JP2987686B2 - ガスの貯蔵方法 - Google Patents

ガスの貯蔵方法

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JP2987686B2 JP8037526A JP3752696A JP2987686B2 JP 2987686 B2 JP2987686 B2 JP 2987686B2 JP 8037526 A JP8037526 A JP 8037526A JP 3752696 A JP3752696 A JP 3752696A JP 2987686 B2 JP2987686 B2 JP 2987686B2
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    • F17STORING OR DISTRIBUTING GASES OR LIQUIDS
    • F17CVESSELS FOR CONTAINING OR STORING COMPRESSED, LIQUEFIED OR SOLIDIFIED GASES; FIXED-CAPACITY GAS-HOLDERS; FILLING VESSELS WITH, OR DISCHARGING FROM VESSELS, COMPRESSED, LIQUEFIED, OR SOLIDIFIED GASES
    • F17C11/00Use of gas-solvents or gas-sorbents in vessels
    • F17C11/007Use of gas-solvents or gas-sorbents in vessels for hydrocarbon gases, such as methane or natural gas, propane, butane or mixtures thereof [LPG]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然ガス、メタン
やエタンその他の低級炭化水素、或いは炭酸ガスなどの
各種ガスの貯蔵方法及び輸送方法に関し、より詳しくは
それらのガスを多孔質材料に常温又はそれに近い温度に
おいて短時間に多量吸着させて貯蔵する方法及びその輸
送方法に関する。なお本明細書中、その輸送方法を含め
て適宜貯蔵方法と指称している。
【0002】
【従来の技術】ガスは気体の状態のままでは非常に大き
い体積を有し且つ比重が小さい。このためガスの貯蔵や
輸送に際して、その貯蔵効率や輸送効率を上げるために
ガスの体積を小さくし密度を上げる手法が求められてい
る。この手法としては(1)高圧ガスボンベなどにおい
てみられるように気体のままで高圧に圧縮する方法、
(2)液体窒素、液体酸素、或いは液化天然ガスなどの
ようにガスを冷却液化する方法のほか、以下(3)〜
(7)のような各種方法も提案されている。
【0003】(3)例えば一酸化炭素の吸収に用いられ
るCOSORB法、炭酸ガスのアルカリ吸収による方
法、(4)シリカゲル、活性炭など固体吸着剤の表面に
吸着させる方法(特開昭49ー104213号、特開平
6ー55067号等)、(5)水素等の吸蔵合金を用い
る方法、或いは水素吸蔵合金と吸着剤を組み合わせた方
法(特開平4ー131598号)、(6)メタンの分解
を伴う固体表面の化学反応を利用した方法(特開昭59
ー197699号)、(7)メタン又はエタンを主成分
とする炭化水素ガスを脂肪族アミンの存在下に水に接触
させ、ガスの水和物を利用する方法(特開昭54ー13
5708号)。
【0004】しかし、これら諸方法のうち、(1)の方
法では、貯蔵容器に十分な耐圧強度が要求されるため、
容器の重量が貯蔵しようとするガスの重量に比ベて非常
に大きくなる欠点があり、特にガスの圧力が10.68
気圧(ゲージ圧で10kg/cm2 )を超える場合に
は、高圧ガス取締法で規定された仕様を満たす材料、装
置、配管などが要求され、そのための費用が大きくな
る。また(2)による液化法は、ガスを圧縮し、冷却し
て液化する必要があり、このためのコストが非常に大き
いだけでなく、得られた液化ガスを保冷するために別途
特殊な設備が必要となる。しかもこの方法による場合、
上記(1)の場合と同じく法的規制の対象とされてい
る。このため、この液化法を適用してもなお経済的に成
り立つのは、ヘリウムなど価値が高いガスやスケールメ
リットの大きい液化天然ガスなどの場合に限られる。
【0005】また(3)の方法の場合は、その多くが吸
収対象であるガス分子と液相に含まれる分子との間での
酸アルカリ反応などの化学反応を利用したものであり、
このためその液相の組成や反応プロセスの制御などがな
かなか困難である。(4)の方法の場合は、固体表面へ
のガスの物理吸着による吸蔵であるが、この方法は圧力
との平衡現象を利用するものであるため吸着速度が遅
く、しかも十分な吸蔵量を得るには相当の加圧が必要と
なる。この方法によれば前述高圧ボンベによる方法に比
べれば低圧でガス貯蔵が可能であるが、それでも通常1
0.68気圧(ゲージ圧で10kg/cm2 )以上の圧
力が要求される。
【0006】また(5)の方法では、例えば対象ガスが
水素の場合、その吸蔵材料がパラジウムやその合金とい
うように、貯蔵対象ガスと必要な材料とがほぼ一対一の
特定の関係にあるものに限定され、しかも吸蔵材料その
ものが特殊であるため高価である。さらに反復使用時に
起こる材料脆化の問題などもあり、取り扱いがはなはだ
難しい。さらに(6)の方法についても、(5)の場合
と同様に対象ガスが限定され、必要な材料が特殊かつ高
価であるという問題がある。また(7)の場合において
はそれが気液接触型の方式であるため、その効率は気液
の接触効率に大幅に左右され、実際上のガス貯蔵量が理
論的に期待される貯蔵量よりもかなり低いという問題が
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける以上のような諸問題点に鑑みてなされたもので、
何も特殊な材料や装置を使用することなく、常温又はそ
の近辺の温度において、減圧下でも、常圧ないし10.
68気圧(ゲージ圧で10kg/cm2 )以下という低
圧力下においても、多量のガスを、例えば材料単位体積
あたり標準状態に換算して180倍以上にも及ぶ体積に
相当するガスを、貯蔵することができ、さらには分子径
が異なる各種様々なガスに対して有効に適用することが
できるガス貯蔵方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、細
孔を有し比表面積の大きい多孔質材料に対して、ホスト
となる化合物の共存下、常温又はそれに近い温度におい
てガスを接触させることにより多量のガスを吸着させて
貯蔵することを特徴とするガスの貯蔵方法を提供するも
のである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における、上記細孔を有し
比表面積の大きい多孔質材料としては、細孔を有する多
孔性の材料であれば特に限定はなく、好ましくはその比
表面積が100m2 /g以上の多孔性材料が使用でき
る。また水或いはこれと同等の機能を有するホストとな
る化合物に対して反応したり、溶解してしまうものでな
い限り(すなわち、実質上溶解、反応などの悪影響を及
ぼさないものである限り)、その材質、製法、形状如何
を問わず使用でき、さらには細孔の形状や細孔の径の分
布について均一性も必要としない。
【0010】本発明における上記多孔質材料としては、
それらの性質を有する多孔性材料であれば何れも使用で
きるが、中でも、活性炭やセラミックスが特に好適に用
いられる。例えばこれら活性炭やセラミックスは安価で
しかも容易に入手可能であるため、本発明はこの点でも
きわめて有利である。また本発明におけるホスト(ho
st)となる化合物の例としては水、アルコール、有機
酸、その他硫化水素などが挙げられる。その中でも特に
好ましくは水が使用できる。また本貯蔵方法は分子径が
異なる各種様々なガスの貯蔵、輸送に適用できる。
【0011】本発明によれば、活性炭やセラミックスな
ど、その細孔内部でホストとなる化合物と貯蔵しようと
するガスとを常温、常圧又はこれら温度、圧力に近い穏
和な条件で接触させることにより、きわめて短時間で、
しかも例えば多孔質材料の単位体積あたり180倍(標
準状態に換算)以上もの体積に相当する多量のガスを貯
蔵することができる。もちろん常圧ないし10.68気
圧(ゲージ圧で10kg/cm2 )以下という低圧力下
とは限らず、例えば0.2気圧というような減圧下にお
いても貯蔵することができ、また10.68気圧(ゲー
ジ圧で10kg/cm2 )を超える高い圧力下でも、圧
力に対応してさらに多量のガスを貯蔵することができ
る。このように本ガス貯蔵方法においては、別途特殊な
冷却装置等を何も必要とせず、また特殊な圧力設備も必
要としないため、実用上もきわめて有効である。
【0012】■例えば活性炭の場合、粉末状、粒状、繊
維状その他の各種形状で、各種の細孔径と大きい比表面
積を有するものが容易に入手可能であり、またその細孔
径分布と比表面積は、液体窒素温度における窒素吸着量
及び吸着等温線測定により容易に確認することができ
る。この活性炭材料は比表面積がきわめて大きく、この
ためその表面に非常に多くの分子を吸着することができ
る。そこに吸着された分子は、吸着量を制御することに
より、その殆んどが細孔内の表面に露出した状態にする
ことができる。
【0013】これらの材料は、その細孔径が例えば数ナ
ノメーター乃至数十ナノメーターというように十分に小
さいため、その細孔表面に吸着された分子は高圧条件下
にあるような挙動を示すが、この挙動自体は擬高圧効果
と呼ばれる現象として知られている現象である。このよ
うに通常は高圧でのみ起こるような相変化や反応など
が、細孔を有する多孔質材料を用いることにより、より
低圧、低温という穏和な条件で起こることがあるが、本
発明における効果には、その理由は詳細には不明である
が、恐らくこのような現象も関与しているものと推認さ
れる。
【0014】一方、本発明における「ホストとなる化合
物」としては、いくつかの分子が集まったときに水素結
合を介してある構造をとり得る化合物であれば特に限定
はなく、前述のとおりその例としては水、アルコール、
有機酸、その他硫化水素などが挙げられ、その中でも特
に水が好適に用いられる。これらホストとなる化合物
は、ある範囲の大きさをもつガス分子〔ゲスト(gue
st)分子と呼ばれる〕と共存したときに包接化合物を
形成することにより、ガス分子同志が非常に近い位置で
結晶化し、安定化する。この現象はホストとなる化合物
とゲストとなるガス分子とがある圧力、温度条件におい
て共存すると、ホストとなる化合物が水素結合を介して
ゲストとなるガス分子とともに或る一定の立体構造、た
とえばホストがゲストを取り囲むようなかご状の構造な
どを構成する現象であり、この包接化合物は通常低温、
高圧の条件で生成する。
【0015】これに対して、本発明においては、細孔を
有する多孔質材料の高い吸着能力及び細孔内の上記擬高
圧効果と、ガスの包接化合物形成という特性とを組み合
わせて利用することにより、そのような高圧を必要とせ
ずに、穏和な条件で、しかも多量のガスを迅速に吸蔵す
ることができる。しかも、本発明の方法で得られるガス
吸蔵能力は、これまで知られている包接化合物における
ゲスト対ホストの分子の数の比を大きく上回っており、
そのような既知の包接化合物形成の原理のみによってこ
の現象を説明することはできない。本発明においては細
孔材料と包接化合物との組み合わせによる何らかの相乗
効果、すなわち新規且つ有用な何らかの原理により有効
な優れたガス吸蔵作用が生起しているものと思われる。
【0016】本発明のガスの貯蔵方法においてガスを貯
蔵する具体的態様としては、例えば(1)容器内に多孔
質材料を収容した後、ホストとなる化合物を供給して吸
着させ、次いで貯蔵ガス(=貯蔵しようとするガス)を
導入する、(2)容器内にホストとなる化合物を吸収し
た多孔質材料を収容した後、貯蔵ガスを導入する、
(3)容器内に多孔質材料を収容した後、ホストとなる
化合物と貯蔵ガスとを同時に導入する、その他各種手法
により行うことができる。ここで上記ガスないし貯蔵ガ
スとは単一のガスとは限らす、天然ガスその他、二種以
上のガスの混合ガスを含む意味である。
【0017】この場合、それらの何れの態様においても
低圧でも吸着させ貯蔵することができるため、その容器
として特に高圧容器を必要としない。その際もちろん高
圧容器を用いても差し支えなく、また本発明のガス貯蔵
法によれば、例えば10.68気圧(ゲージ圧で10k
g/cm2 )を超える圧力でも同様に貯蔵できるが、こ
の場合にはそれに耐え得る高圧容器が使用される。そし
てこれらの点は、本発明において天然ガス、メタンやエ
タンその他の低級炭化水素、或いは炭酸ガスなどを容器
に収容して輸送する場合についても同様である。
【0018】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明がこれら実施例により限定されない
ことは勿論である。まず実施例で使用した装置の概略を
説明し、次いでこの装置を用いた具体的な吸着試験を記
載している。
【0019】図4は本実施例で使用した実験用装置の構
成を原理的に示した図である。図4中、1は被吸着ガス
用の高圧ボンベ、2、4、6、8及び10は弁、3はレ
ギュレーター、5はガス導管、7は水蒸気を発生させる
機構、9は圧力計である。また、11は耐圧容器、12
は天秤、13は天秤12の傾きを検出する機構及びその
傾きを電磁的な力により水平に保つ機構であり、14は
ガスを吸着する材料、15は参照用重り(ガスを吸着し
ない)である。16は真空ポンプである。
【0020】操作に当たっては、まず真空ポンプ16に
より耐圧容器11及び導管5内を真空引きした後、サン
プル(ガス吸着材料)14に水を吸着させる。水の吸着
は次の手順で行う。まず水蒸気発生機構7から供給され
る水蒸気を、弁6を開とすることによりガス導管5を介
して耐圧容器11へ供給し、耐圧容器11内に飽和水蒸
気雰囲気(例えば30℃において、0.04気圧の水蒸
気雰囲気)を形成してサンプル14に水を十分に吸着さ
せる。その後、再度真空ポンプ16で適宜減圧すること
により所定の水蒸気雰囲気を形成し過剰の吸着水の脱着
を行う。この後弁4及び8を閉にして導管5内を十分減
圧し、導管5内の水分を完全に除去しておく。次いでこ
うして準備されたサンプル14に吸着対象ガスを吸着さ
せる。
【0021】高圧ボンベ1中の被吸着ガスをレギュレー
ター3によって厳密に制御しつつ系内に導入することに
より耐圧容器11内に所定圧のガス雰囲気Sを形成す
る。サンプル14による水及びガス吸着量の計測は、天
秤12のサンプル14側が、水及びガス吸着により重量
が増加することにより下がろうとするのを電磁的な力に
より水平に保ち、それに要する電気量から吸着水量及び
吸着ガス量を計算するという手法によりそれぞれ精密に
行った。なお、雰囲気温度の保持については、以上の装
置本体を恒温槽に収納することにより行った(図4中、
恒温槽の記載は省略している)。
【0022】《実施例1》比表面積1765m2 /g、
平均細孔径が1.13nm(ナノメートル)、細孔容積
0.971cc/g、真比重2.13g/cc、見かけ
比重0.694g/ccであるピッチ系の活性炭0.0
320g(0.0461cc)に対して、まず水0.0
083gを吸着させた後、温度30℃において0.2気
圧のメタンガスを導入した。また比較のため、水を吸着
させない点を除き、同じ条件でメタンガスを導入した場
合についても実施した。図1はこのときの活性炭1g当
りに吸着したメタン重量の経時変化を示すものである。
図1中活性炭に水を予め吸着させてからメタンを吸着さ
せた場合の重量変化は○(白丸)印でプロットし、また
活性炭に直接メタンを吸着させた場含を●(黒丸)印で
プロットしている。
【0023】図1のとおり、活性炭に対してまず水を吸
着させ、次いでメタンガスを導入した場合には、活性炭
はメタン導入時以降急速にメタンを吸蔵し始め、0.2
時間(h)経過後のメタン吸着量は活性炭1g当り15
ミリモルを超え、0.5時間経過時には17ミリモル前
後にも至り、以降この吸蔵量を維持している。この時点
での導入メタンガスの圧力が0.2気圧(温度30℃)
である点を考慮すると本発明におけるメタンの吸着速度
及びその吸蔵量は従来技術に比べ卓越していると云え
る。
【0024】これに対して、従来のように活性炭に対し
て水を吸着させることなく、メタンガスを導入した場合
には、メタンを僅かに吸着するだけで、上記と同じ雰囲
気で時間が経過してもその吸着量には何の変化も現われ
ていない。この点、例えば前掲特開昭49ー10421
3号の方法によれば、圧力タンク内に珪酸ゲル、モレキ
ュラーシーブ、活性炭などを収容し、約68気圧(10
00psia)もの圧力をかけてメタンを貯蔵している
が、この技術においてはそのように同じ吸着剤を使用し
たにしてもそのような高圧の加圧操作を必要不可欠とし
ている。
【0025】表1は、図1に示した活性炭1g当たりの
吸着メタンの量を比較したものである。表1のとおり例
えば0.2時間経過後の時点で、同じ活性炭にメタンを
直接吸着させた場合のメタン吸着量は僅かに0.18ミ
リモルであったのに対して、水を予め共存させた場合に
は12.08ミリモルとなり、その比は67倍であっ
た。また0.9時問経過した時点では、活性炭への直接
吸着の場合は同じく0.18ミリモルであったのに対
し、水を共存させた場合のメタン吸着量は16.46ミ
リモルとなり、その比は91倍であった。
【0026】
【表 1】
【0027】さらに、活性炭の見掛けの体積1ccを基
準として、水を共存させた場合におけるメタン吸着量を
0℃、1気圧の標準状態に換算すると183ccとな
る。この結果によれば、僅かに0.2気圧の圧力におい
て、標準状態換算で活性炭の単位体積当たり、正に18
3倍もの体積のメタンが貯蔵されたことを示すものであ
る。なお、その後(0.9時間経過後)吸着量は僅かに
減少はするが、最終的には11.77ミリモルで平衡に
達し、以降変化はなかった。
【0028】《実施例2》実施例1と同じ活性炭0.0
320g(0.0461cc)に対して、まず水0.0
083gを吸着させた後、温度30℃において、それぞ
れ0気圧から20気圧までのメタンガスを導入し、これ
ら各圧力において平衡に達した後の吸着量を測定した。
図2及び図3はこれらの結果である。図2は、図3にお
ける圧力0気圧から20気圧までのうち、0気圧から
1.5気圧までにおける推移を横軸方向に拡大して示し
たものである。また両図中、活性炭に水を予め吸着させ
てからメタンを吸着させた場合の重量変化は○(白丸)
印でプロットし、また活性炭に直接メタンを吸着させた
場合を●(黒丸)印でプロットしている。
【0029】図2のとおり、活性炭に対して水を吸着さ
せた後、メタンガスを導入した場合には、メタンは圧力
がきわめて低圧であっても、導入時以降急速に吸蔵され
る。これを1気圧の場合についてみると12ミリモル前
後の吸着量を示している。また活性炭に直接メタンを吸
着させた場合には1.5気圧で活性炭1g当り1ミリモ
ル程度であるのに対して、活性炭に対して水を吸着させ
た後にメタンガスを導入した場合には同じ1.5気圧で
13ミリモルものメタンを吸蔵している。
【0030】
【表 2】
【0031】表2は、図2に示した活性炭1g当たりの
吸着メタンの量を比較したものである。表2のとおり例
えば0.2気圧で吸着平衡に達したメタンの量を比較し
た場合、水が共存する場合では、その吸着量11.77
ミリモルであるのに対して、活性炭に直接吸着させた場
合には僅かに0.18ミリモルであり、その比は65倍
であった。また1.5気圧で吸着平衡に達したメタンの
量を比較した場合、水が共存する場合には13.08ミ
リモルであるのに対して、活性炭に直接吸着させた場合
では0.88ミリモルに過ぎず、その比は15倍であっ
た。
【0032】また、図3は活性炭に対して図2に示した
圧力条件よりさらに高圧下でメタンを接触させた場合の
測定結果であり、図2に示す1.5気圧までのデータも
併わせてプロットしている。図3から明らかなとおり、
水が共存する場合にはメタン圧力1.5気圧以降、その
吸蔵量は圧力上昇とともに漸次増加して行き、メタン圧
力20気圧では活性炭1g当り21ミリモルものメタン
を吸蔵している。
【0033】これに対して活性炭に直接メタンを吸着さ
せた場合には、メタン吸着量は圧力上昇とともに僅かず
つ増加するだけであり、20気圧の段階ですら僅かに5
ミリモル程度であるに過ぎない。また活性炭に水を共存
させた場合には僅か1気圧程度のメタン圧力で活性炭1
g当り12ミリモルものメタンを吸着するが、これは水
を共存させずに、活性炭に直接メタンを接着させた場合
の20気圧における吸着量(約5ミリモル)の2倍以上
もの吸着量に相当している。
【0034】また、図3に基づき、活性炭に水を吸着さ
せた後にメタンを吸着させた場合について、活性炭1c
cを基準にして各圧力下で吸着されたメタン量を標準状
態における体積に換算すると、それぞれ、0.7気圧で
191cc、1.5気圧で203cc、5.0気圧で2
71cc、10気圧で290cc、20気圧で326c
cとなる。このように本発明によれば、減圧下や常圧な
いし5気圧というような低圧下における優れた吸着、吸
蔵作用に加え、10気圧、或いは20気圧ないしそれ以
上というような加圧下においてもさらに有効な吸蔵効果
が得られることを示している。
【0035】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によるガス貯蔵法
によれば、安価に入手可能な多孔質材料及びホストとな
る化合物を使用して、別途特殊な冷却装置等を必要とす
ることなく、大量のガスを貯蔵することができる。また
常温又はその近辺の温度で、減圧下や常圧下、或いは1
0.68気圧(ゲージ圧で10kg/cm2 )以下とい
うような低圧において短時間に大量のガスを貯蔵でき、
しかも従来のように特殊な圧力容器を必要としない等、
実用上もきわめて有利である。また、15気圧とか、2
0気圧ないしそれ以上というような加圧下においてもさ
らに有効な吸蔵効果が得られるだけでなく、メタンやエ
タン等の炭化水素や天然ガスなどの需要量の多いガスの
貯蔵に適用でき、また分子径が異なる様々なガスの貯蔵
や輸送に適用できるなど有効な優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】活性炭1g当りに吸着したメタン量の経時変化
について、水を共存させた場合と直接メタンに接触させ
た場合とで比較した図(温度30℃、圧力0.2気
圧)。
【図2】活性炭1g当りに吸着したメタン量の圧力に伴
う変化を、水を共存させた場合と直接メタンに接触させ
た場合とで比較した図(温度30℃)。
【図3】活性炭1g当りに吸着したメタン量の圧力に伴
う変化を、水を共存させた場合と直接メタンに接触させ
た場合とで比較した図(温度30℃)。
【図4】実施例で使用した実験用装置を原理的に示す
図。
【符号の説明】 1 被吸着ガス用の高圧ボンベ 2、4、6、8及び10 弁 3 レギュレーター 5 ガス導管 7 水蒸気を発生させる機構 9 圧力計 11 耐圧容器 12 天秤 13 天秤の傾きを検出し、その傾きを水平に保つ機構 14 ガスを吸着する材料 15 参照用重り 16 真空ポンプ S 耐圧容器11内のガス雰囲気

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】細孔を有する多孔質材料に対して、水から
    なるホストとなる化合物の共存下、低級炭化水素を接触
    させることにより、低級炭化水素の吸着量を該ホストと
    なる化合物が存在しない場合に比べて増加させて貯蔵す
    ることを特徴とするガスの貯蔵方法。
  2. 【請求項2】上記多孔質材料が、その比表面積が100
    2/g以上の多孔質材料である請求項1に記載のガスの
    貯蔵方法。
  3. 【請求項3】上記多孔質材料が活性炭である請求項1又
    は2に記載のガスの貯蔵方法。
  4. 【請求項4】上記低級炭化水素がメタン、エタン等の低
    級炭化水素又はそれら低級炭化水素の2種以上の混合ガ
    スである請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスの貯
    蔵方法。
  5. 【請求項5】上記低級炭化水素が天然ガスである請求項
    1〜3のいずれか1項に記載のガスの貯蔵方法。
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