JP2984651B2 - 無線通信システム、無線通信方法、無線端末の位置検出方法及び記録媒体 - Google Patents

無線通信システム、無線通信方法、無線端末の位置検出方法及び記録媒体

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JP2984651B2
JP2984651B2 JP14695998A JP14695998A JP2984651B2 JP 2984651 B2 JP2984651 B2 JP 2984651B2 JP 14695998 A JP14695998 A JP 14695998A JP 14695998 A JP14695998 A JP 14695998A JP 2984651 B2 JP2984651 B2 JP 2984651B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線基地局を介し
無線通信により無線端末の位置を検出する無線通信シス
テム、無線端末の位置検出方法及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話やPHSに代表されるように従
来使用されている無線端末は、主に通話連絡手段として
使用され、またデータの転送を行うデータ通信手段とし
て使用されている。
【0003】従来の無線端末による通信は、識別番号が
付与された複数の無線端末に対し、無線端末と通信回路
網とを中継する無線基地局が至るところに設置され、こ
の無線基地局を介して無線端末間で、あるいは無線端末
と通信回線網に接続した電話やネットワークコンピュー
タ等の情報機器と通信を行う。また、従来の無線通信シ
ステムを利用して通話をする場合、無線端末により発信
者が受信者側の番号を呼出すことにより、発信者側の無
線端末から最寄りの無線基地局を介して回線が接続さ
れ、受信者側の呼出信号を発するようになっている。
【0004】通常無線基地局の制御領域は半径数百mに
予め設定されており、無線端末がある無線基地局Aの制
御領域内にあるときは無線基地局Aを通して通信を行
う。例えば現行で使用されているPHSの場合、1.9
GHzの周波数帯で無線基地局の送信出力が10mWの
ときには、無線基地局の制御領域は半径約300mとな
る。
【0005】制御の対象となる領域の至るところが何れ
かの制御基地局の制御可能な範囲内にあるように、複数
の制御基地局が設置される。これにより、無線端末が移
動して無線基地局Aの制御領域から無線基地局Bの制御
領域内に入ったときには、新たに無線基地局Bを介して
通信を行う。また、無線端末がいずれの無線基地局の制
御領域内にもない場合は通信は中断する。
【0006】通常、無線基地局は定期的に制御信号を発
信している。無線端末がある無線基地局の制御範囲内に
あるとき、無線端末はこの制御信号を受信し無線端末の
インタフェイスを通して通信可能な状態であるというこ
とを無線端末の所有者に通知する。
【0007】各無線基地局は予め定められた一定出力の
制御信号を発信しており、無線端末は対応する無線基地
局から発信される制御信号に同期して同期信号を定期的
に発している。各無線基地局を制御する構内電話交換機
(PBX)においては、移動により無線端末の位置が変
化し、制御を行う無線基地局が変更された場合でも、常
に1台の無線基地局によって無線端末を制御するよう無
線基地局間の調整を行うよう設定されている。こうして
電話交換機側では各無線端末の位置を無線基地局の制御
領域レベルで認識することが可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような無線端末に
よる通信システムにおいて無線端末を利用して通信を行
う際には、発信者側あるいは受信者側は、無線端末を用
いて互いに相手がいる位置を認識することができない。
この通信システムの実用価値を高めるためには、発信者
側に対し受信者側の無線端末の位置に関する情報を通知
する手段を具備することが望まれる。
【0009】また電話交換機側では、無線端末がどの無
線基地局の制御領域にあるかについては認識できるもの
の、制御領域内にある無線端末の具体的な位置について
は認識することができない。
【0010】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、主に通話やデータ転送に用いられる無線端末による
情報通信システムにおいて、無線基地局より発せられる
同期信号の出力の制御を行うなどより多様な運用を行う
ことで、無線端末の位置検出を容易にかつ詳細に行うこ
とを可能とする無線通信システム、無線端末の位置検出
方法及び記録媒体を得ることを目的とする。
【0011】また本発明では、無線端末を無線基地局を
介して制御する場合、無線端末の位置履歴情報を保存し
表示することが可能な無線通信システムを得ることを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、情報を入力する入力手段と
無線通信により情報の授受を行う通信手段及び情報を出
力する出力手段を有する無線端末と、この無線端末と通
信回路網とを中継し制御領域内に一定の出力レベルの発
呼信号を発信する無線基地局と、この無線基地局と接続
される電話交換機と、この電話交換機と接続し前記無線
端末による通信に関するデータを処理するデータ処理装
置を具備する無線通信システムにおいて、前記データ処
理装置は、前記電話交換機との信号の送受信を行う通信
手段と、この通信手段への入力信号を前記無線端末の位
置及び通信状況に関する情報に変換する端末情報処理手
段と、該無線端末の位置情報を時系列的に蓄積する端末
情報保管手段と、前記無線基地局より発信される発呼信
号の出力レベルを変更する発呼信号出力レベル調整手段
と、この発呼信号出力レベル調整手段によって前記無線
基地局からの発呼信号の出力レベルを変更し前記無線端
末が制御領域内の領域境界の近傍にいることを判断する
無線端末の位置判断手段と、前記端末情報保管手段に蓄
積される前記無線端末の位置情報に基づき該無線端末の
移動速度を求める端末移動速度演算手段と、前記端末移
動速度演算手段の演算結果に基き該無線端末の将来の移
動速度及び所定時間後の位置を推定する端末移動位置予
測手段と、前記端末情報処理手段または前記端末情報保
管手段あるいは前記端末移動位置予測手段からの該無線
端末の情報を出力する出力手段とを具備するものであ
り、前記データ処理装置の通信手段及び前記電話交換機
を介して前記無線基地局から発呼信号が発信され、該無
線基地局の制御領域下にある無線端末が前記発呼信号を
受信して応答信号を発信することを特徴とする無線通信
システムを提供する。
【0013】また、請求項2記載の発明は、情報を入力
する入力手段と無線通信により情報の授受を行う通信手
段及び情報を出力する出力手段を有する無線端末と、こ
の無線端末と通信回路網とを中継し制御領域内に一定の
出力レベルの発呼信号を発信する無線基地局と、この無
線基地局と接続される電話交換機と、この電話交換機と
接続し前記無線端末による通信に関するデータを処理す
るデータ処理装置を具備する無線通信システムにおい
て、前記データ処理装置は、前記電話交換機との信号の
送受信を行う通信手段と、この通信手段への入力信号を
前記無線端末の位置及び通信状況に関する情報に変換す
る端末情報処理手段と、該無線端末の位置情報を時系列
的に蓄積する端末情報保管手段と、前記無線基地局より
発信される発呼信号の出力レベルを変更する発呼信号出
力レベル調整手段と、この発呼信号出力レベル調整手段
によって前記無線基地局からの発呼信号の出力レベルを
変更し前記無線端末が制御領域内の領域境界の近傍にい
ることを判断する無線端末の位置判断手段と、前記端末
情報処理手段あるいは前記端末情報保管手段からの該無
線端末の情報を出力する出力手段とを具備するものであ
り、前記データ処理装置の通信手段及び前記電話交換機
を介して前記無線基地局から発呼信号が発信され、該無
線基地局の制御領域下にある無線端末が前記発呼信号を
受信して応答信号を発信するとともに、前記データ処理
装置の出力手段は少なくとも画像表示手段を具備し、こ
の画像表示手段に前記無線基地局の位置を地図情報とし
て表示し、この地図情報に重ねて前記画像表示手段に表
示された無線基地局の制御領域内に位置する無線端末の
位置情報を表示することを特徴とする無線通信システム
を提供する。 さらに、請求項3記載の発明は、前記画像
表示手段に表示される前記無線基地局の位置に関する地
図情報に重ねて前記端末情報保管手段に蓄積された前記
無線端末の時系列的な位置履歴を地図情報として表示す
ることを特徴とする。
【0014】また、請求項4記載の発明は、情報を入力
する入力手段と無線通信により情報の授受を行う通信手
段及び情報を出力する出力手段を有する無線端末と、
ラント内に複数配置され前記無線端末と通信回路網とを
中継し制御領域内に一定の出力レベルの発呼信号を発信
する無線基地局と、この無線基地局と接続される電話交
換機と、この電話交換機と接続し前記無線端末による通
信に関するデータを処理するデータ処理装置を具備する
無線通信システムにおいて、前記データ処理装置は、前
記電話交換機との信号の送受信を行う通信手段と、この
通信手段への入力信号を前記無線端末の位置及び通信状
況に関する情報に変換する端末情報処理手段と、該無線
端末の位置情報を時系列的に蓄積する端末情報保管手段
と、前記無線基地局より発信される発呼信号の出力レベ
ルを変更する発呼信号出力レベル調整手段と、この発呼
信号出力レベル調整手段によって前記無線基地局からの
発呼信号の出力レベルを変更し前記無線端末が制御領域
内の領域境界の近傍にいることを判断する無線端末の位
置判断手段と、前記プラント内に配置された各種機器の
位置及び前記プラント内で行なわれる作業予定工程に関
する画像、音声、テキストのうちの少なくとも一つの形
式からなるデータを蓄積する作業情報保管手段と、前記
端末情報処理手段あるいは前記端末情報保管手段からの
該無線端末の情報を出力する出力手段とを具備するもの
であり、前記データ処理装置の通信手段及び前記電話交
換機を介して前記無線基地局から発呼信号が発信され、
該無線基地局の制御領域下にある無線端末が前記発呼信
号を受信して応答信号を発信するとともに、前記作業予
定工程に関するデータを前記作業情報保管手段から前記
無線端末に無線通信により送信し該無線端末の出力手段
に出力することを特徴とする無線通信システムを提供す
る。
【0015】この請求項4記載の発明に係る無線通信シ
ステムに対し、以下の何れかの構成を適用して特化する
ことが好適である。 (1) 前記プラント内に複数設置される固定撮像手段
を具備し、前記データ処理装置は、画像信号を受信し前
記出力手段に画像として出力する画像情報処理手段と、
この画像情報処理手段と接続し画像データを蓄積する画
像情報保管手段とを具備し、前記データ処理装置の画像
情報処理手段と前記固定撮像装置とを接続しこの固定撮
像装置により撮像される画像を画像信号として前記画像
情報処理手段に送信するデータ転送手段を具備するよう
構成する。 (2) 前記無線端末の入力手段より入力される作業の
進捗に関する情報を無線通信により前記作業情報保管手
段に送信し蓄積するよう構成する。 (3) 前記無線基地局の制御領域内にある無線端末に
対し、前記端末情報処理手段により該無線端末の位置に
関する情報と前記作業情報保管手段に蓄積される作業予
定位置に関するデータとを照合しかつ該無線端末から該
作業予定位置へ至る経路を探索し、この探索された経路
を前記無線端末の出力手段に地図情報として出力するよ
う構成する。 (4) 前記プラント内での異常の発生とともに前記プ
ラント内の異常発生場所の最も近くに位置する無線端末
を特定し、該無線端末から前記異常発生場所へ至る移動
経路を探索し、該無線端末の出力手段に、前記異常発生
場所へ至る移動経路に関する情報または前記作業情報保
管手段内に予め保管された緊急時の作業に関する情報を
出力するよう構成する。 (5) 前記プラント内での異常の発生とともに前記無
線基地局により前記無線端末の検出を行い、この無線端
末の検出位置から予め定められたプラント内の避難場所
へ至る移動経路を探索し、該無線端末の出力手段に前記
避難場所へ至る移動経路に関する情報を出力するよう構
成する。
【0016】なお、本発明においては、請求項1、2、
4のいずれか記載の発明に係る無線通信システムに対
し、以下の何れかの構成を適用して特化することが好適
である。 (1) 前記発呼信号を受信した前記無線端末が前記無
線基地局に対して前記応答信号を発信するのに伴い、前
記無線基地局と前記電話交換機及び前記データ処理装置
の通信手段を介して、前記端末情報処理手段に該無線端
末が該無線基地局の制御領域下にあるという位置情報が
入力されるよう構成する。 (2) 前記無線基地局のうち少なくとも一つの無線基
地局は発呼信号の発信を行うアンテナを複数有し、該無
線基地局の制御領域はほぼ楕円状に形成されており、前
記アンテナの位置を変更することで前記制御領域を変更
する無線基地局方向変更手段を具備するよう構成する。 (3) 前記データ処理装置は、画像信号を受信し前記
出力手段に画像として出力する画像情報処理手段と、こ
の画像情報処理手段と接続し画像データを蓄積する画像
情報保管手段とを具備し、前記無線端末は、この無線端
末の周辺を撮像する局所撮像手段を具備し、この局所撮
像手段により取得される画像データの画像信号を無線通
信により前記画像情報処理手段に送信するよう構成す
る。 (4) 前記無線端末は、無線通信により通話を行う音
声入力手段と、該無線端末の周辺を撮像する局所撮像手
段とを具備したヘルメット形状からなるよう構成する。
【0017】また、本発明は、請求項1、2、4のいず
れか記載の無線通信システムを用いて行なわれる無線通
信方法であって、前記無線端末により情報の授受を行な
う無線端末通信ステップと、前記無線基地局により前記
無線端末と通信回路とを中継し該無線基地局の制御領域
内に発呼信号を発信する発呼信号発信ステップと、該無
線基地局と前記電話交換機とを接続し該無線端末に関す
るデータを処理するデータ処理ステップとを有し、前記
データ処理ステップは、前記発呼信号出力レベル調整手
段によって前記無線基地局からの発呼信号の出力レベル
を調整する発呼信号出力レベル調整ステップと、前記無
線端末が該制御領域内の領域近傍にいることを判断する
無線端末位置判断ステップとを有することを特徴とする
無線通信方法を提供する。
【0018】また、本発明は、請求項1、2、4のいず
れか記載の無線通信システムを用いて行なわれる無線端
末の位置検出方法であって、前記無線基地局の制御領域
下で前記無線端末の検出を行い、前記発呼信号出力レベ
ル調整手段により該無線基地局の発信する発呼信号の出
力レベルを変更し、該無線基地局の制御領域を拡大ある
いは縮小してこの新しい制御領域下で再度前記無線端末
の検出を行うとともに、制御領域の一部が重複する複数
の無線基地局の発信する発呼信号の出力レベルを前記発
呼信号出力レベル調整手段により変更し、該複数の無線
基地局の制御領域を拡大あるいは縮小してこの複数の新
しい制御領域下で前記無線端末の検出を行うことを特徴
とする無線端末の位置検出方法を提供する。 また、本発
明は、請求項1記載の無線通信システムを用いて行なわ
れる無線端末の位置検出方法であって、前記端末移動速
度演算手段により、列上に隣接して設けられた3つの無
線基地局A,B,Cの制御領域を通過する無線端末の無
線基地局Aにおける移動速度がa、無線基地局Bにおけ
る移動速度がbであると算出されたとき、前記端末移動
位置予測手段により、無線基地局Cにおける該無線端末
の移動予測速度cを予め定められたa及びbの一次関数
により算出することで該無線端末の所定時間後の位置を
推定することを特徴とする無線端末の位置検出方法を提
供する。 例えば、この移動速度cを予測する一次関数と
しては、 c=(a+b)/2等が考えられる。
【0019】また、本発明においては、無線通信により
情報の授受を行う通信手段を具備する無線端末と通信回
路網とを中継し制御領域内に一定の出力レベルの発呼信
号を発信する無線基地局と接続される電話交換機と接続
し前記無線端末による通信に関するデータを処理する無
線通信システムのデータ処理装置を、前記電話交換機と
の信号の送受信を行う通信手段と、この通信手段への入
力信号を前記無線端末の位置及び通信状況に関する情報
に変換する端末情報処理手段と、該無線端末の位置情報
を時系列的に蓄積する端末情報保管手段と、前記無線基
地局より発信される発呼信号の出力レベルを変更する発
呼信号出力レベル調整手段と、この発呼信号出力レベル
調整手段によって前記無線基地局からの発呼信号の出力
レベルを変更し前記無線端末が制御領域内の領域境界の
近傍にいることを判断する無線端末の位置判断手段と、
前記端末情報保管手段に蓄積される前記無線端末の位置
情報に基づき該無線端末の移動速度を求める端末移動速
度演算手段と、前記端末移動速度演算手段の演算結果に
基き前記無線端末の将来の移動速度及び所定時間後の位
置を推定する端末移動位置予測手段と、前記端末情報処
理手段または前記端末情報保管手段あるいは前記端末移
動位置予測手段からの該無線端末の情報を出力する出力
手段として機能させるためのプログラムを記録したコン
ピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0020】また、本発明においては、無線通信により
情報の授受を行う通信手段を具備する無線端末と通信回
路網とを中継し制御領域内に一定の出力レベルの発呼信
号を発信する無線基地局と接続される電話交換機と接続
し前記無線端末による通信に関するデータを処理する無
線通信システムのデータ処理装置を、前記電話交換機と
の信号の送受信を行う通信手段と、この通信手段への入
力信号を前記無線端末の位置及び通信状況に関する情報
に変換する端末情報処理手段と、該無線端末の位置情報
を時系列的に蓄積する端末情報保管手段と、前記無線基
地局より発信される発呼信号の出力レベルを変更する発
呼信号出力レベル調整手段と、この発呼信号出力レベル
調整手段によって前記無線基地局からの発呼信号の出力
レベルを変更し前記無線端末が制御領域内の領域境界の
近傍にいることを判断する無線端末の位置判断手段と、
前記端末情報処理手段あるいは前記端末情報保管手段ま
たは前記端末移動位置予測手段からの該無線端末の情報
を出力するとともに、前記無線基地局の位置を地図情報
として画像表示しこの地図情報に重ねて該無線基地局の
制御領域内に位置する無線端末の位置情報を表示する出
力手段として機能させるためのプログラムを記録したコ
ンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明の第1の実施の形態に
ついて、図を参照して説明する。図1は本実施の形態に
かかる無線通信システムの概略系統ブロック図である。
無線端末4と通信回路網とを中継する無線基地局3が至
るところに設置され、また各無線基地局3と接続し制御
を行う構内電話交換機2が設置されている。この配置構
成は上記従来の技術で説明したものとほぼ同様である。
本実施の形態はこの電話交換機2と接続し無線端末4に
よる通信に関するデータの処理を行うデータ処理装置1
を配置している。無線端末4は、おもに端末保有者が情
報を入力する入力手段と、無線通信により情報の授受を
行う通信手段と、通信手段により受信した情報を出力す
る出力手段とから構成される。
【0022】またこの場合、無線端末位置検出を必要と
する施設のエリアが全て何れかの無線基地局3の制御領
域下にあるよう、すなわち死角となる場所が無いよう、
領域が複雑な形状をなす場合には無線基地局3を図3に
示すように至るところに配置するのが望ましい。
【0023】図2はこのデータ処理装置1のブロック図
である。データ処理装置1は電話交換機2との信号の送
受信を行う通信手段10と、この通信手段10に接続し通信
手段10に入力される信号を無線端末4の位置及び通信状
況に関する情報に変換する端末情報処理手段11と、この
端末情報処理手段11に接続し無線端末4の情報を時系列
的に蓄積する端末情報保管手段12と、この端末情報保管
手段12と接続し、端末情報に関する出力様式の指示等を
行うためのキーボード等の入力手段13と、この入力手段
13と端末情報処理手段11及び端末情報保管手段12と接続
し、入力手段13から入力される指示に基づいて、端末情
報処理手段11によるリアルタイムの端末情報あるいは端
末情報保管手段12による時系列的に蓄積された端末情報
を出力するディスプレイ等の出力手段14と、通信手段1
0、端末情報処理手段11及び入力手段13と連絡し無線基
地局3から発せられる発呼信号の出力レベルを複数段階
にわたって調整する発呼信号出力レベル調整手段15とか
ら構成される。
【0024】データ処理装置1の通信手段10及び電話交
換機2を介して、各無線基地局3から一定時間間隔で各
無線端末4に通話以外の目的の発呼を行う。すなわち、
無線端末4の位置を検出するため、各無線基地局3から
その制御領域内に一定時間間隔で発呼信号を発信する。
制御領域内にある無線端末4は無線基地局3からの発呼
信号を受信するとともに、発呼信号への応答が無線基地
局3へ伝えられる。
【0025】すなわちこの無線端末4は、無線基地局3
からの発呼信号を受信すると、自動的につまり無線端末
4の使用者の指示入力によらずに、直ちに応答信号を無
線基地局3に発信する。無線端末4はこの応答信号によ
り、無線端末4の番号を無線基地局3に通知する。
【0026】無線基地局3がこの応答信号を受信するこ
とにより、無線基地局3に特定の無線端末4が制御領域
内にあるという情報が、無線基地局3より電話交換機2
及びデータ処理装置1の通信手段10を介して、データ処
理装置1の端末情報処理手段11へと通知される。端末情
報処理手段11では、通知された情報により、通知時刻
と、どの無線端末4がどの無線基地局3の制御監視下に
あるかという情報を対応付ける。
【0027】また、各無線端末4がそれぞれどの無線基
地局3の制御領域内にあるかという情報が、一定時間間
隔をおいてデータ処理装置1内に逐次蓄積される。デー
タ処理装置1において一定時間間隔をおいて端末情報処
理手段11へ伝えられる無線端末の位置情報は、端末情報
処理手段11による処理を経て、時刻と各無線端末4の番
号と各無線基地局3の設置場所とを対応付けられてデー
タ化され、ある時刻における全ての無線端末4の位置情
報として端末情報保管手段12に送られる。端末情報保管
手段12には一定時間間隔をおいて逐次無線端末の位置情
報が送られ、端末の時系列的な移動履歴が作成され蓄積
される。
【0028】入力手段13によりデータ処理装置1に対し
て出力要求を行うことにより、無線基地局レベルでの無
線端末4の位置情報として以下の情報が出力手段14に出
力される。 [1] 無線端末4の最新の位置情報 [2] 特定の無線端末4の過去の位置情報履歴 [3] 特定の無線基地局3の制御領域内にある無線端
末4の番号 以下これらの位置情報の出力例を図を参照して説明す
る。以下一例としてこの無線通信システムの無線基地局
をプラントの建屋内の各施設に設置した場合を考える。
【0029】上記[1]は、端末情報処理手段11におけ
る処理結果を出力手段14にリアルタイムで表示するもの
である。図3にこの場合の出力例を示す。入力手段13に
位置検出の対象となる無線端末4の番号を入力する(S
1)。データ処理装置1の通信手段10を介して、電話交
換機2より対応する無線端末4の出力要求時の位置を検
出し、データ処理装置1の端末情報処理手段11により該
無線端末の位置情報を得るが、この情報を即時に出力手
段14の画面の地図上にグラフィック表示する(D1)。
すなわち画面上には該無線端末4のおよその位置、すな
わち該無線端末4を現時点で制御している無線基地局3
の位置あるいは制御領域(エリア)が、2次元的に示さ
れる。このとき画面上にはプラント内の現在位置(建屋
やフロア)、方位、該無線端末の番号等の位置情報が併
せて示される。
【0030】上記[2]は、端末情報処理手段11による
処理結果及び端末情報保管手段12における端末位置情報
の履歴を出力手段14に表示するものである。図4にこの
場合の出力例を示す。入力手段13からの特定の無線端末
4の番号の入力(S2)に対し、対応する無線端末4の
出力要求時の位置及び位置情報の履歴を、出力手段14の
画面の地図上にグラフィック表示する(D2)。
【0031】すなわち、画面上には該無線端末4の最新
のおよその位置、すなわち該無線端末4を現時点で制御
している無線基地局3の位置あるいは制御領域と、該無
線端末4がそこに至るまでの過去の経路すなわち該無線
端末を過去制御していた無線基地局の位置あるいは制御
領域が2次元的に示され、経路が矢印で図示される。過
去の位置についてはその時刻が併せて表示され、最新の
位置までに至るおよその経路を知ることができる。な
お、このとき画面上にはプラント内の現在位置(建屋や
フロア)、方位、該無線端末の番号等の位置情報が併せ
て表示される。
【0032】また必要に応じて画面を切り替えるかある
いは出力D2と併せて、出力手段14には、該無線端末の
位置情報履歴が、時系列的に蓄積される位置情報データ
として、時刻と場所の対応づけられたものがテキスト形
式で表示される(D3)。
【0033】上記[3]は端末情報処理手段11における
処理結果として特定のエリアでの最新の無線端末4の位
置情報を表示するものである。図5にこの場合の出力例
を示す。入力手段13に位置検出の対象となるエリア情報
を入力する(S3)。これに基き出力手段14の画面上に
エリアの地図が表示され、同時にこのエリア内に配置さ
れた無線基地局3の位置が示される。各無線基地局3に
対応して現時点で該無線基地局3の制御下にある無線端
末4の番号が併せて表示される(D4)。このとき画面
上にはプラント内の現在位置(建屋やフロア)、方位等
の位置情報が併せて示される。
【0034】なお、出力手段14の出力形式としては、上
記[1][2][3]に限定されず、これらを変形ある
いは複合したものも考慮されることはいうまでもない。
また、施設の出入口など無線端末の移動速度の速い場所
あるいは多くの無線端末が通過あるいは滞在する場所に
おいては、より正確に無線端末位置を検出するため、必
要に応じ上記無線基地局3の設置台数を増やしその設置
間隔を小さくすることとする。このとき併せて、各無線
基地局3から出力される発呼信号の送信出力を小さくす
ることで、各無線基地局3の制御領域を小さく設定する
ことも考えられる。
【0035】無線基地局3から発せられる発呼信号の出
力レベルを下げると、それだけ制御基地局3の制御領域
半径が小さくなり、制御領域の外周付近にいる無線端末
4は制御不可能となる。このことを利用し、必要に応じ
て発呼信号の出力レベルを調節し、無線基地局3と無線
端末4とのおよその距離を検出する。
【0036】発呼信号出力レベル調整手段15における発
呼信号の送信出力の調整の原理について、図6及び図7
を基に概略を例示する。説明のため図6には、無線基地
局3の制御領域下にある無線端末4を示し、この無線端
末が通路上のa地点からb、c地点へ移動する場合を考
える。図7は、この際の出力レベルの変更及び無線端末
4の位置認識の手順を示したフローチャートである。
【0037】まず無線端末4がa地点にあるとき、無線
基地局3からの発呼信号に対して無線端末4から出され
る応答信号を受信することにより、データ処理装置1の
出力手段14から、無線端末4が無線基地局3の制御領域
R1の内部にあるという情報が出力される(S4)。こ
のとき、無線端末4 の更なる詳細な位置を検出するた
め、発呼信号出力レベル調整手段15によって無線基地局
からの発呼信号の出力レベルを下げ、制御領域R1をR
2に狭める(S5)。このとき、a地点は制御領域R2
外にあるからa地点にいる無線端末4 は検出されない。
つまり、無線端末4は制御領域R1内でかつ制御領域R
2外にある、すなわち制御領域R1内の領域境界の近く
にいることがわかる(S6)。
【0038】無線端末4の所有者の通路を図中矢印で示
す。無線端末4がb地点にある場合、発呼信号出力レベ
ルを下げて制御領域をR1からR2に狭めた場合でも、
なお無線端末は制御領域R2内にいることがわかる。こ
のとき、さらに出力レベルを下げて制御領域をR2から
R3に狭める(S7)。これにより無線端末4は制御領
域R2内でかつ制御領域R3外にある、すなわち制御領
域R2内の領域公開の近くにいることがわかる(S
8)。また同様の出力レベル切替により、無線端末4が
c地点にある場合は、無線端末4が制御領域R3内にあ
ることがわかる(S9)。
【0039】こうして、無線基地局3からの発呼信号の
出力レベルを、数段階にわたり切替えることで、無線基
地局3と無線端末4とのおおよその距離を知ることがで
きる。
【0040】本実施の形態における無線端末の位置検出
方法についてのもう一つの例を、図8を基に説明する。
複数の無線基地局が配置された広いエリアにおいては、
各無線基地局に対して発呼信号の出力レベルの切替えを
行い、各無線基地局のエリア情報を重ねることにより、
無線端末の詳細な位置を検出する。図8には3つの無線
基地局3−1,3−2,3−3が制御領域の一部を共有
している場合について示した。
【0041】例えば、無線基地局3−1の発呼信号の出
力レベルを切替えて制御領域をR11からR12,R1
3に狭めることにより、制御領域R12内でかつR13
外に無線端末4があると検出されたとする。この検出と
同時に、この無線基地局3−1に隣接する無線基地局3
−2,3−3についても、それぞれ発呼信号を発信し、
必要ならば適宜その出力レベルを切替えることにより、
この無線端末4の位置をより詳細に検出する。これによ
り、無線基地局3−3の制御領域下にあることがわかれ
ば、この無線端末4は図中斜線で示した領域Aにいるこ
とがわかる。
【0042】同様に、例えば無線端末4が、無線基地局
3−2により制御領域R21内でかつR22外にあり、
無線基地局3−3により制御領域R31内でかつR32
外にあることがわかり、かつ無線基地局3−1では検出
されない(制御領域R11外にある)場合には、無線基
地局4は図中斜線で示した領域B内にいることがわか
る。こうして複数の無線基地局の発呼信号の出力レベル
を切替えて位置検出を行うことで、より正確に無線端末
のいる位置を知ることができる。
【0043】なおこのとき、無線基地局及びその出力レ
ベルの切替えによる複数の制御領域については、上述の
検出方法を用いた無線情報処理手段11の処理結果を、出
力手段14に、例えば図8に示すような図を、複数の制御
領域とともにグラフィック表示することとするのが好適
である。出力手段14としてディスプレイ装置を用いてこ
の処理結果を随時表示更新を行うことにより、リアルタ
イムで無線端末の位置を容易にかつ詳細に知ることがで
きる。
【0044】なお、図6及び図8では発呼信号の出力レ
ベルを3種類とした場合の例を説明したが、本実施の形
態においては出力レベルをより多種類とし順次レベル切
替を行うことで、無線端末4のより詳細な位置を検出す
ることが可能である。
【0045】また、本実施の形態における無線基地局3
としては、図9(b)に示すようなダイバシティ方式に
よるものを用いてより精度よく位置検出を行う構成とす
るのが好適である。無線基地局3は、通常は図9(a)
に示すように、発呼信号の発信を行うアンテナ5を1つ
有し、そのアンテナ5を中心とする円状の制御領域Rを
有するものである。この無線基地局3に代えて、図9
(b)に示した、発呼信号の発信を行う2つのアンテナ
5a,5bを有するダイバシティ方式の無線基地局6を
設置する。各アンテナ5a,5bに対する制御領域を其
々Ra,Rbで表示する。
【0046】この無線基地局6においては、無線端末4
が制御領域RaとRbの和集合領域下にあるときは、ど
ちらのアンテナにより無線端末4と交信を行っているか
を、電話交換機2及びデータ処理装置1の通信手段10を
介してデータ処理装置1の端末情報処理手段11により検
出する。これにより無線端末4のより詳細な位置情報が
得られる。さらに、無線端末4が移動した際には例えば
交信するアンテナがアンテナ26aからアンテナ26bに変
化した場合には、無線端末4のおよその移動方向を検出
することができる。
【0047】また、本実施の形態においては、制御領域
がほぼ円状となる場合を想定するが、複数のアンテナを
有する無線基地局のアンテナに指向性をもたせること
で、制御領域をほぼ楕円状として、非放射状に位置検出
を行うことも考えられる。図10はこの楕円状の制御領
域を有する無線基地局7 の概略を示す上面図である。
【0048】この無線基地局7は指向性をもつ複数のア
ンテナ5a,5b,5c,5dを有している。従来の無
線基地局として使用した場合の円状の制御領域をRaで
示す。また、アンテナ5a,5b,5c,5dからは特
定の方向に対して発呼信号が発信されるよう設定されて
おり、無線基地局7の制御領域Rcは、ほぼ楕円形の形
状となる。また、この楕円状の制御領域を、発呼信号出
力レベル変更手段によって数段階に変更し無線端末の位
置検出を行うことで、位置検出の精度を高めることがで
きる。
【0049】またこの無線基地局7に対して、図示しな
い無線基地局方向変更手段を設け、必要に応じて無線基
地局7を回転させ、従来の円状の制御領域Ra上を楕円
状の制御領域Rcが周回する構成としてもよい。この場
合、無線端末を検出した方向において楕円状の制御領域
を数段階に変更することで、位置検出を早期にかつ精度
良く行うことができる。
【0050】(第2の実施の形態)以下、本発明の第2
の実施の形態について説明する。上記第1の実施の形態
と同一の構成については同一符号を付し詳細な説明を省
略する。本実施の形態は、上記第1の実施の形態にかか
る無線通信システムにおいて、無線端末の移動速度を求
めこの結果無線端末の詳細な位置を予測するものであ
る。図11は本実施の形態にかかる無線通信システムのデ
ータ処理装置のブロック図である。
【0051】本実施の形態におけるデータ処理装置101
は、通信手段10、端末情報処理手段11、端末情報保管手
段12、入力手段13及び出力手段14に加えて、端末情報処
理手段11及び端末情報保管手段12からの無線端末4の移
動履歴に関する情報から無線端末4の移動速度を求める
端末移動速度演算手段16と、この端末移動速度演算手段
16の処理結果に基き将来の端末移動速度及び特定時刻に
おける端末移動位置を推定する端末移動位置予測手段17
とを具備する。また、端末移動速度演算手段16及び端
末移動位置予測手段17の処理結果は出力手段14により
出力される。
【0052】端末移動速度演算手段16における速度演算
の原理について、図12を基に概略を例示する。説明のた
めここには無線基地局を3つのみ示し、無線基地局3
a,3b,3cのうち無線基地局3aは施設の出入口付
近に設置されるものとする。図中矢印が通路すなわち特
定の無線端末4の移動履歴を示す。
【0053】図12においては、各無線基地局3−1,3
−2,3−3の制御領域下にある通路の距離をそれぞれ
記号d1 ,d2 ,d3 で示している。通信手段10及び電
話交換機2を介し一定時間間隔で発呼信号を発し無線端
末4の位置を検出し、端末情報処理手段11において処理
を行うことにより端末情報保管手段12に無線端末4の位
置履歴を蓄積する。この情報には、無線端末4がある無
線基地局3の制御領域下から別の無線基地局の制御領域
下に移動した時刻の情報が含まれる。この時刻情報に基
き、端末移動距離演算手段15において各無線基地局3−
1,3−2,3−3の制御領域下にあった時間t1 ,t
2 ,t3 を算出する。これにより各無線基地局3−1,
3−2,3−3における移動速度はそれぞれ d1 /t1 , d2 /t2 , d3 /t3 と概算できる。これにより無線端末4の所有者の現時点
での移動速度を把握することができる。
【0054】さらに、端末移動距離演算手段15において
求められた上記各無線基地局における移動速度を基に、
端末動向予測手段16により、無線基地局3cに隣接し通
路に順に配置される無線基地局3−4,3−5,…(図
示せず)における無線端末4の移動速度を推定する。す
なわち、例えば上記移動速度列 d1 /t1 , d2 /t2 , d3 /t3 を、等差数列等の隣接項間で特有の関係を有する数列と
仮定し、数値演算により無線基地局3−4,…における
無線端末4の推定移動速度を求める。あるいは単純に無
線基地局3−4の推定移動速度を無線基地局3−3にお
いて演算により求められた移動速度と推定してもよい。
また、無線基地局3−4の推定移動速度をその前方の2
つの無線基地局3−2,3−3の移動速度の平均とし、
以下帰納的に各無線基地局における推定移動速度を演算
する方法もある。
【0055】すなわち、列上に隣接して設けられた3つ
の無線基地局A,B,Cの制御領域を通過する無線端末
の無線基地局Aにおける移動速度がa、無線基地局Bに
おける移動速度がbであると算出されたとき、端末移動
速度予測手段16により、無線基地局Cにおける該無線端
末の移動予測速度cを予め定められたa及びbの一次関
数により算出することで該無線端末の所定時間後の位置
を推定する。この一次関数とは、例えば以下の何れかを
用いるのが好適である。 ・(平均値) c=(a+b)/2 ・(等差数列) c=a+2(b−a)=2b−a またさらに、無線基地局3−4,3−5,…の予測移動
速度によって、無線基地局3−5,3−6,…の制御領
域に達する予測時刻を求めることもできる。この演算を
帰納的に行うことにより、現在地点に十分近い通路上の
任意の地点に無線端末4の所有者が到達する時刻を推定
することが可能となる。
【0056】(第3の実施の形態)以下本発明の第3の
実施の形態について説明する。上記第1または第2の実
施の形態と同一の構成については同一符号を付し詳細な
説明を省略する。本実施の形態は、上記第1の実施の形
態を上記第2の実施の形態と組み合わせて行うことによ
り、無線基地局3から制御領域内に位置する無線端末4
に対する発呼信号の出力レベルを切替え、かつ移動中の
無線端末4の位置検出を行うことで、無線端末4の位置
検出の精度を上げることができるとともに、かかる詳細
な位置情報に基づき無線端末4の移動速度をより正確に
求めるものである。図13は本実施の形態にかかるデータ
処理装置102 のブロック図である。
【0057】図14は本実施の形態におけるデータ処理装
置102 内での処理演算の方法の一例を時系列で示したフ
ローチャートである。例えば、データ処理装置102 にお
いて、端末移動速度演算手段16あるいは端末移動位置予
測手段17によって求められた無線端末4の今後の移動速
度あるいは移動位置等の予測値と、現実の無線端末4の
状況とが合致しない場合に第1の実施の形態を適用し、
制御領域の変更を行い、より詳細に無線端末4の位置検
出を行うこととする。
【0058】無線端末4がある特定の地点に予想時刻に
なっても到達しないとき、あるいは予想時刻を超過して
も無線端末4がある特定の無線基地局3の制御領域内か
らそれに隣接する無線基地局の制御領域内に移動しない
ときには、無線端末4が停止しているか、あるいは位置
の変動が小さいものと推定される。例えば、図14に示し
た処理方法によれば、端末移動位置予測手段17における
演算によって無線端末4がある位置Pに時刻Tに到達す
るものと予測したとき(S10)、演算後から時刻Tから
予め設定された一定時間t0 が経過した後までの時間
に、位置Pにおいて無線端末4が全く検出されなかった
場合、無線端末4の位置をより詳細に検出するために、
発呼信号出力レベル変更手段15により無線基地局3から
発信される発呼信号の出力すなわち制御領域を変更する
(S11)。
【0059】あるいは、端末移動速度演算手段16あるい
は端末移動位置予測手段17の出力結果と、端末情報処理
手段11におけるリアルタイム処理結果との差を監視し、
この偏差が一定値を超えたときに、発呼信号出力レベル
調整手段15によって出力レベルを変更して、無線端末4
の詳細な位置を検出する構成としてもよい。
【0060】この方法により、上記第2の実施の形態と
同様の作用効果が得られるとともに、特に無線端末の位
置変動が小さい場合において推定速度と実際の移動速度
との誤差を減じることにより、より正確に無線端末の位
置を検出しかつ予測することができる。
【0061】(第4の実施の形態)以下本発明の第4の
実施の形態について説明する。上記第1または第2の実
施の形態と同一の構成については同一符号を付し詳細な
説明を省略する。本実施の形態は、上記第1の実施の形
態にかかる無線通信システムをプラントなどの作業を必
要とする領域に適用し、無線端末の位置検出と作業情報
の管理を併せて行うものである。図15は本実施の形態に
かかるデータ処理装置103 及び電話交換機2、無線基地
局3と無線端末20からなる無線通信システムのブロック
図である。
【0062】本実施の形態は、無線端末20を所有する作
業員が作業領域内を移動して作業を行い、また作業領域
と離れた制御室等において監視員が作業状況を監視する
場合を想定する。
【0063】本実施の形態におけるデータ処理装置103
は、上記第1の実施の形態における図2に示したデータ
処理装置1を構成する各手段に加えて、通信手段10及び
入力手段13と接続して設けられ、作業の予定工程及び実
際の工程を時系列的データとして保存する作業情報保管
手段18を備えてなるものである。また、無線端末20は、
発呼信号等を受信し応答信号等を発信する通信手段21
と、通信状況等を出力する例えば液晶ディスプレイから
構成される出力手段22と、この通信手段21及び出力手段
22と接続し無線端末20の保有者が作業情報を入力する情
報入力手段23を具備している。
【0064】この情報入力手段23としては、従来用いら
れている通話を行う無線端末の通話番号を入力するボタ
ン形式のものや、携帯型のコンピュータにおけるキーボ
ードやマウス、ポインティングデバイスのうちの何れか
あるいはそれらの組合せからなるもの等を想定し、その
入力手段の形式は特に限定されない。また、タッチスク
リーン式で画面上で情報入力手段23と出力手段22とを兼
ねた形式とすることも可能である。
【0065】図16は本実施の形態にかかる無線通信シス
テムでの、無線端末の位置検出あるいは作業情報の提供
を行う工程を時系列で示したフローチャートである。こ
のチャートに基き、以下本実施の形態の作用について説
明する。
【0066】作業に先立ち、予めデータ処理装置103 の
入力手段10に、作業場所及び時刻、工程順序、作業内容
等の作業予定工程を入力し、作業情報保管手段18に作業
情報データとして保存しておく(S12)。作業員が最初
の作業予定場所へ到達すると、作業端末4の位置を無線
基地局3を介して検出し、その結果が端末情報処理手段
11を介し、作業場所への到達が完了した旨の情報が、デ
ータ処理装置103 の出力手段14に出力される(S13)。
【0067】次に、制御室側のデータ処理装置103 の入
力手段13からの、携帯端末20側に作業情報を送信する旨
の指令が入力されると(S14)、あるいは作業場所に到
着した作業員により無線端末20の情報入力手段23を介し
て作業情報を要求する旨の指令が入力される(S15)
と、これに伴い、データ処理装置103 内の作業情報保管
手段18上から無線端末20に向けて作業情報データが転送
される。これにより、端末情報保管手段18内の作業情報
が無線端末20の出力手段22上に出力され、作業員に通知
される(S16)。なお、この際の指令とは、作業情報デ
ータのうちの作業時刻、工程順序、作業内容等の作業予
定工程のうちの少なくとも一つの出力を要求するもので
あり、この指令に基き無線端末20の出力手段22上には、
作業工程データが、テキスト、音声、グラフィックもし
くはこれらを組合せた形式により出力される。
【0068】こうして無線端末20に出力された作業情報
に基き、作業員が作業を遂行することができる(S1
7)。また、作業中には、例えば作業領域における温度
などの作業条件や、領域内に配置された機器に関する計
測すべきデータなど、作業の遂行に伴い保存すべき情報
が生じる場合がある。このときは、作業員が無線端末20
の情報入力手段23により入力し、データ処理装置103 を
介して作業情報の出力指令を制御室側に伝えることとす
るのが好適である。あるいは、計測機器によるデータ検
出であれば、測定機器と無線端末20とを接続することに
よってデータ転送を行うことも考えられる。
【0069】作業が終了すると、作業員はその旨を無線
端末の作業情報入力手段23を介して制御室側に通知す
る。データ処理装置103 の出力手段14により作業終了の
旨が出力されるが、以後に連続して作業場所あるいは内
容を変更して作業を行う場合には、次の作業工程に関す
る情報が同様に無線端末20に送信される。
【0070】本実施の形態により、無線端末20により作
業工程に関する情報に作業場所から容易にアクセスする
ことができるから、作業の効率と正確さを向上させるこ
とができる。
【0071】なお、本実施の形態においては、無線端末
20の位置検出によって作業員が作業場所に到達したこと
をデータ処理装置103 側で検出した後に、この作業に関
する情報を、データ処理装置103 の端末情報保管手段18
から無線端末20に向けて自動的に送信するように設定す
ることも可能である。これによれば、制御室側で制御を
行うオペレータの労力を軽減することができる。
【0072】(第5の実施の形態)以下本発明の第5の
実施の形態について説明する。上記第1の実施の形態と
同一の構成については同一符号を付し詳細な説明を省略
する。本実施の形態は、上記第1の実施の形態にかかる
無線通信システムを、プラント内の作業に適用したもの
である。すなわち、プラントの作業現場における無線端
末と、プラントの制御室に設けられ過去の作業履歴に基
く作業情報に関する各種データベースを有する作業情報
保管手段(システムコントローラ)を具備するデータ処
理装置と、これらを連絡する通信手段とから構成され、
制御室側に設置されたデータ処理装置と作業現場で作業
員が携帯する無線端末との間で各種の情報を送受信する
構成を有するものであり、また、無線端末の位置検出と
作業情報の管理及び作業場所のナビゲーションを併せて
行うものである。
【0073】図17は本実施の形態にかかる無線通信シス
テムのブロック図である。本実施の形態は、無線端末を
所有する作業員が領域内を移動して作業を行い、また作
業領域と離れた制御室等においてオペレータが作業状況
を監視する場合を想定しており、作業領域には監視カメ
ラ8が設置される。なお、図17においては作業領域を破
線で示している。監視カメラ8は固定撮像手段として作
業領域内に固定して配置されており、データ転送装置10
5 に接続し、このデータ転送装置105 はデータ処理装置
104 の通信手段10と接続している。
【0074】本実施の形態における無線端末30は、通信
手段21、出力手段22、情報入力手段23に加えて、作業状
況を撮像し制御室側へ送る画像取込用のカメラユニット
24を具備している。カメラユニット24は無線端末の近傍
を局所的に撮像する局所撮像手段として機能する。ま
た、作業領域において温度や圧力、放射線濃度等の必要
なプロセス量を測定するための作業用測定機器25を、必
要に応じて情報入力手段23に接続することとする。例え
ば制御領域内に設けられた機器の抵抗を調べる場合に
は、作業用測定機器25として抵抗測定器を用い、これを
情報入力手段23に接続し、測定値を通信手段21を介して
無線通信によりデータ処理装置104 の端末情報処理手段
11へ転送することとする。
【0075】図18に無線端末30の一例の正面図を示し
た。この無線端末30−1は情報入力手段23及び出力手段
22を兼用するタッチパネル方式の液晶画面26を使用した
ものである。また通信手段21としてはPHS端末のアン
テナ21aを用いている。またカメラユニット24が無線端
末30本体に付属している。作業用測定機器25と無線端末
30とはケーブル27により接続される。
【0076】また、図19に無線端末30の他の一例の斜視
図を示した。この無線端末30−2はヘルメットタイプの
ものであり、作業員が装着するヘルメット帽体41の内部
に無線端末の各機能を内蔵してなるものである。ヘルメ
ット帽体41には無線基地局3との通信を行う通信手段と
してのアンテナ21aが付属しており、また透過方式のヘ
ッドアップ・ディスプレイ42上に情報が表示され、ヘル
メットを装着した作業員へ情報を伝える。作業員からの
情報の入力は図示しない入力リモコンによって行うもの
とするが、あるいはヘッドアップ・ディスプレイ42に視
線入力技術を適用して、ディスプレイ42上に複数の入力
命令の項目を表示し、視線で入力命令の項目の表示部を
一定時間注視し視線を止めることにより、一部の機能を
動作させるよう設定してもよい。またこのディスプレイ
42はヘッドマウント・ディスプレイとしてもよい。
【0077】ヘルメット帽体41の頂部には画像取込用の
カメラユニット24が内蔵され、無線通信により制御室側
へ作業映像を送信する。ヘルメット帽体41にはの耳あて
部分にはスピーカ42が設けられ、またフレキシブル・ア
ーム43を介して音声入力マイク44a及び周囲音響取込用
マイク44bが設けられ、無線通信により制御室と作業領
域の間における通話を行う。なお、作業員は音声入力マ
イク44aに声を入力するが、周囲音響取込マイク38は作
業員の声以外に音声入力マイク37に入った雑音を逆位相
をかけて除去して作業員の音声のみを抽出するために、
周囲の雑音を取り込むためのものである。
【0078】このヘルメットタイプの携帯端末30−2に
よれば、作業員が作業中に両手が塞がっていても、作業
を妨げることなく制御室との双方向通信を行うことがで
きる。
【0079】なお、図18及び図19に示した以外にも、無
線端末30として、例えば、小型の可搬型コンピュータに
PHS等の通信機器及びCCDあるいはCMOSによる
小型のカメラを接続した構成が考えられる。
【0080】本実施の形態におけるデータ処理装置104
は、通信手段10、端末情報処理手段11、端末情報保管手
段12、入力手段13及び出力手段14、に加えて、通信手段
10と接続し監視カメラ8の映像信号を受信する画像情報
処理手段31と、画像情報処理手段31と連絡し画像情報の
蓄積を行う画像情報保管手段32とを具備する。また本実
施の形態では、出力手段14として、少なくともディスプ
レイまたはプリンタ等の画像の出力を行う手段を含むも
のとする。
【0081】画像情報処理手段31は端末情報処理手段11
と接続し、無線端末4の位置情報とともに出力手段14上
に監視カメラ8からの画像情報を出力するものとする。
制御室側のプラント情報を管理する手段を有するシステ
ムコントローラとしてこのデータ処理装置104 を適用
し、プラント情報を保管・蓄積する手段(データベース
サーバ)としては、無線端末20の位置履歴に関する端末
情報保管手段12、作業工程に関する作業情報保管手段18
に加えて、監視カメラ8による作業領域の映像に関する
画像情報保管手段32の3手段を具備する。
【0082】作業領域に設けられた監視カメラ8の映像
信号は、データ転送装置105 と、データ処理装置104 の
画像情報処理手段31を介して、データ処理装置104 の出
力手段14上に出力される。これにより制御室側で作業領
域の映像をほぼリアルタイムで監視することができる。
また、監視カメラ8の映像のうち少なくとも一部は、デ
ータ転送手段105 からデータ処理装置104 の画像情報処
理手段34を介して、画像情報保管手段32に蓄積される。
データ処理装置104 の入力手段13により画像出力要求が
あった場合、画像情報保管手段32に蓄積された画像のな
かから、要求のあった時刻及び場所に適応した画像情報
が選択され、出力手段14上に出力される。
【0083】また、データ処理装置104 の画像情報保管
手段32には、監視カメラ8からの画像に加えて、無線端
末30の画像取込み用のカメラユニット24から取得される
画像データが、通信手段21、無線基地局3、電話交換機
2及びデータ処理装置104 の通信手段10を介して送信さ
れる。カメラユニット24からの映像は、無線端末30の所
有者が撮像し、無線通信によって制御室側に転送され
る。
【0084】また、プラント内のフロアや機器配置に関
する位置情報あるいは作業手順や緊急時対応手順等の情
報が、テキストデータ、音声データあるいは画像データ
として作業情報保管手段18内に蓄積されている。
【0085】本実施の形態における無線通信システムの
有する各種機能について、以下説明する。図20は制御室
側から無線端末30を介して作業員に移動経路のナビゲー
ションを行う手順を示すチャートである。また図21は、
本実施の形態における無線端末30の出力手段22画面及び
制御室側のデータ処理装置9の出力手段14画面の表示内
容及び表示例を示すチャートである。なお、無線端末30
を所有する作業員の動作及び制御室側の監視員の動作を
図中太い矢印で示している。
【0086】作業予定建屋内に作業員が入ると、無線端
末30は何れかの無線基地局3の制御領域下に入る。この
ときデータ処理装置104 において、以下詳述するナビゲ
ーションモードを起動する(S18)。まず無線端末30の
位置を検出する(S19)。この際、必要ならば上記第1
の実施の形態で詳述した方法により、データ処理装置10
4 の発呼信号出力レベル調整手段15により無線基地局3
の制御領域を変更し、無線端末30の位置を更に詳細に検
出する。
【0087】プラント及びそこにおける作業に関する情
報を蓄積した作業情報保管手段18内に蓄積された情報の
うち、作業予定工程とプラント内の機器の配置に関する
情報を基にして、端末情報処理手段11により、無線端末
30の現在の検出位置から目的地(作業予定現場)へ至る
経路を探索する(S20)。
【0088】その探索結果として経路が無線端末30の出
力手段22上にグラフィック表示される(C1、S22)。
この表示を見て無線端末30を所有する作業員は作業予定
地点へ移動する。
【0089】移動経路のナビゲーションは、図20に示す
ように、グラフィック表示によるものの他に音声情報に
よるもの(S21)を選択してもよい。この場合、プラン
ト情報保管手段32内に蓄積されたプラント内配置に関す
る音声情報を、無線端末30の通信手段21により作業員に
伝達するものとする。あるいはこのグラフィック及び音
声を併用してナビゲーションを行うことも考えられる。
何れの場合も、作業予定地点への移動に際しては、無線
端末30の位置変化に基いて、所定のポイント毎に音声情
報を通知する(S23)かあるいはグラフィック表示を切
替える(S24)こととする。また、無線端末30を所有す
る作業員の位置は、上記第1の実施の形態と同様、デー
タ処理装置104 の端末情報処理手段11で検出され、出力
手段14画面上に出力される。
【0090】無線端末4の位置は逐次検出されているか
ら、ナビゲーションを利用して作業員が目的地(作業予
定地点)に到達すると、データ処理装置104 側で、到達
したことを認識することができる(S25)。これにより
ナビゲーションモードを終了する(S19)とともに、作
業情報保管手段18に蓄積された作業予定工程に関する情
報が表示される(S27、C2)。図21のC2において
は、例としてバルブの点検作業についてその作業項目を
示した。
【0091】一方、制御室側のデータ処理装置104 の出
力手段14の画面上には、作業現場の映像が、監視カメラ
8からデータ転送装置105 及び画像情報処理手段31を介
して表示される(S28、C3)。あるいは、無線端末30
のカメラユニット24からの画像データが、無線通信によ
って無線基地局3及び画像情報処理手段31を介して表示
される。
【0092】作業員は、作業予定工程の各項目の作業が
完了した時点で、情報入力手段23により項目完了を入力
する。図21では「OK」が作業完了を示している。この
入力により、データ処理装置104 の端末情報処理手段11
を介して、制御室側で作業の進行状況を容易に知ること
ができる。
【0093】また、制御室側のオペレータは、必要に応
じて作業情報保管手段18に蓄積されたプラント内の作業
工程に関する画像情報あるいはテキスト情報を編集し、
通信手段10及び無線基地局3を介して無線端末30の出力
手段22の画面上に表示する(S29、C4)。図21のC4
では、例としてバルブの組み付けの順序を可視化した画
像情報を示している。無線端末30をもつ作業員は、この
情報を参照しつつ作業を効率的かつ確実に行うことがで
きる。
【0094】作業が終了すると、作業員は、無線端末30
の情報入力手段23により、作業終了を入力する。これに
よりデータ処理装置104 の出力手段14に作業終了の表示
がされる(S30)。また作業終了に伴い、再びナビゲー
ションモードが起動し、無線端末30の出力手段22画面上
に、次の移動地点への経路をグラフィック表示する(S
31)。これにより、出口への誘導あるいは次の作業予定
地点への誘導を行う。
【0095】本実施の形態によれば、無線の位置検出結
果を利用して作業を進め、かつ制御室側と作業現場側と
で映像データの双方向通信を行うことにより、作業の正
確性及び効率をより向上させることができる。
【0096】なお、本実施の形態は第1の実施の形態を
プラント内での情報通信に適用したものであるが、上記
第2乃至第4の実施の形態においても、同様にプラント
内での情報通信に適用することができることはいうまで
もない。
【0097】(第6の実施の形態)以下本発明の第6の
実施の形態について説明する。本実施の形態は、上記第
5の実施の形態にかかる無線通信システムを用いて作業
員がプラント内で作業を行っているとき、プラント内に
何らかの緊急事態が発生した場合に、無線通信により作
業員に対処の指示を行う機能を有する無線通信システム
に関するものである。本実施の形態にかかる無線通信シ
ステムの構成は、第5の実施の形態として図17に示した
構成とほぼ同じものであるので、その構成要素の説明は
省略する。
【0098】図22は本実施の形態における緊急時の対処
の指示の伝達系統を示すチャートである。プラント内に
事故等の緊急事態が発生した場合には、以下詳述する緊
急時モードが適用される。緊急時モードの適用は以下の
3つの場合のいずれかにより行なわれる。<1> 制御
室側で異常を検出したオペレータが、データ処理装置10
4 の入力手段13を介して緊急時モードの適用指令を入力
した場合。<2> プラント内の温度や圧力等の各種パ
ラメータが、予め定められた所定許容範囲を逸脱した場
合。各種パラメータは制御室側に設けられたプラント内
パラメータ監視手段(図示せず)によって常時監視さ
れ、このプラント監視手段が許容範囲の逸脱を検出した
場合には、自動的に緊急時モードが作動する。<3>
プラント内の作業員が何らかの異常発生を確認したとき
に、無線端末30の入力手段21を介して緊急時モードの適
用指令を入力した場合。
【0099】以下、データ処理装置104 による緊急時モ
ードについて、図22を参照して、上記3つの何れかの方
法により緊急時モードが適用された場合について説明す
る。まず、図17に示したデータ処理装置104 の作業情報
保管手段18内に蓄積されたプラント内のフロア・機器等
の位置に関する情報を基に、プラント内の異常地点を特
定する(S32)。例えば、プラント内の特定フロアの温
度が異常上昇した場合には、このフロアに配置された発
熱源となりうる機器の配置状況を、データ処理装置104
の出力手段14画面上にグラフィック表示する。この表示
に基き制御室側では、オペレータが温度上昇の原因を特
定する。
【0100】こうして異常発生原因が特定されると、次
に、制御室側のオペレータは、検出された異常が作業員
による簡単な作業で回避可能なものであるか、あるいは
作業員全員の避難が必要かを判断する(S33)。前者の
場合はデータ処理装置104 及び無線端末30により無線通
信による異常対応作業の支援を開始し、また後者の場合
は無線通信による避難誘導の支援を開始する。
【0101】第一に、作業により異常作業の解除が可能
と判断したときに、作業員に対して異常対策作業の支援
を行う場合について説明する。異常発生原因のある地点
に最も近い位置にいる無線端末30を探索して連絡を行う
(S34)。具体的には、データ処理装置104 の作業情報
保管手段18により、異常発生地点を制御領域に含むよう
な無線基地局3及びその周辺に位置する無線基地局3を
特定し、これらの無線基地局3から発呼信号を発信する
ことで、異常発生地点に近接して位置する無線端末30を
検出する。また、制御室側から、この検出された無線端
末30を呼び出し、通話により異常発生の旨を連絡する。
なお、この無線端末30が検出された地点と異常発生地点
とが離れている場合には、必要に応じて、上記第5の実
施の形態において詳述したナビゲーションモードを起動
することにより、作業員を作業場所に誘導する。
【0102】データ処理装置104 の作業情報保管手段18
には、発生が予想される各種異常事象に対応して、異常
事象に対応するための作業に関する手順が、画像、音声
あるいはテキストからなる異常対応作業データとして蓄
積されている。異常地点近くに位置し呼び出された無線
端末30に対して、画像あるいはテキスト形式の異常対応
作業データが送信され、出力手段22画面上に作業に関す
る情報が表示される。また、音声データの場合は無線通
信により無線端末30に音声による対応指示がなされる。
この無線端末30を所有する作業員は、こうして与えられ
る異常対応作業に関する情報に基づき、作業を行う。
【0103】また、異常対応作業中には、必要に応じ
て、上記第5の実施の形態において図20及び図21を用い
て詳述した、プラント内作業に関する詳細な情報を、無
線通信により、制御室側と無線端末30間で送受信するも
のとする。
【0104】作業が終了すると、作業員が作業情報入力
手段に作業終了を入力することにより、制御室側で作業
終了を認識し、作業員の避難が不要である場合にはその
まま緊急時モードを終了する(S39)。一方、この作業
の終わった作業員や、あるいはこの異常対応作業に従事
しない人については、以下説明する避難誘導をする場合
に準ずる。
【0105】第二に、作業員の作業により異常が回避不
可能と判断したときに、各作業員に避難を指示する場合
について説明する。この場合、上記第1の実施の形態に
おいて詳述した方法により、各無線端末30の位置を検出
する。データ処理装置104 の作業情報保管手段18には、
プラント内での作業における避難場所の位置に関するデ
ータが保管されている。このデータを基に、端末情報処
理手段11により、各無線端末30の位置から最近の位置に
ある避難場所とその避難経路を探索する。そして、上記
第5の実施の形態において詳述した方法により、各無線
端末30の出力手段22画面上に最短の避難経路をグラフィ
ック表示する(S37)。
【0106】各作業員はこの避難経路の表示に従って避
難する。この際の各作業員の避難状況は、常時端末情報
処理手段11により無線端末30の位置を検出することによ
り、制御室側で監視することができる。作業員が避難場
所に到着すると、端末情報処理手段11において点呼を行
い(S38)、点呼によって全ての作業員が避難を終了し
たことが確認できたときに避難終了と認識し、緊急時モ
ードを終了する(S39)。
【0107】このように、無線端末の位置検出と、移動
場所へのナビゲーション及び緊急時の対策に関するデー
タを無線端末に送信する機能とを組み合わせることによ
り、異常事象が発生してもこれに即座にかつ適切に対応
することができるから、より信頼性の高いプラント制御
監視を実施することができる。
【0108】(第7の実施の形態)以下、本発明の第7
の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上記
第1乃至第5の実施の形態を変形したものであり、無線
端末が通常の制御領域下にない場合に制御室側に通知し
必要な措置をとることができるものである。以下、本実
施の形態を、例示として上記第5の実施の形態に適用し
た場合を説明する。無線端末30が通常の制御領域下にな
い場合としては、主に次の場合がある。
【0109】[1] 無線端末が立入禁止領域内にある
場合 [2] 無線端末がいずれの無線基地局の制御領域下に
もない場合 [3] 無線端末が電源未投入あるいはバッテリー切れ
等の事情により通信不能な場合
【0110】以下それぞれの場合について説明する。
[1]の場合を考慮して、本実施の形態では、プラント
内の危険性の高い場所等の立入禁止区域にも、無線基地
局3を設けて監視を行う。[1]の場合、まず、立入禁
止領域に設けられた無線基地局3により、無線端末30の
立入禁止領域内への侵入を検出する(S40)。図23はこ
の[1]の場合においてデータ処理装置104 より発信さ
れる警告情報の伝達系統を示すチャートである。
【0111】立入禁止区域への侵入の検出(S40)に伴
い、データ処理装置104 は以下詳述する警告モードを始
動する(S41)。まず、この無線端末30を自動的に呼び
出して警告音を発し、立入禁止区域からの退去を指示す
る(S42)。この警告音に代えてあるいは並行して、音
声、画像、テキストのいずれかの形式の警告信号を無線
端末30の出力手段22上に表示することとしてもよい。
【0112】この警告を受けて、侵入者がすぐに立入禁
止区域を退去した場合は、警告モードを終了する(S4
5)。また、侵入から一定時間経過しても退去しない場
合は、データ処理装置9において侵入した無線端末の番
号と侵入時間の記録を行い、かつこの記録を行う旨を無
線端末30の出力手段22の画面上に表示することで、無線
端末30の所有者へ通知し、再度退去の警告を行う(S4
3)。再警告によっても侵入者が退去しない場合には、
担当者へ連絡が行われる(S44)。また、特に緊急性の
高い立入禁止領域の場合は、侵入後直ちに担当者に対し
て自動的に連絡が行われる。これにより、警告モードを
終了する(S45)。
【0113】以下、上記[2]または[3]の場合につ
いて説明する。特定の無線端末30が、ある一定時間にわ
たって全ての無線基地局3の制御領域下にない状態が続
くとき、その無線端末30は上記[2]または[3]の状
態になっていると考えられる。このとき、データ処理装
置104 の端末情報保管手段12内に蓄積されたデータのう
ち、この無線端末30の検出された最後の位置及び最近の
移動履歴が、データ処理装置104 の出力手段14の画面上
にグラフィック表示される。これにより、制御室におい
てオペレータが無線端末が[2]の状態かあるいは
[3]の状態かを判断する。
【0114】すなわち、無線端末30の最近の位置履歴
が、制御領域と、無線基地局3が配置されていない制御
不可能領域との境界に近い位置にある場合は、[2]の
場合、すなわち無線端末30は制御不可能領域にいる可能
性が高い。
【0115】また、無線端末30の最近の位置履歴がこの
境界から離れているときは、[3]の場合、すなわち無
線端末30は制御領域下にあるものの、電源が切り状態に
なっているか、無線端末30のバッテリー切れまたは故
障、もしくは無線基地局3及び電話交換機2を含めて一
連の無線通信システムの位置検出を行う装置の一部が正
常に機能していないことなどが考えられる。
【0116】なお、この場合、無線端末30の最近の移動
履歴を基に、データ処理装置104 の端末情報保管手段12
と接続し設けられる端末異常診断手段(図示せず)によ
り、こうした無線端末30等の異常診断を行うとしてもよ
い。この構成により、無線端末30が予期しない状況に陥
ったときでも、状況を的確に診断することで、即座に故
障などに対処することができる。
【0117】以上、詳述した各実施の形態において記載
した手法は、コンピュータに実行させることのできるプ
ログラムとして、例えば光ディスク、磁気ディスク、半
導体メモリ等の記録媒体に書き込んで各種装置に適用し
たり、通信媒体により伝送して各種装置に適用すること
も可能である。本発明の各実施の形態にかかる無線通信
システムを実現するコンピュータは、記録媒体により記
録されたプログラムを読み込み、このプログラムによっ
て動作が制御されることにより、上述した処理を実行す
る。
【0118】
【発明の効果】本発明によれば、ケーブルを用いず通信
可能な無線端末の利点を活かしつつ無線端末の精度の高
い位置検出が可能となるとともに、かかる高精度の位置
検出を経路案内や作業時の支援及び緊急時対応に利用す
ることで無線端末の位置の集中的制御を行い領域内の作
業の効率化を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる無線通信シ
ステムのブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかる無線通信シ
ステムのデータ処理装置のブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態にかかる無線通信シ
ステムのデータ処理装置の出力手段への画面出力例を示
す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態にかかる無線通信シ
ステムのデータ処理装置の出力手段への画面出力例を示
す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態にかかる無線通信シ
ステムのデータ処理装置の出力手段への画面出力例を示
す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態にかかる無線通信シ
ステムの無線端末の移動履歴の一例を示す図である。
【図7】図6に示す無線端末の位置検出方法を示すチャ
ートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態にかかる無線通信シ
ステムの複数の無線基地局の制御領域を示す上面図であ
る。
【図9】(a)は本発明の第1の実施の形態における無
線基地局の制御領域の説明図、(b)は第1の実施の形
態の変形例として説明したダイバシティ方式の無線基地
局の制御領域の説明図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態の変形例として説
明した指向性をもったアンテナを有し非放射状に位置検
出を行う無線基地局の制御領域の説明図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態にかかる無線通信
システムのデータ処理装置のブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における端末移動
速度演算の原理説明図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態にかかる無線通信
システムのデータ処理装置のブロック図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態における無線端末
の位置検出方法を示すチャートである。
【図15】本発明の第4の実施の形態にかかる無線通信
システムのデータ処理装置のブロック図である。
【図16】本発明の第4の実施の形態における無線端末
の位置検出方法及び作業情報の提供を行う工程を示すチ
ャートである。
【図17】本発明の第5の実施の形態にかかる無線通信
システムのデータ処理装置のブロック図である。
【図18】本発明の第5の実施の形態にかかる無線通信
システムの無線端末の一例を示す正面図である。
【図19】本発明の第5の実施の形態にかかる無線通信
システムの無線端末の一例を示す正面図である。
【図20】本発明の第5の実施の形態における無線端末
を介してナビゲーションを行う手順を示すチャートであ
る。
【図21】本発明の第5の実施の形態における無線端末
の出力手段画面及びデータ処理装置の出力手段画面の表
示例を示すチャートである。
【図22】本発明の第6の実施の形態にかかる無線通信
システムにおける緊急時対策の指示あるいは避難の指示
の伝達系統を示すチャートである。
【図23】本発明の第7の実施の形態にかかる無線通信
システムにおける無線端末が立入禁止領域内にある場合
の警告の指示の伝達系統を示すチャートである。
【符号の説明】
1,101 ,102 ,103 ,104 …データ処理装置、2…電
話交換機、3,3A,3−1,3−2,3−3,6,7
…無線基地局、4,20,30,30−1,30−2…無線端
末、5,5a,5b,5c,5d…アンテナ、8…監視
カメラ(固定撮像手段)、10…データ処理装置の通信手
段、11…端末情報処理手段、12…端末情報保管手段、13
…データ処理装置入力手段、14…データ処理装置出力手
段、15…発呼信号出力レベル調整手段、16…端末移動速
度演算手段、17…端末移動位置予測手段、18…作業情報
保管手段、22…無線端末出力手段、23…無線端末情報入
力手段、24…無線端末カメラユニット(局所撮像手
段)、31…画像情報処理手段、32…画像情報保管手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三嶋 信也 東京都日野市旭が丘3丁目1番地の1 株式会社東芝 日野工場内 (56)参考文献 特開 平9−149452(JP,A) 特開 平9−65419(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04B 7/24 - 7/26 102 H04Q 7/00 - 7/38

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報を入力する入力手段と無線通信によ
    り情報の授受を行う通信手段及び情報を出力する出力手
    段を有する無線端末と、この無線端末と通信回路網とを
    中継し制御領域内に一定の出力レベルの発呼信号を発信
    する無線基地局と、この無線基地局と接続される電話交
    換機と、この電話交換機と接続し前記無線端末による通
    信に関するデータを処理するデータ処理装置を具備する
    無線通信システムにおいて、 前記データ処理装置は、 前記電話交換機との信号の送受信を行う通信手段と、 この通信手段への入力信号を前記無線端末の位置及び通
    信状況に関する情報に変換する端末情報処理手段と、 該無線端末の位置情報を時系列的に蓄積する端末情報保
    管手段と、 前記無線基地局より発信される発呼信号の出力レベルを
    変更する発呼信号出力レベル調整手段と、 この発呼信号出力レベル調整手段によって前記無線基地
    局からの発呼信号の出力レベルを変更し前記無線端末が
    制御領域内の領域境界の近傍にいることを判断する無線
    端末の位置判断手段と、前記端末情報保管手段に蓄積される前記無線端末の位置
    情報に基づき該無線端末の移動速度を求める端末移動速
    度演算手段と、 前記端末移動速度演算手段の演算結果に基き該無線端末
    の将来の移動速度及び所定時間後の位置を推定する端末
    移動位置予測手段と、 前記端末情報処理手段または前記端末情報保管手段ある
    いは前記端末移動位置予測手段からの該無線端末の情報
    を出力する出力手段とを具備するものであり、 前記データ処理装置の通信手段及び前記電話交換機を介
    して前記無線基地局から発呼信号が発信され、該無線基
    地局の制御領域下にある無線端末が前記発呼信号を受信
    して応答信号を発信することを特徴とする無線通信シス
    テム。
  2. 【請求項2】 情報を入力する入力手段と無線通信によ
    り情報の授受を行う 通信手段及び情報を出力する出力手
    段を有する無線端末と、この無線端末と通信回路網とを
    中継し制御領域内に一定の出力レベルの発呼信号を発信
    する無線基地局と、この無線基地局と接続される電話交
    換機と、この電話交換機と接続し前記無線端末による通
    信に関するデータを処理するデータ処理装置を具備する
    無線通信システムにおいて、 前記データ処理装置は、 前記電話交換機との信号の送受信を行う通信手段と、 この通信手段への入力信号を前記無線端末の位置及び通
    信状況に関する情報に変換する端末情報処理手段と、 該無線端末の位置情報を時系列的に蓄積する端末情報保
    管手段と、 前記無線基地局より発信される発呼信号の出力レベルを
    変更する発呼信号出力レベル調整手段と、 この発呼信号出力レベル調整手段によって前記無線基地
    局からの発呼信号の出力レベルを変更し前記無線端末が
    制御領域内の領域境界の近傍にいることを判断する無線
    端末の位置判断手段と、 前記端末情報処理手段あるいは前記端末情報保管手段か
    らの該無線端末の情報を出力する出力手段とを具備する
    ものであり、 前記データ処理装置の通信手段及び前記電話交換機を介
    して前記無線基地局から発呼信号が発信され、該無線基
    地局の制御領域下にある無線端末が前記発呼信号を受信
    して応答信号を発信するとともに、 前記データ処理装置の出力手段は少なくとも画像表示手
    段を具備し、この画像表示手段に前記無線基地局の位置
    を地図情報として表示し、この地図情報に重ねて前記画
    像表示手段に表示された無線基地局の制御領域内に位置
    する無線端末の位置情報を表示することを特徴とする無
    線通信システム。
  3. 【請求項3】 前記画像表示手段に表示される前記無線
    基地局の位置に関する地図情報に重ねて前記端末情報保
    管手段に蓄積された前記無線端末の時系列的な位置履歴
    を地図情報として表示することを特徴とする請求項2記
    載の無線通信 システム。
  4. 【請求項4】 情報を入力する入力手段と無線通信によ
    り情報の授受を行う通信手段及び情報を出力する出力手
    段を有する無線端末と、プラント内に複数配置され前記
    無線端末と通信回路網とを中継し制御領域内に一定の出
    力レベルの発呼信号を発信する無線基地局と、この無線
    基地局と接続される電話交換機と、この電話交換機と接
    続し前記無線端末による通信に関するデータを処理する
    データ処理装置を具備する無線通信システムにおいて、 前記データ処理装置は、 前記電話交換機との信号の送受信を行う通信手段と、 この通信手段への入力信号を前記無線端末の位置及び通
    信状況に関する情報に変換する端末情報処理手段と、 該無線端末の位置情報を時系列的に蓄積する端末情報保
    管手段と、前記無線基地局より発信される発呼信号の出力レベルを
    変更する発呼信号出力レベル調整手段と、 この発呼信号出力レベル調整手段によって前記無線基地
    局からの発呼信号の出力レベルを変更し前記無線端末が
    制御領域内の領域境界の近傍にいることを判断する無線
    端末の位置判断手段と、 前記プラント内に配置された各種機器の位置及び前記プ
    ラント内で行なわれる作業予定工程に関する画像、音
    声、テキストのうちの少なくとも一つの形式からなるデ
    ータを蓄積する作業情報保管手段と、 前記端末情報処理手段あるいは前記端末情報保管手段か
    らの該無線端末の情報を出力する出力手段とを具備する
    ものであり、 前記データ処理装置の通信手段及び前記電話交換機を介
    して前記無線基地局から発呼信号が発信され、該無線基
    地局の制御領域下にある無線端末が前記発呼信号を受信
    して応答信号を発信するとともに、 前記作業予定工程に関するデータを前記作業情報保管手
    段から該無線端末に無線通信により送信し前記無線端末
    の出力手段に出力する ことを特徴とする無線通信システ
    ム。
  5. 【請求項5】 前記プラント内に複数設置される固定撮
    像手段を具備し、 前記データ処理装置は、画像信号を受信し前記出力手段
    に画像として出力する画像情報処理手段と、この画像情
    報処理手段と接続し画像データを蓄積する画像情報保管
    手段とを具備し、 前記データ処理装置の画像情報処理手段と前記固定撮像
    装置とを接続しこの固定撮像装置により撮像される画像
    を画像信号として前記画像情報処理手段に送信するデー
    タ転送手段を具備する ことを特徴とする請求項4記載の
    無線通信システム。
  6. 【請求項6】 前記無線端末の入力手段より入力される
    作業の進捗に関する情報を無線通信により前記作業情報
    保管手段に送信し蓄積することを特徴とする請求項4記
    載の無線通信システム。
  7. 【請求項7】 前記無線基地局の制御領域内にある無線
    端末に対し、前記端末情報処理手段により該無線端末の
    位置に関する情報と前記作業情報保管手段に蓄積される
    作業予定位置に関するデータとを照合しかつ該無線端末
    から該作業予定位置へ至る経路を探索し、この探索され
    た経路を前記無線端末の出力手段に地図情報として出力
    することを特徴とする請求項4記載の無線通信システ
    ム。
  8. 【請求項8】 前記プラント内での異常の発生とともに
    前記プラント内の異常発生場所の最も近くに位置する無
    線端末を特定し、該無線端末から前記異常発生場所へ至
    る移動経路を探索し、該無線端末の出力手段に、前記異
    常発生場所へ至る移動経路に関する情報または前記作業
    情報保管手段内に予め保管された緊急時の作業に関する
    情報を出力することを特徴とする請求項4記載の無線通
    信システム。
  9. 【請求項9】 前記プラント内での異常の発生とともに
    前記無線基地局により前記無線端末の検出を行い、この
    無線端末の検出位置から予め定められたプラント内の避
    難場所へ至る移動経路を探索し、該無線端末の出力手段
    に前記避難場所へ至る移動経路に関する情報を出力する
    ことを特徴とする請求項記載の無線通信システム。
  10. 【請求項10】 前記発呼信号を受信した前記無線端末
    が前記無線基地局に対して前記応答信号を発信するのに
    伴い、前記無線基地局と前記電話交換機及び 前記データ
    処理装置の通信手段を介して、前記端末情報処理手段に
    該無線端末が該無線基地局の制御領域下にあるという位
    置情報が入力されることを特徴とする請求項1、2、4
    のいずれか記載の無線通信システム。
  11. 【請求項11】 前記無線基地局のうち少なくとも一つ
    の無線基地局は発呼信号の発信を行うアンテナを複数有
    し、該無線基地局の制御領域はほぼ楕円状に形成されて
    おり、前記アンテナの位置を変更することで前記制御領
    域を変更する無線基地局方向変更手段を具備することを
    特徴とする請求項1、2、4のいずれか記載の無線通信
    システム。
  12. 【請求項12】 前記データ処理装置は、画像信号を受
    信し前記出力手段に画像として出力する画像情報処理手
    段と、この画像情報処理手段と接続し画像データを蓄積
    する画像情報保管手段とを具備し、 前記無線端末は、この無線端末の周辺を撮像する局所撮
    像手段を具備し、 この局所撮像手段により取得される画像データの画像信
    号を無線通信により前記画像情報処理手段に送信する
    とを特徴とする請求項1、2、4のいずれか記載の無線
    通信システム。
  13. 【請求項13】 前記無線端末は、無線通信により通話
    を行う音声入力手段と、該無線端末の周辺を撮像する局
    所撮像手段とを具備したヘルメット形状からなることを
    特徴とする請求項1、2、4のいずれか記載の無線通信
    システム。
  14. 【請求項14】 請求項1、2、4のいずれか記載の無
    線通信システムを用いて行なわれる無線通信方法であっ
    て、 前記無線端末により情報の授受を行なう無線端末通信ス
    テップと、前記無線基地局により前記無線端末と通信回
    路とを中継し該無線基地局の制御領域内に発呼信号を発
    信する発呼信号発信ステップと、該無線基地局と前記電
    話交換機とを接続し該無線端末に関するデータを処理す
    るデータ処理ステップとを有し、 前記データ処理ステップは、前記発呼信号出力レベル調
    整手段によって前記無線基地局からの発呼信号の出力レ
    ベルを調整する発呼信号出力レベル調整ステップと、前
    記無線端末が該制御領域内の領域近傍にいることを判断
    する無線端末位置判断ステップとを有することを特徴と
    する無線通信方法。
  15. 【請求項15】 請求項1、2、4のいずれか記載の無
    線通信システムを用いて行なわれる無線端末の位置検出
    方法であって、前記無線基地局の制御領域下で前記無線
    端末の検出を行い、前記発呼信号出力レベル調整手段に
    より該無線基地局の発信する発呼信号の出力レベルを変
    更し、該無線基地局の制御領域を拡大あるいは縮小して
    この新しい制御領域下で再度前記無線端末の検出を行う
    とともに、 制御領域の一部が重複する複数の無線基地局の発信する
    発呼信号の出力レベルを前記発呼信号出力レベル調整手
    段により変更し、該複数の無線基地局の制御領域を拡大
    あるいは縮小してこの複数の新しい制御領域下で前記無
    線端末の検出を行うことを特徴とする無線端末の位置検
    出方法。
  16. 【請求項16】 請求項1記載の無線通信システムを用
    いて行なわれる無線端末の位置検出方法であって、前記
    端末移動速度演算手段により、列上に隣接して設けられ
    た3つの無線基地局A,B,Cの制御領域を通過する無
    線端末の無線基地局Aにおける移動速度がa、無線基地
    局Bにおける移動速度がbであると算出されたとき、前
    記端末移動位置予測手段により、無線基地局Cにおける
    該無線端末の移動予測速度cを予め定められたa及びb
    の一次関数により算出することで該無線端末の所定時間
    後の位置を推定することを特徴とする無線端末の位置検
    出方法。
  17. 【請求項17】 無線通信により情報の授受を行う通信
    手段を具備する無線端末と通信回路網とを中継し制御領
    域内に一定の出力レベルの発呼信号を発信する無線基地
    局と接続される電話交換機と接続し前記無線端末による
    通信に関するデータを処理する無線通信システムのデー
    タ処理装置を、 前記電話交換機との信号の送受信を行う通信手段と、 この通信手段への入力信号を前記無線端末の位置及び通
    信状況に関する情報に変換する端末情報処理手段と、 該無線端末の位置情報を時系列的に蓄積する端末情報保
    管手段と、 前記無線基地局より発信される発呼信号の出力レベルを
    変更する発呼信号出力レベル調整手段と、 この発呼信号出力レベル調整手段によって前記無線基地
    局からの発呼信号の出力 レベルを変更し前記無線端末が
    制御領域内の領域境界の近傍にいることを判断する無線
    端末の位置判断手段と、 前記端末情報保管手段に蓄積される前記無線端末の位置
    情報に基づき該無線端末の移動速度を求める端末移動速
    度演算手段と、 前記端末移動速度演算手段の演算結果に基き前記無線端
    末の将来の移動速度及び所定時間後の位置を推定する端
    末移動位置予測手段と、 前記端末情報処理手段または前記端末情報保管手段ある
    いは前記端末移動位置予測手段からの該無線端末の情報
    を出力する出力手段として機能させるためのプログラム
    を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  18. 【請求項18】 無線通信により情報の授受を行う通信
    手段を具備する無線端末と通信回路網とを中継し制御領
    域内に一定の出力レベルの発呼信号を発信する無線基地
    局と接続される電話交換機と接続し前記無線端末による
    通信に関するデータを処理する無線通信システムのデー
    タ処理装置を、 前記電話交換機との信号の送受信を行う通信手段と、 この通信手段への入力信号を前記無線端末の位置及び通
    信状況に関する情報に変換する端末情報処理手段と、 該無線端末の位置情報を時系列的に蓄積する端末情報保
    管手段と、 前記無線基地局より発信される発呼信号の出力レベルを
    変更する発呼信号出力レベル調整手段と、 この発呼信号出力レベル調整手段によって前記無線基地
    局からの発呼信号の出力レベルを変更し前記無線端末が
    制御領域内の領域境界の近傍にいることを判断する無線
    端末の位置判断手段と、 前記端末情報処理手段あるいは前記端末情報保管手段か
    らの該無線端末の情報を出力するとともに、前記無線基
    地局の位置を地図情報として画像表示し、この地図情報
    に重ねて該無線基地局の制御領域内に位置する無線端末
    の位置情報を表示する出力手段として機能させるための
    プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録
    媒体。
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