JP3229584B2 - 塗装方法 - Google Patents

塗装方法

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JP3229584B2
JP3229584B2 JP11148298A JP11148298A JP3229584B2 JP 3229584 B2 JP3229584 B2 JP 3229584B2 JP 11148298 A JP11148298 A JP 11148298A JP 11148298 A JP11148298 A JP 11148298A JP 3229584 B2 JP3229584 B2 JP 3229584B2
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玲一 小林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は建築物あるいは構築物
に対し、防藻・防黴性に優れ、その持続性,耐久性に優
れた塗料を利用した塗装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ビルディング,マンション,戸建
住宅等の建築物,橋梁,擁壁等の地上構築物の表面に骨
材着色による塗料を塗装する際に、塗料中の樹脂部分を
黄変させることなく、防藻および防黴性に優れた塗料は
見られなかった。
【0003】防藻・防黴性を有する透明な塗膜を形成さ
せる塗料が、特開平6−264008号に開示されてい
るが、ガラス,金属,プラスチック等を用途とするもの
であり、また、ある程度の膜厚を形成できるものではな
かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】建築仕上げ材のうち、
骨材固有の色を生かし、着色顔料でない塗料において防
藻防黴性に優れ、塗膜中の透明樹脂部分の変色のない、
耐久性のある塗装方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明では、下記の
を採ることにより、防藻防黴性あるいは持続性,耐久
性に優れた仕上り面を得ることが可能となる。請求項1
の発明では、下地面に対し、主成分が合成樹脂および陶
磁器砕粒、予め着色された砕骨材もしくは天然の細骨材
から任意に選択される骨材から成るスキン系塗材が塗装
された表面に、防藻・防黴成分としてトリアジン系化合
物およびイミダゾール系化合物を含むクリヤー塗料を上
塗りすることを要旨としている。
【0006】
【0007】以下、この発明を構成する事項について詳
細に説明する。この発明における塗料は、合成樹脂成
分,防藻・防黴剤を主成分とするものである。また、ス
キン系塗材では、合成樹脂成分および細骨材を主成分と
するものである。
【0008】合成樹脂成分は、乾燥し造膜した時に透明
となるものであれば、その形態は問わない。即ち、合成
樹脂溶液,合成樹脂水溶液,合成樹脂エマルションであ
っても造膜後透明となるもの、耐水性,耐候性,耐久性
等において問題が生じないものであれば利用可能とな
る。
【0009】合成樹脂の種類としては、例えば、ビニル
樹脂,アクリル樹脂,ポリウレタン樹脂,アクリル−シ
リコーン樹脂,フッ素樹脂などを主成分とするものがあ
るが、耐久性を考慮するとポリウレタン樹脂またはアク
リル−シリコーン樹脂が好ましい。
【0010】防藻・防黴剤としては、トリアジン系化合
物およびイミダゾール系化合物を併用することが最も好
ましく、トリアジン系化合物の例としては、2−メチル
チオ−4,6−ビス(エチルアミノ)−s−トリアジ
ン、2−メチルチオ−4−第三級ブチルアミノ−6−シ
クロプロピルアミノ−s−トリアジン、2−メチルチオ
−4−テトラブチル−6−シクロプロピルアミノ−s−
トリアジン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリエチル−
s−トリアジンがあり、イミダゾール系化合物(ベンズ
イミダゾール系化合物を含む)の例としては、チアベン
ダゾール(TBZ),2−(カルボメトキシアミノ)−
ベンズイミダゾール、2−メトメキシカルボニルアミノ
ベンズイミダゾール、6−ジクロル−1−フェノキシカ
ルボニル−2−トリフルオロメチルベンズイミダゾー
ル、4,5,6,7−テトラクロル−2−トリフルオロ
メチルベンズイミダゾールがある。
【0011】トリアジン系化合物とイミダゾール系化合
物の併用において、その配合割合は重量割合において、
10:1〜1:10の範囲から選択されるが、好ましい
範囲としては3:1〜1:3である。例えば、トリアジ
ン系化合物のみであると、防黴効果の持続性に不都合が
生じることがあり、イミダゾール系化合物のみである
と、防藻効果の持続性に不都合が生じることがある。
【0012】次に、好ましい防藻・防黴剤としては、有
機尿素系化合物であるマンガニーズエチレンビスジチオ
カーバメイト、ジンクジメチルジチオカーバメイト、ビ
スジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチ
オカーバメイト、2−ベンツイミダゾリルカルバミン酸
メチル、3−ヨード−2−プロパルギルブチルカルバミ
ン酸があり、チアゾリン系化合物としては、1,2−ベ
ンズイソチアゾリン(BIT)、2−メチル−4−イソ
チアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチ
アゾリン−3−オン、2−(4−チオシアノメチルチ
オ)ベンゾチアゾール(TCMTB)、2−メルカプト
ベンゾチアゾールナトリウム、2−チオシアノメチルチ
オベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾー
ル、2−(チオシアノメチルスルホニル)ベンゾチアゾ
ールがある。
【0013】上記以外の防藻・防黴剤としては、ハロゲ
ン系化合物であるベンジルブロモアセテート、α−ブロ
ムシンナムアルデヒド(BCA)、2,4,5,6−テ
トラクロロイソフタロニトリル、4−クロロフェニル−
3′−ヨードプロパルギルホルマール、2,3,3−ト
リヨードアリルアルコール(TIAA)、1〔(ジヨー
ドメチル)スルホニル〕−4−メチルベンゼンがあり、
フェノール系化合物であるペンタクロロフェノール(P
CP)、ペンタクロロフェニルラウレート、o−フェニ
ルフェノール(OPP)、パラクロロメタキシレノール
(PCMX)、パラクロロメタクレゾールがあり、グア
ニジン系化合物であるドデシルグアニジン塩酸塩、ポリ
ヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩、グルコン酸クロル
ヘキシジンがあり、ピリジン類であるソジウム−2−ピ
リジンチオール−1−オキサイド、ビス(2−ピリジル
チオ−1−オキシド)亜鉛、2,3,5,6−テトラク
ロル−4−(メチルスルホニル)ピリジンがあり、アミ
ド系化合物であるジチオ−2,2′−ビス(ベンヅメチ
ルアミド)があり、無機塩である硝酸銀、過塩素酸銀、
酢酸銀、硝酸銅、硫酸銅、塩化銅、過塩素酸銅、酢酸
銅、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、過塩素酸亜鉛、酢
酸亜鉛がある。
【0014】これらの防藻・防黴剤群の中で、有機尿素
系化合物あるいはチアゾリン系化合物単独の場合は、防
藻・防黴性の持続性が良くなく、ハロゲン系化合物ある
いは無機塩を使用した場合は、耐候性試験を行った時の
変色が起り易く良くない。上記、トリアジン系化合物あ
るいはイミダゾール系化合物においてもハロゲン元素を
含むときには耐候性試験における変色の可能性がある。
実験から得られる結果からすると、トリアジン系化合物
およびイミダゾール系化合物の併用に加えて、有機尿素
系化合物あるいはチアゾリン系化合物から選択されるも
のの併用が可能であり、防藻あるいは防黴の試験の対象
とならなかった、菌あるいは胞子に対して有効なことが
ある。防藻・防黴剤の配合量は、合成樹脂成分の固形分
100重量部に対して0.3〜5重量部の範囲の中から
試験の上選択すれば良い。
【0015】スキン系塗材の骨材である細骨材には、白
色あるいは有彩色を持つ陶磁器の砕粒,寒水砂あるいは
硅砂,ガラスビーズに対して塗料により着色された骨
材,プラスチックのビーズあるいはその砕粒,花崗岩,
蛇紋岩,黒曜石,螢石などの天然石の砕粒,カナリヤ,
白王,寒水,小桜,淡雪,美濃霞,蛇紋等の大理石砕
粒,硅砂,天然細砂利(金華,大磯,チェリーサンド)
が挙げられ、これらの細骨材のうちより任意に選択され
て利用される。
【0016】細骨材の粒の大きさは、0.05〜5.0
mmの範囲の中から適宜の巾をもって選択される。しか
しながら、粒径0.05mm以下だけにある細骨材を使
用した例では、塗装作業性あるいは仕上った時の模様が
単調なものとなり、粒径0.5〜2.0mmにある細骨
材を含むようにした方が良い。細骨材の配合量は、合成
樹脂成分の固形分100重量部に対して400〜200
0重量部の範囲の中から選択するのが良い。400重量
部未満の場合は、隠ぺい力が不足し、意匠上の変化に乏
しいものとなり、クラックの発生が起こり易いものとな
り良くなく、2000重量部を越える場合は、塗膜の接
着強度あるいは耐水性,耐候性の面において充分な性能
が得られない。
【0017】この発明に用いられるクリアー塗料では、
上記主成分以外に、従来よりの建築用仕上材に配合され
る下記の成分が、この発明の趣旨を損なわない範囲内に
おいて添加される。その成分としては、消泡剤,分散
剤,湿潤剤などの界面活性剤、造膜助剤,防凍剤などの
溶剤、着色の為の染料,メタリック光沢あるいはパール
光沢を得る為の顔料あるいは粘度,粘性調整の為の増粘
剤など、通常の塗料に使用される成分がある。
【0018】この塗装方法では、ごく普通にコンクリー
ト,モルタル,窯業系サイディング,金属系サイディン
グ等の下地に対し、プライマーを下塗りとして用いた上
で、あるいは下塗りを用いないで、このクリアー塗料を
塗装する例がある。この塗料の塗布量は、乾燥重量換算
において10〜300g/mから選択される。
【0019】また、この発明の当初の目的であるスキン
系塗材に防藻・防黴性を付与する為に、防藻・防黴性を
有しないスキン系塗材を前もって塗装し、スキン系塗材
の上塗りとして用いることが可能であるし、他の複層仕
上塗材あるいは厚付け仕上塗材の上塗りとして利用する
ことも可能である。
【0020】この発明の塗装方法は、改修の場合におい
ても利用可能であり、旧塗膜のある下地に対しても利用
される。旧塗膜とは、建築物あるいは構築物の表面に、
建築用仕上材あるいは木部用塗料,金属用塗料などが塗
装されたもののことを言う。
【0021】
【実施例】実施例および比較例では、下記表1に示す配
合により塗料を作成し、1つには貯蔵安定性の試験を行
い、また、作成した塗料をフレキシブルボードに塗装
し、あるいはろ紙の上に塗装し、各種試験に供した。
【0022】
【表1】
【0023】尚、表1中の数値は重量部を示す。合成樹
脂エマルションの配合量は固形分換算による重量を表わ
し、配合水については記載を省略した。塗料として混合
した時の粘度は、簡易型粘度計により40〜300dP
a・s(デシパスカル秒)に入るように調整した。合成
樹脂エマルションaにはアクリル酸エステル系の合成樹
脂を利用し、合成樹脂エマルションbには酢酸ビニル−
ベオバ樹脂系の合成樹脂を利用し、合成樹脂aには酢酸
ビニル−アクリル系の合成樹脂を利用し、合成樹脂bに
はアクリル−シリコン系の合成樹脂を利用した。防藻・
防黴剤aにはトリアジン系化合物を利用し、同bにはベ
ンズイミダゾール系化合物。同cにはハロゲン系化合
物、同dにはフェノール系化合物の中より選択し利用し
た。造膜助剤には多価アルコール系溶剤およびエステル
系溶剤の混合物を利用した。増粘剤には、メチルセルロ
ースを利用した。
【0024】塗料の貯蔵安定性試験では、JIS A6
909に規定される低温安定性試験及び引き続き同じ容
器中の塗料を用いて50℃の恒温槽中に4週間置いた時
の、試験前、試験後の塗料粘度および性状の確認を行っ
た。JIS A6909の低温安定性試験では、容器に
入れた塗料を−5℃の恒温槽に18時間、20℃の養生
室に6時間置くというサイクルを3回繰り返すこととし
ている。
【0025】以下に、上記配合の塗料を塗装した板を用
いて、行った各種試験について説明する。変退色試験で
は、JIS A6909に規定される変退色試験を行っ
た。変退色試験では、紫外線カーボンフェードメータを
用い、ブルースケールを使用しない場合の試験方法によ
り、48時間露光させ、24時間暗室静置のうえ、グレ
ースケールによる比較、ひび割れおよびはがれの有無を
確認した。
【0026】防藻試験では、JIS A6909のかび
抵抗性試験をもとにした試験方法により評価を行った。
手順として、下記組成からなる培地用液を調製して、
加熱して1時間煮沸した。次に、滅菌シャーレに注ぎ
凝固させた。培地中央に、30×30mmの塗膜片を
培養するように置く。藻の胞子懸濁液1mlを塗膜片
上および培地上に均一にまきかける。シャーレに蓋を
覆せ、28℃、100%RH、照度1500ルクスの条
件下に1カ月間置く。藻の発生状態により0,1,
2,3,4,5の6段階の評価基準をもとに評価する。
【0027】評価基準は塗料工業会が、試料塗膜の抗カ
ビ、抗藻効果を知る為に定めたものであり、数字により
発生の程度を次のように示すようにしている。 0.全く発生していない。 1.ごくわずかの発生が認められる。 2.試料表面の1〜10%に発生が認められる。 3.試料表面の10〜30%に発生が認められる。 4.試料表面の30〜70%に発生が認められる。 5.試料表面の70%以上に発生が認められる。
【0028】培地の組成1 組成1 純水 1000ml 寒天 10g 硝酸カリウム 1.21g 硫酸マグネシウム 2.46g 第二リン酸カリウム 1.23g 硫酸第二鉄 0.05g クエン酸ナトリウム 0.19g
【0029】藻の胞子懸濁液は、塗料工業界で用いる防
藻試験用藻類を減菌蒸留水に分散させたものであり、プ
レウロコックス属(Pleurococcus s
p.:緑の単細胞)と、ユレモ属(Oscillato
ria sp.:青緑の糸状)との混合物を用いた。
【0030】防黴試験では、JIS Z2911に規定
のカビ抵抗性試験方法にある方法により評価を行った。
手順は先の防藻試験を行った時とほぼ同じであるが、培
地の組成は下記組成2に示すものとし、カビの胞子の混
合懸濁液は下記に示す試験用のカビを用いた。培養条件
についても28℃,100%RH,暗室内の条件下と
し、1週間の培養期間とした。
【0031】試験結果の表示は、カビ抵抗性の表示は5
段階表示とし、JIS Z2911にある試験結果の表
示方法である三段階表示に代えて、先に記した抗カビ,
抗藻効果の表示に倣い、下記の通りとした。尚、塗料工
業会の結果表示は六段階であり、数値が小さいものほど
良い結果を示しているが、この評価では数値が大きいも
のほど良い結果を表すことになる。 5 培地および試験片の表面とも菌糸の発育が認められ
ない。 4 培地表面にごくわずかの菌糸の発育が認められる。 3 培地表面の試験片周辺を除き、菌糸の発育が認めら
れる。試験片の表面には菌糸の発育が認められない。 2 培地表面の全面および試験片の周囲部分の一部に菌
糸の発育が認められる。 1 培地表面および試験片の全面にわたって菌糸の発育
が認められる。
【0032】組成2 純水 1000ml ブドウ糖 40g ペプトン 10g 寒水 25g
【0033】カビの胞子懸濁液は、試験用カビの第1
群,第2群,第4群から選択されるものであり、アスペ
ルギルス ニゲル FERM S−2,ペニシリウム
フニクロスム FERM S−6,クラドスポリウム
クラドスポリオイデス FERM S−8,オーレオバ
シジウム プルランス FERM S−9,グリオクラ
ジウム ビレンス FERM S−10の5種類のカビ
胞子混合液である。
【0034】耐アルカリ性試験と変退色試験の複合試験
では、JIS A6909に規定される耐アルカリ性試
験A法を行った後、続けてJIS A6909に規定さ
れる変退色試験を行った。変退色試験は先に記した試験
であり、耐アルカリ性試験では、塗装板の側面および裏
面をエポキシ樹脂シールしたものを、20℃の水酸化カ
ルシウム飽和水溶液に塗面の1/3ないし1/2浸漬す
るようにし、24時間経過させるようにした。アルカリ
水浸漬後、水洗し、1日乾燥させてから変退色試験に供
すようにした。
【0035】変退色試験と防藻・防黴性の複合試験で
は、先に記した変退色試験を行った後、防藻試験および
防黴試験を行った。変退色試験を行った後の試験板は、
次の防藻試験等に供すに当って、試験体として適当な大
きさに切断して用いた。
【0036】温冷繰り返し作用に対する抵抗性と防藻・
防黴性の複合試験では、JIS A6909に規定され
る温令繰り返し試験を行った後、防藻試験および防黴試
験を行った。温令繰り返し試験では、試験板を20℃±
2℃の水中に18時間浸漬した後、−20℃±3℃の恒
温器中にて3時間冷却,50℃±3℃の恒温器中にて3
時間加温する24時間のサイクルを10回繰り返すもの
である。
【0037】下記表2に、上記各種試験を行った結果を
示す。表2中、塗料の貯蔵安定性における○印は異常が
なかったことを示し、×印は塗料のゲル化が生じたこと
を示す。また、変退色試験における○印は変色,ひび割
れおよびはがれ等の発生がなかったことを示し、×印は
塗膜の黄変が生じたことを示している。耐アルカリ性と
変退色試験の複合試験における○印は、変色,ひび割れ
およびはがれ等の異常の発生がなかったことを示し、×
印は塗膜の黄変が生じたことを示している。温令繰り返
し試験における○印はふくれ,ひび割れおよびはがれ等
の異常の発生がなかったことを示し、×印では塗膜のふ
くれが生じたことを示している。
【0038】
【表2】
【0039】次に、この発明の上記実施例1,実施例
6,比較例1および比較例3のクリヤー塗料を以下に示
す塗料を下塗り塗装した板に対して300g/mの所
要量により塗装し、このクリヤー塗料が上塗りされた塗
装板についても上記試験のうち、防藻試験,防黴試験,
耐アルカリ性と変退色性の複合試験,温冷繰り返しと防
藻・防黴性の複合試験を行った。
【0040】下塗りに用いた塗料1は、骨材着色になる
スキン系塗材であり、アクリル系の合成樹脂エマルショ
ン100重量部(固形分換算)に対し、細骨材aを34
0重量部、細骨材bを340重量部、造膜助剤15重量
部、増粘剤2.5重量部とし、適宜の水により粘度を2
50dPa・s(デシパスカル秒)とした。尚、細骨材
aには、7号珪砂(0.09mmより0.3mmが95
%以上)に着色した骨材を利用し、細骨材bには、8号
珪砂(0.04mmより0.1mmが95%以上)に着
色した骨材を利用し、細骨材cには、5号珪砂(0.2
mmより0.85mmが95%以上)に着色した骨材を
利用した。また、色調については樹脂成分の黄変確認を
容易にする為に、白色とした。
【0041】下塗りに用いた塗料2は、砂壁状仕上げ面
を形成するリシンあるいはリシン塗料と呼ばれるもので
あり、アクリル系の合成樹脂エマルション100重量部
(固形分換算)に対し、酸化チタン230重量部,炭酸
カルシウム310重量部,湿潤剤あるいは分散剤,消泡
剤,増粘剤等の添加剤15重量部,合成樹脂エマルショ
ン中の水を含む水275重量部および骨材としての寒水
砂930重量部を配合したものである。
【0042】下塗りに用いた塗料3は、メタリック塗料
と呼ばれるものであり、アクリル系樹脂ワニス42.3
重量部,アルミニウムペースト6.2重量部,粘性調整
剤および沈降防止剤,紫外線吸収剤等の添加剤0.6重
量部,芳香族炭化水素あるいはアルコール,エステル,
ケトンを含む溶剤50.9重量部を配合したものであ
る。
【0043】上記クリヤー塗料のある塗装板についての
試験結果を下記表3に示す。表3中にある複合試験1と
は、耐アルカリ性と変退色性の複合試験であり、複合試
験4とは、温冷繰り返しと防藻性の試験であり、複合試
験5とは、温冷繰り返しと防黴性の試験のことを表して
いる。表中における符号の○印あるいは数値による結果
表示は、表2のときと同じである。
【0044】曝露試験aでは、下塗り塗料およびクリヤ
ー塗料を塗装した板を、岐阜県各務原市内において建物
屋上の曝露台に設置し、自然環境下における影響を調べ
た。曝露台は南向き、曝露角度30度とし、屋上床面よ
り50cmないし1mの位置に試験体を置くようにし
た。曝露期間は2年間とした。曝露試験の評価は、割
れ,はがれ,膨れ,白華化および黄変の有無を確認し
た。
【0045】曝露試験bでは、前記試験aと同じ試験体
を用いて、岐阜県各務原市内にある竹薮中に試験体を設
置した。試験体は北向きの垂直曝露とし、試験体の下端
が地上より10cmになるようにした。曝露期間は2年
間とし、評価は前記試験aと同じ項目および黴,藻の発
生の有無と程度を確認した。
【0046】
【表3】
【0047】表3中における曝露試験の結果において、
評価0は異常が全く認められないものであり、試験aに
おける評価1は、退色がほとんど目立たないが認められ
たものであり、評価3は試験体の黄変が認められ、目立
つものであった。試験bにおける評価1は、試験体の黄
変がほとんど目立たないが認められたものであり、評価
3は、黴あるいは藻の発生が認められ、目立つものであ
り、評価4は黴,藻の発生がかなり認められ、かなり目
立つものであったことを表している。この評価基準は、
「外装仕上げの耐久性向上技術」 監修者 建設大臣官
房技術調査室、発行1987年3月25日、技報堂出版
(株)の中にある第26頁の2次診断の方法を基準にし
たものである。
【0048】
【発明の効果】この発明に用いられるクリアー塗料は、
安定性に優れ、塗装後の塗膜の性能において、防藻性お
よび防黴性が耐久性の試験を行った後でも維持すること
ができる。また、クリアー塗料の塗膜に黄変が生じるこ
とがないので、優れた美観を長期に亘り維持することが
できる。
【0049】更に、骨材着色による塗料,模様形成の塗
料,着色あるいはメタリック,パール光沢を付ける塗料
の塗装後、この発明のクリヤー塗料を塗装した場合にお
いても、防藻・防黴性を維持することができる。このよ
うに新築の場合も、あるいは改装という藻・黴の発生し
易い物件に対しても、効果的な塗膜を提供することがで
きる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地面に対し、主成分が合成樹脂および
    陶磁器砕粒、予め着色された細骨材もしくは天然の細骨
    材から任意に選択される骨材から成るスキン系塗材が塗
    装された表面に、防藻・防黴成分としてトリアジン系化
    合物およびイミダゾール系化合物を含むクリヤー塗料を
    上塗りすることを特徴とする塗装方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010229804A (ja) * 2008-09-30 2010-10-14 Mitsubishi Plastics Inc 硬質ポリウレタンフォーム断熱層の現場発泡工法及び防火コート剤

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