JP2001288384A - 着色骨材及び着色骨材含有塗材 - Google Patents

着色骨材及び着色骨材含有塗材

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JP2001288384A JP2000106348A JP2000106348A JP2001288384A JP 2001288384 A JP2001288384 A JP 2001288384A JP 2000106348 A JP2000106348 A JP 2000106348A JP 2000106348 A JP2000106348 A JP 2000106348A JP 2001288384 A JP2001288384 A JP 2001288384A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着色骨材に藻、黴に対する防止効果を付与す
ることにより着色骨材表面の藻、黴による汚れを防止し
つつ、着色することができる。また、藻、黴に対する防
止効果を付与された着色骨材を塗材に含有することによ
り、塗材中に防藻防黴剤を添加することがなく、そのた
め、その塗膜の変色がない塗材を得ることができる着色
骨材を提供する。 【解決手段】 着色骨材は、塗料被覆層を有する骨材に
おいて、その塗料中に防藻防黴剤を含有するものであ
り、防藻防黴剤が有機化合物であることが好ましい。ま
た、骨材の粒径が45μm〜1500μmの範囲が好ま
しく、この骨材は、珪砂、寒水砂が好ましく用いられ
る。着色骨材含有塗材は、この着色骨材と、乾燥し造膜
した後に透明となる合成樹脂とからなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、土木建築用資
材、園芸用の砂として又は建築物などの構造物の仕上げ
に用いられる塗材に含有される骨材として利用すること
ができる着色骨材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、骨材に塗料を被覆した着色骨材
は、多様な用途に用いられている。例えば、土木建築用
資材、園芸用の砂として用いられる。また、その着色骨
材を含有する塗材を建築物などの構造物の仕上げに用い
られている。しかし、塗材として用いた場合、その塗材
の乾燥塗膜は、藻及び黴に対する防止効果がないため
に、その塗膜に藻、黴が発生することがある。そのた
め、塗料中に防藻防黴剤を添加することがある。例え
ば、特開平6−256689号公報、特開平6−264
008号公報又は特開平10−306242号公報など
によれば、塗材中に防藻防黴剤を添加することが開示さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、骨材を塗料
により被覆した着色骨材では、藻及び黴に対する防止効
果がないため、しばしば着色骨材表面に藻、黴の発生が
あり、着色された骨材がそれらのために汚れるなど着色
骨材表面の色調を変化させることがある。
【0004】また、着色骨材を用いた塗材においては、
塗材中に防藻防黴剤を添加することにより塗膜の藻及び
黴に対する防止効果を得ることができるが、その防藻防
黴剤を添加することにより、着色骨材含有塗材の構成材
料の1つである乾燥し造膜した後に透明となる合成樹脂
が変色する場合がある。このことにより、着色骨材含有
塗材の塗膜全体が変色したようになる。
【0005】この発明は、上記のような従来技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、着色骨材に藻及び黴に対する防止効果を
付与することにより着色骨材表面の藻及び黴による汚
れ、劣化を防止しつつ、骨材に着色することができる。
また、藻及び黴に対する防止効果を付与した着色骨材を
塗材中に含有することにより、塗材中に防藻防黴剤を添
加することがなく、そのため、その塗膜の変色がない塗
材を得ることができる着色骨材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明の着色骨材は、塗料被覆層
を有する骨材において、その塗料被覆層を形成する塗料
中に防藻防黴剤を含有していることを特徴とするもので
ある。
【0007】請求項2に記載の発明の着色骨材は、請求
項1に記載の発明において、前記防藻防黴剤が有機化合
物であることを特徴とするものである。
【0008】請求項3に記載の発明の着色骨材含有塗材
は、請求項1又は請求項2に記載の着色骨材と、乾燥し
造膜した後に透明となる合成樹脂とからなることを特徴
とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て、詳細に説明する。この発明では、塗料は、骨材に着
色を施すためのものであり、塗料被覆層は、塗料により
形成される塗膜のことである。また、塗材は、着色骨材
を含有するものであり、塗材層は、その塗材により形成
される塗膜のことである。
【0010】着色骨材は、塗料被覆層を有する骨材にお
いて、その塗料被覆層を形成する塗料中に防藻防黴剤を
含有していることを特徴とするものである。
【0011】まず、骨材は、着色骨材を製造する際、核
となるものであり、もっとも重要な構成材料の1つであ
る。この骨材としては、珪砂、寒水砂、陶磁器粉砕物、
ガラス又はプラスチックからなるビーズ、黒曜石、真珠
岩、ガラス粉を発泡体とした軽量骨材、並びに、寒水
石、珪石、大理石、御影石を含む天然石を粉砕したもの
などがあり、これら骨材を適宜選択して使用することが
できる。
【0012】珪砂は、ニ酸化けい素を主成分とするもの
であり、川砂、海砂に代表される天然状態で粒状のもの
と、珪石を粉砕して粒度調整したものがあり、寒水砂
は、炭酸カルシウムを主成分とするものであり、寒水石
を粉砕して粒度調整したものである。陶磁器粉砕物は、
陶磁器を粉砕して得られるものであり、粉砕した後に粒
度を調製されて用いられる。また、大理石、御影石など
の天然石を粉砕して粒度調整したものも用いることがで
きる。
【0013】ガラスビーズは、ガラスを略球状にしたも
のであり、プラスチックビーズは、アクリル樹脂などの
樹脂を略球状にしたものであり、工業的に作られるため
に粒度が比較的安定している。黒曜石、真珠岩又は、ガ
ラス粉の発泡体は、黒曜石、真珠岩又は、ガラスを粉砕
して、発泡させた後に粒度調整したものである。
【0014】骨材の粒度は、45〜1500μmの範囲
のものが好ましく、45〜1000μmの範囲のものが
さらに好ましい。45μmより小さい場合では、骨材の
単位重量当りの表面積が大きくなり、塗料の使用量が多
くなるために、着色骨材の製造時において、乾燥が遅く
なることがある。また、粒度が細かいため着色が困難と
なることがある。1500μmより大きい場合では、骨
材1粒当りの表面積が大きくなるために、骨材表面の被
覆が均一になりにくく、斑になる場合がある。
【0015】骨材は、珪砂や寒水砂が好ましく用いられ
る。珪砂や寒水砂は、塗料の被覆性、密着性、着色骨材
の製造の容易性に優れ、入手が容易である。また、着色
骨材含有塗材として用いる場合、乾燥し造膜した後に透
明となる合成樹脂との混和性に優れている。
【0016】塗料は、着色骨材を得るための必須成分で
あり、骨材に着色及び被覆のために用いられるものであ
る。塗料としては、アクリル樹脂系、シリコーン樹脂
系、ウレタン樹脂系、シリコーンアクリル樹脂系等の水
系塗料、溶剤系塗料又は無溶剤系塗料が用いられ、必要
とされる色調に着色成分により着色されたものを用い
る。この塗料は、着色骨材の用途や性能に応じて適宜選
択することができるが、着色骨材の製造が容易なため、
水系塗料又は溶剤系塗料が好ましく用いられる。
【0017】着色成分として着色顔料として無機、有機
系顔料及びその両方を用いられる。着色顔料は、チタン
白、カーボンブラック、オキサイドイエロー、弁柄、シ
アニンブルー、又はシアニングリーンなど塗料に通常用
いられるものを使用することができる。それらは、耐候
性のよいものが好ましい。
【0018】防藻防黴剤は、藻及び黴の発生を抑制する
ものである。着色骨材表面又は着色骨材含有塗材の乾燥
塗膜に寄生するものであり、それらは、寄生することに
より着色骨材表面又は着色骨材含有塗材の乾燥塗膜を汚
れさせ、劣化させるものである。
【0019】防藻防黴剤は、有機化合物のものと無機塩
からなる硝酸銀、過塩素酸銀、酢酸銀、硝酸銅、過塩素
酸銅、酢酸銅、硫酸銅、塩化銅、硝酸亜鉛、過塩素酸亜
鉛、酢酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛などがある。塗料の
着色性、着色骨材の耐候性や少量の添加量での藻及び黴
の防止効果から有機化合物のものが好ましい。
【0020】有機化合物の防藻防黴剤としては、トリア
ジン系化合物、イミダゾール系化合物、有機尿素系化合
物、チアゾリン系化合物、ハロゲン系化合物、フェノー
ル系化合物、グアニジン系化合物、アミド系化合物など
が挙げられる。
【0021】トリアジン系化合物としては、2−メチル
チオ−4、6−ビス(エチルアミノ)−s−トリアジ
ン、2−メチルチオ−4−第3級ブチルアミノ−6−シ
クロプロピルアミノ−s−トリアジン、2−メチルチオ
−4−テトラブチル−6−シクロプロピルアミノ−s−
トリアジン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリエチル−
s−トリアジンなどが挙げられる。
【0022】イミダゾール系化合物(ベンズイミダゾー
ル系化合物を含む)としては、チアベンダゾール(TB
Z)、2−(カルボメトキシアミノ)−ベンズイミダゾ
ール、2−メトメキシカルボミルアミノベンズイミダゾ
ール、6−ジクロ−1−フェノキシカルボニル−2−ト
リフルオロメチルベンズイミダゾール、4,5,6,7
−テトラクロル−2−トリフルオロメチルベンズイミダ
ゾールなどが挙げられる。
【0023】有機尿素系化合物としては、マガニーズエ
チレンビスジチオカーバイト、ジンクジメチルジチオカ
ーバメイチ、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエ
チレンビスジチオカーバメイト、2−ベンツイミダゾリ
ルカルバミン酸メチル、3−ヨード−2−プロパルギル
ブチルカルバミン酸などが挙げられる。チアゾリン系化
合物としては、1,2−ベンズイソチアゾリン(BI
T)、2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾ
ール(TCMTB)、2−メルカプトベンゾチアゾール
ナトリウム、2−チオシアノメチルチオベンゾチアゾー
ル、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(チオシア
ノメチルスルホニル)ベンゾチアゾールなどが挙げられ
る。
【0024】ハロゲン系化合物では、ベンジルブロモア
セテート、α−ブロムシンナムアルデヒド(BCA)、
2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、4
−クロロフェニル−3’−ヨードプロパルギルホルマー
ル、2,3,3−トリヨードアリルアルコール(TIA
A)、1((ジヨードメチル)スルホニル)−4−メチ
ルベンゼンなどが挙げられる。
【0025】フェノール系化合物では、ペンタクロロフ
ェノール(PCP)、ペンタクロロフェニルラウレー
ト、O−フェニルフェノール(OOP)、パラクロロメ
タキシレノール(PCMX)、パラクロロメタクレゾー
ルなどが挙げられる。グアニジン系化合物では、ドデシ
ルグアニジン塩酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニジン
塩酸塩、グルコン酸クロルヘキシジンなどがあり、アミ
ド系化合物では、ジチオ−2,2’−ビス(ベンズメチ
ルアミド)などが挙げられる。
【0026】有機化合物の防藻防黴剤の中からトリアジ
ン系化合物、イミダゾール系化合物のものが好ましく、
その両方を併用することが望ましい。トリアジン系化合
物、イミダゾール系化合物の防藻防黴剤は、藻及び黴の
防止効果とその防止効果の持続性に優れ、塗料に含有し
た場合において変色など耐候性が優れている。また、そ
の両方を併用することにより一層優れたものとなる。
【0027】トリアジン系化合物とイミダゾール系化合
物の防藻剤及び防黴剤の併用の場合は、その配合割合が
重量比で10:1〜1:10の範囲であり、3:1〜
1:3の範囲が好ましい。前記範囲外である場合は、藻
及び黴の防止効果とその防止効果の持続性を阻害するこ
とがある。
【0028】このようにして構成される着色骨材は、着
色骨材含有塗材として用いることができる。また、この
塗料には、その他の添加剤として、低沸点アルコール、
高沸点溶剤、界面活性剤、増粘剤、pH調整剤、防腐剤
等のような一般に塗料製造に配合されている成分を使用
することができる。高沸点溶剤は造膜助剤、防凍剤とし
て用いられ、界面活性剤は消泡剤、分散剤、湿潤剤など
として用いられる。増粘剤は、粘度及び粘性調整のため
に用いられる。
【0029】さて、乾燥し造膜した後に透明となる合成
樹脂は、着色骨材含有塗材の結合材であり、その結合材
は、被塗布面と着色骨材とを結合するものである。ま
た、骨材の着色された色調、風合いを生かし、意匠感を
高めるために乾燥し造膜した後に透明となるものである
ことが必要である。
【0030】この合成樹脂は、アクリル樹脂、ウレタン
樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、
塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポ
リエステル樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂などの樹脂
を単独又は共重合したもの、これら樹脂を有機溶媒に溶
解させたもの又は、エマルションとして水に分散させた
ものが使用される。塗材の使いやすさ、製造の容易さ、
入手の容易さより合成樹脂エマルションが好ましく用い
られる。
【0031】合成樹脂エマルションは、乳化重合のよう
な常用の重合技術で製造することができる、一般的なも
のでよい。また、合成樹脂エマルションのポリマーの構
造が複雑な形態、例えば芯−殻粒子であっても実施する
ことができる。このうち、塗料適性、塗膜の物性、入手
の容易性などの点から、アクリル樹脂、スチレン樹脂よ
り製造されたアクリル系合成樹脂エマルション及びアク
リルスチレン系合成樹脂エマルションが好ましい。水性
塗料組成物の用途、性能に応じて適宜選択してもよい。
【0032】合成樹脂エマルションに使われる樹脂のガ
ラス転移温度は、好ましくは−50〜70℃の範囲であ
り、より好ましくは−20℃から40℃の範囲であり、
着色骨材含有塗材の用途に応じて、適したガラス転移温
度の合成樹脂を選択することができる。ガラス転移温度
が−50℃より低い場合には、着色骨材含有塗材により
形成された塗膜が汚れやすく、70℃より高い場合に
は、合成樹脂エマルションの造膜が困難になる場合があ
る。
【0033】着色骨材含有塗材は、塗材の固形分中での
着色骨材含有率は、20〜80重量%が好ましい範囲で
ある。20重量%より少ない場合には、藻及び黴に対す
る防止効果が少なくなる。80重量%より大きい場合に
は、藻及び黴に対する防止効果の向上は少なくなが、そ
の防止効果は十分である。50〜80重量%がさらに好
ましい範囲である。
【0034】この着色骨材含有塗材は、着色骨材以外の
骨材を含有することができる。この骨材は、着色骨材に
用いられる珪砂、寒水砂、陶磁器粉砕物、ガラス又はプ
ラスチックからなるビーズ、黒曜石、真珠岩、ガラス粉
を発泡体とした軽量骨材、並びに、寒水石、珪石、大理
石、御影石を含む天然石を粉砕したもので着色を施さな
い無着色のものや花崗岩、蛇紋岩、黒曜石、蛍石などを
粉砕したものなどを用いることができる。また、着色骨
材含有塗材の作業性、粘度など又、塗材層の意匠感から
着色骨材以外の骨材の粒度は、着色骨材と同じ粒度が好
ましい。
【0035】また、この着色骨材含有塗材は、その他の
成分として、低沸点アルコール、高沸点溶剤、界面活性
剤、増粘剤、白色顔料、着色顔料、充填材、難燃剤、p
H調整剤、防腐剤等のような一般に塗料製造に配合され
ている成分を使用することができる。高沸点溶剤は造膜
助剤、防凍剤として用いられ、界面活性剤は消泡剤、分
散剤、湿潤剤などとして用いられる。増粘剤は、粘度及
び粘性調整のために用いられる。また、充填材として
は、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミ
ナ、、繊維等が挙げられ、発泡クレー、軽石、パーライ
ト、発泡スチロール粉、シラスバルーン、ヒル石等の軽
量骨材が挙げられる。難燃剤としては、ハロゲン系、リ
ン系、三酸化アンチモン系化合物などがある。
【0036】このように構成された着色骨材含有塗材
は、建築物などの構造物にスプレー、ローラ、鏝、刷毛
などを用い塗布され、構造物の仕上げとなる塗材層を形
成するものである。
【0037】次に、前記のように構成された着色骨材を
得るための製造方法について説明する。まず、骨材の着
色に用いられる塗料を得る。この塗料は、着色成分を含
有するものであるり、常法により得ることができる。こ
の塗料には、防藻防黴剤を含有させることが必要であ
る。
【0038】次に、骨材に着色を行う。この着色方法
は、特に限定されるものではない。例えば、骨材を一定
量入る容器に入れ、ミキサー等により攪拌を行いながら
前記塗料をスプレー等により骨材全体に均一になるよう
噴霧し、塗料により骨材を被覆する。塗料が骨材全体に
均一になった状態にした後、振動乾燥機を用い、振動を
与えながら、熱風等を用い、塗料を被覆した骨材を乾燥
させる。そして、塗料被覆層を有する着色骨材を得るこ
とができる。
【0039】このようにして得られた着色骨材を着色骨
材含有塗材として用いる場合などは、篩等により粒度調
整を行うことがある。以上のように、この実施形態によ
れば次のような効果が発揮される。
【0040】・ 塗料被覆層を有する骨材において、そ
の塗料被覆層を形成する塗料中に防藻防黴剤を含有して
いる着色骨材により、着色骨材に藻及び黴に対する防止
効果を付与することにより着色骨材表面の藻及び黴によ
る汚れ、劣化を防止しつつ、着色することができる。
【0041】・ 防藻防黴剤が有機化合物であることに
より、少量の添加量での藻及び黴の防止効果が得られ
る。
【0042】・ 着色骨材と、乾燥し造膜した後に透明
となる合成樹脂とからなる着色骨材含有塗材であること
により、その塗膜の変色がない塗材を得ることができ
る。
【0043】・ 骨材の粒度が45〜1500μmの範
囲のものであることにより、着色骨材の製造時におい
て、塗料の使用量が少なく、乾燥が速く、また骨材表面
の被覆が均一で、斑にならないものが得られる。
【0044】・ 骨材が珪砂、寒水砂であることによ
り、塗料被覆層の被覆性、密着性に優れ、着色骨材の製
造の容易性に優れたものが得られる。また、着色骨材含
有塗材とした場合、合成樹脂との混和性に優れ、入手が
容易なものが得られる。
【0045】・ 防藻防黴剤がトリアジン系化合物又は
イミダゾール系化合物であることにより、藻及び黴の防
止効果とその防止効果の持続性に優れ、塗料に含有した
場合において変色など耐候性が優れているものが得られ
る。
【0046】・ 防藻防黴剤がトリアジン系化合物とイ
ミダゾール系化合物を併用することにより、藻及び黴の
防止効果とその防止効果の持続性に一層優れ、塗料に含
有した場合において変色など耐候性が一層優れているも
のが得られる。
【0047】・ 乾燥し造膜した後に透明となる合成樹
脂がアクリル樹脂、スチレン樹脂より製造されたアクリ
ル系合成樹脂エマルション及びアクリルスチレン系合成
樹脂エマルションであることにより、塗料適性、塗膜の
物性、入手の容易性が優れたものが得られる。
【0048】
【実施例】以下、前記実施形態を実施例に基づいて、さ
らに具体的に説明する。まず、骨材の着色に用いられる
塗料を得る。この塗料は、アクリル系合成樹脂エマルシ
ョン(固形分50%)を用いた。着色成分として、無機
系顔料の弁柄を主成分とした顔料ペースト(着色成分5
0%)を用い、赤錆色の塗料を得た。また、防藻防黴剤
として、トリアジン系化合物(有効成分30%)とイミ
ダゾール系化合物(有効成分30%)の両方を用いた。
その配合割合が重量比で2:1である。その他の成分と
して、造膜助剤としての高沸点溶剤、消泡剤としての界
面活性剤、増粘剤、pH調整剤を用いた。下記に着色に
用いられる塗料配合を示す。
【0049】塗料配合 アクリル系合成樹脂エマルション 200.0(g) トリアジン系化合物 6.0(g) イミダゾール系化合物 3.0(g) 顔料ペースト 8.0(g) その他の成分 25.0(g) 配合水 58.0(g) 合 計 300.0(g)
【0050】次に、骨材に着色を行う。この骨材は珪砂
を用いた。着色方法は、容器に珪砂を1000kg入
れ、ミキサーにより攪拌を行いながらスプレーを用い
て、前記塗料配合の塗料35kgを骨材全体に均一にな
るよう噴霧した。塗料が骨材全体に均一になった状態に
した後、振動乾燥機を用い、振動を与えながら、200
℃の熱風により60分間被覆された塗料を乾燥させ、着
色骨材を得た。
【0051】比較例として前記塗料配合からトリアジン
系化合物とイミダゾール系化合物の防藻防黴剤を除いた
塗料を用い、実施例と同様な着色方法により着色を行い
着色骨材を得た。実施例1として実施例で得た着色骨材
と比較例1として比較例で得た着色骨材を用いて防藻防
黴試験を行った。この防藻防黴試験は、着色骨材100
gをシャーレに入れ藻や黴が発生しやすい日陰であり湿
った場所に置き1ヶ月間静置した。その1ヶ月後に試験
を行った着色骨材を観察した。
【0052】その観察結果は、実施例1の着色骨材には
藻及び黴の発生はなく、比較例1の着色骨材では黴の発
生があった。この結果から防藻防黴剤の塗料に添加した
ことにより藻及び黴の発生がなかったことがわかる。
【0053】次に、実施例及び比較例で得た着色骨材を
300μmと850μmの篩を用い、300〜850μ
mに粒度調整を行い、その粒度調整を行った着色骨材を
用いて、着色骨材含有塗材を得た。乾燥し造膜した後に
透明となる合成樹脂としては、アクリル系合成樹脂エマ
ルションでガラス転移温度が10℃、固形分が45%の
ものを用いた。着色骨材の含有率は、塗材の固形分中に
50重量%含有させた。
【0054】その他の成分として、造膜助剤、消泡剤、
分散剤、湿潤剤、増粘剤を用いた。また、着色骨材以外
の骨材として無着色の白色の寒水砂を用いた。下記に着
色骨材含有塗材の塗材配合を示す。
【0055】塗材配合 アクリル系合成樹脂エマルション 250.0(g) 着色骨材 500.0(g) 造膜助剤 30.0(g) 消泡剤 2.0(g) 分散剤 1.0(g) 湿潤剤 0.5(g) 増粘剤 1.0(g) 寒水砂 500.0(g) 配合水 15.5(g) 合 計 1300.0(g)
【0056】実施例2として実施例1で得た着色骨材を
用い前記塗材配合により着色骨材含有塗材を得た。比較
例2として比較例1に得た着色骨材を用い前記塗材配合
により着色骨材含有塗材を得た。また、比較例3として
比較例1に得た着色骨材を用い前記塗材配合により着色
骨材含有塗材を混合し、塗材全量1300gに対してト
リアジン系化合物を6.0gとイミダゾール系化合物を
3.0gの防藻防黴剤を添加した。
【0057】実施例2、比較例2及び比較例3より得た
着色骨材含有塗材をスレート板に塗布し、スレート板に
着色骨材含有塗材により形成された着色骨材含有塗材層
を得たものを試験体とし試験を行った。この試験は防藻
防黴試験と紫外線による変色試験を行った。防藻防黴試
験は、試験体を建築物の北面で藻や黴が発生しやすい日
陰で、湿った場所に置き6ヶ月間静置した。その一年後
に試験を行った試験体を観察した。また、変色試験で
は、UVランプにより紫外線を試験体に72時間照射し
て、その試験体の変色の程度を観察した。
【0058】実施例2及び比較例3の着色骨材含有塗材
層には、藻及び黴の発生はなかったが、比較例2の着色
骨材含有塗材層では、藻が発生していた。このことは、
着色骨材含有塗材層の中にトリアジン系化合物とイミダ
ゾール系化合物の防藻剤及び防黴剤が存在していること
により藻及び黴に対する防止効果があることがわかる。
【0059】また、変色試験では、実施例2及び比較例
2の着色骨材含有塗材層では変色は見られなかったが、
比較例3の着色骨材含有塗材層では、淡黄色になり変色
が見られた。これは、比較例3の着色骨材含有塗材の合
成樹脂エマルションに防藻防黴剤を添加したことにより
変色したことがわかる。次に、前記実施形態から把握で
きる技術的思想について以下に記載する。
【0060】・ 請求項1に記載の骨材の粒度が45〜
1500μmの範囲のものであることを特徴とする着色
骨材。このことにより、着色骨材の製造時において、塗
料の使用量が少なく、乾燥が速く、容易に着色すること
ができ、また、骨材表面の被覆が均一で、斑にならない
ものが得られる。
【0061】・ 請求項1に記載の骨材が珪砂又は寒水
砂であることを特徴とする着色骨材。このことにより、
塗料被覆層の被覆性、密着性に優れ、着色骨材の製造の
容易性に優れたものが得られる。また、着色骨材含有塗
材とした場合、乾燥し造膜したた後に透明となる合成樹
脂との混和性に優れ、入手が容易なものが得られる。
【0062】・ 請求項1又は請求項2に記載の防藻防
黴剤がトリアジン系化合物又はイミダゾール系化合物で
あることを特徴とする着色骨材。このことにより、藻及
び黴の防止効果とその防止効果の持続性に優れ、塗料に
含有した場合において変色など耐候性が優れているもの
が得られる。
【0063】・ 請求項1又は請求項2に記載の防藻防
黴剤がトリアジン系化合物とイミダゾール系化合物を併
用することを特徴とする着色骨材。このことにより、藻
及び黴の防止効果とその防止効果の持続性に一層優れ、
塗料に含有した場合において変色など耐候性が一層優れ
ているものが得られる。
【0064】・ 請求項3に記載の乾燥し造膜した後に
透明となる合成樹脂がアクリル樹脂又はスチレン樹脂よ
り製造されたアクリル系合成樹脂エマルション及びアク
リルスチレン系合成樹脂エマルションであることを特徴
とする着色骨材含有塗材。このことにより、塗料適性、
塗膜の物性、入手の容易性が優れたものが得られる。
【0065】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発
明の着色骨材によれば、着色骨材に藻、黴に対する防止
効果を付与することにより着色骨材表面の藻、黴による
汚れを防止しつつ、着色することができる。
【0066】請求項2に記載の発明の着色骨材によれ
ば、請求項1に記載の発明の効果に加え、少量の添加量
での藻及び黴の防止効果が得られる。
【0067】請求項3に記載の発明の着色骨材含有塗材
によれば、その塗膜の変色がない塗材を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B022 AA05 BA01 BA02 BA21 BA22 BB01 DA19 EA10 4G012 LA04 LA13 4J038 CC031 CD031 CD091 CF021 CG141 DA161 DB001 DD001 DG001 DL031 HA106 HA256 HA336 HA376 HA446 HA486 HA556 HA566 JA47 JA63 JB13 JB20 JB24 JB32 JB36 JC18 KA02 KA08 KA15 KA20 KA21

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗料被覆層を有する骨材において、その
    塗料被覆層を形成する塗料中に防藻防黴剤を含有してい
    ることを特徴とする着色骨材。
  2. 【請求項2】 前記防藻防黴剤が有機化合物であること
    を特徴とする請求項1に記載の着色骨材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の着色骨材
    と、乾燥し造膜したた後に透明となる合成樹脂とを主成
    分とすることを特徴とする着色骨材含有塗材。
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