JP2983197B2 - 塗料組成物および塗装方法 - Google Patents

塗料組成物および塗装方法

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JP2983197B2 JP10048758A JP4875898A JP2983197B2 JP 2983197 B2 JP2983197 B2 JP 2983197B2 JP 10048758 A JP10048758 A JP 10048758A JP 4875898 A JP4875898 A JP 4875898A JP 2983197 B2 JP2983197 B2 JP 2983197B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は建築物あるいは構築物
に対し、防藻・防黴性に優れ、その持続性,耐久性に優
れた骨材着色による塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ビルディング,マンション,戸建
住宅等の建築物,橋梁,擁壁等の地上構築物の表面に骨
材着色による塗料を塗装する際に、塗料中の樹脂部分を
黄変させることなく、防藻および防黴性に優れた塗料は
見られなかった。
【0003】防藻・防黴性を有する透明な塗膜を形成さ
せる塗料が、特開平6−264008号に開示されてい
るが、ガラス,金属,プラスチック等を用途とするもの
であり、また、ある程度の膜厚を形成できるものではな
かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】建築用仕上塗材のう
ち、骨材個有の色を生かし、顔料着色でない塗料におい
て防藻防黴性に優れ、塗膜中の透明樹脂部分の変色のな
い、耐久性のある塗料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明では、下記の組
成を採ることにより、防藻防黴性あるいは持続性,耐久
性に優れた仕上り面を得ることが可能となる。請求項1
の発明では、乾燥し造膜した時に透明となる合成樹脂成
分100重量部に対し、陶磁器砕粒,予め着色された細
骨材もしくは天然の細骨材から任意に選択される骨材を
400〜1000重量部、トリアジン系化合物およびイ
ミダゾール系化合物から成る防藻・防黴剤を10:1〜
1:10の重量割合において併用し、0.3〜21重量
部含むことを要旨としている。
【0006】請求項2の発明では、乾燥し造膜した時に
透明となる合成樹脂成分100重量部に対し、陶磁器砕
粒,予め着色された細骨材もしくは天然の細骨材から任
意に選択される骨材を1000〜2000重量部、およ
び合成樹脂成分と骨材成分の合計重量100重量部に対
し、トリアジン系化合物およびイミダゾール系化合物
ら成る防藻・防黴剤を10:1〜1:10の重量割合に
おいて併用し、0.02〜3重量部含むことを要旨とし
ている。
【0007】請求項3の発明では、下地面に対し、特許
請求項1または請求項2記載の塗料を中塗りとして塗装
し、クリヤー塗料を上塗りすることを要旨としている。
【0008】請求項4の発明では、旧塗膜のある下地面
に対し、下地調整材を塗布し、特許請求項1または請求
項2記載の塗料を中塗りとして塗装し、クリヤー塗料を
上塗りすることを要旨としている。
【0009】請求項5の発明では、旧塗膜のある下地面
に対し、予め白色ないし中塗りの塗料に近似する色調の
下塗り塗料を塗装し、特許請求項1または請求項2記載
の塗料を中塗りとして塗装し、クリヤー塗料を上塗りと
することを要旨としている。
【0010】以下、この発明を構成する事項について詳
細に説明する。この発明における塗料は、合成樹脂成
分,細骨材,防藻・防黴剤を主成分とするものである。
【0011】合成樹脂成分は、乾燥し造膜した時に透明
となるものであれば、その形態は問わない。即ち、合成
樹脂溶液,合成樹脂水溶液,合成樹脂エマルションであ
っても造膜後透明となるもの、耐水性,耐候性,耐久性
等において問題が生じないものであれば利用可能とな
る。
【0012】合成樹脂の種類としては、例えば、ビニル
樹脂,アクリル樹脂,ポリウレタン樹脂,塩素化ポリオ
レフィン樹脂,アクリル−シリコーン樹脂,ポリブタジ
エン樹脂,フッ素樹脂などを主成分とするものがある
が、耐久性を考慮するとポリウレタン樹脂またはアクリ
ル−シリコーン樹脂が好ましい。
【0013】細骨材としては、白色あるいは有彩色を持
つ陶磁器の砕粒,寒水砂あるいは硅砂,ガラスビーズに
対して塗料により着色された骨材,プラスチックのビー
ズあるいはその砕粒,花崗岩,蛇紋岩,黒曜石,螢石な
どの天然石の砕粒,カナリヤ,白王,寒水,小桜,淡
雪,美濃霞,蛇紋等の大理石砕粒,硅砂,天然細砂利
(金華,大磯,チェリーサンド)が挙げられ、これらの
細骨材のうちより任意に選択されて利用される。
【0014】細骨材の粒の大きさは、0.05〜5.0
mmの範囲の中から適宜の巾をもって選択される。しか
しながら、粒径0.05mm以下だけにある細骨材を使
用した例では、塗装作業性あるいは仕上った時の模様が
単調なものとなり、粒径0.5〜2.0mmにある細骨
材を含むようにした方が良い。細骨材の配合量は、合成
樹脂成分の固形分100重量部に対して400〜200
0重量部の範囲の中から選択すのが良い。400重量
部未満の場合は、隠ぺい力が不足し、意匠上の変化に乏
しいものとなり、クラックの発生が起こり易いものとな
り良くなく、2000重量部を越える場合は、塗膜の接
着強度あるいは耐水性,耐候性の面において充分な性能
が得られない。
【0015】防藻・防黴剤としては、トリアジン系化合
物およびイミダゾール系化合物を併用することが最も好
ましく、トリアジン系化合物の例としては、2−メチル
チオ−4,6−ビス(エチルアミノ)−s−トリアジ
ン、2−メチルチオ−4−第三級ブチルアミノ−6−シ
クロプロピルアミノ−s−トリアジン、2−メチルチオ
−4−テトラブチル−6−シクロプロピルアミノ−s−
トリアジン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリエチル−
s−トリアジンがあり、イミダゾール系化合物(ベンズ
イミダゾール系化合物を含む)の例としては、チアベン
ダゾール(TBZ),2−(カルボメトキシアミノ)−
ベンズイミダゾール、2−メトメキシカルボニルアミノ
ベンズイミダゾール、6−ジクロル−1−フェノキシカ
ルボニル−2−トリフルオロメチルベンズイミダゾー
ル、4,5,6,7−テトラクロル−2−トリフルオロ
メチルベンズイミダゾールがある。
【0016】トリアジン系化合物とイミダゾール系化合
物の併用において、その配合割合は重量割合において、
10:1〜1:10の範囲から選択されるが、好ましい
範囲としては3:1〜1:3である。例えば、トリアジ
ン系化合物のみであると、防黴効果の持続性に不都合が
生じることがあり、イミダゾール系化合物のみである
と、防藻効果の持続性に不都合が生じることがある。
【0017】次に、好ましい防藻・防黴剤としては、有
機尿素系化合物であるマンガニーズエチレンビスジチオ
カーバメイト、ジンクジメチルジチオカーバメイト、ビ
スジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチ
オカーバメイト、2−ベンツイミダゾリルカルバミン酸
メチル、3−ヨード−2−プロパルギルブチルカルバミ
ン酸があり、チアゾリン系化合物としては、1,2−ベ
ンズイソチアゾリン(BIT)、2−メチル−4−イソ
チアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチ
アゾリン−3−オン、2−(4−チオシアノメチルチ
オ)ベンゾチアゾール(TCMTB)、2−メルカプト
ベンゾチアゾールナトリウム、2−チオシアノメチルチ
オベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾー
ル、2−(チオシアノメチルスルホニル)ベンゾチアゾ
ールがある。
【0018】上記以外の防藻・防黴剤としては、ハロゲ
ン系化合物であるベンジルブロモアセテート、α−ブロ
ムシンナムアルデヒド(BCA)、2,4,5,6−テ
トラクロロイソフタロニトリル、4−クロロフェニル−
3′−ヨードプロパルギルホルマール、2,3,3−ト
リヨードアリルアルコール(TIAA)、1〔(ジヨー
ドメチル)スルホニル〕−4−メチルベンゼンがあり、
フェノール系化合物であるペンタクロロフェノール(P
CP)、ペンタクロロフェニルラウレート、o−フェニ
ルフェノール(OPP)、パラクロロメタキシレノール
(PCMX)、パラクロロメタクレゾールがあり、グア
ニジン系化合物であるドデシルグアニジン塩酸塩、ポリ
ヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩、グルコン酸クロル
ヘキシジンがあり、ピリジン類であるソジウム−2−ピ
リジンチオール−1−オキサイド、ビス(2−ピリジル
チオ−1−オキシド)亜鉛、2,3,5,6−テトラク
ロル−4−(メチルスルホニル)ピリジンがあり、アミ
ド系化合物であるジチオ−2,2′−ビス(ベンヅメチ
ルアミド)があり、無機塩である硝酸銀、過塩素酸銀、
酢酸銀、硝酸銅、硫酸銅、塩化銅、過塩素酸銅、酢酸
銅、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、過塩素酸亜鉛、酢
酸亜鉛がある。
【0019】これらの防藻・防黴剤群の中で、有機尿素
系化合物あるいはチアゾリン系化合物単独の場合は、防
藻・防黴性の持続性が良くなく、ハロゲン系化合物ある
いは無機塩を使用した場合は、耐候性試験を行った時の
変色が起り易く良くない。上記、トリアジン系化合物あ
るいはイミダゾール系化合物においてもハロゲン元素を
含むときには耐候性試験における変色の可能性がある。
実験から得られる結果からすると、トリアジン系化合物
およびイミダゾール系化合物の併用に加えて、有機尿素
系化合物あるいはチアゾリン系化合物から選択されるも
のの併用が可能であり、防藻あるいは防黴の試験の対象
とならなかった、菌あるいは胞子に対して有効なことが
ある。防藻・防黴剤の配合量は、合成樹脂成分の固形分
100重量部に対して骨材の割合が400〜1000重
量部にあるときは、合成樹脂成分100重量部に対して
0.3〜21重量部にあるのが良く、骨材の割合が合成
樹脂固形分比10〜20倍の重量比にあるときは、合成
樹脂成分と骨材成分の合計重量100重量部に対し、
0.02〜3重量部の範囲の中から試験の上選択すれば
良い。
【0020】この発明の塗料組成物では、上記主成分以
外に、従来よりの建築用仕上塗材に配合される下記の成
分が、この発明の趣旨を損なわない範囲内において添加
される。その成分としては、消泡剤,分散剤,湿潤剤な
どの界面活性剤、造膜助剤,防凍剤などの溶剤、着色の
為の染料,メタリック光沢あるいはパール光沢を得る為
の顔料あるいは粘度,粘性調整の為の増粘剤など、通常
の塗料に使用される成分がある。
【0021】塗料組成物の利用に当る塗装では、ごく普
通にコンクリート,モルタル,窯業系サイディング,金
属系サイディング等の下地に対して、プライマーを下塗
りとして用いた上で、あるいは下塗りを用いないで、こ
の発明の塗料を塗装する例がある。この発明の塗料の塗
布量は、乾燥重量換算において1〜6Kg/mから選
択される。
【0022】組成物を中塗りとして用い、更に、クリヤ
ー塗料を上塗りする方法がある。この時、使用されるク
リヤー塗料は、従来公知の塗料が使用され、アクリル樹
脂,ポリウレタン樹脂,アクリル−シリコーン樹脂,フ
ッ素樹脂を主たる結合材となしたものがある。上塗り塗
料の塗布量は、乾燥重量換算において50〜150g/
から適宜選択される。
【0023】この発明の塗料組成物は、改装の場合にお
いても利用可能であり、旧塗膜のある下地に対しても利
用される。旧塗膜とは、建築物あるいは構築物の表面
に、建築用仕上塗材あるいは木部用塗料,金属用塗料な
どが塗装されたもののことを言う。
【0024】改装の場合、旧塗膜のある下地に対して、
水洗処理をして下地とする方法、プライマーを下塗りと
する方法、下地調整塗材を塗り新たな下地とする方法の
三つが、この発明の塗料を塗装する以前に存在する。更
に、この発明の塗料を中塗りにした後も、クリヤー塗料
を塗装する場合、しない場合が存在する。また、下地調
整塗材により下地調整した後に、下塗りを塗装し、この
発明の塗料を塗装する方法も存在する。この発明では従
来より存在する種々の方法をそのまま利用することがで
きる
【0025】請求項4は、下地調整塗材を塗って、この
発明の塗料,クリヤー塗料を順に塗装する方法であり、
請求項5は、下塗りに白色ないし中塗りにこの発明の塗
料色に近い色調の下塗り塗料を塗装し、この発明の塗
料,クリヤー塗料を塗装する方法である。
【0026】下地調整塗材は、例えばJIS A691
6に規定されるものであり、JISでは、組成上あるい
は仕様上の分類からセメント系下地調整塗材の1種およ
び2種,合成樹脂エマルション系下地調整塗材,セメン
ト系下地調整厚塗材の1種および2種の五つがある。こ
れらは建築用仕上塗材による内外装仕上工事の下地調整
のために使用されるものである。塗厚は、0.5〜1m
m,1〜3mmあるいは3〜10mm程度にし、下地の
凹凸,種類,下地調整後に塗装される仕上塗材の種類等
に応じ選択される。
【0027】
【実施例】実施例および比較例では、下記表1に示す配
合により塗料を作成し、1つには貯蔵安定性の試験を行
い、また、作成した塗料をフレキシブルボードに塗装
し、あるいはろ紙の上に塗装し、各種試験に供した。
【0028】
【表1】
【0029】尚、表1中の数値は重量部を示す。合成樹
脂エマルションの配合量は固形分換算による重量を表わ
し、配合水については記載を省略した。塗料として混合
した時の粘度は、簡易型粘度計により40〜300dp
a・s(デシパスカル)に入るように調整した。合成樹
脂エマルションには酢酸ビニル−アクリル樹脂系の合成
樹脂を利用した。細骨材aには、7号硅砂(0.09m
mより0.3mmが95%以上)に着色した骨材を利用
し、細骨材bには、8号硅砂(0.04mmより0.1
mmが95%以上)に着色した骨材を利用し、細骨材c
には、5号硅砂(0.2mmより0.85mmが95%
以上)に着色した骨材を利用した。また、色調について
は樹脂成分の黄変確認を容易にする為に、白色とした。
防藻・防黴剤aにはトリアジン系化合物を使用し、同b
にはベンズイミダゾール系化合物。同cにはハロゲン系
化合物、同dにはフェノール系化合物の中より選択し使
用した。造膜助剤には多価アルコール系溶剤およびエス
テル系溶剤の混合物を使用した。増粘剤には、メチルセ
ルロースを使用した。
【0030】塗料の貯蔵安定性試験では、JIS A6
909に規定される低温安定性試験及び引き続き同じ容
器中の塗料を用いて50℃の恒温槽中に4週間置いた時
の、試験前、試験後の塗料粘度および性状の確認を行っ
た。JIS A6909の低温安定性試験では、容器に
入れた塗料を−5℃の恒温槽に18時間、20℃の養生
室に6時間置くというサイクルを3回繰り返すこととし
ている。
【0031】以下に、上記配合の塗料を塗装した板を用
いて、行った各種試験について説明する。変退色試験で
は、JIS A6909に規定される変退色試験を行っ
た。変退色試験では、紫外線カーボンフェードメータを
用い、ブルースケールを使用しない場合の試験方法によ
り、48時間露光させ、24時間暗室静置のうえ、グレ
ースケールによる比較、ひび割れおよびはがれの有無を
確認した。
【0032】防藻試験では、JIS A6909のかび
抵抗性試験をもとにした試験方法により評価を行った。
手順として、下記組成からなる培地用液を調整して、
加熱して1時間煮沸した。次に、滅菌シャーレに注ぎ
凝固させた。培地中央に、30×30mmの塗膜片を
培養するように置く。藻の胞子懸濁液1mlを塗膜片
上および培地上に均一にまきかける。シャーレに蓋を
覆せ、28℃、100%RH、照度1500ルクスの条
件下に1カ月間置く。藻の発生状態により0,1,
2,3,4,5の6段階の評価基準をもとに評価する。
【0033】評価基準は塗料工業会が、試料塗膜の抗カ
ビ、抗藻効果を知る為に定めたものであり、数字により
発生の程度を次のように示すようにしている。 0.全く発生していない。 1.ごくわずかの発生が認められる。 2.試料表面の1〜10%に発生が認められる。 3.試料表面の10〜30%に発生が認められる。 4.試料表面の30〜70%に発生が認められる。 5.試料表面の70%以上に発生が認められる。
【0034】培地の組成1 組成1 純水 1000ml 寒天 10g 硝酸カリウム 1.21g 硫酸マグネシウム 2.46g 第二リン酸カリウム 1.23g 硫酸第二鉄 0.05g クエン酸ナトリウム 0.19g
【0035】藻の胞子懸濁液は、塗料工業界で用いる防
藻試験用藻類を減菌蒸留水に分散させたものであり、プ
レウロコックス属(Pleurococcus s
p.:緑の単細胞)と、ユレモ属(Oscillato
ria sp.:青緑の糸状)との混合物を用いた。
【0036】防黴試験では、JIS Z2911に規定
のカビ抵抗性試験方法にある方法により評価を行った。
手順は先の防藻試験を行った時とほぼ同じであるが、培
地の組成は下記組成2に示すものとし、カビの胞子の混
合懸濁液は下記に示す試験用のカビを用いた。培養条件
についても28℃,100%RH,暗室内の条件下と
し、1週間の培養期間とした。
【0037】試験結果の表示は、カビ抵抗性の表示は5
段階表示とし、JIS Z2911にある試験結果の表
示方法である三段階表示に代えて、先に記した抗カビ,
抗藻効果の表示に倣い、下記の通りとした。尚、塗料工
業会の結果表示は六段階であり、数値が小さいものほど
良い結果を示しているが、この評価では数値が大きいも
のほど良い結果を表すことになる。 5 培地および試験片の表面とも菌糸の発育が認められ
ない。 4 培地表面にごくわずかの菌糸の発育が認められる。 3 培地表面の試験片周辺を除き、菌糸の発育が認めら
れる。試験片の表面には菌糸の発育が認められない。 2 培地表面の全面および試験片の周囲部分の一部に菌
糸の発育が認められる。 1 培地表面および試験片の全面にわたって菌糸の発育
が認められる。
【0038】組成2 純水 1000ml ブドウ糖 40g ペプトン 10g 寒水 25g
【0039】カビの胞子懸濁液は、試験用カビの第1
群,第2群,第4群から選択されるものであり、アスペ
ルギルス ニゲル FERM S−2,ペニシリウム
フニクロスム FERM S−6,クラドスポリウム
クラドスポリオイデス FERM S−8,オーレオバ
シジウム プルランス FERM S−9,グリオクラ
ジウム ビレンス FERM S−10の5種類のカビ
胞子混合液である。
【0040】耐アルカリ性試験と変退色試験の複合試験
では、JIS A6909に規定される耐アルカリ性試
験A法を行った後、続けてJIS A6909に規定さ
れる変退色試験を行った。変退色試験は先に記した試験
であり、耐アルカリ性試験では、塗装板の側面および裏
面をエポキシ樹脂シールしたものを、20℃の水酸化カ
ルシウム飽和水溶液に塗面の1/3ないし1/2浸漬す
るようにし、1週間経過させるようにした。アルカリ水
浸漬後、水洗し、1日乾燥させてから変退色試験に供す
ようにした。
【0041】変退色試験と防藻・防黴性の複合試験で
は、先に記した変退色試験を行った後、防藻試験および
防黴試験を行った。変退色試験を行った後の試験板は、
次の防藻試験等に供すに当って、試験体として適当な大
きさに切断して用いた。
【0042】温冷繰り返し作用に対する抵抗性と防藻・
防黴性の複合試験では、JIS A6909に規定され
る温冷繰り返し試験を行った後、防藻試験および防黴試
験を行った。温冷繰り返し試験では、試験板を20℃±
2℃の水中に18時間浸漬した後、−20℃±3℃の恒
温器中にて3時間冷却,50℃±3℃の恒温器中にて3
時間加温する24時間のサイクルを10回繰り返すもの
である。
【0043】下記表2に、上記各種試験を行った結果を
示す。表2中、塗料の貯蔵安定性における○印は異常が
なかったことを示し、×印は塗料のゲル化が生じたこと
を示す。また、変退色試験における○印は変色,ひび割
れおよびはがれ等の発生がなかったことを示し、×印は
塗膜の黄変が生じたことを示している。耐アルカリ性と
変退色試験の複合試験における○印は、変色,ひび割れ
およびはがれ等の異常の発生がなかったことを示し、×
印は塗膜の黄変が生じたことを示している。温冷繰り返
し試験における○印はふくれ,ひび割れおよびはがれ等
の異常の発生がなかったことを示し、×印では塗膜のふ
くれが生じたことを示している。
【0044】
【表2】
【0045】表2中、変退色試験と防藻・防黴性の複合
試験の試験結果を示す欄あるいは、温冷繰り返しと防藻
・防黴性の複合試験の試験結果を示す欄の二段書きは、
上段に複合試験の防藻試験後の結果を示し、下段に複合
試験の防黴試験後の結果を表すようにしている。
【0046】次に、この発明の上記実施例2の塗料を塗
装した板に対して、アクリル−ウレタン樹脂系のクリヤ
ー塗料あるいはアクリル−シリコーン樹脂系のクリヤー
塗料を300g/m2の所要量により塗装し、このクリ
ヤー塗料が上塗りされた塗装板についても上記試験のう
ち、防藻試験,防黴試験,耐アルカリ性と変退色性の複
合試験,温冷繰り返しと防藻・防黴性の複合試験を行っ
た。実施例2の塗料を塗装し、更にアクリル−ウレタン
樹脂系のクリヤー塗料を塗装したものを実施例5、アク
リル−シリコン樹脂系のクリヤー塗料を塗装したものを
実施例6とした。
【0047】上記クリヤー塗料のある塗装板についての
試験結果を下記表3に示す。表3中にある複合試験1と
は、耐アルカリ性と変退色性の複合試験であり、複合試
験4とは、温冷繰り返しと防藻性の試験であり、複合試
験5とは、温冷繰り返しと防黴性の試験のことを表して
いる。表中における符号の○印あるいは数値による結果
表示は、表2のときと同じである。
【0048】
【表3】
【0049】改装現場に使用する場合の実施例イとし
て、複層塗材Eが塗装されて10年経過したコンクリー
トブロック造の塀に対して、下地調整として合成樹脂エ
マルション系下地調整塗材1.0Kg/m程を吹付け
して使用し、次に、この発明の実施例1にある塗料をス
プレーガンを用い、所要量2.5Kg/mにして塗装
した。更に、上塗りとして、アクリル−シリコーン樹脂
系のクリヤー塗料を300g/mの所要量によりエア
レススプレー塗装を行った。
【0050】改装仕様の実施例ロとして、アクリル樹脂
エナメルが塗装されて8年経過した鉄骨造波形スレート
葺きの倉庫壁面に対して、下塗りとして白色に着色され
た下塗り塗料を100g/mの所要量によりスプレー
塗装し、次に、この発明の実施例4にある塗料を所要量
1.0Kg/mにして塗装した。更に、上塗りとし
て、アクリル−ウレタン樹脂系のクリヤー塗料を200
g/mの所要量によりエアレススプレー塗装を行っ
た。
【0051】上記改装仕様を用いて塗装された塀および
外壁面は、塗装後5年経過したが、塗膜の黄変あるいは
浮き,剥れもなく、また藻,黴が発生しない状態となっ
ている。
【0052】
【発明の効果】この発明の塗料組成物では、安定性に優
れ、塗装後の塗膜の性能において、防藻性および防黴性
が耐久性の試験を行った後でも持続することができる。
また、透明樹脂によって被覆されている塗膜に黄変が生
じることがないので、優れた美観を長期に亘り維持する
ことができる。
【0053】更に、防藻・防黴剤が入った塗料の塗装
後、クリヤー塗料を塗装した場合においても、防藻・防
黴性を維持することができる。このように新築の場合
も、あるいは改装という藻・黴の発生し易い物件に対し
ても、効果的な塗膜を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B05D 7/24 303 B05D 7/24 303E C09D 7/12 C09D 7/12 Z

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾燥し造膜した時に透明となる合成樹脂
    成分100重量部に対し、陶磁器砕粒,予め着色された
    細骨材もしくは天然の細骨材から任意に選択される骨材
    を400〜1000重量部、トリアジン系化合物および
    イミダゾール系化合物から成る防藻・防黴剤を10:1
    〜1:10の重量割合において併用し、0.3〜21重
    量部含むことを特徴とする塗料組成物。
  2. 【請求項2】 乾燥し造膜した時に透明となる合成樹脂
    成分100重量部に対し、陶磁器砕粒,予め着色された
    細骨材もしくは天然の細骨材から任意に選択される骨材
    を1000〜2000重量部、および合成樹脂成分と骨
    材成分の合計重量100重量部に対し、トリアジン系化
    合物およびイミダゾール系化合物から成る防藻・防黴剤
    10:1〜1:10の重量割合において併用し、0.
    02〜3重量部含むことを特徴とする塗料組成物。
  3. 【請求項3】 下地面に対し、特許請求項1または請求
    項2記載の塗料を中塗りとして塗装し、クリヤー塗料を
    上塗りすることを特徴とする塗装方法。
  4. 【請求項4】 旧塗膜のある下地面に対し、下地調整塗
    材を塗布し、特許請求項1または請求項2記載の塗料を
    中塗りとして塗装し、クリヤー塗料を上塗りすることを
    特徴とする塗装方法。
  5. 【請求項5】 旧塗膜のある下地面に対し、予め白色な
    いし中塗りの塗料に近似する色調の下塗り塗料を塗装
    し、特許請求項1または請求項2記載の塗料を中塗りと
    して塗装し、クリヤー塗料を上塗りすることを特徴とす
    る塗装方法。
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