JP2993625B2 - 電子写真記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ファクシミリ装置、ペ
ージプリンタ装置および複写機などの電子写真記録方式
を用いた電子写真記録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、電子写真記録装置においては、例
えばレーザプリンタがあり、感光ドラムの外周面にレー
ザ光線を用いて記録パターンを描画して静電潜像を作
り、この静電潜像に微細な着色粒子であるトナーを帯電
させて付着させた後、感光ドラムのトナーを記録紙に転
写し、さらに、定着部にて記録紙に転写したトナーを加
熱定着させるようにしている。

【０００３】感光ドラムは、外周面の表面上にＯＰＣ
（Organic Photoconductor）感光体が形成されており、
この感光ドラムを帯電させた後、レーザ光線の照射によ
り感光体に静電潜像を形成し、この静電潜像の部分にト
ナーが付着する。そして、感光ドラムの外周面に記録紙
が密着した状態で、記録紙の裏面側から静電気を加える
ことにより、感光ドラムの外周面に付着しているトナー
が記録紙に転写される。

【０００４】ところで、感光ドラムの感光体は、記録動
作を行なう度に、感光体に行なわれる帯電、露光の繰り
返しにより、感光体の疲労を生じ、感光体の特性が劣化
したり、また、感光体と記録紙との摩擦によって磨耗が
生じ、この感光体の磨耗が進むと、前記と同様に感光体
の特性が劣化し、感光体へのトナーの付着量が少なくな
り、印刷濃度が薄くなったり印刷濃度むらが出るなど印
刷品質の低下が生じる。そのため、感光ドラムには、印
刷枚数が例えば10000 枚を交換時期の目安とする標準的
な使用寿命が存在する。

【０００５】従来の装置では、印刷した記録紙の枚数を
メモリでカウントし、このカウント値が寿命に相当する
枚数に達したら、装置のＬＥＤ表示器や液晶表示器など
で感光ドラムの交換時期を示す寿命表示を行ない、それ
以後の印刷動作を感光ドラムの交換がなされるまで禁止
するようにしている。

【０００６】そして、装置の利用者は、表示器による寿
命表示を見て感光ドラムの交換の必要性を確認し、取扱
い説明書に記載された交換手順を見ながら、感光ドラム
の交換を行なうとともに、前記メモリのカウントをクリ
アするなどの感光ドラムの交換に伴う操作も一緒に行な
う。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】従来の電子写真記録装
置では、感光ドラムが寿命に達した場合、表示器で寿命
表示を行なうだけであるため、寿命表示を見落としてし
まう場合があり、印刷品質が低下した状態のまま継続使
用されやすい問題がある。

【０００８】また、ファクシミリ装置などにおいては、
所定の通信件数ごとにジャーナルを印刷出力している
が、このジャーナルには、単に送信および受信の通信記
録が表示されているだけである。

【０００９】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、感光ドラムの交換の必要性を確実に伝えられる
電子写真記録装置を提供することを目的とするものであ
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
感光ドラムの外周面に記録パターンの静電潜像を形成し
てこの静電潜像にトナーを付着させ、感光ドラムの外周
面に付着したトナーを記録紙に転写する電子写真記録装
置において、前記感光ドラムが寿命に達したことを検知
する寿命検知手段と、この寿命検知手段にて前記感光ド
ラムが寿命に達したことを検知しているとき、寿命表示
をジャーナル表示と一緒に記録紙に記録出力させるジャ
ーナル出力手段とを備えたものである。

【００１１】

【作用】請求項１記載の発明では、ジャーナルを記録出
力する際、寿命検知手段にて感光ドラムが寿命に達した
ことを検知していたら、感光ドラムの交換の必要性を表
示する寿命表示をジャーナル表示と一緒に記録紙に記録
出力させる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の電子写真記録装置の一実施例
としてファクシミリ装置について図１ないし図４を参照
して説明する。

【００１３】図１において、１はファクシミリ装置全体
を制御するジャーナル出力手段としてのＣＰＵで、この
ＣＰＵ１に対し、バスライン２を介して、制御プログラ
ムなどを記憶したＲＯＭ３、各種データの随時書込み読
出可能なＲＡＭ４が接続されている。

【００１４】また、バスライン２には、ファクシミリ信
号などのデータ通信を処理するモデム５が接続されてい
る。このモデム５は、電話回線に対して電話回路側とフ
ァクシミリ回路（モデム５）側とを切換えるＮＣＵ６を
介して、電話回線に接続される。

【００１５】また、バスライン２には、送信原稿を読み
取るスキャナ７が読取コントローラ８を介して接続さ
れ、レーザプリンタ９がプリンタコントローラ10を介し
て接続され、スキャナ７の読取データを送信データに符
号化するとともに受信データを印刷データに復号化する
符号化復号化回路11が接続されている。

【００１６】さらに、バスライン２には、操作キーや表
示器を有するコントロールパネル12がキーコントローラ
13および表示コントローラ14を介して接続されている。

【００１７】前記ＲＡＭ４は、バックアップ電源用のバ
ッテリ15が接続されており、寿命検知手段としてのドラ
ムカウンタ16、ページカウンタ17およびジャーナルカウ
ンタ18を備えている。

【００１８】ドラムカウンタ16は、レーザプリンタ９の
感光ドラムの寿命の経過を検知する寿命検知手段として
機能し、レーザプリンタ９で１ページ印刷出力する毎に
カウントアップ（＋１）されて印刷枚数がカウントさ
れ、感光ドラムの交換時にクリアされる。

【００１９】ページカウンタ17は、レーザプリンタ９で
過去に印字した総枚数をカウントするカウンタであり、
１ページ印刷出力する毎にカウントアップ（＋１）さ
れ、感光ドラムを交換してもクリアされない。

【００２０】ジャーナルカウンタ18は、１通信（送信、
受信）毎にカウントアップ（＋１）され、例えば３０通
信毎にジャーナルがレーザプリンタ９で印刷出力され、
このジャーナルの出力時にクリアされる。

【００２１】前記ＣＰＵ１は、図３に示すように、ジャ
ーナルを印刷出力させるとともに、 ジャーナルの印刷出
力時にドラムカウンタ16のカウント値が感光ドラムの寿
命に相当する標準的な枚数（10000 枚）に達していた
ら、感光ドラムの交換の必要性を示す寿命表示Ｂと、感
光ドラムの交換手順や感光ドラムの交換に伴うドラムカ
ウンタ16のクリア手順などのテキスト表示Ｃとを、ジャ
ーナル表示Ａと一緒に印刷出力させるジャーナル出力手
段の機能を備えている。

【００２２】なお、ドラムカウンタ16のカウント値が感
光ドラムの寿命に相当する標準的な枚数（10000 枚）に
達しても、レーザプリンタ９は継続可動する。

【００２３】レーザプリンタ９は、感光ドラムの外周面
にレーザ光線を用いて記録パターンを描画して静電潜像
を作り、この静電潜像に微細な着色粒子であるトナーを
帯電させて付着させた後、感光ドラムのトナーを記録紙
に転写し、さらに、定着部にて記録紙に転写したトナー
を加熱定着させる。

【００２４】感光ドラムは、外周面の表面上にＯＰＣ
（Organic Photoconductor）感光体が形成されており、
レーザ光線が照射された感光体の部分が静電気を帯び、
その静電気を帯びた部分にトナーが帯電して付着する。
そして、感光ドラムの外周面に記録紙が密着した状態
で、記録紙の裏面側から静電気を加えることにより、感
光ドラムの外周面に付着しているトナーが記録紙に転写
される。

【００２５】また、ファクシミリ装置は、受信および送
信の他に、スキャナ７で読み取った原稿内容を印刷出力
するコピー機能も備えている。

【００２６】次に、本実施例の作用を図２のフローチャ
ートを参照して説明する。

【００２７】受信時においては、１ページ分を受信して
印刷出力する毎に、ドラムカウンタ16およびページカウ
ンタ17をカウントアップする（ステップ21，22，23）。
また、送信時においては、１ページずつ送信する（ステ
ップ24，25）。そして、受信または送信が終了すれば、
ジャーナルカウンタ18をカウントアップする（ステップ
26）。

【００２８】コピー時においては、１ページ分をコピー
印刷出力する毎に、ドラムカウンタ16およびページカウ
ンタ17をカウントアップする（ステップ27，28，29）。

【００２９】そして、ジャーナルカウンタ18のカウント
アップ後あるいはコピー終了後に、ジャーナルカウンタ
18が30通信目か判断する（ステップ30）。

【００３０】ジャーナルカウンタ18が30通信目以内であ
れば、動作を終了し、また、ジャーナルカウンタ18が30
通信目に達した場合には、ジャーナルカウンタ18をクリ
アし、ドラムカウンタ16の印刷枚数が10000 枚を越えた
か判断する（ステップ31，32）。

【００３１】ドラムカウンタ16の印刷枚数が10000 枚を
越えていなければ、レーザプリンタ９によってジャーナ
ルを印刷出力し、ドラムカウンタ16およびページカウン
タ17をカウントアップする（ステップ33，34）。ここで
印刷出力されるジャーナルは、図４に示すように、30通
信分の通信日付、通信開始時間、通信モード、通信先、
ページ数、通信時間、通信状況のジャーナル表示Ａのみ
が表示される。

【００３２】また、ドラムカウンタ16の印刷枚数が1000
0 枚を越えている場合には、レーザプリンタ９によって
ジャーナルを印刷出力し、ドラムカウンタ16およびペー
ジカウンタ17をカウントアップする（ステップ35，3
6）。ここで印刷出力されるジャーナルは、図３に示す
ように、ジャーナル表示Ａと、感光ドラムの交換の必要
性を示す寿命表示Ｂと、感光ドラムの交換手順や感光ド
ラムの交換に伴うドラムカウンタ16のクリア手順などの
テキスト表示Ｃとが表示される。

【００３３】そして、ファクシミリ装置の管理者は、印
刷出力されたジャーナルから寿命表示Ｂを見て感光ドラ
ムの交換の必要性を確認し、テキスト表示Ｃに記載され
た交換手順を見ながら、感光ドラムの交換を行なうとと
もに、ドラムカウンタ16をクリアする。

【００３４】なお、管理者がジャーナルを見て印刷品質
を確認し、印刷品質に特に問題がないと判断したなら
ば、感光ドラムの交換を行なわず、寿命に達した感光ド
ラムを継続使用することもできる。この場合、感光ドラ
ムを標準的な寿命よりも長く有効に使用することができ
る。しかも、今回の寿命に従わずに継続使用しても、次
のジャーナルの印刷出力時毎に同様の寿命表示Ｂおよび
テキスト表示Ｃが表示されるので、その都度、感光ドラ
ムの交換の必要性と交換手順を管理者に対して適切に伝
えることができる。

【００３５】このように、ジャーナルの印刷出力時に、
ドラムカウンタ16のカウント値が感光ドラムの寿命に相
当する標準的な枚数（10000 枚）に達していたら、寿命
表示Ｂおよびテキスト表示Ｃを一緒に表示するため、管
理者は、取扱い説明書を捜し出して見る必要はなく、テ
キスト表示Ｃに記載された交換手順にしたがって適切な
交換作業を行なえ、しかも、印刷品質に問題がなければ
管理者の判断によって感光ドラムを継続して標準的な寿
命よりも長く有効に使用することができる。

【００３６】なお、前記実施例では、レーザプリンタ９
を備えたファクシミリ装置について説明したが、プリン
タとしてはレーザ光線を用いたものに限られず、ＬＥＤ
を用いたプリンタ、蛍光ランプと液晶シャッタを用いた
プリンタなど、寿命のある感光体を用いた記録装置に適
用することができ、また、ファクシミリ装置にも限られ
ず、他の事務機器などに接続して用いられるプリンタ装
置や、複写機などにも適用することができる。

【００３７】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、ジャーナ
ルを記録出力する際、感光ドラムが寿命に達していた
ら、寿命表示をジャーナル表示と一緒に記録紙に記録出
力させるため、ジャーナル表示と一緒に感光ドラムの交
換の必要性を伝えられる。しかも、管理者の判断によっ
て感光ドラムを継続して寿命よりも長く有効に使用する
ようにしても、ジャーナルの記録出力毎に寿命表示を表
示して感光ドラムの交換の必要性を管理者に対して促す
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電子写真記録装置の一実施例を示すフ
ァクシミリ装置のブロック図である。

【図２】同上実施例のフローチャートである。

【図３】同上実施例の寿命表示およびテキスト表示を一
緒に表示したジャーナルの説明図である。

【図４】同上実施例の通常のジャーナルの説明図であ
る。

【符号の説明】

１ ジャーナル出力手段としてのＣＰＵ 16 寿命検知手段としてのドラムカウンタ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G03G 21/00 510 - 512 G03G 21/00 350 - 352 G03G 21/00 386 G03G 21/16 H04N 1/00 H04N 1/29

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 感光ドラムの外周面に記録パターンの静
   電潜像を形成してこの静電潜像にトナーを付着させ、感
   光ドラムの外周面に付着したトナーを記録紙に転写する
   電子写真記録装置において、 前記感光ドラムが寿命に達したことを検知する寿命検知
   手段と、 この寿命検知手段にて前記感光ドラムが寿命に達したこ
   とを検知しているとき、寿命表示をジャーナル表示と一
   緒に記録紙に記録出力させるジャーナル出力手段とを備
   えたことを特徴とする電子写真記録装置。