JP2988822B2 - 電着塗装性と耐食性に優れた有機複合被覆鋼板およびその製造方法 - Google Patents

電着塗装性と耐食性に優れた有機複合被覆鋼板およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に自動車車体用鋼板
として電着塗装性(特に電着塗装後の鮮映性)、防錆
性、耐食性、およびスポット溶接性に優れた有機複合被
覆鋼板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車車体の高耐食性化に対する強い社
会的要請に応えて、各種表面処理鋼板の適用化が年々拡
大している。このような表面処理鋼板として亜鉛めっき
鋼板、亜鉛系合金めっき鋼板などが挙げられる。しかし
ながら、車体組立後に行われる塗装が充分に行き渡りに
くく、高湿潤下に曝される車体内面の袋構造部や曲げ加
工部(ヘミング部)では、さらに高度な耐食性が要求さ
れてきた。
【0003】このような要求に対する鋼板として、例え
ば特開平03−130141号や特開平02−2583
35号などが提案されている。これらは、亜鉛または亜
鉛系合金めっき鋼板上にクロメート層とシリカを含有す
る有機高分子樹脂層を施した有機複合被覆鋼板であり、
車体組立後に行われる塗装を施さない状態でも非常に良
好な耐食性を有するので車体内面部には、有機複合被覆
鋼板の使用されている割合が高い。
【0004】一方自動車車体外面(表面)側は内面側に
比べ低湿潤条件であり、車体組立後の塗装も全面に10
0μm程度(電着塗装、中塗り塗装、上塗り塗装)施さ
れるので外面側からの錆によって孔空きまで到る割合が
内面側に比べ少ないため、従来は車体外面側には冷延面
が使用されていた。しかし自動車車体の高耐食性化に対
する要求がさらに高まる中で、車体外面の防錆性要求も
厳しくなり、外面側にも表面処理を施した鋼板の実用化
が進んでいる。例えば、亜鉛めっき、亜鉛系合金めっき
などを施した表面処理鋼板である。これら亜鉛系めっき
鋼板は冷延鋼板に比べ、良好な防錆性能を示す。
【0005】ところがこれら亜鉛系めっき鋼板はめっき
密着性があまり良好でないため、耐低温チッピング性が
劣る。亜鉛系めっき層上に塗装を施した場合には、厚い
塗膜の応力がめっきに加わるため、自動車の走行中に小
石等が当たり、その衝撃でめっき層等が剥離するすなわ
ちチッピングによって亜鉛の犠牲防錆性が効果を発揮せ
ず、外面錆が進行する。そこで耐低温チッピング性に優
れ、さらに耐外面錆性も亜鉛系めっき鋼板より優れた有
機複合被覆を外面側にも施す特開平04−27536号
や特開平04−26775号などが提案されている。
【0006】自動車の外面側は内面側に比べ従来から外
観に重点が置かれ、内面側とはその評価方法、評価基準
が異なる。最近では、生活レベルの向上などから高級指
向を背景として外観評価基準はさらに厳しく、加工技術
等の向上とも相まってレーザーで規則正しいダル目をつ
けたロールで圧延を施したレーザーダル冷延鋼板、また
はこれに亜鉛系メッキを施したレーザーダル亜鉛めっき
鋼板が外面用として用いられるようになってきた。
【0007】上記有機複合被覆鋼板は前述の耐低温チッ
ピング性、耐外面錆性には優れるが、電着塗装によって
電着塗装時の水素ガスの発生跡によるガスピンホール、
クレーターは発生しないもののゆず肌と呼ばれる、表面
凹凸が激しく不均一な電着塗装被膜が形成されたり、ま
たゆず肌とまではいかなくとも従来外面用に用いられて
いた冷延鋼板や亜鉛系めっき鋼板に比べ表面が凹凸で不
均一な電着塗装被膜が形成されて鮮映性が低下し、厳し
い外観評価基準を満足することができなかった。
【0008】鮮映性の評価基準は従来外観観察による判
定のみであったが、前述のように、判定基準が厳しくな
り、PGDメーターを用いて測定したPGD値で数値化
して判定するようになった。発明者らの知見に基づけ
ば、従来ゆず肌と呼ばれているものはPGD値で0.2
以下であり、冷延鋼板や亜鉛系めっき鋼板は0.4〜
0.6であることから、ゆず肌にはならなくとも冷延鋼
板や亜鉛系めっき鋼板並みの鮮映性をクリアするのは非
常に困難であった。
【0009】一方、この有機複合被覆鋼板の電着塗装性
を改善する方法として、特開昭62−283161号、
特開昭63−35798号がある。これはバインダー樹
脂にシリカ(裸耐食性と塗膜平滑化のため粒径の小さい
もの1〜100nm使用)、親水性ポリアミド樹脂、ポ
リエチレンワックスを配合してなる溶剤型塗料組成物を
クロメート皮膜上に形成されたものである。この場合、
電着塗装時の水素ガスの発生跡によるゆず肌やガスピン
ホール、クレーターといった電着塗装不良は改善される
が、外面用として要求される冷延鋼板や亜鉛系めっき鋼
板並みの鮮映性基準を満足するものではなかった。また
塗料組成物の粘度が高くなるため、塗膜の厚みを微妙に
コントロールすることができず、また、高価なポリアミ
ド樹脂を多く必要とし、実用的でないため、この改良と
してポリアミド樹脂の代わりにポリアミン樹脂および/
またはポリイミン樹脂を用いた特開平03−26906
7号、特開平03−268939号が提案されている
が、これも電着塗装時の水素ガスの発生跡によるゆず肌
やガスピンホール、クレーターといった電着塗装不良を
改善することはできる。しかし、現在の外面用として要
求される鮮映性基準を満足するものではなかった。
【0010】さらにこれらの従来技術において電着塗装
性を改善するために用いられているシリカは、電着塗装
性と裸耐食性の観点から、いずれも粒子径が1〜100
nmの微粒子シリカを用いている。しかしながら前述の
ように、自動車車体外面側は内面側と要求される項目が
異なり、裸耐食性よりむしろ3コート塗装後の耐食性
や、塗装後の外観が要求される。微粒子シリカを用いた
場合には、後述するように電着塗装時の通電点確保が充
分でないためか、多くのポリアミド樹脂、ポリアミン樹
脂、ポリイミン樹脂を添加しなければ、電着塗装性が改
善されない。このため、高価なポリアミド樹脂、ポリア
ミン樹脂、ポリイミン樹脂を多量に必要とし、さらにこ
れら樹脂の持つ多くの親水基の影響で3コート塗装後の
耐水二次密着性が劣化するといった問題が生じ、性能ま
で損なうことになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの従
来技術の電着塗装性、耐水二次密着性、スポット溶接性
等の問題点を解決し、優れた防錆性、耐低温チッピング
性を有し、さらに冷延鋼板、亜鉛系めっき鋼板と同等な
優れた電着塗装性(とりわけ鮮映性)を有する有機複合
被覆鋼板およびその製造方法を提供することを目的とす
るものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは自動車車体
外面用として従来の冷延鋼板、亜鉛めっきあるいは亜鉛
系合金めっき鋼板よりも優れた防錆性、耐低温チッピン
グ性を有する有機複合被覆鋼板の問題点である電着塗装
性(とりわけ鮮映性)を、耐水二次密着性を低下させる
ことなく樹脂やシリカの種類の検討により改善する方法
を試みた結果本発明に至った。
【0013】すなわち、本発明は、亜鉛または亜鉛系合
金めっき鋼板表面上に、Cr換算で5〜500mg/m2
クロメート被膜を有し、該クロメート被膜の上層に主と
して下記条件のシリカとバインダー樹脂を配合し、さら
にポリアミド樹脂、ポリアミン樹脂およびポリイミン樹
脂よりなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂を1〜
10重量%添加してなる樹脂層を乾燥重量にして0.1
〜3g/m2有することを特徴とする電着塗装性と耐食性に
優れた有機複合被覆鋼板を提供するものである。 構成するシリカの平均一次粒子径が5〜30nmであ
る。 該シリカは該樹脂層中において、平均厚み0.2〜2
μm、平均径5〜300μmの面状に凝集している。
【0014】上記の有機複合被覆鋼板を製造する好適な
方法には下記の二つの方法がある。 (1)亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼板表面上に、Cr
換算で5〜500mg/m2 のクロメート層を形成し、
その上に平均一次粒子径が5〜30nmであり、チェー
ン状に結合した平均長さが0.1μm以上であるチェー
ン状気相シリカとバインダー樹脂を配合し、さらにポリ
アミド樹脂、ポリアミン樹脂およびポリイミン樹脂のう
ち少なくとも1種の樹脂を添加してなる塗料組成物を塗
布、乾燥し、付着量が乾燥重量にして0.1〜3g/m
2 の塗膜を形成する。 (2)亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼板表面上にCr換
算で5〜500mg/m 2 のクロメート処理を施し、そ
の上に平均一次粒子径が5〜30nmであり、平均凝集
粒子径が0.1〜2μm(100〜2000nm)であ
り、かつ比表面積が50〜800m2 /gである有機溶
剤分散シリカゾルとバインダー樹脂を配合し、さらにポ
リアミド樹脂、ポリアミン樹脂およびポリイミン樹脂よ
りなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂を添加して
なる塗料組成物を塗布、乾燥し、付着量が乾燥重量にし
て0.1〜3g/m2 の塗膜を形成する。
【0015】塗料組成物中の固形成分中、バインダー樹
脂ならびにポリアミド樹脂、ポリアミン樹脂およびポリ
イミン樹脂のうち少なくとも1種の樹脂の合計配合比率
が40〜90wt%、チェーン状気相シリカまたはシリ
カゾルの配合比率が10〜60wt%であるのが好適で
ある。
【0016】また、塗料組成物中の固形成分中、バイン
ダー樹脂ならびにポリアミド樹脂、ポリアミン樹脂およ
びポリイミン樹脂のうち少なくとも1種の樹脂の合計配
合比率が40〜90wt%、チェーン状気相シリカまた
はシリカゾルの配合比率が10〜60wt%であり、か
つ上記固形成分のうちポリアミド樹脂、ポリアミン樹脂
およびポリイミン樹脂の少なくとも1種の配合比率が1
〜10wt%であるのが好適である。
【0017】また、バインダー樹脂が、500〜500
0のエポキシ当量を有するエピクロルヒドリン−ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対し、
0.8〜1.0モルのジアルカノールアミンを付加した
変性エポキシ樹脂100重量部にシランカップリング剤
0.5〜10重量部、アミノ系樹脂5〜70重量部配合
した組成物を用いることが防錆性の点から望ましい。
【0018】また、他のバインダー樹脂としては、エピ
クロルヒドリン−ビスフェノールA型エポキシ樹脂10
0重量部に対してイソシアネート化合物10〜100重
量部を反応させたエポキシ当量1000〜5000のウ
レタン変性エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対し0.
5〜1.0モルのジアルカノールアミンを付加した変性
エポキシ樹脂であることが防錆性の点から望ましい。
【0019】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本
発明の素材としては、亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼板
を用いる。鋼板に施されるめっきの種類としては、純Z
nめっき、Zn−Ni合金めっき、Zn−Fe合金めっ
き、Zn−Cr合金めっきなどの二元系合金めっき、Z
n−Ni−Cr合金めっき、Zn−Co−Cr合金めっ
きなどの三元系合金めっきなどを用いることができ、ま
たZn−SiO2 めっき、Zn−Co−Cr−Al2
3 めっきなどの複合分散めっきも用いることができる。
これらのめっきは電気めっき法、溶融めっき法、あるい
は気相めっき法などいかなる方法でもよい。
【0020】これらの亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼板
の上に、後述の有機高分子樹脂層との密着性を向上さ
せ、また耐食性を付与するためにクロメート処理を行
う。クロメート付着量としては金属Cr換算で5〜50
0mg/m2 、好ましくは10〜150mg/m2 の範囲とす
る。Cr付着量が5mg/m2 未満では、耐食性が不充分で
あるばかりでなく、樹脂層との密着性も劣るので好まし
くない。500mg/m2 を超えてもこれ以上の耐食性改善
効果がなく、また絶縁被膜抵抗が高まり、スポット溶接
性を損なうので好ましくない。
【0021】このようなクロメート処理はロールコータ
ーなどを用いる塗布型クロメート法、電解クロメート
法、反応型クロメート法などのいずれの方法によっても
よい。
【0022】クロメート被膜の上層には、シリカと有機
高分子樹脂からなる複合被膜が施される。本発明に用い
られるバインダー樹脂としては特に限定は無く、変性エ
ポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フェノール
樹脂、アルキッド樹脂等が例示され、上記樹脂を2種以
上混合して使用してもよい。特にエピクロルヒドリン−
ビスフェノールA型エポキシ樹脂をベースとする樹脂組
成物を用いるのが強靭性および耐食性の観点から望まし
い。
【0023】バインダー樹脂の1つとして、500〜5
000のエポキシ当量を有するエピクロルヒドリン−ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対
し、0.8〜1.0モルのジアルカノールアミンを付加
した変性エポキシ樹脂100重量部にシランカップリン
グ剤0.5〜10重量部、アミノ系樹脂5〜70重量部
配合した組成物を用いるとよい。
【0024】エポキシ当量が500未満では、必然的に
樹脂の分子量が低くなりすぎ、充分な耐アルカリ性が得
られず、電着塗装性後の塗膜密着性が低下する。またエ
ポキシ当量が5000を超えた場合には、エポキシ基に
付加すべきジアルカノールアミンの量が少なくなりシリ
カとの充分な補強効果、アミノ樹脂との低温硬化性のい
ずれも不足し、やはり電着塗装性後の塗膜密着性が低下
する。ジアルカノールアミンの付加量がエポキシ基1当
量に対し、0.8モル未満ではシリカとの充分な補強硬
化が得られないために、電着塗装時の界面の高アルカリ
により被膜が膨潤し、塗膜密着性が低下する。ジアルカ
ノールアミンの付加量がエポキシ基1当量に対し、1.
0モルを超えるとシリカとの補強効果に関与しない過剰
のジアルカノールアミンが存在することになり、経済上
好ましくないばかりか、未反応成分として塗膜中に残存
し、耐食性を低下させる。
【0025】シランカップリング剤は樹脂とクロメート
層間の密着性向上のために添加するものであるが、変性
エポキシ樹脂100重量部に対し0.5重量部未満で
は、樹脂とクロメート層間の密着力向上の効果が現れな
い。また10重量部を超えると未反応の部分が生じるこ
とがあり、この未反応部分は、密着性不良の要因となる
ので好ましくない。
【0026】アミノ系樹脂は変性エポキシ樹脂の水酸基
と脱水縮合反応によって架橋剤として作用し、より強固
で緻密な被膜を形成し、耐水性、耐アルカリ性を付与す
ることができる。アミノ系樹脂の配合割合が5重量部未
満では、樹脂が硬化せず意味がない。また70重量部を
超えると低温焼き付けの場合、未反応の部分が残るおそ
れがあり、密着性不良の要因となるので好ましくないの
でこの範囲に限定した。
【0027】もう1つの耐食性に優れたバインダー樹脂
としては、エピクロルヒドリン−ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂100重量部に対し、イソシアネート化合物
10〜100重量部を反応させたエポキシ当量1000
〜5000のウレタン変性エポキシ樹脂のエポキシ基1
当量に対し、0.5〜1.0モルのジアルカノールアミ
ンを付加した変性エポキシ樹脂が使用できる。イソシア
ネート化合物10重量部未満では加工性が不足するだけ
でなく、高分子化が不充分なため、良好な耐アルカリ性
が得られず、電着塗装時に被膜の溶出、軟膨潤が起こ
り、電着塗装後の充分な塗膜密着性が得られない。また
イソシアネート化合物が100重量部を超えると樹脂の
高分子化が進みすぎる。これは必然的に、塗料の粘度上
昇を招き、塗装性を低下させるためやはり好ましくない
ので、この範囲に限定した。その他の限定理由は上記の
通りである。
【0028】次に本発明では前記バインダー樹脂と共に
樹脂成分としてポリアミド樹脂、ポリアミン樹脂および
ポリイミン樹脂よりなる群よりえらばれた少なくとも1
種の樹脂を用いる。上記樹脂を添加することにより電着
塗装性は格段に向上する。用いるポリアミド樹脂および
/またはポリアミン樹脂および/またはポリイミン樹脂
はアミド基および/またはアミノ基を有するものであれ
ばよく特に限定するものではない。
【0029】ポリアミド樹脂および/またはポリアミン
樹脂および/またはポリイミン樹脂の乾燥重量率が、全
樹脂層乾燥重量に対し1〜10重量%であれば電着塗装
性が大きく改善される。1%未満では添加樹脂の効果が
現れず、電着塗装後の鮮映性が基準以上にならない。特
に3重量%以上で優れた電着塗装性を有する有機複合被
覆鋼板を得ることができる。また上記添加樹脂量が多い
場合には、電着塗装性は良好であるが、必要以上に多く
添加してもそれ以上の電着塗装性向上効果はないだけで
なく、経済的に不利となり、さらに耐水二次密着性(塗
料二次密着性)が悪くなる。上記添加樹脂による電着塗
装性向上の理由は定かではないが、後述するように、親
水基を多く有し、電着塗装液が浸透しやすくなり、通電
点が多数できるためと考えられる。上記添加樹脂が多く
なった場合には、親水性が高くなるため、水の浸透を早
め、耐水二次密着性が低下する。従って上記添加樹脂
は、10重量%以下であることが望ましい。
【0030】本発明の目的である電着塗装性、特に電着
塗装後の鮮映性は上記添加樹脂(ポリアミド樹脂、ポリ
アミン樹脂およびポリイミン樹脂から選ばれた1種以上
の樹脂)と凝集したシリカの組合せによってもたらせ
る。有機溶剤中に均一に分散するシリカを用いた場合に
は、上記樹脂を添加しても、電着塗装後の鮮映性は前述
したような冷延鋼板や亜鉛系めっき鋼板並みの良好なレ
ベルに達することはできなかった。そればかりか、有機
溶剤に溶解したバインダー樹脂に上記添加樹脂と前記有
機溶剤中に均一に分散するシリカを混ぜ合わせると、塗
料粘度が上昇し、塗膜の厚みを微妙にコントロールする
ことができないといった問題が生じた。
【0031】上記添加樹脂による電着塗装性向上の理由
は定かではないが、ポリアミド樹脂、ポリアミン樹脂お
よびポリイミン樹脂から選ばれた1種以上の樹脂によっ
て電着塗装液が浸透しやすくなり、電着塗装時の通電点
が多数できたと考えられる。シリカ自体、また樹脂自体
は導電性がほとんど無く、通電は樹脂の中を通り抜ける
水によっておこると考えられる。シリカ自体は通電しな
いが、シリカの周りのシラノール基は非常に吸水性が良
く、電着塗装時の通電点となりうるが、シラノール基は
通常バインダー樹脂に囲まれているために塗膜表面から
内部まで連続した水の経路をつくることは困難である。
上記樹脂を添加した場合、アミド基および/またはアミ
ノ基はシラノール基と結合しやすく、シリカの周りに存
在し、塗膜表面から内部まで連続した水の経路をつく
り、電着塗装時の通電点が多数でき電着塗装性が向上す
ると考えられる。
【0032】シリカが有機樹脂中で面状に凝集している
場合には、シリカ同志でシラノール基による経路がある
程度できているため、上記樹脂(ポリアミド樹脂、ポリ
アミン樹脂およびポリイミン樹脂から選ばれた1種以
上)の添加によって通電点が確保され、電着塗装性が向
上すると考えられる。シリカが有機樹脂層中で均一に分
散している場合には、シラノール基による連続した経路
が無く、上記樹脂を添加しても電着塗装性の向上効果が
顕著に現れないため、充分な電着塗装性を得られないと
考えられる。またシリカの表面は前述のようにシラノー
ル基により覆われており、このシラノール基は添加樹脂
中のアミド基および/またはアミノ基と結合しやすいた
め、シリカの周りを添加樹脂が取り囲んでおり、また、
添加樹脂によってシリカどうしがつながれると考えられ
る。シリカ最表面のシラノール基がすべて添加樹脂と結
合したあとさらに添加される添加樹脂は塗料のなかにフ
リーで存在し、これが樹脂中の水の経路となり、電着塗
装性を向上させると考えられる。シリカが凝集体を形成
していない場合には比表面積が大きくなるため、単位塗
料当たりのシラノール基の量が多くなり、フリーで存在
する上記添加樹脂が少なくなり、高価な添加樹脂を多量
に使用しなければ電着塗装性向上効果が顕著にあらわれ
ず、経済的に不利である。また、前述の様に、添加樹脂
を多量に使用した場合には、親水性が高くなるため、水
の浸透を早め、耐水二次密着性が低下し、性能的にも問
題となる。
【0033】さらに微粒子シリカを用いた場合には、塗
料が増粘し、作業性が悪くなる。シリカが凝集体を形成
してない場合には、小さいシリカ粒子同志が添加樹脂に
よってつながれ、これが粘度上昇を招くと考えられる。
【0034】具体的には、構成するシリカの一次粒子径
を5〜30nmにして、これらのシリカの有機樹脂層中
において、平均厚み0.2〜2μm、平均径5〜300
μmの平板状に凝集させることが望ましい。本発明のシ
リカの存在状態の断面を概念的に表現すると図1のよう
になる。シリカの凝集形態としては、楕円形平板状のも
のや、網目・帯形平板状のものがある。図1において、
1は鋼板、2はZnまたはZn系合金めっき層、3はク
ロメート層、4は有機樹脂層である。有機樹脂層4中に
おいて、有機樹脂7内にてシリカの一次粒子6aは凝集
してシリカの一次凝集体6をつくり、これらがさらに凝
集してシリカの二次凝集体8を構成する。この二次凝集
体8が本発明でいう面状凝集体であり、aはシリカの一
次凝集体の平均径、bは面状凝集体の平均径、cは面状
凝集体の平均厚みを示す。
【0035】シリカの平均一次粒子径が5nm未満にな
ると、塗料中で過剰の凝集が進行してしまい、塗料の調
整や鋼板への塗布作業などに適した適度の凝集サイズに
安定に保持することが極めて困難であった。また30n
mを超えると、耐食性に寄与するために必要なシラノー
ル基を確保できないので、有機樹脂層を構成するシリカ
の平均粒子径としては5〜30nmに限定する。
【0036】また本発明におけるシリカは有機樹脂層中
において、平均厚み(図1におけるc)0.2〜2μ
m、平均径(図1におけるb)5〜300μmの平板状
に凝集している。有機溶剤中に均一に分散するシリカを
用いた場合には有機樹脂層中でも2次凝集することな
く、均一にシリカ粒子の分散した状態を形成するが、こ
の場合には上記樹脂を有機樹脂層中に存在せしめても、
電着塗装後の鮮映性は前述したような冷延鋼板や亜鉛系
めっき鋼板並みの良好なレベルに達することはできなか
った。そればかりか、有機溶剤に溶解したバインダー樹
脂にポリアミド樹脂および/またはポリアミン樹脂およ
び/またはポリイミン樹脂と前記有機溶剤中に均一に分
散するシリカを混ぜ合せると、塗料粘度が上昇し、塗膜
の厚みを微妙にコントロールすることができないといっ
た問題が生じる。
【0037】本発明において平板状凝集体の平均厚みが
0.2μm未満になると均一に分散したシリカの場合と
同様な現象が生じて電着塗装後の鮮映性の向上効果が充
分に現れない。また2μmを超えても電着塗装後の鮮映
性のさらなる向上効果は無い上に、有機樹脂層の外側ま
でシリカの凝集体が顔を出すことになり逆に塗膜の均一
形成を阻害して電着塗装後の鮮映性を低下せしめ、スポ
ット溶接時に電極/鋼板間の電気抵抗が著しく増大し
て、溶接スパークを発生し電極の損傷を助長することに
なりスポット溶接性を劣化させる。
【0038】また平板状シリカ凝集体の平均径が5μm
未満になった場合も均一に分散したシリカの場合と同様
な現象が生じて電着塗装後の鮮映性向上の効果が現れな
い。また平均粒径が300μmを超えるとやはりこの部
分での電気抵抗が問題になるばかりでなく、シリカの不
足した有機樹脂部分の面積が大きくなり、耐食性の劣化
が顕著になり、好ましくない。なお平板状凝集体の平均
径とは、楕円形平板状に凝集している場合には長径と短
径の平均値の意味であり、網目・帯形平板状に凝集して
いる場合には幅の平均値の意味である。
【0039】本発明の有機樹脂層の塗布量は乾燥重量に
して、0.1〜3g/m2に限定する。0.1g/m2未満であ
ると充分な有機樹脂層による充分な被覆ができず、防錆
性や耐低温チッピング性の向上効果が現れない。また3
g/m2を超えると被膜抵抗が高くなりスポット溶接性が劣
化するためである。
【0040】本発明に用いるシリカの原料としては、前
述したシリカ粒子径および分布状態などの有機樹脂層中
における存在状態を満足するものであれば、特に限定す
るものではない。
【0041】例えば、疎水性ヒュームドシリカも本発明
に用いるシリカの原料として好適に用いることができ
る。このシリカもチェーン状になっているものや、シリ
カ粒子間の凝集が行われ、平均凝集粒子径として0.1
〜2μmの範囲になっているものであれば、同様な作用
を示す。
【0042】具体的には、構成するシリカの平均一次粒
子径が5〜30nmであり、チェーン状に結合した平均
長さが0.1μm以上であるチェーン状気相シリカ使用
するのが良い。シリカの平均一次粒子径が5nm未満に
すると、耐アルカリ性が低下してしまい、良くない。ま
た30nmを超えると、耐食性に寄与するために必要な
シラノール基を確保できないので、使用するシリカの平
均一次粒子径としては5〜30nmに限定する。形成さ
せるチェーンの平均長さが0.1μm未満ではシリカの
チェーン形成効果が顕著にあらわれず、電着塗装性の向
上が充分でないだけでなく、ポリアミド樹脂などの添加
によって増粘し、作業性が悪くなるので、0.1μm以
上とした。特に長くても問題ないが、あまり長すぎた場
合には、塗膜の加工性が悪くなるので、50μm以下が
望ましい。
【0043】また、水分散シリカゾル表面の荷電状態を
アルカリ金属イオン量や多価金属イオン量を調整するこ
とによって制御して2次凝集させた後、ブタノール、キ
シレン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチ
レングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコー
ルモノプロピルエーテルなどの有機溶媒中に置換分散さ
せた有機溶剤分散シリカゾルは好適に用いることができ
る。
【0044】具体的には、本発明で用いる有機溶剤分散
シリカゾルは、構成するシリカの平均一次粒子径が5〜
30nmであり、平均凝集粒子径が0.1〜2μm(1
00〜2000nm)であり、かつ比表面積が50〜8
00m2 /gのものを使用する。シリカの凝集形態とし
ては、楕円形平板状のものや、網目・帯形平板状のもの
がある。シリカの平均一次粒子径が5nm未満にする
と、塗料中で過剰の凝集が進行してしまい、塗料の調整
や鋼板への塗布作業などに適した適度の凝集サイズに安
定に保持することが極めて困難であった。また30nm
を超えると、耐食性に寄与するために必要なシラノール
基を確保できないので、使用するシリカの平均一次粒子
径としては5〜30nmに限定する。また平均凝集粒子
径は0.1μm未満ではシリカ凝集体最表面のシラノー
ル基の量が単位塗料当たり多くなるため、シリカの凝集
効果が顕著にあらわれず、電着塗装性の向上が充分でな
いだけでなく、ポリアミド樹脂などの添加によって増粘
し、作業性が悪くなる。一方平均凝集粒子径が2μmを
超えると塗膜の均一塗布性を損うため、均一電着塗装
性、耐食性の点から好ましくない。比表面積が50m2
/g未満では、シリカ凝集体表面のシラノール基が少な
く、シラノール基による吸水効果は現れず、充分な電着
塗装性が得られない。比表面積800m2 /gを超えた
場合にはシリカ凝集体最表面のシラノール基の量が単位
塗料当たり多くなるため、添加樹脂による電着塗装性の
向上効果が現れないばかりでなく、粘度上昇し、作業性
が悪くなる。
【0045】粒子を2次擬集させる方法としては、たと
えば通常シリカゾル中に含まれるNa2 O等のアルカリ
を0.05重量%以下に低減する方法などが挙げられ
る。シリカゾル中にNa2 Oが含まれると、シリカ粒子
表面に対イオンとしてNa+ が配位し、さらにその周り
に水和層を持った電気2重層を形成するために、シリカ
粒子同士の反発によりコロイド状態を維持し、均一に分
散されるが、シリカゾル中に含まれるNa2 O量を0.
05重量%以下に低減することにより、シリカ表面に電
気2重層を形成させて電荷を持つことを防止し、1次粒
子同士を2次擬集させるものである。
【0046】またシリカ表面にAl3+を所定量付着せし
めることによっても2次擬集化は可能である。シリカ表
面にAlに換算してシリカ全重量に対して0.1重量%
以上のAl3+を結合させると、部分的に正に帯電する部
位を生じる。シリカ自身の電荷は負であるために、シリ
カ粒子全体としての電荷は相殺される。ここでAl換算
にしてシリカ全重量の対して20重量%以上の付着は耐
食性に有効なシラノール基の僅少を招来し、望ましくな
い。こうしてシリカ表面にAl換算にしてシリカ全重量
に対して0.1〜20重量%であるAl3+が付着せしめ
る方法によってもシリカ表面の電気2重層の形成による
電荷を持つことを防止し、1次粒子どうしを2次擬集さ
せ、0.1〜2μmの平均粒度範囲をもつ2次粒子を好
適に得ることができる。
【0047】上述のシリカゾルの分散媒としては、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、キシレン等の有機溶媒が挙げら
れ、シリカゾルの有機溶媒中の濃度は等に限定されない
が通常15〜40wt%のものが用いられる。
【0048】なお、塗料組成物中におけるシリカの乾燥
重量比は、全樹脂層乾燥重量に対し、シリカを10〜6
0wt%とするのが好ましい。シリカ量が10wt%未
満の場合、前述のように、シリカ擬集体のシラノール基
による電着塗装時の通電点確保が充分でなく、良好な電
着塗装性が得られなく、またシラノール基によるクロメ
ート層との密着性が確保されないため、耐水二次密着性
が劣化する。シリカが60wt%を超えると、樹脂組成
物との相溶性が得られなくなり、塗料として鋼板に塗布
することが困難になるからである。
【0049】したがって、バインダー樹脂ならびにポリ
アミド樹脂、ポリアミン樹脂およびポリイミン樹脂から
選ばれた少なくとも1種の樹脂の全樹脂合計量は、樹脂
層乾燥重量に対して40〜90wt%となる。このう
ち、ポリアミド樹脂、ポリアミン樹脂およびポリイミン
樹脂から選ばれる1種以上の樹脂の量は樹脂層乾燥重量
に対して1〜10wt%とするのが好ましい。
【0050】以上の必須成分以外に、本発明の複合被膜
を形成する塗料組成物には、本発明の特性を損わない範
囲で、溶媒、滑材、硬化剤、通常の塗料に添加される顔
料、防錆剤および分散安定化剤等が添加されていてもよ
い。
【0051】本発明の有機複合被覆鋼板の製造方法は、
鋼板表面を酸洗脱脂等で洗浄した後、所定の亜鉛または
亜鉛系合金でめっきし、次いで所定のクロメート液を塗
布し、最高到達板温120℃で焼き付け、クロメート被
膜層を形成し、その上に所定の組成の塗料組成物を塗布
し、最高到達温度160℃で焼き付けて有機複合被膜層
を形成する。
【0052】
【実施例】次に本発明の効果を実施例に基づいて具体的
に説明する。 (実施例)板厚0.8mmの低炭素鋼板を酸洗、脱脂後
目付け量30g/m2 のZn−Ni合金めっき(12重
量%Ni)を施し、次いでロールコータを用いてCr6+
/全Cr比50%のクロメート処理液を塗布した後、最
高到達板温120℃で焼き付け、クロメート被覆層を形
成させた。その上層に所定の組成でなる有機複合塗料組
成物をロールコーターで塗布し、最高到達板温160℃
で焼き付けることにより、有機樹脂被膜層を形成させ
た。チェーン状シリカに関連しては表1に、凝集シリカ
に関連しては表2に、それぞれこれらの組成と評価結果
を、本発明例1〜13および比較例1〜11に示す。
【0053】以下に各種試験方法とその評価方法は以下
の通りである。 (化成処理方法)通常のアルカリ脱脂を行い、続いて表
面調整とリン酸塩処理(日本ペイント(株)製 SD2
500MZLに2分浸漬)を行った。
【0054】(電着塗装)日本ペイント(株)社製U−
53を浴温度28〜30℃で電着電圧250V、180
秒間通電し、165℃で20分間焼き付けた。
【0055】(電着塗装性)化成処理を行った後電着塗
装し、ガスピンホール、クレーターの有無、電着塗装膜
厚、鮮映性によって電着塗装性を評価した。ガスピンホ
ール、クレーターの有無は観察により評価した。電着塗
装膜厚は、Zn−Niめっきと同じであるのが良好であ
る。膜厚が多くなった場合には経済的に不利となるため
悪い。鮮映性は、電着塗装後の試料にポリエステル粘着
テープNo.31B(日東電工(株)製)を貼り、財団
法人日本色彩研究所製の携帯用鮮明度光沢度計PGD−
IV型を用いてPGD値を測定した。なお、PGD(鮮
明度光沢度計)は自動車技術Vol.141(198
7),No.279,P.1394に記載される塗装面
の光沢度を簡便に測定する装置である。PGD値は高い
方が鮮映性は良好である。なお、本発明者らの知見に基
けば、従来電着塗装性の評価基準であったゆず肌の場合
はPGD値0.2以下であることがわかった。PGD値
0.3以上0.5未満ではゆず肌にはならないものの電
着塗装被膜にわずかに凹凸が観察される。PGD値0.
5では電着塗装被膜は均一となり、電着塗装被膜下地の
形状の凹凸がそのまま現れる。なお目標であるZn−N
i合金めっき鋼板のPGD値は、電着塗装条件により
0.4〜0.6を示すので、鮮映性の合格基準は0.4
〜0.6とした。PGD値が0〜0.2ではゆず肌であ
る。
【0056】(耐低温チッピング性)化成処理を行った
後電着塗装し、さらに自動車用中塗り塗装(日本ペイン
ト(株)社製TO−4830、40μm)、上塗り塗装
(日本ペイント(株)社製TO−4640−2、40μ
m)をスプレー塗装した。得られたサンプルを以下の条
件でダイヤモンドショット試験を行った。試験後はテー
プによって剥離試験を行った。評価方法は、ショット1
0点の塗膜剥離面積の合計面積である。なお、210k
m/hのショットスピードは日本国内における通常の試
験条件よりも厳しいものである。(通常のショットスピ
ード170km/h以下) ダイヤモンド:10mg 試験温度:−20℃ ショットスピード:210km/h
【0057】(耐外面錆性)化成処理を行った後電着塗
装し、さらに自動車用中塗り塗装(日本ペイント(株)
社製TO−4830、40μm)、上塗り塗装(日本ペ
イント(株)社製TO−4640−2、40μm)をス
プレー塗装した。塗装後にのこ刃傷を入れ、試料とし
た。得られた試料を海岸に暴露し、週2回の海水散布を
おこなうVolvo試験を3ヶ月間行った。暴露地は東
京湾海岸である。評価は、傷部からの最大塗膜膨れ巾
(または腐食巾)を測定し、以下の基準で判定した。 ◎:塗膜膨れ(または腐食)無し ○:最大塗膜膨れ巾(または腐食巾)0超え1mm以下 △:最大塗膜膨れ巾(または腐食巾)1超え2mm以下 ×:最大塗膜膨れ巾(または腐食巾)2mm超え
【0058】(耐水二次密着性)化成処理を行った後電
着塗装し、さらに自動車用中塗り塗装(日本ペイント
(株)社製TO−4830、40μm)、上塗り塗装
(日本ペイント(株)社製TO−4640−2、40μ
m)をスプレー塗装した。得られたサンプルを50℃の
純水に240時間浸漬した。各サンプルを取り出し、1
0分以内に碁盤目テープ剥離試験を行った。(2mm間
隔の碁盤目を100個)評価は、塗膜剥離面積率を測定
することによって行った。 剥離面積率 ◎: 0% ○: 1〜5% △: 6〜15% ×:16〜35% ××: 35%以上
【0059】(耐クロム溶出性)化成処理前後のクロム
量を蛍光X線分析によって測定し、その差をクロム溶出
量とみなし、以下の基準にて評価した。 ◎:1mg/m2 未満 ○:1以上2mg/m2 未満 △:2以上5mg/m2 未満 ×:5mg/m2 以上
【0060】(スポット溶接性)スポット溶接性を評価
するために、両面に有機複合被覆処理を施した鋼板を用
い、先端5mmφのAl2 3 分散鋼合金製の溶接チッ
プを用い、加圧力200kgf、溶接電流9kA、溶接
時間10Hzで連続溶接を行ない、ナゲット径が基準径
を下回るまでの連続溶接打点数を測定した。評価基準を
以下に示す。 ◎:2000点以上 ○:1000〜2000点 △: 500〜1000点 ×: 500点未満
【0061】表1において、発明例1〜13は本発明条
件を満足するものであり、特に電着塗装性が良好で、自
動車車体外面用として必要とされる性能を具備してい
る。
【0062】表1において、比較例1、比較例9は添加
樹脂量が少ないため、電着塗装膜厚が多いだけでなく電
着塗装後の鮮映性が悪かった。比較例2はチェーンを形
成していないシリカを用いたため、電着塗装膜厚が多
く、また電着塗装後の鮮映性も悪い。さらに塗料の状態
も悪く付着量のコントロールが困難であった。試験は付
着量1.0g/m2 の部分を用いて行った。比較例3
は、添加樹脂量が多かったため、電着塗装性は良かった
が、耐水二次密着性が悪かった。比較例4はシリカが、
塗料に均一に分散してしまったため、電着塗装後の鮮映
性が劣る結果となった。また、添加樹脂量が多く、耐水
二次密着性と耐クロム溶出性が悪かった。比較例5は有
機樹脂被膜量が少ないため、有機樹脂被膜による耐低温
チッピング性の改善効果が顕著に現れなかった。また有
機樹脂によるクロメート被膜層の被覆が充分でないた
め、耐クロム溶出性も悪かった。比較例6は、シリカと
して均一分散タイプのシリカゾルを用いたため、電着塗
装後の鮮映性も悪いだけでなく、塗料の状態も悪かっ
た。比較例7は、有機被膜量が少ないため、耐低温チッ
ピング性の改善効果が顕著に現れなかった。また、添加
樹脂量が多いため、耐外面錆性、耐水二次密着性、耐ク
ロム溶出性が悪かった。比較例8は、塗料固形分中のシ
リカの含有率が低かったため、耐外面錆性と耐水二次密
着性が悪かった。比較例10は通常のZn−Ni合金め
っき鋼板、比較例11は冷延鋼板の性能を示した。
【0063】表2において、発明例1〜13は本発明条
件を満足するものであり、特に電着塗装性が良好で、自
動車車体外面用として必要とされる性能を具備してい
る。
【0064】表2において、比較例1、比較例9は添加
樹脂量が少ないため、電着塗装膜厚が多いだけでなく電
着塗装後の鮮映性が悪かった。比較例2は溶剤に均一に
分散するシリカを用いたため、電着塗装膜厚が多く、ま
た電着塗装後の鮮映性も悪いだけでなく、塗料の状態も
悪く付着量のコントロールが困難であった。試験は付着
量1.0g/m2 の部分を用いて行った。比較例3は、
添加樹脂量が多かったため、電着塗装性は良かったが、
耐水二次密着性が悪かった。比較例4はシリカの凝集体
が4μmと大きいため塗膜が均一でなく、電着塗装後の
鮮映性が劣る結果となった。また、添加樹脂量が多かっ
たため、耐水二次密着性と耐クロム溶出性が悪かった。
比較例5は有機樹脂被膜量が少ないため、有機樹脂被膜
による耐低温チッピング性の改善効果が顕著に現れなか
った。また有機樹脂によるクロメート被膜層の被覆が充
分でないため、耐クロム溶出性も悪かった。比較例6
は、シリカは凝集体を形成しているが、充分でなく、凝
集粒子径0.03μmと小さく、比表面積100m2
gと大きいため、比較例2と同様に電着塗装後の鮮映性
も悪いだけでなく、塗料の状態も悪かった。比較例7
は、有機被膜量が少ないため、耐低温チッピング性の改
善効果が顕著に現れなかった。また、添加樹脂量が多い
ため、耐外面錆性、耐水二次密着性、耐クロム溶出性が
悪かった。比較例8は、塗料固形分中のシリカの含有率
が低かったため、耐外面錆性と耐水二次密着性が悪かっ
た。比較例10は通常のZn−Ni合金めっき鋼板、比
較例11は冷延鋼板の性能を示した。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】
【表7】
【0072】
【表8】
【0073】表中の記号の具体名は、下記の通りであ
る。 1)バインダー樹脂 1:ウレタン変性エポキシ樹脂 (A)イソシアネート化合物の製造 還流冷却器、攪拌装置、温度計および窒素ガス吹き込み
装置を付した反応装置にヘキサメチレンジイソシアネー
ト:528重量部、メチルイソブチルケトン:620重
量部を取り均一に溶解し、80℃に昇温後、グリセリ
ン:92重量部を1時間で徐々に滴下し、さらに100
℃、4時間反応させ、不揮発分50%のイソシアネート
化合物Aを得た。この化合物Aのイソシアネート当量は
固形分値で207であった。
【0074】(B)基体樹脂の製造 還流冷却器、攪拌装置、温度計および窒素ガス吹き込み
装置を付した反応装置にエピコート1007(シェル化
学社製 エポキシ樹脂:エポキシ当量=2000)20
00重量部とトルエン1000重量部を加え、80℃ま
で昇温し、均一溶液とした。次にこのイソシアネート化
合物A600重量部(固型分)を1時間で徐々に滴下
し、さらに80℃で3時間反応させた。反応の終点は赤
外分光光度計によりイソシアネート基の吸収(2270
cm-1)が消滅する点とした。このようにしてエポキシ
当量が2600のウレタン化エポキシ樹脂が得られた。
続いて、このウレタン化エポキシ樹脂にジエタノールア
ミン105重量部を添加し、80℃で2時間反応させ
た。
【0075】2:アミン変性エポキシ樹脂 還流冷却器、攪拌装置、温度計および窒素ガス吹き込み
装置を付した反応装置にエピコート1007(シェル化
学社製 エポキシ樹脂:エポキシ当量=2000)20
00重量部(エポキシ基1当量)とトルエン1000重
量部を加え、80℃まで昇温し、均一溶液とした。次に
この溶液にジエタノールアミン52.5重量部を30分
かけて滴下後1時間反応させた。続いて、この溶液にγ
−アミノプロピルトリメトキシシラン110.5重量部
(日本ユニカー社製、商品名A−1100)を30分か
けて滴下し、さらに80℃で2時間反応させた。このよ
うにして得られた複合体に硬化剤としてメチル化メラミ
ン樹脂(大日本インキ社製、スーパーベッカミン L−
105−60)を上記複合体樹脂100重量部(固形
分)に対し、40重量部混合した。
【0076】3:アクリル樹脂:(三菱レイヨン(株)
社製、ダイアナールHR633)
【0077】2)ポリアミド樹脂 A:ヘンケル白水(株)社製 バーサミド115D B:ケーシー有限会社製 ニューマイド505−6
5 ポリアミン樹脂 C:大塚化学(株)社製 PAH−L D:アクリル樹脂合成例 攪拌機、温度計、滴下ロートおよび冷却管を具えた反応
容器に、エチレングリコールモノエチルエーテル100
重量部を入れ温度を90℃に上げた後、下記の単量体お
よび開始剤を3時間にわたって滴下した。ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート60重量部、メチルアクリレー
ト10重量部、iso−ブチルアクリレート25重量
部、N−n−メトキシメチルアクリルアミド5重量部、
アゾビスイソブチロニトリル0.5重量部。滴下終了
後、アゾビスイソブチロニトリル0.25重量部を30
分毎に4回に分けて添加し、更に同温度で4時間反応を
行い、NV50%の共重合体溶液を得た。 ポリイミン樹脂 E:日本触媒(株)社製 エポミンSP−018 F:日本触媒(株)社製 エポミンSP−200
【0078】3)シリカ(チェーン状シリカ関連、表
1) a.AEROSIL 200CF(日本アエロジル
(株)製)を樹脂と混合し、不揮発成分20%とした
後、ディスパーで10分間撹拌し、チェーン状気相シリ
カを得た。 b.AEROSIL R972(日本アエロジル(株)
製)を樹脂と混合し、不揮発成分20%とした後、ディ
スパーで10分間撹拌し、チェーン状気相シリカを得
た。 c.AEROSIL 200CF(日本アエロジル
(株)製)を樹脂と混合し、不揮発成分20%とした
後、ディスパーで1時間撹拌し、さらに練合を行い、シ
リカを均一に分散させた。 d.AEROSIL OX50(日本アエロジル(株)
製)を樹脂と混合し、不揮発成分20%とした後、ディ
スパーで10分間撹拌したところ、シリカは均一に分散
した。 e.スノーテックス30(日産化学(株)製)を樹脂と
混合し、不揮発成分20%とした後、ディスパーで10
分間撹拌したところ、シリカは均一に分散した。
【0079】4)シリカ(凝集シリカ関連、表2) エチレングリコールモノエチルエーテル中に分散したシ
リカゾル平均粒子径で表示した。平均一次粒子径は、二
次凝集させる前の状態のシリカゾルを、遠心沈降法(C
APA)を用いて2mlのシリカゾルを測定して平均値
とした。また平均凝集粒子径は、二次凝集後の状態のシ
リカゾルを、遠心沈降法(CAPA)を用いて2mlの
シリカゾルを測定して平均値とした。比表面積は、BE
T法で測定した。
【0080】
【発明の効果】本発明に従って有機複合被覆鋼板を製造
することによって、電着塗装性、特に電着塗装後の鮮映
性に優れ、従来の亜鉛系めっき鋼板や冷延鋼板と同等の
外観を示し、さらに耐水二次密着性、防錆性、耐低温チ
ッピング性およびスポット溶接性に優れた性能を示す優
れた自動車車体用素材を提供することができる。これに
より自動車車体の耐久性向上、しいては地球資源の節約
に、貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 有機樹脂層中におけるシリカの二次凝集体の
分布状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 鋼板 2 ZnまたはZn系合金めっき層 3 クロメート層 4 有機樹脂層 6a シリカの一次粒子 6 シリカの一次凝集体 7 有機樹脂 8 シリカの二次凝集体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 向 亮 一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 望 月 一 雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 森 戸 延 行 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 田 辺 弘 往 栃木県大田原市下石上1382−12 大日本 塗料株式会社 那須工場内 (72)発明者 永 井 昌 憲 栃木県大田原市下石上1382−12 大日本 塗料株式会社 那須工場内 (72)発明者 小 川 修 栃木県大田原市下石上1382−12 大日本 塗料株式会社 那須工場内 (72)発明者 加 藤 伸 佳 栃木県大田原市下石上1382−12 大日本 塗料株式会社 那須工場内 (56)参考文献 特開 平4−331142(JP,A) 特開 平5−25653(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 28/00

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼板表面上
    に、Cr換算で5〜500mg/m2 のクロメート被膜を有
    し、該クロメート被膜の上層に主として下記条件のシリ
    カとバインダー樹脂を配合し、さらにポリアミド樹脂、
    ポリアミン樹脂およびポリイミン樹脂よりなる群より選
    ばれた少なくとも1種の樹脂を1〜10重量%含有する
    樹脂層を乾燥重量にして0.1〜3g/m2有することを特
    徴とする電着塗装性と耐食性に優れた有機複合被覆鋼
    板。 構成するシリカの平均一次粒子径が5〜30nmであ
    る。 該シリカは該樹脂層中において、平均厚み0.2〜2
    μm、平均径5〜300μmの面状に凝集している。
  2. 【請求項2】バインダー樹脂が、500〜5000のエ
    ポキシ当量を有するエピクロルヒドリン−ビスフェノー
    ルA型エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対し、0.8
    〜1.0モルのジアルカノールアミンを付加した変性エ
    ポキシ樹脂100重量部にシランカップリング剤0.5
    〜10重量部、アミノ系樹脂5〜70重量部配合した組
    成物である請求項1に記載の有機複合被覆鋼板。
  3. 【請求項3】バインダー樹脂が、エピクロルヒドリン−
    ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対して
    イソシアネート化合物10〜100重量部を反応させた
    エポキシ当量1000〜5000のウレタン変性エポキ
    シ樹脂のエポキシ基1当量に対し0.5〜1.0モルの
    ジアルカノールアミンを付加した変性エポキシ樹脂であ
    る請求項1に記載の有機複合被覆鋼板。
  4. 【請求項4】亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼板表面上
    に、Cr換算で5〜500mg/m2のクロメート層を
    形成し、その上に平均一次粒子径が5〜30nmであ
    り、チェーン状に結合した平均長さが0.1μm以上で
    あるチェーン状気相シリカとバインダー樹脂を配合し、
    さらにポリアミド樹脂、ポリアミン樹脂およびポリイミ
    ン樹脂のうち少なくとも1種の樹脂を添加してなる塗料
    組成物を塗布、乾燥し、付着量が乾燥重量にして0.1
    〜3g/m2 の塗膜を形成することを特徴とする電着塗
    装性に優れた有機複合被覆鋼板の製造方法。
  5. 【請求項5】塗料組成物中の固形成分中、バインダー樹
    脂ならびにポリアミド樹脂、ポリアミン樹脂およびポリ
    イミン樹脂のうち少なくとも1種の樹脂の合計配合比率
    が40〜90wt%、チェーン状気相シリカの配合比率
    が10〜60wt%である請求項4に記載の有機複合被
    覆鋼板の製造方法。
  6. 【請求項6】塗料組成物中の固形成分中、バインダー樹
    脂ならびにポリアミド樹脂、ポリアミン樹脂およびポリ
    イミン樹脂のうち少なくとも1種の樹脂の合計配合比率
    が40〜90wt%、チェーン状気相シリカの配合比率
    が10〜60wt%であり、かつ上記固形成分のうちポ
    リアミド樹脂、ポリアミン樹脂およびポリイミン樹脂の
    少なくとも1種の配合比率が1〜10wt%である請求
    項4に記載の有機複合被覆鋼板の製造方法。
  7. 【請求項7】バインダー樹脂が、500〜5000のエ
    ポキシ当量を有するエピクロルヒドリン−ビスフェノー
    ルA型エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対し、0.8
    〜1.0モルのジアルカノールアミンを付加した変性エ
    ポキシ樹脂100重量部に、シランカップリング剤0.
    5〜10重量部、アミノ系樹脂5〜70重量部配合した
    組成物である請求項4〜6のいずれかに記載の有機複合
    被覆鋼板の製造方法。
  8. 【請求項8】バインダー樹脂が、エピクロルヒドリン−
    ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対しイ
    ソシアネート化合物10〜100重量部を反応させたエ
    ポキシ当量1000〜5000のウレタン変性エポキシ
    樹脂のエポキシ基1当量に対し0.5〜1.0モルのジ
    アルカノールアミンを付加した変性エポキシ樹脂である
    請求項4〜6のいずれかに記載の有機複合被覆鋼板の製
    造方法。
  9. 【請求項9】亜鉛または亜鉛系合金めっき鋼板表面上に
    Cr換算で5〜500mg/m2 のクロメート処理を施
    し、その上に平均一次粒子径が5〜30nmであり、平
    均凝集粒子径が0.1〜2μm(100〜2000n
    m)であり、かつ比表面積が50〜800m2 /gであ
    る有機溶剤分散シリカゾルとバインダー樹脂を配合し、
    さらにポリアミド樹脂、ポリアミン樹脂およびポリイミ
    ン樹脂よりなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂を
    添加してなる塗料組成物を塗布、乾燥し、付着量が乾燥
    重量にして0.1〜3g/m2 の塗膜を形成することを
    特徴とする電着塗装後の鮮映性と耐食性、塗料二次密着
    性にすぐれた有機複合被覆鋼板の製造方法。
  10. 【請求項10】前記塗料組成物中の固形成分中、バイン
    ダー樹脂ならびにポリアミド樹脂、ポリアミン樹脂およ
    びポリイミン樹脂よりなる群より選ばれた少なくとも1
    種の樹脂の合計配合比率が40〜90wt%、シリカゾ
    ルの配合比率が10〜60wt%である請求項9に記載
    の有機複合被覆鋼板の製造方法。
  11. 【請求項11】前記塗料組成物中の固形成分中、バイン
    ダー樹脂ならびにポリアミド樹脂、ポリアミン樹脂およ
    びポリイミン樹脂よりなる群より選ばれた少なくとも1
    種の樹脂の合計配合比率が40〜90wt%、シリカゾ
    ルの配合比率が10〜60wt%であり、かつ上記固形
    成分のうちポリアミド樹脂、ポリアミン樹脂およびポリ
    イミン樹脂の少なくとも1種の配合比率が1〜10wt
    %である請求項9に記載の有機複合被覆鋼板の製造方
    法。
  12. 【請求項12】前記バインダー樹脂が、500〜500
    0のエポキシ当量を有するエピクロルヒドリン−ビスフ
    ェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対し、
    0.8〜1.0モルのジアルカノールアミンを付加した
    変性エポキシ樹脂100重量部にシランカップリング剤
    0.5〜10重量部、アミノ系樹脂5〜70重量部配合
    したバインダー樹脂組成物である請求項9〜11のいず
    れかに記載の有機複合被覆鋼板の製造方法。
  13. 【請求項13】前記バインダー樹脂が、エピクロルヒド
    リン−ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に
    対しイソシアネート化合物10〜100重量部を反応さ
    せたエポキシ当量1000〜5000のウレタン変性エ
    ポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対し、0.5〜1.0
    モルのジアルカノールアミンを付加した変性エポキシ樹
    脂である請求項9〜11のいずれかに記載の有機複合被
    覆鋼板の製造方法。
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