JP3945609B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機,ファクシミリ装置,印刷装置等の電子写真方式を用いる画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の画像形成装置は、帯電手段により帯電された感光体上に露光手段からの光ビームによって静電潜像を形成し、この静電潜像を現像手段によりトナーを付着させて顕像化し、さらに転写手段によって転写紙に前記顕像化したトナー像を転写させるように構成されている。
【0003】
画像形成装置において、帯電手段,現像手段,転写手段と感光体の電位差が所定電圧以上となると放電が発生し、この放電の発生により転写工程後にも感光体表面に残留するトナーが感光体の表面に融着や付着するフィルミングが発生する。このフィルミングが感光体表面に生じたことにより画像濃度や画質が低下し、また、付着や融着した残留トナーは放電量の増加に伴い増加する。
【0004】
これを防止するため、特開平11−84827号公報に記載される画像形成装置は、非画像形成時に帯電手段,現像手段,転写手段の少なくとも1つと感光体との電位差を、画像形成時の電位差未満に設定して、感光体表面との間の放電量を低減し、フィルミング量を低減することが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来例として説明した特開平11−84827号公報には、感光体上に発生するフィルミングを防止することが記載されている。しかしながら、このような構成の画像形成装置において、感光体と接触して回転している現像ローラの表面には、特に転写紙の画像形成領域以外の両端部に画像が存在しないような画像出力を続けると、両端部では画像が形成されることが少ないためにトナーが滞留しやすく、現像ローラの表面にフィルミングが生じてしまい画像に不具合が発生するという問題があった。
【0006】
本発明は、前記従来技術の問題を解決することに指向するものであり、現像ローラに生じるフィルミングを防止する画像形成装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、帯電された感光体上に光学系露光部からの光ビームによって形成された静電潜像を現像ローラによりトナーを付着させて顕像化し、転写ローラにより転写紙に顕像化したトナー像を転写させる電子写真方式の画像形成装置において、転写紙上にトナー像を出力させる現像ローラの画像形成領域以外の両端部にフィルミング防止用のパターン画像を形成させる手段と、転写紙の出力枚数を数える計数手段とを備え、計数手段の出力する転写紙の出力枚数に応じてフィルミング防止用のパターン画像が形成された転写紙を定期的に出力させることを特徴とする。
【0009】
また、画像形成装置において、転写紙上にトナー像を出力させる現像ローラの画像形成領域以外の両端部にフィルミング防止用のパターン画像を形成させる手段と、転写紙の出力枚数を数える計数手段と、転写紙の画像形成領域における黒字率の計測判定手段とを備え、計測判定手段の出力に応じてフィルミング防止用のパターン画像が形成された転写紙を出力させることを特徴とする。
【0010】
また、画像形成装置において、転写紙上にトナー像を出力させる現像ローラの画像形成領域以外の両端部にフィルミング防止用のパターン画像を形成させる手段と、転写紙の出力枚数を数える計数手段と、転写紙の画像形成領域における黒字率の計測判定手段と、両端部の副走査方向に任意の範囲で形成される複数のフィルミング防止用のパターン画像の中から1つを選択する手段とを備え、計測判定手段の出力に応じて選択されたフィルミング防止用のパターン画像が形成された転写紙を出力させることを特徴とする。
【0011】
また、前記フィルミング防止用のパターン画像として、転写紙の画像形成領域以外の両端部で副走査方向の全範囲に形成されるように構成したものである。
【0012】
前記構成によれば、転写紙上にトナー像を出力させる画像形成領域以外の両端部にフィルミング防止用のパターン画像を形成させて、転写紙の画像形成領域以外の位置に当たる現像ローラのフィルミングの発生を防止することができる。
【0013】
また、転写紙上の画像形成領域以外の両端部においてフィルミング防止用のパターン画像を形成し、転写紙の出力枚数に応じて定期的に出力することで、トナー像が形成された転写紙上にフィルミング防止用のパターン画像を出力することなく、フィルミングの発生を防止することができる。
【0014】
また、転写紙の画像形成領域における黒字率の計測判定手段の出力に応じて、フィルミング発生の危険性があるときに限りフィルミング防止用のパターン画像を形成した転写紙を出力することで、無駄な出力をすることなくフィルミングの発生を防止することができる。
【0015】
また、転写紙の画像形成領域における黒字率の計測判定手段の出力に応じて、フィルミング防止用のパターン画像が形成された複数の中から選択されたフィルミング防止用のパターン画像を出力することで、フィルミング発生の危険性の度合いに応じたより確実な防止を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の実施の形態1におけるプロセスカートリッジの概略構成を示す断面図である。図1において、1は現像ローラ、2は感光体、3は帯電ブラシローラ、4は転写ローラ、5は光ビーム、6は転写紙である。
【0019】
本実施の形態1のプロセスカートリッジは、帯電ブラシローラ3により感光体2を帯電させ、感光体2上に光学系露光部(図示せず)からの光ビーム5により静電潜像を形成する。トナータンク内のトナーはアジテータにより攪拌され補給ローラを介して現像ローラ1に送られ、感光体2と接触しながら回転して感光体2上にトナーを付着させ静電潜像の顕像化を行う。感光体2上の顕像化されたトナー像は感光体2と転写ローラ4との間に挟持,搬送されて転写紙6へ転写される。
【0020】
本実施の形態1では、転写紙6上におけるトナー像を出力する画像形成領域以外の両端部にフィルミングを防止するパターンを形成させて、現像ローラ1上に滞留したトナーを移動させる。これにより、特に転写紙6の画像形成領域以外の位置に当たる現像ローラ1に生じやすいフィルミングの発生を防止することができる。
【0021】
ここで、図2は画像形成領域以外の両端部にフィルミング防止のパターンが存在しないトナー像の出力枚数と画像劣化の相関関係を示すグラフであり、また、図3は両端部にパターンが存在しているトナー像の出力枚数と画像劣化の相関関係を示すグラフである。図2に示すように両端部にパターンが存在しないトナー像を出力し続けることにより、フィルミングが発生して画像劣化が起きてしまう。そこで、図3に示すように両端部にパターンが存在しているトナー像ではフィルミングの発生が抑えられて画像劣化は起きていない。
【0022】
図4は本実施の形態1におけるフィルミング防止用のパターン画像を示す図である。搬送方向(副走査方向)に対して両端部の角にフィルミング防止用のパターン画像7を配して、現像ローラの両端部に位置しているトナーを消費し、移動することでフィルミングの発生を防止する。なお、フィルミング防止用のパターン画像7は転写紙6の端部から約10mmから30mm程度の位置に存在していればよく、その副走査方向に対する位置及びパターン画像の内容は問わない。
【0023】
また、図5は本実施の形態1におけるフィルミング防止用のパターン画像を転写紙に設けるしおりと兼用させた例を示す図、図6はフィルミング防止用のパターン画像を転写紙に設けるセンターマークと兼用させた例を示す図、図7はフィルミング防止用のパターン画像を転写紙に設ける文書情報と兼用させた例を示す図である。
【0024】
図5に示すフィルミング防止用のパターン画像の例では、転写紙に設けるしおりと兼用するため同一文書(1受信文書や1ファイル文書)先頭ページに出力する。また、図6のパターン画像の例ではセンターマークと兼用するため全ページに出力する。さらに、図7のパターン画像の例では文書情報と兼用して全ページに出力する。その文書情報として、例えば、ファクシミリ装置で表示する発信者,発信者番号,発信日時,時刻等であり、印刷装置では、印刷ファイル名,文書ナンバー,ページ番号等の情報をフィルミング防止用のパターン画像と兼用して、その一部もしくは複数を組み合わせて出力する。
【0025】
このようにフィルミング防止用のパターン画像をしおり、センターマーク、文書情報と兼用させることで、フィルミングの発生を防止すると共にユーザの使い勝手を良くすることができる。
【0026】
図8は本発明の実施の形態2における画像形成装置の制御部のブロック図である。図8において、10は装置全体を制御するCPU、11はユーザなど外部からの入力指示を受ける操作部、12は装置の処理プログラムや設定値等が格納されるROM、13は、出力する画像データ等を一時的に格納し、ワークメモリとしても用いられるRAM、14は転写紙への画像出力を行うプロッタ部、15は出力画像管理部、16は、画像形成領域の主走査方向の形成範囲を示す黒字率を計測,記録して、その累積を判定する黒字率計測判定部、17は転写紙の出力枚数を数える出力枚数カウンタである。
【0027】
本実施の形態2として、図8に示すように、画像形成装置が転写紙へ画像出力を行うと、出力画像管理部15に設けられた計数手段である出力枚数カウンタ17によって、その転写紙の出力枚数のカウントが行われる。予め定められた枚数の転写紙が出力されると、出力画像管理部15からの信号に応じたCPU10の指示に従って、画像形成装置から図9に示すような画像形成領域以外の両端部で副走査方向の全範囲にフィルミング防止用のパターン画像が形成された転写紙を出力させる。
【0028】
このように本実施の形態2では、定期的に画像形成領域以外の両端部で副走査方向の全範囲にフィルミング防止用のパターン画像を形成した転写紙を出力させることによって、トナー像が形成された転写紙上にフィルミング防止用のパターン画像を出力することなく、ユーザに煩わしさを感じさせずに、フィルミングの防止を確実に行うことができる。
【0029】
次に、本発明の実施の形態3として、実施の形態2で説明した図8に示す出力画像管理部15の黒字率計測判定部16により、画像形成領域の主走査方向に対する形成範囲を示す黒字率の計測を行い、それを記録して、転写紙を出力した枚数に対応して計測した黒字率の累計を求めて、予め定められた黒字率と比較して判定を行う。この判定の結果、予め定められた黒字率より求めた累計値が低い場合には、図9に示すようなフィルミング防止用のパターン画像が形成された転写紙の出力を行う。
【0030】
このように本実施の形態3では、主走査方向に出力されるトナー像の形成範囲の黒字率を監視し、フィルミング発生の危険性があるときに限り、フィルミング防止用のパターン画像が形成された転写紙を出力させることによって、無駄な出力をすることなくフィルミングの発生を防止することができ、ユーザの使い勝手をより向上させることができる。
【0031】
次に、本発明の実施の形態4として、副走査方向に対して形成されるパターン画像の範囲を変化させた複数のフィルミング防止用のパターン画像を選択する手段を設けて構成する。図10に示すようなフィルミング防止用のパターン画像として形成した(1)パターン低,(2)パターン中,(3)パターン高 を選択する。この手段により、実施の形態3において説明したように、黒字率計測判定部は主走査方向に黒字率を計測し、それを記録し、複数枚出力した転写紙から計測した累積を求める。予め定められた黒字率との比較を行った結果、求めた黒字率の累積値の大きさに応じて、図10に示されている(1)パターン低〜(3)パターン高 の中から選択され出力が行われる。
【0032】
例えば、出力される転写紙の画像形成領域以外の部分が多くなる黒字率の累積値が低いときには、フィルミングが発生しやすいため、フルミング防止パターンは(3)パターン高 が選択され、逆に転写紙の略全体が画像形成領域となるような黒字率の累積値が高いときには、フィルミングが発生しにくいので、フルミング防止パターンとして(1)パターン低 が選択される。
【0033】
このように本実施の形態4では、出力される画像形成領域の主走査方向に対する黒字率の累積に応じて、複数の中から適したフィルミング防止用のパターン画像が選択されるので、フィルミング発生の危険性の度合いに応じたより確実なフィルミングの発生防止を行うことができる。
【0034】
なお、実施の形態1において説明した、フィルミング防止用のパターン画像をしおり,センターマーク,文書情報等と兼用することと併せて、実施の形態2〜4で説明したフィルミング防止用のパターン画像を出力するように構成しても良く、また、この組み合わせをユーザが任意に選択可能としても良い。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、転写紙上にトナー像を出力させる画像形成領域以外の両端部にフィルミング防止用のパターン画像を形成させて、転写紙の画像形成領域以外の位置に当たる現像ローラのフィルミングの発生を防止することができる。
【0036】
また、転写紙上の画像形成領域以外の両端部において副走査方向の全範囲にフィルミング防止用のパターン画像を形成し、転写紙の出力枚数に応じて定期的に出力することで、トナー像が形成された転写紙上にフィルミング防止用のパターン画像を出力することなく、ユーザに煩わしさを感じさせずにフィルミングの発生を防止することができる。
【0037】
また、転写紙の画像形成領域における黒字率の計測判定手段の出力に応じて、フィルミング発生の危険性があるときに限りフィルミング防止用のパターン画像を形成した転写紙を出力することで、無駄な出力をすることなくフィルミングの発生を防止することができる。
【0038】
また、転写紙の画像形成領域における黒字率の計測判定手段の出力に応じて、フィルミング防止用のパターン画像を複数形成された中から選択しパターン画像を出力することで、フィルミング発生の危険性の度合いに応じたより確実なフィルミングの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるプロセスカートリッジの概略構成を示す断面図
【図2】画像形成領域以外の両端部にフィルミング防止のパターンが存在しないトナー像の出力枚数と画像劣化の相関関係を示すグラフ
【図3】画像形成領域以外の両端部にフィルミング防止のパターンが存在しているトナー像の出力枚数と画像劣化の相関関係を示すグラフ
【図4】本発明の実施の形態1におけるフィルミング防止用のパターン画像を示す図
【図5】本発明の実施の形態1におけるフィルミング防止用のパターン画像を転写紙に設けるしおりと兼用させた例を示す図
【図6】本発明の実施の形態1におけるフィルミング防止用のパターン画像を転写紙に設けるセンターマークと兼用させた例を示す図
【図7】本発明の実施の形態1におけるフィルミング防止用のパターン画像を転写紙に設ける文書情報と兼用させた例を示す図
【図8】本発明の実施の形態2における画像形成装置の制御部のブロック図
【図9】本発明の実施の形態2における画像形成領域以外の両端部で副走査方向の全範囲にフィルミング防止用のパターン画像を示す図
【図10】本発明の実施の形態4におけるフィルミング防止用のパターン画像である(1)パターン低、(2)パターン中、(3)パターン高を示す図
【符号の説明】
1 現像ローラ
2 感光体
3 帯電ブラシローラ
4 転写ローラ
5 光ビーム
6 転写紙
7 フィルミング防止用のパターン画像
10 CPU
11 操作部
12 ROM
13 RAM
14 プロッタ部
15 出力画像管理部
16 黒字率計測判定部
17 出力枚数カウンタ

Claims (4)

  1. 帯電された感光体上に光学系露光部からの光ビームによって形成された静電潜像を現像ローラによりトナーを付着させて顕像化し、転写ローラにより転写紙に前記顕像化したトナー像を転写させる電子写真方式の画像形成装置において、
    前記転写紙上に前記トナー像を出力させる前記現像ローラの画像形成領域以外の両端部にフィルミング防止用のパターン画像を形成させる手段と、前記転写紙の出力枚数を数える計数手段とを備え、前記計数手段の出力する転写紙の出力枚数に応じてフィルミング防止用のパターン画像が形成された転写紙を定期的に出力させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 帯電された感光体上に光学系露光部からの光ビームによって形成された静電潜像を現像ローラによりトナーを付着させて顕像化し、転写ローラにより転写紙に前記顕像化したトナー像を転写させる電子写真方式の画像形成装置において、
    前記転写紙上に前記トナー像を出力させる前記現像ローラの画像形成領域以外の両端部にフィルミング防止用のパターン画像を形成させる手段と、前記転写紙の出力枚数を数える計数手段と、前記転写紙の画像形成領域における黒字率の計測判定手段とを備え、前記計測判定手段の出力に応じてフィルミング防止用のパターン画像が形成された転写紙を出力させることを特徴とする画像形成装置。
  3. 帯電された感光体上に光学系露光部からの光ビームによって形成された静電潜像を現像ローラによりトナーを付着させて顕像化し、転写ローラにより転写紙に前記顕像化したトナー像を転写させる電子写真方式の画像形成装置において、
    前記転写紙上に前記トナー像を出力させる前記現像ローラの画像形成領域以外の両端部にフィルミング防止用のパターン画像を形成させる手段と、前記転写紙の出力枚数を数える計数手段と、前記転写紙の画像形成領域における黒字率の計測判定手段と、前記両端部の副走査方向に任意の範囲で形成される複数のフィルミング防止用のパターン画像の中から1つを選択する手段とを備え、前記計測判定手段の出力に応じて選択されたフィルミング防止用のパターン画像が形成された転写紙を出力させることを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記フィルミング防止用のパターン画像として、転写紙の画像形成領域以外の両端部で副走査方向の全範囲に形成されることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
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