JP2987212B2 - 画像化剤として使用するためのポリマー―脂質ミクロカプセル化フッ素化ガス - Google Patents

画像化剤として使用するためのポリマー―脂質ミクロカプセル化フッ素化ガス

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JP2987212B2 JP10508764A JP50876498A JP2987212B2 JP 2987212 B2 JP2987212 B2 JP 2987212B2 JP 10508764 A JP10508764 A JP 10508764A JP 50876498 A JP50876498 A JP 50876498A JP 2987212 B2 JP2987212 B2 JP 2987212B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、一般に診断用の画像化剤の分野、及び特に
経時エコー反射性を維持するために中に封入された脂質
を有するミクロカプセル化超音波造影剤に関する。
ヒトまたは動物の内蔵及び構造の画像を得るために超
音波を使用すると、超音波、ヒトの耳で識別できる周波
数以上の音エネルギーの波は、人体を通過する際に反射
する。体組織は異なるタイプ毎に超音波を多様に反射さ
せ、異なる内部構造から反射する超音波により生み出さ
れる該反射を検出し、次いで視覚ディスプレーに電気的
に変換する。
コントラスト−増強剤がないと、超音波の反射により
生じた超音波画像中の周囲組織と詳細な構造を的確に識
別できないので、医学的条件において重要な臓器または
構造の有用な画像を得ることは非常に困難である。特定
の生理的及び病理的状態の検出及び観察は、重要な臓器
または他の構造に薬剤を注入することによって超音波画
像のコントラストを増強することにより実質的に改善さ
れ得る。他にも、コントラスト−増強剤自体の動きの検
出は特に重要である。例えば、特定の心血管異常に由来
することが知られている明確な血流パターンは、血流中
にコントラスト剤を注入し、次いで血液の流れの動力学
を観察することにより識別し得る。
超音波コントラスト剤として有用な物質は、超音波が
体を通過するにつれて作用することにより機能し、反射
して画像を形成し、これから医学診断がなされる。種々
のタイプの物質は、超音波に多様に種々の度合いで作用
する。さらに、コントラスト−増強剤により生じた特定
の作用は、他のものよりもより容易に測定され観察され
る。コントラスト−増強剤用の理想組成物の選択に際し
ては、超音波が体を通過する際に超音波に最大効果を有
する物質が好まれるであろう。また、超音波の作用は容
易に測定されるものでなければならない。超音波画像で
知見し得るものには3つの主なコントラスト−増強作
用:後方散乱、ビーム減衰(beam attenuation)及び音
速差(speed of sound differential)がある。
後方散乱 体を通過する超音波が構造、例えば、臓器または他の
体組織と出会うと、構造は超音波の一部を反射する。体
内の構造が異なれば、超音波エネルギーを異なる方向に
異なる強度で反射する。反射されたエネルギーを検出
し、これを用い、超音波が通過した構造の画像を作成す
る。「後方散乱」という用語は、超音波エネルギーが特
定の物理的特性を有する物質により音源の後方に散乱す
る現象を指す。
超音波画像で観察されたコントラストは、多大な量の
後方散乱を引き起こすとして公知の物質の存在により増
強され得る。そのような物質が体の特定の部分に投与さ
れると、体のその部分の超音波画像とそのような物質を
含まない周囲組織との間のコントラストが増強される。
その物理的特性により、種々の物質が種々の度合いで後
方散乱を生じることは周知である。従って、コントラス
ト−増強剤の探索は、安定で無毒であり且つ最大の後方
散乱を示す物質に集中してきた。
超音波エネルギーの後方散乱を生じさせる物質の能力
は、圧縮に対する能力などの、物質の特性に依存する。
種々の物質について調査するとき、「横断面散乱(scat
tering cross−section)」として公知の後方散乱を生
じさせる物質の能力のある特定の尺度を比較するのが有
用である。特定の物質の横断面散乱は、散乱物質(scat
terer)の半径に比例し、超音波エネルギーの波長及び
物質の他の物理的特性に依存する。J.Ophir及びK.J.Par
ker,Contrast Agents in Diagnostic Ultrasound,Ultra
ssound in Medicine & Biology,vol.IS,n,4,319,323頁
(1989). 画像コントラスト剤として種々の物質の有用性を評価
する際に、より高い横断面散乱を有するはずの薬剤を計
算することができ、この薬剤が超音波画像で最大のコン
トラストを提供するはずである。固体粒子の圧縮率は周
囲媒体の圧縮率よりもかなり低く、粒子の密度はずっと
大きいことを予測することができる。この予測に基づい
て、固体粒子コントラスト−増強剤の横断面散乱は1.75
であると推測された。Ophir及びParker,325頁、同上。
純粋な液体散乱物質の場合には、散乱物質及び周囲媒体
の断熱圧縮及び密度は殆ど同一だろうから、液体の横断
面散乱は0ということになる。しかしながら、多量の液
剤が存在する場合には、液体は幾らか後方散乱を示すこ
ともある。例えば、液体が血管全体を占めるように液剤
が非常に細い血管から非常に太い血管を通過する場合、
液体は測定可能な後方散乱を示すだろう。にもかかわら
ず、純粋な液体は、当業者により遊離気体微小気泡と比
較して比較的効率の悪い散乱物質であると評価されてい
る。
ビーム減衰 特定の固体コントラスト−増強剤の存在により観察し
得るもう一つの作用は、超音波の減衰である。特定の組
織種間の局在化減衰の差により、画像コントラストは慣
用の画像化により観察できた。K.J.Parker及びR.C.Wan
g,″Measurement of Ultrasonic Attenuation Within R
egions selected from B−Scan Images″,IEEE Trans.B
iomed.Enar.BME30(8),431−37頁(1983);K.J.Parke
r,R.C.Wang及びR.M.Lerner,″Attenuation of Ultrasou
nd Magnitude and Frequency Dependence for Tissue C
haracterization,″Radiology,153(3),785−88頁(1
984).薬剤の注入の前後に行った組織の領域の減衰の
測定により、画像が増強され得るのではないかという仮
説が取り上げられた。しかしながら、液剤のコントラス
ト増強を測定するための手段として、減衰コントラスト
に基づく方法は十分に開発されておらず、十分に開発さ
れているとしても、この方法が使用される内蔵または構
造について制限を受けるだろう。例えば、減衰の実質的
な差が測定され得る前に大容量の液体コントラスト剤が
所与の血管内に存在しなければならないため、心血管系
の画像中で液体コントラスト剤による減衰損失がうまく
観察できるという見込みはないだろう。
粒子によるエネルギー吸収は、「相対移動(relative
motion)」と称されるメカニズムにより発生する。相
対移動により生じる減衰の変化は、粒子濃度に対して一
次的に増加し、粒子と周囲媒体との間の密度の差の二乗
に応じて増加することが知見され得る。K.J.Parker
ら、″A Particulate Contrast Agent with Potential
for Ultrasound Imaging of Liver″,Ultrasound in Me
dicine & Biology,Vol 13,No.9,555頁,561頁(198
7).従って、固体粒子の実質的な蓄積が発生する場合
には、作用が後方散乱現象よりも十分に小さく、心血管
診断で殆ど使用できなくても、減衰コントラストは、画
像コントラスト増強を観察するための実行可能なメカニ
ズムであり得る。
音速差 超音波画像においてコントラストを増強させるための
さらなる方法は、音速は音が伝播する媒体に依存すると
いう事実に基づいて提案されてきた。従って、音速が周
囲組織と異なる十分に多量の薬剤を標的領域に注射する
ことができるのであれば、標的領域内の音速の差は測定
可能であろう。
端的に言えば、超音波診断は、体の内蔵の情報を得る
ために使用可能な、強力な、非浸襲性の手段である。グ
レースケール画像化及びカラードップラーの出現によ
り、本方法の範囲及び解像度は非常に発展した。超音波
診断を実施する方法及びコントラスト剤を製造し使用す
る方法は非常に改善されたが、さらに、心臓潅流及び心
室(cardic chambers)、固体臓器、腎臓潅流;固体臓
器潅流用の画像化の解像度;及びリアルタイム画像化時
に血液の速度及び流動方向のドップラー信号を高める必
要がある。
種々の天然及び合成ポリマーが画像コントラスト剤
(例えば、空気)を封入するために用いられてきた。Sc
hneiderら,Invest.Radiol.,Vol.27,134−139頁(1992)
は、3ミクロンの、空気を充填したポリマー粒子につい
て記載している。これらの粒子は、血漿中及び加圧下で
安定だと報告された。しかしながら、2.5MHzでは、その
エコー反射性は低かった。別の種類の微小気泡懸濁液が
超音波処理アルブミンより得られた。Feinsteinら.,J.A
m.Coll.Cardiol.,Vol.11,59−65頁(1988).Feinstiin
は、生体外(in vitro)で優れた安定性を有する、肺を
通過する菅(transpulmonary passage)用に好適にサイ
ズ調製された微小気泡(microbubbles)の製造について
記載している。しかしながら、これらの微小気泡は生体
内(in vivo)で短命で、圧力下での不安定性により、
数秒(1回の循環にほぼ等しい)のオーダーの半減期し
かない。Gottlieb,S.ら,J.Am.Soc.Echo.,Vol.3,328頁
(1990),要約;及びShapiro,J.R.ら,J.Am.Coll.Cardi
ol.,Vol.16,1603−1607頁(1990).ゼラチンで封入し
た気泡については、Carrollら(Carroll,B.A.ら,Inves
t.Radiol.,Vol.15.260−266頁(1980)及びCarroll,B.
A.ら.,Radiology,Vol.143,747−750頁(1982))により
記載されているが、これらの粒子はサイズが大きかった
ため(12〜80ミクロン)、肺の毛細血管を通過すること
はできないだろう。ゼラチンで封入した微小気泡につい
ては、Rasor Associates,Inc.によりPCT/US80/00502に
も記載されている。これらの粒子は、ゼラチンを「合着
(coalescing)」することにより形成させる。
ガラクトース(SHU 454及びSHU 508)の微結晶により
安定化された微小気泡はFritzchらによって報告され
た。Fritzsch,T.ら,Invest.Radiol.Vol.23(Suppl 1),
302−305頁(1988)及びFritzsch,T.ら,Invest.Radiol.
Vol.25(Suppl 1),160−161頁(1990).微小気泡は生
体外で15分までは持続するが、生体内で20秒未満しか持
続しない。Rovai,Dら.,J.Am.Coll.Cardiol.,Vol.10,125
−134頁(1987)及びSmith,Mら.,J.Am.Coll.Cardiol.,V
ol.13,1622−1628頁(1989).フッ素−含有物質の殻内
に封入されたガス微小気泡は、Molecular Biosystems,I
nc.によりWO 96/04018号に記載されている。
欧州特許出願第90901933.5号(Schering Aktienegese
llschaft)は、微小気泡が合成ポリマーまたは多糖類に
より形成されている、超音波画像化用のミクロカプセル
化ガスまたは揮発性液体の製造及び使用について開示し
ている。欧州特許出願第91810366.4号(Sintetica S.
A.)(0 458 745 A1)は、治療上または診断目的のため
宿主動物に注射するための、または経口、直腸若しくは
尿道投与するための、水性キャリヤ中に分散され得る界
面沈積ポリマー膜により結合された空気またはガス 微小気泡について開示している。WO 92/18164号(Delta
Biotechnology Limited)は、画像化で使用するため
の、中にガスが取り込まれている中空球を形成するため
の蛋白質水溶液を非常に規制した条件下(例えば、温
度、噴霧速度、粒径、及び乾燥条件について)で噴霧乾
燥することによる微粒子の製造について記載している。
WO 93/25242号は、ポリシアノアクリレートまたはポリ
エステルの殻内に含有されたガスからなる超音波画像化
用の微粒子の合成について記載している。WO 92/21382
号は、マトリックスが炭水化物である、ガスを含有する
共有結合で結合したマトリックスを包含する微粒子コン
トラスト剤の製作について開示している。米国特許第5,
334,381号、5,123,414号及び5,352,435号(Unger)は、
ガス、ガス前駆体(例えば、pH活性化または光−活性化
ガス前駆体)並びに他の液体若しくは固体コントラスト
増強剤を包含する超音波コントラスト剤として使用する
ためのリポソームについて記載している。
米国特許第5,393,524号(Quay)は、超音波画像のコ
ントラストを増強させるためにフルオロカーボンを包含
する薬剤の使用について開示している。この薬剤は、選
択されたガスの非常に小さな気泡、または微小気泡から
なり、これは、溶液中で長期の予想寿命を有し、肺に浸
透するほど十分に小さいので、心血管系及び他の生命維
持に必要な臓器の超音波画像化に使用可能である。WO 9
5/23615号(Nycomed)は、パーフルオロカーボンを含有
する、例えば蛋白質溶液などの溶液のコアセルベーショ
ンにより形成される画像化用のミクロカプセルについて
開示している。PCT/US 94/08416号(Massachusetts Ins
titute of Technology)は、空気及びパーフルオロカー
ボンなどのガスを包含する、中に画像化剤を封入したポ
リエチレングリコール−ポリ(ラクチド−コ−グリコリ
ド)ブロックポリマーで形成された微粒子について開示
している。WO 94/16739号(Sonus Pharmaceuticals,In
c.,)に記載されているように、固体及び液体は同程度
に音を反射するが、ガスはより有効性が高いことが知ら
れ、超音波コントラスト剤として使用するのに好ましい
媒体である。実際、SonusのPCT出願の実施例12にも示さ
れているように、エマルションまたはコロイド懸濁液と
比較して、ミニブタに投与したときに、蛋白質ミクロカ
プセルは、高まる安全性への関心(並びに効力の点)に
ついても却下されたのである。
これらのいずれの特許も、例えば、エックス線、陽電
子若しくは光子エミッション断層撮影法、または磁気共
鳴画像化などの他の検出法を使用して検出し得る微粒子
については記載していない。
これらの全ての場合において、画像化剤の安定性及び
易製造性を促進しまたは維持すると共に、画像化剤のエ
コー反射性を増強することが望ましい。微粒子のエコー
反射性を増加させる一方法は、封入されたガスが循環す
る微粒子中に残存する時間を増加させることである。不
幸にも、殆どの場合、ガスまたは封入物質の性質に拘わ
らず、特に血管内循環の水性環境においてガスは急速に
拡散する。
従って、顕著に増強されたエコー反射性を有する微粒
子を提供することが本発明の目的である。本発明のもう
一つの目的は、生体内で数回の循環時間以上に持続し得
る画像化剤を含有する微粒子を提供することである。本
発明のさらなる目的は、封入ガスを長時間保持し、した
がって微粒子の生体内エコー反射性を増加させる微粒子
を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、画像化剤を含有する微粒
子を提供することである。本発明のさらなる目的は、体
の特定の領域に標的化される画像化剤を含有する微粒子
を提供することである。本発明のさらにもう一つの目的
は、中に取り込まれた画像化剤を有する微粒子を製造す
る方法を提供することである。
発明の概要 ガス、特にフッ素化ガス(例えば、パーフルオロカー
ボン)を天然または合成ポリマーと脂質との組み合わせ
から形成した微粒子中に取り込むと、脂質を含まない微
粒子と比較して顕著に増強されたエコー反射性を有する
ことが知見された。疎水性で且つ微粒子中への水の拡散
を制限する脂質以外の化合物もエコー反射性を増強させ
るために微粒子中に取り込み得る。好ましい態様におい
ては、ポリマーは、合成の、生分解性ポリマーである。
微粒子は、画像化すべき標的化組織に最適な直径、例え
ば、静脈内投与には0.5ミクロン〜8ミクロンの直径及
び、胃腸管または他の内腔の画像化用に経口投与するた
めには、0.5〜5mmの直径で製造する。好ましいポリマー
は、ポリヒドロキシ酸、例えば、ポリ乳酸−コ−グリコ
ール酸、ポリラクチドまたはポリグリコリドであり、最
も好ましいものは、細胞内皮系(reticuloendothelial
system:RES)による摂取を阻害するポリエチレングリコ
ールまたは他の物質と縮合させたものである。最も好ま
しい脂質としては、好ましくは、0.01〜30(脂質重量/
ポリマー重量)、最も好ましくは0.1〜10(脂質重量/
ポリマー重量)の割合で取り込まれた、リン脂質、より
好ましくはジパルミトイルホスファチジルコリン(DPP
C)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、
ジアラキドイルホスファチジルコリン(DAPC)、ジベヘ
ノイルホスファチジルコリン(DBPC)、ジトリコサノイ
ルホスファチジルコリン(DTPC)、ジリグノセロイルフ
ァチジルコリン(DLPC)が挙げられる。
これらの微粒子の接着性は、生体接着性ポリマーを選
択することにより増強することも減弱させることもでき
る。例えば、ポリマーを経口投与で使用する場合には、
接着性は増強され得る。標的化は、ポリマーの選択、ま
たは特定の組織種または細胞表面分子と特異的に結合す
るリガンドの該ポリマー内への取り込みまたは該ポリマ
ーとの結合によっても達成し得る。さらに、リガンド
は、粒子の電荷、脂肪親和性または親水性に影響するミ
クロスフィアに結合し得る。ポリマー微粒子は、超音波
画像化、磁気共鳴画像化、蛍光透視法、エックス線、及
びコンピュータ化断層撮影法を含む種々の診断用画像化
方法で有用である。微粒子は、心臓病学的用途、血液潅
流用途を含む種々の画像化用途並びに臓器及び周辺静脈
画像化に使用し得る。
図面の簡単な説明 図1は、ポリマー微粒子に取り込まれた脂質の炭素鎖
長の影響のグラフであり、レシチン(●)、DPPC
(□)、DSPC(◇)及びDAPC(×)に関して経時(分)
で後方散乱の度合いをプロットした。
発明の詳細な説明 ガス、特にパーフルオロカーボンを含有するポリマー
−脂質微粒子からなるポリマーデリバリーシステムの合
成法を提供する。微粒子は、種々の超音波診断画像化用
途、特に超音波方法(例えば、血管画像化及び心エコー
法)において有用である。さらに脂質を取り込むと、脂
質を取り込んでいない同じポリマー微粒子と比較して、
エコー反射性が顕著に増加する。
微粒子の製造方法及び試薬 本明細書中では、「微粒子(microparticle)」なる
用語は、他に記載しないかぎり、ミクロスフィア及びミ
クロカプセル並びに微粒子を包含するものとする。微粒
子は、球形であっても球形でなくてもよい。ミクロカプ
セルは、他の物質、この場合にはガスの核を取り巻く外
部ポリマー殻を有する微粒子として定義される。ミクロ
スフィアは、通常、以下に記載するように、画像化の目
的のためにガスを充填したポリマー内に孔によって形成
された蜂の巣状構造を包含し得る固体ポリマー球であ
る。
ポリマー 非生分解性及び生分解性マトリックスの双方をガスの
搬送用に脂質と混合して使用し得るが、静脈内注射の場
合には特に生分解性マトリックスが好ましい。非浸食性
ポリマーを経口投与に使用してもよい。より再現性の高
い合成及び分解のため、合成ポリマーが好ましい。ポリ
マーは、生体内安定性に必要な時間、即ち、画像化が望
まれる部位に分配するのに必要な時間及び、画像化に必
要な時間をベースとして選択される。一態様において
は、心エコー法、神経音波検査法(neurosonograph
y)、子宮卵管造影法(hysterosalpingography)、及び
固体臓器の診断方法などの用途に使用するために、約20
〜30分以上の生体内安定性を有する微粒子を製造し得
る。コントラスト剤を封入した微粒子の生体内安定性
は、ポリエチレングリコール(PEG)と共重合したポリ
ラクチド−コ−グリコリド等のポリマーを使用すること
により製造時に調節し得る。外表面上で暴露されても、
PEGは親水性が非常に高いので、これらの物質が循環す
る時間を延長し得る。
代表的な合成ポリマーとしては、ポリ(ヒドロキシ
酸)[例えば、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、
及びポリ(乳酸−コ−グリコール酸)]、ポリグリコリ
ド、ポリラクチド、ポリラクチド コ−グリコリドコポ
リマー及びブレンド、ポリアンヒドリド、ポリオルソエ
ステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアルキレ
ン(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)、ポリ
アルキレングリコール[例えば、ポリ(エチレングリコ
ール)]、ポリアルキレンオキシド[例えば、ポリ(エ
チレンオキシド)]、ポリアルキレンテレフタレート
[例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)]、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルエス
テル、ポリビニルハライド[例えば、ポリ(塩化ビニ
ル)]、ポリビニルピロリドン、ポリシロキサン、ポリ
(ビニルアルコール)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリスチ
レン、ポリウレタン及びそのコポリマー、誘導化セルロ
ース(例えば、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキ
ルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステ
ル、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ−
プロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセ
ルロース、酢酸セルロース、セルロースプロピオネー
ト、酢酸セルロースブチレート、酢酸セルロースフタレ
ート、カルボキシエチルセルロース、三酢酸セルロー
ス、及びセルロース硫酸ナトリウム塩(以後、本明細書
中、「合成セルロース」と称することとする)、アクリ
ル酸、メタクリル酸のポリマー若しくはコポリマーまた
はエステルを含む誘導体、ポリ(メチルメタクリレー
ト)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメ
タクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、
ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメ
タクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポ
リ(フェニルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレ
ート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イ
ソブチルアクリレート)、及びポリ(オクタデシルアク
リレート)(以後、本明細書中、「ポリアクリル酸」と
称することとする)、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、
及びポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)、そのコポ
リマー及びブレンドが挙げられる。本明細書中で使用す
る「誘導体」なる用語は、置換基、化学基の追加(例え
ば、アルキル、アルキレン)、ヒドロキシル化、酸化及
び当業界で日常的になされる他の変形を含むポリマーを
包含するものとする。
好ましい非生分解性ポリマーの例としては、エチレン
ビニルアセテート、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアミ
ド、そのコポリマー及び混合物が挙げられる。
好ましい生分解性ポリマーの例としては、ヒドロキシ
酸のポリマー(例えば、乳酸及びグリコール酸、ポリラ
クチド、ポリグリコリド、ポリラクチド−コ−グリコリ
ド)及びPEG、ポリアンヒドリド、ポリ(オルソ)エス
テル、ポリウレタン、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)及
びポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)とのコポリマ
ー、ブレンド並びにそのコポリマーが挙げられる。
好ましい天然ポリマーの例としては、蛋白質、例えば
アルブミン及びプロラミン(例えば、ゼイン)及び多糖
類、例えば、アルギネート、セルロース及びポリヒドロ
キシアルカノエート(例えば、ポリヒドロキシブチラー
ト)が挙げられる。
胃腸管内におけるように、粘膜表面の画像化用に使用
する特に重要な生分解性ポリマーとしては、ポリアンヒ
ドリド、ポリアクリル酸、ポリ(メチルメタクリレー
ト)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメ
タクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、
ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメ
タクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポ
リ(フェニルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレ
ート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イ
ソブチルアクリレート)及びポリ(オクタデシルアクリ
レート)が挙げられる。
溶媒 本明細書中で定義したように、ポリマー溶媒は、揮発
性であるか、比較的低い沸点を有するか、真空下で除去
し得る有機溶媒であり、例えば、塩化メチレンなどの、
痕跡量をヒトに投与することが可能な有機溶媒である。
他の溶媒、例えば、酢酸エチル、エタノール、メタノー
ル、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、アセト
ニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸、ジメチ
ルスルホキシド(DMSO)及びクロロホルム、またはその
組み合わせも使用し得る。通常、ポリマーは、0.1〜60w
/v%、より好ましくは0.25〜30w/v%の濃度のポリマー
溶液を形成するように溶媒中に溶解させる。
疎水性化合物 脂質 通常、疎水性化合物を有効量で取り込むこと、及びこ
れにより微粒子による水の浸透及び/または摂取を制限
することは、中にガス、特にパーフルオロカーボンなど
のフッ素化ガスを有するポリマー微粒子のエコー反射性
を増強させるのに有効である。ポリマー微粒子内のガス
を安定化させるために使用し得る脂質としては、以下の
脂肪酸及び誘導体、モノ、ジ、及びトリグリセリド、リ
ン脂質、スフィンゴ脂質、コレステロール及びステロイ
ド誘導体、テルペン及びビタミンが挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。脂肪酸及びその誘導体と
しては、飽和及び不飽和脂肪酸、奇数及び偶数の脂肪
酸、シス及びトランス異性体、並びにアルコール、エス
テル、無水物、ヒドロキシ脂肪酸及びプロスタグランジ
ンを含む脂肪酸誘導体が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。使用し得る飽和及び不飽和脂肪酸と
しては、直鎖または分岐形のいずれの形の12個〜22個の
炭素原子を有する分子が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。使用し得る飽和脂肪酸の例として
は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸及びステ
アリン酸が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。使用し得る不飽和脂肪酸の例としては、ラウリン
酸、フィゼテリン酸、ミリストオレイン酸、パルミトレ
イン酸、ペトロセリン酸及びオレイン酸が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。使用し得る分岐
脂肪酸としては、イソラウリン酸、イソミリスチン酸、
イソパルミチン酸及びイソステアリン酸並びにイソプレ
ノイドが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。脂肪酸誘導体としては、12−(((7′−ジエチル
アミノクマリン−3イル)カルボニル)メチルアミノ)
−オクタデカン酸;N−[12(((7′ジエチルアミノク
マリン−3−イル)カルボニル)メチル−アミノ)オク
タデカノイル]−2−アミノバルミチン酸、N スクシ
ニル−ジオレイルホスファチジルエタノールアミン及び
パルミトイル−ホモシステイン;及び/またはその組み
合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。使用し得るモノ、ジ及びトリグリセリド及びその誘
導体としては、炭素原子6〜24個の脂肪酸または脂肪酸
混合物を有する分子、ジガラクトシルジグリセリド、1,
2−ジオレオイル−sn−グリセロール;1,2−ジパルミト
イル−sn−3スクシニルグリセロール;及び1,3−ジパ
ルミトイル−2−スクシニルグリセロールが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
使用し得るリン脂質としては、ホスファチジン酸、飽
和及び不飽和脂質を有するホスファチジルコリン、ホス
ファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロ
ール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシト
ール、リソホスファチジル誘導体、カルジオリピン及び
β−アシル−イ−アルキルリン脂質が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。リン脂質の例として
は、ホスファチジルコリン(例えば、ジオレイルホスフ
ァチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリ
ン、ジペンタデカノイルホスファチジルコリン、ジラウ
ロイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファ
チジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジル
コリン(DSPC)、ジアラキドイルホスファチジルコリン
(DAPC)、ジベヘノイルホスファチジルコリン(DBP
C)、ジトリコサノイルホスファチジルコリン(DTP
C)、ジリグノセロイルホスファチジルコリン(DLP
C));及びホスファチジルエタノールアミン(例え
ば、ジオレイルホスファチジルエタノールアミンまたは
1−ヘキサデシル−2−パルミトイルグリセロホスホエ
タノールアミン)が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。非対称アシル鎖(例えば、6個の炭素原
子の1つのアシル鎖及び12個の炭素原子のもう一つのア
シル鎖)を有する合成リン脂質も使用し得る。
使用し得るスフィンゴ脂質の例としては、セラミド、
スフィンゴミエリン、セレブロシド、ガングリオシド、
スルファチド及びリソスルファチドが挙げられる。スフ
ィンゴ脂質の例としては、ガングリオシドGM1及びGM2が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。
使用し得るステロイドとしては、コレステロール、コ
レステロールサルフェート、コレステロールヘミスクシ
ネート、6−(5−コレステロール−3β−イルオキ
シ)−6−アミノ−6−デオキシ−1−チオ−α−D−
ガラクトピラノシド、6−(5−コレステン−3β−ト
ロキシ)ヘキシル−6−アミノ−6−デオキシ−1−チ
オ−α−D−マンノピラノシド及びコレステリル)4′
−トリメチル35アンモニオ)ブタノエートが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
使用し得る追加の脂質化合物としては、トコフェロー
ル及び誘導体、並びに油及びステアリルアミンなどの誘
導化油が挙げられる。
種々のカチオン性脂質、例えば、DOTMA、N−[1−
(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル−N,N,N−トリメ
チルアンモニウムクロリド;DOTAP、1,2−ジオレオイル
オキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン;及び
DOTB、1,2−ジオレオイル−3−(4′−トリメチル−
アンモニオ)ブタノイル−snグリセロールを使用し得
る。
最も好ましい脂質は、リン脂質、好ましくは、DPPC、
DDSPC、DAPC、DSPC、DTPC、DBPC、DLPCであり、最も好
ましくは、DPPC,DAPC及びDBPCである。
脂質含量は、0.01〜30(脂質重量/ポリマー重量)で
あり;最も好ましくは、0.1〜10(脂質重量/ポリマー
重量)である。
他の疎水性化合物 他の好ましい疎水性化合物としては、アミノ酸(例え
ば、トリプトファン、チロシン、イソロイシン、ロイシ
ン及びバリン)、芳香族化合物(例えば、アルキルパラ
ベン(例えば、メチルパラベン及び安息香酸)が挙げら
れる。
画像化剤 ガス 任意の生体適合性または薬理学的に許容可能なガスを
微粒子中に取り込み得る。「ガス」なる用語は、ガス
か、画像化が実施される温度でガスを形成し得る任意の
化合物を指すものとする。ガスは、単一化合物、例え
ば、酸素、窒素、キセノン、アルゴン、窒素、または化
合物の混合物、例えば空気から構成され得る。フッ素化
ガスが好ましい。フッ素化ガスの例としては、CF4、C2F
6、C3F8、C4F8、SF6、C2F4及びC3F6が挙げられる。パー
フルオロプロパンは使用温度で凝縮しない不溶性ガスで
あり且つ薬理学的に許容可能であるので、特に好まし
い。
他の画像化剤 ガスの代わりにまたはガスと組み合わせて、他の画像
化剤を取り込ませることができる。使用し得る画像化剤
としては、陽電子エミッション断層法(PET)、コンピ
ュータ援助断層法(CAT)、単光子エミッションコンピ
ュータ断層法、エックス線、蛍光透視法、及び磁気共鳴
画像化(MRI)に通常使用可能な薬剤が挙げられる。こ
れらの薬剤を装填した微粒子は、当業界で使用可能な標
準的な方法及び市販の装置を使用して検出し得る。
MRIでコントラスト剤として使用するのに好適な物質
の例としては、現在入手可能なガタリニウム(gatalini
um)錯体、例えば、ジエチレントリアミン五酢酸(DTP
A)及びガトペントテートジメグルミン(gatopentotate
dimeglumine)並びに鉄、マグネシウム、マンガン、銅
及びクロムが挙げられる。
CAT及びエックス線に有用な物質の例としては、静脈
内投与にはヨウ素ベースの物質、例えばイオン性モノマ
ー(典型例はジアトリゾ酸塩及びイオタラメートであ
る)、非イオン性モノマー(例えば、イオパミドール、
イソヘキソール及びイオバソル(ioversol))、非イオ
ン性ダイマー(例えば、イオトロール(iotrol)及びイ
オジキサノール(iodixanol))及びイオン性ダイマー
(例えば、イオキサグレート)が挙げられる。他の有用
な物質としては、経口用途にはバリウムが挙げられる。
微粒子及びその製造法 最も好ましい態様では、微粒子は噴霧乾燥により製造
する。他の方法、例えば、以下に述べるように溶媒抽
出、ホットメルトカプセル化及び溶媒蒸発も使用し得
る。重要な点は、微粒子を形成する前に、ポリマーは溶
解されるか、または脂質と共に融解しなければならない
ことである。脂質の取り込みに特に関連して述べられて
きたが、脂質を他の有用な疎水性化合物で置換し得るこ
とが理解されよう。
好ましい態様では、微粒子に所望のガス流を適用する
か、これを真空にして微粒子から封入ガスを除去し、次
いで所望のガスを充填することにより、ガスを置換す
る。
a.溶媒蒸発 本方法では、ポリマー及び脂質を塩化メチレン等の揮
発性溶媒中に溶解させる。画像化剤としてのガスを取り
込むために微粒子を形成するために使用する場合には、
固体としてまたは水溶液中の孔形成剤を溶液に添加し得
る。他の画像化剤を取り込む場合には、画像化剤は、固
体としてまたは溶液中の画像化剤としてポリマー溶液に
添加し得る。混合物を超音波処理するか、またはホモジ
ナイズし、得られた分散液またはエマルションを、TWEE
N(商標)20、TWEEN(商標)80、PEGまたはポリ(ビニ
ルアルコール)などの界面活性剤を含有する水溶液に添
加し、ホモジナイズしてエマルションを形成する。得ら
れたエマルションを殆どの有機溶媒が蒸発するまで撹拌
すると、微粒子が遊離する。種々のポリマー濃度を使用
し得る(0.05〜0.60g/ml)。この方法により、種々のサ
イズ(1〜1000ミクロン)及び形態の微粒子を得ること
ができる。この方法は、ポリエステルなどの比較的安定
なポリマーに有用である。
溶媒蒸発法は、E.Mathiowitzら.,J.Scanning Microsc
opy,4,329(1990);L.R.Beckら.,Fertil.Steril.,31,54
5(1979);及びS.Benitaら.,J.Pharm.Sci.,73,1721(1
984)により記載されている。
しかしながら、ポリアンヒドリドなどの不安定ポリマ
ーは、水の存在により、製造時に分解してしまう。これ
らのポリマーに関しては、完全有機溶媒中で実施する、
以下の二つの方法がより有用である。
b.ホットメルトミクロカプセル化 この方法では、ポリマー及び脂質を最初に溶融し、次
いで孔形成剤の固体粒子または固体若しくは液体診断剤
と混合する。混合物を非混和性溶媒(シリコン油など)
中に懸濁させ、連続して撹拌しながら、ポリマーの融点
より5℃高い温度まで加熱する。一度エマルションを安
定化させたら、これをポリマー粒子が固化するまで冷却
する。得られた微粒子を石油エーテルなどのポリマー非
溶媒でデカンテーションにより洗浄すると、易流動性粉
末が得られる。この方法により、1ミクロン〜1000ミク
ロンのサイズの微粒子を得ることができる。この方法で
製造した球の外面は通常平滑で緻密である。この方法を
使用してポリエステル及びポリアンヒドリドから作成し
た微粒子を製造する。しかしながら、この方法は、分子
量が1000〜50,000のポリマーに限定されている。
ホットメルトミクロカプセル化は、E.Mathiowitzらに
より、Reactive Polymers,6,275(1987)に記載されて
いる。例えば、ビス−カルボキシフェノキシプロパン及
びセバシン酸からモル比20:80で製造したポリアンヒド
リド(P(CPP−SA)20:80)(Mw20,000)は、ホットメ
ルトミクロカプセル化により製造し得、例えば、ポリ
(フマル−コ−セバシン酸)(20:80)(Mw15,000)微
粒子は、ホットメルトミクロカプセル化により製造し得
る。
c.溶媒除去 この方法は、ポリアンヒドリドのために主に設計され
たものであった。この方法では、孔形成剤を、選択した
ポリマーの塩化メチレンなどの揮発性有機溶媒中溶液に
分散または溶解させる。この混合物を有機油(シリコン
油など)中で撹拌することにより懸濁させて、エマルシ
ョンを形成させる。溶媒蒸発法と異なり、この方法は、
高い融点及び種々の分子量を有するポリマーから微粒子
を製造するのに使用し得る。この方法で製造した球の外
部形態は、使用したポリマーの種類に強く依存する。
d.微粒子の噴霧乾燥 微粒子は、好適な溶媒に生体適合性ポリマー及び脂質
を溶解させ、ポリマー溶液に孔形成剤を分散させ、次い
でポリマー溶液を噴霧乾燥させて微粒子を形成すること
による、噴霧乾燥により製造し得る。本明細書中で定義
したように、ポリマー及び孔形成剤の溶液を「噴霧乾
燥」する方法とは、溶液を霧状にして微細な霧を形成さ
せ、熱キャリヤガスと直接接触させることにより乾燥さ
せる方法を指すものとする。当業界で使用可能な噴霧乾
燥装置を使用して、ポリマー溶液を噴霧乾燥機の入口に
搬送し、乾燥機内の管を通過させ、次いで出口を通して
霧状にすることができる。温度は、使用するポリマーま
たはガスに依存して変動させ得る。入口及び出口温度
は、所望の製品を製造するために制御し得る。
ポリマー溶液の粒子のサイズは、ポリマー溶液を噴霧
するのに使用するノズル、ノズル圧力、流量、使用する
ポリマー、ポリマー濃度、溶媒種及び噴霧温度(入口及
び出口温度)及び分子量の関数である。通常、濃度が同
一であると想定すると、分子量が高くなればなる程カプ
セルサイズは大きくなる。噴霧乾燥の典型的なプロセス
パラメータは、以下の通りである。ポリマー濃度=0.00
5〜0.20g/ml、入口温度=30〜1000℃、出口温度=20〜1
00℃、ポリマー流量=5〜200ml/分、及びノズル径=0.
2〜4mmID。1〜10ミクロンの半径の、ポリマー、濃度、
分子量及び噴霧量の選択に依存する形態を有する微粒子
を得ることができる。
画像化剤が固体の場合には、噴霧前にポリマー溶液に
添加する固体粒子として薬剤を封入してもよく、画像化
剤を水溶液に溶解させ、次いで噴霧前にポリマー溶液と
乳化させてもよく、または噴霧前に好適な溶媒中のポリ
マーと一緒に固体を共可溶化させてもよい。
e.ヒドロゲル微粒子 ゲルタイプのポリマー(例えば、ポリホスファゼンま
たはポリメチルメタクリレート)で製造した微粒子は、
ポリマーを水溶液に溶解させ、所望により孔形成剤を懸
濁させ、混合物中に脂質を懸濁させ、混合物をホモジナ
イズし、次いでミクロの液滴を形成する装置で押しだ
し、ミクロの液滴を形成させ、これをゆっくり撹拌して
いる反対に荷電したイオンまたは高分子電解質からなる
硬化浴中に落とすことにより製造する。これらのシステ
ムの優れた点は、製造後、微粒子をポリカチオン性ポリ
マー(ポリリシンなど)でコートすることにより微粒子
の表面をさらに改変させることができる点にある。微粒
子は、種々のサイズの押出機を使用することにより制御
される。
微粒子形成を容易にする添加剤 種々の界面活性剤を画像化剤含有微粒子の製造時に添
加し得る。使用し得る(0.1〜5重量%)乳化剤または
界面活性剤としては、ほとんどの生理学的に許容可能な
乳化剤が挙げられる。これらの例としては、アミノ酸と
結合させたか、非結合のもの、例えば、タウロデオキシ
コレート及びコール酸などの胆汁塩または胆汁酸の天然
及び合成形が挙げられる。
孔形成剤は、孔形成を早めるために0.01〜90w/v%の
量で配合させ得る。例えば、噴霧乾燥法、溶媒蒸発法に
おいては、孔形成剤(例えば、揮発性塩、例えば、重炭
酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、塩化アンモニウム
若しくは安息香酸アンモニウムまたは他の凍結乾燥可能
な塩)を最初に水に溶解させる。孔形成剤を含有する溶
液をポリマー溶液と乳化させて、ポリマー中に孔形成剤
の液滴を形成させる。次いでこのエマルションを噴霧乾
燥するかまたは溶媒蒸発/抽出法により処理する。ポリ
マーが沈澱したら、硬化微粒子を凍らせ、凍結乾燥させ
て孔形成剤を除去する。
微粒子サイズ 肺の毛細血管床(pulmonary capillary bed)を通過
し得る注射可能な微粒子を製造する好ましい態様におい
ては、微粒子は、約1〜10ミクロンの直径を有していな
ければならない。微粒子が大きすぎると肺床(pulmonar
y bed)を閉塞させ、小さすぎると十分なエコー反射性
を提供し得ない。大きな微粒子は、注射以外の他の経路
で投与する場合、例えば、経口(胃腸管の測定)、他の
粘膜表面への適用(直腸、膣、口腔、鼻腔)または吸入
による投与には有用である。経口適用に好ましい粒径
は、約0.5ミクロン〜5mmである。有用な医薬的に許容可
能なキャリヤとしては、グリセロール及びTWEEN(商
標)20を含む生理食塩水及びTWEEN(商標)20を含む等
張マンニトールが挙げられる。粒径分析は、光学顕微
鏡、走査電子顕微鏡または透過電子顕微鏡によりCoulte
rカウンターで実施し得る。
標的化 微粒子は、微粒子を形成するポリマーの選択、微粒子
のサイズ及び/または微粒子にリガンドを包含させたり
または接着させることにより、特異的または非特異的に
標的化することができる。例えば、電荷、粒子の脂肪親
和性若しくは親水性に影響する単数または複数の生物学
的活性分子を微粒子の表面に接着させ得る。さらに、組
織接着を最小とするか、または生体内で微粒子に特異的
標的化を容易とする分子を微粒子に接着し得る。代表的
な標的化分子としては、抗体、レクチン及び特定のタイ
プの細胞の表面にレセプターにより特異的に結合する他
の分子が挙げられる。
RESによる摂取の阻害 微粒子の摂取(uptake)及び排除は、ポリマーの選択
及び/または接着または摂取を最小とする分子の取り込
みまたは結合により最小とすることもできる。例えば、
微粒子による組織接着は、微粒子の表面に対しポリ(ア
ルキレングリコール)部分を共有結合させることにより
最小化することができる。表面のポリ(アルキレングリ
コール)部分は水に対して高い親和性を有し、粒子の表
面上での蛋白質吸着を減少させる。従って、細胞−内皮
系(reticulo−endothelial system:RES)による微粒子
の認識及び摂取は減少する。
例えば、ポリ(アルキレングリコール)の末端ヒドロ
キシル基は、粒子の電荷、脂肪親和性または親水性に影
響する単数または複数の生物学的活性粒子を微粒子の表
面に共有結合させるのに使用し得る。当業界で使用可能
な方法は、生体内での微粒子の搬送特性、安定性または
他の特性を助長させるため、広範囲の任意のリガンドを
微粒子に結合させるために使用し得る。
診療用途 典型的には微粒子を医薬的に許容可能なキャリヤ(例
えば、リン酸塩で緩衝させた生理食塩水若しくは生理食
塩水またはマンニトール)と混和し、次いで検出するた
めの有効量を、好適な経路、通常は血管(i.v.)内に注
射または経口により患者に投与する。封入した画像化剤
を含有する微粒子を管画像化、並びに肝臓及び腎臓疾患
を検出する為の用途、心臓病学的用途、腫瘍体及び組織
の検出及び特徴付け、並びに周辺の血液速度の測定に使
用し得る。微粒子は、組織接着を最小とし、または上述
のごとく生体内で体の特定の領域に微粒子を標的化する
リガンドとも結合させ得る。
上記の方法及び組成物は、以下の非限定的な実施例を
参照することによりさらに理解されるだろう。
実施例1 レシチンを有するオクタフルオロプロパンPEG−PLGA/PL
GA微粒子の製造 PEG−PLGA(75:25)(IV=0.75dL/g Birmingham Poly
mers)3.2グラム、PLGA(50:50)(IV=0.4dL/g Henley
Chemicals)6.4グラム、レシチン(Spectrum Chemical
s)23mg及びパルミチン酸(Spectrum Chemicals)193mg
を塩化メチレン190mlに溶解させた。0.70g/ml酢酸アン
モニウム10.8mlをポリマー溶液に添加し、ポリマー/酢
酸アンモニウムをポリマー溶液に添加し、ポリマー/酢
酸アンモニウム混合物をVirtisホモジナイザーを使用し
て10,000RPMで1分間ホモジナイズした。溶液を流量20m
l/分で汲み上げ、Bucchi Lab噴霧乾燥機を使用して噴霧
乾燥させた。入口温度は40℃であった。この微粒子粉末
を集め、FTSトレー凍結乾燥機で120時間凍結乾燥させ
た。粒子を5mlのPurformバイアルのアリコートに分け、
ブチルストッパーでシールし、クリンプした。バイアル
を10psigの圧力でオクタフルオロプロパンを充填し、ガ
ス下で3分間連続パージした。この時点でバイアルを使
用するまで4℃で貯蔵した。粒径は1〜10ミクロンの範
囲であり、Coulterカウンターでサイズ分析すると、数
平均方法で2.0ミクロンを有していた。走査電子顕微鏡
から、粒子は、一般的に、平滑表面とわずかな小鈍鋸歯
を有する球であることが判明した。
実施例2 ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)を有する
オクタフルオロプロパンPEG−PLGA/PLGA微粒子の製造 ジパルミトイルホスファチジルコリン(Avanti,Birmi
ngham AI)29.6mgをレシチンの代わりに使用した以外に
は、実施例1と同様に微粒子を製造した。
実施例3 ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)を有する
オクタフルオロプロパンPEG−PLGA/PLGA微粒子の製造 ジステアロイルホスファチジルコリン(Avanti,Birmi
ngham AI)29.9mgをレシチンの代わりに使用した以外に
は、実施例2と同様に微粒子を製造した。
実施例4 ジアラキドイルホスファチジルコリン(DAPC)を有する
オクタフルオロプロパンPEG−PLGA/PLGA微粒子の製造 ジアラキドイルホスファチジルコリン(Avanti,Birmi
ngham AI)29.9mgをレシチンの代わりに使用した以外に
は、実施例2と同様に微粒子を製造した。
実施例5 微粒子後方散乱の生体外評価 実施例1〜4で製造したオクタフルオロプロパンを含
有する種々のポリマー微粒子の後方散乱を、微粒子の懸
濁液10マイクロリットルを集中(focused)超音波ビー
ムに暴露することにより得た。後方散乱した音響出力を
サンプルの深度の関数として以下のように検出した。パ
ルサー−レシーバ(Panametrics(登録商標)Model 580
0)を使用して、微粒子の生理食塩水中懸濁液に超音波
パルスを送る、集中超音波トランスデューサー(2.25MH
z)に衝撃励起(shock excite)を与えた。
懸濁液を、37℃に調節した温度調節水浴に配置した、
シリンダー状サンプルチャンバ(生理食塩水55ml)に入
れた。トランスデューサーがチャンバの音響窓に焦点を
合わせるように、チャンバをトランスデューサーから1.
5インチ離して配置した。懸濁液中の微粒子を保持する
ために、チャンバを15rpmで回転させた。食塩水のガス
溶解量を、溶解酸素メーター(Orion(登録商標)モデ
ル840)で検出して、約90%空気飽和で保持した。音響
テストシステムの操作を、PCで操作するLabVIEW(登録
商標:National Instruments(登録商標))なる専売プ
ログラムで制御した。コンピュータはパルスレシーバに
より超音波トランスデューサーを衝撃励起させた。
後方散乱信号を同トランスデューサーにより受信し、
返送信号をパルサーレシーバユニットにより増幅した。
100MSa/sでデジタル化するために、増幅信号をデジタル
オシロスコープ(LeCroy(登録商標)モデル9310AM)に
通過させた。デジタル化信号をさらに処理した。信号を
二乗し、FFTにより分析し、トランスデューサーの6dB帯
域幅で積分した。システムにより集められた音響データ
を、微粒子懸濁液の深度の関数として、任意の単位で、
積分後方散乱出力(IBP)に変換した。50パルス由来のI
BP対深度データを平均化し、平均化IBPデータにより最
も直線となる線を検出し、次いで後方散乱係数に比例す
るy切片を検出した。各サンプルを10分の総時間におい
て2.5分間隔で試験した。
4つの異なる微粒子のロット毎の時間の関数としての
後方散乱を図1に示す。レシチンは、種々の鎖長のリン
脂質の混合物である。ホスホコリンに結合した脂肪酸の
鎖長が長くなるにつれて、後方散乱の大きさは長時間維
持し、これは、微粒子中のオクタフルオロプロパンの安
定性が増加したことを示している。高度に精製したリン
脂質を使用すると、レシチン中に含有されるリン脂質の
混合物と比較して、ガスの安定化にもより有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ストローブ,ジュリー・アン アメリカ合衆国マサチューセッツ州 01890,ウィンチェスター,プラト・テ ラス 16 (72)発明者 ブラッシュ,ヘンリー・ティー アメリカ合衆国マサチューセッツ州 02144,サマービル,ブロードウェイ 911 (72)発明者 チャーチ,チャールズ・シー アメリカ合衆国マサチューセッツ州 02174,アーリントン,ハンコック・ス トリート 38

Claims (28)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】診断用画像化用のガスを含有する微粒子を
    製造する方法であって、該微粒子は生体適合性ポリマー
    から形成され、 (a) 微粒子を形成する前に、ポリマーとエコー反射
    性増強化合物とを有機溶媒に溶解させるかまたはポリマ
    ーをエコー反射性増強化合物とともに溶融し、そして (b) 溶媒を除去するかまたはポリマーを冷却して微
    粒子を形成させる ことを含み、 ここにおいて、微粒子のエコー反射性をエコー反射性増
    強化合物を有しない微粒子のエコー反射性と比較して増
    加させるのに有効な量のエコー反射性増強化合物が微粒
    子中のポリマーと混合され、 該エコー反射性増強化合物は、脂肪酸、脂肪酸アルコー
    ル、脂肪酸無水物、ヒドロキシ脂肪酸、プロスタグラン
    ジン、リン脂質、スフィンゴ脂質、ステロイドおよびス
    テロイド誘導体、脂溶性ビタミン、テルペン、トリプト
    ファン、チロシン、イソロイシン、ロイシン、バリン、
    アルキルパラベン、および安息香酸からなる群から選択
    されることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】ポリマーとエコー反射性増強化合物を、エ
    コー反射性増強化合物の重量対ポリマー重量で0.01〜30
    の割合で溶解または溶融する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】エコー反射性増強化合物が脂質である請求
    項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】エコー反射性増強化合物が、ホスファチジ
    ン酸、飽和及び不飽和脂質を有するホスファチジルコリ
    ン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジル
    グリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジル
    イノシトール、リソホスファチジル誘導体、カルジオリ
    ピン及びβ−アシル−y−アルキルリン脂質からなる群
    から選択されるリン脂質である請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】リン脂質が、ジオレイルホスファチジルコ
    リン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジペンタ
    デカノイルホスファチジルコリン、ジラウロイルホスフ
    ァチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリ
    ン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジアラキド
    イルホスファチジルコリン、ジベヘノイルホスファチジ
    ルコリン、ジトリコサノイルホスファチジルコリン、ジ
    リグノセロイルファチジルコリン及びホスファチジルエ
    タノールアミンからなる群から選択される請求項4に記
    載の方法。
  6. 【請求項6】ガスが、フッ素化ガス、酸素、キセノン、
    アルゴン、ヘリウム及び空気からなる群から選択される
    請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】ガスが、CF4、C2F6、C3F8、C4F8、SF6、C2
    F4及びC3F6からなる群から選択される請求項6に記載の
    方法。
  8. 【請求項8】ガスがオクタフルオロプロパンである請求
    項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】微粒子が合成ポリマーから形成される請求
    項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】微粒子が天然ポリマーから形成される請
    求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】微粒子が生体接着性合成ポリマーから形
    成される請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】微粒子が、ポリ(ヒドロキシ酸)、ポリ
    アンヒドリド、ポリオルソエステル、ポリアミド、ポリ
    カーボネート、ポリアルキレンテレフタレート、ポリビ
    ニルエステル、ポリビニルハライド、ポリシロキサン、
    ポリ(酢酸ビニル)、ポリスチレン、ポリウレタン及び
    そのコポリマー、合成セルロース、ポリアクリル酸、ポ
    リ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、及びポリ(ラクチド−コ
    −カプロラクトン)、エチレンビニルアセテート、それ
    らのコポリマー及びブレンドからなる群から選択される
    合成ポリマーから形成される請求項9に記載の方法。
  13. 【請求項13】ガスを含有する生体適合性ポリマー微粒
    子を含む画像化診断用の組成物であって、 (a) 微粒子を形成する前に、ポリマーとエコー反射
    性増強化合物とを有機溶媒に溶解させるかまたはポリマ
    ーとエコー反射性増強化合物とを溶融し、そして (b) 溶媒を除去するかまたはポリマーを冷却して微
    粒子を形成させる の各工程を含む方法により形成され、 ここにおいて、微粒子のエコー反射性をエコー反射性増
    強化合物を有しない微粒子のエコー反射性と比較して増
    加させるのに有効な量のエコー反射性増強化合物が微粒
    子中のポリマーと混合され、かつ 該エコー反射性増強化合物は、脂肪酸、脂肪酸アルコー
    ル、脂肪酸無水物、ヒドロキシ脂肪酸、プロスタグラン
    ジン、リン脂質、スフィンゴ脂質、ステロイドおよびス
    テロイド誘導体、脂溶性ビタミン、テルペン、トリプト
    ファン、チロシン、イソロイシン、ロイシン、バリン、
    アルキルパラベン、および安息香酸からなる群から選択
    されることを特徴とする組成物。
  14. 【請求項14】ポリマーとエコー反射性増強化合物が、
    エコー反射性増強化合物の重量対ポリマー重量の0.01〜
    30の割合で溶解または溶融されている請求項13に記載の
    微粒子。
  15. 【請求項15】エコー反射性増強化合物が脂質である請
    求項14に記載の微粒子。
  16. 【請求項16】エコー反射性増強化合物が、ホスファチ
    ジン酸、飽和及び不飽和脂質を有するホスファチジルコ
    リン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジ
    ルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジ
    ルイノシトール、リソホスファチジル誘導体、カルジオ
    リピン及びβ−アシル−y−アルキルリン脂質からなる
    群から選択されるリン脂質である請求項13に記載の微粒
    子。
  17. 【請求項17】リン脂質が、ジオレイルホスファチジル
    コリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジペン
    タデカノイルホスファチジルコリン、ジラウロイルホス
    ファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリ
    ン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジアラキド
    イルホスファチジルコリン、ジベヘノイルホスファチジ
    ルコリン、ジトリコサノイルホスファチジルコリン、ジ
    リグノセロイルファチジルコリン及びホスファチジルエ
    タノールアミンからなる群から選択される請求項16に記
    載の微粒子。
  18. 【請求項18】ガスが、フッ素化ガス、酸素、キセノ
    ン、アルゴン、ヘリウム及び空気からなる群から選択さ
    れる、請求項13に記載の方法。
  19. 【請求項19】ガスが、CF4、C2F6、C3F8、C4F8、SF6
    C2F4及びC3F6からなる群から選択される請求項18に記載
    の微粒子。
  20. 【請求項20】ガスがオクタフルオロプロパンである請
    求項19に記載の微粒子。
  21. 【請求項21】微粒子が合成ポリマーから形成される請
    求項13に記載の微粒子。
  22. 【請求項22】ポリマーが、ポリ(ヒドロキシ酸)、ポ
    リアンヒドリド、ポリオルソエステル、ポリアミド、ポ
    リカーボネート、ポリアルキレンテレフタレート、ポリ
    ビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルエ
    ステル、ポリビニルハライド、ポリシロキサン、ポリ
    (酢酸ビニル)、ポリスチレン、ポリウレタン及びその
    コポリマー、合成セルロース、ポリアクリル酸、ポリ
    (酪酸)、ポリ(吉草酸)、及びポリ(ラクチド−コ−
    カプロラクトン)、エチレンビニルアセテート、それら
    のコポリマー及びブレンドからなる群から選択される請
    求項21に記載の微粒子。
  23. 【請求項23】脂質がポリマーと共に融解し、微粒子を
    形成している請求項15に記載の微粒子。
  24. 【請求項24】脂質とポリマーとを両方に対する溶媒に
    溶解させ、次いで微粒子が形成される請求項23に記載の
    微粒子。
  25. 【請求項25】ポリマー及び脂質が固化した後にガスが
    微粒子に取り込まれる請求項23に記載の微粒子。
  26. 【請求項26】ポリマーが、蛋白質及び多糖類からなる
    群から選択される天然ポリマーである請求項13に記載の
    微粒子。
  27. 【請求項27】生体適合性疎水性ポリマーから形成さ
    れ、その中にガス状の画像化剤を含有する微粒子の疎水
    性を増加させる方法において、 ポリマーとエコー反射性増強化合物とを有機溶媒に溶解
    させるか、またはポリマーとエコー反射性増強化合物と
    を溶融し、 溶媒を除去するかまたはポリマーを冷却して微粒子を形
    成させ、 ここにおいて、微粒子のエコー反射性をエコー反射性増
    強化合物を有しない微粒子のエコー反射性と比較して増
    加させるのに有効な量のエコー反射性増強化合物が微粒
    子中のポリマーと混合される、 ことを特徴とする方法。
  28. 【請求項28】該エコー反射性増強化合物が、脂肪酸、
    脂肪酸アルコール、脂肪酸無水物、ヒドロキシ脂肪酸、
    プロスタグランジン、リン脂質、スフィンゴ脂質、ステ
    ロイドおよびステロイド誘導体、脂溶性ビタミンおよび
    テルペンからなる群から選択される、請求項27記載の方
    法。
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