JP2987092B2 - ピストンを貫通する流通孔を持ったピストン機構 - Google Patents

ピストンを貫通する流通孔を持ったピストン機構

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はピストンを貫通する
流通孔を持ったピストン機構にして、１端に密閉可能流
通孔を設けたシリンダ；該シリンダ内で軸方向に可動で
且つ別の密閉可能流通孔を有し、更に外周にグルーブを
有し、上記シリンダを閉塞するピストンリングを該グル
ーブ内に備えたピストン；上記シリンダ内で上記ピスト
ンを動かす手段とより成るピストン機構にかかる。
【０００２】このようなピストン機構では一般にピスト
ンを動かす手段はピストンロッド、クランクケース内に
装備され上記シリンダに連結されたクランクシャフト、
及び該クランクシャフトを駆動する手段とより成る。
【０００３】このようなピストン機構は、圧縮さるべき
媒体がクランクケースを経て引き込まれるピストンコン
プレッサに用いられる。
【０００４】
【従来の技術】公知のピストン機構ではピストンを貫通
する流通孔に或いは流通孔上にバルブが設けてあり、圧
縮工程中では自動的に閉じ、吸入工程中では自動的に開
く様になっている。このバルブは一般的なバルブであ
り、スプリング或は可撓性プレートを持ち、この撓みに
従い開口を開いたり閉じたりする。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】このバルブはピストン
の構造を煩雑にするばかりでなく吸入ロスも生ずる。実
際、このバルブは圧力差のもとに開閉でき、かつこの開
閉が理論的になされるべき時期とは或る程度遅れてなさ
れる。圧縮工程中ではバルブが閉じるまでにはピストン
の上面には若干の圧力が既にかかっている。逆に吸入工
程ではバルブが開くまでにピストンの上面は既に若干圧
力が下がっている。
【０００６】
【課題を解決する為の手段】本発明によればこの目的は
ピストンリングが軸方向に間隙を以てグルーブ内に装着
され、ピストンを貫通する流通孔がこのグルーブにわた
り延び、ピストンリングがこの流通孔を開閉するバルブ
を構成する。
【０００７】ピストンリングがバルブを構成するので、
ピストンに別のバルブは必要ない。ピストンリングより
なるバルブの開閉はシリンダ壁に対するピストンリング
の摩擦力により一部決定され、従って敏速に作動し吸入
ロスが少ない。
【０００８】
【発明の実施の態様】本発明の特別な実施態様によれば
本ピストン機構はコンプレッサ用に設計され、圧搾空気
流路乃至は空気貯蔵容器がシリンダの流通孔に接続さ
れ、ピストンの流通孔が吸入工程中インレットを形成
し、ピストンリングがインレットバルブを形成する。
【０００９】
【実施例】本発明の特徴を説明する為ピストン流通孔を
もったピストン機構の好ましい実施例を次に図面につい
て説明するがこれはほんの例示であって本発明を限定す
るものではない。
【００１０】図１に示すピストン機構はこのようなピス
トン機構が多段に構成されるピストンコンプレッサの１
部であり、シリンダ２内を軸方向に動く主としてピスト
ン１と、該ピストン１を駆動する手段３よりなる。
【００１１】ピストン１を駆動する手段３はクランクケ
ース５内にあり図示しないモータにより駆動される主と
してクランクシャフト４と、該ピストン１に軸受け１８
により連結されクランクシャフト４に軸受け２０により
枢着されるピストンロッド６よりなる。クランクケース
５は吸入口２１を具備する。
【００１２】最端部近く即ち図２、３に示す上端位置、
換言すればシリンダ２の閉端に向かう端にピストン１が
示されるが、ピストン１には外周グルーブ７が設けら
れ、この中にピストンリング８が入れられ、これがシリ
ンダ２の内璧に弾性圧接する。ピストンリング８は平ら
で且つ切れ目の入ったリングであり、グルーブ７内に設
けられるがラジアル方向にも軸方向にも間隙がある。
【００１３】これはピストンリング８の厚みがグルーブ
７の幅より少なくグルーブ７の深さがラジアル方向に見
たピストンリングの幅より大きいことを意味する。
【００１４】シリンダ２の閉端には流通孔即ちアウトレ
ット９があり、これはバルブ１０により密閉されるが圧
搾空気流路１１が接続される。
【００１５】シリンダ２の他方端は上述したクランクケ
ース５へとつながるがこれは本ピストンコンプレッサの
ピストン機構すべてに共通となっている。
【００１６】図２、３によく示すように流通孔はピスト
ン１を貫通する。即ちこれはクランクケース５から引き
込むことが出来る圧縮されるべき媒体のインレット１２
となる。このインレット１２はグルーブ７を通じて延び
るが、グルーブ７と図２、３で下の方にあるピストン１
の裏側との間に延びる多数の開口１３及び該グルーブ７
とピストン１の上面との間に延びる多数の開口１４とよ
りなる。
【００１７】開口１３はピストン１の空洞１７即ち裏側
をグルーブ７へつなげるが、グルーブ７内のピストンリ
ング８と対向したところに開いており、これら開口部は
リングの或る位置で密閉される。一方開口１４はピスト
ンリング８のとなりでグルーブ７に１部開放するがリン
グ８によっては密閉されない。
【００１８】ピストン機構の作用を次に説明する。
【００１９】クランクシャフト４の動きによりピストン
１は吸入行程即ちクランクケース５の方向へと動きそし
て他方向へと動く圧縮行程を次々と実施する。アウトレ
ット９のバルブ１０はこのピストン運動と同期して開閉
するがこれは当業技術者にとってよく知られており、圧
縮行程中にバルブ１０が１時的に開き圧縮された媒体が
アウトレット９を経てシリンダ２から出ていき、吸入行
程中はバルブ１０は閉鎖されるものであるがここにはこ
れ以上説明しない。
【００２０】図１にはピストンが吸入行程と圧縮行程と
の間の上死点にある状態を示す。吸入行程中ピストン１
の上面の圧力は或る瞬間には裏側即ちクランクケース５
の圧力と等しくなる。この平衡に達するとシリンダ２の
内壁に対するピストンリング８の摩擦の為ピストンリン
グ８は動いているピストン１に対して動きが止まり図２
に示す位置をとり従って開口１３は開く。
【００２１】媒体はピストン１の１部に形成された開口
１３とグルーブ７と開口１４とを通して形成された流通
孔即ちインレット１２を経て流れ込むことが出来る。こ
の媒体はクランクケース５の吸入口２１を経て吸入され
るが、この吸入口２１は媒体がクランクケース５内の軸
受け２０を流れるような位置に配置される。流通孔即ち
インレット１２に流入する前にこの媒体はピストン１の
裏側空洞１７にある軸受け１８をも流れる。
【００２２】ピストンが他方向へ動いて下死点に達した
後はシリンダ２の内壁に対するピストンリング８の摩擦
の為該ピストンリングはそのまま留まる傾向がある。こ
れはピストン１の上面の圧力が裏側と等しくなった途端
に生ずる。
【００２３】ピストン１の上面の圧力が裏側より高いと
きはピストンリングは開口１３を閉じ、ひいてはインレ
ット１２を閉じることになる。これを図３に示す。
【００２４】
【発明の効果】シリンダ２に対するピストンリング８の
摩擦に基づく圧縮行程中の密閉及び吸入行程中の開放は
敏速であり、圧縮・吸入それぞれの開始がより早くな
り、吸入動作が改善されることになる。
【００２５】この理想的な圧縮出力のためにロスする容
積が少なく、良好な圧縮出力が得られる。流通路乃至流
通孔１２は比較的短く、この大部分をなす開口１３、１
４はピストン１の外面より内側にあり、従ってピストン
機構特にシリンダ２のような加熱部分には直接接触しな
い。
【００２６】本発明は図面に示された上述実施例に限ら
ず、本発明の範囲内においてこのようなピストン機構を
あらゆる種類の変形に対し適用出来る。
【００２７】本実施例におけるグルーブの深さ、特にピ
ストンを貫通する流通路がピストン外面のグルーブによ
って形成される部分は非常に小さく出来、もし該外面と
シリンダ壁との間に十分な間隙がある場合は０まで小さ
くすることも出来る。
【図面の簡単な説明】
【図１】ピストンコンプレッサに装備された本発明によ
るピストン機構の断面を示す図である。
【図２】図１のＦ１で示す枠部分の拡大図であり、ピス
トン機構の吸入工程中を示す。
【図３】図２と同様な図であるがピストン機構の圧縮工
程中を示す。
【符号の説明】
１・・・ ピストン ２・・・ シリンダ ４・・・ クランクシャフト ５・・・ クランクケース ７・・・ グルーブ ８・・・ ピストンリング ９・・・ アウトレット １０・・・ バルブ １２・・・ インレット １３・・・ 開口 １４・・・ 開口 １５・・・ グルーブ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】ピストン（１）を貫通する流通孔（１２）
    を持ったピストン機構にして、１端に密閉可能流通孔
    （９）を設けたシリンダ（２）と；該シリンダ（２）内
    で軸方向に可動で且つ別の密閉可能流通孔（１２）を有
    し、更に外周にグルーブ（７）を有し、上記シリンダ
    （２）を閉塞するピストンリング（８）を該グルーブ内
    に備えたピストン（１）と；上記シリンダ（２）内で上
    記ピストン（１）を動かす手段（３）とより成り、然し
    て、上記ピストンリング（８）が軸方向に間隔をもって
    上記グルーブ（７）内に装着され、上記ピストン（１）
    を貫通する流通孔（１２）が該グルーブを経て延び；上
    記ピストンリング（８）が該流通孔（１２）の開閉用弁
    を形成するピストン機構において、ピストン（１）自体
    内を貫通する流通孔（１２）が上記グルーブ（７）とピ
    ストン（１）の裏側との間に形成された少なくとも１つ
    の開口（１３）を含み、これがピストンリング（８）で
    密閉できるようにピストンリング（８）の下面又は裏側
    に対向してグルーブ（７）へと通じ、更に該グルーブ
    （７）とピストン（１）の上面又は頂面との間に延びる
    開口（１４）も含み、これがピストンリング（８）に隣
    接して上記グルーブ（７）内に少なくとも部分的に通じ
    ている事を特徴とするピストン機構。
  2. 【請求項２】コンプレッサ用に設定され、圧搾空気流路
    （１１）乃至は空気貯蔵タンクがシリンダの流通孔
    （９）に接続され、一方ピストン（１）内の流通孔（１
    ２）は吸入行程の時のインレットを形成し、ピストンリ
    ング（８）がインレットバルブを形成する事を特徴とす
    る上記請求項１記載のピストン機構。
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BE (1) BE1009433A3 (ja)
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DK (1) DK0834014T3 (ja)
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