JP2986063B2 - 軌道走行装置 - Google Patents
軌道走行装置Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、軌道上を走行体が走行
する装置であって、走行体が軌道から駆動輪を介して駆
動電力の供給を受け、かつ駆動輪が軌道に対して磁気吸
着しつつ転動する軌道走行装置に関するものである。
する装置であって、走行体が軌道から駆動輪を介して駆
動電力の供給を受け、かつ駆動輪が軌道に対して磁気吸
着しつつ転動する軌道走行装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、単一軌道走行装置として、跨座式
モノレールが知られている。跨座式モノレールにおいて
は、軌道の両側面を挟持しつつ転動する案内輪によって
車両が案内され、軌道の上面を転動する駆動輪によって
車両が支持されて走行する。駆動輪の駆動モータへの電
力供給は、軌道に沿って別に延設されたトロリ線に機械
的力で圧接されつつ摺動するパンタグラフのような適当
な集電機構を介して行われる。
モノレールが知られている。跨座式モノレールにおいて
は、軌道の両側面を挟持しつつ転動する案内輪によって
車両が案内され、軌道の上面を転動する駆動輪によって
車両が支持されて走行する。駆動輪の駆動モータへの電
力供給は、軌道に沿って別に延設されたトロリ線に機械
的力で圧接されつつ摺動するパンタグラフのような適当
な集電機構を介して行われる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の跨座式モノ
レールは、以下のような問題点がある。（１）軌道の他
に別途の電力供給機構を設ける必要がある。（２）一般
的軌道走行装置と同様、駆動輪と軌道間の静摩擦力又は
動摩擦力により起動、走行、停止するものであるが、こ
れらの摩擦力には限界があり、従って、この限界を超え
た静、動摩擦力を必要とする急勾配では、駆動輪がスリ
ップして起動、停止、登坂ができず、下降時には駆動輪
のスリップにより速度制御ができなくなる。本発明は、
上記（１）、（２）の問題点を解決しようとするもので
あり、駆動輪が軌道に磁気吸着しつつ転動し、両者間の
強力な静摩擦力又は動摩擦力が得られ、また駆動輪を介
して軌道から駆動電力の供給を受けることができ、別個
の電力供給機構を必要としない軌道走行装置を提供する
ことを課題としている。
レールは、以下のような問題点がある。（１）軌道の他
に別途の電力供給機構を設ける必要がある。（２）一般
的軌道走行装置と同様、駆動輪と軌道間の静摩擦力又は
動摩擦力により起動、走行、停止するものであるが、こ
れらの摩擦力には限界があり、従って、この限界を超え
た静、動摩擦力を必要とする急勾配では、駆動輪がスリ
ップして起動、停止、登坂ができず、下降時には駆動輪
のスリップにより速度制御ができなくなる。本発明は、
上記（１）、（２）の問題点を解決しようとするもので
あり、駆動輪が軌道に磁気吸着しつつ転動し、両者間の
強力な静摩擦力又は動摩擦力が得られ、また駆動輪を介
して軌道から駆動電力の供給を受けることができ、別個
の電力供給機構を必要としない軌道走行装置を提供する
ことを課題としている。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上記
課題を解決するため、駆動用電力の往帰線としての機能
を併せ持つ上下２つの軌条２，３と、この軌条２，３か
ら駆動電力の供給を受けて、軌条２，３に沿って走行す
る走行体６とで軌道走行装置を構成した。円筒のような
外周断面円形状の上部軌条２と下部軌条３は、導電性で
磁性の素材から構成し、これを相互に電気的に絶縁して
上下にほぼ平行に敷設する。走行体６は、上部軌条２の
上を転動する支持車輪７に支持させ、支持車輪７には、
上部軌条２の上部曲面に沿う断面円弧状の環状溝７ａを
設ける。走行体６には、左右両側に相対向して、各一対
の上部駆動輪８と下部駆動輪９とを設ける。上下の駆動
輪８，９は、夫々上部軌条２、下部軌条３の左右両側に
磁気吸着する永久磁石１７，１８を少なくともその一部
に備えている。上部駆動輪８、下部駆動輪９は、各々上
部軌条２、下部軌条３の左右両側面に沿う断面円弧状の
環状溝８ａ，９ａを有し、軌条２，３に電気的に導通し
て駆動モータに電力を供給するようにした。
課題を解決するため、駆動用電力の往帰線としての機能
を併せ持つ上下２つの軌条２，３と、この軌条２，３か
ら駆動電力の供給を受けて、軌条２，３に沿って走行す
る走行体６とで軌道走行装置を構成した。円筒のような
外周断面円形状の上部軌条２と下部軌条３は、導電性で
磁性の素材から構成し、これを相互に電気的に絶縁して
上下にほぼ平行に敷設する。走行体６は、上部軌条２の
上を転動する支持車輪７に支持させ、支持車輪７には、
上部軌条２の上部曲面に沿う断面円弧状の環状溝７ａを
設ける。走行体６には、左右両側に相対向して、各一対
の上部駆動輪８と下部駆動輪９とを設ける。上下の駆動
輪８，９は、夫々上部軌条２、下部軌条３の左右両側に
磁気吸着する永久磁石１７，１８を少なくともその一部
に備えている。上部駆動輪８、下部駆動輪９は、各々上
部軌条２、下部軌条３の左右両側面に沿う断面円弧状の
環状溝８ａ，９ａを有し、軌条２，３に電気的に導通し
て駆動モータに電力を供給するようにした。
【０００５】
【作用】本発明の軌道走行装置においては、上部軌条、
下部軌条が、走行体の走行路として機能するほか、駆動
モータへの電力の往帰線として機能する。電力は、上部
軌条、下部軌条から、上下の駆動輪を介して駆動モータ
に供給される。支持車輪は、走行体の荷重を支承し、上
部軌条の上面を転動する。上下の駆動輪は、夫々上部軌
条、下部軌条に対して磁気吸着による強い摩擦力でその
左右側面を転動しつつ、これに電気的に導通し、駆動モ
ータに電力を供給する。駆動輪が、軌条に対して磁気吸
着力で圧接、転動するので、機械的な圧接機構に比して
小型の構成でも極めて大きな圧接力が得られ、この結
果、高い集電性能が得られる。また、モノレールを含む
一般的な軌道走行装置で不可能な急勾配での起動、走
行、停止動作が行える。
下部軌条が、走行体の走行路として機能するほか、駆動
モータへの電力の往帰線として機能する。電力は、上部
軌条、下部軌条から、上下の駆動輪を介して駆動モータ
に供給される。支持車輪は、走行体の荷重を支承し、上
部軌条の上面を転動する。上下の駆動輪は、夫々上部軌
条、下部軌条に対して磁気吸着による強い摩擦力でその
左右側面を転動しつつ、これに電気的に導通し、駆動モ
ータに電力を供給する。駆動輪が、軌条に対して磁気吸
着力で圧接、転動するので、機械的な圧接機構に比して
小型の構成でも極めて大きな圧接力が得られ、この結
果、高い集電性能が得られる。また、モノレールを含む
一般的な軌道走行装置で不可能な急勾配での起動、走
行、停止動作が行える。
【０００６】
【実施例】図面を参照して本発明の一実施例を説明す
る。図１は本発明に係る軌道走行装置の正面図、図２は
本発明に係る軌道走行装置の平面図、図３は本発明に係
る軌道走行装置の側面図、図４は本発明に係る軌道走行
装置における駆動輪の断面図である。
る。図１は本発明に係る軌道走行装置の正面図、図２は
本発明に係る軌道走行装置の平面図、図３は本発明に係
る軌道走行装置の側面図、図４は本発明に係る軌道走行
装置における駆動輪の断面図である。
【０００７】軌道１を構成する鉄鋼管製の上下一対の軌
条２，３は、相互に平行に間隔を置き、電気絶縁性の支
持台４を介して支持基盤である地上に敷設されている。
軌条２，３は、絶縁支持部材５により電気的に絶縁さ
れ、一体化されている。そして、軌条２，３の一方が駆
動電力の往線となり、他方が駆動電力の帰線となるよう
に駆動電源に接続されている。ここでは、上部軌条２を
駆動電力の往線、下部軌条３を駆動電力の帰線として説
明する。
条２，３は、相互に平行に間隔を置き、電気絶縁性の支
持台４を介して支持基盤である地上に敷設されている。
軌条２，３は、絶縁支持部材５により電気的に絶縁さ
れ、一体化されている。そして、軌条２，３の一方が駆
動電力の往線となり、他方が駆動電力の帰線となるよう
に駆動電源に接続されている。ここでは、上部軌条２を
駆動電力の往線、下部軌条３を駆動電力の帰線として説
明する。
【０００８】軌道１上を走行する走行体６は、上部軌条
２の上を転動する垂直の支持車輪７と、左右両側に相対
向し、上下の軌条２，３を挟持しながらその側面に磁気
吸着して転動する左右各一対の水平の上部駆動輪８と下
部駆動輪９とを有する。支持車輪７は、走行体６の台車
１０の前後に２つ設けられ、左右一対の上部駆動輪８及
び下部駆動輪９は、台車１０の前後に２組設けられてい
る。
２の上を転動する垂直の支持車輪７と、左右両側に相対
向し、上下の軌条２，３を挟持しながらその側面に磁気
吸着して転動する左右各一対の水平の上部駆動輪８と下
部駆動輪９とを有する。支持車輪７は、走行体６の台車
１０の前後に２つ設けられ、左右一対の上部駆動輪８及
び下部駆動輪９は、台車１０の前後に２組設けられてい
る。
【０００９】支持車輪７は、台車１０に進行方向に対し
て直交方向に架設された前後の車軸１１に支持され、上
部軌条２の上部曲面に沿う断面円弧状の環状溝７ａを外
周に備え、上部軌条２上を走行体１の荷重を支承して転
動する。
て直交方向に架設された前後の車軸１１に支持され、上
部軌条２の上部曲面に沿う断面円弧状の環状溝７ａを外
周に備え、上部軌条２上を走行体１の荷重を支承して転
動する。
【００１０】上部駆動輪８と下部駆動輪９は、腕金１２
に垂直に架設された駆動軸１３の上下に夫々支持されて
いる。腕金１２は、基端側において台車１０の中間下部
に固定されたブラケット１４に、水平回動自在に枢支さ
れ、先端側において、台車１０の前後端部側面に、ばね
１５を介してボルト１６で結合されている。ばね１５
は、常時腕金１２を台車１０側に押圧することにより、
駆動輪８，９を軌条２，３の側面に圧接させている。駆
動輪８，９は、軌条２，３の左右両側に相対向して前後
に２組設けられ、夫々軌条２，３の各側面に沿う断面円
弧状の環状溝８ａ，９ａを夫々備えている。図４に示す
ように、駆動輪８，９は、環状の永久磁石１７，１８を
磁性材である上下一対の鉄鋼リング１９，２０で挟み、
さらにその上下を一対のプラスチックリング２３，２４
で挟んで成り、中央に非磁性で導電性のブッシュ２５，
２６が挿入固定されている。ブッシュ２５，２６は、夫
々鉄鋼リング１９，２０に接して電気的に導通してい
る。駆動軸１３の両端は、電気絶縁性のキャップ２７，
２８を介して、ブッシュ２５，２６内に挿入されてい
る。従って、駆動輪８，９と駆動軸１３間及び駆動輪
８，９（鉄鋼リング１９，２０）相互間は、電気的に絶
縁されている。ブッシュ２５，２６の外方部の内周に
は、ねじが形成され、これに締め付けボルト２９，３０
が螺合されている。駆動軸１３はベルトのような伝動部
材２１を介して駆動モータ３３に連結されている。
に垂直に架設された駆動軸１３の上下に夫々支持されて
いる。腕金１２は、基端側において台車１０の中間下部
に固定されたブラケット１４に、水平回動自在に枢支さ
れ、先端側において、台車１０の前後端部側面に、ばね
１５を介してボルト１６で結合されている。ばね１５
は、常時腕金１２を台車１０側に押圧することにより、
駆動輪８，９を軌条２，３の側面に圧接させている。駆
動輪８，９は、軌条２，３の左右両側に相対向して前後
に２組設けられ、夫々軌条２，３の各側面に沿う断面円
弧状の環状溝８ａ，９ａを夫々備えている。図４に示す
ように、駆動輪８，９は、環状の永久磁石１７，１８を
磁性材である上下一対の鉄鋼リング１９，２０で挟み、
さらにその上下を一対のプラスチックリング２３，２４
で挟んで成り、中央に非磁性で導電性のブッシュ２５，
２６が挿入固定されている。ブッシュ２５，２６は、夫
々鉄鋼リング１９，２０に接して電気的に導通してい
る。駆動軸１３の両端は、電気絶縁性のキャップ２７，
２８を介して、ブッシュ２５，２６内に挿入されてい
る。従って、駆動輪８，９と駆動軸１３間及び駆動輪
８，９（鉄鋼リング１９，２０）相互間は、電気的に絶
縁されている。ブッシュ２５，２６の外方部の内周に
は、ねじが形成され、これに締め付けボルト２９，３０
が螺合されている。駆動軸１３はベルトのような伝動部
材２１を介して駆動モータ３３に連結されている。
【００１１】集電用接触子３１，３２は、締め付けボル
ト２９，３０の頭部に常時弾圧接触して、導電性ボルト
２９，３０、ブッシュ２５，２６、鉄鋼リング１９，２
０、軌条２，３へ電気的に導通している。また、集電用
接触子３１，３２は、夫々駆動モータ３３へ電気的に接
続されている。従って、軌条２−鉄鋼リング１９−ブッ
シュ２５−導電性ボルト２９−集電用接触子３１−駆動
モータ３３−集電用接触子３２−導電性ボルト３０−ブ
ッシュ２６、鉄鋼リング２０、軌条３の電気回路を構成
する。そして、駆動輪８，９は、軌条２，３の各側面に
磁気吸着して転動しつつ集電する。駆動輪８，９が、軌
条２，３に磁気吸着するので、機械的圧接機構に比して
極めて大きな圧接力が得られ、この結果、高い集電性能
が得られる。
ト２９，３０の頭部に常時弾圧接触して、導電性ボルト
２９，３０、ブッシュ２５，２６、鉄鋼リング１９，２
０、軌条２，３へ電気的に導通している。また、集電用
接触子３１，３２は、夫々駆動モータ３３へ電気的に接
続されている。従って、軌条２−鉄鋼リング１９−ブッ
シュ２５−導電性ボルト２９−集電用接触子３１−駆動
モータ３３−集電用接触子３２−導電性ボルト３０−ブ
ッシュ２６、鉄鋼リング２０、軌条３の電気回路を構成
する。そして、駆動輪８，９は、軌条２，３の各側面に
磁気吸着して転動しつつ集電する。駆動輪８，９が、軌
条２，３に磁気吸着するので、機械的圧接機構に比して
極めて大きな圧接力が得られ、この結果、高い集電性能
が得られる。
【００１２】この実施例の軌道走行装置においては、上
部軌条２、下部軌条３が、走行体６の走行路として機能
するほか、駆動モータ３３への電力の往帰線として機能
する。電力は、電流の往線としての上部軌条２から、上
部駆動輪８の鋼リング１９−ブッシュ２５−ボルト２９
−集電用接触子３１−駆動モータ３３へと供給され、駆
動モータ３３から、集電用接触子３２−ボルト３０−下
部駆動輪９のブッシュ２６−鋼リング２０を経て、電流
の帰線としての下部軌条３へ流れる。これで駆動モータ
３３に電力が供給され、駆動モータ３３が回転する。駆
動モータ３３の回転は、伝動部材２１を介して駆動軸１
３に伝えられ、駆動輪８，９が回転する。駆動輪８，９
は、夫々鋼リング１９，２０を介して、上部軌条２、下
部軌条３に電気的に導通しつつ、永久磁石１７，１８の
磁気吸着による強い摩擦力で効率よく軌道１の左右側面
を転動し、走行体６を駆動する。駆動輪８，９のプラス
チックリング２３，２４は、衝撃を緩衝し、また騒音の
発生を防止する。支持車輪７は、走行体６の荷重を支承
し、上部軌条２の上面を転動する。
部軌条２、下部軌条３が、走行体６の走行路として機能
するほか、駆動モータ３３への電力の往帰線として機能
する。電力は、電流の往線としての上部軌条２から、上
部駆動輪８の鋼リング１９−ブッシュ２５−ボルト２９
−集電用接触子３１−駆動モータ３３へと供給され、駆
動モータ３３から、集電用接触子３２−ボルト３０−下
部駆動輪９のブッシュ２６−鋼リング２０を経て、電流
の帰線としての下部軌条３へ流れる。これで駆動モータ
３３に電力が供給され、駆動モータ３３が回転する。駆
動モータ３３の回転は、伝動部材２１を介して駆動軸１
３に伝えられ、駆動輪８，９が回転する。駆動輪８，９
は、夫々鋼リング１９，２０を介して、上部軌条２、下
部軌条３に電気的に導通しつつ、永久磁石１７，１８の
磁気吸着による強い摩擦力で効率よく軌道１の左右側面
を転動し、走行体６を駆動する。駆動輪８，９のプラス
チックリング２３，２４は、衝撃を緩衝し、また騒音の
発生を防止する。支持車輪７は、走行体６の荷重を支承
し、上部軌条２の上面を転動する。
【００１３】
【発明の効果】以上のように、本発明においては、駆動
用電力の往帰線としての機能を併せ持つ上下２つの軌条
２，３と、この軌条２，３から駆動電力の供給を受け
て、軌条２，３に沿って走行する走行体６とで軌道走行
装置を構成し、円筒状の上部軌条２と下部軌条３は、導
電性で磁性の素材から構成し、これを相互に電気的に絶
縁して上下にほぼ平行に敷設する。走行体６は、上部軌
条２の上を転動する支持車輪７に支持させ、支持車輪７
には、上部軌条２の上部曲面に沿う断面円弧状の環状溝
７ａを設ける。走行体６には、左右両側に相対向して、
各一対の上部駆動輪８と下部駆動輪９とを設ける。上下
の駆動輪８，９は、夫々上部軌条２、下部軌条３の左右
両側に磁気吸着する永久磁石１７，１８を少なくともそ
の一部に備えている。上部駆動輪８、下部駆動輪９は、
各々上部軌条２、下部軌条３の左右両側面に沿う断面円
弧状の環状溝８ａ，９ａを有し、軌条２，３に電気的に
導通して駆動モータ３３に電力を供給するようにしたた
め、駆動輪８，９が軌条２，３に磁気吸着しつつ転動
し、両者間の強力な静摩擦力又は動摩擦力が得られ、こ
の結果、モノレールを含む一般的な軌道走行装置で不可
能な急勾配での走行が可能となり、また駆動輪を介して
軌道から駆動電力の供給を受けることができ、しかも、
磁気吸着による極めて強い圧接力により高い集電性能を
発揮し、別個の電力供給機構を必要としない軌道走行装
置を提供することができる。
用電力の往帰線としての機能を併せ持つ上下２つの軌条
２，３と、この軌条２，３から駆動電力の供給を受け
て、軌条２，３に沿って走行する走行体６とで軌道走行
装置を構成し、円筒状の上部軌条２と下部軌条３は、導
電性で磁性の素材から構成し、これを相互に電気的に絶
縁して上下にほぼ平行に敷設する。走行体６は、上部軌
条２の上を転動する支持車輪７に支持させ、支持車輪７
には、上部軌条２の上部曲面に沿う断面円弧状の環状溝
７ａを設ける。走行体６には、左右両側に相対向して、
各一対の上部駆動輪８と下部駆動輪９とを設ける。上下
の駆動輪８，９は、夫々上部軌条２、下部軌条３の左右
両側に磁気吸着する永久磁石１７，１８を少なくともそ
の一部に備えている。上部駆動輪８、下部駆動輪９は、
各々上部軌条２、下部軌条３の左右両側面に沿う断面円
弧状の環状溝８ａ，９ａを有し、軌条２，３に電気的に
導通して駆動モータ３３に電力を供給するようにしたた
め、駆動輪８，９が軌条２，３に磁気吸着しつつ転動
し、両者間の強力な静摩擦力又は動摩擦力が得られ、こ
の結果、モノレールを含む一般的な軌道走行装置で不可
能な急勾配での走行が可能となり、また駆動輪を介して
軌道から駆動電力の供給を受けることができ、しかも、
磁気吸着による極めて強い圧接力により高い集電性能を
発揮し、別個の電力供給機構を必要としない軌道走行装
置を提供することができる。
【図１】本発明に係る軌道走行装置の正面図である。
【図２】本発明に係る軌道走行装置の平面図である。
【図３】本発明に係る軌道走行装置の側面図である。
【図４】本発明に係る軌道走行装置における駆動輪の断
面図である。
面図である。
１ 軌道 ２ 上部軌条 ３ 下部軌条 ６ 走行体 ７ 支持車輪 ７ａ 環状溝 ８ 上部駆動輪 ８ａ 環状溝 ９ 下部駆動輪 ９ａ 環状溝 １７ 永久磁石 １８ 永久磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五味 貴公 東京都武蔵野市吉祥寺北町２−15−16− 206 (72)発明者 金子 英司 東京都三鷹市北野２−１−１ 審査官 山内 康明 (56)参考文献 特開 平１−103101（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−293688（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−193758（ＪＰ，Ａ) 実開 昭47−7806（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭51−111610（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭45−20325（ＪＰ，Ｂ１) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) B61B 13/06
Claims (3)
- 【請求項１】 導電性で磁性の素材から成り、互いに電
気的に絶縁され、ほぼ平行に敷設された一対の軌条を備
え、この軌条同士が駆動電流の往帰線を構成して駆動用
電力が供給される軌道と、 前記軌道に磁気吸着して転接しつつ軌道に電気的に導通
する駆動輪と、この駆動輪から電力の供給を受けて駆動
輪を駆動するモータとを備えた走行体とを具備したこと
を特徴とする軌道走行装置。 - 【請求項２】 前記軌道は、互いに電気的に絶縁され、
上下にほぼ平行に敷設された外周断面円形状の上部軌条
と下部軌条とから成り、この上部軌条と下部軌条が駆動
電力の往帰線を構成し、 前記走行体は、前記上部軌条の上部曲面に沿う断面円弧
状の環状溝を備え、上部軌条上を走行体の荷重を支持し
て転動する支持車輪をさらに具備し、 前記駆動輪は、前記上部軌条の左右両側に相対向して配
置され、上部軌条の各側面に沿う断面円弧状の環状溝を
夫々備え、上部軌条の各側面に磁気吸着して転動しつつ
上部軌条に電気的に導通する左右一対の上部駆動輪と、
前記下部軌条の左右両側に相対向して配置され、下部軌
条の各側面に沿う断面円弧状の環状溝を夫々備え、下部
軌条の各側面に磁気吸着して転動しつつ下部軌条に電気
的に導通する左右一対の下部駆動輪とから成ることを特
徴とする請求項１に記載の軌道走行装置。 - 【請求項３】 前記上部軌条と下部軌条は、相互間に介
設された電気絶縁部材により互いに電気的に絶縁される
と共に一体に結合され、かつ支持台を介して電気的に絶
縁されて敷設基盤上に支持されていることを特徴とする
請求項２に記載の軌道走行装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8763195A JP2986063B2 (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | 軌道走行装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8763195A JP2986063B2 (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | 軌道走行装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08258706A JPH08258706A (ja) | 1996-10-08 |
| JP2986063B2 true JP2986063B2 (ja) | 1999-12-06 |
Family
ID=13920328
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8763195A Expired - Fee Related JP2986063B2 (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | 軌道走行装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
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1995
- 1995-03-20 JP JP8763195A patent/JP2986063B2/ja not_active Expired - Fee Related
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|---|---|
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