JP5947064B2 - 脂肪酸組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、脂肪酸組成物の製造方法に関する。
脂肪酸は、モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール等の食品の中間原料や、その他各種の工業製品の添加剤、中間原料として広く利用されている。かかる脂肪酸は、一般に、菜種油、大豆油等の植物油や牛脂等の動物油を加水分解することにより分解脂肪酸を得て、これを脂肪酸組成物として使用されている。
ところが、上記のように動植物油を単に加水分解して製造された脂肪酸組成物は、そのままの脂肪酸組成では産業上の素原料として必ずしも好適なものではない。すなわち、利用の目的によって、低トランス不飽和脂肪酸、或いは低飽和脂肪酸といった所望の脂肪酸組成にすることが必要となる。
脂肪酸組成物の分別には、圧搾法、溶剤分別法、自然分別法(ドライ分別法)、湿潤剤分別法が知られている。なかでも、自然分別法と湿潤剤分別法は、分離効率や安全性、経済性の観点から好ましい方法である。
一般的に、牛脂やパーム核油等に由来する飽和脂肪酸を多く含む脂肪酸組成物に対しては、冷却により固体部(飽和脂肪酸の結晶)が多量に生成するため、湿潤剤分別法が適用されている(特許文献1〜4)。一方、比較的飽和脂肪酸が少ない脂肪酸組成物に対しては、冷却により生成する固体部が少なく、処理量が小さいため、自然分別法が適用されている(特許文献5)。
特開昭46−35272号公報 特開平4−306296号公報 特公昭51−2087号公報 特開平10−46186号公報 特開平11−106782号公報
湿潤剤分別法では、通常、分離効率を高めるために、油脂の加水分解後に蒸留操作を行い、トリアシルグリセロール及び部分グリセリドを除去した脂肪酸を原料として用いる(例えば、特許文献1)。蒸留操作は純度の高い脂肪酸を得るためには必要であるが、例えば、エステル化反応油の原料として脂肪酸を用いる場合には部分グリセリドが残存していても差し支えない等、部分グリセリドの含有量が問題にならない場合がある。
そこで、グリセリドを含有する分解脂肪酸組成物をそのまま湿潤剤分別に供することを試みたが、スラリーの粘度が上昇し、操作性及び固液分離性に悪影響を与える場合があることが判明した。
本発明は、斯かる実情に鑑み、モノアシルグリセロールを含む分解脂肪酸組成物から、飽和脂肪酸含量が低い脂肪酸組成物を容易に且つ高い収率で製造する方法を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討したところ、モノアシルグリセロールを含む分解脂肪酸組成物であっても、モノアシルグリセロールに対し一定の割合でジアシルグリセロールを共存させて湿潤剤分別を行うことで、スラリーの粘度が抑えられ、析出した飽和脂肪酸を容易に分離でき、飽和脂肪酸含量が低い脂肪酸組成物を高い収率で回収できることを見出した。
すなわち、本発明は、
次の工程(1)〜(3):
(1)油脂を加水分解して得られる分解脂肪酸組成物を、
脂肪酸の含有量を80〜96質量%、
モノアシルグリセロールの含有量を0.3〜8質量%、
ジアシルグリセロールの含有量を1〜12質量%、且つ
ジアシルグリセロールのモノアシルグリセロールに対する質量比[(DAG)/(MAG)]を0.5〜40
に調整して脂肪酸混合物を得る工程、
(2)工程(1)で得られた脂肪酸混合物を、当該脂肪酸混合物の曇点よりも2℃低い温度から曇点よりも13℃低い温度までの範囲内に冷却し、次いで湿潤剤水溶液と混合し、前記温度範囲に維持する工程、及び
(3)工程(2)において析出した固相及び水相を液体の油相から分離して、液体の油相として脂肪酸組成物を得る工程、
を含む、飽和脂肪酸の含有量が8質量%以下である脂肪酸組成物の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、
次の工程(1)〜(3):
(1)油脂を加水分解して得られる、分解脂肪酸組成物を、
脂肪酸の含有量を80〜96質量%、
モノアシルグリセロールを0.3〜8質量%、
ジアシルグリセロールの含有量を1〜12質量%、且つ
ジアシルグリセロールのモノアシルグリセロールに対する質量比[(DAG)/(MAG)]を0.5〜40
に調整して脂肪酸混合物を得る工程、
(2)工程(1)で得られた脂肪酸混合物を、当該脂肪酸混合物の曇点よりも2℃低い温度から曇点よりも13℃低い温度までの範囲内に冷却し、次いで湿潤剤水溶液と混合し、前記温度範囲に維持する工程、及び
(3)工程(2)において析出した固相及び水相を液体の油相から分離して、液体の油相として脂肪酸組成物を得る工程、
を含む、脂肪酸組成物中の飽和脂肪酸を低減する方法を提供するものである。
本発明によれば、加水分解後の分解脂肪酸組成物から飽和脂肪酸を容易に効率的に分別でき、飽和脂肪酸含量が低い脂肪酸組成物を高い収率で得ることができる。この脂肪酸組成物を用いれば、低温での結晶化が抑制された油脂組成物を得ることができる。
分解脂肪酸組成物は、油脂を加水分解して得られる。
本明細書において油脂とは、トリアシルグリセロールのみならず、モノアシルグリセロール及びジアシルグリセロールを含む概念である。
工程(1)において加水分解の対象となる油脂は、植物性油脂、動物性油脂のいずれでもよいが、菜種油、大豆油、ヒマワリ油、綿実油、パーム油等を好適に挙げることができる。なかでも、綿実油、ヒマワリ油、及びパーム油は、リノレン酸が少なく、加水分解後のトランス不飽和脂肪酸含量を低減させる点から好ましい。また、油脂は、原料の全部又は一部に、油脂の精製処理において脱臭を行っていない油脂、即ち未脱臭油脂を用いるのが、加水分解後のトランス不飽和脂肪酸含量を低減できるので好ましい。
本発明において、油脂を構成する脂肪酸は特に限定されず、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよいが、本発明の効果が有効に発揮される点から、油脂を構成する脂肪酸中の20質量%(以下、単に「%」とする)以下、更に6〜18%、更に8〜14%が飽和脂肪酸である油脂に対して適用することが好ましい。飽和脂肪酸としては、炭素数12〜24、更に16〜20のものが好ましい。
油脂は、それぞれの原料となる植物、又は動物から搾油後、油分以外の固形分をろ過や遠心分離等により除去するのが好ましい。次いで、水、場合によっては更に酸を添加混合した後、遠心分離等によってガム分を分離することにより脱ガムすることが好ましい。また、油脂は、アルカリを添加混合した後、水洗し脱水することにより脱酸を行うことが好ましい。更に、油脂は、活性白土等の吸着剤と接触させた後、吸着剤をろ過等により分離することにより脱色を行うことが好ましい。これらの処理は、以上の順序で行うことが好ましいが、順序を変更しても良い。また、この他に、油脂は、ろう分の除去のために、低温で固形分を分離するウインタリングを行っても良い。
油脂を加水分解する方法としては、高温高圧分解法と酵素分解法が挙げられる。
高温高圧分解法とは、油脂に水を加えて、高温、高圧の条件で反応することにより、脂肪酸とグリセリンを得る方法である。また、酵素分解法とは、油脂に水を加えて、油脂加水分解酵素を触媒として用い、低温の条件で反応することにより、脂肪酸とグリセリンを得る方法である。
高温高圧分解法による加水分解においては、油脂100質量部(以下、単に「部」とする)に対し、水を10〜250部となるように加え、温度200〜270℃、圧力2〜8MPaの条件下で0.1〜10時間かけて加水分解するのが好ましい。分解脂肪酸組成物の工業的生産性、脱色、トランス不飽和脂肪酸の生成を抑制する点から、温度は210〜265℃、更に215〜260℃とすることが好ましい。油脂100部に対する水の量は、同様の点から、更に15〜150部、更に20〜120部とすることが好ましい。また、圧力は同様の点から、更に2〜7MPa、更に2.5〜6MPaとすることが好ましい。反応時間は、同様の点から、更に0.2〜6時間、更に0.3〜4時間とすることが好ましい。
高温高圧分解法に用いる好ましい反応装置としては、7〜40m3の容量の加水分解反応槽を備えた向流式のColgate−Emery法油脂分解塔(例えばIHI社)を挙げることができる。また、実験室規模の少量分解には市販のオートクレーブ装置(例えば日東高圧(株))を加水分解反応槽として用いてもよい。
油脂の酵素分解法に使用する油脂加水分解酵素としては、リパーゼが好ましい。リパーゼは、動物由来、植物由来のものはもとより、微生物由来の市販リパーゼを使用することもできる。例えば、微生物由来リパーゼとしては、リゾプス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、リゾムコール(Rhizomucor)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ジオトリケム(Geotrichum)属、ペニシリウム(Penicillium)属、キャンディダ(Candida)属等の起源のものが挙げられる。
更に、油脂加水分解酵素を担体に固定化した固定化油脂加水分解酵素を用いることが酵素活性を有効利用できる点から好ましい。また、固定化酵素を用いることは、加水分解反応物と酵素の分離が簡便である点からも好ましい。
油脂加水分解酵素の加水分解活性は20U/g以上、更に100〜10000U/g、更に500〜5000U/gの範囲であることが好ましい。ここで酵素の1Uは、40℃において、油脂:水=100:25(質量比)の混合液を攪拌混合しながら30分間加水分解をさせたとき、1分間に1μmolの遊離脂肪酸を生成する酵素の分解能を示す。
油脂加水分解酵素は充填塔に充填した状態での使用や攪拌槽での使用のどちらでもよいが、固定化酵素の破砕抑制の点から充填塔に充填した状態で使用することが好ましい。
油脂の加水分解反応に用いる酵素量(乾燥質量)は、酵素の活性を考慮して適宜決定することができるが、分解する油脂100部に対して0.01〜30部、更に0.1〜20部、更に1〜10部が好ましい。また、水の量は、分解する油脂100部に対して10〜200部、更に20〜100部、更に30〜80部が好ましい。水は、蒸留水、イオン交換水、脱気水、水道水、井戸水等いずれのものでも構わない。グリセリン等その他の水溶性成分が混合されていても良い。必要に応じて、酵素の安定性が維持できるようにpH3〜9の緩衝液を用いてもよい。
反応温度は、酵素の活性をより有効に引き出し、分解により生じた遊離脂肪酸が結晶とならない温度である0〜70℃、更に20〜50℃とすることが好ましい。また反応は、分解脂肪酸組成物の酸化劣化抑制の点から空気との接触が出来るだけ回避されるように、窒素等の不活性ガス存在下で行うことが好ましい。
本発明において、油脂の加水分解は、回分式、連続式、又は半連続式で行うことができる。油脂と水の装置内への供給は、並流式、向流式どちらでもよい。加水分解反応装置に供給される油脂及び水は、必要により予め脱気又は脱酸素した油脂及び水を用いることが油脂の酸化抑制の点から好ましい。
油脂の加水分解反応は分解脂肪酸組成物中の脂肪酸濃度によって管理し、所定の脂肪酸濃度に到達した時点で終了すればよい。なお、本発明における「脂肪酸濃度」は、後述の〔分析方法〕(iii)に記載した方法に従って求めた値をいう。
本発明において、油脂の加水分解反応は、スラリーの粘度上昇を抑え、析出した飽和脂肪酸を容易に分離できる点、目的の脂肪酸組成物中の飽和脂肪酸量をより低減できる点、目的の脂肪酸組成物の収率向上の点から、脂肪酸濃度が80〜96%、更に82〜95%、更に84〜94%、殊更86〜93%となるまで行うことが好ましい。
加水分解反応により得られる分解脂肪酸組成物には、脂肪酸の他に未反応の油脂、即ちトリグリセリド、ジグリセリド、及びモノグリセリドが含まれる。本発明においては、油脂の加水分解により得られる分解脂肪酸組成物を、蒸留操作を行うことなく後述する湿潤剤分別に用いることができるが、蒸留後の脂肪酸混合物中の脂肪酸濃度及びモノアシルグリセロール濃度が後述の範囲を満たす条件で、蒸留操作を行ってもよい。蒸留後に必要に応じて、更に吸着剤処理、ろ過等を行うこともできる。
工程(1)は、油脂を加水分解して得られる分解脂肪酸組成物を、脂肪酸の含有量を80〜96%、モノアシルグリセロールの含有量を0.3〜8%、ジアシルグリセロールの含有量を1〜12%、且つジアシルグリセロールのモノアシルグリセロールに対する質量比[(DAG)/(MAG)]を0.5〜40に調整して脂肪酸混合物を得る工程である。斯かる範囲に脂肪酸混合物中のジアシルグリセロール含有量を調整することにより、湿潤剤分別におけるスラリーの粘度を低下させることができ、容易に効率的に飽和脂肪酸を分別除去することができる。
本発明において、脂肪酸混合物中の脂肪酸の含有量は、スラリーの粘度上昇を抑え、析出した飽和脂肪酸を容易に分離できる点、目的の脂肪酸組成物中の飽和脂肪酸量をより低減できる点、目的の脂肪酸組成物の収率向上の点から、脂肪酸濃度が80〜96%、更に82〜95%、更に84〜94%、殊更86〜93%とすることが好ましい。
脂肪酸混合物中のモノアシルグリセロール含有量は、0.3〜8%であるが、脂肪酸混合物の粘度を低くする観点より、0.3〜6.5%が好ましく、更に0.4〜5.5%、更に0.5〜4.5%、更に0.6〜4%であることが好ましい。
また、脂肪酸混合物中のトランス不飽和脂肪酸の含有量は、得られる脂肪酸組成物の低温安定性を向上させる観点から、脂肪酸混合物中に0〜2%、更に0〜1.5%、殊更0〜1%であることが好ましい。
脂肪酸混合物中のジアシルグリセロールの含有量は1〜12%であるが、スラリーの粘度上昇を抑え、析出した飽和脂肪酸を容易に分離できる点、目的の脂肪酸組成物の収率向上の点から、更に2〜11%、更に2.5〜10%、殊更3〜9%が好ましい。
また、脂肪酸混合物におけるジアシルグリセロールのモノアシルグリセロールに対する質量比[(DAG)/(MAG)]は0.5〜40であるが、スラリーの粘度上昇を抑え、析出した飽和脂肪酸を容易に分離できる点、目的の脂肪酸組成物の収率向上の点から、更に0.6〜20、更に0.8〜12、更に1〜9、更に1.1〜7が好ましい。
このように脂肪酸混合物中のジアシルグリセロール含有量を調整する方法としては、例えば、ジアシルグリセロール又はジアシルグリセロール含有油の添加によって上記範囲内に調整する方法、加水分解反応の条件を調整する方法、高圧分解した脂肪酸混合物と酵素分解した脂肪酸混合物の混合による方法が挙げられる。
工程(2)は、前記工程(1)でジアシルグリセロール含有量を調整した脂肪酸混合物を当該脂肪酸混合物の曇点よりも2℃低い温度から曇点よりも13℃低い温度までの範囲内に冷却し、次いで湿潤剤水溶液を混合し、前記温度範囲に維持する工程である。なお、「曇点(℃)よりも2℃低い温度から曇点よりも13℃低い温度までの範囲」、を、以下、「曇点−2〜−13℃」と表記することがある。また、単に「冷却温度範囲」ということがある。斯かる温度範囲に冷却することにより脂肪酸混合物の中の飽和脂肪酸が結晶化し、次いでこれと湿潤剤水溶液とを混合すると、析出した飽和脂肪酸結晶が疎水性から親水性になり、油相から水相へ移動して水相へ分散するため、脂肪酸組成物よりなる液体の油相から容易に分離することができる。
本明細書において脂肪酸混合物の曇点は、透明な油相が濁り始める温度であり、後記実施例記載の方法により測定することができる。
本発明においては、工程(2)に先立ち、脂肪酸混合物をあらかじめ当該脂肪酸混合物の曇点よりも10℃以上高い温度にしておくことが好ましい。かかる温度にすることで後に析出させる飽和脂肪酸を一旦十分に溶解しておき、後の析出において、飽和脂肪酸を選択的に析出させることができる。当該温度は、脂肪酸混合物の曇点に依存するが、例えば、15℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましい。
脂肪酸混合物の冷却温度範囲は、スラリーの粘度上昇を抑え、結晶として析出した飽和脂肪酸を容易に分離できる点、目的の脂肪酸組成物中の飽和脂肪酸量をより低減できる点、目的の脂肪酸組成物の収率向上の点から曇点−2〜−13℃であるが、更に曇点−3〜−11.5℃、更に−3.5〜−10℃、殊更に曇点−4〜−8℃が好ましい。
また、冷却温度範囲は曇点に依存するが、例えば、2〜13℃、更に3〜11℃、殊更4〜9℃が好ましい。
脂肪酸混合物の冷却温度範囲に至るまでの冷却速度は、目的の脂肪酸組成物中の飽和脂肪酸量をより低減できる点、生産性向上の点から10℃/分以下、更に0.1〜8℃/分であるが、殊更0.3〜5℃/分が好ましい。
冷却操作は、ジャケット冷却、熱交換器等により行うことができる。
また、冷却操作は、攪拌下で行うことが好ましい。攪拌の程度はスラリーを均一温度に保持できるように混合する点から、析出した結晶の粘度が高い場合はスクレーパー付掻き取り羽根、低い場合はアンカー羽根が好ましい。
本発明で用いられる湿潤剤水溶液は、界面活性剤及び無機電解質を含む水溶液である。
界面活性剤としては、特に限定されず、例えば、炭素数6〜20、好ましくは8〜19のアルキル基又はアルケニル基を有する、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、アルケニル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルケニル硫酸エステル塩等のアニオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル等の非イオン界面活性剤;ラウリルベタイン、ステアリルベタイン等の両性界面活性剤等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。なかでも、経済性及び安全性の点から、デシル硫酸ナトリウムとドデシル硫酸ナトリウムの混合物が好ましい。
界面活性剤の使用量は、飽和脂肪酸含量が低い脂肪酸組成物を効率よく分離する点から、脂肪酸混合物100部に対して0.1〜10部であるが、0.3〜5部がより好ましい。
また、無機電解質としては、例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム等の無機塩が挙げられる。
無機電解質の使用量は、飽和脂肪酸含量が低い脂肪酸組成物を効率よく分離する点から、脂肪酸混合物100部に対して0.5〜20部、1〜10部がより好ましい。
湿潤剤水溶液の使用量は、飽和脂肪酸含量が低い脂肪酸組成物を効率よく分離する点から、脂肪酸混合物100部に対して50〜400部が好ましく、更に100部〜300部が好ましい。
また、脂肪酸混合物と混合する際の湿潤剤水溶液の温度は、特に限定されないが、冷却の効率の点から、冷却温度範囲と同じ温度が好ましい。
なお、本発明においては、湿潤剤水溶液の固化を抑える点から、公知の凝固点降下剤を用いてもよい。凝固点降下剤としては、例えば、グリセリン、エチレングルコール等が挙げられる。凝固点降下剤は、脂肪酸混合物の冷却時に存在していればよく、その添加の時期等は特に限定されるものではない。
脂肪酸混合物と湿潤剤水溶液の混合は、析出した飽和脂肪酸結晶の分散を良好に保つ点から、攪拌下で行うことが好ましい。攪拌の程度は、装置によって異なるが、析出した飽和脂肪酸結晶の破砕を抑制し、湿潤剤を均一に分散できる条件を選択することが好ましい。
脂肪酸混合物と湿潤剤水溶液を混合した後、一定時間冷却温度範囲に維持することで熟成させる。かかる熟成処理により、飽和脂肪酸含量が低い脂肪酸組成物を得ることができる。維持時間は、同様の点から、5〜180分、更に10〜150分、殊更15〜90分が好ましい。なお、ここでの時間は、脂肪酸混合物と湿潤剤水溶液の混合液が冷却温度範囲内にある時間の合計を意味する。
熟成処理終了時のスラリーの粘度は、操作性、結晶として析出した飽和脂肪酸を容易に分離できる点から、当該熟成終了時の温度において30〜3000mPa・s、更に40〜2500mPa・s、更に50〜2000mPa・sが好ましい。
工程(3)は、前記工程(2)により析出した飽和脂肪酸を含む固相及び水相を、液体の油相から分離して、液体の油相として脂肪酸組成物を得る工程である。固相及び水相の液体の油相からの分離は、例えば、静置分離、濾過、遠心分離等の方法により行うことができる。なかでも、工業的生産性、操作性の点から遠心分離が好ましい。
遠心分離する場合、供給操作によって回分または連続に大別でき、処理量によって使い分ける。処理量が多い場合は連続式遠心分離装置、処理量が少ない場合は回分式遠心分離装置が好ましい。連続式遠心分離装置としては、例えばアルファラバル製ハイスピードセパレーターが挙げられる。処理量が少ない場合は、回分式の回分式遠心分離装置が好ましく、例えば高速冷却遠心機himac CR−GIII 日立工機製が挙げられる。
本発明において、分別により除去される飽和脂肪酸としては、直鎖又は分岐鎖の飽和脂肪酸が挙げられ、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸等の炭素数12〜24、好ましくは炭素数16〜20の直鎖又は分岐鎖の飽和脂肪酸が挙げられる。また、分別により得られる脂肪酸としては、直鎖又は分岐鎖の不飽和脂肪酸が挙げられ、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸等の炭素数16〜22の直鎖又は分岐鎖の不飽和脂肪酸が挙げられる。
液体の油相として得られる脂肪酸組成物の、脂肪酸混合物に対する収率(歩留まり)は、脂肪酸混合物中に含まれる飽和脂肪酸の濃度により異なるが、75〜94%、更に80〜92%、殊更に83〜90%であることが製造効率の点から好ましい。
得られた液体の油相をもって、本発明の脂肪酸組成物とすることができる。また、得られた液体の油相から水分を除去して本発明の脂肪酸組成物としてもよい。さらに、水洗等の他の工程を加えてもよい。
本発明の製造方法により得られた脂肪酸組成物中、飽和脂肪酸の含有量は8%以下であるが、更に4〜7.5%、殊更5〜7%であることが好ましい。また、トランス不飽和脂肪酸の含有量は、好ましくは0.01〜2%以下であり、更に0.05〜1.5%、更に0.1〜1%である。
また、次の工程(1)〜(3):
(1)油脂を加水分解して得られる、分解脂肪酸組成物を、
脂肪酸の含有量を80〜96質量%、
モノアシルグリセロールを0.3〜8質量%、
ジアシルグリセロールの含有量を1〜12質量%、且つ
ジアシルグリセロールのモノアシルグリセロールに対する質量比[(DAG)/(MAG)]を0.5〜40
に調整して脂肪酸混合物を得る工程、
(2)工程(1)で得られた脂肪酸混合物を、当該脂肪酸混合物の曇点よりも2℃低い温度から曇点よりも13℃低い温度までの範囲内に冷却し、次いで湿潤剤水溶液と混合し、前記温度範囲に維持する工程、及び
(3)工程(2)において析出した固相及び水相を液体の油相から分離して、液体の油相として脂肪酸組成物を得る工程、
を含む方法により、脂肪酸組成物中の飽和脂肪酸を低減することができる。
本発明の脂肪酸組成物中の飽和脂肪酸を低減する方法においては、原料となる分解脂肪酸組成物中の飽和脂肪酸と、得られる脂肪酸組成物中の飽和脂肪酸との差分を2〜10%とすることができ、好ましくは、4〜8%、更に5〜7%とすることができる。
また、得られる脂肪酸組成物は、脂肪酸のみならず、トリアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、又はモノアシルグリセロールを含んでいてもよい。脂肪酸組成物中、ジアシルグリセロール及びモノアシルグリセロールの合計含有量は、1.5〜19%、さらに3.0〜15%、殊更4.0〜12%であることが好ましい。
本発明の製造方法により得られた脂肪酸組成物は、一般の脂肪酸組成物と同様に使用できる。とりわけ低温耐性に優れるエステル化反応油の原料として好適である。
本発明の実施の形態及び好ましい実施の形態を以下に例示する。
<1>次の工程(1)〜(3):
(1)油脂を加水分解して得られる分解脂肪酸組成物を、
脂肪酸の含有量を80〜96質量%、
モノアシルグリセロールの含有量を0.3〜8質量%、
ジアシルグリセロールの含有量を1〜12質量%、且つ
ジアシルグリセロールのモノアシルグリセロールに対する質量比[(DAG)/(MAG)]を0.5〜40
に調整して脂肪酸混合物を得る工程、
(2)工程(1)で得られた脂肪酸混合物を、当該脂肪酸混合物の曇点よりも2℃低い温度から曇点よりも13℃低い温度までの範囲内に冷却し、次いで湿潤剤水溶液と混合し、前記温度範囲に維持する工程、及び
(3)工程(2)において析出した固相及び水相を液体の油相から分離して、液体の油相として脂肪酸組成物を得る工程、
を含む、飽和脂肪酸の含有量が8質量%以下である脂肪酸組成物の製造方法。
<2>次の工程(1)〜(3):
(1)油脂を加水分解して得られる、分解脂肪酸組成物を、
脂肪酸の含有量を80〜96質量%、
モノアシルグリセロールを0.3〜8質量%、
ジアシルグリセロールの含有量を1〜12質量%、且つ
ジアシルグリセロールのモノアシルグリセロールに対する質量比[(DAG)/(MAG)]を0.5〜40
に調整して脂肪酸混合物を得る工程、
(2)工程(1)で得られた脂肪酸混合物を、当該脂肪酸混合物の曇点よりも2℃低い温度から曇点よりも13℃低い温度までの範囲内に冷却し、次いで湿潤剤水溶液と混合し、前記温度範囲に維持する工程、及び
(3)工程(2)において析出した固相及び水相を液体の油相から分離して、液体の油相として脂肪酸組成物を得る工程、
を含む、脂肪酸組成物中の飽和脂肪酸を低減する方法。
<3>工程(1)における加水分解の対象となる油脂が、菜種油、大豆油、ヒマワリ油、綿実油及びパーム油から選ばれる油脂、より好ましくは綿実油、ヒマワリ油及びパーム油から選ばれる油脂である<1>又は<2>に記載の方法。
<4>工程(1)における油脂を構成する脂肪酸中の20%以下、好ましくは6〜18%が飽和脂肪酸である<1>〜<3>のいずれかに記載の方法。
<5>工程(1)における油脂を構成する飽和脂肪酸が、炭素数12〜24、好ましくは16〜20のものである<1>〜<4>のいずれかに記載の方法。
<6>工程(1)における油脂の加水分解が、高圧加水分解又は酵素分解である<1>〜<5>のいずれかに記載の方法。
<7>工程(1)における脂肪酸混合物中の脂肪酸濃度が、82〜95%、好ましくは84〜94%、さらに好ましくは86〜93%である<1>〜<6>のいずれかに記載の方法。
<8>工程(1)における脂肪酸混合物中のモノアシルグリセロール含有量が、0.4〜5.5%、好ましくは0.5〜4.5%、より好ましくは0.6〜4%である<1>〜<7>のいずれかに記載の方法。
<9>工程(1)における脂肪酸混合物中のトランス不飽和脂肪酸含有量が、0〜2%、好ましくは0〜1.5%、さらに好ましくは0〜1%である<1>〜<8>のいずれかに記載の方法。
<10>工程(1)における脂肪酸混合物中のジアシルグリセロール含有量が、2〜11%、好ましくは2.5〜10%、より好ましくは3〜9%である<1>〜<9>のいずれかに記載の方法。
<11>工程(1)における脂肪酸混合物中のジアシルグリセロールのモノアシルグリセロールに対する質量比[(DAG)/(MAG)]が、0.6〜20、好ましくは0.8〜12、より好ましくは1〜9、さらに好ましくは1.1〜7である<1>〜<10>のいずれかに記載の方法。
<12>工程(2)の脂肪酸混合物の温度を、あらかじめ当該脂肪酸混合物の曇点よりも10℃、好ましくは15℃以上、より好ましくは20℃以上高い温度にしておく、<1>〜<11>のいずれかに記載の方法。
<13>工程(2)の冷却温度が、脂肪酸混合物の曇点−3〜−11.5℃、好ましくは該曇点−3.5〜−10℃、より好ましくは該曇点−4〜−8℃である<1>〜<12>のいずれかに記載の方法。
<14>工程(2)の冷却速度が、10℃/分以下、好ましくは0.1〜8℃/分、より好ましくは0.3〜5℃/分である<1>〜<13>のいずれかに記載の方法。
<15>工程(2)の湿潤剤水溶液が、界面活性剤及び無機電解質を含む水溶液である<1>〜<14>のいずれかに記載の方法。
<16>界面活性剤が、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれるもの、好ましくはアニオン界面活性剤である<15>に記載の方法。
<17>無機電解質が、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム及び硫酸アルミニウムから選ばれる無機塩である<15>又は<16>記載の方法。
<18>界面活性剤の使用量が、脂肪酸混合物100部に対して0.1〜10部、好ましくは0.3〜5部である<15>又は<17>のいずれかに記載の方法。
<19>無機電解質の使用量が、脂肪酸混合物100部に対して0.5〜20部、好ましくは1〜10部である<15>〜<18>のいずれかに記載の方法。
<20>工程(2)の湿潤剤水溶液中にグリセリン及びエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種の凝固点降下剤を含む<1>〜<19>のいずれかに記載の方法。
<21>工程(2)において湿潤剤水溶液を混合後、5〜180分、好ましくは10〜150分、より好ましくは15〜90分冷却温度を維持する<1>〜<20>のいずれかに記載の方法。
<22>工程(2)の最終脂肪酸混合物の粘度が、30〜3000mPa・s、好ましくは40〜2500mPa・s、より好ましくは50〜2000mPa・sである<1>〜<21>のいずれかに記載の方法。
<23>工程(3)の水相と油相の分離手段が、遠心分離、静置分離又は濾過である<1>〜<22>のいずれかに記載の方法。
<24>工程(3)により得られる脂肪酸組成物中の飽和脂肪酸含有量が4〜7.5%、好ましくは5〜7%である<1>〜<23>のいずれかに記載の方法。
<25>工程(3)により得られる脂肪酸組成物中のトランス不飽和脂肪酸含有量が0.01〜2%、好ましくは0.05〜1.5%、より好ましくは0.1〜1%である<1>〜<24>のいずれかに記載の方法。
<26>工程(3)により得られる脂肪酸組成物中のジアシルグリセロール及びモノアシルグリセロールの合計含有量が、1.5〜19%、好ましくは3.0〜15%、より好ましくは4.0〜12%である<1>〜<25>のいずれかに記載の方法。
〔分析方法〕
(i)グリセリド組成の測定
ガラス製サンプル瓶に、脱水したサンプルを約10mgとトリメチルシリル化剤(「シリル化剤TH」、関東化学製)0.5mLを加え、密栓し、70℃で20分間加熱した。冷却後、これに水1.5mLとヘキサン1.5mLを加え、振とうした。静置後、ヘキサン層をガスクロマトグラフィー(GLC)に供して、グリセリド組成の分析を行った。
<GLC条件>
(条件)
装置:アジレント6890シリーズ(アジレントテクノジー社製)
インテグレーター:ケミステーションB 02.01 SR2(アジレントテクノジー社製)
カラム:DB−1ht、10m(アジレントテクノジー社製)
キャリアガス:1.0mL He/min
インジェクター:Split(1:50)、T=320℃
ディテクター:FID、T=350℃
オーブン温度:80℃から340℃まで1℃/分で昇温、340℃で15分間保持
(ii)構成脂肪酸組成の測定
日本油化学会編「基準油脂分析試験法2003年版」中の「メチルエステル化法(三フッ化ホウ素メタノール法)(2.4.1.2−1996)」に従って脂肪酸メチルエステルを調製し、得られたサンプルを、ガスクロマトグラフィー(GLC)に供して、脂肪酸の分析を行った。
(iii)酸価の測定
日本油化学会編「基準油脂分析試験法2003年版」中の「酸価(2.3.1−1996)」に従って測定した。
(iv)脂肪酸濃度の測定
分解脂肪酸組成物、脂肪酸混合物、及び脂肪酸組成物について、酸価及び脂肪酸組成を測定し、「油脂製品の知識」(株式会社 幸書房)に従って、次式(1)で求めた値を脂肪酸濃度とした。
脂肪酸濃度(質量%)=x×y/56.1/10 (1)
(x=酸価[mgKOH/g]、y=脂肪酸組成から求めた平均分子量)
(v)脂肪酸混合物の曇点の測定
高感度型示差走査熱量計DSC7020、エスアイアイ・ナノテクノロジー製を用いて、試料を70℃に昇温して完全溶解後、30℃まで10℃/分、−20℃まで0.5℃/分で冷却したときの結晶析出温度を測定した。
(vi)スラリー粘度の測定
B型粘度計BL形式、(株)東京計器を用いて、試料を5回測定し、上下の値を除き3回の平均値とした。
(vii)脂肪酸組成物の収率の算出法
次式(2)により、脂肪酸組成物の収率を算出した。
脂肪酸組成物の収率(%)=(a−c)/(b−c)×100 (2)
(a=脂肪酸混合物の飽和脂肪酸合計[%]、b=脂肪酸組成物の飽和脂肪酸合計[%]、c=固体脂肪酸の飽和脂肪酸合計[%])
〔ジアシルグリセロール含有油の調製〕
未脱臭ヒマワリ脂肪酸100部とグリセリン15部とを混合し、Lipozyme RM IM(ノボザイムジャパン製)5部を使って、温度50℃、圧力400Paで攪拌しながらエステル化反応を行った。得られたエステル化反応油を、薄膜蒸留により脂肪酸とモノアシルグリセロールを除去した。次いで、50%クエン酸水溶液を0.5%添加攪拌後、水洗を3回行い、水洗ジアシルグリセロール含有油を得た。水洗ジアシルグリセロール含有油を水蒸気脱臭(温度240℃、圧力260Pa、時間34分、水蒸気/原料比=3%/h)してジアシルグリセロール含有油を得た。ジアシルグリセロール含有油のグリセリド組成は、モノアシルグリセロール2%、ジアシルグリセロール94%、トリアシルグリセロール4%であった。
〔脂肪酸混合物(サンプルa)の調製〕
日東高圧製のバッチ式のオートクレーブ装置(容量1.99リットル、設計圧力10MPa、設計温度300℃、材質SUS316)で高温高圧分解法による未脱臭ヒマワリ油の加水分解を行った。未脱臭ヒマワリ油300gと蒸留水700gをオートクレーブ装置に投入し密閉した。次に、窒素を用いて1.0MPaに加圧し、5分保持後、脱ガスする操作を3回繰り返し、気相を窒素置換した。その後、600r/minで攪拌しながら、反応温度である240℃まで昇温した。240℃までの昇温時間は約60分であり、到達圧力は3.2MPaであった。加水分解反応を3時間行い、70℃まで冷却した。70℃までの冷却時間は約80分であった。オートクレーブ装置から、甘水を含む加水分解した反応物を全量抜き出し、遠心分離(5,000×g,30分)して水層を除去し、分解脂肪酸組成物を得た。その後、1000mL容量の四つ口フラスコに分解脂肪酸組成物を投入し、攪拌(半月翼Φ75mm×H22mm:400r/min)しながら、温度70℃、真空度260Paで30分間、減圧で完全脱水して脂肪酸混合物(サンプルa)を得た。
〔脂肪酸混合物(サンプルb)の調製〕
オートクレーブ装置に投入する未脱臭ヒマワリ油を600gと蒸留水を360gにした他はサンプルaと同じ操作10回行い、均一混合して脂肪酸混合物(サンプルb)を得た。
〔脂肪酸混合物(サンプルc)の調製〕
オートクレーブ装置に投入する未脱臭ヒマワリ油を600gと蒸留水を360gにし、加水分解反応を2時間行った他はサンプルaと同じ操作を行って脂肪酸混合物(サンプルc)を得た。
〔脂肪酸混合物(サンプルd)の調製〕
オートクレーブ装置に投入する未脱臭ヒマワリ油を600gと蒸留水を360gにし、加水分解反応を1.5時間行った他はサンプルaと同じ操作を同じ操作を6回行い、均一混合して脂肪酸混合物(サンプルd)を得た。
〔脂肪酸混合物(サンプルe)の調製〕
オートクレーブ装置に投入する未脱臭ヒマワリ油を600gと蒸留水を360gにし、加水分解反応を1.3時間行った他はサンプルaと同じ操作を行って脂肪酸混合物(サンプルe)を得た。
〔脂肪酸混合物(サンプルf)の調製〕
未脱臭ヒマワリ油について、粉末リパーゼ(リパーゼAY「アマノ」30G、天野エンザイム製)を用いた酵素分解法による加水分解反応をバッチ攪拌式で行った。未脱臭ヒマワリ油2000gを5リットル容量の四つ口フラスコに投入し、攪拌(半月翼Φ90mm×H25mm:300r/min)しながら40℃に昇温した。次いで、粉末リパーゼ4gを蒸留水1200gに溶解してから投入した。5リットル4ツ口フラスコの気相部は窒素に置換し窒素雰囲気下とした。加水分解反応を20時間行い、甘水を含む加水分解した反応物を全量抜き出し、遠心分離(5,000×g,30分)して水層を除去し、分解脂肪酸組成物を得た。その後、5リットル容量の四つ口フラスコに分解脂肪酸組成物を戻し、蒸留水を2000g投入し、500r/minで30分間攪拌し、遠心分離して水層を除去する操作を3回繰り返した。次いで、水洗した分解脂肪酸組成物を3リットル容量の四つ口フラスコに投入し、攪拌(半月翼Φ75mm×H22mm:400r/min)しながら、脂肪酸類を温度70℃、真空度260Paで30分間、減圧で完全脱水して脂肪酸混合物(サンプルf)を得た。
〔脂肪酸混合物(サンプルg)の調製〕
肪酸混合物(サンプルb)を、ワイプトフィルム蒸発装置((株)神鋼環境ソルーション 2−03型、内径5cm、伝熱面積0.03m2)を用いて薄膜蒸留を行った。加熱ヒーター温度設定150℃、圧力0.5〜1Pa、流量200g/hの条件で操作し、脂肪酸混合物(サンプルg)を得た。
〔脂肪酸混合物(サンプルh)の調製〕
肪酸混合物(サンプルb)を、ワイプトフィルム蒸発装置((株)神鋼環境ソルーション 2−03型、内径5cm、伝熱面積0.03m2)を用いて薄膜蒸留を行った。加熱ヒーター温度設定150℃、圧力0.5〜1Pa、流量120g/hの条件で操作し、脂肪酸混合物(サンプルh)を得た。
〔脂肪酸混合物(サンプルi)の調製〕
肪酸混合物(サンプルb)を、ワイプトフィルム蒸発装置((株)神鋼環境ソルーション 2−03型、内径5cm、伝熱面積0.03m2)を用いて薄膜蒸留を行った。加熱ヒーター温度設定200℃、圧力0.5〜1Pa、流量120g/hの条件で操作し、脂肪酸混合物(サンプルi)を得た。
〔脂肪酸混合物(サンプルj)の調製〕
脂肪酸混合物(サンプルh)209gとジアシルグリセロール含有油11gを混合して脂肪酸混合物(サンプルj)得た。
〔脂肪酸混合物(サンプルk)の調製〕
脂肪酸混合物(サンプルb)1400gと脂肪酸混合物(サンプルf)600gを混合して脂肪酸混合物(サンプルk)得た。
〔脂肪酸混合物(サンプルl)の調製〕
脂肪酸混合物(サンプルh)160gと脂肪酸混合物(サンプルi)40gとジアシルグリセロール含有油20gを混合して脂肪酸混合物(サンプルl)得た。
〔脂肪酸混合物(サンプルm)の調製〕
脂肪酸混合物(サンプルi)195gとジアシルグリセロール含有油25gを混合して脂肪酸混合物(サンプルm)得た。
実施例1〜10及び比較例1〜6
掻き取り式攪拌羽根をつけた1リットル容量の円筒状ステンレス容器(φ105mm)に70℃で溶解した脂肪酸混合物a〜mをそれぞれ200g仕込み、φ90mm×H150mmのアンカー羽根で50r/minで攪拌した。脂肪酸混合物の温度が30℃になった時から、0.5℃/minの速度で表1に示した冷却温度にそれぞれ冷却した。これに表1に示した冷却温度の湿潤剤水溶液(水94%、デシル硫酸ナトリウムとドデシル硫酸ナトリウムの混合物2%、硫酸マグネシウム4%)を300g加え、表1に示した冷却温度で60分間、100r/minでスラリーを攪拌し、熟成させた。
粘度を測定し、その後、表1に示した冷却温度に冷却した遠心分離機(高速冷却遠心機himac CR−GIII、日立工機製)により遠心加速度2000gで10分間処理し、上層の液体の油相を、固相、及び水相から分離した。上層の液体の油相を80℃で減圧脱水して、脂肪酸組成物を得た。
水相及び固相は、80℃に昇温して固相を液化し、遠心分離機(高速冷却遠心機himac CR−GIII、日立工機製)により遠心加速度2000gで10分間処理し、80℃で減圧脱水して、飽和脂肪酸に富む油相(以下「固体脂肪酸」と呼ぶ)を得た。
比較例7
サンプルk500gに対して、表2に示すポリグリセリン混合脂肪酸エステルを0.5g加えて70℃で均一に溶解し、1リットル容量の円筒状ステンレス容器(φ105mm)に仕込み、φ90mm×H150mmのアンカー羽根で50r/minで回転した。サンプルkの温度が30℃になった時点から、0.5℃/minの速度で5℃まで冷却し、アンカー羽根の回転数を100r/minにして、60分間熟成させた。その後、5℃に冷却した遠心分離機(高速冷却遠心機himac CR−GIII、日立工機製)により遠心加速度2000gで10分間処理し、液体の油相と固体脂肪酸を分離した。
比較例8
比較例7と同じ操作で熟成を行った後、加圧濾過した。NY1260D(中尾フィルター製)(濾過面積39cm2)を用い0.03MPaで定圧濾過して液体の油相と固体脂肪酸を得た。
表1に、各実施例及び比較例の脂肪酸混合物の組成、冷却温度、熟成60分後のスラリー粘度、脂肪酸組成物(液体の油相)の組成、固体脂肪酸中の飽和脂肪酸含有量、及び脂肪酸混合物に対する脂肪酸組成物の収率を示した。
Figure 0005947064
Figure 0005947064
表1より明らかなように、一定の割合でジアシルグリセロールを共存させて、曇点−2〜−13℃の範囲内で湿潤剤分別を行うと、油脂を加水分解して得られた脂肪酸混合物にモノアシルグリセロールが含まれていても、熟成60分後のスラリーの粘度が低く、飽和脂肪酸を容易に効率的に分別除去することができ、脂肪酸組成物を収率良く製造できることが確認された。
これに対し、比較例1〜3では、熟成60分後のスラリーの粘度が高く、また、脂肪酸組成物中の飽和脂肪酸の低減、及び脂肪酸組成物の収率が十分ではなかった。
比較例4は、脂肪酸原料に蒸留を施し、脂肪酸混合物中のモノアシルグリセロール及びジアシルグリセロールを除去したものである。分別における粘度上昇を避けることができるが、蒸留収率が72%と低く、油脂に対する脂肪酸組成物の総合収率は低かった
比較例5〜6は、脂肪酸原料に蒸留を施し、脂肪酸混合物中のジアシルグリセロールを除去したものである。モノアシルグリセロールが残留しているために分別における粘度が高く、分別における収率も低下した。
比較例7及び8にドライ分別を行った結果を示す。冷却後の分離方法として加圧濾過を採用することで、遠心分離と比べて収率をやや向上させることができるものの、いずれも脂肪酸組成物中の飽和脂肪酸の低減が十分ではなかった。

Claims (7)

  1. 次の工程(1)〜(3):
    (1)油脂を加水分解して得られる分解脂肪酸組成物を、
    脂肪酸の含有量を80〜96質量%、
    モノアシルグリセロールの含有量を0.3〜8質量%、
    ジアシルグリセロールの含有量を1〜12質量%、且つ
    ジアシルグリセロールのモノアシルグリセロールに対する質量比[(DAG)/(MAG)]を0.5〜40に調整して脂肪酸混合物を得る工程、
    (2)工程(1)で得られた脂肪酸混合物を、当該脂肪酸混合物の曇点よりも2℃低い温度から曇点よりも13℃低い温度までの範囲内に冷却し、次いで湿潤剤水溶液と混合し、前記温度範囲に5分〜90分維持する工程、及び
    (3)工程(2)において析出した固相及び水相を液体の油相から分離して、液体の油相として脂肪酸組成物を得る工程、
    を含む、飽和脂肪酸の含有量が8質量%以下である脂肪酸組成物の製造方法。
  2. 油脂が、その油脂を構成する脂肪酸中の飽和脂肪酸が20質量%以下の油脂である、請求項1記載の脂肪酸組成物の製造方法。
  3. 油脂が未脱臭油脂である、請求項1又は2記載の脂肪酸組成物の製造方法。
  4. 工程(2)における湿潤剤水溶液の量が脂肪酸混合物に対して50〜400質量部である請求項1〜3のいずれか1項記載の脂肪酸組成物の製造方法。
  5. 湿潤剤水溶液が界面活性剤及び無機電解質を含む水溶液である請求項1〜4のいずれか1項記載の脂肪酸組成物の製造方法。
  6. 脂肪酸混合物におけるモノアシルグリセロールの含有量が0.6〜8質量%であり、ジアシルグリセロールのモノアシルグリセロールに対する質量比[(DAG)/(MAG)]が0.5〜9である請求項1〜5のいずれか1項記載の脂肪酸組成物の製造方法。
  7. 次の工程(1)〜(3):
    (1)油脂を加水分解して得られる、分解脂肪酸組成物を、
    脂肪酸の含有量を80〜96質量%、
    モノアシルグリセロールを0.3〜8質量%、
    ジアシルグリセロールの含有量を1〜12質量%、且つ
    ジアシルグリセロールのモノアシルグリセロールに対する質量比[(DAG)/(MAG)]を0.5〜40に調整して脂肪酸混合物を得る工程、
    (2)工程(1)で得られた脂肪酸混合物を、当該脂肪酸混合物の曇点よりも2℃低い温度から曇点よりも13℃低い温度までの範囲内に冷却し、次いで湿潤剤水溶液と混合し、前記温度範囲に5分〜90分維持する維持する工程、及び
    (3)工程(2)において析出した固相及び水相を液体の油相から分離して、液体の油相として脂肪酸組成物を得る工程、
    を含む、脂肪酸組成物中の飽和脂肪酸を低減する方法。
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