ)は、サブスロットルバルブ
37の開度値が開方向から閉方向(閉方向から開方向)
に変化したときの不感帯として設定される値であり、サ
ブスロットルバルブ37の微小量の駆動を防止するもの
である。所定値γ(δ)は、スロットルアクチュエータ
39の駆動頻度や通信回線90における通信ノイズの大
きさなどにより設定される。この所定値γ(δ)は、一
定値として設定してもよく、サブスロットルバルブ37
の開度値に基づいて定まる値として設定してもかまわな
い。また、所定値γと所定値δとは、同じ値であっても
よく、異なる値であってもよい。
【0041】以上説明した実施例のスロットル弁制御装
置では、メインスロットルバルブ35の開度方向が逆方
向に変化したときの開度に対して不感帯を設けたので、
運転者の意思に反して生じる微小な操作量や、車両の振
動により生じる微小な操作量、電気的なノイズなどによ
るスロットルアクチュエータ39の微小な駆動を防止す
ることができる。また、サブスロットルバルブ37の開
度方向と逆方向となる演算値に対して、さらに不感帯を
設けたので、通信回線90における通信ノイズなどによ
るスロットルアクチュエータ39の微小な駆動を防止す
ることができる。したがって、スロットルアクチュエー
タ39を必要以上に駆動することがなく、耐久性を向上
することができる。
【0042】また、メインスロットルバルブ35の開度
方向と同方向の開度の変化に対しては不感帯がなく、サ
ブスロットルバルブ37の開度方向と同方向となる演算
値にも不感帯がないので、サブスロットルバルブ37の
応答性を高く保つことができる。
【0043】さらに、メインスロットルバルブ35の開
度として出力される出力値TAMは、不感帯部を除いて
メインスロットルバルブ35の開度の増減に関わりなく
1対1に対応しているので、出力値TAMに基づいたサ
ブスロットルバルブ37の制御を、運転者の意思に忠実
なものとすることができる。加えて、サブスロットルバ
ルブ37の開度として出力される出力値UAMは、ヒス
テリシスを持たず、不感帯部を除いてサブスロットルバ
ルブ37の開度と1対1に対応するので、優れた応答性
を得ることができる。
【0044】なお、実施例では、メインスロットルバル
ブ35とサブスロットルバルブ37を備え、メインスロ
ットルポジションセンサ64によりメインスロットルバ
ルブ35の開度を検出して、サブスロットルバルブ37
の開度を制御したが、図9に示すように、アクセルペダ
ル33にアクセルポジションセンサ62を設け、アクセ
ルポジションセンサ62の検出値によりメインスロット
ルバルブ35の開度を制御する構成も好適である。この
場合、図5のスロットル開度出力ルーチンのメインスロ
ットルバルブ35の開度は、アクセルポジションセンサ
62の検出値とする。このような構成とすれば、アクセ
ルペダル33とメインスロットルバルブ35とを機械的
に直接連結された通常のメインスロットルバルブ35の
応答性に近いものとすることができる。
【0045】また、実施例では、スロットルECU80
が、ECU70および通信回線90を介して各センサの
検出信号を入力し、スロットルアクチュエータ39を駆
動制御したが、図9に示すように、ECU70が、直接
スロットルアクチュエータ36を駆動制御する構成でも
差し支えない。
【0046】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、例えば、スロットルバルブの開度指示値を決定する
各種パラメータ自体の変化に対して不感帯を設ける構成
など、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々
なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載のスロ
ットル弁制御装置では、運転者の意思によらないアクセ
ルの微小な操作量や車両の振動,通信による電気的なノ
イズなどを除去することができる。したがって、スロッ
トル弁の駆動頻度を低くすることができ、駆動系の耐久
性を向上させることができる。しかも、スロットル弁の
開度指示値とスロットル弁の位置とが開度指示値の増減
方向にかかわらず1対1に対応しているので、運転者の
意思に対してスロットル弁の開度を忠実に制御すること
ができ、応答性を高く保つことができる。
【0048】また、請求項3記載のスロットル弁制御装
置では、開度指示値のみならず、これを決定するパラメ
ータの少なくとも一つに対しても不感帯を設けたので、
そのパラメータの値の微小な変化や通信による電気的な
ノイズなどを除去することができる。もとより、運転者
の意思によらないアクセルの微小な操作量や車両の振動
なども除去することができる。したがって、スロットル
弁の駆動頻度を低くすることができ、駆動系の耐久性を
向上させることができる。しかも、スロットル弁の開度
指示値とスロットル弁の位置とが開度指示値の増減方向
にかかわらず1対1に対応しているので、運転者の意思
に対してスロットル弁の開度を忠実に制御することがで
き、応答性を高く保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的構成を例示するブロック図であ
る。
【図2】本発明の一実施例に係る制御装置をFR方式の
自動車に適用した車両用システムを示す概略構成図であ
る。
【図3】ECU70を中心とした制御系の電気的な構成
を示すブロック図である。
【図4】スロットルECU80の電気的な構成を示すブ
ロック図である。
【図5】スロットルECU80のCPU82により実行
されるスロットル開度出力ルーチンを示すフローチャー
トである。
【図6】現開度TAMB1と出力値TAMの関係の一例
を示した説明図である。
【図7】現開度TAMB1と出力値TAMと増減フラグ
XDRCTMとの関係の一例を時系列的に示した説明図
である。
【図8】スロットルECU80のCPU82により実行
されるスロットル開度信号出力ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図9】本発明の他の実施例に係る制御装置をFR方式
の自動車に適用した車両用システムを示す概略構成図で
ある。
【符号の説明】
M1…駆動手段 M2…駆動方向記憶手段 M3…値保持手段 M4…駆動禁止手段 11…エンジン 13…変速機 14…プロペラシャフト 16…リアディファレンシャルギヤ 18…リアドライブシャフト 22…右後輪 24…左後輪 26…右前輪 28…左前輪 31…吸気管 33…アクセルペダル 35…メインスロットルバルブ 36…スロットルアクチュエータ 37…サブスロットルバルブ 39…スロットルアクチュエータ 50…車速センサ 52…右後輪回転速度センサ 54…左後輪回転速度センサ 56…右前輪回転速度センサ 58…左前輪回転速度センサ 60…クランク角センサ 63…アイドルスイッチ 64…メインスロットルポジションセンサ 66…サブスロットルポジションセンサ 70…ECU 71…マイクロプロセッサ 72…CPU 73…ROM 74…RAM 75…入力処理回路 76…出力処理回路 77…バックアップRAM 80…スロットルECU 81…1チップマイクロプロセッサ 82…CPU 83…ROM 84…RAM 85…通信処理回路 86…出力処理回路 90…通信回線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−290027(JP,A) 特開 昭63−154837(JP,A) 特開 平3−141833(JP,A) 特開 平1−257742(JP,A) 特開 昭62−3145(JP,A) 特開 昭63−239328(JP,A) 特開 昭61−171854(JP,A) 特開 平2−33424(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/20 310

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の吸入空気量を調整するスロッ
    トル弁の開度を制御する装置であって、 前記スロットル弁の開度を指示する開度指示値に1対1
    に対応した位置に、スロットル弁を駆動する駆動手段
    と、 前記スロットル弁の駆動方向を記憶する駆動方向記憶手
    段と、 前記開度指示値もしくは該開度指示値を決定するパラメ
    ータの値を保持する値保持手段と、 該値保持手段に保持された値と、これに対応する前記開
    度指示値の最新値もしくは前記パラメータの最新値とを
    比較し、該最新値に基づく前記スロットル弁の駆動方向
    が前記駆動方向記憶手段に記憶された方向と異なる場合
    には、該両者の偏差が所定値を越えるまでは、前記スロ
    ットル弁の駆動を禁止する駆動禁止手段とを備えたスロ
    ットル弁制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスロットル弁制御装置で
    あって、 前記駆動禁止手段は、前記偏差が前記スロットル弁の開
    度を増加する方向の偏差であるときは、前記所定値を第
    1の値とし、前記偏差が前記スロットル弁の開度を減少
    する方向の偏差であるときは、前記所定値を第1の値と
    異なる第2の値とする手段を備えるスロットル弁制御装
    置。
  3. 【請求項3】 内燃機関の吸入空気量を調整するスロッ
    トル弁の開度を制御する装置であって、 前記スロットル弁の開度を指示する開度指示値に1対1
    に対応した位置に、スロットル弁を駆動する駆動手段
    と、 該スロットル弁の駆動方向を記憶する駆動方向記憶手段
    と、 前記開度指示値を保持する開度指示値保持手段と、 該開度指示値を決定するパラメータの値を保持するパラ
    メータ値保持手段と、 該パラメータの増減方向を記憶する増減方向記憶手段
    と、 該パラメータの少なくともひとつについて、前記パラメ
    ータ値保持手段に保持された値と、該パラメータの最新
    値とを比較し、該最新値に基づく該パラメータの増減方
    向が前記増減方向記憶手段に記憶された増減の方向と異
    なる場合には、該両者の偏差が所定値を越えるまでは、
    該パラメータの更新を禁止する更新禁止手段と、 前記開度指示値保持手段に保持された開度指示値とその
    最新値とを比較し、該最新値に基づく前記スロットル弁
    の駆動方向が前記駆動方向記憶手段に記憶された方向と
    異なる場合には、該両者の偏差が所定値を越えるまで
    は、前記スロットル弁の駆動を禁止する駆動禁止手段と
    を備えたスロットル弁制御装置。
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