JP2989644B2 - ポリビニルアルコール系重合体およびその製造法 - Google Patents

ポリビニルアルコール系重合体およびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明はポリビニルアルコール系重合体およびその製
造法に関する。
B.従来の技術 従来、ポリビニルアルコール系重合体は分散剤、界面
活性剤として広く用いられている。しかし界面活性能を
向上させるために、けん化度を下げると、ポリビニルア
ルコール系重合体の曇点現象のため満足な分散性能が得
られないという欠点があつた。したがつて、従来はカチ
オン基またはアニオン基などを側鎖に導入することによ
り、曇点を上昇させるという方法が用いられてきた。し
かし側鎖にカチオン基またはアニオン基を有するポリビ
ニルアルコール系重合体は、側鎖にカチオン基とかアニ
オン基を有さないポリビニルアルコール系重合体と比較
して、分散質への吸着状態が変化するためか、曇点上昇
はみられるものの分散性能としては満足できるものでは
なかつた。
C.発明が解決しようとする課題 本発明の目的は、上記の問題点のない、新規なポリビ
ニルアルコール系重合体を提供することにある。
D.課題を解決するための手段 本発明者らは、かかる現状に鑑み、よりすぐれた分散
性能を有し、曇点の高いポリビニルアルコール系重合体
について鋭意検討した結果、ポリビニルアルコール単位
を50モル%以上含有し、重合度が3500以下で末端にアミ
ノ基、アンモニウム基またはスルホン酸基を含有するポ
リビニルアルコール系重合体を見いだし、本発明を完成
させるに到つた。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリビニルアルコール系重合体は下記の構造
単位Aを50モル%以上含有し、重合度が3500以下で末端
にアミノ基、アンモニウム基またはスルホン酸基を含有
するポリビニルアルコール系重合体である。
本発明のポリビニルアルコール系重合体が含有するビ
ニルアルコール単位(構造単位A)以外のアルコール単
位としてはα−メチルビニルアルコール、α−エチルビ
ニルアルコール、α−プロピレンビニルアルコール、α
−ブチルビニルアルコール、α−ヘキシルビニルアルコ
ールからなる構造単位があげられる。
構造単位Aの含量は該重合体の曇点、および分散性能
の点から50モル%以上であることが必要であり、好まし
くは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上であ
る。
本発明のポリビニルアルコール系重合体が含有する構
造単位Aおよび上記のアルコール単位以外の構造単位と
しては特に制限はないが、該重合体の曇点を低下させな
いという点および分散性能の点からは、下記の構造単位
Bが好ましい。
(ここでR1はHまたは炭素数1から20までの炭化水素基
をあらわす。) R1の炭素数が上記より大の場合には、疎水性が強くな
りすぎて、該重合体の曇点が低下するので好ましくな
い。
構造単位Bとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチツク酸ビ
ニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニルおよびこ
れらのα置換体からなる構造単位があげられ、なかでも
酢酸ビニル単位およびピバリン酸ビニル単位が好まし
い。構造単位Bの含量は、分散性能および曇点の点から
50モル%未満であることが必要である。
本発明のポリビニルアルコール系重合体は、該重合体
の末端にアミノ基、アンモニウム基またはスルホン酸基
を含有することが必要である。分散性能の点からは該重
合体の片末端にのみアミノ基、アンモニウム基またはス
ルホン酸基を含有するのが好ましい。
アミノ基をまたはアンモニウム基を含有する末端基の
具体例な例としては以下のものが挙げられる。
(ここでnは0〜3、mは1〜10、R2,R3,R6,R7,R8は水
素原子またはメチル基、R4,R5は低級アルキル基(置換
基を含んでもよい)、Xはアンモニウム窒素と塩を形成
する陰性の基、Lはアミンあるいはアンモニウム窒素原
子と(I)式中のアミド基の窒素原子あるいは(III)
式中の酸素原子とを連結する基をそれぞれ示す。) またスルホン酸基を含有する末端基の具体的な例とし
ては以下のものが挙げられる。
(ここでR9は低級のアルキル基、R10,R11は水素原子ま
たはメチル基、nは2〜4、Mは水素原子、アルカリ金
属またはアンモニウムイオンをそれぞれ示す。) R2〜R11の炭素数、mおよびnが上記より大の場合に
は疎水性が強くなりすぎて、該重合体の曇点が低下する
ので好ましくない。
本発明のポリビニルアルコール系重合体は前記の構造
単位Aを含むことが必須であり、好ましくは構造単位A
および構造単位Bを含むが、構造単位Aおよび構造単位
B以外の構造単位を含むことは何らさしつかえなく、A
の含量が50モル%以上であれば他の構造単位の存在は何
ら問題ない。その他の構造単位としては、たとえばエチ
レン、プロピレン、イソブテン、アクリル酸、メタクリ
ル酸またはその塩あるいはこれらのアルキルエステル、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、エチルビニルエーテル、ブチル
ビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、
臭化ビニル、フツ化ビニル、塩化ビニリデン、フツ化ビ
ニリデン、テトラフルオロエチレンなどからなる構造単
位があげられる。
本発明のポリビニルアルコール系重合体の重合度につ
いては重合体の末端、好ましくは片末端にのみ存在する
アミノ基、アンモニウム基またはスルホン酸基を有効に
作用させるという視点から、重合度3500以下、好ましく
は2000以下、さらに好ましくは1000以下である。また該
重合体の重合度の下限については特に制限はないが20以
上、好ましくは40以上である。
次に、本発明のポリビニルアルコール系重合体の製造
法について説明する。
ポリビニルアルコール系重合体の末端にアミノ基、ア
ンモニウム基、またはスルホン酸基を導入する方法とし
て大別して次の2つの方法で知られている。
第1の方法はアミノ基、アンモニウム基、またはスル
ホン酸基を有するビニル系モノマーを共重合する方法で
ある。
第2の方法は、いわゆる高分子反応により導入する方
法で、ポリビニルアルコール系重合体のアルコール部分
にアミノ基、アンモニウム基またはスルホン酸基を後変
性により導入する方法である。しかしこれらの方法によ
つて重合体中にアミノ基、アンモニウム基またはスルホ
ン酸基を導入することは可能であるが、本発明の重合体
の特徴である分子の末端にのみ選択的にアミノ基、アン
モニウム基またはスルホン酸基を導入することはできな
い。このような情勢の中で本発明者らは分子の末端にの
み選択的にアミノ基、アンモニウム基またはスルホン酸
基を導入する方法について検討した結果、アミノ基、ア
ンモニウム基またはスルホン酸基を有する連鎖移動剤の
存在下にビニルエステル類を重合することにより末端に
のみアミノ基、アンモニウム基またはスルホン酸基を有
するポリビニルアルコール系重合体が得られることを見
出し、本発明の製造法を完成させたものである。
本発明の製造法の特徴はアミノ基、アンモニウム基ま
たはスルホン酸基を有する連鎖移動剤の存在下に酢酸ビ
ニル等のビニルエステル類モノマーを主体とするビニル
系モノマーを重合することにより、末端にアミノ基、ア
ンモニウム基、またはスルホン酸基を有するポリビニル
エスエル系重合体を製造する。次に、上記の方法により
得られた重合体をけん化することにより構造単位Aを含
有する重合体を得ることができる。
本発明で使用されるビニルエステルはラジカル重合可
能なビニルエステルであれば使用できる。例えばギ酸ビ
ニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビ
ニル、バーサテイツク酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ス
テアリン酸ビニル等があげられるが、なかでも酢酸ビニ
ルが最も重合性がよく好ましい。またこれらビニルエス
テルと共重合可能なモノマーを共存させ共重合すること
もできる。例えばエチレン、プロピレン、イソブチレ
ン、アクリル酸、メタクリル酸またはその塩あるいはこ
れらのアルキルエステル、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、エチ
ルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニル
ピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フツ化ビニル、
塩化ビニリデン、フツ化ビニリデン、テトラフルオロエ
チレンなどがあげられる。
本発明において使用される連鎖移動剤としては、アミ
ノ基、アンモニウム基またはスルホン酸基を含有するも
のであれば、特に制限はないが、なかでも以下の連鎖移
動剤が好適に用いられる。
アミノ基またはアンモニウム基を含有する連鎖移動剤
の具体例な例としては以下のものが挙げられる。
(ここでnは0〜3、mは1〜10、R2,R3,R6,R7,R8は水
素原子またはメチル基、R4,R5は低級アルキル基(置換
基を含んでもよい)、Xはアンモニウム窒素と塩を形成
する陰性の基、Lはアミンあるいはアンモニウム窒素原
子と(I)式中のアミド基の窒素原子あるいは(III)
式中の酸素原子とを連結する基をそれぞれ示す。) またスルホン酸基を含有する連鎖移動剤の具体的な例
としては以下のものが挙げられる。
(ここでR9は低級のアルキル基、R10,R11は水素原子ま
たはメチル基、nは2〜4、Mは水素原子、アルカリ金
属またはアンモニウムイオンをそれぞれ示す。) 本発明のアミノ基、アンモニウム基またはスルホン酸
基を有する連鎖移動剤の存在下の酢酸ビニル等のビニル
エステル類モノマーを主体とするビニル系モノマーの重
合はラジカル重合開始剤の存在下、塊状重合法、溶液重
合法、パール重合法、乳化重合法などいずれの方法でも
行なうことができるが、メタノールを溶媒とする溶液重
合法が工業的には最も有利である。重合中に存在させる
連鎖移動剤の重合系への添加量、添加方法には特に制限
はなく、目的とするポリビニルエステル系重合体の物性
値によつて適宜決定されるべきものである。重合方法と
しては回分式、半連続式、連続式等公知の方法を採用し
うる。
ラジカル重合開始剤としては2,2′−アゾビスイソブ
チロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化カーボネート
等公知のラジカル重合開始剤が使用できるが、2,2′−
アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤が取扱い
やすく好ましい。また放射線、電子線等も使用すること
ができる。重合温度は使用する開始剤の種類により適当
な温度を採用することが望ましいが、通常30〜90℃の範
囲から選ばれる。
所定時間重合した後未重合のビニルエステル類モノマ
ーを通常の方法で除去することにより末端にアミノ基、
アンモニウム基またはスルホン酸基を有するポリビニル
エステル系重合体がえられる。次に構造単位Aを有する
ポリビニルアルコール系重合体を得るためには、このよ
うにして得られたポリビニルエステル系重合体を常法に
よりけん化することにより得られるが、通常重合体をア
ルコール溶液とりわけメタノール溶液とし実施するのが
有利である。アルコールは無水物のみならず少量の含水
系のものも目的に応じて用いられ、また酢酸メチル、酢
酸エチルなどの有機溶媒を任意に含有せしめてもよい。
けん化温度は通常10〜70℃の範囲から選ばれる。けん化
触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナ
トリウムメチラート、カリウムメチラート等のアルカリ
性触媒が好ましく、該触媒の使用量はけん化度の大小お
よび水分量等により適宜決められるが、ビニルエステル
単位に対しモル比で0.001以上、好ましくは0.002以上用
いることが望ましい。一方アルカリ量が多くなりすぎる
と残存アルカリをポリマー中より除去することが困難と
なり、ポリマーが着色する等好ましくなく、モル比で0.
2以下にすることが望ましい。但し、構造単位Bがピバ
リン酸ビニルの場合にはモル比を高めにして酸素を除去
してけん化するのが好ましい。なおポリビニルエステル
系重合体中にカルボキシル基やそのエステル基等アルカ
リ触媒と反応し、アルカリを消費する成分が共重合含有
されている場合は、その分量を加えた量のアルカリ触媒
を使用する必要がある。
けん化反応後、析出した重合体は例えばメタノールで
洗浄する等公知の方法で精製し、残存アルカリ、酢酸ア
ルカリ金属塩等の不純物を除去して乾燥することにより
通常白色粉末としてえることができる。
E.実施例 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが本
発明はこれらによつて何等限定されるものではない。
なお実施例中「部」および「%」は特にことわりのな
い限り、いずれも重量基準を意味する。
実施例1 酢酸ビニル(以下VAcと略記する)2800部、メタノー
ル690部およびHSCH2 3N(CH33Cl 0.23部を反応容
器にとり、内部を充分に窒素置換した後、外温を65℃に
あげ、内温が60℃に達したところで、2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル1.1部を含むメタノール10部を加え
た。直ちにHSCH2 3N(CH33Cl 5.1部を含むメタノ
ール50部を4時間にわたつて均一に加えた。4時間後の
重合率は65%であつた。4時間後に容器を冷却し、減圧
下に残留するVAcをメタノールとともに系外に追い出す
操作をメタノールを追加しながら行ない、ポリ酢酸ビニ
ル(以下PVAcと略記する)のメタノール溶液(濃度70
%)を得た。このメタノール溶液の一部をとり、PVAc濃
度30%、〔NaOH〕/[酢酸ビニル単位]=0.01(モル
比)となるようにNaOHのメタノール溶液を加え、40℃で
けん化して、けん化度95モル%のポリビニルアルコール
(以下PVAと略記する)を得た。
PVAの重合度をけん化後のPVAを精製後、再アセチル化
して得たPVAcのアセトン中の極限粘度[η]より中島式
(中島章夫:高分子化学,451(1949))で計算する方
法で測定したところ、重合度は305であつた。
上記PVAを少量の水を含む酢酸メチルで還流下に洗浄
し、メタノールで48時間ソツクスレー抽出による精製を
行なつた後、重水に溶解し、核磁気共鳴分析(以下NMR
と略記する)を行つた。これにより、末端にアンモニウ
ム基の存在が認められ、重合機構も合せ考えると分子の
片末端に−SCH2 3N(CH33Clのアンモニウム基を
有するPVAであることが確認できた。
上記PVAcを部分けん化し、けん化度72モル%のポリビ
ニルアルコール系重合体を得た。この0.4%水溶液の曇
点を目視により測定すると、58℃であつた。
実施例2 ピバリン酸ビニル2800部、メタノール690部およびHS
−CH(CH3)−COOCH2−SO3Na 0.07部を反応容器
にとり、内部を充分に窒素置換した後、外温を65℃にあ
げ、内温が60℃に達したところで、2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル2.0部を含むメタノール10部を加え
た。直ちにHS−CH(CH3)−COOCH2 2SO3Na 1.15部を
含むメタノール50部を4時間にわたつて均一に加えた。
4時間後の重合率は65%であつた。4時間後に容器を冷
却し、減圧下に残留するピバリン酸ビニルをメタノール
とともに系外に追い出す操作をテトラヒドロフランを追
加しながら行ない、ポリピバリン酸ビニルのテトラヒド
ロフラン溶液(濃度15%)を得た。このテトラヒドロフ
ラン溶液の一部をとりポリピバリン酸ビニル濃度15%、
[NaOH]/[ピバリン酸ビニル単位]=0.8(モル比)
となるようにNaOHのメタノール溶液を加え、40℃でけん
化して、けん化度98モル%のPVAを得た。
PVAの重合度を実施例1と同様の方法で測定したとこ
ろ、重合度は1000であつた。
上記PVAを少量の水を含む酢酸メチルで還流下に洗浄
し、メタノールで48時間ソツクスレー抽出による精製を
行なつた後、D6−DMSOに溶解し、NMR分析を行なつた。
これにより、末端にスルホン酸基の存在が認められ、重
合機構も合せ考えると分子の片末端に−S−CHCH3
−COOCH2 2SO3Naのスルホン酸基を有するPVAである
ことが確認できた。
上記ポリピバリン酸ビニルを部分けん化し、けん化度
62モル%のポリビニルアルコール系重合体を得た。この
0.4%水溶液の曇点を目視により測定すると、65℃であ
つた。
実施例3 バーサテイツク酸ビニル2800部、メタノール690部お
よびHSCH2 3N(CH33Cl 0.005部を反応容器にと
り、内部を充分に窒素置換した後、外温を65℃にあげ、
内温が60℃に達したところで、2,2′−アゾビスイソブ
チロニトリル1.5部を含むメタノール10部を加えた。直
ちにHSCH2 3N(CH33Cl 0.02部を含むメタノール20
部を2時間にわたつて均一に加えた。2時間後の重合率
は32%であつた。2時間後に容器を冷却し、減圧下に残
留するメタノールを系外に追い出す操作を行ない、ポリ
バーサチツク酸ビニルのメタノール溶液(濃度70%)を
得た。このメタノール溶液の一部をとりポリバーサチツ
ク酸ビニル濃度30%、[NaOH]/[バーサチツク酸ビニ
ル単位]=0.01(モル比)となるようにNaOHのメタノー
ル溶液を加え、40℃でけん化して、けん化度96モル%の
PVAを得た。
PVAの重合度を実施例1と同様の方法で測定したとこ
ろ、重合度は2050であつた。
上記PVAを少量の水を含む酢酸メチルで還流下に洗浄
し、メタノールで48時間ソツクスレー抽出による精製を
行なつた後、重水に溶解し、NMR分析を行なつた。これ
により、末端にアンモニウム基の存在が認められ、重合
機構も合せ考えると分子の片末端に−SCH2 3N(C
H33Clのアンモニウム基を有するPVAであることが確認
できた。
上記ポリバーサチツク酸ビニルを部分けん化し、けん
化度80モル%のポリビニルアルコール系重合体を得た。
この0.4%水溶液の曇点を目視により測定すると83℃で
あつた。
実施例4〜16 実施例1〜3と同様の方法で、種々の連鎖移動剤を用
い重合を行ない次いでNMR測定により、片末端にアミノ
基、アンモニウム基またはスルホン酸基が導入されてい
ることを確認した。次にこれをけん化することによりポ
リビニルアルコール系重合体を得た。
さらにこれらの重合体の0.4%水溶液の曇点を目視に
より測定した。結果を表1に示した。
実施例17 実施例1〜3と同様の方法で、 を連鎖移動剤に用いて酢酸ビニルの重合を用い、けん化
することにより、末端にスルホン酸基を有する重合度24
00、けん化度71モル%のポリビニルアルコール系重合体
を得た。
得られたポリビニルアルコールをD6−DMSOに溶解し、
NMR分析を行つたところ末端にスルホン酸基の存在が確
認された。
この重合体の濃度0.4%水溶液の曇点を目視により測
定したところ、85℃であつた。
F.発明の効果 本発明のポリビニルアルコール系重合体は、曇点が高
いために、均一な水溶液が得られ、分散性能も高く、工
業的な価値が極めて高い。さらに、本発明のポリビニル
アルコール系重合体は、従来からの用途たとえば紙加
工、繊維加工等に用いてもその効果を充分に発揮する。
【図面の簡単な説明】
実施例17におけるポリビニルアルコール系重合体のNMR
スペクトルを第1図に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸山 均 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社ク ラレ内 審査官 油科 壮一 (56)参考文献 特開 昭59−187004(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 2/38 - 2/42

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の構造単位Aを50モル%以上含有し、
    重合度が3500以下で末端にのみ選択的にアミノ基、アン
    モニウム基またはスルホン酸基を含有するポリビニルア
    ルコール系重合体。
  2. 【請求項2】下記の構造単位Bを50モル%未満含有する
    請求項1記載のポリビニルアルコール系重合体。 (ここでR1はHまたは炭素数1から20までの炭化水素基
    をあらわす。)
  3. 【請求項3】構造単位Bが酢酸ビニル単位である請求項
    2記載のポリビニルアルコール系重合体。
  4. 【請求項4】構造単位Bがピバリン酸ビニル単位である
    請求項2記載のポリビニルアルコール系重合体。
  5. 【請求項5】構造単位Aの含量が70モル%以上である請
    求項1または2記載のポリビニルアルコール系重合体。
  6. 【請求項6】アミノ基、アンモニウム基またはスルホン
    酸基を有する連鎖移動剤の存在下にビニルエステル類モ
    ノマーを主体とするビニル系モノマーを重合して得たポ
    リビニルエステル系重合体をけん化することを特徴とす
    る請求項1または2記載のポリビニルアルコール系重合
    体の製造法。
  7. 【請求項7】連鎖移動剤がアミノ基、アンモニウム基ま
    たはスルホン酸基を有するチオールである請求項6記載
    のポリビニルアルコール系重合体の製造法。
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