JP5399811B2 - 骨材含有塗材 - Google Patents

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Description

この発明は、建築物などの構造物の仕上げに用いられる骨材含有塗材に関するものである。
なお、本明細書においては、骨材含有塗材に用いられる「骨材」とは、目開き38μmのふるいを通過しない大きさの固体の粒子、又はこれらの粒子の集合体をいう。このような骨材の中でも、骨材含有塗材には、目開き4000μmのふるいを通過する大きさの骨材が好ましく用いられる。
従来、塗料被覆層を有する骨材を含有する塗材として、着色骨材含有塗材がある。着色骨材含有塗材とは、合成樹脂を主成分として乾燥後には略透明となる塗料(以下、ビヒクルという。)中に、塗料被覆層によって着色された着色骨材等の骨材が分散された塗料である。従って、着色骨材含有塗材が乾燥して造膜して形成された塗膜では、その塗膜内の骨材の色が目視によって視認でき、それらの骨材の粒の色が塗料の色として感じられる。言い換えれば、着色骨材含有塗材とは骨材によって着色された塗膜である。
着色骨材含有塗材は、建築物などの構造物の仕上げに多く用いられている。
この着色骨材含有塗材を構造物の外部に用いる際には、着色骨材含有塗材によって形成される塗膜に藻や黴が発生することがあり、それらの発生を防止するために、着色骨材含有塗材中に防藻防黴剤を添加することがある(特許文献1)。また、藻や黴の発生を防止するために、着色骨材含有塗材に含有させる着色骨材の被覆層を形成する塗料中に防藻防黴剤を添加することがある(特許文献2)。
特開平10−306242号公報(「特許請求の範囲」等) 特開2001−288384号公報(「特許請求の範囲」等)
ところが、着色骨材含有塗材中に防藻防黴剤を添加することがあることにより、着色骨材含有塗材によって形成された塗膜に藻や黴が発生することを防止する効果(以下、防藻防黴効果ともいう。)を得ることができるが、防藻防黴剤を添加することにより、着色骨材含有塗材が乾燥して得られた塗膜に紫外線が照射された場合に、乾燥して造膜した後に透明となったビヒクル部分が変色する場合がある。そうなると、着色骨材含有塗材の塗膜全体が変色したようになる。
なお、通常、着色骨材含有塗材が塗装される環境下では、塗膜に照射される紫外線とは、太陽光に含まれている紫外線である。
また、着色骨材含有塗材に含有させる着色骨材の被覆層を形成する塗料中に防藻防黴剤を添加した場合には、ビヒクル部分の変色は抑えられるが、防藻防黴効果が長期間持続しない場合があった。また、防藻防黴効果を高めるために塗料に添加する防藻防黴剤の添加量が多すぎると、着色骨材含有塗材の塗膜に変色が発生してしまう場合があった。
この発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、防藻防黴効果に優れ、変色を起こし難い塗膜を形成することができる骨材含有塗材を提供することである。
前記課題を解決する手段として、本願発明は、イソチアゾリン系化合物を含有する塗料によって形成された塗料被覆層を有する骨材をビヒクル中に分散させた骨材含有塗材であって、前記ビヒクルがイソチアゾリン系化合物の4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(DCOIT)を含有することを特徴とする骨材含有塗材である。
また、前記塗料及び塗材におけるイソチアゾリン系化合物の含有量としては、前記塗料の固形分100質量部中にイソチアゾリン系化合物が0.001〜2質量部含有され、前記のビヒクルの固形分100質量部中にイソチアゾリン系化合物の4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(DCOIT)が0.001〜2質量部含有されていることが好ましい。
本願発明の骨材含有塗材を用いれば、防藻防黴効果に優れ、変色を起こし難い塗膜を形成することができる。
以下、この発明の実施形態について、詳細に説明する。
本発明の骨材含有塗材は、イソチアゾリン系化合物を含有する塗料によって形成された塗料被覆層を有する骨材をビヒクル中に分散させて得られる塗材であって、その塗材がビヒクル中にイソチアゾリン系化合物を含有することを特徴としている。
この骨材含有塗材によって形成された塗膜は、優れた防藻防黴効果を有し、耐候性に優れる。なお、ここでいう耐候性とは、主に、塗膜に紫外線が照射された場合にその塗膜が変色を起こすことに耐える性能のことであり、耐候性に優れた塗膜は紫外線が照射されても変色を起こし難い。
前記塗料被覆層を有する骨材とは、塗料によって骨材の表面に塗料被覆層を形成したものである。塗料被覆層は透明な被覆層であってもよいし、着色された被覆層であってもよい。着色された被覆層を形成したものは、被覆層によって骨材が着色されたものとなるため、着色骨材ともいう。
前記骨材としては、珪砂、寒水砂、陶磁器粉砕物、ガラス又はプラスチックからなるビーズ、黒曜石、真珠岩、ガラス粉を発泡体とした軽量骨材、並びに、寒水石、珪石、大理石、御影石を含む天然石を粉砕したものなどがあり、これら骨材を適宜選択して使用することができる。
珪砂は、ニ酸化けい素を主成分とするものであり、川砂、海砂に代表される天然状態で粒状のものと、珪石を粉砕して粒子径調整したものがあり、寒水砂は、炭酸カルシウムを主成分とするものであり、寒水石を粉砕して粒子径調整したものである。
陶磁器粉砕物は、陶磁器を粉砕して得られるものであり、粉砕した後に粒子径を調製されて用いられる。また、大理石、御影石などの天然石を粉砕して粒子径調整したものも用いることができる。
ガラスビーズは、ガラスを略球形にしたものであり、プラスチックビーズは、アクリル樹脂などの樹脂を略球形にしたものであり、工業的に作られるために粒子径が比較的安定している。黒曜石、真珠岩又は、ガラス粉の発泡体は、黒曜石、真珠岩又は、ガラスを粉砕して、発泡させた後に粒子径調整したものである。
骨材の粒子径は、45〜1500μmの範囲のものが好ましく、45〜1000μmの範囲のものがさらに好ましい。なお、前記粒子径は、ふるい分け試験によって測定したものである。例えば、目開き1500μmのふるいを通過し、目開き45μmのふるいを通過しない粒子は、粒子径が45〜1500μmの範囲にあるものとする。粒子径が45μmより小さい場合では、骨材の単位重量当りの表面積が大きくなり、塗料の使用量が多くなるために、塗料被覆層の形成時において、塗料の乾燥が遅くなることがある。また、塗料被覆層の形成時に、塗料によって粒子同士が接着されて大きな集合粒子となってしまうことがある。粒子径が1500μmより大きい場合では、骨材1粒当りの表面積が大きくなるために、骨材表面の塗料被覆層の厚みが均一になりにくく、塗料被覆層によって着色された骨材の色が斑になる場合がある。
塗料被覆層を形成する骨材としては、見掛け比重が2.0以上である骨材を用いることが好ましく、珪砂や寒水砂が好ましく用いられる。珪砂や寒水砂は、塗料の被覆性、密着性優れ、入手が容易である。また、骨材含有塗材に用いる場合には、ビヒクルとの混和性に優れ、また十分な強度がありビヒクル中に分散させる際に破損することがない。
前記塗料は、前記骨材の表面に塗装又は被覆された後に乾燥硬化することによって前記塗料被覆層を形成するものであって、イソチアゾリン系化合物を含有する。
塗料としては、アクリル樹脂系、シリコーン樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコーンアクリル樹脂系等の水系塗料、溶剤系塗料又は無溶剤系塗料が用いられる。この塗料は、骨材の用途や性能に応じて適宜選択することができるが、着色骨材の製造が容易なため、水系塗料又は溶剤系塗料が好ましく用いられる。また、この塗料に着色成分を含有させることで、骨材を被覆すると共に骨材に着色することができ、着色骨材を得ることができる。
着色成分としては、着色顔料を用いることができる。着色顔料は、無機系顔料、有機系顔料及びその両方を用いることができる。無機系顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、黄鉛、亜鉛華、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムエロー、酸化クロム、プルシアンブルー、コバルトブルー等が挙げられる。また、無機系顔料としては、アゾ顔料、ジケトピロロピロール顔料、ベンズイミダゾロン顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジオキサン系顔料等が挙げられる。
前記イソチアゾリン系化合物とは、藻や黴の発生を抑制する働きがあり、一般的に、防藻剤、防黴剤、或いは抗菌剤等の用途に用いられるものである。
前記イソチアゾリン系化合物を塗料被覆層に含有させた骨材を骨材含有塗材に用いることによって、防藻防黴効果に優れた骨材含有塗材を得ることができる。また、この骨材を用いた骨材含有塗材によって形成された塗膜は、紫外線が照射されても変色を起こし難い。
前記イソチアゾリン系化合物としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
イソチアゾリン系化合物を塗料中に含有させる場合には、イソチアゾリン系化合物を塗料に直接添加する方法だけでなく、予めイソチアゾリン系化合物を水などの溶媒中に分散させておいたものを塗料に添加する方法などを用いることもできる。
なお、イソチアゾリン系化合物は、前記塗料の固形分100質量部中に0.001〜2質量部含有されていることが好ましく、0.002〜1質量部含有されていることがより好ましく、0.003〜0.3質量部含有されていることが特に好ましい。イソチアゾリン系化合物の含有量がこの範囲である塗料による塗料被覆層を有する骨材を用いれば、十分な防藻防黴効果を有し、耐候性に特に優れた骨材含有塗材を得ることができる。前記含有量が少なすぎると、十分な防藻防黴効果が得られない。逆に、前記含有量が多すぎると、骨材含有塗材によって形成された塗膜が紫外線を照射さることによって変色を起こし易くなってしまう。
前記塗料は、水系塗料、溶剤系塗料又は無溶剤系塗料であって、低沸点アルコール、高沸点溶剤、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、pH調整剤、防腐剤等のような一般に塗料に配合されている添加剤を含有していてもよい。
前記塗料によって骨材に塗料被覆層を形成する方法は、特に限定されるものではない。例えば、骨材を容器に入れてミキサー等により攪拌しながら、前記塗料をスプレー等により骨材全体に噴霧して骨材の表面に塗料を付着させ、その後、骨材同士が塗料によって付着しないように振動機を用いて骨材に振動を与えながら、骨材に熱風をあてて塗料を乾燥させることによって、骨材の表面に塗料被覆層を形成する方法などがある。
このようにして得られた骨材を骨材含有塗材として用いる場合などは、塗料被覆層を形成した後に、ふるい等により粒子径調整を行ってもよい。
前記ビヒクルとは、合成樹脂を主成分とし、乾燥後に略透明な塗膜を形成する塗料であって、イソチアゾリン系化合物を含有する。このビヒクルに骨材を分散させることによって本発明の骨材含有塗材を得ることができる。このビヒクルは骨材含有塗材を塗装して得られた塗膜において、目視によって塗膜中に分散している骨材の色が確認できる程度の透明性を持つことが好ましい。
前記合成樹脂は、骨材含有塗材の結合材であり、被塗装物と骨材とを結合するものである。また、骨材の色調、風合いを生かした仕上がりの塗膜を得るためには、乾燥し造膜した後に透明となるものであることが必要である。
この合成樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂などの一般の塗料に用いられる合成樹脂を適宜で用いることができる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、又は共重合したものを用いてもよい。また、これら樹脂は、有機溶媒に溶解させたもの又は、エマルションとして水に分散させたもの等の形態のものを用いることができる。
合成樹脂は、骨材含有塗材の用途、性能に応じて、種々の種類や形態の合成樹脂の中から目的に適したものを適宜選択して用いればよいが、塗材の使いやすさ、製造の容易さ、入手の容易さより合成樹脂エマルションが好ましく用いられる。合成樹脂エマルションは、乳化重合のような常用の重合技術で製造することができる一般的なものでよい。また、合成樹脂エマルションのポリマーの構造が複雑な形態、例えば芯−殻粒子であっても用いることができる。
合成樹脂エマルションの中でも、塗料適性、塗膜の物性、入手の容易性などの点から、アクリル樹脂、スチレン樹脂より製造されたアクリル系合成樹脂エマルション又はアクリルスチレン系合成樹脂エマルションを用いることが好ましい。
また、合成樹脂エマルションに用いられる合成樹脂のガラス転移温度は、好ましくは−50〜50℃の範囲であり、より好ましくは−20℃から40℃の範囲であり、骨材含有塗材の用途に応じて、適したガラス転移温度の合成樹脂を選択することができる。ガラス転移温度が−50℃より低い場合には、着色骨材含有塗材により形成された塗膜が汚れやすく、50℃より高い場合には、通常の塗装環境下において、合成樹脂エマルションの造膜が困難になる場合がある。
前記イソチアゾリン系化合物とは、藻や黴の発生を抑制する働きがあり、一般的に、防藻剤、防黴剤、或いは抗菌剤等の用途に用いられるものである。
前記イソチアゾリン系化合物を骨材含有塗材に含有させることによって、防藻防黴効果に優れた骨材含有塗材を得ることができる。また、イソチアゾリン系化合物を含有する骨材含有塗材によって形成された塗膜は、イソチアゾリン系以外の防藻防黴剤を用いた骨材含有塗材によって形成された塗膜に比べて、紫外線が照射されても変色を起こし難い。
前記イソチアゾリン系化合物としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
これらのイソチアゾリン系化合物の中でも、骨材含有塗材には、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(以下、DCOITともいう。)を用いることが好ましい。DCOITを用いることで、より変色を起こし難く、耐候性に優れた骨材含有塗材を得ることができる。
イソチアゾリン系化合物をビヒクル中に含有させる場合には、イソチアゾリン系化合物をビヒクルに直接添加する方法だけでなく、予めイソチアゾリン系化合物を水などの溶媒中に分散させておいたものをビヒクルに添加する方法などを用いることもできる。また、ビヒクルに骨材を分散させた後に添加してもよい。
なお、イソチアゾリン系化合物は、前記ビヒクルの固形分100質量部中に0.001〜2質量部含有されていることが好ましく、0.002〜1質量部含有されていることがより好ましく、0.003〜0.3質量部含有されていることが特に好ましい。イソチアゾリン系化合物の含有量がこの範囲である骨材含有塗材は、十分な防藻防黴効果を有し、耐候性に特に優れる。前記含有量が少なすぎると、十分な防藻防黴効果が得られない。逆に、前記含有量が多すぎると、骨材含有塗材によって形成された塗膜が紫外線を照射さることによって変色を起こし易くなってしまう。
また、ビヒクルには、合成樹脂及びイソチアゾリン系化合物以外の成分として、低沸点アルコール、高沸点溶剤、界面活性剤、増粘剤、白色顔料、着色顔料、充填材、難燃剤、pH調整剤等のような一般に塗料に配合される成分を含有させてもよい。高沸点溶剤は造膜助剤、防凍剤として用いられ、界面活性剤は消泡剤、分散剤、湿潤剤などとして用いられる。増粘剤は、粘度及び粘性調整のために用いられる。また、充填材としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、繊維等が挙げられる。難燃剤としては、ハロゲン系、リン系、三酸化アンチモン系化合物などがある。
なお、骨材含有塗料に用いる骨材が、塗料被覆層を有する骨材である場合には、ビヒクルに添加する界面活性剤の量を抑制することができる。即ち、塗料被覆層を形成することで骨材の表面の微細孔が被覆層によって塞がれて骨材の表面積が小さくなり、骨材とビヒクルとの親和性が向上するため、少ない界面活性剤で骨材をビヒクル中に分散させることができる。更に、塗料被覆層を形成する塗料としてビヒクルとの親和性に優れた塗膜を形成するものを選択すれば、界面活性剤の添加量をより抑制することができる。
前記骨材含有塗料に用いる骨材としては、前記した塗料被覆層を有する骨材以外の骨材を用いることもできる。例えば、塗料被覆層を有する骨材の原料となる骨材である珪砂、寒水砂、陶磁器粉砕物、ガラス又はプラスチックからなるビーズ、黒曜石、真珠岩、ガラス粉を発泡体とした軽量骨材、並びに、寒水石、珪石、大理石、御影石を含む天然石を粉砕したものなどを挙げられ、これら骨材を適宜選択して用いることができる。
ただし、骨材含有塗材は、塗材の固形分100質量部中に塗料被覆層を有する骨材を20〜80質量部含有することが好ましく、50〜80質量部含有することが特に好ましい。塗料被覆層を有する骨材の含有量が20質量部より少ない場合には、十分な防藻防黴効果が得られない。50質量部以上であれば、特に防藻防黴効果に優れた骨材含有塗材を得ることができる。逆に80質量部より大きい場合には、十分な防藻防黴効果が得られるが、骨材含有塗材によって得られる塗膜が紫外線を照射さることによって変色を起こし易くなってしまう。
このように構成された骨材含有塗材は、建築物などの構造物の壁や屋根などの被塗装部分に、スプレー、ローラ、鏝、刷毛などを用い塗装され、構造物の仕上げとなる塗材層を形成する。
以上のように構成された骨材含有塗材は、下記の効果を有する。
ビヒクル中と塗料被覆層中との両方にイソチアゾリン系化合物を含有することに優れた防藻防黴効果を発揮する。
また、骨材含有塗材に含有させるイソチアゾリン系化合物をビヒクル中と塗料被覆層中とに分散して含有させたことによって、この塗材によって形成された塗膜に紫外線を照射されても塗膜が変色を起こし難い。
即ち、ビヒクル中のみのイソチアゾリン系化合物を含有させる場合には、本発明の骨材含有塗材と同等の防藻防黴効果を得るためには、ビヒクル中に防藻防黴剤を多く添加する必要があり、そのため塗膜が変色しやすくなってしまう。また、塗料被覆層中のみのイソチアゾリン系化合物を含有させる場合においても、本発明の骨材含有塗材と同等の防藻防黴効果を得るためには、塗料被覆層中に防藻防黴剤を多く添加する必要があり、そのため塗膜が変色しやすくなってしまう。
防藻防黴剤をビヒクル中と塗料被覆層中とに分散して含有させることによって、それぞれに添加する防藻防黴剤の量を抑えながら、優れた防藻防黴効果を得ることができるため、ビヒクル中のみ或いは塗料被覆層中のみに防藻防黴効果を添加する場合に比べて塗膜が変色を起こし難い。
更に、防藻防黴剤の添加量を、塗料被覆層を形成する塗料の固形分100質量部中にイソチアゾリン系化合物が0.001〜2質量部、且つビヒクルの固形分100質量部中にイソチアゾリン系化合物が0.001〜2質量部とすることによって、優れた防藻防黴効果を有し、特に変色を起こし難い骨材含有塗材を得ることができる。
以下に本発明の実施例を示す。
まず、骨材に塗料被覆層を形成するための塗料を得るために、イソチアゾリン系化合物を添加していない下記の配合の水系の塗料Aを作製した。この塗料Aには、合成樹脂としてアクリル系合成樹脂エマルション(固形分50質量%)を用いた。また、着色顔料としての無機系顔料の弁柄を主成分とした顔料ペースト(固形分50質量%)を用い、赤錆色の塗料とした。また、その他の成分として、造膜助剤、消泡剤、界面活性剤、増粘剤、pH調整剤を用いた。
<塗料Aの配合>
アクリル系合成樹脂エマルション 200質量部
顔料ペースト 10質量部
その他の成分 30質量部
配合水 60質量部
次に、この塗料Aに更にイソチアゾリン系化合物として2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(OIT)を添加して下記の塗料A−1〜5を得た。このとき、イソチアゾリン系化合物は、イソチアゾリン系化合物を水に分散させて有効成分10質量%の添加剤としたものを用いて塗料Aに添加した。なお、下記の各塗料の横に記載した数値(質量部)は、各塗料の固形分100質量部中のイソチアゾリン系化合物の含有量である。
塗料A−1 0.001質量部
塗料A−2 0.05質量部
塗料A−3 2質量部
塗料A−4 3質量部
次に、上記の塗料A、塗料A−1〜5を用いて骨材に被覆・着色を行った。骨材は、粒子径が90〜1000μmの範囲にある珪砂を用いた。被覆・着色方法は、容器に珪砂を1000kg入れ、ミキサーにより攪拌を行いながらスプレーを用いて、前記各塗料35kgを骨材全体に均一になるよう噴霧した。
塗料が骨材全体に均一になった状態にした後、振動乾燥機を用い、振動を与えながら、200℃の熱風により60分間被覆された塗料を乾燥させた。
以下、塗料Aによって被覆された骨材を骨材A、塗料A−1によって被覆された骨材を骨材A−1、塗料A−2によって被覆された骨材を骨材A−2、塗料A−3によって被覆された骨材を骨材A−3、塗料A−4によって被覆された骨材を骨材A−4という。
次に、骨材含有塗料に用いるビヒクルを得るために、イソチアゾリン系化合物を添加していない下記の配合のビヒクルBを製造した。このビヒクルBには、合成樹脂としてアクリル系合成樹脂エマルション(固形分50質量%)を用いた。また、その他の成分として、造膜助剤、消泡剤、界面活性剤、湿潤剤、増粘剤を用いた。
<ビヒクルBの配合>
アクリル系合成樹脂エマルション 250質量部
その他成分 30質量部
配合水 20質量部
次に、このビヒクルBに更にイソチアゾリン系化合物として4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(DCOIT)を添加して下記のビヒクルB−1〜5を得た。このとき、イソチアゾリン系化合物は、イソチアゾリン系化合物を水に分散させて有効成分10質量%の添加剤としたものを用いてビヒクルBに添加した。なお、下記の各ビヒクルの横に記載した数値(質量部)は、各ビヒクルの固形分100質量部中のイソチアゾリン系化合物の含有量である。
ビヒクルB−1 0.001質量部
ビヒクルB−2 0.05質量部
ビヒクルB−3 2質量部
ビヒクルB−4 3質量部
以上に示した塗料被覆層を有する骨材と寒水砂を骨材として用い、これらの骨材とビヒクルとを表1及び表2に示す配合で混合して、ビヒクル中に骨材を分散させて、実施例1〜9及び比較例1〜9の骨材含有塗材を得た。
Figure 0005399811
Figure 0005399811
上記の実施例1〜9及び比較例1〜9の骨材含有塗材を用いて試験体を作製し、その試験体を用いて防藻防黴試験と紫外線による変色試験を行った。
(試験体作製)
スレート板(300mm×300mm×厚み5mm)を基材として、この基材に実施例1〜9及び比較例1〜9の各骨材含有塗材を厚み2mmとなるように塗布した後、温度23℃、湿度60%の環境下で14日間養生したものを試験体とした。
(防藻防黴試験)
各試験体を、建築物の北面で藻や黴が発生しやすい日陰で湿った場所に、試験体の塗装面が地面に垂直になり且つ試験体の下部が地面と接するように設置して、12ヶ月間静置した後に試験体を観察した。その後、更に12ヶ月静置(合計で24ヶ月静置)した後に試験体を観察した。
観察した結果は以下のように評価した。
◎:藻や黴が発生していなかった。
○:試験体が地面と接している付近に、藻や黴が僅かに発生していた。
△:藻や黴が試験体表面の2〜5個所に点在して発生していた。
×:藻や黴が試験体表面の20面積%以上に発生していた。
(変色試験)
試験体に、UVランプにより紫外線を72時間照射した後に、試験体の変色の程度を観察した。
観察した結果は以下のように評価した。
○:変色が見られなかった。
×:試験体が淡黄色に変色した。
防藻防黴試験(12ヶ月間静置後、24ヶ月間静置後)及び変色試験の結果を表3及び表4に示す。
Figure 0005399811
Figure 0005399811

Claims (2)

  1. イソチアゾリン系化合物を含有する塗料によって形成された塗料被覆層を有する骨材をビヒクル中に分散させた骨材含有塗材であって、前記ビヒクルがイソチアゾリン系化合物の4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(DCOIT)を含有することを特徴とする骨材含有塗材。
  2. 前記塗料の固形分100質量部中にイソチアゾリン系化合物が0.001〜2質量部含有され、前記のビヒクルの固形分100質量部中にイソチアゾリン系化合物の4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(DCOIT)が0.001〜2質量部含有されていることを特徴とする請求項1に記載の骨材含有塗材。
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