JP2983947B2 - 艶消しコーティング剤及びそれを硬化させた白板の筆記シート - Google Patents

艶消しコーティング剤及びそれを硬化させた白板の筆記シート

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JP2983947B2 JP10016171A JP1617198A JP2983947B2 JP 2983947 B2 JP2983947 B2 JP 2983947B2 JP 10016171 A JP10016171 A JP 10016171A JP 1617198 A JP1617198 A JP 1617198A JP 2983947 B2 JP2983947 B2 JP 2983947B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、艶消しの表面を
有する塗膜を形成するための艶消しコーティング剤に関
し、特に白板の筆記用シートや壁紙の表面に塗膜を形成
する艶消しコーティング剤に関する。
【0002】
【従来技術】表面コーティング剤は、様々な基材の表面
保護に用いられており、塗布する基材の種類によって、
表面コーティング剤に求められる性質は異なる。電子白
板等の筆記部を構成する筆記シートのコーティング剤と
して用いる場合には、耐久性、塗膜に付された文字等の
消去が容易であること(消去性)、及び、消去具等を用
いて消去した際にインクが塗膜上に広がって再付着する
ことが防止されること(耐汚染性)が必要とされる。
【0003】従来の白板の筆記用シートは、耐久性、消
去性及び耐汚染性を得るために、高硬度の被膜が形成さ
れるコーティング剤を用い、これを白色のポリエステル
フィルム表面に塗布することにより作成していた。しか
し、この被膜は高光沢であるため、光反射率が大きくな
り、白板に書かれた文字等を見る時に、見る方向によっ
ては光の反射により文字等が見にくいという問題があっ
た。又、白板上にOHPにより投影された映像を見る
と、OHPの光源がそのまま見えるため、その部分では
投影された画像が全く見えなかった。
【0004】このような状況において、筆記用だけでな
く、OHPの投影用にも使用可能な筆記板が特開平6-
27532で提案されている。これは、筆記面として表
面をエッチング処理したガラスのような反射防止層を設
けたものであるが、文字等の消去の容易さや耐汚染性な
どの面で不十分なものであった。
【0005】また、特公昭57-173199に、粒径
15〜50μmの新モース硬度が8以上の硬質粒子を用
いることにより光沢度を下げた塗膜が開示されている。
しかし、このような粒径を有する粒子を加えた塗膜は、
どれも消去性、耐汚染性に優れていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の表面コーティング剤には、書かれた文字が見やすく、
かつ、十分な消去性、耐汚染性及び耐久性を有する塗膜
を形成可能な表面コーティング剤はなかった。本発明
は、文字の視認性が高く、文字等の消去性が良く、イン
クの付いた消去具等による白板の汚染性が低く、耐久性
を有する塗膜を形成するための艶消しコーティング剤を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、表面が樹脂
製の粒子及び1〜2μmの粒径を有する無機粒子からな
る群より選択される艶消し材と、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート及びジトリメチロー
ルプロパンテトラアクリレートからなる群より選択され
紫外線により硬化する第1のモノマーを含むモノマー
部とを含むことを特徴とする艶消しの表面を有する塗膜
を形成するための艶消しコーティング剤を提供する。
【0008】さらに、この発明は、コーティング剤の
ノマー部が、さらにイソシアヌル酸エチレンオキシド変
成トリアクリレート及びイソシアヌル酸エチレンオキシ
ド変成ジアクリレートからなる群より選択される紫外線
により硬化する第2のモノマーを含み、100重量部の
モノマー部紫外線により硬化する第2のモノマーを4
0重量部以上含むことを特徴とする艶消しコーティング
剤を提供する。
【0009】さらに、この発明は、モノマー部100重
量部に対して0.05〜1.0重量部のポリエーテル変
性ポリジメチルシロキサンを含むことを特徴とする艶消
しコーティング剤を提供する。
【0010】さらに、この発明は、表面が樹脂製の粒子
が樹脂をコーティングした無機粒子であることを特徴と
する艶消しコーティング剤を提供する。
【0011】さらに、この発明は、表面が樹脂製の粒子
がアクリル樹脂の粒子であることを特徴とする艶消しコ
ーティング剤を提供する。
【0012】さらに、この発明は、樹脂をコーティング
した無機粒子が、ポリエチレンをコーティングしたシリ
カであることを特徴とする艶消しコーティング剤を提供
する。
【0013】さらに、この発明は、ポリエチレンをコー
ティングしたシリカが平均3.8μmの粒径を有するこ
とを特徴とする艶消しコーティング剤を提供する。
【0014】さらに、この発明は、ポリエチレンをコー
ティングしたシリカ100重量部中に60〜90重量部
のシリカを含むことを特徴とする艶消しコーティング剤
を提供する。
【0015】さらに、この発明は、1〜2μmの粒径を
有する無機粒子はシリカであることを特徴とする艶消し
コーティング剤を提供する。
【0016】さらに、この発明は、艶消しコーティング
剤の硬化により形成される塗膜を提供する。
【0017】さらに、この発明は、艶消しコーティング
剤を用いて形成した塗膜を有する白板の筆記シートを提
供する。
【0018】さらに、この発明は、艶消しコーティング
剤を用いて形成した塗膜を有する壁紙を提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】従来の白板の塗膜は、文字の消去
性や耐汚染性を考えて高硬度の塗膜を用いていたが、硬
度の高いものは光沢もあるため、光の反射により文字な
どを見にくくする。このような塗膜の光沢度を低くする
ためには、塗膜表面に凹凸をつける等の方法によって光
を乱反射させ正反射率を低くすることが考えられる。こ
れを実現するために、例えば表面をエッチングやサンド
ブラストなどの処理によって凹凸にすると、インク等が
凹部に埋もれて残留しやすい表面形状となりやすく、消
去性及び耐汚染性に劣る膜になり易い。他方、塗膜中に
粒子を導入することによって塗膜の表面を凹凸にする方
法も考えられる。ところが、従来使用されていた無機粒
子を用いると、白板にかすかな傷ができたり、製造過程
により塗膜表面に無機粒子がむき出しになり、この結
果、無機粒子がインクを吸収して、消去性、耐汚染性に
劣る塗膜となる。
【0020】そこで、本発明者らは、コーティング剤に
ついて鋭意研究を重ねた結果、(1)1〜2μm程度の
粒径が小さい無機粒子、又は(2)表面に樹脂層を有す
る粒子を利用することにより、光沢度が低く、消去性及
び耐汚染性に優れたものとなることを見出した。
【0021】艶消し材として配合する粒子の粒径が小さ
くなると、粒子の分散性が向上し塗膜表面からむき出さ
れる事が減少し、2μm以下の範囲で特にこの効果が顕
著となる。又、塗膜を構成する樹脂成分となじみの良い
材質で粒子の表面を構成すると粒子の表面が樹脂成分と
親和性を有し、樹脂成分が粒子を被膜しやすくなり、同
様に塗膜表面から外にむき出されにくくなる。従って、
塗膜の表面には粒子がむき出されず消去性及び耐汚染性
を保持しつつ、粒子による艶消しの効果が発揮される。
【0022】すなわち、本発明の艶消しコーティング剤
は、塗膜を構成する脂樹成分に、(1)1〜2μmの粒
径を有する無機粒子、又は(2)表面が樹脂製の粒子を
配合したことを特徴とするものである。以下、本発明の
艶消しコーティング剤について詳細に説明する。
【0023】まず、本発明のコーティング剤は、塗膜を
構成する樹脂成分として、成膜した際にある程度の硬度
を発揮する紫外線により硬化するモノマーを用いる。こ
紫外線により硬化するモノマーとしては、例えば、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエ
リスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリト
ールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等を
用いることもできる。以下、これらを第1のモノマー
称する。又、さらに硬度の高い塗膜を得ようとする場合
や、低エネルギーでもコーティング剤を硬化させたい場
合は、架橋密度を増加させるために紫外線により硬化す
る第2のモノマーを加えてもよい。この紫外線により硬
化する第2のモノマーとして、イソシアヌル酸エチレン
オキシド変成トリアクリレート、イソシアヌル酸エチレ
ンオキシド変成ジアクリレート等が挙げられる。特に、
紫外線により硬化する第1のモノマーとしてジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレートを、紫外線により硬化
する第2のモノマーとしてイソシアヌル酸エチレンオキ
シド変成トリアクリレートを用いてコーティング剤を調
製した場合には、極めて良好な塗膜が得られる。この場
合、モノマー部の重量合計100に対して、イソシアヌ
ル酸エチレンオキシド変成トリアクリレートの割合が4
0以上になるように配合すると特に好ましい。
【0024】上述の具体例で挙げたモノマー成分は、全
て市販品として入手可能であり、本発明を実施するに当
たっては、モノマー成分を必要に応じて市販品より適宜
選択して用いることができる。以下に述べる本発明の実
施例においては市販品を用いて本発明を実施している
が、勿論、これに限定されるわけではない。
【0025】上述のようなモノマーに、(1)表面が樹
脂製の粒子、又は(2)1〜2μmの粒径を有する粒子
を艶消し材として配合する。この(1)樹脂をコーティ
ングした粒子は、粒子の表面が樹脂で覆われているた
め、コーティング剤との親和性、分散性が良い。これ
を、充填材として用いた場合には、光沢度を低くするこ
とができる。さらに、塗膜からむき出しにくく、又、塗
膜にむき出しになってもインクを吸収しないため、消去
性及び耐汚染性に優れた塗膜を形成することができる。
このような粒子は、内部がどのような材料で構成されて
も良く、樹脂製粒子などを用いることができる。無機材
などの粒子をコアとして樹脂をコーティングした粒子を
用いると、塗膜の硬度が高くなるので好ましい。
【0026】樹脂をコーティングした無機粒子の入手容
易なものの1つとして、ポリエチレンでシリカが薄く覆
われた二層シリカが挙げられる。市販されている二層シ
リカには、一粒子あたりシリカを60〜90%含むもの
がある。この二層シリカの平均粒径は3.8μm程度で
あるので、二層シリカにより形成された塗膜の凹凸の段
差は可視光線の上限波長より長く、光を乱反射させる低
光沢な塗膜を形成することができる。又、ポリエチレン
の白板用インクに対する耐性が極めて高くインクが吸収
されないので、消去性、耐汚染性に特に優れた塗膜を形
成できる。
【0027】また、(2)1〜2μmの粒径を有する無
機粒子は、粒径が小さいため樹脂中での分散性が良く、
塗膜からむき出しにくい。この粒径は2μm以下である
ため、その無機粒子により形成された凹部に入り込んだ
インク等を、消去具等により容易に取り除くことができ
る。そのため、このような粒子は、光沢度が低く、且
つ、消去性及び耐汚染性に優れた塗膜を形成することが
できる。
【0028】上述の樹脂成分及び粒子を溶剤と共に混合
分散させることによって、本発明のコーティング剤が調
製される。文字等の視認は得られた塗膜の光沢度が低い
ほど、光線の反射がなく良好であるが、白板として使用
する場合は消去性との兼ね合いで、光沢度を30〜70
%とすることが望ましく、このような状態となる様に用
いる充填材の量は適宜調整する。好ましくは、充填材が
モノマー成分に対して2〜10重量部の割合となるよう
に用いる。溶剤としては、通常のコーティング剤の調製
に用いられる溶剤を使用することができ、例えば、メチ
ルイソブチルケトン、キシレン、トルエン、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等を用いることができが、コーティング
剤の塗布における作業性などを考慮して溶剤の種類及び
使用量を適宜設定すればよい。
【0029】さらに、消去性を良好にするためシリコー
ン化合物を艶消し材に配合してもよい。白板に使用する
マーカーの成分によっては、筆記跡を消去しにくいもの
がある。そのためコーティング剤にシリコーン化合物を
配合することにより、塗膜に付着したインクの滑りを良
好にし、拭き取りやすくする。このような、シリコーン
化合物の例として、ポリエーテル変性ポリジメチルシロ
キサンが挙げられるが、これに限定されるものではな
い。100重量部のモノマー部に対して、ポリエーテル
変性ポリジメチルシロキサンを1.0重量部より多く配
合すると、塗膜からマーカーのインクがはじかれて文字
等の認識が困難となってしまい、また、0.05重量部
より少なくポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンを
配合しても、消去性に変化を与えない。そのため、10
0重量部のモノマー部に対して、ポリエーテル変性ポリ
ジメチルシロキサンを0.05〜1.0重量部になるよ
う配合すると好ましい。
【0030】紫外線により硬化するモノマーの重合を好
適に開始させる光開始剤として、ベンゾフェノン、2,
2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オ
ン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1
−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル
フォスフィンオキシド等を適宜選択して適量使用するこ
とができるが、これに限定されるわけでない。
【0031】上述のように調製したコーティング剤を塗
膜を形成する基材に塗布し、紫外線照射してモノマー成
を硬化することにより、艶消し表面を有する塗膜が得
られる。白板の筆記シートを製造する場合には基板とし
てプラスチックシートが用いられる。コーティング剤の
塗布量を適宜調整することにより得られる塗膜の厚さは
調製可能であり、必要に応じて塗布量は調整する。巻き
取り容易な白板用筆記シートが必要である場合には、塗
膜は10μm以下の薄膜であるのが好ましい。筆記シー
トを製造する場合、コーティング剤を塗布した筆記シー
トが、紫外線照射により十分反応硬化するように、走行
スピードを5〜20m/分程度に設定するのが望まし
い。このような照射スピードであると、照射エネルギー
は60〜250mJ/cm2となる。このようなエネル
ギーでの硬化においては、得られる膜の硬度を低下させ
る要因に留意する必要がある。例えば、10μm以下の
薄い塗膜を形成する場合には、空気中の酸素による硬化
障害を考慮しなければならない。このような低エネルギ
ーでの硬化において、前述した紫外線により硬化する第
1のモノマー紫外線により硬化する第2のモノマーを
配合することは特に有益であり、塗膜が十分な架橋密度
に達することができる。紫外線により硬化する 第1及び
第2のモノマーの合計を100重量部として、イソシア
ヌル酸エチレンオキシド変成トリアクリレートを40重
量部以上含むように調製すると、上述のような低エネル
ギーの照射でも十分な架橋密度に達し、消去性が特に良
好となる。
【0032】本発明のコーティング剤を用いた艶消しの
表面を有する塗膜の形成の一例として、電子白板用の筆
記シートの作成の一実施形態を以下に説明する。
【0033】まず、艶消し材として二層シリカ7.5重
量部、紫外線により硬化する第2のモノマーとしてイソ
シアヌル酸エチレンオキシド変成トリアクリレート80
重量部、紫外線により硬化する第1のモノマーとしてジ
ペンタエリスルトールヘキサアクリレート20重量部、
光開始剤としてベンゾフェノン8.0重量部及び1−ヒ
ドロシシクロヘキシルフェニルケトン3.0重量部、イ
ンクの拭き取りを容易にするためのポリエーテル変性ジ
メチルシロキサン0.8重量部、及び溶剤としてメチル
イソブチルケトン90.0重量部を混合してコーティン
グ剤を調製する。次に、グラビアロールを用いて、厚さ
125μmの白色ポリエステルフィルムにコーティング
剤を、乾燥時の厚さ5−7μmになるように塗布し、塗
布されたコーティング剤に紫外線を照射して硬化させる
ことにより塗膜を有する電子白板用の筆記シートが得ら
れる。
【0034】上述のようにして形成された塗膜は硬化し
た樹脂成分中に粒子が含まれ、塗膜の表面は粒子の形状
に従って凹凸になる。このため、文字等の視認性が高
く、かつ、文字等の消去性が良く、耐汚染性、耐久性を
有する塗膜を有する筆記シートが得られる。
【0035】本発明のコーティング剤は、白板用塗膜だ
けでなく、例えば壁紙の塗膜の形成に用いてもよい。従
来の壁紙において、幼児による落書きを完全に消せるよ
うなものは、光沢度が高く目がちらつき、逆に、光沢度
の低ければ落書きの跡が残るものであった。本発明に係
るコーティング剤を用いれば、光沢度が低く、消去性、
耐汚染性に優れた壁紙とすることができるため、光を乱
反射させることにより目のちらつきがなく、また、幼児
が壁に落書きをしても消去跡が残ることのない壁紙とす
ることができる。壁紙として使用する場合には、筆記シ
ートと同様に形成した壁紙用のシートの裏面と壁とを接
着材により貼り付ける。この接着材としては、壁紙を接
着するものとして、通常使用されるアクリル系、酢酸ビ
ニル系、合成ゴム等を利用してもよい。
【0036】
【実施例】以下、実施例を参照して本発明をさらに詳細
に説明する。
【0037】(実施例1) 本発明のポリエチレンコーティングシリカである二層シ
リカを含む表面コーティング剤の消去性及び耐汚染性を
評価するために以下の操作を行った。
【0038】紫外線により硬化する第2のモノマーとし
てイソシアヌル酸エチレンオキシド変成トリアクリレー
ト70.0重量部、紫外線により硬化する第1のモノマ
としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(商品名アロニックス、東亜合成社製)30.0重量
部、インクの拭き取りを容易にするためのポリエーテル
変性ポリジメチルシロキサン(商品番号 DYK-310、ビ
ックケミー(株)社製)を0.8重量部、光開始剤とし
てベンゾフェノン0.5重量部及び1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン3.0重量部、溶剤としてメ
チルイソブチルケトン90.0重量部に、充填材として
表1に示す粒子を混合してコーティング剤を調整する
次に、グラビアロールを用いて厚さ125μmの白色ポ
リエステルフィルムに、コーティング剤を乾燥時の厚さ
5〜7μmになるように塗布し、塗布されたコーティン
グ剤に紫外線を照射し硬化させて、試料1〜7の塗膜を
得た。次に、塗膜の消去性を目視判定するため、この膜
に電子白板用マーカー2種(商品番号 WAMA-L-R及びWB
MA-L-B、PILOT社製)で各々10往復強く筆記した後、
所定の消去具で拭い、筆記跡を目視にて観察した。ま
た、耐汚染性を目視観察及び色差測定するため、電子白
板用マーカーでそれぞれ10往復強く筆記し、所定の消
去具で5回拭う動作を5セット繰り返し、白板の汚れを
目視により観察しさらに色差計(日本電色工業(株)、S
Z−Σ80)により色差測定した。尚、目視による観察
に関して、表1においては、消去後に黒と赤のインクが
共に完全に消えた場合に、「特良好」 、赤と黒インク
がほとんど消えた場合には「良好」、赤インクは完全に
消えたが黒インクはわずかに残る場合に「やや良好」、
黒と赤のインクが共に残った場合には「跡残る」と記載
する。
【0039】又、各充填材の添加量については、得られ
る塗膜の光沢度が40になるように試行錯誤により予め
決定した。この際の光沢度は、60度の角度で入射する
入射光に対して60度で正反射する反射光の割合をグロ
スメーター(MURAKAMI COLOR LAB社
製)により測定した値を用いている。
【0040】
【表1】 表1より、筆記跡が完全に消去でき、汚れた跡が全く残
らないのは二層シリカのみであり、試料1、試料3の結
果が良好であるが、特に、試料1に示す二層シリカを含
む塗膜の消去性と耐汚染性が共に、試料2−7と比べて
優れていることが分かる。従って、充填材として、二層
シリカを用いると光沢度が低くなるだけでなく、消去性
及び耐汚染性も優れた塗膜を形成するためのコーティン
グ剤が得られる。
【0041】(実施例2) 艶消し材として二層シリカを使用したときの紫外線によ
り硬化する第1のモノマー紫外線により硬化する第2
のモノマーとの混合比の変化と消去性及び耐汚染性を調
べるために以下の操作を行った。
【0042】紫外線により硬化する第1のモノマー
外線により硬化する第2のモノマーとの配合割合を表2
に示すように変更した点以外は実施例1と同様の操作を
繰り返して、試料8〜14のコーティング剤を調製し
た。さらに、調製したコーティング剤を用いて実施例1
と同様に消去性及び耐汚染性の判定を行った。
【0043】
【表2】 以上の試料8−14の結果による紫外線により硬化する
第2のモノマーの配合量と消去性との関係を図1のグラ
フに示す。
【0044】このグラフは、縦軸に上記結果における色
差を、横軸に紫外線により硬化するモノマーの使用量
(単位:重量部)をとり、作成したものである。
【0045】図1より、紫外線により硬化するモノマー
にイソシアヌル酸エチレンオキシド変成トリアクリレ
ートを含まないときは色差が4であり、20〜40重量
部では色差が3.5から1.9に曲線は急激に落ち込
み、40〜100重量部では色差は1.9から1.4に
緩やかに曲線は減少する。
【0046】従って、組成として好ましいのは、消去性
及び耐汚染性の目視判定結果が共に、特良好であって、
色差判定結果が2以下示す、イソシアヌル酸エチレンオ
キシド変成トリアクリレート40重量部以上、ジペンタ
エリスルトールヘキサアクリレートが60重量部以下の
組成であることが分かる。
【0047】このようにして、文字等の視認性が高く、
かつ、文字等の消去性が良く、耐汚染性、耐久性を有す
る塗膜を有する筆記シートが得られる。
【0048】(実施例3) 本発明の1〜2μmの粒径のシリカ及び表面が樹脂製の
粒子を含む種々の艶消し材を用いたときの、表面コーテ
ィング剤の耐汚染性を評価するために、以下の操作を行
った。
【0049】光沢度が20〜30になるように、表3に
示した艶消し材の添加量を変更した点以外は、実施例1
と同様の操作を繰り返して、試料15〜24の充填材を
加えてコーティング剤を調製した。さらに、調製したコ
ーティング剤を用いて実施例1と同様に耐汚染性の判定
を行った。
【0050】
【表3】 表3から、光沢度20〜30においては、目視判定及び
色差測定の結果から耐汚染性に優れた塗膜を形成するの
は、No.15〜17、21の粒径が1〜2μmのシリ
カ粒子を用いたもの、及びNo.24のアクリル樹脂微
粒子を用いたものであった。尚、艶消し材表面の性質及
び形状が耐汚染性に与える影響は特に見られなかった。
【0051】
【発明の効果】本発明の艶消しの表面を有する塗膜を形
成するための艶消しコーティング剤は艶消し材として、
表面が樹脂製の粒子、又は1〜2μmの粒径を有する無
機粒子を含むことにより、まぶしさや見にくさを解消す
るだけでなく、艶消し材が塗膜表面でむき出しになって
も、インクを吸収することがないため塗膜の消去性及び
耐汚染性を解消する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコーティング剤における紫外線に
より硬化する第2のモノマーの配合量と色差との変化を
示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿久津 幹夫 埼玉県大宮市吉野町1−407−1 カシ ュー株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−51920(JP,A) 特開 昭59−133268(JP,A) 特開 昭59−51952(JP,A) 特開 昭59−51923(JP,A) 特開 平9−302267(JP,A) 特開 平9−286929(JP,A) 特開 平9−118838(JP,A) 特開 平7−166091(JP,A) 特開 昭64−36662(JP,A) 特開 昭53−34833(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 5/00 C09D 4/02 C09D 7/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にポリエチレンをコーティングした
    シリカと、 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタ
    エリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリ
    トールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテト
    ラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
    ト及びジトリメチロールプロパンテトラアクリレートか
    らなる群より選択される紫外線により硬化する第1のモ
    ノマーを含むモノマー部とを含むことを特徴とする艶消
    しの表面を有する白板用塗膜を形成するための艶消しコ
    ーティング剤
  2. 【請求項2】 前記コーティング剤のモノマー部が、さ
    らにイソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリアクリレ
    ート及びイソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジアクリ
    レートからなる群より選択される紫外線により硬化する
    第2のモノマーを含み、100重量部のモノマー部中に
    第2のモノマーを40重量部以上含むことを特徴とする
    請求項1に記載の艶消しコーティング剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の艶消しコーティ
    ング剤に紫外線を照射して形成した塗膜を有する白板の
    筆記シート。
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