JP2988777B2 - 平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版

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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平版印刷版、特に銀錯
塩拡散転写法を応用した平版印刷版に関するものであ
り、また版面非画像部に速いインキ脱離性を付与するこ
とを特徴とする平版印刷版材料に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版は、インキを受理する親油性
の画線部分と、インキを受理しない親水性の非画線部と
からなり、一般に非画線部は水を受け付ける。従って通
常の平版印刷では、インキと水の両方を版画面に供給
し、画線部は着色性のインキを、非画線部は水を選択的
に受け入れて、画線上のインキを紙に転写させることに
よってなされる。
【0003】従って、良い印刷物を得るためには、画線
部と非画線部の表面の親油性及び親水性の差が十分に大
きくて、乳化状態の水−インキが来たときに、画線部は
十分にインキを受け入れ、非画線部は十分に水を受け入
れることが必要である。本発明に関係する平版印刷版
も、同様な原理に基づいて印刷されるものである。
【0004】本発明に関わる平版印刷版の一つに、銀錯
塩拡散転写法を応用する平版印刷版がある。この印刷版
材料は、親水性高分子結合剤層中あるいはその表面に銀
沈澱核を有し、乳剤層中のハロゲン化銀結晶が銀錯塩拡
散転写処理によって化学現像を起こし黒色銀となり親水
性の非画像部を形成する。一方未露光のハロゲン化銀結
晶は、現像液中の銀塩錯化剤により銀塩錯体となって表
面の物理現像核層まで拡散し、核の存在により物理現像
を起こしてインキ受容性の物理現像銀を主体とする画線
部を形成する。ここで銀画像はインキ受理性とし、非画
像部の親水性結合剤表面はインキ反発性として印刷に供
せられる。親水性結合剤表面は、それ自体親水性ではあ
るが保水性に乏しく、印刷インキの反発性は極めて悪い
ので、印刷による非画像部のインキ汚れが著しく、とう
てい実用に耐えるものではない。この種の結合剤表面の
インキ反発性を向上させる方法としてシリカ、澱粉等の
微粒子粉末を結合剤層中に分散させる等の手段で表面を
粗面化し、保水性を付与することが知られている。しか
しながらこれらの方法で得られるインキ反発性は、未だ
不十分であり、インキと水を供給して印刷を行ったとき
に、印刷物の非画像部にインキ汚れが発生する。これら
の現象は、印刷枚数が多くなるに従い著しくなる。
【0005】印刷版表面は、インキ−水乳化物との吸脱
着応答性が重要であり、インキ送りや水送りを変えて適
切な印刷条件に設定する際の応答性が速いほうが好まし
い。特に、オフセット輪転機の分野では、紙切れを防ぐ
ため、印刷の立ち上がり時には湿し水によるエッチング
を省略することが多く、非画像部にインキが付着する。
従って、立ち上がり時にはインキの脱離速度が重要であ
り、インキ脱離の速さが要求される。版面非画像部のイ
ンキ反発性を向上させる先行技術として、特公昭61−
45227に記載のアニオン及びベタインタイプの界面
活性剤の、プレートへの添加等がある。しかし、これら
の界面活性剤等では、インキ脱離速度を向上させること
は困難であり、その効果はわずかである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、親水
性結合剤層表面を非画像部とする平版印刷版のインキ脱
離速度を向上させるような平版印刷版材料を提供するこ
とにある。ここで言うインキ脱離速度とは、湿し水の無
い状態で平版印刷版の全面にインキを乗せて印刷する状
態から、湿し水を送り始めてインキが版面非画像部から
取れるまでの速さを意味する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の様な問題の解決
は、銀錯塩拡散転写法を応用した平版印刷版において、
物理現像核中または隣接層中に炭素数12以上の長鎖の
アシル基を導入したN−アシルアミノ酸またはその塩か
らなるアミノ酸系界面活性剤を、少なくとも一種類以上
含有することにより達成される。
【0008】界面活性剤は、親水性高分子結合剤層を適
当な帯状基体に形成するに際して、一般に濡れを良くす
るための湿潤剤として用いられるが、アミノ酸系界面活
性剤以外の界面活性剤は、本発明の効果はわずかであり
インキ脱離速度を早めたり、非画像部のインキ汚れを防
止することはできない。界面活性剤は大別してアニオ
ン、カチオン、ノニオン、及びベタイン以外の両性タイ
プ等がある。本発明は、これらの界面活性剤の中でアミ
ノ酸骨格を有する両性界面活性剤が、本発明の目的を効
果的に達成することを見いだしたものである。
【0009】本発明に用いられるアミノ酸系界面活性剤
とは、一般的に知られている種々のアミノ酸(例えばグ
リシン、グルタミン酸、ヒスチジン等)から誘導体化さ
れるものであり、炭素数が12以上の長鎖のアシル基を
導入したN−アシルアミノ酸及びその塩である。これら
の合成法は、吉田良之助:「有機合成化学」33、67
2項(1975)等に記載されている。例えば、長鎖の
アシル基部分にヤシ油脂肪酸、ステアリン酸、ラウリン
酸、パルミチン酸等の脂肪酸残基が用いられるものであ
る。
【0010】次に本発明に好ましく用いられる、アミノ
酸骨格を有する両性界面活性剤の一般式を示す。
【0011】
【化1】 Rは、炭素数11以上の長鎖アルキル基。
【0012】これらの界面活性剤は公知であり、市販品
として入手できる。例えば、味の素(株)よりアミソフ
トCS−11、LS−11、GS−11、HS−11、
MS−11、DL−12、CT−12、LT−12、H
S−21、GS−21、CS−21がシリーズとして市
販されている。これらの界面活性剤は2種類以上併用し
てもかまわない。
【0013】本発明に用いられるアミノ酸系界面活性剤
は、支持体上に少なくとも一つの下塗り層及びハロゲン
化銀乳剤層及び物理現像核層を、順次塗布されてなる平
版印刷版の、物理現像核層中あるいはその隣接層に、
0.01〜1重量%、好ましくは0.03〜0.3重量
%含有することが望ましい。
【0014】本発明において、マット化剤を下塗り層中
に添加することは、版表面が粗面化され、非画像部に高
い保水性を付与することで知られている。本発明に好ま
しく用いられるマット化剤は、平均粒径1〜10ミクロ
ンの固形粉末であり、例えば、シリカ粒子、アルミノシ
リケート等がある。本発明においては、平均粒径1〜5
ミクロンのシリカ粒子が好ましい。特に、フッ化水素に
て表面処理したシリカ粒子は分散安定性に優れており好
ましい。シリカ粒子の具体例としては、富士ディビソン
化学株式会社製サイロイド、水澤化学株式会社製シルト
ンAM等がある。
【0015】本発明において、マット化剤は支持体とハ
ロゲン化銀乳剤層の間の下塗り層に含まれることが好ま
しいが、乳剤層に含まれていても良い。マット化剤の添
加量は、種々の条件、種類により異なるが1m2当たり
0.1g〜4.0gの範囲であり、好ましくは、1m2
当たり0.1g〜2.0gの範囲である。
【0016】また本発明では、マット化剤として酸化チ
タンを更に添加すると、版表面のマット性が更に細かく
なり、より微細な凹凸が形成されるため、より高い保水
性を付与することが可能である。本発明に用いる酸化チ
タンは、下塗り層に含むことができる。ここで用いるこ
とができる酸化チタンは、アナーゼ型、ルチル型等、任
意のものを用いることができ、分散安定性等の目的で表
面処理されても良い。酸化チタンは通常水に分散して、
塗布前のメイクアップ時に添加されるが、必ずしもこれ
に限定されない。酸化チタンの添加量は、種々の条件に
より異なるが1m2当たり1g〜20gの範囲である。
【0017】ゼラチン皮膜は水に対して膨潤性を有して
おり、印刷時における、その皮膜のインキ−水乳化物に
対する吸脱着応答性を遅くする傾向がある。これはゼラ
チン皮膜の飽和膨潤に達するまでに、プレート表面に供
給された湿し水をゼラチン皮膜が吸い込むためであり、
またプレート表面上で湿し水が有効に作用するには時間
がかかってしまう現象である。従って、ゼラチン量を増
加するほど皮膜の膨潤作用が増えて、適切なインキ−水
乳化状態に至るまでの時間は増加し、乳化物との吸脱着
応答性も更に遅くなる。
【0018】しかし、逆にゼラチン量を少なくし過ぎる
とプレートの保水性が減少し、また印刷枚数が増えるに
従って、版面非画像部が汚れ始めてくる。以上のことか
ら、プレートのゼラチン量は多過ぎても少なくなり過ぎ
ても具合が悪い。よって本発明において、下塗り層、乳
剤層、物理現像核層中のゼラチン添加量の合計は、1m
2当たり1g〜6gの範囲が好ましい。
【0019】本発明に用いられるインキ反発性乳剤層を
形成する親水性結合剤は、ゼラチン、アシル化ゼラチ
ン、グラフトゼラチン、水溶性ゼラチン、澱粉、デキス
トリン、ポリビニールアルコール、ポリビニールピロリ
ドン、ポリビニールアクリルアミド、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニル
メチルエーテル、メチルビニルエーテル・無水マレイン
酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、イソ
ブチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ
ールとスチレン無水マレイン酸共重合体の縮合物、ポリ
ビニールアルコールとイソブチレン・無水マレイン酸共
重合体の縮合物、アラビアゴム、アルブミン、アルギン
酸ナトリウム、セルロース硫酸エステル、特開昭53ー
21602に記載の多官能型合成ポリマー等さまざまな
天然又は合成ポリマーが、単独又は2種以上組み合わせ
て用いられる。さらにビニル重合体水性分散物(ラテッ
クス)をゼラチン層に添加することもできる。本発明の
対象たる平版印刷版は、ゼラチンを含有しており、その
含有層は、下塗り層、乳剤層であり、また物理現像核層
でも有り得る。
【0020】上記乳剤層は、印刷版としての十分な機械
的強度を持たせるために、含有されるゼラチンの硬膜剤
としてホルマリン、グリオキザール、グルタルアルデヒ
ド、タンニン酸、尿素、ジメチロール尿素、エチレン尿
素樹脂等のN−メチロール化合物、ムコハロゲン酸(ム
コクロル酸、ムコブロム酸)等の有機化合物、クロム明
ばん、カリ明ばん等の無機化合物が一種もしくは二種以
上、必要に応じて用いられる。硬膜剤は、全ての層に添
加することができ、幾つかまたは一層のみ添加すること
も可能である。勿論、拡散性の硬膜剤は二層同時塗布の
場合、何れか一層にのみ添加することが可能である。添
加方法は、乳剤製造時に添加したり塗布時にインライン
で添加することもできる。
【0021】ハロゲン化銀乳剤は、それが製造される時
または塗布される時に種々な方法で増感することができ
る。例えば、チオ硫酸ナトリウム、アルキルチオ尿素に
よって、または金化合物、例えばロダン金、塩化金によ
って、またはこれらの両者の併用など当該技術分野にお
いて良く知られた方法で化学的に増感することが好まし
い。またハロゲン化銀乳剤は、例えばシアニン、メロシ
アニン等の色素によって、ポジティブにもネガティブに
も増感または減感され得る。その増感または減感され得
る波長域に特に制限は無い。従ってオルソ増感、パンク
ロ増感、ヘリウム−ネオンレーザー用増感、アルゴンレ
ーザー用増感、LED用増感、半導体レーザー用増感も
なし得るし、明室用にUV増感、可視光減感もなし得
る。
【0022】乳剤層の上部には、物理現像核を含む物理
現像核層が存在する。物理現像核としては、銀、アンチ
モン、ビスマス、カドミウム、コバルト、鉛、ニッケ
ル、パラジウム、ロジウム、金、白金等の金属コロイド
微粒子や、これらの金属の硫化物、多硫化物、セレン化
物、またはそれらの混合物、混晶であっても良い。物理
現像核には、親水性バインダーを含んでいてもいなくて
も良いが、ゼラチン、澱粉、ジアルデヒド澱粉、カルボ
キシメチルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナト
リウム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリスチレンス
ルホン酸、ビニルイミダゾールとアクリルアミドの共重
合体、ポリビニルアルコール等の親水性高分子、または
そのオリゴマーを含むことができ、その含有量は0.5
g/m2以下であることが好ましい。更に物理現像核層
には、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、カテコ
ール、等の現像主薬や、ホルマリン、ジクロロ−s−ト
リアジン等の公知の硬膜剤を含んでいても良い。
【0023】特に、銀錯塩拡散転写法を応用した銀画像
をインキ受理性とする平版印刷版に於いては、アンチハ
レーション層、乳剤層、物理現像核層のいずれの層中に
も塗布助剤として、陽イオン、陰イオンもしくは中性の
界面活性剤を含んでいても良い。ここで用いる界面活性
剤には、先述のアミノ酸系界面活性剤のようなインキ脱
離性を改良する効果は無く、塗布性改良効果のみを有し
ている。塗布助剤として使用される界面活性剤の適正量
は、層形成塗液が湿分で1%〜0.01%までの濃度範
囲が良い。またカブリ防止剤、増粘剤、帯電防止剤、を
含むことができる。
【0024】本発明の平版印刷版材料の支持体として
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、
ポリプロピレン、ポリスチレン等の合成樹脂フィルム、
ポリオレフィン被覆紙、ポリオレフィン積層フィルムあ
るいはアルミニウムで強化された複合支持体等、平版印
刷に耐えるものであれば使用することができる。また、
これらの支持体の表面を塗布層との接着を良くする為
に、表面処理することも可能である。
【0025】本発明は、粗面化された親水性結合剤表面
を有する平版印刷版材料に適用できる。粗面化表面の形
成法としては、粗面化表面を有する支持体を用いる方
法、親水性結合剤層の表面を粗面ロール等を用いて型付
けする方法、親水性結合剤層の表面に微粒子粉末を含有
させる方法及びこれらを組み合わせる方法等がある。疎
水性表面を有する支持体の粗面化は溶剤加工法、発泡
法、粗面体による圧着法等により得られる。これらの適
当な組み合わせは、本発明に於いてより好ましい結果を
もたらす。これらの粗面の深さは、2〜20μ、大きさ
約10〜100μ程度のものが好ましい。ここでいう
「深さ」とは表面の凸凹の谷から山の頂上部までの距
離、「大きさ」とは山から山までの距離をいう。
【0026】本発明で使用する現像処理液には、アルカ
リ性物質、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化リチウム、第三燐酸ナトリウム、保恒剤としての
亜硫酸塩、ハロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸塩、チオ
シアン酸塩、環状イミド、2−メルカプト安息香酸、ア
ミン等、粘調剤、例えばヒドロキシエチルセルロース、
カルボキシエチルセルロース等、カブリ防止剤、例えば
臭化カリウム、特開昭47−26201に記載の化合
物、現像剤、例えばハイドロキノン類、カテコール、1
−フェニル−3−ピラゾリドン等、現像変性剤、例えば
ポリオキシアルキレン化合物、オニウム化合物等を含む
ことができる。さらに現像処理液には、米国特許第3、
776、728号に記載の如き表面銀層のインキ乗りを
良くする化合物等を使用することが出来る。
【0027】本発明の平版印刷版材料によって得られた
印刷版は、印刷に際し必要に応じて行われる不感脂化処
理の処理液、更には印刷中に供給される湿し水等に、イ
ンキ反発性面の保水性を補助する目的でシリカ、アルミ
ナ等のコロイド状粒子、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、α−プロピレングリコール、グリセリン
等のポリオール化合物を含有させることができる。
【0028】
【実施例】次に本発明の代表的な実施例について説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0029】実施例1、比較例1 表面の粗面程度が平均深さ7μ、平均大きさ50μの粗
面化された表面を有する両面ポリエチレン被覆紙支持体
の粗面表面をコロナ放電により親水性加工した後、次の
組成よりなる液をゼラチンの量を変えて、湿分で60c
c/m2になるように塗布した。 ゼラチン 3.5g シリカ(平均粒径7μ) 10g 酸化チタン 50g ホルマリン(12%水溶液) 3ml カーボンブラック分散液(固形分32%) 5ml サポニン(10%水溶液) 10ml ラテックス 50g 水を加えて全量を600ccにする
【0030】その上に、次の組成を有するオルソ増感さ
れた高感度ハロゲン化銀乳剤を、湿分で13cc/m2
になるように塗布した。 ハロゲン化銀乳剤(硝酸銀15g、 ゼラチン12gを用いて調整した塩臭化 銀乳剤)(ゼラチン、0.72g/m2に相当) 96g シリカ(平均粒径7μ) 1g ホルマリン(12%水溶液) 3ml 界面活性剤(10%溶液) 10ml 水を加えて全量を130ccにする
【0031】更にその上に、次の方法により調整した硫
化パラジウム(銀沈澱核)ゾルを、15m/分の速度、
及び80mmHgの風圧で塗布した。 A液 塩化パラジウム 2g 水 20ml B液 硫化ナトリウム 0.2g 水 20ml C液 メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体(1.25%溶液) 20ml サポニン(10%水溶液)(塗布助剤として) 20ml ハイドロキノン 50g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 5g ホルマリン 30ml 界面活性剤 12.5ml(表1参照) 水を加えて全量を1250ccにする。
【0032】A液とB液とを攪はんしながら混合し、7
分後にC液中へこれを加えて塗液とした。
【0033】
【表1】
【0034】このようにして得られた平版印刷版材料
に、像反転機構を有するカメラで20秒間像露光を行
い、次の組成を有する銀錯塩拡散転写現像液を用いて、
30℃で30秒間現像処理を行った。 水酸化ナトリウム 20g 無水亜硫酸ナトリウム 100g ハイドロキノン 12g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1g チオ硫酸ナトリウム 16g 臭化カリウム 3g 1−エチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール 0.05g 3−メルカプト−4−アセトアミド−5−n− ヘプチル−1,2,4−トリア ゾール 0.1g 水を加えて全量を2000mlとする。
【0035】現像処理後、印刷版材料を絞りローラーで
現像液を除去し、次の組成を有する中和液を用いて25
℃で20秒間処理し絞りローラーで液を除去して乾燥し
た。 コロイダルシリカ(20%溶液) 1g 亜硫酸ナトリウム 10g リン酸カリウム 50g 水を加えて全量を1000mlにする。
【0036】上記の操作により製版した平版印刷版をオ
フセット印刷機に装着し、版面を不感脂化液で処理した
後、直ちに印刷を行った。そのとき次の手順に従って行
った。 1.通常印刷 2.湿し水の水送りを止めて、版面全面にインキが乗る
ようにする。 3.一時停止、放置 4.再び湿し水の送りを始める。 5.その後は通常印刷
【0037】なお、その時の印刷条件は、下記のとうり
である。 印刷機:RYOBI 3200 インキ:NEW-CHAMPION 紫(S) (DIC製) 給湿液:Euー3 1%水溶液 (富士写真フィルム
(株)製) 印刷速度:4000枚/時
【0038】インキが版面から脱離したときの印刷枚数
をインキ脱離枚数とし、その値からインキ脱離速度を評
価した。またインキ汚れの程度、並びにインキが版面か
ら脱離する様子は、印刷した印刷物を濃度計で反射濃度
測定することによって観察し評価した。
【0039】表2に、物理現像核層中に添加した界面活
性剤の種類と、版面非画像部のインキ脱離完了時の印刷
枚数との結果を示す。
【0040】表2より、アミノ酸系界面活性剤を用いた
場合(実施例1)と、比較の界面活性剤を用いた場合
(比較例1)の比較から、アミノ酸系界面活性剤の使用
でインキ脱離速度が速くなることが確認された。また、
1000枚印刷時において版面非画像部の汚れは発生し
なかった。
【0041】
【表2】
【0042】実施例2、比較例2 次に下塗り層、乳剤層(実施例1と同様)、物理現像核
層(アミノ酸系界面活性剤は添加しない)を順次塗布し
た後、更にその上に下記の組成のオーバー層を設けて、
実施例1と同様な現像処理、印刷条件でインキ脱離速度
を評価した。 界面活性剤 3g 水酸化ナトリウム 0.1g 水を加えて全量を1000mlにする。
【0043】表3に、物理現像核層中に添加した界面活
性剤の種類と、版面非画像部のインキ脱離完了時の印刷
枚数との関係を示す。
【0044】表3より、アミノ酸系界面活性剤を用いた
場合(実施例)と、比較の界面活性剤を用いた場合(比
較例2)を比較すると、アミノ酸系界面活性剤の使用で
インキ脱離速度が速くなることが確認された。また、用
いられた比較の界面活性剤の中には、印刷を続けても版
面からインキが取れず、逆に汚れてしまうものも存在し
た。
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】本発明の実施態様によれば、版面非画像
部の耐汚れ性が高くかつインキ脱離速度が大きく、イン
キ−水乳化物の脱離応答性の速い平版印刷版を提供する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−237552(JP,A) 特開 昭63−174045(JP,A) 特公 昭61−45227(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/07

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一つの下塗り層及
    びハロゲン化銀乳剤層及び物理現像核層を、順次塗布さ
    れてなる平版印刷版に於いて、炭素数12以上の長鎖の
    アシル基を導入したN−アシルアミノ酸またはその塩か
    らなるアミノ酸系界面活性剤を、物理現像核層中または
    その隣接層中に含有することを特徴とする平版印刷版。
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