JP3027926U - 移植用樹木の容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】生垣用等の列植用樹木の移植に関し、根巻きの
手間を省くことと、活着率を高めることを主たる目的と
した樹木用容器を提供する。 【解決手段】椰子繊維等の粗剛な植物繊維を絡み合わせ
てなる直方形の繊維絡合体１に複数の有底の植え込み穴
２を並べて設け、この繊維絡合体の底面および４側面を
低透水性のカバー３、例えばポリエステル繊維の不織布
で被覆し、このカバー布を繊維絡合体１に着脱可能に取
りつける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、生垣のように並べて植える樹木を栽培し、運搬し、植えつけるの に使用する容器に係る。

【０００２】

【従来の技術】

従来、生垣等をつくるために移植する樹木は、１本ごとに根巻きをして運搬し 、植えつけるが、根巻きに手間がかかるのと、植えつけ後の活着にも不安があり 、列をなす移植樹木中に立枯れを生ずるものが現れ、見苦しさを露呈することが しばしばあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この考案の課題は、生垣用等の列植用樹木の移植に関し、根巻きの手間を省く ことと、活着率を高めることを主たる目的とした樹木用容器を提供することにあ る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案が採用した手段を図を用いて説明すると、椰子繊維等の粗剛な植物繊 維を絡み合わせてなる直方形の繊維絡合体１複数の有底の植え込み穴２を並べて 設け、この繊維絡合体の底面および４側面を低透水性のカバー布３、例えばポリ エステル繊維の不織布で被覆し、このカバー布を繊維絡合体１に着脱可能に取り つけたことを特徴とする。図中４は繊維絡合体にカバー布を取りつける結わえひ もである。

【０００５】

【考案の実施の形態】

繊維絡合体１の素材には椰子繊維のほかに、しゅろ、麻等の繊維を使用できる 。植え込み穴２は、通常、３〜５個を１列に設ける。 この樹木容器の使用の態様は次のとおりである。畑地の土を起こした凹所に、 カバー布３を取りつけた繊維絡合体を配列し、各植え込み穴に苗木を１本ずつ用 土とともに植え込み、繊維絡合体に土をかぶせる。散水又は雨水により、土は繊 維絡合体中に分散する。苗木は成長するとともに植え込み穴から繊維絡合体中に 根を伸ばし、根は絡合体の繊維に絡みつく。繊維絡合体は粗剛な繊維が疎に絡み 合っているから、通気性がよい。カバー布は低透水性であるから保水性にすぐれ 、さりとて水はけもするから、繊維絡合体の通気性とあいまって、保水と通気に 関し、苗木の根に好環境を提供することができる。 苗木が１〜２ｍの樹木に成長した適時に、この考案品を樹木が植えられた状態 で畑地から取り出し、生垣用等の移植地に運搬し、カバー布を取りはずし、繊維 絡合体を保持したまま植えつけを行う。列植の長さに合わせて、この樹木容器を 複数個用いる。取りはずしたカバー布、結わえひもは再使用できる。

【０００６】

【考案の効果】

この考案によれば、苗木を用土とともにこの考案品の植え込み穴に移して畑地 で栽培し、移植時にはこの考案品に植えられた状態で樹木を移植地に運搬し、カ バーを取りはずして容器もろとも植えつけを行うから、従来の手間のかかる移植 時の根巻きは不必要となり、樹木の根は苗木のときから移植後まで、終始、畑地 の用土に埋もれた状態にあるから、移植における活着率は１００％に近い。 またこの考案によれば、移植地で数本を同時に植えつけるから、従来の１本ず つの植えつけに比べて移植作業が省力化される。繊維絡合体は粗剛な植物繊維で 構成されているから、比較的期間の短い畑地での栽培時には腐れがこないで形状 を保全し、移植後は自然に崩壊して土化し、樹木の養分ともなる。カバー布を用 いているから運搬に便利である。繊維絡合体および低透水性カバーの作用効果は 「考案の実施の形態」の項で述べたとおりである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案品の斜視図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線における断面図である。

【符号の説明】

１…植え込み穴、 ２…繊維絡合体、 ３…カバー布、
４…結わえひも。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】椰子繊維等の粗剛な植物繊維を絡み合わせ
   てなる直方形の繊維絡合体（１）に複数の有底の植え込
   み穴（２）を並べて設け、この繊維絡合体の底面および
   ４側面を低透水性のカバー（３）、例えばポリエステル
   繊維の不織布で被覆し、このカバー布を繊維絡合体
   （１）に着脱可能に取りつけたことを特徴とする移植用
   樹木の栽培・運搬・植えつけ用容器。