JP2989682B2 - 液体脂肪酸及び固体脂肪酸の製造方法 - Google Patents

液体脂肪酸及び固体脂肪酸の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体脂肪酸及び固体脂肪
酸の製造方法に関し、更に詳細には脂肪酸混合物を固体
脂肪酸と液体脂肪酸とに分離することによる、産業上素
原料として有用な液体脂肪酸及び固体脂肪酸の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】脂肪酸
を融点の異なる二成分またはそれ以上の成分に分別する
方法には、圧搾法、溶剤分別及び湿潤剤分別がある。
【0003】圧搾法は脂肪酸を加熱溶解し、冷却、熟成
により結晶を析出させ、フィルタープレスや吸引濾過で
液体成分と固体成分に分別する方法である。この方法は
分別効率が悪くて結晶に対しかなりの液体成分が混入し
た状態でしか分別されない。そして、殆ど次に示す二方
法に置き換えられているのが現状である。
【0004】溶剤分別法は溶剤として、メタノール、ア
セトン、ヘキサン等を使用し、脂肪酸を溶剤に溶解して
冷却し、結晶を析出させ、次にこれを固液に分相して、
その際に固体成分を洗浄し、最後にそれぞれ溶剤を除去
して分別する方法である。この方法は高収率で液体酸が
得られる反面、極めて低い温度(−8〜−21℃)での分
別が必要であり、又溶剤の除去が必要な為(溶剤分別で
は、一般的に脂肪酸に対し2〜5倍量の溶剤を使用す
る)、設備コストが高くなる。分別を精密に行う方法と
しては適しているが、危険な溶剤を取り扱わなければな
らない等短所もある。
【0005】これに比べ、近年湿潤剤法分別は有機溶剤
を使用しないため安全で、設備コスト及び運転コストが
比較的安いため、見直しされつつある。しかし、この方
法は分別液体酸収率が低く、原料脂肪酸は蒸留品が必要
である等のコスト的課題があり、又例えばオレイン酸に
代表される、低タイター液体酸が得られにくいという品
質面での課題があった。
【0006】湿潤剤法分別をより有利な分別法にする為
には、これらの問題点を解決する必要がある。
【0007】そこで、湿潤剤法分別法については、従来
より数多くの工夫がなされ、例えば特公昭32−639 号
(脂肪酸の分離方法)、特公昭46−35272 号(脂肪酸の
分離方法)及び特公昭51−2087号(脂肪酸混合物の分離
方法)がある。
【0008】しかしながらこれらの方法は、分別効率の
点では必ずしも満足できる方法ではなかった。特に、特
公昭32−639 号公報に開示されている脂肪酸混合物の分
離方法では、固体脂肪酸と液体脂肪酸とからなる脂肪酸
混合物より、固体脂肪酸と液体脂肪酸とを分離取得する
にあたり、界面活性剤および電解質を含む水溶液(以
下、湿潤水溶液という)、又はこの湿潤水溶液にさらに
保護コロイドを添加した水溶液を脂肪酸混合物へ添加
し、固体脂肪酸と液体脂肪酸とを湿潤させた後、遠心分
離することによって、それぞれの脂肪酸を効率良く分別
しようとするものであるが、実際に、この方法により脂
肪酸の分離を行ったところ、分別すべき温度にまで冷却
した後、界面活性剤を含有する脂肪酸混合物を沈降型遠
心分離器によって液体脂肪酸相(以下、軽液という)と
固体脂肪酸が分散した水相(以下、重液という)とに分
相しようとした場合、軽液と重液とに分離した完全な二
相が得られず、軽液と重液との間に中間層が発生し、そ
の中間層には液体脂肪酸と固体脂肪酸とが存在し、その
ためそれぞれの脂肪酸の分別効率が低下することが判明
した。さらに、この場合には、固体脂肪酸のヨウ素価が
上昇し、固体脂肪酸の品質にも問題があることが判っ
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の如
き従来知られている脂肪酸の分離方法に比べて、より効
率的な分離方法を確立することを目指して鋭意検討の結
果、下記に示す方法を行うことにより、高純度の液体脂
肪酸及び固体脂肪酸を効率良く得ることの出来ることを
見出し、本発明を完成した。
【0010】即ち、本発明は下記の工程(a) 〜(h) を連
続的若しくは非連続的に行うことを特徴とする高純度の
液体脂肪酸及び固体脂肪酸の効率の良い製造方法を提供
するものである。
【0011】工程(a) : 固体脂肪酸と液体脂肪酸から
なる脂肪酸混合物(以下、原料脂肪酸と言う)を30〜−
15℃に冷却して、固体脂肪酸を晶析させる工程。
【0012】工程(b) : 工程(a) で得られた固体脂肪
酸が晶析した脂肪酸混合物に界面活性剤及び無機電解質
を含む湿潤剤水溶液を添加混合し、30〜−15℃に保持す
る工程。
【0013】工程(c) : 工程(b) で得られた混合物系
を固体脂肪酸が分散した水相と液体脂肪酸相とに分相す
る工程。
【0014】工程(d) : 工程(c) で得られた液体脂肪
酸を水洗後、脱水することにより液体脂肪酸を得る工
程。
【0015】工程(e) : 工程(c) で得られた固体脂肪
酸が分散した水相を固体脂肪酸の融点以下の温度に加温
保持しながら、液体脂肪酸を発汗させる発汗工程。
【0016】工程(f) : 工程(e) で得られた液体脂肪
酸と固体脂肪酸分散スラリーとを分相することにより、
液体脂肪酸と固体脂肪酸分散スラリーとを分離する工
程。
【0017】工程(g) : 工程(f) で得られた固体脂肪
酸分散スラリーを固体脂肪酸の融点以上に加熱し、分相
により固体脂肪酸と湿潤剤水溶液とに分離する工程。
【0018】工程(h) : 工程(g) で得られた固体脂肪
酸を水洗後、脱水することにより固体脂肪酸を得る工
程。
【0019】本発明における脂肪酸とは、牛脂、パーム
油などの動植物油脂、魚油などを原料とする天然脂肪
酸、合成脂肪酸、これらの水素化脂肪酸等である。
【0020】以下、本発明の各工程を詳しく説明する。
【0021】工程(a) : 本発明の工程(a) は30〜−15
℃にて行う。この温度範囲より晶析温度が低い場合に
は、適当な凝固点降下剤を添加したとしても後に添加す
る湿潤剤水溶液が固化する恐れがあり、この温度範囲よ
り、晶析温度が高い場合には脂肪酸の融点、組成などの
物性によるが、分別収率は低下する。またこの工程は、
通常攪拌下に行われる。
【0022】工程(b) : 工程(b) は、湿潤剤水溶液に
より脂肪酸を湿潤させることによって、脂肪酸全体の粘
度を低下させ且つ固体脂肪酸と液体脂肪酸との分別性を
高める工程であり、湿潤剤水溶液中に使用される界面活
性剤としては、アニオン性、非イオン性及び両性の水溶
性物質が使用でき、例えば炭素原子6〜20、特に8〜16
個のアルキル基又はアルケニル基を有する、アルキル又
はアルケニル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアル
キル又はアルケニル硫酸エステル塩等のアニオン性活性
剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキ
シエチレンアルキルフェノールエーテル等の非イオン性
活性剤が使用できる。その量は、湿潤剤溶液に対し、0.
1 〜5重量%が適当である。
【0023】無機電解質としては、例えば塩化ナトリウ
ム、硫酸ナトリウム及び硫酸マグネシウムなどの無機塩
であり、その量は湿潤剤水溶液に対し0.5 〜5重量%が
適当である。その他の添加剤としては、グリセリン、エ
チレングリコールなどの水溶性凝固点降下剤を用いる事
もでき、その量は湿潤剤水溶液に対し0.5 〜5重量%が
適当である。
【0024】工程(b) の湿潤剤水溶液により脂肪酸を湿
潤させる冷却混合工程により、従来法では達成すること
ができなかった低温分別が可能となった。
【0025】この方法を行うことにより、オレイン酸に
代表される、高品質の低タイター液体脂肪酸が得られる
ようになった。
【0026】当該冷却混合工程を行う方法としては、駆
動部のないスタティックミキサー、若しくは駆動部のあ
るインラインミキサー等が利用出来る。
【0027】工程(c) : 工程(b) で得られた混合物系
を分離して、固体脂肪酸が分散した水相と液体脂肪酸相
とに分相する工程である。
【0028】工程(d) : 工程(c) で得られた液体脂肪
酸に、約90℃の温水を5〜20重量%(対原料脂肪酸)加
え、約90℃で通常約10分間攪拌後分離を行い、液体脂肪
酸中の活性剤を除去し、次いで脱水することにより液体
脂肪酸を得る工程である。
【0029】工程(e) : 工程(c) で得られた固体脂肪
酸が分散した水相をゆっくり加温し、30〜46℃に保持
し、液体脂肪酸を発汗させる発汗工程である。
【0030】この工程は、液体酸の収率を向上させる為
に重要な工程である。工程(c) で得られた固体脂肪酸ス
ラリーは、まだ液体脂肪酸含量が高く、例えば牛脂脂肪
酸の分別であれば、ヨウ素価は20〜26である。この固体
脂肪酸スラリーを所定温度まで昇温することにより低融
点部分を溶融し(発汗操作)、再度分離(2段目分別)
することにより低ヨウ素価固体酸を得ることが出来る。
一方、溶出した液体部は原料脂肪酸と混合して、回収リ
サイクルする。従ってこの昇温する温度(発汗温度)
は、回収液体脂肪酸及び製品として最終的に得られる固
体脂肪酸のヨウ素価を決定する因子であり、重要であ
る。
【0031】例えば原料が牛脂脂肪酸の場合には、表1
に示す如く原料脂肪酸の品質(特にヨウ素価)を一定に
保ち、分別の連続運転の安定化を図るためには、回収液
体脂肪酸のヨウ素価(以下、IVと言う)が原料牛脂脂肪
酸のIVとほぼ同じ値となるようにすれば良く、40℃を発
汗温度とすれば、それが達成し得ることを見出した。
【0032】
【表1】
【0033】次に、液体脂肪酸の収率を向上させる為に
重要な工程である発汗分別技術について、さらに詳しく
述べる。これは、特公昭32−639 号公報の例22に示され
た方法とは峻別される。例22は、固体脂肪酸スラリー中
の固体脂肪酸を融点以上に加熱して、全て溶融してから
温度を下げて行き固体脂肪酸を得る方法であり、いわば
晶析法である。本工程においては固体脂肪酸が回収され
て、原料脂肪酸へ戻されるのであるが、原料脂肪酸へ戻
される固体脂肪酸のIVは35であり、原料脂肪酸のIV53と
大幅に乖離している。その結果原料脂肪酸のIVの変動が
大きくなり、連続運転を行った場合の分別性の安定化が
劣ることとなるので、好ましくない。それに比べ本発明
が提供する方法は、固体脂肪酸スラリーを発汗分別する
温度まで徐々に昇温して、低融点部分だけを溶融し(発
汗操作)、遠心分離する事によって、低融点部を回収液
体脂肪酸として脂肪酸原料に戻して再使用する。この時
の回収液体脂肪酸は、原料脂肪酸のIVを変動させないよ
うな値になるように発汗温度を設定する。この様に回収
液体脂肪酸を回収リサイクルすることによって、液体脂
肪酸の収率が向上する。又この様な2段分別発汗法は、
特開昭51−2087号公報の例5に示された方法とも峻別さ
れる。該公報の例5は、獣脂脂肪酸を20℃で1段分別し
たオレイン酸(液体脂肪酸)を、さらにオレイン酸だけ
を10℃で2段分別して、高純度のオレイン酸を得る方法
であり、本発明の固体脂肪酸の2段発汗分別とは全く異
なるものである。本発明の方法と比較して、得られる固
体脂肪酸及び液体脂肪酸の純度は劣るものである(実施
例1,2、比較例1及び表2参照)。
【0034】工程(f) : 工程(e) で得られた回収液体
脂肪酸と固体脂肪酸分散スラリーとを分離して、固体脂
肪酸分散スラリーと液体脂肪酸とに分相する工程であ
り、分離温度は一般的に発汗温度と同一に保持しておけ
ば良い。
【0035】工程(g) : 工程(f) で得られた固体脂肪
酸分散スラリーを加熱して約90℃に保持し、固体脂肪酸
と湿潤剤水溶液とに分相する工程である。
【0036】工程(h) : 工程(g) で得られた固体脂肪
酸に約90℃の温水を10〜100 重量%〔対工程(g)で得ら
れた固体脂肪酸〕を加え、約90℃で通常約10分間攪拌後
分離を行い、固体脂肪酸中の活性剤を除去し、次いで脱
水することにより固体脂肪酸(製品固体脂肪酸)を得る
工程である。この時使用する活性剤がアニオン性のもの
の時には、水洗前或は水洗時に、リン酸等の酸を添加す
ると活性剤が分解され、除去が容易になる。 尚、工程
(a) 〜(h) の分離には、遠心分離機等の従来から知られ
ているものが使用できる。
【0037】
【実施例】次に、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
尚、実施例及び比較例で示す部及び%は、いずれも重量
を示す。
【0038】本発明に従う分離方法の実施に適した製造
工程の1例を、添付の図1にフローシートとして示す。
【0039】実施例1 牛脂の分解脂肪酸〔中和価(NV)=201.4 ;鹸化価
(SV)=205.4 ;IV=53.8;凝固点(タイター)=40.7
℃〕を原料脂肪酸タンクT(約60℃に加温)から熱交換
器を通して45℃にする。この脂肪酸を2300Kg/Hr の流量
で晶析機Kに導入して3℃まで冷却する。次いでミキサ
ーM1 中に導入する。この時、3℃の0.5 %ナトリウム
デシル及びドデシルサルフェート混合活性剤及び2%の
硫酸マグネシウムを含量する湿潤剤水溶液の混合槽M6
から、2070Kg/Hr の流量で導入して脂肪酸を湿潤させた
後、次いで3℃の上記成分を同濃度で含有する湿潤剤水
溶液を2530Kg/Hr の流量で導入してスラリーを分散させ
た後、スラリー熟成槽M2 において、攪拌下3℃まで冷
却熟成後、同温度で遠心分離機C1 にスラリーを導入し
て液体脂肪酸(粗オレイン酸)と固体脂肪酸分散スラリ
ーに分離する。
【0040】分離した粗オレイン酸に120Kg/Hrの流量で
温水を加え、約90℃で10分間攪拌機M5 で攪拌して洗浄
後、遠心分離機C5 での遠心分離及び脱水機D1 での脱
水を行って、オレイン酸1120Kg/Hr を得た。
【0041】一方、固体脂肪酸スラリーは、発汗分別槽
3 に送り、攪拌下40℃まで加温を行い、次いで遠心分
離機C2 で遠心分離して、回収液体脂肪酸と固体脂肪酸
分散スラリーを得る。回収液体脂肪酸は440Kg/Hrで得ら
れ、この液体脂肪酸は、原料脂肪酸タンクTに戻し再使
用する。固体脂肪酸分散スラリーは、次の遠心分離機C
3 で粗固体脂肪酸と湿潤剤溶液とに分離する。湿潤剤溶
液は湿潤剤混合槽M6に移送し、回収再使用する。この
時の活性剤の平均回収率は約85%であった。このロス分
の活性剤を補うため、フレッシュ活性剤33%品を13Kg/H
r の流量で回収湿潤剤溶液に加え、再使用する。
【0042】一方、分離した粗固体酸にリン酸1.2Kg を
加え、約90℃で10分間攪拌後、次いで温水240Kg/Hrにて
加え、約90℃で10分間攪拌機M4 で攪拌して洗浄後、遠
心分離機C4 で遠心分離及び脱水機D2 で脱水を行い、
製品固体酸1170Kg/Hr を得た。それぞれの酸の分析値を
表2に示す。
【0043】実施例2 実施例1と同様な操作を行い、1段目分別温度、即ち
スラリー熟成槽M2 の温度5℃に保持し、5℃で粗オレ
イン酸と固体脂肪酸分散スラリーとに遠心分離機C1
遠心分離する。後工程は実施例1と同様な操作を行い、
オレイン酸として1170Kg/Hrを得た。また回収液体脂肪
酸として370Kg/Hrを得、製品固体脂肪酸として1100Kg/H
r を得た。それぞれの酸の分析値を表2に示す。
【0044】比較例1 特開昭51−2087号公報の例5の方法に準じた。実施例
1で使用した牛脂の分解脂肪酸を2000Kg/Hr の流量で晶
析機に導入して、27℃まで冷却する。次いでミキサーの
混合室中で27%濃度のナトリウムデシルサルフェート溶
液と混合し、以下の混合室中には20℃の希釈された湿潤
剤溶液(MgSO4 濃度が1%のもの)2200Kg/Hr 及び湿潤
剤を含まない16℃の1%濃度MgSO4 溶液を送り込む。こ
の際、湿潤剤溶液の活性剤濃度は0.22%ナトリウムデシ
ルサルフェートになる様にした。このようにして、分散
液の温度を20℃に保持した。この分散液を遠心分離し、
凝固点19℃を有する液体油相1100Kg/Hr と、約3000Kg/H
r の湿潤剤溶液中に分散した900Kg/Hrの固体部を含む分
散液とに分離した(1段目分別)。
【0045】1段目分別で生じた液体油相を晶析機に導
入して10℃に冷却し、次いでミキサー中で27%濃度のナ
トリウムデシルサルフェート溶液と混合した。次いで2
℃の湿潤剤溶液1600Kg/Hr を加え、その分散液の活性剤
量が0.2 %になる様に送入した。その際の分散液の温度
は5℃であった。次いでこの分散液を遠心分離機によ
り、液体脂肪酸(粗オレイン酸)860Kg/Hrと、固体脂肪
酸部分240Kg/Hr及び湿潤剤溶液1600Kg/Hr よりなる相に
分離した。
【0046】この第1段階及び第2段階に於て生じた固
体脂肪酸分散スラリーを合わせて約90℃に加熱し、固体
脂肪酸を溶解させた後、遠心分離を行い、固体脂肪酸11
40Kg/Hr を得た。それぞれの酸の分析値を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、極めて高収率にて高純
度の液体脂肪酸を省エネルギーコストで製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法による製造工程の一例を示すフロ
ーシートである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−193991(JP,A) 特開 昭62−132531(JP,A) 特開 昭57−196(JP,A) 特開 昭58−198423(JP,A) 特開 昭50−15802(JP,A) 特開 昭57−195(JP,A) 特公 昭32−639(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C11C 1/08 B01D 9/02 C07C 51/43 C11B 7/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の工程(a) 〜(h) を、連続的若しくは
    非連続的に行うことを特徴とする液体脂肪酸及び固体脂
    肪酸の製造方法。工程(a) : 固体脂肪酸と液体脂肪酸からなる脂肪酸混
    合物を30〜−15℃に冷却して、固体脂肪酸を晶析させる
    工程。工程(b): 工程(a) で得られた固体脂肪酸が晶析した脂
    肪酸混合物に界面活性剤及び無機電解質を含む湿潤剤水
    溶液を添加混合し、30〜−15℃に保持する工程。工程(c) : 工程(b) で得られた混合物系を固体脂肪酸
    が分散した水相と液体脂肪酸相とに分相する工程。工程(d) : 工程(c) で得られた液体脂肪酸を水洗後、
    脱水することにより液体脂肪酸を得る工程。工程(e) : 工程(c) で得られた固体脂肪酸が分散した
    水相を固体脂肪酸の融点以下の温度に加温保持しなが
    ら、液体脂肪酸を発汗させる発汗工程。工程(f) : 工程(e) で得られた液体脂肪酸と固体脂肪
    酸分散スラリーとを分相することにより、液体脂肪酸と
    固体脂肪酸分散スラリーとを分離する工程。工程(g) : 工程(f) で得られた固体脂肪酸分散スラリ
    ーを固体脂肪酸の融点以上に加熱し、分相により固体脂
    肪酸と湿潤剤水溶液とに分離する工程。工程(h) : 工程(g) で得られた固体脂肪酸を水洗後、
    脱水することにより固体脂肪酸を得る工程。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の工程(f) で得られた液体
    脂肪酸を原料脂肪酸混合物に添加混合して、工程(a) の
    脂肪酸混合物として使用する請求項1記載の液体脂肪酸
    及び固体脂肪酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の工程(g) で得られた湿潤
    剤水溶液を工程(b)の湿潤水溶液として使用する請求項
    1又は2記載の液体脂肪酸及び固体脂肪酸の製造方法。
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