JP2991054B2 - シアネート化合物の製造方法 - Google Patents

シアネート化合物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子部品の封止用、積層
板用、複合材料用、成形材料用および接着剤用として有
用なシアネート化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シアネート化合物の製法として
は、対応するヒドロキシ化合物にハロゲン化シアンと塩
基を、常にハロゲン化シアンが塩基に対して過剰になる
ように反応させる方法(米国特許3553244)が知
られている。この方法においては、専ら生成する3級ア
ミンのハロゲン化水素塩を濾過により除去した後、得ら
れた溶液を濃縮あるいは水沈することにより生成物を取
り出す方法が実施されている。これらの方法では収率が
低く留まる上、3級アミンとハロゲン化シアンとから副
生するジアルキルシアナミドとハロゲンイオンを完全に
除去できないことが本発明者らの検討により明かになっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記の
問題点に鑑み、安全性が高く、よりプロセス的に簡便で
かつ高純度のシアネート化合物が高収率で得られる製法
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、シアネー
ト化合物の製造方法について鋭意研究を続けた結果、水
と分液可能な反応溶媒を用い、反応終了後に水洗分液を
実施して3級アミンのハロゲン化水素塩を除去するこ
と、および粗生成物に2級アルコール類、3級アルコー
ル類、および炭化水素類の中から任意に選ばれる貧溶媒
により晶析あるいは沈澱させることにより高純度のシア
ネートが得られることを見い出し、本発明を完成させる
に至った。
【0005】すなわち、本発明は下記一般式(I)
【化4】 (式中、Aはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1以
上6以下のアルキル基、Xは単結合、炭素数1から20
の有機基、カルボニル基、スルホン基、2価の硫黄原子
または酸素原子、iは0以上4以下の整数値を示す。)
で表されるビスフェノール化合物に、水と分液可能な溶
媒の存在下、3級アミンとハロゲン化シアンを同時に添
加した後、水洗分液により3級アミンのハロゲン化水素
塩を除去し、得られた溶液あるいはこれを必要により濃
縮して得られた粗生成物に、2級アルコール類、3級ア
ルコール類および炭化水素類の中から任意に選ばれる貧
溶媒を接触させて、晶析、または沈澱させて精製するこ
とを特徴とするシアネート化合物の製造方法に関する。
【0006】用いるビスフェノール化合物は一般式
(I)を満足するものであればいかなるものでも使用可
能であるが例示すると、4,4´−ジヒドロキシジフェ
ニル、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−
ジヒドロキシジフェニル、ビス(ヒドロキシフェニル)
メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェ
ニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル
−5−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン(式
【0007】
【化5】 で表される。)、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−
メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチル
−6−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−
アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチル−6−メチルフ
ェニル)ブタン(式
【0008】
【化6】 で表される。)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−
3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシル−6−メチル)
ブタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メンタン、ビ
ス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)メンタン、ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチル−6−メチルフェ
ニル)メンタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)トリ
シクロ[5,2,1,02,6]デカン、ビス(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジメチルフェニル)トリシクロ[5,
2,1,02,6]デカン、ビス(4−ヒドロキシ−3−
t−ブチル−6−メチルフェニル)トリシクロ[5,
2,1,02,6]デカン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメ
チルフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3
−t−ブチル−6−メチルフェニル)スルフィド、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)カルボニル、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エーテル等が挙げられる。特にビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンは工業的に入手しやすく好ま
しい。また、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−
ブチル−6−メチルフェニル)ブタンは、これより製造
されるシアネート化合物より得られるポリマー(ポリト
リアジン)が顕著な低誘電性を示すので、好ましい。
【0009】用いる3級アミンとしてはトリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジメチル
エチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルアニリン、
ジエチルアニリン、ピリジン、キノリン等が挙げられ
る。
【0010】水と分液可能な反応溶媒としてはメチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶
媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、等のエーテル
系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ク
ロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ベンゾニトリル
等のニトリル系溶媒、ニトロベンゼン等のニトロ系溶
媒、酢酸エチル、安息香酸エチル等のエステル系溶媒が
使用可能である。中でもケトン系溶媒が好ましく、特に
メチルイソブチルケトンが最も好ましく用いられる。
【0011】反応は、ビスフェノール化合物に、水と分
液可能な反応溶媒の存在下、3級アミンとハロゲン化シ
アンを同時に添加することによって行われる。具体的に
は、例えば、まずビスフェノール化合物を溶媒に溶解
し、これに3級アミンとハロゲン化シアンを所定量、ハ
ロゲン化シアンを先行させながら併注滴下することによ
って行われる。ハロゲン化シアンとしては塩化シアンあ
るいは臭化シアンが用いられ、塩化シアンを用いる場
合、反応温度は−30〜15℃、より好ましくは−10
℃〜15℃、臭化シアンを用いる場合は−30℃〜65
℃までの温度で行われる。3級アミンはヒドロキシ化合
物の水酸基に対してそれぞれ1.0〜5倍当量好ましく
は1.0〜1.5倍当量であり、ハロゲン化シアンは3
級アミンの当量以上仕込むか、あるいはハロゲン化シア
ンを過剰にするかわりに、塩酸、硫酸等の鉱酸を加える
ことにより酸性に調整しても良い。
【0012】後処理は、水洗分液により、副生した3級
アミンのハロゲン化水素塩を除去した後、得られた溶液
あるいはこれを必要により濃縮して得られた粗生成物
に、2級アルコール類、3級アルコール類、炭化水素類
の中から任意に選ばれる貧溶媒を接触させて、晶析、あ
るいは沈澱させて精製することにより行われる。3級ア
ミンを効率的に洗浄するため反応液を塩酸等の酸性水溶
液で水洗することも可能である。濃縮は120℃以下の
温度で減圧下行うのが好ましく、温度を上げすぎるとシ
アネートの3量化が始まるので好ましくない。晶析ある
いは沈澱化は、生成物を貧溶媒に添加するか、あるいは
逆に添加することにより行われる。貧溶媒としは、イソ
プロピルアルコール、アミルアルコール、t−ブチルア
ルコール等の2級または3級アルコール溶媒、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ヘキサン、石油エーテル等の
炭化水素類が好ましい。アルコール類については、水と
任意の割合で混合して用いても良い。また、上記の複数
の溶媒を、任意の割合で混合して用いても良い。メタノ
ール、エタノール等の1級アルコールは使用可能ではあ
るが、収率が低下するため好ましくない。
【0013】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。 実施例1 温度計、撹拌器、滴下ロート及び還流冷却器をつけた反
応器に窒素雰囲気下、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン(三井東圧化学工業(株)製)11
4.2g(0.5mol)、メチルイソブチルケトン6
85gを仕込み、室温にて溶解後、溶液を0℃まで冷却
した。次に、塩化シアン67.7g(1.1mol)を
2時間かけて滴下した。塩化シアン滴下開始5分後にト
リエチルアミン111.2g(1.1mol)を0〜6
℃で2時間30分かけて滴下しさらに同温度で30分間
保温した。3%塩酸水300gで洗浄ののち、水300
gで2回水洗、分液した。得られた有機層中のジシアネ
ート体含量より反応収率は99%であった。次にこの有
機層を178gまで減圧濃縮してからイソプロピルアル
コール228gを滴下して、5℃まで冷却し3時間撹拌
した。得られたスラリーを濾過しイソプロピルアルコー
ル114gで洗浄したのち、風乾して融点80℃の白色
結晶121.1gを得た(収率87%)。LC(液体ク
ロマト法)により、原料のビスフェノールおよびモノシ
アネート体は検出されなかった。得られた白色結晶をG
C(ガスクロマト法)により分析したが、ジエチルシア
ナミドは検出されなかった。また硝酸銀を用いた電位差
滴定法により塩素イオンの分析を試みたが塩素イオンは
10ppm以下であった。
【0014】実施例2 実施例1でトリエチルアミンを141.5g(1.4m
ol)、塩化シアンを86.1g(1.4mol)使用
する以外、全く同一条件で実施し白色結晶115.3g
を得た(収率83%)。LCにより、原料のビスフェノ
ールおよびモノシアネート体は検出されなかった。得ら
れた白色結晶をGCにより分析したが、ジエチルシアナ
ミドは検出されなかった。また硝酸銀を用いた電位差滴
定法により塩素イオンの分析を試みたが塩素イオンは1
0ppm以下であった。
【0015】実施例3 実施例1で塩化シアンを73.8g(1.2mol)使
用する以外は全く同一条件で実施し白色結晶118gを
得た(収率85%)。LCにより、原料のビスフェノー
ルおよびモノシアネート体は検出されなかった。得られ
た白色結晶をGCにより分析したが、ジエチルシアナミ
ドは検出されなかった。また硝酸銀を用いた電位差滴定
法により塩素イオンの分析を試みたが塩素イオンは10
ppm以下であった。
【0016】実施例4 実施例1で晶析および洗浄溶媒にヘプタンを使用する以
外は全く同一条件で実施し白色結晶110.5gを得た
(収率80%)。LCにより、原料のビスフェノールお
よびモノシアネート体は検出されなかった。得られた白
色結晶をGCにより分析したが、ジエチルシアナミドは
検出されなかった。また硝酸銀を用いた電位差滴定法に
より塩素イオンの分析を試みたが塩素イオンは10pp
m以下であった。
【0017】実施例5 実施例1で晶析および洗浄溶媒に86%イソプロピルア
ルコール水溶液を使用する以外は全く同一条件で実施し
白色結晶155.7gを得た(収率89%)。LCによ
り、原料のビスフェノールおよびモノシアネート体は検
出されなかった。得られた白色結晶をGCにより分析し
たが、ジエチルシアナミドは検出されなかった。また硝
酸銀を用いた電位差滴定法により塩素イオンの分析を試
みたが塩素イオンは10ppm以下であった。
【0018】実施例6 温度計、撹拌器、滴下ロート及び還流冷却器をつけた反
応器に窒素雰囲気下、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−
3−メチルフェニル)シクロヘキサン500.0g
(1.68mol)、メチルイソブチルケトン2400
gを仕込み、室温にて溶解後、0℃まで冷却した。次
に、塩化シアン227.4g(3.70mol)を2時
間かけて滴下した。塩化シアン滴下開始5分後にトリエ
チルアミン374g(3.70mol)を0〜6℃で2
時間30分かけて滴下しさらに同温度で30分間保温し
た。3%塩酸水溶液500gで洗浄し、さらに500g
の水で2回水洗分液した。得られた有機層中のジシアネ
ート体含量より反応収率は99%であった。次にこの有
機層を減圧濃縮により溶媒を約900gまで濃縮してか
らイソプロピルアルコール1000gを滴下して、5℃
まで冷却し3時間撹拌した。得られたスラリーを濾過し
イソプロピルアルコール500gで洗浄後減圧乾燥して
融点94℃の白色結晶495.7gを得た(収率85
%)。LCにより、原料のビスフェノールおよびモノシ
アネート体は検出されなかった。得られた白色結晶をG
Cにより分析したが、ジエチルシアナミドは検出されな
かった。また硝酸銀を用いた電位差滴定法により塩素イ
オンの分析を試みたが塩素イオンは10ppm以下であ
った。
【0019】実施例7 温度計、撹拌器、滴下ロート及び還流冷却器をつけた反
応器に窒素雰囲気下、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−
3−t−ブチル−6−メチルフェニル)ブタン(住友化
学工業(株)製、商品名スミライザーBBM−S)20
0.0g(0.53mol)、メチルイソブチルケトン
800gを仕込み、室温にて溶解後、0℃まで冷却し
た。次に、塩化シアン96.4g(1.57mol)を
2時間かけて滴下した。塩化シアン滴下開始5分後にト
リエチルアミン148.1g(1.46mol)を0〜
6℃で2時間30分かけて滴下しさらに同温度で30分
間保温した。3%塩酸水溶液300gで洗浄し、さらに
300gの水で2回水洗分液した。得られた有機層中の
ジシアネート体含量より反応収率は92%であった。次
にこの有機層を減圧濃縮により溶媒を約450gまで濃
縮してからイソプロピルアルコール400gを滴下し
て、5℃まで冷却し3時間撹拌した。得られたスラリー
を濾過しイソプロピルアルコール200gで洗浄後減圧
乾燥して融点122〜123℃の白色結晶203.9g
を得た(収率90%)。LCによるジシアネート体の純
度は92.3%であった。得られた白色結晶をGCによ
り分析したが、ジエチルシアナミドは検出されなかっ
た。また硝酸銀を用いた電位差滴定法により塩素イオン
の分析を試みたが塩素イオンは10ppm以下であっ
た。
【0020】比較例1 温度計、撹拌器、滴下ロート及び還流冷却器をつけた反
応器に窒素雰囲気下、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン(三井東圧化学工業(株)製)400
g(1.76mol)、アセトン933gおよび塩化シ
アン258.9g(4.21mol)を仕込み、室温に
て溶解後0℃まで冷却した。次に、トリエチルアミン3
72.8g(3.68mol)を0〜6℃で1時間かけ
て滴下しさらに同温度で1時間保温した。次に、得られ
た反応溶媒を水5000mlの中に溶解、晶析させ黄白
色の結晶を得た。結晶を2000mlの水で洗浄したの
ち、減圧下で乾燥し、融点76〜78℃の黄白色の結晶
245.1gを得た(収率61%)。得られた黄白色結
晶をGCにより分析し、ジエチルシアナミドを2.1%
検出した。また硝酸銀を用いた電位差滴定法により塩素
イオンの分析を試み、得られた黄白色の結晶は塩素イオ
ンが830ppm含有していた。
【0021】比較例2 実施例1で晶析および洗浄溶媒にメタノールを使用する
以外は全く同一条件で実施し白色結晶91.3gを得た
(収率66%)。LCによるジシアネート体の純度は9
9.5%であった。得られた白色結晶をGCにより分析
したが、ジエチルシアナミドは検出されなかった。また
硝酸銀を用いた電位差滴定法により塩素イオンの分析を
試みたが塩素イオンは10ppm以下であった。
【0022】
【発明の効果】実施例からも明かなように、ハロゲン化
シアンと3級アミンの滴下方法を制御し、水洗分液によ
り副生塩を除去した後、2級または3級アルコール類、
炭化水素類の中から任意に選ばれた貧溶媒により晶析あ
るいは沈澱することにより高収率で高純度のジシアネー
ト体を得ることができた。比較例で示したようにハロゲ
ン化シアンとヒドロキシ化合物の混合溶媒に3級アミン
を滴下し、水沈により生成物を取り出すと、目的のジシ
アネート体の収率が低く、3級アミンとハロゲン化シア
ンから副生するジアルキルシアナミドおよびハロゲンイ
オンを完全に除去できないことが明かになった。さら
に、1級アルコールを貧溶媒として用いるとジシアネー
ト体を高収率で得ることが困難である。本発明は、危険
性の高いハロゲン化シアンが反応槽に多量に滞留するこ
となく安全であり、かつ工業的な規模で実施可能な優れ
たプロセスであるといえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 261/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(I) 【化1】 (式中、Aはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1以
    上6以下のアルキル基、Xは単結合、炭素数1から20
    の有機基、カルボニル基、スルホン基、2価の硫黄原子
    または酸素原子、iは0以上4以下の整数値を示す。)
    で表されるビスフェノール化合物に、水と分液可能な溶
    媒の存在下、3級アミンとハロゲン化シアンを同時に添
    加した後、水洗分液により3級アミンのハロゲン化水素
    塩を除去し、得られた溶液あるいはこれを必要により濃
    縮して得られた粗生成物に、2級アルコール類、3級ア
    ルコール類、炭化水素類の中から任意に選ばれる貧溶媒
    を接触させて、晶析、あるいは沈澱させて精製すること
    を特徴とするシアネート化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】一般式[I]で示されるビスフェノール化
    合物が下記式で示されることを特徴とする請求項1記載
    のシアネート化合物の製造方法。 【化2】
  3. 【請求項3】反応溶媒としてメチルイソブチルケトンを
    用い、イソプロピルアルコールまたは含水イソプロピル
    アルコールを用いて晶析、あるいは沈澱させて精製する
    ことを特徴とする請求項2記載のシアネート化合物の製
    造方法。
  4. 【請求項4】一般式[I]で示されるビスフェノール化
    合物が下記式で示されることを特徴とする請求項1記載
    のシアネート化合物の製造方法。 【化3】
  5. 【請求項5】反応溶媒としてメチルイソブチルケトンを
    用い、イソプロピルアルコールまたは含水イソプロピル
    アルコールを用いて晶析、あるいは沈澱させて精製する
    ことを特徴とする請求項4記載のシアネート化合物の製
    造方法。
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