JP2991091B2 - 薄膜トランスおよびその製造方法 - Google Patents
薄膜トランスおよびその製造方法Info
- Publication number
- JP2991091B2 JP2991091B2 JP7252599A JP25259995A JP2991091B2 JP 2991091 B2 JP2991091 B2 JP 2991091B2 JP 7252599 A JP7252599 A JP 7252599A JP 25259995 A JP25259995 A JP 25259995A JP 2991091 B2 JP2991091 B2 JP 2991091B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic
- primary
- thin film
- substrate
- coil
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Soft Magnetic Materials (AREA)
- Thin Magnetic Films (AREA)
- Coils Or Transformers For Communication (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、携帯用無線機
等に利用されるDC−DCコンバータに用いられる薄膜
トランスおよびその製造方法に関する。
等に利用されるDC−DCコンバータに用いられる薄膜
トランスおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高度情報化社会の進展および、マ
ルチメディア時代の到来に伴い、パーソナル用途のポー
タブル電子機器の普及が進展してきている。このような
ポータブル電子機器は一般に電力源として電池を内蔵し
ている。その電池電圧はそのままデバイスに供給される
こともあるが、デバイスが必要とする電源電圧と異なる
場合には、DC−DCコンバータ等によって適切な電圧
に変換されそれぞれのデバイスに供給される。DC−D
Cコンバータは、入力直流電圧を半導体スイッチによっ
て断続的に制御し安定した所望の出力電圧を得ることを
目的とするもので、その主要部品としてトランスが重要
な役割を果たしており、スイッチング周波数を高くすれ
ばするほどその小型化が図れる。このような電源として
要求される特性は、小型、軽量、等であるため、これら
の要求に合致するトランスとして薄膜のトランスが採用
されつつある。薄膜のトランスは、図5に示すように、
磁性体基板13上に一次用の薄膜コイル1および二次用
の薄膜コイル6や薄膜磁性体コア12を形成するもの
で、上記要求を満たすものである。
ルチメディア時代の到来に伴い、パーソナル用途のポー
タブル電子機器の普及が進展してきている。このような
ポータブル電子機器は一般に電力源として電池を内蔵し
ている。その電池電圧はそのままデバイスに供給される
こともあるが、デバイスが必要とする電源電圧と異なる
場合には、DC−DCコンバータ等によって適切な電圧
に変換されそれぞれのデバイスに供給される。DC−D
Cコンバータは、入力直流電圧を半導体スイッチによっ
て断続的に制御し安定した所望の出力電圧を得ることを
目的とするもので、その主要部品としてトランスが重要
な役割を果たしており、スイッチング周波数を高くすれ
ばするほどその小型化が図れる。このような電源として
要求される特性は、小型、軽量、等であるため、これら
の要求に合致するトランスとして薄膜のトランスが採用
されつつある。薄膜のトランスは、図5に示すように、
磁性体基板13上に一次用の薄膜コイル1および二次用
の薄膜コイル6や薄膜磁性体コア12を形成するもの
で、上記要求を満たすものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の薄膜ト
ランスであっても今日では、さらなる小型化が要求され
るようになり、従来の薄膜トランスでは十分な特性が得
られなくなってきた。即ち、磁芯が全てパーマロイ等の
磁性薄膜で形成されるため十分な量の電流,即ち、磁束
をそこに通すことが出来ず磁芯が飽和してしまうという
問題があった。また、すべての磁芯を磁性薄膜で形成し
ようとすると、複雑なウェハプロセスを採用しなければ
ならないため、工程が複雑化しコストアップを招くとい
う問題があった。
ランスであっても今日では、さらなる小型化が要求され
るようになり、従来の薄膜トランスでは十分な特性が得
られなくなってきた。即ち、磁芯が全てパーマロイ等の
磁性薄膜で形成されるため十分な量の電流,即ち、磁束
をそこに通すことが出来ず磁芯が飽和してしまうという
問題があった。また、すべての磁芯を磁性薄膜で形成し
ようとすると、複雑なウェハプロセスを採用しなければ
ならないため、工程が複雑化しコストアップを招くとい
う問題があった。
【0004】上記課題を解決すべく本発明では、磁性基
板の表面に形成された一次コイル用の磁芯と二次コイル
用の磁芯と、これら、一次コイル用および二次コイル用
磁芯にスパイラル状に形成される一次用および二次用の
薄膜コイルと、上記、一次用および二次コイル用磁芯上
に被着して配される上側磁性基板と、からなる薄膜トラ
ンスにおいて、前記磁性基板が非磁性基板上に形成され
たFeTaN合金膜で形成されたことを特徴とする薄膜
トランス。前記上側磁性基板が非磁性基板上に形成され
たFeTaN合金膜で形成されたことを特徴とする上記
の薄膜トランス。前記磁性基板上に形成される一次用ま
たは/および二次コイル用磁芯がFeTaN合金膜で形
成されたことを特徴とする上記の薄膜トランス。前記一
次用および二次コイル用磁芯上に形成される上側磁性基
板がペルヒドロポリシラザンによって被着されたことを
特徴とする上記の薄膜トランス。磁性基板の表面に磁性
薄膜からなる一次コイル用および二次コイル用磁芯を形
成する工程と、これら一次コイル用および二次コイル用
磁芯のそれぞれにスパイラル状に薄膜コイルを形成する
工程と、上記一次用および二次用磁芯の上に上側磁性基
板を接着剤で貼り付ける工程と、からなる薄膜トランス
の製造方法。磁性基板の表面にスパイラル状に一次用お
よび二次用の薄膜コイルを形成する工程と、上記一次用
および二次用の薄膜コイルが形成された磁性基板上に磁
性粉末を含む接着剤を塗布する工程と、これら一次用お
よび二次用の薄膜コイル上に上側磁性基板を配する工程
と、この上側磁性基板が配されたものを加熱し前記接着
剤を固化し前記一次用および二次用のスパイラル状コイ
ルの中心部の前記接着剤により磁芯を形成する工程と、
からなる薄膜トランスの製造方法。を提供する。 さら
に、チップ状保護ケースを具備する薄膜トランスであっ
て、この薄膜トランスは、磁性基板の表面に形成された
一次コイル用磁芯と二次コイル用磁芯と、これらの一次
コイル用および二次コイル用磁芯にスパイラル状に形成
される一次用および二次用の薄膜コイルと、この薄膜コ
イルの端部に設けられるバンプ状電極である端子部と、
上記、一次用および二次コイル用磁芯上に被着して配さ
れる上側磁性基板とからなり、前記バンプ状電極が前記
チップ状保護ケースの外部接続電極に直接的に接続され
ている薄膜トランス。前記チップ状保護ケースは、外部
接続電極を有するケース底板部と、薄膜トランスが形成
された面を前記ケース底板部に向けて電気的に接続され
貼り合わされた前記磁性基板であるケース上板部と、か
らなることを特徴とする上記の薄膜トランス。前記ケー
ス底板部が、セラミクス基板からなることを特徴とする
上記の薄膜トランス。前記チップ状保護ケースを具備す
る薄膜トランスの製造方法であって、磁性基板の表面に
一次コイル用磁芯と二次コイル用磁芯とを形成する工程
と、これらの一次コイル用および二次コイル用磁芯にス
パイラル状に一次用および二次用の薄膜コイルと、この
薄膜コイルの端部に設けられるバンプ状電極である端子
部とを形成する工程と、上記、一次用および二次コイル
用磁芯上に上側磁性基板を形成する工程と、前記バンプ
状電極を前記チップ状保護ケースの外部接続電極に直接
的に加熱圧着により接続する工程と、からなる薄膜トラ
ンスの製造方法。をも提供する。
板の表面に形成された一次コイル用の磁芯と二次コイル
用の磁芯と、これら、一次コイル用および二次コイル用
磁芯にスパイラル状に形成される一次用および二次用の
薄膜コイルと、上記、一次用および二次コイル用磁芯上
に被着して配される上側磁性基板と、からなる薄膜トラ
ンスにおいて、前記磁性基板が非磁性基板上に形成され
たFeTaN合金膜で形成されたことを特徴とする薄膜
トランス。前記上側磁性基板が非磁性基板上に形成され
たFeTaN合金膜で形成されたことを特徴とする上記
の薄膜トランス。前記磁性基板上に形成される一次用ま
たは/および二次コイル用磁芯がFeTaN合金膜で形
成されたことを特徴とする上記の薄膜トランス。前記一
次用および二次コイル用磁芯上に形成される上側磁性基
板がペルヒドロポリシラザンによって被着されたことを
特徴とする上記の薄膜トランス。磁性基板の表面に磁性
薄膜からなる一次コイル用および二次コイル用磁芯を形
成する工程と、これら一次コイル用および二次コイル用
磁芯のそれぞれにスパイラル状に薄膜コイルを形成する
工程と、上記一次用および二次用磁芯の上に上側磁性基
板を接着剤で貼り付ける工程と、からなる薄膜トランス
の製造方法。磁性基板の表面にスパイラル状に一次用お
よび二次用の薄膜コイルを形成する工程と、上記一次用
および二次用の薄膜コイルが形成された磁性基板上に磁
性粉末を含む接着剤を塗布する工程と、これら一次用お
よび二次用の薄膜コイル上に上側磁性基板を配する工程
と、この上側磁性基板が配されたものを加熱し前記接着
剤を固化し前記一次用および二次用のスパイラル状コイ
ルの中心部の前記接着剤により磁芯を形成する工程と、
からなる薄膜トランスの製造方法。を提供する。 さら
に、チップ状保護ケースを具備する薄膜トランスであっ
て、この薄膜トランスは、磁性基板の表面に形成された
一次コイル用磁芯と二次コイル用磁芯と、これらの一次
コイル用および二次コイル用磁芯にスパイラル状に形成
される一次用および二次用の薄膜コイルと、この薄膜コ
イルの端部に設けられるバンプ状電極である端子部と、
上記、一次用および二次コイル用磁芯上に被着して配さ
れる上側磁性基板とからなり、前記バンプ状電極が前記
チップ状保護ケースの外部接続電極に直接的に接続され
ている薄膜トランス。前記チップ状保護ケースは、外部
接続電極を有するケース底板部と、薄膜トランスが形成
された面を前記ケース底板部に向けて電気的に接続され
貼り合わされた前記磁性基板であるケース上板部と、か
らなることを特徴とする上記の薄膜トランス。前記ケー
ス底板部が、セラミクス基板からなることを特徴とする
上記の薄膜トランス。前記チップ状保護ケースを具備す
る薄膜トランスの製造方法であって、磁性基板の表面に
一次コイル用磁芯と二次コイル用磁芯とを形成する工程
と、これらの一次コイル用および二次コイル用磁芯にス
パイラル状に一次用および二次用の薄膜コイルと、この
薄膜コイルの端部に設けられるバンプ状電極である端子
部とを形成する工程と、上記、一次用および二次コイル
用磁芯上に上側磁性基板を形成する工程と、前記バンプ
状電極を前記チップ状保護ケースの外部接続電極に直接
的に加熱圧着により接続する工程と、からなる薄膜トラ
ンスの製造方法。をも提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の薄膜トランスを、図1お
よび図3を用いて説明する。薄膜トランスは、磁性フェ
ライト,例えばNi−Znフェライト等の磁性基板3上
に、薄膜工程と機械工程とによって形成される。薄膜工
程で形成される部分としては、まず磁性フェライト基板
等の磁性基板3上に磁芯2,15となる磁性薄膜を形成
する[図3(a)]。この磁芯2,15はトランスの一
次用のものと二次用のものがそれぞれ所定の位置に形成
される。この磁芯2,15は飽和磁束密度の高いものを
採用する必要があり、FeTaN合金を用いるのがよ
い。そして、このそれぞれの磁芯2,15ごとにスパイ
ラル状に薄膜コイル1,6やコイル電極16を薄膜工程
を用いて形成する[図3(b)]。薄膜工程で製造され
るコイルは極めてその製造精度を高くすることが出来る
ので、コイルの実装密度を向上するのに適している。そ
して、機械工程として上側磁性基板4としてのフェライ
ト等の基板を、この上に接着剤5により貼り付ける[図
3(c)]。このようにフェライト基板を採用するのは
磁気飽和の問題を解決するためで、フェライト等の磁性
基板ではその断面積を十分大きく取れるので、この部分
を磁性薄膜で形成するより十分大きな磁束を流すことが
出来る。さらに、この部分を磁性フェライトとすること
によるメリットとして、この部分の製造を機械工程で出
来るため作業が簡単で、従来薄膜で形成していたものに
比較して、歩留まりが向上して製品の信頼性が向上する
というメリットもある。
よび図3を用いて説明する。薄膜トランスは、磁性フェ
ライト,例えばNi−Znフェライト等の磁性基板3上
に、薄膜工程と機械工程とによって形成される。薄膜工
程で形成される部分としては、まず磁性フェライト基板
等の磁性基板3上に磁芯2,15となる磁性薄膜を形成
する[図3(a)]。この磁芯2,15はトランスの一
次用のものと二次用のものがそれぞれ所定の位置に形成
される。この磁芯2,15は飽和磁束密度の高いものを
採用する必要があり、FeTaN合金を用いるのがよ
い。そして、このそれぞれの磁芯2,15ごとにスパイ
ラル状に薄膜コイル1,6やコイル電極16を薄膜工程
を用いて形成する[図3(b)]。薄膜工程で製造され
るコイルは極めてその製造精度を高くすることが出来る
ので、コイルの実装密度を向上するのに適している。そ
して、機械工程として上側磁性基板4としてのフェライ
ト等の基板を、この上に接着剤5により貼り付ける[図
3(c)]。このようにフェライト基板を採用するのは
磁気飽和の問題を解決するためで、フェライト等の磁性
基板ではその断面積を十分大きく取れるので、この部分
を磁性薄膜で形成するより十分大きな磁束を流すことが
出来る。さらに、この部分を磁性フェライトとすること
によるメリットとして、この部分の製造を機械工程で出
来るため作業が簡単で、従来薄膜で形成していたものに
比較して、歩留まりが向上して製品の信頼性が向上する
というメリットもある。
【0006】本願の他の発明では、磁芯部分をも薄膜で
形成することはせず、上側基板を貼り付ける際に用いて
いた接着剤5に磁性粉を混入して、これを固化し磁芯と
して機能させるので、さらに工程が簡略化して製品の信
頼性が向上する。混入する磁性粉としては軟磁性のもの
でかつ飽和磁束密度の大きいものが好ましい。
形成することはせず、上側基板を貼り付ける際に用いて
いた接着剤5に磁性粉を混入して、これを固化し磁芯と
して機能させるので、さらに工程が簡略化して製品の信
頼性が向上する。混入する磁性粉としては軟磁性のもの
でかつ飽和磁束密度の大きいものが好ましい。
【0007】本願のさらに他の発明は、磁性基板や上側
の磁性基板として、非磁性基板上に形成されたFeTa
N合金膜を用いるので、工程を簡略化すると同時に、飽
和磁束密度をさらに向上して薄膜トランスの効率を上げ
ることが出来る。
の磁性基板として、非磁性基板上に形成されたFeTa
N合金膜を用いるので、工程を簡略化すると同時に、飽
和磁束密度をさらに向上して薄膜トランスの効率を上げ
ることが出来る。
【0008】図3は、図1に示す本発明の薄膜トランス
の製造方法を示す各工程での断面図で、まず、磁性基板
3の上の所定位置に一次コイル用および二次コイル用の
磁芯2,15を形成する(a)。次に、前記一次コイル
用磁芯2の周りに本願の発明に用いられるフェライト基
板は、その厚さが高々1mm以下なので十分に小型化が
可能であるし、また、その特性は全てを薄膜で形成して
いた従来のものより優れ、かつ安価に作成することが出
来る。また、コイルは必ずしも単層のものに限定され
ず、二層以上のものであってもよい。さらに、磁性基板
や上側磁性基板は、図2に示すように、磁性フェライト
(3,4)上にFeTaN合金膜7を形成したものを用
いてもよい。さらに、上側基板を磁性基板上に貼り付け
る接着剤としてペルヒドロポリシラザンを用いた場合に
は、従来用いられてきた有機系接着剤と異なり高温度で
も変質しないので、磁性材料の特性を向上するために上
側磁性基板を形成した後で高温度でアニールすることが
出来る。上側磁性基板として例えば、FeTaN合金膜
や、センダストのような材料を用いる場合にはアニール
が必須の条件となり、特にこの発明は大きな効果を有す
る。また、本発明は、図4に示すように、薄膜トランス
をケース似入れて保護する形態としたので、薄膜トラン
スの耐環境性が向上すると共に、電極をバンプ電極9と
してケース底板部8に設けられた外部電極10に直接的
に接続するようにしたので、従来のようにケーシングの
際にワイヤボンディングする必要がなく、製造が極めて
容易になると共に、製品としての信頼性が向上する。ま
た、ケース底板部8としてセラミクス基板を用いるの
で、機械的強度に優れ、耐衝撃性が極めて良好になる。
さらに、機械的強度に優れるため、薄膜トランスを電子
部品としてプリント基板等に挿入する際に、いわゆる自
動機による機械的なチップ挿入が可能となり、工数のさ
らなる削減が可能となる。
の製造方法を示す各工程での断面図で、まず、磁性基板
3の上の所定位置に一次コイル用および二次コイル用の
磁芯2,15を形成する(a)。次に、前記一次コイル
用磁芯2の周りに本願の発明に用いられるフェライト基
板は、その厚さが高々1mm以下なので十分に小型化が
可能であるし、また、その特性は全てを薄膜で形成して
いた従来のものより優れ、かつ安価に作成することが出
来る。また、コイルは必ずしも単層のものに限定され
ず、二層以上のものであってもよい。さらに、磁性基板
や上側磁性基板は、図2に示すように、磁性フェライト
(3,4)上にFeTaN合金膜7を形成したものを用
いてもよい。さらに、上側基板を磁性基板上に貼り付け
る接着剤としてペルヒドロポリシラザンを用いた場合に
は、従来用いられてきた有機系接着剤と異なり高温度で
も変質しないので、磁性材料の特性を向上するために上
側磁性基板を形成した後で高温度でアニールすることが
出来る。上側磁性基板として例えば、FeTaN合金膜
や、センダストのような材料を用いる場合にはアニール
が必須の条件となり、特にこの発明は大きな効果を有す
る。また、本発明は、図4に示すように、薄膜トランス
をケース似入れて保護する形態としたので、薄膜トラン
スの耐環境性が向上すると共に、電極をバンプ電極9と
してケース底板部8に設けられた外部電極10に直接的
に接続するようにしたので、従来のようにケーシングの
際にワイヤボンディングする必要がなく、製造が極めて
容易になると共に、製品としての信頼性が向上する。ま
た、ケース底板部8としてセラミクス基板を用いるの
で、機械的強度に優れ、耐衝撃性が極めて良好になる。
さらに、機械的強度に優れるため、薄膜トランスを電子
部品としてプリント基板等に挿入する際に、いわゆる自
動機による機械的なチップ挿入が可能となり、工数のさ
らなる削減が可能となる。
【0009】
【発明の効果】以上のように、この発明の薄膜トランス
は、従来のものに比較して飽和磁束密度を高く出来るの
で、高効率のコンバータを実現でき、また、従来のもの
に比較して一部に機械的製造工程を採用したので、製造
が容易となり製造歩留まりが向上して、信頼性の大きな
コンバータを実現できる。また、磁芯を接着剤を固化す
ることによって形成することにしたので、わざわざ磁芯
を薄膜工程を用いて製造する必要がなく、さらに製造の
容易化が図れる。また、ケースに挿入して保護するの
で、耐環境性や耐衝撃性に優れ、チップ部品として取り
扱えるというメリットがある。以上のようであるので、
この発明のコンバータは益々小型化、軽量化、高効率化
が要求される薄膜トランスとして最適な薄膜トランスを
実現できる。
は、従来のものに比較して飽和磁束密度を高く出来るの
で、高効率のコンバータを実現でき、また、従来のもの
に比較して一部に機械的製造工程を採用したので、製造
が容易となり製造歩留まりが向上して、信頼性の大きな
コンバータを実現できる。また、磁芯を接着剤を固化す
ることによって形成することにしたので、わざわざ磁芯
を薄膜工程を用いて製造する必要がなく、さらに製造の
容易化が図れる。また、ケースに挿入して保護するの
で、耐環境性や耐衝撃性に優れ、チップ部品として取り
扱えるというメリットがある。以上のようであるので、
この発明のコンバータは益々小型化、軽量化、高効率化
が要求される薄膜トランスとして最適な薄膜トランスを
実現できる。
【図1】 本発明の薄膜トランスを示す断面図
【図2】 本発明の他の薄膜トランスを示す断面図
【図3】 本発明の薄膜トランスの製造方法を示す各工
程での断面図
程での断面図
【図4】 本発明のケース挿入された薄膜トランスを示
す図(コイル等は省略)
す図(コイル等は省略)
【図5】 従来の薄膜トランスを示す断面図
1 一次用の薄膜コイル 2 一次コイル用磁芯 3 磁性基板 4 上側磁性基板 5 接着剤 6 二次用の薄膜コイル 7 FeTaN合金膜 8 ケース底板部 9 バンプ電極 10 外部電極 14 チップ状保護ケース 15 二次コイル用磁芯
Claims (10)
- 【請求項1】磁性基板の表面に形成された一次コイル用
磁芯と二次コイル用磁芯と、これら、一次コイル用およ
び二次コイル用磁芯にスパイラル状に形成される一次用
および二次用の薄膜コイルと、上記、一次用および二次
コイル用の磁芯上に被着して配される上側磁性基板と、
からなる薄膜トランスにおいて、 前記磁性基板が非磁性基板上に形成されたFeTaN合
金膜であることを特徴とする薄膜トランス。 - 【請求項2】前記上側磁性基板が非磁性基板上に形成さ
れたFeTaN合金膜で形成されたことを特徴とする請
求項1記載の薄膜トランス。 - 【請求項3】前記磁性基板上に形成される一次用または
/および二次コイル用磁芯がFeTaN合金膜で形成さ
れたことを特徴とする請求項1記載の薄膜トランス。 - 【請求項4】前記一次用および二次コイル用磁芯上に形
成される上側磁性基板がペルヒドロポシラザンによって
被着されたことを特徴とする請求項1記載の薄膜トラン
ス。 - 【請求項5】前記磁性基板の表面に磁性薄膜からなる一
次コイル用および二次コイル用磁芯を形成する工程と、
これら一次コイル用および二次コイル用磁芯のそれぞれ
にスパイラル状に薄膜コイルを形成する工程と、上記一
次用および二次用磁芯の上に上側磁性基板を接着剤で貼
り付ける工程と、からなる薄膜トランスの製造方法。 - 【請求項6】磁性基板の表面にスパイラル状に一次用お
よび二次用の薄膜コイルを形成する工程と、 上記一次用および二次用の薄膜コイルが形成された磁性
基板上に磁性粉末を含む接着剤を塗布する工程と、これ
ら一次用および二次コイル用の薄膜コイルの上に上側磁
性基板を配する工程と、この上側磁性基板が配されたも
のを加熱し前記接 着剤を固化し前記一次用および二次用
のスパイラル状コイルの中心部の前記接着剤により磁芯
を形成する工程と、からなる薄膜トランスの製造方法。 - 【請求項7】チップ保護ケースを具備する薄膜トランス
であって、この薄膜トランスは、磁性基板の表面に形成
された一次コイル用の磁芯と二次コイル用の磁芯と、こ
れらの一次コイル用および二次コイル用磁芯にスパイラ
ル状に形成される一次用および二次用の薄膜コイルと、
この薄膜コイルの端部に設けられるバンプ状電極である
端子部と、上記、一次用および二次コイル用の磁芯上に
被着して配される上側磁性基板とからなり、前記バンプ
状電極が前記チップ状保護ケースの外部接続電極に直接
的に接続されている薄膜トランス。 - 【請求項8】前記チップ状保護ケースは外部接続電極を
有するケース底板部と、薄膜トランスが形成された面を
前記ケース底板部に向けて電気的に接続され貼り合わさ
れた前記磁性基板であるケース上板部と、からなること
を特徴とする請求項7記載の薄膜トランス。 - 【請求項9】前記ケース底板部がセラミクス基板からな
ることを特徴とする請求項8記載の薄膜トランス。 - 【請求項10】前記チップ状保護ケースを具備する薄膜
トランスの製造方法であって、磁性基板の表面に一次コ
イル用磁芯と二次コイル用磁芯とを形成する工程と、こ
れらの一次コイル用および二次コイル用磁芯にスパイラ
ル状に一次用および二次用の薄膜コイルと、この薄膜コ
イルの端部に設けられるバンプ状電極である端子部とを
形成する工程と、上記、一次用および二次コイル用磁芯
上に上側磁性基板を形成する工程と、前記バンプ状電極
を前記チップ状保護ケースの外部接続電極に直接的に加
熱圧着により接続する工程と、からなる薄膜トランスの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7252599A JP2991091B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 薄膜トランスおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7252599A JP2991091B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 薄膜トランスおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0997718A JPH0997718A (ja) | 1997-04-08 |
JP2991091B2 true JP2991091B2 (ja) | 1999-12-20 |
Family
ID=17239615
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7252599A Expired - Lifetime JP2991091B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 薄膜トランスおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2991091B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6835576B2 (en) | 2000-05-02 | 2004-12-28 | Fuji Electric Co., Ltd. | Magnetic thin film, a magnetic component that uses this magnetic thin film, manufacturing methods for the same, and a power conversion device |
JP4043306B2 (ja) * | 2002-07-15 | 2008-02-06 | Jfeスチール株式会社 | 平面磁気素子 |
JP4498888B2 (ja) * | 2004-10-28 | 2010-07-07 | Jfeミネラル株式会社 | 平面磁気素子 |
JP2015018862A (ja) * | 2013-07-09 | 2015-01-29 | 富士通株式会社 | 2重螺旋構造電子部品、2重螺旋構造電子部品の製造方法及び多機能シート |
-
1995
- 1995-09-29 JP JP7252599A patent/JP2991091B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0997718A (ja) | 1997-04-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5115691B2 (ja) | コイル装置、及びコイル装置の製造方法 | |
JP2010205905A (ja) | 磁気部品および磁気部品の製造方法 | |
US5604383A (en) | Stabilized power supply device using a flip chip as an active component | |
JP2007250924A (ja) | インダクタ素子とその製造方法、並びにインダクタ素子を用いた半導体モジュール | |
JP2004274004A (ja) | 超小型電力変換装置 | |
US20080309443A1 (en) | Inductor and method for producing it | |
US20040179383A1 (en) | Micro power converter with multiple outputs | |
JP4685356B2 (ja) | 磁電変換素子及びその製造方法 | |
JP2002501678A (ja) | インダクタンス素子 | |
JP5082675B2 (ja) | インダクタおよびインダクタの製造方法 | |
JP4682606B2 (ja) | インダクタンス素子及びその製造方法、並びに配線基板 | |
JPWO2010087407A1 (ja) | 半導体装置及び電源回路 | |
JPH05291063A (ja) | 磁気誘導素子 | |
JP3152088B2 (ja) | コイル部品の製造方法 | |
JP2004072815A (ja) | 超小型電力変換装置およびその製造方法 | |
JP3628579B2 (ja) | 平面磁気素子およびスイッチング電源 | |
JP2003173921A (ja) | 非接触充電器用の平面磁気素子 | |
JP2991091B2 (ja) | 薄膜トランスおよびその製造方法 | |
JP2005109173A (ja) | 非接触充電器用平面磁気素子 | |
JP2003257744A (ja) | 磁性素子及びその製造方法並びにそれを用いた電源モジュール | |
JP3450140B2 (ja) | チップインダクタ | |
JP2004111552A (ja) | 平面磁気素子およびその製造方法と小型電源モジュール | |
JP2005123383A (ja) | 磁電変換素子 | |
JP2013045928A (ja) | 巻線型インダクタ及びその製造方法 | |
TWI258848B (en) | Packaging structure and relative manufacturing method for passive component |