JP2987961B2 - 音響装置 - Google Patents

音響装置

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JP2987961B2 JP3033993A JP3399391A JP2987961B2 JP 2987961 B2 JP2987961 B2 JP 2987961B2 JP 3033993 A JP3033993 A JP 3033993A JP 3399391 A JP3399391 A JP 3399391A JP 2987961 B2 JP2987961 B2 JP 2987961B2
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厚 永吉
欣也 中山
厚一 樋口
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音場拡大機能を備えた
ステレオ再生装置を有する音響装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、音響装置はステレオ再生が一般化
されているが、小型のヘッドホン専用の音響機器の音質
改善等、多機能化の傾向が強まっており、サラウンド等
の音場拡大機能を搭載した商品が増えてきている。
【0003】以下図面を参照しながら、従来の音響装置
の一例について説明する。図2は従来の音響装置の音場
拡大機能部のみを抜き出した回路ブロック図を示すもの
である。図2において、5は音場拡大機能部の入力端
子、6は出力端子、7は左右のチャンネルから差信号を
得る減算器、8は遅延回路、9は同相増幅器、10は反
転増幅器、11は加算器である。遅延回路8の遅延時間
は数十μSに設定されている。ここで、左チャンネルの
信号をL,右チャンネルの信号をRとすると、減算器7
の出力はR−L、遅延回路8の出力はΔ(R−L)であ
る。したがって出力端子6においては、Lチャンネル側
が(L−ΔL)+ΔR、Rチャンネル側が(R−ΔR)
+ΔLとなる。つまり、ホールや室内の壁面による反射
音を疑似的に作り出し(ΔR,ΔL)、それを左右のチ
ャンネルに混合することによって音場拡大効果を得よう
とするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の音響装置は、前面に配置されたスピーカに
よって再生した場合には音場拡大効果を得られるが、ヘ
ッドホンによって再生した場合には左右のスピーカから
出力された音が空間を介さずに直接左右の耳に入力され
るため音場拡大効果を得ることができない。また、左右
の差信号はミュージックソースの中のセンターに定位し
た低音成分やボーカルを含まない中高音成分を中心にし
た信号であるため、音場拡大機能動作時に中高音が強調
されてしまうという問題点を有していた。
【0005】本発明は、上記従来の問題点に鑑み、ヘッ
ドホンによって再生した場合にも周波数特性を変える事
なく音場拡大効果を得る音響装置を提供することを目的
としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の音響装置は、ステレオ再生装置を有する音響
装置において、同相増幅入力端子と反転増幅入力端子の
両者を備えた増幅器を左右のチャンネルに有し、当該各
同相増幅入力端子の前段にローパスフィルタを有すると
共に、当該各増幅器の出力側に接続されたハイパスフィ
ルタを有し、そのハイパスフィルタの出力側を互いに他
のチャンネルの上記反転増幅入力端子に接続するように
構成した音場拡大手段を備えたものである。
【0007】
【作用】本発明は上記した構成によって、ハイパスフィ
ルタの動作によって、数十Hz以上の中高域において、
同相増幅入力端子のレベルに対して低いレベルでもって
反転増幅入力端子に入力されることとなり、センターに
定位した信号の入力時には出力は低くなるものの、片側
のチャンネルにのみ入力された信号の出力は高められる
こととなる。したがって、音場拡大手段の動作によっ
て、定位がランダムなミュージックソース中の残響音成
分はクローズアップされ、音場拡大効果を得ることがで
きると共に、ローパスフィルタの動作によって、上記音
場拡大効果を周波数特性を変える事なく実現できること
となる。
【0008】
【実施例】以下、本発明音響装置の一実施例について、
図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】図1は本発明の実施例における音響装置の
音場拡大手段部分のブロック図を示すものである。同図
において、1はヘッドホンのスピーカを直接駆動する増
幅器(パワーアンプ)であり、同相増幅入力端子(+)
と反転増幅入力端子(−)とを備えている。2は上記増
幅器1の前段に配置されたローパスフィルタであり、そ
の出力は上記同相増幅入力端子(+)に接続されてい
る。3はハイパスフィルタであり、上記増幅器1の出力
側と互いに他のチャンネルの反転増幅入力端子(−)と
の間に接続されている。
【0010】4は上記のように構成された音場拡大手段
の動作/非動作を切換える制御スイッチ手段であり、ロ
ーパスフィルタ2及びハイパスフィルタ3の動作状態制
御と、増幅器1のゲイン制御を行うものである。すなわ
ち、その制御によって、音場拡大の動作又は非動作が選
択される。なお、5はミュージックソースの入力端子、
6はヘッドホンのスピーカに接続される出力端子であ
る。
【0011】ここで、上記増幅器1は音場拡大機能手段
の非動作時に約23dBのゲインを持っており、一方動
作時にはスイッチ手段4の制御により約6dBゲインア
ップするよう構成されている。ローパスフィルタ2は、
音場拡大動作時に数百Hzをターンオーバーとし、中高
域において約6dB減衰するフィルタとして動作し、非
動作時にはスルーするよう構成されている。また、ハイ
パスフィルタ3は、音場拡大手段の動作時に数十Hzを
ターンオーバーとし、中高域において約30dBの減衰
量を持ったフィルタとして動作し、非動作時には回路が
オープンとなり信号が完全に遮断された形となるよう構
成されている。
【0012】以上のように構成された音響装置につい
て、以下その動作について説明する。まず、音場拡大手
段の非動作時には、スイッチ手段4の制御により増幅器
1のみを残した回路ブロック図と等価となり、音場拡大
機能のない通常のステレオ再生回路として動作する。
【0013】次に、音場拡大手段の動作時について説明
する。ハイパスフィルタ3が動作することによって、数
十Hz以上の中高域において増幅器1の同相増幅入力端
子(+)のレベルに対して、約7dB低いレベルで他の
チャンネルの信号が反転増幅入力端子(−)に入力され
ることとなる。それにより、数十Hz以上の中高域にお
いてセンターに定位した信号(左右のチャンネルにおい
て同位相,同レベルの信号)の入力による増幅器1の出
力は音場拡大機能非動作時よりも低くなる。また、片側
のチャンネルのみに入力された信号の場合は、信号が入
力された側の増幅器1の出力は音場拡大機能非動作時よ
りも高められ、反対チャンネルの増幅器1の出力には逆
相にて出力が現れることとなり、両チャンネルをトータ
ルで考えると音場拡大機能動作時には非動作時よりもさ
らにレベルが高められる。また、左右のチャンネルに逆
相で同レベルの信号が入力された場合の増幅器1の出力
は、音場拡大機能動作時に非動作時よりも両チャンネル
共にそのレベルを高めることとなる。
【0014】つまり、増幅器1の出力が音場拡大機能非
動作時よりも低くなるのは入力信号が同相で同レベル
(センター定位信号)に近いときのみである。したがっ
て、定位がランダムな残響音については全体としてレベ
ルが高められることとなる。一方、ミュージックソース
の中のセンター定位成分の減衰量をある程度補う意味に
おいて増幅器1のゲインをアップさせている。したがっ
て、上記の作用によって高められた残響音はさらに高め
られることとなる。
【0015】以上の動作で残響音をクローズアップする
ことができたが、このままでは全体的な周波数特性とし
て中高域がブーストされた特性となってしまう。そこ
で、それを補うためにローパスフィルタ2を動作させ周
波数特性をフラットとしている。なお、各フィルタのタ
ーンオーバー周波数は、実際にミュージックソースの試
聴をくり返し、周波数特性がフラットになるように決定
したものである。ただし、音場拡大効果を高く得ようと
するならばハイパスフィルタ3のターンオーバー周波数
はなるべく低くする必要がある。また、各フィルタの減
衰量は、音場拡大効果に密接に関係しており、音場拡大
効果を最大限に得ることと、音場拡大機能動作及び非動
作切換え時のトータル音量及び周波数特性の変化を極力
押さえる目的で決定されたものである。
【0016】以上のように本実施例によれば、ミュージ
ックソースの周波数特性を変えない形で残響音のみをク
ローズアップし、音場拡大効果を得ることができる。
【0017】
【発明の効果】以上のように本発明は、ハイパスフィル
タの動作によって、数十Hz以上の中高域において、同
相増幅入力端子のレベルに対して低いレベルでもって反
転増幅入力端子に入力されることとなり、センターに定
位した信号の入力時には出力は低くなるものの、片側の
チャンネルにのみ入力された信号の出力は高められるこ
ととなる。したがって、音場拡大手段の動作によって、
定位がランダムなミュージックソース中の残響音成分は
クローズアップされることになり、周波数特性を変える
事なく音場拡大効果を得ることができるため、ヘッドホ
ンによって再生した場合にも周波数特性を変える事なく
音場拡大効果を得ることができるものであり、非常に有
効な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における音響装置のブロック図
【図2】従来の音響装置の例を示すブロック図
【符号の説明】
1 増幅器 2 ローパスフィルタ 3 ハイパスフィルタ 4 制御スイッチ手段 + 同相増幅入力端子 − 反転増幅入力端子
フロントページの続き (72)発明者 高倉 栄一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04S 1/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステレオ再生装置を有する音響装置にお
    いて、同相増幅入力端子と反転増幅入力端子の両者を備
    えた増幅器を左右のチャンネルに有し、当該各同相増幅
    入力端子の前段にローパスフィルタを有すると共に、当
    該各増幅器の出力側に接続されたハイパスフィルタを有
    し、そのハイパスフィルタの出力側を互いに他のチャン
    ネルの上記反転増幅入力端子に接続するように構成した
    音場拡大手段を備えたことを特徴とする音響装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、音場拡大手段の動作
    による再生と当該音場拡大手段の非動作による通常のス
    テレオ再生とを切換え可能な制御スイッチ手段を備え、
    この制御スイッチ手段により、上記ローパスフィルタと
    ハイパスフィルタの動作又は非動作を制御すると同時
    に、上記増幅器のゲインを制御するように構成したこと
    を特徴とする音響装置。
  3. 【請求項3】 増幅器として、通常のステレオ再生装置
    に備えられているスピーカ駆動のためのパワーアンプを
    利用して構成したことを特徴とする請求項1又は請求項
    2記載の音響装置。
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