JP2987487B2 - 植生マットによる緑化方法及び植生マット - Google Patents

植生マットによる緑化方法及び植生マット

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JP2987487B2 JP7122184A JP12218495A JP2987487B2 JP 2987487 B2 JP2987487 B2 JP 2987487B2 JP 7122184 A JP7122184 A JP 7122184A JP 12218495 A JP12218495 A JP 12218495A JP 2987487 B2 JP2987487 B2 JP 2987487B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、道路の法面、路肩、
中央分離帯、あるいは工場敷地、建物周辺、更には短期
のイベント会場などを植生マットにより緑化する方法
と、同方法の実施に使用される植生マットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、道路の路肩、中央分離帯その他を
植生マットにより緑化する方法、及びそうした緑化方法
に使用される植生マットは、種々なものが公知に属す
る。以下に、その数例を記載する。 植物種子が発芽可能な水溶性素材で作った袋体内
に、植物種子を含む植生材料を充填した平たい板状体
を、網状基体に適宜の間隔で止着して成り、巻取り状態
で運搬可能な構成の植生マットが、実開平5−8304
3号公報に記載されている。 上下のウエブ層の中間に、目の粗い織物に種子、有
機質肥料、及び土壌改良剤等からなる植生主材を均等に
散布して重ねた育成層の裏面側に、不織布と織布から成
る下地層を重ね合わせ、表面側には水溶性紙を介在させ
織布を重ね合わせた積層材をある大きさに裁断し、周囲
を縫合するとともに、平面部の任意箇所を中通し糸で結
着した構成の天然植生複合マットが、実開平4−262
36号公報に記載されている。 網状体の上に客土された培土が、この培土に播種又
は移植された植物の育成の結果、根部の絡み合いにより
一体化された植生マット、及び該植生マットは巻取り状
態で法面に対して敷設する技術が、実開平4−7303
7号公報に記載されている。 プラスチック製の網状籠に培養土を充填し、その上
面に芝を育成する。籠とともに天然芝をスポーツグラン
ド等へ敷き込み、嵌め替えも可能なカートリッジ式の芝
マットが、ゾイシアンジャパン株式会社の「芝助」のカ
タログで公知である。また、パレットを使用して天然芝
を育て、培養土とともにロール状に巻いた形で張り付け
作業を行う天然芝マットも公知に属する(株式会社チュ
ウブの「コンテナベントグラス」に関するカタログ)。 網状構造のパレットを使用し、樹皮マットで植物を
育てた植生マットを、パレットとともに現地へ搬入し、
パレットから抜き出した植生マットを着地させ敷き込む
技術が、谷口産業株式会社の「樹皮マットスーパー」に
関するカタログ等にて公知である。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】
I) 上記の植生マットは、網状基体が雑草の発育を
抑制できず、草取りその他のメンテナンスを欠かせな
い。また、この植生マットは、構造が割合に複雑なため
製造に手間がかかる。 II) 上記の天然植生複合マットは、上記よりも更
に構造が複雑であり、製造に手間がかかるため、生産
性、経済性に疑問がある。 III) 上記の植生マットは、客土された培土を使用す
るため、かなり重く、運搬や敷き込み作業に多大の労力
を要する。また、培土及び網状体は強度が不足して培土
が崩れ易く、運搬がしにくい。従って、運搬用箱等に入
れて運ばねばならない。しかも撒水が網状体を滲透する
(逃げる)ので、1日1回程度の水やりでは水分が不足
しがちで、乾燥しやすいから、水やりが難しく面倒であ
る。 IV) 上記の天然芝マットも、培養土を使用するた
め、重いという問題がある。また、篭を使用したマット
は水が逃げるので水やりが難しく、面倒である。その
上、網状篭やパレットは、培養土の崩落を防ぐ目的で使
用され、天然芝マットを需要地へ搬入するまでの間不可
欠であるが、需要地で緑化施工する際には網状篭やパレ
ットを取り去り、その後は無用のじゃま物になる。これ
らを再利用するためには生産地まで持ち帰らねばなら
ず、その手間とコストを考えて、結局は産業廃棄物にす
る場合が多い。その結果、資源の有効利用に逆行するば
かりでなく、消却コストもかかるという問題がある。 V) 上記の植生マットも、やはり需要地へ搬入する
までの間はパレットが不可欠であるため、上述したよう
に用済となったパレットは産業廃棄物になるし、消却コ
ストがかかる。また、網状構造のパレットは水が逃げる
ため、水やりが難しく面倒な問題もある。
【0004】従って、本発明の目的は、緑化用地に雑草
が生えることを抑制でき、構造が簡単で製造が容易であ
り、しかも軽量で運搬や取扱いが容易でゴミの排出が少
ない植生マットと、このような植生マットを使用して行
う緑化方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の課題を解
決するための手段として、請求項1に係る植生マットに
よる緑化方法は、保持枠内に、空気は通すが水を通さ
ず、しかも植物の根が刺さらない合成樹脂製の不織布シ
ートを敷き込み、前記シートの上に非土壌の繊維質培土
を比較的薄く敷設し、前記培土に供用植物を栽培し、前
記供用植物の育成期間終了後には前記不織布シートを基
体として保持枠から抜き出した植生マットを緑化用地へ
運び、不織布シートを除いた植生マットの培土を用地の
地面上へ着地させて定植することを特徴とする。
【0006】次に、請求項4に係る植生マットは、空気
は通すが水は通さず、しかも植物の根が刺さらない合成
樹脂製の不織布シートが保持枠内に敷かれ、その上に非
土壌の繊維質培土が比較的薄く敷設され、前記培土に供
用植物が栽培されたものであり、供用植物の育成期間中
は保持枠内に収容され、育成期間の終了後は前記不織布
シートを基体として保持枠から抜き出して緑化用地へ運
ばれ、不織布シートを除いて緑化用地の地面上へ着地さ
れ定植されることを特徴とする。
【0007】前記請求項1又は4に記載した繊維質培土
は、杉、檜の如き針葉樹の樹皮繊維、又は椰子繊維を積
層すると共に、少なくともその中間層にヤシ繊維で編ん
だネットをサンドイッチ状に介在させた構成、又は杉、
檜の如き針葉樹の樹皮繊維、又は椰子繊維を積層すると
共に、少なくともその中間層にヤシ繊維で編んだネット
をサンドイッチ状に介在させると共に土壌改良材配合
し、マットの縁辺に沿って端面保護用の繊維マットを設
置した構成である。
【0008】なお、上述した空気は通すが水は通さず、
しかも植物の根が刺さらない合成樹脂製の不織布シート
(防根用シート)は、具体的には米国デュポン社製の登
録商標が「タイベック」と称される農業用シート、花卉
用シートが好適に採用される。同シートは実開平4−1
33161号公報、実開平6−13451号公報に開示
されて公知であり、既に実用に供されている。該シート
はフラッシュ紡糸法によるフィラメントが高密度に接合
された強靱で不透明な不織布シートである。この不織布
シートは合成樹脂(ポリエチレン等のポリオレフィン、
又はポリエステルなどのポリレフィン以外の重合体)の
長繊維フィラメントを交差させながら堆積して形成され
たバットをニップを通過させて圧縮することにより製造
することができ、耐水性、透湿性、及び通気性等に優れ
ている。
【0009】
【作用】育成中の供用植物が根を張り緑化用地への定植
施工が可能な育成期間満了までは生産地において保持枠
(育苗箱など)の中で育成作業を行うので、その間の場
所の移動などは保持枠を介して容易に安定状態のままハ
ンドリングを行うことができるし、培土の安定化を図る
ことができる。
【0010】不織布シート(防根用シート)は、空気は
通すが、水は通さないので、撒水は逃げずにシート上に
保持される。従って、その分だけ水やりの回数が減り、
1日1回ぐらいの水やりで十分である。しかも1回の水
やりでたっぷりと多過ぎる程水を与えてシート上の用土
が過湿状態になっても、防根用シートは通気性を有して
いるので、植物が根腐れを起こさないし、根部に有害な
温度上昇を生じない。つまり、水やり量の多少もあまり
問題にならないから、水やり作業が簡単で、誰にでも行
え、育成管理が容易である。
【0011】防根用シートには植物の根が刺さらないか
ら、育成期間中の防根用シートの裏面は常にのっぺらで
あり、仮に保持枠が網状構造、又は中央部を抜かれた周
辺枠構造であっても、地面に植物の根が根付くようなこ
とは一切ない。従って、育成期間を終了して、現地の緑
化のため保持枠から抜き出す際には、常にパラリと剥が
れて肌分れがきれいであり、抜き出し作業に無理な力を
加えないで済む。その故に、培土が崩れて植生マットの
構造に乱れをきたす不都合もない。保持枠から抜き出し
た後は、防根用シートを基体として需要地への搬入や緑
化作業のハンドリングを行うことができる。要するに、
保持枠とは生産地において全て分離し、需要地へは持ち
込まないので、産業廃棄物を発生しない。もっとも、防
根用シートは、当該植生マットを用地へ定植させる際に
剥がされ除かれるが、シート自体嵩張らないので、生産
地へ持ち帰り再利用したり、ゴミとして焼却処分するこ
とが容易である。
【0012】本発明の植生マットには、非土壌の繊維質
培土を使用するので、軽量であり、運搬や取扱い(緑化
施工)のハンドリングに便利であり、労力を軽減でき
る。繊維質培土は5〜15センチメートルぐらいに引き
裂き加工等された長繊維物質であるため、これに植物の
根がからみ付くと、形態保持に必要な強度を容易、確実
に発現する。特に防根用シートに根が刺さらないので、
該シートに到達した根は横へ這い、又はUターンするな
どして根を張ることになり、培土の強度は増々向上す
る。
【0013】樹皮繊維、椰子繊維を積層すると共に、少
なくともその中間層にヤシ繊維で編んだネットをサンド
イッチ状に介在させた培土は、前記植物の根のからみ付
き効果を増大させ、培土の強度向上と一体化が促進され
る。前記の培土に軽量土壌改良材を配合したものは、形
態の維持が少し不安定になるが、該培土の縁辺に沿って
繊維マットを設置すると、同繊維マットにも植物の根が
からみ付く結果、培土の端面が補強されその崩落(形崩
れ)を防ぐ。いずれにしても、繊維質培土は全て天然
物、自然物であるため、ゆくゆくは土に戻ることにな
り、自然保護にもなる。
【0014】本発明の植生マットは、緑化用地へ敷き込
まれる結果、その地面は繊維質培土によって覆われてし
まい、しかも培土には雑草の種子が含まれていないの
で、雑草が生える余地がなく、爾後の草取りなどのメン
テナンスを省ける。
【0015】
【実施例】次に、図示した本発明の実施例を説明する。
図1〜図3は、供用植物1としてヘデラ・ヘリックス、
ヘデラ・カナリエンシス、タマリュウ、ジャノヒゲ、ヒ
ペリカム、アジュガ、フッキソウ、宿根性バーベナ、シ
バザクラ、マツバギクなどを主な対象とする実施例を示
している。生産地において、育成期間中に培土の安定化
を図るため使用される保持枠2の底面に、空気は通すが
水を通さず、しかも植物の根が刺さらない合成樹脂製の
不織布シート3が防根用として敷き込まれている。従っ
て、保持枠2は、浅いトレー形状の箱(育苗箱など)が
好ましいが、箱の中央部が抜けた周辺枠構造のもの、又
は大きな箱の中に仕切りを設けた構造、更には網状構造
の箱等も使用できる。前記防根用シート3の長手方向の
縁辺3aは、保持枠2の外(上方)へ少し露出する程度
の高さに立ち上げられており(図2を参照)、後々の抜
き出し作業その他のハンドリングを容易ならしめてい
る。空気は通すが水を通さず、植物の根が刺さらない合
成樹脂製の不織布シート(防根用シート3)としては、
上述したように米国デュポン社製の登録商標を「タイペ
ック」として市販されている不織布シートが好適であ
る。これは具体的には、フラッシュ紡糸法によるフィラ
メントが高密度に接合された不織布シートである。
【0016】次に、前記防根用シート3の上に、非土壌
の繊維質培土4が比較的薄く敷設される。この繊維質培
土4としては、例えば杉、檜の如き針葉樹の樹皮を長さ
5〜15センチメートル程度に切り裂き加工したもの、
又は椰子繊維を裁断加工したものを積層して形成され
る。必要に応じて、通気性、保水性を良くする軽量土壌
改良材としてパーライト、バーミキュライトなどを適量
配合した培土が好適に使用される。こうした繊維質培土
4は、層厚Hを約3cm位の比較的薄層に敷設され、この
培土4に前記した供用植物1が栽培される。ちなみに、
この植生マットの大きさは、例えば6枚で1m2になるよ
うに、長辺Xが45cm〜60cm、短辺Yが30cm〜40
cmぐらいとされている。前記の培土4に対して、供用植
物1はヘデラだと長手方向に8〜10行、短手方向には
4〜5列ぐらいの割合で栽培される。一つの植生マット
の重さは1.3〜2.0キログラム程度である(培土自
体は900グラム程度の重さであるが、水を含んでいる
ため)。
【0017】供用植物1の育成期間中(根付けから4箇
月位)は、上述したように保持枠2内に収納した状態
で、温室とか小トンネルハウス、場合によっては露地等
において栽培及び管理を行う。供用植物1がヘデラの場
合は、約4ケ月で育成期間を終了し、緑化施工のために
需要地へ出荷される。この時点までに、供用植物1は繊
維質培土4の中に十分に根を張り、その根が絡み付くこ
とにより培土4は多少動かしてもバラけて崩落しない程
度の強度を発現し堅固な状態に固まっている。出荷に際
しては、生産地において保持枠2から抜き出し、防根用
シート3を基体とする植生マットとして緑化用地などの
需要地へ運搬する(図3を参照)。前記した保持枠2か
らの抜き出し作業、及び需要地への運搬、並びに緑化用
地への定植施工の各ハンドリングにおいても、培土4は
必要十分に安定状態を保つ。保持枠2からの抜き出し作
業は、図2のように長辺に沿って立ち上げている防根用
シート3の縁辺3aを掴んで引き上げる。このとき、防
根用シート3に植物1の根は刺さっておらず、同シート
3の裏面は当初のままの平坦状態を保っているので、パ
ラリときれいに肌分かれして抵抗なく離脱する。また、
保持枠2から抜き出した後出荷するまでの間、あるいは
需要地へ搬入した後も定植施工を待つ間に湿った地面上
へ置いて保管しても、やはり防根用シート3に植物の根
が刺さらないので、シートと地面との間に植物の根が活
着してその後の持ち運びに支障をきたすようなことは決
して起こらない。
【0018】需要地へ搬入した植生マット(図3参照)
による用地の緑化施工の作業は、まるで芝張りを行うの
と同様に行われる。まず緑化用地の地均しと下地作りを
行ない、その後に防根用シート3を剥がして除いた植生
マットの培土を地面上へ直接着地させつつ順次敷き込ん
で定植する。簡単に云えば、地面上へ植生マットを一つ
一つ規則正しく置いてゆくだけである。植生マットを着
地させるに際し、防根用シート3を剥がす時も、該シー
トに根が刺さっていないから、ぱらりと綺麗に剥がれ
る。
【0019】上述した繊維質培土4は、好ましくは天然
の繊維質で形崩れしない軽い培土であれば良く、ヤシ繊
維とそれを粉にしたもの、及びバーミキュライトを混合
して圧縮し板状にしたもの、ヘチマの繊維を積層したも
の等を使用可能である。極端な例としては保水性がある
スポンジ状物質を培土として使用することも可能であ
る。もっとも、スポンジ状物質は長年月を経ても分解せ
ず土に戻らないので自然保護の面からは樹皮を使用する
ことが好ましい。
【0020】次に、図4と図5に示した第2実施例は、
例えばヘデラ・ヘリックスなどを植栽する植生マットで
ある。当該植生マットの製造方法、使用方法、及び構造
の基本は、上記第1実施例と同じであるが、同植生マッ
トの培土4の短手方向の縁辺に沿って端面保護用の繊維
マット5を設置した構成を特徴としている。培土4の長
手方向の縁辺には上述した(図2のように)防根用シー
ト3の縁辺3aが立ち上げられており、培土端面の保護
の必要性が少ないからである。前記端面保護用の繊維マ
ット5としては、例えばヤシ繊維を積層して約1cm位の
厚さにしたものが好適に使用される。培土4に栽培され
た植物1の根はこの繊維マット5へも突き刺さって根を
張るので、そうした根の絡み付き効果により培土4と繊
維マット5とは一体化され、培土4の端面が形崩れしな
いように強化され保護される。従って、培土4の端面の
保護効果を発揮するものであるかぎり、繊維マット5と
しては、麻のマット、木綿のマット、ヘチマのマットな
ども好適に使用できる。本実施例の植生マットも、出荷
に際しては、生産地において保持枠2から抜き出し、繊
維マット5で端縁の保護をした状態のまま需用地へ運ば
れ使用される。この植生マットを着地させる際に防根用
シート3を除くことは同じである。
【0021】次に、図6と図7に示した第3実施例は、
供用植物1として例えばヘデラ・ヘリックス、タマリュ
ウ、ジャノヒゲ、マツバギクなどを栽培する植生マット
である。本実施例の特徴は、繊維質培土4の中間に、ヤ
シ繊維で編んだネット6をサンドイッチ状に介在させた
点である。このネット6は培土4の補強材として使用す
るもので、ヤシ繊維を直径3mm位の太い綱に編み、一辺
が3cm〜4cm位のます目の大きいネットに編成したもの
で、現在市販品が出回っている。本実施例のようにネッ
ト6が介在する培土4は、供用植物1の根の絡み付き効
果とそれによる強度の向上が一層促進され、培土の安定
性が高まる。また、ネット6のます目に大なり小なりの
空隙が生じ、根の呼吸にも寄与する。なお、ネット6を
境に上下に分離される培土4の厚さは、上側の層厚aが
2cm位、下側の層厚bが1cm位とされ、培土全体の厚さ
はやはり3cm位とされている。
【0022】次に図8に示した第4実施例は、供用植物
1として、ヘデラ・ヘリックス、ヘデラ・カナリエンシ
ス、マツバギクなどの栽培を行うもので、ヤシ繊維のネ
ット6を培土4の中間層のみならず、上面にも敷設した
構成を特徴としている。培土の強度向上と安定化を一層
高めるためである。図9に示した実施例は、培土4の下
面と防根用シート3の間にヤシ繊維のネット6を敷設し
た構成を特徴とするものである。供用植物1としては例
えばタマリュウなどを栽培する植生マットの例である。
【0023】
【本発明が奏する効果】本発明の緑化方法によれば、植
生マットの製造は端的に云えば防根用シートの上に培土
を載せ、供用植物を植栽するだけで極めて簡単であり、
生産性に優れる。生産地では繊維質培土が安定化するま
での育成期間中は保持枠によるハンドリングができ、作
業性に優れる。需要地へ出荷するに際しては、予め生産
地で保持枠から抜き出し、用済みの保持枠は再び植生マ
ットの製造に転用されるから、無駄が無く、経済的であ
ると同時に、保持枠が産業廃棄物にならず、省資源効果
が大である。また、植生マットを保持枠から抜き出す際
には、防根用シートを介してパラリときれいに肌分れし
抜き出し作業が容易であり、植生マットの特に培土の崩
れ、乱れを生じない。そして、保持枠から抜き出した後
は、防根用シートを基体としてハンドリングを自在に行
え、保持枠が無い分だけ軽量のハンドリングができ、労
力の軽減を達成できる。更にこの植生マットは湿った地
面へ直置きしても、防根用マットに植物の根が刺さらな
いので、長期間置いたままでも根付かず移動に困難を生
じない。
【0024】次に請求項2に記載した植生マットは、防
根用シートを基体として軽量な運搬や保管あるいは緑化
用地へ定植施工するハンドリングを行える。最終的には
防根用シートを除いて植生マットの定植施工を行うの
で、繊維質培土はいずれは全て土に戻るから自然にやさ
しい緑化を達成できる。この植生マットを緑化用地へ敷
き込む結果、その地面は繊維質培土に全て覆われてしま
い、培土に雑草の種子が含まれていないので、雑草が生
える余地がなく、よって爾後の草取りなどのメンテナン
スを省ける。
【0025】また、培土に重い土壌は一切使用せず、軽
い繊維質培土を比較的薄く使用するので、植生マットそ
のものが軽量であり、運搬や定植作業の労力を軽減でき
るほか、この植生マットは水やり作業が容易で、誰でも
管理できる便利さがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の植生マットの育成状態を少し誇張
して示した正面方向の断面図である。
【図2】第1実施例の植生マットの育成状態を少し誇張
して示した側面方向の断面図である。
【図3】成育した植生マットの少し誇張した正面図であ
る。
【図4】第2実施例の植生マットの育成状態を少し誇張
して示した正面方向の断面図である。
【図5】第2実施例の植生マットの育成状態を少し誇張
して示した側面方向の断面図である。
【図6】第3実施例の植生マットの育成状態を少し誇張
して示した正面方向の断面図である。
【図7】成育した植生マットの少し誇張した正面図であ
る。
【図8】第4実施例の植生マットの育成状態を少し誇張
して示した正面方向の断面図である。
【図9】第5実施例の植生マットの育成状態を少し誇張
して示した正面方向の断面図である。
【符号の説明】
2 保持枠 3 防根用シート 4 培土 1 供用植物 6 ヤシ繊維のネット 5 繊維マット

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保持枠内に、空気を通すが水は通さず、
    しかも植物の根が刺さらない合成樹脂製の不織布シート
    を敷き込み、前記シートの上に非土壌の繊維質培土を比
    較的薄く敷設し、前記培土に供用植物を栽培し、前記供
    用植物の育成期間終了後には前記不織布シートを基体と
    して保持枠から抜き出した植生マットを緑化用地へ運
    び、不織布シートを除いた植生マットの培土を用地の地
    面上へ着地させ定植することを特徴とする、植生マット
    による緑化方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した繊維質培土は、樹皮
    繊維、椰子繊維を積層すると共に、少なくともその中間
    層にヤシ繊維で編んだネットをサンドイッチ状に介在さ
    せた構成であることを特徴とする、植生マットによる緑
    化方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した繊維質培土は、樹皮
    繊維、椰子繊維を積層すると共に、少なくともその中間
    層にヤシ繊維で編んだネットをサンドイッチ状に介在さ
    せ、更に土壌改良材を配合し、マットの縁辺に沿って端
    面保護用の繊維マットを設置した構成であることを特徴
    とする、植生マットによる緑化方法。
  4. 【請求項4】 空気は通すが水は通さず、しかも植物の
    根が刺さらない合成樹脂製の不織布シートが保持枠内に
    敷かれ、その上に非土壌の繊維質培土が比較的薄く敷設
    され、前記培土に供用植物が栽培されていること、供用
    植物の育成期間中は保持枠内に収容され、育成期間の終
    了後は前記不織布シートを基体として保持枠から抜き出
    して緑化用地へ運ばれ、不織布シートを除いて緑化用地
    の地面上へ着地され定植されることを特徴とする、緑化
    用の植生マット。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載した繊維質培土は、樹皮
    繊維、椰子繊維を積層すると共に、少なくともその中間
    層にヤシ繊維で編んだネットをサンドイッチ状に介在さ
    せた構成であることを特徴とする植生マット。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載した繊維質培土は、樹皮
    繊維、椰子繊維を積層すると共に、少なくともその中間
    層にヤシ繊維で編んだネットをサンドイッチ状に介在さ
    せ、更に土壌改良材を配合し、マットの縁辺に沿って端
    面保護用の繊維マットを設置した構成であることを特徴
    とする植生マット。
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