JP2003055600A - 透湿防水型塗料組成物および透湿防水塗膜の形成方法 - Google Patents

透湿防水型塗料組成物および透湿防水塗膜の形成方法

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JP2003055600A
JP2003055600A JP2001246569A JP2001246569A JP2003055600A JP 2003055600 A JP2003055600 A JP 2003055600A JP 2001246569 A JP2001246569 A JP 2001246569A JP 2001246569 A JP2001246569 A JP 2001246569A JP 2003055600 A JP2003055600 A JP 2003055600A
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resin emulsion
silicone resin
coating composition
weight
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Atsushi Shibahara
敦 芝原
Naoki Chiba
尚樹 千葉
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Fujikura Kasei Co Ltd
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Fujikura Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜の耐候性を向上させ、透湿性および防水
性を長期間維持する透湿防水型塗料組成物を提供する。 【解決手段】 透湿防水型塗料組成物が、シリコーン樹
脂エマルションと、シリコーン樹脂以外の合成樹脂エマ
ルションとを含有する。その際、前記合成樹脂エマルシ
ョンの固形分重量をAとし、前記シリコーン樹脂エマル
ションの固形分重量をSとした際に、A/Sが1/9〜
9/1であることが好ましい。また、変性シリコーン樹
脂エマルションを、変性シリコーン樹脂固形分換算で
0.1〜10重量%含有することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透湿性および防水
性を有し、壁材などに塗布される塗料組成物および透湿
防水塗膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の日本の建築物は梅雨期、夏期など
の湿度の高い気象条件を考慮して、室内の湿気を室外に
放出するように通気性のよい構造が採られてきた。しか
しながら、近年の建築物は、気密性のよい建築構造の普
及に加え、石油、ガスストーブの使用により、室内に大
量の水蒸気が放出されることとなり、結露による種々の
問題が生じるようになってきた。例えば、建築物内壁表
面での結露は内装材の腐食やカビ発生を引き起こし、壁
や柱などの構造体内部の結露は、構造体の材料であるコ
ンクリート、モルタルの中性化や木材、鉄骨の腐食を促
進する。特に寒冷地において、構造体内部の結露水が凍
結すると、構造体の破壊を引き起こし、建築物の寿命を
著しく短くすることがある。このような問題を避けるた
めには、室内の湿気を外部に放出しやすく、通気性のよ
い壁材を使用すればよく、従来からモルタル、各種ボー
ド類、軽量コンクリートなどの通気性を有する壁材が用
いられてきた。しかしながら、これら壁材は、通気性を
有するがゆえに防水性に乏しく、室内の湿気を外部に放
出するとともに、外部からの雨水が壁材の内部に浸透す
る。そのため、上述した結露による問題と同様の問題が
生じる。そこで、雨水の浸入を防止する目的で通気性壁
材の外側に防水性塗膜が施されているが、該防水性塗膜
は、防水性を重視する余り透水性のない樹脂や顔料組
成、顔料濃度で構成されており、全く通気性の考慮はな
されておらず、結露防止にとっては何らの解決策にもな
っていない。また、特許第2114397号公報では、
顔料体積濃度(以下、PVCという)を臨界体積濃度±
20%に塗料を塗布して透湿性および防水性をともに向
上させる方法について提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特許第
2114397号公報記載の方法では、塗布後しばらく
は透湿性および防水性が良好であるものの、結合剤とし
て合成樹脂を用いており、長時間経過すると、この合成
樹脂が紫外線などにより劣化することがある。その結
果、塗膜に微細な亀裂が発生し、合成樹脂が顔料を保持
できなくなり、粉化し、発生した亀裂から水が侵入して
防水性が低下することがあった。本発明は、前記事情を
鑑みて行われたものであり、塗膜の耐候性を向上させ、
透湿性および防水性を長期間維持する透湿防水型塗料組
成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の透湿防水型塗料
組成物は、シリコーン樹脂エマルションと、シリコーン
樹脂エマルション以外の合成樹脂エマルションとを含有
することものである。その際、前記合成樹脂エマルショ
ンの固形分重量をAとし、前記シリコーン樹脂エマルシ
ョンの固形分重量をSとした際に、A/Sが1/9〜9
/1であることが好ましい。また、透湿防水型塗料組成
物は、変性シリコーン樹脂エマルションを、変性シリコ
ーン樹脂固形分換算で0.1〜10重量%含有すること
が好ましい。また、本発明の透湿防水塗膜の形成方法
は、JIS Z 0208に準拠し、温度20℃、相対
湿度65%の環境下で測定した透湿度が200g/m2
/24h以上であり、かつDIN規格52617に準拠
し、温度20℃、相対湿度65%の環境下で測定した吸
水率が0.02kg/m2/h0.5以下である塗膜を形成
することを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の透湿防水型塗料組成物
は、シリコーン樹脂エマルションと、シリコーン樹脂エ
マルション以外の合成樹脂エマルションとを含有するも
のである。シリコーン樹脂エマルション以外の合成樹脂
エマルションに用いられる合成樹脂は、結合剤として機
能すれば特に限定されず、例えば、アクリル系重合体、
スチレン系重合体、酢酸ビニル系重合体、塩化ビニル系
重合体、エポキシ系重合体、フタル酸系重合体、ポリエ
ステル系重合体、ウレタン系重合体などが挙げられる。
また、これらの重合体は単独で使用してもよいし、併用
してもよい。また、これらの重合体が共重合した共重合
体であってもよい。
【0006】シリコーン樹脂エマルションは、ポリオル
ガノシロキサンの乳化物である。ポリオルガノシロキサ
ンとしては塗膜を形成するものであれば特に制限はない
が、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシ
ロキサン、ポリジプロピルシロキサン、ポリジブチルシ
ロキサン、ポリジイソプロピルシロキサン、ポリジヘキ
シルシロキサン、ポリジオクチルシロキサン、ポリエチ
ルメチルシロキサン、ポリメチルプロピルシロキサン、
ポリブチルメチルシロキサン、ポリイソプロピルメチル
シロキサン、ポリヘキシルメチルシロキサン、ポリメチ
ルオクチルシロキサン、ポリエチルプロピルシロキサ
ン、ポリブチルオクチルシロキサン、に代表されるもの
が挙げられる。これらのポリオルガノシロキサンは単独
で使用してもよいし、併用してもよい。
【0007】シリコーン樹脂エマルションと、シリコー
ン樹脂エマルション以外の合成樹脂エマルションとの混
合比率は、シリコーン樹脂エマルション以外の合成樹脂
エマルションの固形分重量をAとし、シリコーン樹脂エ
マルションの固形分重量をSとした際に、A/Sが1/
9〜9/1であることが好ましく、3/7〜7/3であ
ることがさらに好ましい。A/Sが1/9未満である
と、成膜速度が遅くなり、塗膜形成に時間を要すること
がある。一方、A/Sが9/1を超えると、シリコーン
樹脂の配合量が少なくなるので、最終的に得られる透湿
防水型塗料組成物の耐候性が低下し、透湿性および防水
性が不十分となることがある。
【0008】また、透湿防水型塗料組成物では、シリコ
ーン樹脂エマルション中に変性シリコーン樹脂エマルシ
ョンを含有することが好ましい。変性シリコーン樹脂エ
マルションとは、変性ポリオルガノシロキサンの乳化物
である。変性シリコーン樹脂としては、例えば、アミノ
変性ポリジメチルシロキサン、アミノ変性ポリジエチル
シロキサン、アミノ変性ポリジプロピルシロキサン、ア
ミノ変性ポリジブチルシロキサン、アミノ変性イソプロ
ピルシロキサン、アミノ変性ポリジヘキシルシロキサ
ン、アミノ変性ジオクチルシロキサン、アミノ変性ポリ
エチルメチルシロキサン、アミノ変性ポリメチルプロピ
ルシロキサン、アミノ変性ポリブチルメチルシロキサ
ン、アミノ変性ポリヘキシルメチルシロキサン、アミノ
変性ポリエチルブチルシロキサン、アミノ変性ポリエチ
ルヘキシルシロキサン、アミノ変性ポリブチルオクチル
シロキサン、に代表されるものが挙げられる。これらの
中でもアミノ変性ポリジメチルシロキサンが特に好まし
い。変性シリコーン樹脂エマルションの好ましい含有量
は、変性シリコーン樹脂固形分換算で透湿防水型塗料組
成物中の0.1〜10重量%であり、さらに好ましくは
1〜5重量%である。変性シリコーン樹脂固形分含有量
が0.1重量%未満であると、塗膜の撥水性が向上しな
いことがあり、10重量%を超えると、塗膜表面が粘着
性を帯びて大気中の土埃、廃棄ガス等の汚染物質を付着
し易くなり、汚れ易くなることがある。
【0009】透湿防水型塗料組成物は、顔料を含有する
ことができる。顔料としては、例えば、酸化チタン、酸
化亜鉛、酸化鉄フタロシアニンブルーなどの着色顔料の
他、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルククレー、
硫酸バリウム、酸化ケイ素、ベンナイト炭酸マグネシウ
ム、炭酸バリウム、アスベスト、ケイソウ土などの体質
顔料が挙げられる。また、顔料体積濃度(PVC)は制
限されるものではないが、好ましくは40〜70%、よ
り好ましくは50〜70%である。ここで、顔料体積濃
度とは、塗膜中の配合されている顔料と樹脂結合剤混合
物に対する顔料の体積率であり、次式によって求めたも
のである。
【数1】
【0010】また、透湿防水型塗料組成物は必要に応じ
て、その他の添加剤を添加してもよい。その他の添加剤
としては、例えば、造膜助剤、可塑剤、防腐剤、防かび
剤、消泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、
たれ防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤など
が挙げられる。これら添加剤は単独で使用してもよい
し、併用してもよい。
【0011】透湿防水型塗料組成物を製造する方法とし
ては、各成分を均一に混合できれば特に制限されない。
例えば、合成樹脂エマルションと、シリコーン樹脂エマ
ルションと、顔料と、必要に応じてその他の添加剤とを
容器に入れ、これらを高速撹拌機などの混合手段によっ
て均一に混合分散する方法などが挙げられる。
【0012】得られた透湿防水型塗料組成物の塗装方法
は、基材面に均一に塗布できれば特に制限はない。塗装
方法としては、例えば、吹付け塗り、刷毛塗り、ローラ
塗り、コテ塗り、フローコータ塗り、ローラーコータ塗
りなどが挙げられる。塗装された透湿防水型塗料組成物
は、乾燥および/または硬化処理することによって塗膜
となる。塗膜の厚さについては、透湿性および防水性を
有していれば特に制限はないが、好ましい塗膜の厚さは
200〜800μm、さらに好ましくは300〜600
μmである。塗膜の厚さが200μmよりも薄いと、透
湿性は向上するものの、防水性が不足する。また、80
0μmを超えると、防水性は向上するものの、透湿性が
不足する。
【0013】透湿防水型塗料組成物が塗装される基材
は、通気性を有し、透湿防水型塗料組成物の透湿性およ
び防水性の効果を同時に発揮できれば特に限定されな
い。このような基材としては、例えば、木材セメント
板、ALC板、モルタルコンクリート、軽量コンクリー
ト、石綿スレート、パルプセメント板、繊維板、パーテ
ィクルボード、石こうボード、合板、コンクリートブロ
ックなどが挙げられる。
【0014】また、これら基材の上に防水層を下塗り
し、その上に本発明の透湿防水型塗料組成物を塗装した
場合、さらに防水性を向上させることができる。その
上、透湿防水型塗料組成物によって防水層が保護される
ので、長期間防水性が維持される。また、防水層と透湿
防水型塗料組成物との間に水分が侵入しても、水分は透
湿防水型塗料組成物から放出されるので、防水層と透湿
防水型塗料組成物との間の界面剥離やふくれ等の不良を
低減できる。防水層としては、例えば、ALC用下塗り
材(VEフィラー605:藤倉化成(株))を使用する
ことができる。また、防水層の厚さは、200〜700
μmであることが好ましい。200μm未満であると、
防水性が不十分となることがあり、700μmを超える
と、基材中の水分が放出できなくなることがある。
【0015】本発明の透湿防水型塗料組成物にあって
は、シリコーン樹脂エマルションと、シリコーン樹脂以
外の合成樹脂エマルションとを含有するものであり、シ
リコーン樹脂は紫外線に対する耐性が高いなど耐候性に
優れているので、透湿防水型塗料組成物の耐候性が向上
し、塗膜の亀裂発生を抑制する。その結果、透湿性およ
び防水性を長時間維持できる。また、シリコーン樹脂は
撥水性が高いので、結果的に塗膜の撥水性が向上する。
そのため、仮に亀裂が発生しても、撥水効果で水分の侵
入を抑制できる。その上、大気中の汚染物質を含む雨が
塗装面に付着しても、撥水性によって流れてしまい、塗
装面の耐汚染性が向上する。また、塗装面を常に乾いた
状態に維持できるので、水系塗料の欠点であった藻やカ
ビなどの繁殖を防止できる。
【0016】また、前記合成樹脂エマルションの固形分
重量をAとし、前記シリコーン樹脂エマルションの固形
分重量をSとした際に、A/Sが1/9〜9/1である
と、特に耐候性が優れる上に、成膜速度が低下すること
がないので、塗膜形成時間が低下しない。また、透湿防
水型塗料組成物は、変性シリコーン樹脂エマルションを
変性シリコーン樹脂固形分換算で0.1〜10重量%含
有すると、塗膜の撥水性がさらに向上し、塗装面の耐汚
染性がさらに向上する。
【0017】上述した透湿防水型塗料組成物を用いて、
JIS Z 0208に準拠し、温度20℃、相対湿度
65%の環境下で測定した透湿度が200g/m2 /2
4h以上であり、かつDIN規格52617に準拠し、
温度20℃、相対湿度65%の環境下で測定した吸水率
が0.02kg/m2/h0.5以下である透湿防水塗膜を
形成すると、壁などの構造体への雨水の侵入を十分に防
止できる上に、構造体から十分に湿気を放出できる。そ
の結果、建築物の寿命を延長させることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明する。 [実施例1]アクリルシリコン樹脂エマルション(旭化
成株式会社製ポリデュレックスG−651)5.0重量
%(固形分換算)と、シリコーン樹脂エマルション(旭
化成ワッカーシリコーン株式会社製WACKER BS
45)5.0重量%(固形分換算)と、分散剤としてノ
プコスパース44C(サンノプコ株式会社製)0.2重
量%およびトリポリリン酸ナトリウム(米山化学株式会
社製)0.2重量%と、消泡剤としてBYK−023
(ビックケミー株式会社製)0.3重量%およびBYK
−028(ビックケミー株式会社製)0.2重量%と、
ヒドロキシエチルセルロース(フジケミカル株式会社製
HEC−AV−15F)0.5重量%と、成膜助剤(長
瀬産業株式会社製テキサノール)5.0重量%、着色顔
料として酸化チタン(石原産業株式会社製タイピュアー
R−930)12.0重量%、体質顔料として炭酸カル
シウム(日東粉化株式会社製NN#200)30.0重
量%と、pH調整剤として工業用25%アンモニア水溶
液(大盛加工株式会社製)0.1重量%とを配合し、高
速撹拌機を用いて60分間撹拌混合して塗料組成物を得
た。この塗料組成物のPVCは60であった。
【0019】[比較例1]アクリルシリコン樹脂エマル
ション10.0重量%(固形分換算)と、分散剤として
ノプコスパース44C(サンノプコ株式会社製)0.2
重量%およびトリポリリン酸ナトリウム(米山化学株式
会社製)0.2重量%と、消泡剤としてBYK−023
(ビックケミー株式会社製)0.3重量%およびBYK
−028(ビックケミー株式会社製)0.2重量%と、
ヒドロキシエチルセルロース(フジケミカル株式会社製
HEC−AV−15F)0.5重量%と、成膜助剤(長
瀬産業株式会社製テキサノール)5.0重量%、着色顔
料として酸化チタン(石原産業株式会社製タイピュアー
R−930)12.0重量%、体質顔料として炭酸カル
シウム(日東粉化株式会社製NN#200)30.0重
量%と、pH調整剤として工業用25%アンモニア水溶
液(大盛加工株式会社製)0.1重量%とを配合し、高
速撹拌機を用いて60分間撹拌混合して塗料組成物を得
た。この塗料組成物のPVCは60であった。
【0020】このようにして得た実施例1および比較例
1の塗料組成物の透湿度、透水度を以下のように測定し
た。それらの結果を表1に示す。 (a)透湿度 塗料組成物をろ紙上に600g/m2 になるようにスプ
レー塗装し、その後、14日間自然乾燥させて試験体を
得た。そして、JIS Z 0208(1976)に準
拠し、温度20℃、相対湿度65%の環境下で、試験体
の透湿性を測定した。 (b)透水度 塗料組成物を石綿スレート板上に600g/m2 となる
ようにスプレー塗装し、その後、14日間自然乾燥させ
て試験体を得た。そして、JIS A 6909に準拠
し、温度20℃の環境下で、試験体の透水性を測定し
た。
【0021】
【表1】
【0022】次に、基材の上に防水層を塗装し、この防
水層の上に実施例1および比較例1の塗料組成物を塗装
して複層膜とした場合について、以下のように透湿度、
透水度、耐候性、吸水性を測定した。それらの結果を表
2に示す。 (a)透湿度 ろ紙上に水系専用下塗り材を300g/m2 になるよう
にスプレー塗装した。さらに、その上に塗料組成物を6
00g/m2 になるようにスプレー塗装し、その後、1
4日間自然乾燥させて試験体を得た。そして、JIS
Z 0208(1976)に準拠し、温度20℃、相対
湿度65%の環境下で、試験体の透湿性を測定した。 (b)透水度 石綿スレート板上に水系専用下塗り材を300g/m2
となるようにスプレー塗装した。さらに、その上に塗料
組成物を600g/m2 になるようにスプレー塗装し、
その後、14日間自然乾燥させて試験体を得た。そし
て、JIS A6909に準拠し、温度20℃の環境下
で、試験体の透水性を測定した。
【0023】(c)耐候性 石綿スレート板上にシーラーとして溶剤系プライマーを
75g/m2 になるように塗装し、その上に水系専用下
塗り材を300g/m2 になるように塗装した。さら
に、その上に塗料組成物を300g/m2 になるように
スプレー塗装し、その後、14日間自然乾燥させて試験
体を得た。そして、この試験体を用いて、サンシャイン
ウェザオメータ(スガ試験器(株)製WEL−SUN−
DC−B型)によって5000時間の促進暴露試験を行
い、促進暴露試験前後の色相を色差計(スガ試験器
(株)製SM−7−IS−28)によって測定して耐候
性を評価した。 (d)吸水率 石綿スレート板上に水系専用下塗り材を300g/m2
になるようにスプレー塗装した。さらに、その上に塗料
組成物を600g/m2 になるようにスプレー塗装し、
その後、14日間自然乾燥させて試験体を得た。そし
て、DIN規格52617に準拠して、吸水率を測定し
た。
【0024】
【表2】
【0025】実施例1の塗料組成物は、シリコーン樹脂
エマルションを配合しているので、透湿性と防水性とが
共に優れていた。また、基材と塗料組成物との間に防水
層を形成させて複層膜とした場合では、耐候性が優れて
いており、透湿性と防水性とが共にさらに優れていた。
また、吸水性が小さく、撥水性に優れていた。一方、比
較例1の塗料組成物は、シリコーン樹脂エマルションを
配合していないので、透湿性、防水性共に不十分であっ
た。また、基材と塗料組成物との間に防水層を形成させ
て複層膜とした場合であっても、耐候性も劣っており、
透湿性と防水性とが不十分であった。また、吸水性が大
きく、撥水性が劣っていた。
【0026】次に、撥水性向上を目的として、アミノ変
性シリコーン樹脂エマルションを添加した塗料組成物を
配合した。アミノ変性シリコーン樹脂エマルションに
は、旭化成ワッカーシリコーン株式会社製WACKER
BS1306を使用した。また、結合剤としてアクリ
ルシリコン樹脂エマルション(旭化成株式会社製ポリデ
ュレックスG−651)およびシリコーン樹脂エマルシ
ョン(旭化成ワッカーシリコーン株式会社製WACKE
R BS45)を、分散剤としてノプコスパース44C
(サンノプコ株式会社製)0.2重量%およびトリポリ
リン酸ナトリウム(米山化学株式会社製)0.2重量%
と、消泡剤としてBYK−023(ビックケミー株式会
社製)0.3重量%およびBYK−028(ビックケミ
ー株式会社製)0.2重量%と、ヒドロキシエチルセル
ロース(フジケミカル株式会社製HEC−AV−15
F)0.5重量%と、成膜助剤(長瀬産業株式会社製テ
キサノール)5.0重量%、着色顔料として酸化チタン
(石原産業株式会社製タイピュアーR−930)12.
0重量%、体質顔料として炭酸カルシウム(日東粉化株
式会社製NN#200)30.0重量%と、pH調整剤
として工業用25%アンモニア水溶液(大盛加工株式会
社製)0.1重量%とを表3に示すように配合した。こ
れらの塗料組成物の、PVCはすべて60とした。
【0027】これらの塗料組成物の透湿度、透水度、耐
候性、吸水率を、複層の状態で評価した。また、撥水性
について、接触角測定装置(協和界面科学株式会社製接
触角型CA−DT)を用いて測定した。それらの結果に
ついて、表3に示す。
【0028】
【表3】
【0029】実施例2〜6の塗料組成物は、アミノ変性
シリコーン樹脂エマルションを0.1〜10重量%含む
ので、耐候性が優れており、透湿度、透水度も優れてい
た。また、吸水率が小さくかつ水接触角が大きいので、
撥水性も優れていた。一方、比較例2の塗料組成物は、
アミノ変性シリコーン樹脂エマルションを含まないの
で、耐候性に劣り、透湿度、透水度も不十分であった。
また、吸水率が高くかつ水接触角が小さいので、撥水性
は不十分であった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、透湿防水型塗料組成物
の耐候性が高いので、塗膜の亀裂発生を抑制できる。そ
の結果、透湿性および防水性を長時間維持できる。ま
た、透湿防水型塗料組成物の撥水性が高いので、仮に亀
裂が発生しても、撥水効果で水分の侵入を抑制できる。
その上、大気中の汚染物質を含んだ雨が塗装面に付着し
ても流れてしまい、塗装面を汚染することがない。ま
た、水系塗料の欠点であった藻やカビなどの繁殖を防止
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 CA32 CA36 CA38 CA40 DA06 DB12 DB22 DB25 DC02 EA06 EA13 EB14 EB15 EB19 EB20 EB22 EB33 EB35 EB38 EB43 EB51 EB56 4J038 DL031 DL081 MA08 MA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコーン樹脂エマルションと、シリコ
    ーン樹脂エマルション以外の合成樹脂エマルションとを
    含有することを特徴とする透湿防水型塗料組成物。
  2. 【請求項2】 前記合成樹脂エマルションの固形分重量
    をAとし、前記シリコーン樹脂エマルションの固形分重
    量をSとした際に、A/Sが1/9〜9/1であること
    を特徴とする請求項1に記載の透湿防水型塗料組成物。
  3. 【請求項3】 変性シリコーン樹脂エマルションを、変
    性シリコーン樹脂固形分換算で0.1〜10重量%含有
    することを特徴とする請求項1または2に記載の透湿防
    水型塗料組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の透湿防
    水型塗料組成物を用いて、JIS Z 0208に準拠
    し、温度20℃、相対湿度65%の環境下で測定した透
    湿度が200g/m2 /24h以上であり、かつDIN
    規格52617に準拠し、温度20℃、相対湿度65%
    の環境下で測定した吸水率が0.02kg/m2/h0.5
    以下である塗膜を形成することを特徴とする透湿防水塗
    膜の形成方法。
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