JP2985095B2 - 移動観覧席の座席起立装置 - Google Patents

移動観覧席の座席起立装置

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JP2985095B2 JP2241298A JP24129890A JP2985095B2 JP 2985095 B2 JP2985095 B2 JP 2985095B2 JP 2241298 A JP2241298 A JP 2241298A JP 24129890 A JP24129890 A JP 24129890A JP 2985095 B2 JP2985095 B2 JP 2985095B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、多目的ホール等で使用される移動観覧席の
座席起立装置に関するものである。
〔従来の技術〕 体育館やホール等の床面を多目的に利用するための移
動観覧席は公知で、第3図と第4図はその一例を略示す
るものである。
第3図は観覧席の展開時を示すもので、階段状に展開
した高さの異なる複数の各段床(a)の上面後部の枢軸
(b)には、折畳式の座席(c)の回動支杆(d)が枢
設され、下端には複数の車輪(e)が枢設されている。
下方のワイヤ(f)の両端は、ドラム(g)と最下段
の段床(a)に止着され、上方のワイヤ(h)は、各段
床(a)の下面前部と後端に枢設したプーリ(i)
(i)に掛け回され、両端はドラム(j)と最下段の段
床(a)に止着されている。
上述状態の観覧席は、不使用時には、座席(c)を折
り畳み、ついで回動支杆(d)を前倒してから、下方の
ワイヤ(f)を適宜の駆動装置(図示省略)により回転
するドラム(g)に巻取ることにより、第4図に示すよ
うに、各段床(a)を後位の段床(a)の内方に、順次
入れ子式に収納される。
また、第4図に示す状態の観覧席は、上方のワイヤ
(h)をドラム(j)に巻取れば、第3図に示すよう
に、各段床(a)は前方に階段状に展開し、各座席
(c)は起立装置により起立する。
段床(a)の展開動作と連動して、倒伏している座席
(c)を自動的に起立させる装置には、座席(c)と段
床(a)をリンクとカムで連結したものがある。
また座席(c)を枢支する回動支杆(d)の枢軸
(b)をモータに連結して、座席(c)を起立させ、あ
るいは倒伏させるようにしたものもある。
しかし上述の前者の装置は、機構が複雑で、組立と調
整に手間がかかり、後者の装置は、各段床(a)毎にモ
ータが配設してあるため、段床(a)を進退させるたび
に、給電用のコードを巻取ったり繰り出したりするため
の面倒な機構が必要であり、座席(c)数が増大するに
つれて、多数のモータが必要となり、必然的に高価とな
る。
本出願人は、上述のような問題点を解決した移動観覧
席の座席起立装置を特許出願している(特開昭64−5601
2号公報、特開平2−136106号公報参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし特開昭64−56012号公報に開示された装置は、
回動支杆を起立状態にロックするロックレバーのローラ
が、通常上段の段床下面の前後方向を向く補強杆の下面
に沿って転動するようになっているので、長期使用によ
る各部材の摩耗等により、段床が左右不平均に進退すの
ようになると、ローラが補強杆より外れることがある。
また特開平2−136106号公報に開示された装置は、回
動支杆を起立状態にロックする回動支杆の係止部材とロ
ックレバーと係止レバーの形状と相互位置関係が微妙
で、高精度に製作する必要があり、長期使用により各部
材が若干摩耗すると、動作が不調になることがある。
また前者の発明と同様に、ロックレバーのローラが上
段の段床下面の補強杆より外れることがある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、回動支杆(8)を起立状態にロックするた
め、前後方向を向いて、後端がフレーム(7)に枢着さ
れるとともに、ばね(34)により上向きに付勢され、か
つ前部に起立した回動支杆(8)の係止軸(20)に係合
しうる係合溝(32)を設けたロックレバー(31)を使用
して、ロックレバー(31)の係合解除のために、フレー
ム(7)に、左右軸まわりに回動自在に中央が枢支さ
れ、前端がリンク(38)を介してロックレバー(31)の
前部に連係され、後部が段床(1)の後下端より後下方
に突出して、下段の段床(1)の後上部に当接して回動
させられることにより、ロックレバー(31)を係止軸
(20)から離れる方向に回動させるようにしたアンクロ
ックレバー(36)を設けることにより、上述の課題の解
決を図ったものである。
〔作 用〕
本発明を適用した移動観覧席は、展開した各段床
(1)を、座席(14)を折畳んで、下段のものより順次
後退させて収納する際、これから後退しようとする段床
(1B)は、その直下に既に収納された段床(1A)の後端
部により、アンロックレバー(36)の後下端が押し上げ
られて、ロックレバー(31)が下向揺動させられ、回動
支杆(8)のロックが解除されている。
この状態段の床(1B)が後退を開始すると、回動支杆
(8)は、後上部の段床(1C)の前端面に当接し、段床
(1B)の後退につれて、折畳まれた座席(14)とともに
段床(1B)上に前倒しつつ、上段の段床(1C)の下方に
潜入する。
段床(1B)が段床(1C)の下方に完全に収納される
と、段床(1B)の後端部が、段床(1C)のアンロックレ
バー(36)の後下端を押し上げて、回動支杆(8)のロ
ックを解除し、段床(1C)は段床(1B)等とともに段床
(1D)の下方へ後退を開始する。
上述の動作が上方の段床(1)に順次繰返されて、展
開していた各段床(1)は、すべて最上段の段床(1)
の下方に収納される。
上述のように収納された各段床(1)は、上述とは逆
に階段状に展開される際には、最下段の段床(1)より
順次前方に展開する。
下段の段床(1A)がその直上の段床(1B)に対して前
進すると、直上の段床(1B)のアンロックレバー(36)
は、下段の段床(1A)の後端部が前方に離れることによ
り、下向きに回動して、ロックレバー(31)を、回動支
杆(8)の係止軸(20)に係合しうる位置まで持ち上が
る。
下段の段床(1A)がその直上の段床(1B)に対する前
限位置まで前進すると、次に、その直上の段床(1B)が
下段の段床(1A)と一体となって、さらにその上方の段
床(1C)に対して前進する。
段床(1B)の回動支杆(8)が、その上方の段床(1
C)の前端より前方に進出すると、回動支杆(8)は、
ばね(19)の付勢力により起立させられ、回動支杆
(8)が正規の起立位置まで回動すると、係止軸(20)
がロックレバー(31)の係合溝(22)に係合して固定さ
れる。
〔実施例〕
第1図と第2図は本発明の一実施例を示すもので、
(1)は上記段床(a)に相当する段床で、第1図にお
いては、説明の便宜上、各段床(1)を下方より(1A)
(1B)(1C)(1D)と区別してある。
各段床(1)は、従来の移動観覧席と同様に、最下段
の段床より順に展開し、あるいは収納される。
各段床(1)の床板(2)の下面周縁部には、補強枠
(3)が添設され、補強枠(3)の内方には、前後方向
を向く多数の補強杆(4)が添設され、補強杆(4)の
上面後端には、床板(2)の上面より上方に突出する横
向補強杆(5)が架設されている。
補強杆(4)の上面後部における床板(2)と横向補
強杆(5)の間には、本発明に係る複数の座席起立装置
(6)が載設されている。
座席起立装置(6)の前面開口する箱状のフレーム
(7)の前下部中央には、回動支杆(8)の基部が、左
右方向を向く支軸(9)をもって、左右両側板(7a)
(7a)に枢支されている。
回動支杆(8)の遊端には、L字形に屈曲する取付金
具(10)が固設され、取付金具(10)には、左右方向を
向く連結杆(11)と、左右方向を向くローラ(12)を枢
設した軸受(13)が取付けられ、連結杆(11)には、折
畳式の座席(14)が取付けられている。
(15)は座席(14)の脚杆、(16)は座シート、(1
7)は背もたれ、(18)は肘掛である。
回動支杆(8)は支軸(9)の両側部に巻装した捩り
コイルばね(19)(19)の両端を、回動支杆(8)の上
部に横向貫設した係止軸(20)と、フレーム(7)の両
側板(7a)(7a)の内面に突設したコ字形ブラケット
(21)(21)の下端縁に係止することにより、上方に向
けて付設され、所定の角度起立すると、係止軸(20)が
ブラケット(21)(21)に貫設した前方を向くストッパ
(22)(22)に当接して停止する。
係止軸(20)には後方を向くリンク(23)が枢設さ
れ、リンク(23)の後端には、フレーム(7)の上板
(7b)の下面に沿って後方を向く係合杆(24)が枢設さ
れ、係合杆(24)の後端には、前向フック(25)が立設
されている。
段床(1)の床板(2)の下面前部には、後述するよ
うに座席起立装置が展開を開始して、段床(1)が所定
の位置まで前進すると前向フック(25)が係合する後向
係合片(26)が垂設されている。
フレーム7の後板(7c)の内面の支持金具(27)上部
に枢設した枢軸(28)には、前方を向き互いに近接して
平行をなす2枚の挾持板(29)の前部に、前方を向くロ
ック板(30)を挾設したロックレバー(31)の後端が止
着されている。
ロック板(30)の上縁前部には、回動支杆(8)の係
合軸(20)が上方より係合しうる係合溝(32)が穿設さ
れ、その前方には下向傾斜七縁(30a)が形成されてい
る。
ロックレバー(31)は、フレーム7の内下部の台箱
(33)との間に設けた圧縮ばね(34)により、上方に向
けて付勢されている。
台箱(33)に形成した後向U字形の遊通溝(35)の両
側面には、後下方に傾斜するアンロックレバー(36)の
中間部が左右方向を向く枢軸37により枢支され、アンロ
ックレバー(36)の前上端は、リンク(38)を介してロ
ックレバー(31)の中央部に連係され、同じく後下端
は、段床(1)より下方に突出している。
つぎに上述の移動観覧席収納時の本発明装置の動作を
説明する。
第1図に示すように、展開している段床(1C)は、回
動支杆(8)の係止軸(20)がロックレバー(31)の係
合溝(32)に係合して、後退不能にロックされている
が、これから収納しようとする段床(1B)は、既に下方
に収納した段床(1A)の横向補強杆5にアンロックレバ
ー(36)の後下端が押し上げられて、ロックレバー(3
1)が引き下げられ、ロックが解除されているので、回
動支杆(8)は前倒することができる状態となってい
る。
この状態から、段床(1B)が後退すると、その段の回
動支杆(8)のローラ(12)が、上段の段床(1C)の前
端面に当接し、回動支杆(8)は座席(14)とともに前
傾し、ローラ(12)が段床(1C)の補強杆(4)の下面
に回込むと床板2上に前倒して、段床(1C)の下方に潜
入する。
この時係止軸(20)も前下方に移動するが、係合杆
(24)はリンク(23)を介して係止軸(20)に連係さ
れ、係合杆(24)のフック(25)は、段床(1C)の係合
片(26)より後方に離間しているので、係止軸(20)は
支障なく移動することができる。
段床(1B)が段床(1C)の下方に完全に収納される
と、段床(1B)の横向補強杆5が、段床(1C)のアンロ
ックレバー(36)の後下端を押上げて、回動支杆(8)
のロックを解除する。
上述の動作が上方の各段床(1)に順次繰返されて、
展開していた各段床(1)は、すべて最上段の段床
(1)の下方に収納される。
収納された各段床(1)は、ドラムを逆転させること
により、最下段の段床より順次展開し、これから前進を
開始しようとする段床(1)は、アンロックレバー(3
6)の後下端を押し上げていた下段の段床(1)の横向
補強杆(5)がすでに前方に移動しているので、ロック
レバー(31)は圧縮ばね(34)の付勢により押し上げら
れて、係合溝(32)は、係止軸(20)の後方においてロ
ック位置となっている。
この段床(1)が前進を開始すると、回動支杆(8)
のローラ(12)が、上段の段床(1)の補強杆(4)の
下面を転動し、その後前方に外れる。すると、回転支杆
(8)は捩りコイルばね(19)の付勢により、係止軸
(20)がストッパ(22)に当接するまで起立する。
同時に係止軸(20)は、ロックレバー(31)の前端の
傾斜縁(30a)に沿って後退して、ロックレバー(31)
を若干押し下げて係合溝(32)に係合するとともに、係
合杆(24)の後端の前面フック(25)が、上段の段床
(1)下面の後向係合片(26)に係合して、上段の段床
(1)を前方に引き出す。
なお、前向フック(25)が係合片(26)に係合したと
き、回動支杆(8)がまだ起立していない場合は、係合
杆(24)及びリンク(23)を介して、回動支杆(8)は
起立位置まで強制的に引き起こされる。
上述の動作が上方の各段床(1)に順次繰返されて、
移動観覧席が展開される。
なお、最下段の段床(1)の下方には、アンロックレ
バー(36)の後下端を押し上げて、回動支杆(8)のロ
ックを解除する横向補強杆(5)がなく、回動支杆
(8)が起立した状態でロックされている展開した移動
観覧席の収納を開始することができない。そのため最下
段の段床(1)には、回動支杆(8)のロックを解除す
る適宜の装置を設けるか、又は最下段の段床(1)の
み、従来の座席起立装置と同一のものを設ければよい。
また上述の実施例においては、1個のアンロックレバ
ー(36)をフレーム(7)のほぼ中央に設けたが、フレ
ーム(7)内の諸部材の大きさや形状や配置、あるいは
段床(1)の下面の構成等の事情により、上記枢軸(3
7)をフレーム(7)の両側板(7a)(7a)の外方まで
延長して、枢軸(37)の両端に2本のアンロックレバー
(36)(36)の中間部を枢支し、両アンロックレバー
(36)(36)の前上端同士を連結する連結杆を、リンク
(38)を介してロックレバー(31)に連係してもよい。
〔発明の効果〕 (a)本発明の装置は、回動支杆(8)ロック用のロッ
クレバー(31)を駆動するアンロックレバー(36)が、
下段の段床(1)の後端部により作動するので、移動観
覧席を長期使用して各部材の寸法精度が低下しても、回
動支杆(8)のロックとロック解除の動作が確実に行な
われる。
(b)従来の装置は、フレームの上面に、たとえばロッ
クレバー等の部材を遊通させる開口部が設けてあり、こ
こより異物がフレーム内に侵入するおそれがあったが、
ロックレバー等の動作を妨げないように覆いをする必要
があって面倒であったが、本発明装置は、フレーム
(7)の上面全体を閉塞することができるので、異物の
侵入等のおそれがない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明を適用した移動観覧席の収納途中の状
況を示す縦断側面図、 第2図は、本発明装置の座席起立時の平面図、 第3図は、従来の移動観覧席の展開時の側面図、 第4図は、同じく収納時の側面図である。 (1)段床、(2)床板 (3)補強枠、(4)補強杆 (5)横向補強杆、(6)座席起立装置 (7)フレーム、(7a)側板 (7b)上板、(7c)後板 (8)回動支杆、(9)支軸 (10)取付金具、(11)連結杆 (12)ローラ、(13)軸受 (14)座席、(15)脚杆 (16)座シート、(17)背もたれ (18)肘掛、(19)捩りコイルばね (20)係止軸、(21)ブランケット (22)ストッパ、(23)リンク (24)係合杆、(25)フック (26)係合片、(27)支持金具 (28)枢軸、(29)挾持板 (30)ロック板、(30a)傾斜縁 (31)ロックレバー、(32)係合溝 (33)台箱、(34)圧縮コイルばね (35)遊通溝、(36)アンロックレバー (37)枢軸、(38)リンク

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上面に折畳式の座席を備える、高さの異な
    る複数の段床を、不使用時には後方の壁面に沿って入れ
    子式に収納し、使用時には前方に階段状に展開させる移
    動観覧席において、 各段床の後部に載設したフレームと、 遊端に折畳式座席を備え、基部がフレームの前部に、前
    方に倒伏した位置より、起立してフレームに設けたスト
    ッパに当接する位置まで、揺動自在に枢支されるととも
    に、ばねにより起立する方向に付勢され、展開している
    段床が後退すると、上段の段床の下面に当接して前方に
    倒伏し、折り畳まれた座席とともに、上段の段床の下方
    に潜入する回動支杆と、 後端がフレームに枢着されるとともに、ばねにより上方
    に向けて付勢され、かつ前端部に、起立した回動支杆に
    突設した係止軸に係合して、回動支杆をロックしうる係
    合溝を有するロックレバーと、 フレームに、左右軸まわりに回動可能として中間部が枢
    支され、前端がリンクを介してロックレバーの前部に連
    係され、後部が段床の後下端より後下方に突出して、下
    段の段床の後上部に当接して回動させられることによ
    り、ロックレバーを係止軸から離れる方向に回動させる
    アンロックレバー とを備えることを特徴とする移動観覧席の座席起立装
    置。
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