JP2985554B2 - 記憶回路 - Google Patents

記憶回路

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JP2985554B2
JP2985554B2 JP5016010A JP1601093A JP2985554B2 JP 2985554 B2 JP2985554 B2 JP 2985554B2 JP 5016010 A JP5016010 A JP 5016010A JP 1601093 A JP1601093 A JP 1601093A JP 2985554 B2 JP2985554 B2 JP 2985554B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記憶回路に関し、特に、
クロック信号とデータ信号の組を複数組入力とし、任意
のクロック信号とデータ信号の組を選択的に用いてデー
タの保持及び出力を行う、複数入力の記憶回路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の記憶回路を図を用いて説
明する。図3は従来の技術による記憶回路の一例の回路
図である。この回路は2系統の入力(データ信号IN1
およびクロック信号CLK1並びにデータ信号IN2お
よびクロック信号CLK2)を持ち、選択しない系統の
クロック信号を論理値1に固定することにより、選択し
た系統のクロック信号の立ち上がりエッジに同期して同
系統のデータを保持,出力するような回路の例である。
この回路は、大別して入力回路4と、立ち上がりエッジ
トリガのラッチ5とよりなる。
【0003】まず最初に、1入力のラッチ5について説
明する。本ラッチは第1保持回路12と、第2保持回路
42と、出力回路1よりなり、クロックの立ち上がりの
エッジに同期してデータを保持,出力する。第1保持回
路12では、入力信号をクロック信号CLKの反転信号
CLKBにより制御される第1入力ゲート22より入力
し、第1反転ゲート2と第1帰還ゲート32とで構成さ
れる第1の帰還ループによりその値の反転信号を保持す
る。第2保持回路42では、第1保持回路12の出力を
クロック信号CLKにより制御される第2入力ゲート5
2より入力し、第2反転ゲート3と第2帰還ゲート62
とで構成される第2帰還ループによりその値の反転信
号、すなわち最初の入力信号の値を保持する。また、出
力回路1は、次段の負荷(図示せず)を駆動するととも
に第2の帰還ループの動作を保証する。ここで、第1反
転ゲート2および第2反転ゲート3はインバータの構成
を持ち、第1帰還ゲート33および第2帰還ゲート62
はクロックドインバータの構成を持つゲートである。
【0004】第1入力ゲート22及び第2入力ゲート5
2は共にクロックドインバータの構成を持ち、クロック
信号CLKが論理値0の帰還は第1入力ゲート22が導
通し、第2入力ゲート52が遮断する。これによって、
データ信号を第1帰還ループに保持しながら、第2帰還
ループでは前サイクルのデータを保持、出力し続ける。
クロック信号CLKが論理値1の期間は、第1入力ゲー
ト22が遮断し第2入力ゲート52が導通する。よっ
て、データ信号は記憶回路から切り離され、同時に第1
帰還ループに保持されていたデータが第2帰還ループへ
伝播する。第2帰還ループはこれを保持、出力する。
【0005】以上の動作により、クロック信号CLKが
論理値0から論理値1に変化する時点を境に、変化前の
データ信号を変化後1サイクルの期間出力し続けること
ができる。尚、クロックドインバータとは、制御信号が
論理値1の場合にのみインバータとして動作し、制御信
号が論理値0の場合には出力が高抵抗となるような論理
ゲートのことである。
【0006】次に、入力回路4について説明する。この
入力回路は、2系統のデータから1系統のデータを選択
し、上述の1入力のラッチへ出力するものである。この
回路に入力された2系統のクロック信号CLK1,CL
K2は、NANDゲート301とインバータ302とで
構成される論理積ゲートに入力され、1系統に変換され
る。また、データ信号IN1,IN2は、3つのNOR
ゲート303,304,305で構成される選択ゲート
により1系統に変換される。
【0007】この選択ゲートは、制御信号が論理値0の
場合にアクティブとなるようなマルチプレクサの構成を
持つ。
【0008】例えば、クロック信号CLK1とデータ信
号IN1との組を使いたい場合は、クロック信号CLK
2を論理値1に固定する。この場合、NANDゲート3
01とインバータ302とよりなる論理積ゲートは常に
クロック信号CLK1を出力する。また、クロック信号
CLK2が常に論理値1であるので、NORゲート30
4は常に論理値0を出力し、これによりNORゲート3
05は常にNORゲート304の出力を出力する。すな
わち、クロック信号CLKはクロック信号CLK1とな
り、NORゲート305の出力はデータ信号IN1とな
る。以上のようにして、複数入力の記憶回路を実現す
る。
【0009】近年、半導体集積回路の大規模化・複雑化
に伴い、集積回路内部の詳細な評価が困難となってきて
おり、自信の評価の為の装置を内部に組み込む集積回路
が増えてきた。中でもスキャンパスと呼ばれる方式は、
比較的構成が単純であり評価方法も容易であるので、多
くの半導体集積回路に採用されている。
【0010】スキャンパス方式とは、評価対象となるラ
ッチやレジスタを数珠つなぎにして、各内容をシリアル
なデータとして出力することにより、集積回路内部を評
価する手法である。この方法では、通常動作時には各ラ
ッチはシステムのクロック信号に同期してそれぞれ入力
されたデータを保持・出力するが、テスト時にはテスト
のクロック信号に同期して、数珠つなぎとなった各ラッ
チがそれぞれ内容を次のラッチへずらすことにより、各
内容をシリアルなデータとして出力する。従って、本機
能を実現するためには、通常の論理接続と近接のラッチ
との接続を選択的に使い分ける記憶回路が必要となる。
【0011】通常動作とテスト次の動作の選択の方法は
幾つか考えられるが、本発明に関連するのは、通常動作
時にはテスト用のクロック信号を停止、テスト次には通
常動作時のクロック信号を停止するという、全も単純な
形式により各々の動作を選択するような場合に特に適し
た記憶回路である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の構成を
用いた例では、クロック信号に論理ゲートを介した信号
を必要とし、またデータの選択も別系統の回路を用いて
いるため、第1に、クロック信号が単一系統の通常の記
憶回路に対してNANDゲート301およびインバータ
302の伝播遅延分遅れることにより、毎サイクルこの
クロック信号のずれの分を無駄にしてしまうこと、第2
に、データ信号とクロック信号とが別の論理を通るた
め、セットアップ・ホールドに対するタイミングの設計
が困難になること、等の問題点があった。
【0013】特に、最近の高速半導体集積回路では、ク
ロック信号のスキューや遅延が常に設計のネックであ
り、クロック信号の駆動回路・伝播経路などの設計には
細心の注意が払われている。従って、クロック信号にゲ
ートを介することや、そのタイミングの規則性を乱すよ
うな回路構成は、設計の負荷を増大させるため、問題と
なっている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の記憶回路は、複
数のクロック信号と、それぞれが前記複数のクロック信
号のそれぞれと対をなす複数のデータ信号とを入力と
し、任意の一組のクロック信号とデータ信号を選択的に
用いてデータを記憶し出力する複数入力の記憶回路にお
いて、前記複数のクロック信号と前記複数のデータ信号
とを入力とし、前記複数のクロック信号により前記複数
のデータ信号から1つのデータ信号を選択して出力する
第1の入力ゲートと、第1の反転ゲートと第1の帰還ゲ
ートとを、それぞれの入力端子と相手の出力端子とを互
いに接続し、前記第1の反転ゲートの入力端子と前記第
1の帰還ゲートの出力端子とを前記第1の入力ゲートの
出力端子に接続した構成の第1の帰還ループと、前記第
1の入力ゲートの出力を入力としこれを反転して出力す
る第2の入力ゲートと、第2の反転ゲートと第2の帰還
ゲートとを、それぞれの入力端子と相手の出力端子とを
互いに接続し、前記第2の反転ゲートの入力端子と前記
第2の帰還ゲートの出力端子とを前記第2の入力ゲート
の出力端子に接続した構成の第2の帰還ループとを備
え、前記第1の帰還ゲートが、前記複数のクロック信号
の反転信号のそれぞれをそれぞれのゲート入力とするn
チャンネル型MOSトランジスタを直列にした直列回路
と前記第1の反転ゲートの出力をゲート入力とするnチ
ャンネル型MOSトランジスタとを直列接続してなる第
1のトランジスタ列と、前記複数のクロック信号のそれ
ぞれをそれぞれのゲート入力とするpチャンネル型MO
Sトランジスタを直列にした直列回路と前記第1の反転
ゲートの出力をゲート入力とするpチャンネル型MOS
トランジスタとを直列接続してなる第2のトランジスタ
列とを有し、前記第1のトランジスタ列の最端部のドレ
イン電極と前記第2のトランジスタの最端部のドレイン
電極とを接続として出力端子とし、前記第1のトランジ
スタ列の最端部のソース電極を接地電位に固定し、前記
第2のトランジスタ列の最端部のソース電極を高位電源
電位に固定した構成であり、前記第2の入力ゲートが、
前記複数のクロック信号のそれぞれをそれぞれゲート入
力とするnチャンネル型MOSトランジスタを直列にし
た直列回路と前記第1の入力ゲートの出力をゲート入力
とするnチャンネル型MOSトランジスタとを直列接続
してなる第3のトランジスタ列と、前記複数のクロック
信号の反転信号のそれぞれをそれぞれのゲート入力とす
るpチャンネル型MOSトランジスタを直列にした直列
回路と前記第1の入力ゲートの出力をゲート入力とする
pチャンネル型MOSトランジスタとからなる第4のト
ランジスタ列とを有し、前記第3のトランジスタ列の最
端部のドレイン電極と前記第4のトランジスタ列の最端
部のドレイン電極とを接続して出力端子とし、前記第3
のトランジスタ列の最端部のソース電極を前記接地電位
に固定し、前記第4のトランジスタ列の最端部のソース
電極を前記高位電源電位に固定した構成であり、前記第
2の帰還ゲートが、前記複数のクロック信号のそれぞれ
をそれぞれのゲート入力とするnチャンネル型MOSト
ランジスタを並列にした並列回路と前記第2の反転ゲー
トの出力をゲート入力とするnチャンネル型MOSトラ
ンジスタとを直列に接続してなる第5のトランジスタ列
と、前記複数のクロック信号の反転信号のそれぞれをそ
れぞれのゲート入力とするpチャンネル型MOSトラン
ジスタを並列にした並列回路と前記第2の反転ゲートの
出力をゲート入力とするpチャンネル型MOSトランジ
スタとを直列に接続してなる第6のトランジスタ列とを
有し、前記第5のトランジスタ列の最端部のドレイン電
極と前記第6のトランジスタ列の最端部のドレイン電極
とを接続して出力端子とし、前記第5のトランジスタ列
の最端部のソース電極を前記接地電位に固定し、前記第
6のトランジスタ列の最端部のソース電極を前記高位電
源電位に固定した構成であることを特徴とする。
【0015】
【実施例】次に本発明の好適な実施例について説明す
る。図1は、本発明の第1の実施例の回路図である。
尚、本実施例は、図3に示した従来の技術による記憶回
路と同様に、第1の入力系統として、クロック信号CL
K1とこのクロック信号の反転信号CLK1Bとデータ
信号IN1とを持ち、第2の入力系統として、クロック
信号CLK2とこのクロック信号の反転信号CLK2B
とデータ信号IN2とを持つ。そして、一方の系統のク
ロック信号を論理値1に固定することによって、他方の
系統でクロック信号の立ち上がりエッジに同期してデー
タ信号を保持、出力する。
【0016】まず最初に、本実施例で用いる縦積みイン
バータ及び横積みインバータについて説明する。縦積み
インバータとは、図1中、6つのMOSトランジスタ1
31,132,133,134,135,136で示し
たような構成を持つ論理ゲートである。図のように、3
つのpチャンネルMOSトランジスタ131,132,
133が縦積みに配置され一方の端が電源電位に接続さ
れたトランジスタ列と、3つのnチャンネルMOSトラ
ンジスタ134,135,136が縦積みに配置され、
一方の端が接地電位に接続されたトランジスタ列とを持
つ。トランジスタ134及び131が第1クロック信号
CLK1及びその反転信号CLK1Bによって制御さ
れ、トランジスタ136及び133が第2クロック信号
CLK2及びその反転信号CLK2Bによって制御され
ている。従って、この縦積みインバータは、クロック信
号CLK1及びCLK2が共に論理値1の場合にのみイ
ンバータとして動作しその他の場合には出力は高抵抗と
なる。尚、この縦積みインバータは、クロックドインバ
ータ111,112で構成される第1の入力ゲート20
を制御するクロック信号と同相のクロック信号で制御さ
れるので、この記憶回路にデータの筒抜けは発生しな
い。
【0017】横積みインバータとは、図1中、6つのト
ランジスタ161,162,163,164,165,
166で示したような構成を持つ論理ゲートである。図
のように、pチャンネルMOSトラジスタ161及び1
62が横積みに配置され、一端が電源電位に固定され他
端がpチャンネルMOSトランジスタ163に縦積みに
接続された構成と、nチャンネルMOSトランジスタ1
64及び165が横積みに配置され、一端が接地電位に
固定され他端がnチャンネルMOSトランジスタ166
に縦積みに接続された構成を持つ。トランジスタ161
及び164が第1クロック信号CLK1及びその反転信
号CLK1Bにより制御され、トランジスタ162及び
165が第2クロック信号CLK2及びその反転信号C
LK2Bにより制御されている。従って、本横積みイバ
ータはクロック信号CLK1及びCLK2のうちのどち
らか一方が論理値1の場合にインバータとして動作し、
共に論理値0の場合のみ出力は高抵抗となる。尚この場
合も、上記の縦積みインバータと同様に、第1入力ゲー
ト20の制御クロック信号と同相で動作する。
【0018】以下、本実施例の動作についての詳細な説
明をするが、説明の簡易化のため、第1クロック信号C
LK1とデータ信号IN1との組に関して保持動作を行
わせる場合を考えることとする。すなわち、第2クロッ
ク信号CLK2は常に論理値1、その反転信号CLK2
Bは常に論理値0であるものと仮定する。
【0019】第1入力ゲート20は2系統のデータ信号
のうちいずれか一方を選択する。この場合、クロック信
号CLK2Bによって制御されるクロックドインバータ
112は常に遮断状態となり、第2データ信号IN2は
記憶回路から遮断される。すなわち、第1データ信号I
N1を入力とし、第1クロック信号CLK1の反転信号
CLK1Bにより制御されるクロックドイバータと等価
となる。
【0020】第1帰還ループは、第1反転ゲート2及び
第1帰還ゲート30を構成するトランジスタ131,1
32,133,134,135,136よりなり、図3
に示す従来の技術による記憶回路における第1帰還ルー
プと同様に、第1入力ゲート(クロックドインバータ1
11)の出力を保持する。第1帰還ゲート30は、この
場合、クロック信号CLK2及びCLK2Bによってそ
れぞれ制御されるトランジスタ136,133が共に導
通状態となっている。これは、第1反転ゲート2の出力
を入力とし第1クロック信号CLK1により制御される
クロックドインバータに等しい。よって、図3に示す従
来の記憶回路における第1帰還ループと等価な回路とな
る。
【0021】第2入力ゲート50を構成する6つのMO
Sトランジスタ141,142,143,144,14
5,146は、図3に示す従来の記憶回路における第2
入力ゲート52と同様に、第1入力ゲート(クロックド
インバータ111)の出力を第2帰還ループへ伝播させ
る。この場合、クロック信号CLK2及びCLK2Bに
よってそれぞれ制御されるトランジスタ143,146
は共に導通状態となっている。これは、第1入力ゲート
(クロックドインバータ111)の出力を入力とし、第
1クロック信号CLK1により制御されるクロックドイ
ンバータに等しい。よって、図3に示す従来の記憶回路
における第2入力ゲート52と等価な回路となる。
【0022】第2帰還ループは、第2反転ゲート3及び
第2帰還ゲート60を構成する6つのMOSトランジス
タ161,162,163,164,165,166よ
りなり、図3に示す従来の記憶回路における第2帰還ル
ープと同様に、第2入力ゲート50の出力を保持する。
第2帰還ゲート60は、この場合、クロック信号CLK
2及びCLK2Bによってそれぞれ制御されるトランジ
スタ162,165が共に遮断状態となっている。これ
は、第2反転ゲート3の出力を入力とし、第1クロック
信号CLK1により制御されるクロックドインバータに
等しい。よって、図3に示す従来の記憶回路における第
2帰還ループと等価な回路となる。
【0023】インバータ1A,1Bは、出力用のバッフ
ァを構成し、次段の負荷回路を駆動すると同時に第2帰
還ループの負荷を軽減する。
【0024】以上のようにして、本実施例は第2クロッ
ク信号CLK2が論理値1の場合、第1データ信号IN
1をデータ信号とし、第1クロック信号CLK1をクロ
ック信号とする通常の1入力の立ち上がりエッジトリガ
の記憶回路として動作する。
【0025】同様に、第1クロック信号CLK1が論理
値1に固定されている場合には、第2データ信号IN2
をデータ信号とし、第2のクロック信号CLK2をクロ
ック信号とした通常の1入力の立ち上がりエッジトリガ
の記憶回路として動作する。
【0026】本実施例では、第1入力ゲート20の制御
信号と第2入力ゲート50の制御信号は同相で動作する
ので、データの筒抜けの恐れがなくなる。クロック信号
が論理値1から論理値0に変化する場合を考えれば、第
1入力ゲートが導通する場合には同時に第2入力ゲート
は遮断されるので、データは筒抜けない。
【0027】また、クロック信号とその反転信号との間
にスキューが存在しても、本発明による回路ではデータ
の筒抜けの恐れはない。非常になまったクロック信号及
びその反転信号を同時に変化するように入力したとき、
pチャンネルMOSトラジスタとnチャンネルMOSト
ランジスタの閾値電圧の違いにより両チャンネルが同時
に導通するような場合にはデータの筒抜けが生じる可能
性が残されているが、この場合でも第1帰還ループと第
2入力ゲート50との駆動能力の差の問題に帰着し、実
用的なクロック信号の波形と各ゲートの駆動力において
は問題ない。
【0028】よって、本実施例では、データ筒抜け防止
のための細かな調整やシュリングの際の再検証等が不要
である。
【0029】次に、第2の実施例について説明する。図
2は本発明の第2の実施例の回路図である。本実施例
は、リセット信号RSTBを入力として付加した例であ
る。本実施例は、リセット信号RSTBが論理値1の場
合には第1の実施例で示した回路と同等の動作をし、リ
セット信号RSTBが論理値0の場合には常に論理値0
を出力するものである。
【0030】本実施例において、第1入力ゲート20,
第1帰還ゲート30,第2入力ゲート50,第2反転ゲ
ート3,第2の帰還ゲート60及び出力回路1は、第1
の実施例と同様の回路である。
【0031】第1の反転ゲート6は、一方の入力として
第1の入力ゲート20の出力を持ち、他方の入力として
リセット信号RSTBが論理値1の場合にはこのゲート
はインバータと等価な動作をし、本実施例は第1の実施
例と等価な回路となる。また、リセット信号RSTBが
論理値0の場合には、第1反転ゲート6は常に1を出力
する。ゆえに、第1帰還ループは常に論理値1を保持
し、これにより第2帰還ループは常に論理値0を保持す
ることになる。従って、本実施例は常に論理値0を出力
する。
【0032】以上のようにして、本実施例は、リセット
信号RSTBを論理値0に固定することにより出力をリ
セットすることが可能な、2入力の立ち上がりエッジト
リガの記憶回路とし動作することができる。
【0033】これまでの説明では2系統のクロック信号
及びデータ信号を扱ってきたが、さらに多数のクロック
信号及びデータ信号を扱う場合にも同様の効果が得られ
る。すなわち、縦積みインバータについては第1及び第
2の制御信号により制御される縦積みトランジスタの段
数をクロック系統数分用意すること、横積みインバータ
については第1及び第2の制御信号により制御される横
積みトランジスタの段数を同じくクロックの系統数分用
意することにより、容易により多系統の回路へ応用でき
るものである。
【0034】また、本発明では立ち上がりエッジトリガ
の記憶回路を仮定してきたが、立ち下がりエッジの記憶
回路に関しても、クロック信号及びその反転信号を全て
入れ換えることにより容易に構成できる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第1の入力ゲートの制御信号と第2の入力ゲートの制御
信号は同相で動作するので、データが筒抜ける恐れがな
くなる。クロック信号が論理値1から論理値0に変化す
る場合を考えれば、第1の入力ゲートが導通する場合に
は同時に第2の入力ゲートは遮断されるので、データは
筒抜けない。
【0036】また、クロック信号とその反転信号の間に
スキューが存在しても、本発明による回路構成ではデー
タの筒抜けの恐れはない。
【0037】よって、本発明は、筒抜け防止のための細
かな調整やシュリングの際の再検証等が不要になるとい
う効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の回路図である。
【図2】本発明の第2の実施例の回路図である。
【図3】従来の記憶回路の一例の回路図である。
【符号の説明】
1 出力回路 1A,1B インバータ 2,3,6 反転ゲート 4 入力回路 5 ラッチ 10,11,12 第1保持回路 20,22 第1入力ゲート 30,32 第1帰還ゲート 40,42 第2保持回路 50,52 第2入力ゲート 60,62 第2帰還ゲート

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のクロック信号と、それぞれが前記
    複数のクロック信号のそれぞれと対をなす複数のデータ
    信号とを入力とし、任意の一組のクロック信号とデータ
    信号を選択的に用いてデータを記憶し出力する複数入力
    の記憶回路において、 前記複数のクロック信号と前記複数のデータ信号とを入
    力とし、前記複数のクロック信号により前記複数のデー
    タ信号から1つのデータ信号を選択して出力する第1の
    入力ゲートと、 第1の反転ゲートと第1の帰還ゲートとを、それぞれの
    入力端子と相手の出力端子とを互いに接続し、前記第1
    の反転ゲートの入力端子と前記第1の帰還ゲートの出力
    端子とを前記第1の入力ゲートの出力端子に接続した構
    成の第1の帰還ループと、 前記第1の入力ゲートの出力を入力としこれを反転して
    出力する第2の入力ゲートと、 第2の反転ゲートと第2の帰還ゲートとを、それぞれの
    入力端子と相手の出力端子とを互いに接続し、前記第2
    の反転ゲートの入力端子と前記第2の帰還ゲートの出力
    端子とを前記第2の入力ゲートの出力端子に接続した構
    成の第2の帰還ループとを備え、 前記第1の帰還ゲートが、前記複数のクロック信号の反
    転信号のそれぞれをそれぞれのゲート入力とするnチャ
    ンネル型MOSトランジスタを直列にした直列回路と前
    記第1の反転ゲートの出力をゲート入力とするnチャン
    ネル型MOSトランジスタとを直列接続してなる第1の
    トランジスタ列と、前記複数のクロック信号のそれぞれ
    をそれぞれのゲート入力とするpチャンネル型MOSト
    ランジスタを直列にした直列回路と前記第1の反転ゲー
    トの出力をゲート入力とするpチャンネル型MOSトラ
    ンジスタとを直列接続してなる第2のトランジスタ列と
    を有し、前記第1のトランジスタ列の最端部のドレイン
    電極と前記第2のトランジスタ列の最端部のドレイン電
    極とを接続として出力端子とし、前記第1のトランジス
    タ列の最端部のソース電極を接地電位に固定し、前記第
    2のトランジスタ列の最端部のソース電極を高位電源電
    位に固定した構成であり、 前記第2の入力ゲートが、前記複数のクロック信号のそ
    れぞれをそれぞれのゲート入力とするnチャンネル型M
    OSトランジスタを直列にした直列回路と前記第1の入
    力ゲートの出力をゲート入力とするnチャンネル型MO
    Sトランジスタとを直列接続してなる第3のトランジス
    タ列と、前記複数のクロック信号の反転信号のそれぞれ
    をそれぞれのゲート入力とするpチャンネル型MOSト
    ランジスタを直列にした直列回路と前記第1の入力ゲー
    トの出力をゲート入力とするpチャンネル型MOSトラ
    ンジスタとからなる第4のトランジスタ列とを有し、前
    記第3のトランジスタ列の最端部のドレイン電極と前記
    第4のトランジスタ列の最端部のドレイン電極とを接続
    して出力端子とし、前記第3のトランジスタ列の最端部
    のソース電極を前記接地電位に固定し、前記第4のトラ
    ンジスタ列の最端部のソース電極を前記高位電源電位に
    固定した構成であり、 前記第2の帰還ゲートが、前記複数のクロック信号のそ
    れぞれをそれぞれのゲート入力とするnチャンネル型M
    OSトランジスタを並列にした並列回路と前記第2の反
    転ゲートの出力をゲート入力とするnチャンネル型MO
    Sトランジスタとを直列に接続してなる第5のトランジ
    スタ列と、前記複数のクロック信号の反転信号のそれぞ
    れをそれぞれのゲート入力とするpチャンネル型MOS
    トランジスタを並列にした並列回路と前記第2の反転ゲ
    ートの出力をゲート入力とするpチャンネル型MOSト
    ランジスタとを直列に接続してなる第6のトランジスタ
    列とを有し、前記第5のトランジスタ列の最端部のドレ
    イン電極と前記第6のトランジスタ列の最端部のドレイ
    ン電極とを接続して出力端子とし、前記第5のトランジ
    スタ列の最端部のソース電極を前記接地電位に固定し、
    前記第6のトランジスタ列の最端部のソース電極を前記
    高位電源電位に固定した構成であることを特徴とする記
    憶回路。
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